ブラシホルダ及び直流モータ
【課題】容易に組み付けることができ、且つ、大型化を抑制しながら組み付け強度を十分確保することができるブラシホルダを提供する。
【解決手段】ブラシホルダは、ブラシ保持部を有する保持部材41と、コネクタ部を有し保持部材41に対して組み付けられるベース部材51とを備える。保持部材41には弾性変形可能な弾性部43aとその弾性部43aの先端側に形成された爪部43bとからなる係合爪43が設けられ、ベース部材51には爪部43bが係合可能な係合面52bを有する弾性変形可能な係合壁52cが設けられ、保持部材41とベース部材51とは爪部43bが係合面52bに係合することで抜け止めがなされて組み付けられる。
【解決手段】ブラシホルダは、ブラシ保持部を有する保持部材41と、コネクタ部を有し保持部材41に対して組み付けられるベース部材51とを備える。保持部材41には弾性変形可能な弾性部43aとその弾性部43aの先端側に形成された爪部43bとからなる係合爪43が設けられ、ベース部材51には爪部43bが係合可能な係合面52bを有する弾性変形可能な係合壁52cが設けられ、保持部材41とベース部材51とは爪部43bが係合面52bに係合することで抜け止めがなされて組み付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシホルダ及びブラシホルダを備える直流モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、直流モータが備えるブラシホルダとしては、ブラシを保持するブラシ保持部とブラシに接続されるチョークコイル等の電気部品を保持する部品保持部とコネクタ部とを有するように一体成形されてなるとともに、電気部品の接続端子に電気的に接続されてコネクタ部に延びるターミナルが配設されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなブラシホルダは、例えば、整流子が固定された回転軸を略収容するヨークハウジングに一部が収容されてモータ本体の一部を構成し、そのヨークハウジングには回転軸の回転を減速するための減速機構を収容したギヤハウジング(減速部)がブラシホルダを挟むように固定され、それらによって直流モータが構成されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−79109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したようなブラシホルダでは、例えば、コネクタ部の位置に基づいてブラシを直接保持するためのブラシ保持部の成形が困難となることがある。詳しくは、例えば、径方向に略沿った筒状のブラシ保持部の径方向に近い位置にコネクタ部を配置したい場合では、前記筒状を成形するためのスライドコアとコネクタ部との干渉を考慮する必要があり、それによってそれらの成形が困難となることがある。尚、このことは、ブラシ保持部とコネクタ部との距離を大幅に離す要因となり、ブラシホルダの大型化の原因となる。又、上記したようなブラシホルダでは、例えば、コネクタ部の位置のみが異なる仕様のブラシホルダを製造する場合でも、ブラシホルダ全体を製造するための金型が仕様毎に必要となってしまう。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コネクタ部の位置に基づいてブラシ保持部の成形が困難となるといったことを回避することができるとともに、コネクタ部の位置のみが異なる仕様のブラシホルダを製造する場合、保持部材を共通の部品とすることができるブラシホルダ及び直流モータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明では、ブラシを保持するためのブラシ保持部を有する保持部材と、コネクタ部を有し前記保持部材に対して遊嵌されるベース部材とを備えた。
同構成によれば、ブラシホルダは、ブラシ保持部を有する保持部材と、コネクタ部を有し保持部材に対して遊嵌されるベース部材とを備えるため、それらが一体成形されてなるものに比べて、例えば、コネクタ部の位置に基づいてブラシ保持部の成形が困難となるといったことを回避することができる。又、例えば、コネクタ部の位置のみが異なる仕様のブラシホルダを製造する場合、保持部材を共通の部品とすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、整流子が固定された回転軸を略収容するヨークハウジングと、請求項1に記載のブラシホルダとを有するモータ本体と、前記回転軸の回転を減速するための減速機構を収容し前記ヨークハウジングに固定されるギヤハウジングを有する減速部とを備えた直流モータであって、前記保持部材は、前記整流子に摺接する前記ブラシを保持するための前記ブラシ保持部を有し前記ヨークハウジングに略収容され、前記ベース部材は、前記ギヤハウジング側で前記保持部材に対して遊嵌されて組み付けられた。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コネクタ部の位置に基づいてブラシ保持部の成形が困難となるといったことを回避することができるとともに、コネクタ部の位置のみが異なる仕様のブラシホルダを製造する場合、保持部材を共通の部品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態における直流モータの要部断面図。
【図2】本実施の形態におけるブラシホルダの平面図。
【図3】本実施の形態におけるベース部材及びシール部材の平面図。
【図4】本実施の形態における保持部材の平面図。
【図5】本実施の形態におけるベース部材及びシール部材の要部斜視図。
【図6】本実施の形態における保持部材の斜視図。
【図7】(a)図2のa−a断面図。(b)図2のb−b断面図。
【図8】本実施の形態におけるコイル端子支持部を説明するための部分斜視図。
【図9】本実施の形態におけるサーキットブレーカの正面図。
【図10】本実施の形態における回路基板を除いたブラシホルダの斜視図。
【図11】本実施の形態におけるブラシホルダの斜視図。
【図12】別例における直流モータの一部分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図11に従って説明する。
図1は、本実施形態の直流モータ1を示す。直流モータ1は、車両に搭載されるパワーウインド装置の駆動源として用いられるモータである。直流モータ1は、モータ本体2と減速部3とを備える。
【0012】
モータ本体2は、ヨークハウジング4、一対のマグネット5、アーマチャ(電機子)6、整流子7、ブラシホルダ8及び一対のブラシ9を備えている。
ヨークハウジング4は有底扁平円筒状をなしており、その一対の扁平面4aをそれぞれ連結する湾曲面4bにおける内側面には一対のマグネット5が固着されている。マグネット5の内側には、アーマチャ6が収容されている。アーマチャ6は回転軸10を有し、その回転軸10の基端部はヨークハウジング4の底部中央に保持された図示しない軸受により回転可能に支持されている。又、回転軸10の先端側であって、ヨークハウジング4の開口部側には整流子7が固定されている。
【0013】
ヨークハウジング4の開口部には、前記湾曲面4bから径方向外側(図1中、左右方向側)に延びる一対のフランジ部4cが形成されている。そして、ヨークハウジング4の開口部には、ブラシホルダ8が固定されている。
【0014】
ブラシホルダ8は、ヨークハウジング4の開口部を略覆う形状、即ち、略扁平円形状(図2参照)に形成されその一部がヨークハウジング4に嵌挿されて収容されるホルダ本体8aと、ホルダ本体8aからヨークハウジング4の径方向外側(図1及び図2中、左側)に延びる延出部8bと、延出部8bの先端に形成されるコネクタ部8cとを備えている。
【0015】
又、ホルダ本体8aには、図2に示すように、ブラシ9を保持するための一対のブラシ保持部11と、チョークコイル12,13を保持するためのコイル保持部14,15と、サーキットブレーカ16を保持するためのブレーカ保持部17と、軸受18(図1参照)を保持するための軸受保持部19とが設けられている。尚、本実施の形態では、チョークコイル12及びサーキットブレーカ16が電気部品をそれぞれ構成し、コイル保持部14及びブレーカ保持部17が部品保持部をそれぞれ構成している。そして、一方側(図2中、左側)のブラシ9は、チョークコイル12に電気的に接続され、他方側(図2中、右側)のブラシ9は、チョークコイル13を介してサーキットブレーカ16に電気的に接続される。又、ブラシホルダ8には、ホルダ本体8aにて前記チョークコイル12と前記サーキットブレーカ16とにそれぞれ電気的に接続されるとともにコネクタ部8cまで延びて、該コネクタ部8cに嵌着される外部コネクタの端子に接続されることになる一対のターミナル21,22が配設されている。そして、図1に示すように、軸受保持部19に保持された軸受18にて回転軸10の先端側(整流子7より先端側)が回転可能に支持されている。
【0016】
前記減速部3は、ギヤハウジング31、ウォーム軸32、ウォームホイール33及びクラッチ34を備えている。尚、本実施の形態では、ウォーム軸32、ウォームホイール33が回転軸10の回転を減速するための減速機構を構成している。
【0017】
ギヤハウジング31は、合成樹脂製であって、内部にはウォーム軸32、ウォームホイール33及びクラッチ34を収容すべく所定形状に形成されている。又、ギヤハウジング31は、前記ヨークハウジング4の開口部と対向する開口部31aを有している。そして、このギヤハウジング31と前記ヨークハウジング4とは、ブラシホルダ8を間に挟むように、フランジ部4cを貫通しギヤハウジング31側(詳しくはギヤハウジング31に保持されたナット)に螺合されるネジ35にて固定される。
【0018】
ウォーム軸32は、ギヤハウジング31内に設けられた軸受36,37により回転可能に支持され、前記モータ本体2から延びる回転軸10とクラッチ34を介して駆動連結されている。このクラッチ34は、回転軸10からの駆動力をウォーム軸32に伝達し、逆にウォーム軸32からの駆動力が回転軸10に伝達しないようウォーム軸32の回転をロックするように作動する。つまり、このクラッチ34は、負荷側(出力軸38側)からの直流モータ1の回転を防止するために設けられている。
【0019】
又、ウォーム軸32のウォーム32aは、ウォームホイール33と噛合されている。ウォームホイール33は、ウォーム軸32と直交するように配置された出力軸38と駆動連結されている。出力軸38は、ウインドガラス(図示略)を開閉させる周知のワイヤ式レギュレータ(図示略)に駆動連結されることになる。そして、出力軸38が回転することによりレギュレータが作動し、ウインドガラスが開閉するようになっている。
【0020】
ここで、本実施の形態のブラシホルダ8及びその固定構造について詳述する。
ブラシホルダ8は、合成樹脂製の保持部材41(図4及び図6参照)と、合成樹脂製のベース部材51(図3及び図5参照)と、エラストマ材料等の弾性材料よりなるシール部材61(図3及び図5参照)とを備える。
【0021】
保持部材41は、図4に示すように、前記ホルダ本体8aの一部を構成し、ヨークハウジング4の開口部を略覆う形状、即ち、前記回転軸10の軸線方向と対応した方向(以下、単に軸線方向という)から見て(図4参照)、略扁平円形状に形成され、ヨークハウジング4に嵌挿されて略収容される。又、保持部材41は、前記ブラシ保持部11と、前記コイル保持部14,15と、前記ブレーカ保持部17と、前記軸受保持部19と、位置決め手段としての一対の位置決め柱42(図1参照)と、一対の係合爪43(図6参照、図中、1つのみ図示する)とを有する。
【0022】
ブラシ保持部11は、前記軸線方向から見て(図4参照)、保持部材41の長手方向(図4中、左右方向)両端部における短手方向(図4中、上下方向)の中央にそれぞれ形成されている。このブラシ保持部11は、径方向に略沿った方向に貫通した略4角筒状に形成され、その径方向外側から挿入される略4角柱状のブラシ9(図2参照)を保持可能に形成されている。
【0023】
コイル保持部14,15は、前記軸線方向から見て、保持部材41の長手方向(図4中、左右方向)両端部における短手方向(図4中、上下方向)の一方側(図4中、前記ブラシ保持部11の(回転軸10を中心とした)時計回り側)にそれぞれ形成されている。このコイル保持部14,15は、前記軸線方向に沿って略円筒状に立設され(図6参照)、その軸線方向から挿入される略円筒形状のチョークコイル12,13(図2及び図8参照)を保持可能に形成されている。又、コイル保持部14,15の一部には、前記円筒状が一部切り欠いた形状とされることで、チョークコイル12,13の略円筒状から略径方向外側に突出するコイル接続端子12a,13a(図2及び図8参照)を外部(前記長手方向の中央側)に導出可能とする導出スリット14a,15aが形成されている。尚、この導出スリット14a,15aは、前記コイル接続端子12a,13aの直径より若干大きな幅に設定されている。
【0024】
ブレーカ保持部17は、前記軸線方向から見て、保持部材41の長手方向(図4中、左右方向)中央における短手方向(図4中、上下方向)の一方側(図4中、下側)に形成されている。このブレーカ保持部17は、サーキットブレーカ16(図2及び図9参照)を支持すべく、支持壁17aと、一対の側壁17b,17cと、延設対向壁17dと、中央対向柱17eとを有する。詳しくは、支持壁17aは、前記軸線方向から見て、保持部材41の短手方向(図4中、上下方向)の一方側(図4中、下側)端部で前記長手方向に沿って延びるとともに前記軸線方向に沿って立設されている。又、一対の側壁17b,17cは、前記支持壁17aの前記長手方向両端部から前記短手方向の他方側(図4中、上側)に延設されている。又、延設対向壁17dは、一方側(図4中、右側)の側壁17bから前記支持壁17aと対向するように延設されている。又、中央対向柱17eは、前記長手方向(図4中、左右方向)中央で前記支持壁17aと対向するように前記軸線方向に沿って立設されている。これにより、ブレーカ保持部17は、軸線方向から挿入される略板状のサーキットブレーカ16(図2及び図9参照)を保持可能とされている。尚、サーキットブレーカ16は、図2に示すように、その前記略板状から板厚方向に突出する前記長手方向に一対のブレーカ接続端子16a,16bを有する。又、一方側(図2中、右側)のブレーカ接続端子16aは、その先端が他方側(図2中、左側)のブレーカ接続端子16bと離間する方向(図2中、右方向)に屈曲して形成されている。又、本実施の形態における一方側(図2中、右側)のブレーカ接続端子16aは、図9に示すように、他方側(図2中、左側)のブレーカ接続端子16bよりも前記軸方向(図9中、上下方向)に僅かに突出した位置に形成されている。
【0025】
軸受保持部19は、前記軸線方向から見て、保持部材41の中央に形成されている。この軸受保持部19は、保持部材41を貫通するとともに前記コイル保持部14,15等とは反対側(前記軸線方向における図1中、下側であって、図4中、紙面奥側)に略筒状に立設され、その内周面に軸受18(図1参照)を保持可能に形成されている。
【0026】
位置決め柱42は、前記軸線方向から見て、保持部材41の長手方向(図4中、左右方向)両端部における短手方向(図4中、上下方向)の中央にそれぞれ形成されている。この位置決め柱42は、前記コイル保持部14,15等とは反対側(前記軸線方向における図1中、下側であって、図4中、紙面奥側)に立設されている。又、位置決め柱42の先端部には、図1に示すように、軸線方向に凹設された嵌合凹部42aが形成され、その嵌合凹部42aには前記ギヤハウジング31に形成された位置決め手段としての一対の位置決め凸部31bがそれぞれ嵌合可能に形成されている。即ち、保持部材41は、その位置決め柱42の嵌合凹部42aにギヤハウジング31の位置決め凸部31bが嵌合されることで、ギヤハウジング31に対して前記軸線方向の直交方向に位置決めされている。
【0027】
係合爪43は、前記軸線方向から見て、保持部材41の外周壁41aに沿って形成されるものであって、本実施の形態では保持部材41の長手方向(図4中、左右方向)両端部における短手方向(図4中、上下方向)の一部(図4中、前記ブラシ保持部11の(回転軸10を中心とした)反時計回り側)にそれぞれ形成されている。この係合爪43は、前記コイル保持部14,15等とは反対側(前記軸線方向における図4中、紙面奥側)に延びる弾性変形可能な弾性部43a(図6参照)と、その弾性部43aの先端に形成された内側(回転軸10が配置される側)に突出した形状の爪部43b(図7参照)とからなる。尚、本実施の形態の弾性部43aは、保持部材41の内外方向(回転軸10を中心とした径方向)に薄く形成され、同方向に弾性を有して撓み易く、その直交方向には撓み難い(ほぼ撓まない)ように形成されている。
【0028】
又、保持部材41には、一方側(図4中、左側であって、コネクタ部8cと対応した側)の前記コイル保持部14の導出スリット14aと対応した位置であって、該導出スリット14aから導出される前記コイル接続端子12a(図2及び図8参照)が配置される位置で軸方向に貫通する第1貫通窓44が形成されている。
【0029】
又、保持部材41には、他方側(図4中、右側)の前記コイル保持部15の導出スリット15aと対応した位置であって、該導出スリット15aから導出される前記コイル接続端子13a(図2参照)が配置される位置、且つ一方側のブレーカ接続端子16aが配置される位置で軸方向に貫通する第2貫通窓45が形成されている。
【0030】
又、保持部材41には、中央対向柱17eと他方側(図4中、左側)の側壁17cとの間に対応した位置であって、その間から導出される他方側のブレーカ接続端子16bが配置される位置で軸方向に貫通する第3貫通窓46が形成されている。
【0031】
ベース部材51は、前記ホルダ本体8aの一部を構成し前記軸線方向から見て(図3参照)前記保持部材41より僅かに大きい略扁平円形状に形成されるベース部52と、前記延出部8bの一部を構成しベース部52の長手方向から更に延びるベース延設部53と、前記ベース延設部53の先端に形成される前記コネクタ部8cとを備えている。又、ベース部材51には、前記コイル接続端子12a及び前記ブレーカ接続端子16bに電気的に接続可能な位置で軸線方向両方に露出されるターミナル端子部21a,22aを有するとともにベース延設部53の内部を通ってコネクタ部8cまで延びる前記ターミナル21,22がインサート成形により埋設されている。尚、ターミナル21,22のターミナル端子部21a,22aは、前記コイル接続端子12a及び前記ブレーカ接続端子16bに沿うように、即ち前記軸線方向の直交方向に沿って配置されて、コイル接続端子12a及びブレーカ接続端子16bと溶接されるものであって、本実施の形態では、軸線方向に一対の治具にてスポット溶接されるものである。
【0032】
ベース部52において、前記軸線方向から見て、前記保持部材41の外縁と対応した位置には、他の面と段差(前記ギヤハウジング31側への段差であって、図7(b)参照)を有して前記保持部材41の外縁と対応した位置より更に外側までフランジ状に延びるフランジ部52aが形成されている。
【0033】
そして、シール部材61は、前記保持部材41の外縁と対応した位置から外側でフランジ部52aを覆うように設けられている。又、シール部材61は、前記ベース延設部53の基端側をも覆うように設けられている。このシール部材61は、前記ベース部材51をインサート品として該ベース部材51に一体化されて設けられている。そして、シール部材61は、ブラシホルダ8がヨークハウジング4とギヤハウジング31との間に挟まれるように組み付けられた状態でヨークハウジング4とギヤハウジング31とに挟持され、ベース部材51とヨークハウジング4とギヤハウジング31との各間をシールする。
【0034】
又、シール部材61には、弾性部材としての被挟持部61aが形成(一体成形)されている。本実施の形態の被挟持部61aは、前記保持部材41の外縁と対応した(軸方向に重なる)位置であって、軸線方向から見て(図3参照)、四隅の位置でフランジ部52aを覆うように形成されている。又、本実施の形態の被挟持部61aは、前記軸線方向の厚さが、他の部分より薄く形成されている。
【0035】
又、ベース部52には、前記保持部材41と組み付け可能とすべく、前記係合爪43と対応した位置に前記爪部43bが係合可能な係合面52b(図7(a)参照)を有する弾性変形可能な係合壁52c(図5及び図7(a)参照)が形成され、保持部材41とベース部材51とは、前記爪部43bが係合面52bに係合することで抜け止めがなされて組み付けられている。
【0036】
詳しくは、係合壁52cは、ベース部52の外周壁である前記フランジ部52aの内側に係合孔Kを介して形成されている。又、係合壁52cは、周囲と一対のスリットS(図図3及び5参照)にて分けられることで前記フランジ部52aより高い位置の面(図3中、紙面手前側の面)から前記ギヤハウジング31側(図3中、紙面奥側)に延びる形状とされるとともに、ベース部52の内外方向(回転軸10を中心とした径方向)に薄く形成され、同方向に弾性を有して撓み易く、その直交方向には撓み難い(ほぼ撓まない)ように形成されている。又、本実施の形態では、図7(a)に示すように、前記係合壁52cが弾性変形していない状態の前記係合孔Kにおいて、前記係合壁52cと、対向するフランジ部52aとの間隔W1が、前記爪部43bを含む前記係合爪43の先端側の同方向の幅W2より小さく設定されている。又、前記係合面52bは、図7(a)に示すように、前記係合壁52cにおける前記弾性部43aとの対向面と共に鋭角を構成するように(図7(a)中、左右方向に対して傾斜して)形成されている。
【0037】
そして、前記係合孔Kに係合爪43が軸線方向(図7(a)中、上側)から挿入され、係合爪43の爪部43bが係合面52bに軸方向に係合することでベース部52(ベース部材51)が保持部材41に対して組み付けられる。尚、本実施の形態における係合爪43(弾性部43a)の長さ等は、爪部43bが係合面52bに係合した状態(図7(a)参照)で、保持部材41とベース部材51とが他の部分で軸線方向に直接重ならないように、即ち、それらが遊嵌されるように、且つ、それらの間に前記被挟持部61aが圧縮した状態(図7(b)参照)で介在されるように設定されている。又、本実施の形態では、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態(図2及び図7(a)参照)で、弾性係合部としてのシール部材61の内縁61b(被挟持部61aを除く)が保持部材41の外縁と軸線方向(被挟持部61aの圧縮方向)の直交方向に当接する(図7(b)参照)ことになる。
【0038】
又、ベース部52には、図3及び図5に示すように、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、前記位置決め柱42(図4及び図6参照)がそれぞれ挿通される該位置決め柱42より大径の一対の挿通孔52dが形成されている。
【0039】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、前記軸受保持部19が挿通される該軸受保持部19より大径の中央孔52eが形成されている。
【0040】
又、ベース部52において、前記コイル接続端子13aと前記ブレーカ接続端子16aとが軸方向に重なる位置(図2参照)と対応した位置には、溶接用孔52fが前記中央孔52eから連続するように形成されている。
【0041】
又、ベース部52において、前記溶接用孔52fを除く位置であって前記ブレーカ接続端子16aと対応した位置には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、前記ブレーカ接続端子16aが収容される収容凹部52gが形成されている。尚、この収容凹部52gとブレーカ接続端子16aのブレーカ接続端子16bに対する段差とによって、コイル接続端子13a及びブレーカ接続端子16aの軸線方向位置が、他の溶接位置(ターミナル端子部21a及びコイル接続端子12aの軸線方向位置やターミナル端子部22a及びブレーカ接続端子16bの軸線方向位置)と同じにされている。これにより、各溶接位置が軸線方向に同じ位置となり、軸線方向に一対の治具にてそれぞれスポット溶接する際の、治具の軸線方向の位置決めが一定で容易とされる。
【0042】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、コイル接続端子12aとターミナル21(ターミナル端子部21a)との接続部X1(図2及び図8参照)と、前記コイル保持部14との間で前記コイル接続端子12aを支持するための端子支持部としてのコイル端子支持部52hが形成されている。尚、図2及び図8では、コイル接続端子12aとターミナル21(ターミナル端子部21a)とが溶接される前の状態(互いに溶ける前であって、軸方向に重なっただけの状態)を図示している。このコイル端子支持部52hは、前記第1貫通窓44を貫通するように一対が軸線方向に立設されてなり、それらの間隔はコイル接続端子12aの直径とほぼ同じに設定され、それらの間に挿入されたコイル接続端子12aをその間隔方向に(移動不能に)支持可能とされている。
【0043】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、コイル端子支持部52hと共に前記接続部X1を挟む位置でコイル接続端子12aの先端を支持するための補助支持部52iが形成されている。この補助支持部52iは、前記第1貫通窓44を貫通するように一対が軸線方向に立設されてなり、それらの間隔はコイル接続端子12aの直径とほぼ同じに設定され、それらの間に挿入されたコイル接続端子12aをその間隔方向に(移動不能に)支持可能とされている。尚、ここで、前記第1貫通窓44は、上記したようにコイル端子支持部52h及び補助支持部52iが貫通可能な大きさであって、軸方向から見てコイル接続端子12aより十分大きく、またターミナル21の他の部分より大きな(略円形の)ターミナル端子部21aを含む大きさに形成されている。又、第1貫通窓44は、上記のような大きさとされることなどにより、溶接時の熱を保持部材41に伝達させない(熱を十分放出可能とする)ようにするためのスペースともされ、これにより接続作業を容易としている。
【0044】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、ブレーカ接続端子16bとターミナル22(ターミナル端子部22a)との接続部X2(図2参照)と、前記ブレーカ保持部17との間で前記ブレーカ接続端子16bを支持するための端子支持部としてのブレーカ端子支持部52jが形成されている。尚、図2では、ブレーカ接続端子16bとターミナル22(ターミナル端子部22a)とが溶接される前の状態(互いに溶ける前であって、軸方向に重なっただけの状態)を図示している。このブレーカ端子支持部52jは、前記第3貫通窓46を貫通するように一対が軸線方向に立設されてなり、それらの間隔はブレーカ接続端子16bの幅とほぼ同じに設定され、それらの間に挿入されたブレーカ接続端子16bをその間隔方向に(移動不能に)支持可能とされている。尚、ここで、前記第3貫通窓46は、上記したようにブレーカ端子支持部52jが貫通可能な大きさであって、軸方向から見てブレーカ接続端子16bより十分大きく、またターミナル22の他の部分より大きな(略円形の)ターミナル端子部22aを含む大きさに形成されている。又、第3貫通窓46は、上記のような大きさとされることなどにより、溶接時の熱を保持部材41に伝達させない(熱を十分放出可能とする)ようにするためのスペースともされ、これにより接続作業を容易としている。
【0045】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、コイル接続端子13aとブレーカ接続端子16aとの接続部X3(図2参照)と、前記コイル保持部15との間で前記コイル接続端子13aを支持するためのコイル端子支持部52kが形成されている。尚、図2では、コイル接続端子13aとブレーカ接続端子16aとが溶接される前の状態(互いに溶ける前であって、軸方向に重なっただけの状態)を図示している。このコイル端子支持部52kは、前記第2貫通窓45を貫通するように一対が軸線方向に立設されてなり、それらの間隔はコイル接続端子13aの直径とほぼ同じに設定され、それらの間に挿入されたコイル接続端子13aをその間隔方向に(移動不能に)支持可能とされている。
【0046】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、コイル接続端子13aとブレーカ接続端子16bとの接続部X3(図2参照)と、前記コイル端子支持部52kとの間で前記ブレーカ接続端子16aの先端を支持するためのブレーカ端子支持部52lが形成されている。このブレーカ端子支持部52lは、前記第2貫通窓45を貫通するように一対が軸線方向に立設されてなり、それらの間隔はブレーカ接続端子16aの先端の幅とほぼ同じに設定され、それらの間に挿入されたブレーカ接続端子16aをその間隔方向に(移動不能に)支持可能とされている。尚、ここで、前記第2貫通窓45は、上記したようにコイル端子支持部52k及びブレーカ端子支持部52lが貫通可能な大きさであって、軸方向から見てコイル接続端子13a及びブレーカ接続端子16bより十分大きく形成されている。又、第2貫通窓45は、上記のような大きさとされることなどにより、溶接時の熱を保持部材41に伝達させない(熱を十分放出可能とする)ようにするためのスペースともされ、これにより接続作業を容易としている。
【0047】
又、ベース部52には、図10及び図11に示すように、前記コイル端子支持部52hや補助支持部52i等(図5参照)が立設される側の反対側(ギヤハウジング31側)で前記一対のターミナル21,22に電気的に接続される回路基板71(図11参照)を保持可能な位置決め突起52m及び保持フック52nが形成されている。詳しくは、位置決め突起52mと保持フック52nとは、ベース部52の前記コネクタ部8c側において、離間して設けられている。そして、位置決め突起52mは、先端側が円錐状で基端側が円柱状に形成されている。又、保持フック52nは、その先端側が位置決め突起52mから離間する方向に弾性変形可能に湾曲して形成された湾曲弾性部52oと、その湾曲弾性部52oの先端に形成された内側(位置決め突起52m側)に突出した形状の保持爪部52pとからなる。そして、回路基板71は、図11に示すように、前記回転軸10と一体回転するセンサマグネットの回転速度を検出するためのホールIC72が実装されたものであって、その長手方向一端側が前記位置決め突起52mに(押圧)支持され、長手方向他端側が前記保持フック52nに係合されて(前記保持爪部52pが係合することで抜け止めがなされて)ベース部52に対して保持されている。尚、位置決め突起52mと保持フック52nとは、その間隔が、上記のように回路基板71を保持した状態で前記湾曲弾性部52oの弾性にて前記回路基板71を前記位置決め突起52mに押圧接触させるように設定されている。
【0048】
そして、上記した各部品はそれぞれ組み付けられてブラシホルダ8を含む直流モータ1が構成されている。
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
【0049】
(1)ブラシホルダ8は、ブラシ保持部11を有する保持部材41と、コネクタ部8cを有し保持部材41に対して組み付けられるベース部材51とを備えるため、それらが一体成形されてなるものに比べて、例えば、コネクタ部8cの位置に基づいてブラシ保持部11の成形が困難となるといったことを回避することができる。よって、例えば、ブラシ保持部11とコネクタ部8cとの距離を近くに設定することが可能となり、ブラシホルダ8、ひいては直流モータ1の小型化が可能となる。又、例えば、コネクタ部8cの位置のみが異なる仕様のブラシホルダを製造する場合、保持部材41を共通の部品とすることができる。
【0050】
又、係合爪43(爪部43b)と係合壁52c(係合面52b)との係合により保持部材41とベース部材51とを容易に組み付けることができる。更に、例えば、組み付け強度を高くすべく爪部43bを大きく設定しても、係合壁52cが弾性変形可能であるため、係合爪43(爪部43b)と係合壁52c(係合面52b)とを係合させる際に係合爪43のみを大きく弾性変形させる必要がなくなり、ひいては係合爪43のみを大きく弾性変形させるためのスペースを確保する必要がなくなる。よって、設計自由度が広がり、無駄なスペースを抑えてブラシホルダ8の大型化を抑制することが可能となる。
【0051】
(2)係合爪43は、保持部材41の外周壁41aに沿って形成されるため、ブラシホルダ8上の各部品の配置スペースに悪影響を与え難くしながら、ブラシホルダ8の大型化を抑制することができる。言い換えると、係合爪を、保持部材の外周壁より内側に形成すると、ブラシホルダ8上の各部品の配置スペースに悪影響を与え、ひいてはブラシホルダ8の大型化を招く虞があるが、これを抑制することができる。
【0052】
(3)係合壁52cは、ベース部材51の外周壁であるフランジ部52aの内側に係合孔Kを介して形成されるとともにフランジ部52aに対して離間する方向に弾性変形可能とされている。そして、係合壁52cが弾性変形していない状態の係合孔Kにおいて、係合壁52cと、対向するフランジ部52aとの間隔W1(図7参照)は、爪部43bを含む係合爪43の先端側の同方向の幅W2より小さく設定されるが、係合壁52cがフランジ部52aに対して離間する方向に弾性変形可能であることから、弾性変形させることで爪部43bを含む係合爪43の先端側を係合孔Kに挿入することができる。よって、組み付け強度を高くすべく爪部43bを大きく設定しても、係合爪43を大きく弾性変形させるための大きなスペース(大きな係合孔K)を確保する必要がなくなる。よって、例えば、係合壁52cを、ベース部材51の外周壁(フランジ部52a)より大きく内側に形成しなくてよくなる。その結果、ブラシホルダ8上の各部品の配置スペースに悪影響を与え難くしながら、ブラシホルダ8の大型化を抑制することができる。言い換えると、係合壁が外周壁(フランジ部)に対して離間する方向に弾性変形不能であると、組み付け強度を高くすべく爪部を大きく設定した場合、係合爪を大きく弾性変形させるための大きなスペース(爪部を含む係合爪の先端側の前記幅W2以上の大きな係合孔)を確保する必要があり、係合壁を前記外周壁より大きく内側に形成する必要が生じ、ブラシホルダ上の各部品の配置スペースに悪影響を与え、ブラシホルダの大型化を招く虞があるが、これを抑制することができる。
【0053】
(4)係合面52bは、係合壁52cにおける弾性部43aとの対向面と共に鋭角を構成するように(図7(a)中、左右方向に対して傾斜して)形成されるため、保持部材41とベース部材51とを分離させる方向に力が加わっても(前記傾斜によって係合壁52cが弾性部43a側に弾性変形し易いため)爪部43bとの係合が解除され難くなる。
【0054】
(5)遊嵌される保持部材41とベース部材51との間には弾性を有する被挟持部61aが圧縮した状態で介在されるため、保持部材41及びベース部材51の寸法精度を高精度とすることなく、保持部材41とベース部材51とのがたつきを防止することができる。即ち、前記被挟持部61aがない場合では、保持部材41及びベース部材51の寸法精度を高精度としなければ、それらの組み付けが困難となったり、がたつきが発生するといった不具合が生じ易いが、それらを回避することができる。
【0055】
(6)被挟持部61aは、ベース部材51とヨークハウジング4とギヤハウジング31との各間をシールするためのシール部材61に一体成形されるため、その製造や配設する工程が容易となる。即ち、元々シール部材を有する仕様のブラシホルダを製造する場合では、シール部材61を成形するとともに被挟持部61aを一体成形することで、特に別途、被挟持部61aと同様の機能を有する弾性部材を製造したり組み付けるといった工程を必要としない。
【0056】
(7)被挟持部61aを含むシール部材61は、ベース部材51をインサート品としてベース部材51に一体化されるため、例えば、別体で製造してベース部材51に組み付ける場合に比べて、ベース部材51への固定が強固となる。
【0057】
(8)シール部材61は、被挟持部61aの圧縮方向(軸線方向)の直交方向に保持部材41と当接する内縁61bを有するため、保持部材41とベース部材51とにおける前記圧縮方向(軸線方向)の直交方向のがたつきを更に防止することができる。
【0058】
(9)保持部材41とギヤハウジング31には、回転軸10の軸線方向と直交する方向に互いに係合する位置決め柱42(嵌合凹部42a)と位置決め凸部31bがそれぞれ設けられるため、ベース部材51の寸法誤差に関わらず(寸法誤差が積み重なることがなく)保持部材41の位置をギヤハウジング31に対して(高精度に)一定とすることができる。よって、例えば、保持部材41のブラシ保持部11に保持されるブラシ9の位置を、ギヤハウジング31、ひいてはギヤハウジング31に固定されるヨークハウジング4に対して(高精度に)一定とすることができる。又、保持部材41は、回転軸10を回転可能に支持するための軸受18を保持する軸受保持部19を有するため、軸受18の位置を、ギヤハウジング31に対して(高精度に)一定とすることができる。よって、ブラシ9と回転軸10に固定された整流子7との位置ずれを防止することができる。
【0059】
(10)位置決め柱42(嵌合凹部42a)及び位置決め凸部31bは、回転軸10を挟む位置に一対設けられるため、単純な構成で、保持部材41をギヤハウジング31に回転軸10を中心とした高精度に位置決めすることができる。
【0060】
(11)位置決め柱42は、軸線方向から見て、保持部材41において回転軸10から最も遠い位置(保持部材41の長手方向両端部)に設けられるため、他の位置に設けた場合に比べて、保持部材41とギヤハウジング31とを最も高精度に位置決めすることができる。
【0061】
(12)ベース部材51には、チョークコイル12のコイル接続端子12aとターミナル21(ターミナル端子部21a)との接続部X1(図2及び図8参照)と、チョークコイル12を保持するコイル保持部14との間でコイル接続端子12aを支持するためのコイル端子支持部52hが設けられている。よって、例えば、コネクタ部8cに外部コネクタを嵌着する際等にベース部材51に外力が加わって保持部材41との相対位置が若干ずれたとしても、コイル接続端子12aが接続部X1とコイル保持部14との間でベース部材51のコイル端子支持部52hにて支持されることで、(溶接された)接続部X1に応力がかかることが防止される。
【0062】
又、ベース部材51には、サーキットブレーカ16のブレーカ接続端子16bとターミナル22(ターミナル端子部22a)との接続部X2(図2参照)と、サーキットブレーカ16を保持するブレーカ保持部17との間でブレーカ接続端子16bを支持するためのブレーカ端子支持部52jが設けられている。よって、例えば、コネクタ部8cに外部コネクタを嵌着する際等にベース部材51に外力が加わって保持部材41との相対位置が若干ずれたとしても、ブレーカ接続端子16bが接続部X2とブレーカ保持部17との間でベース部材51のブレーカ端子支持部52jにて支持されることで、(溶接された)接続部X2に応力がかかることが防止される。よって、(溶接された)接続部X1,X2の破損が防止され、ひいてはチョークコイル12(コイル接続端子12a)及びサーキットブレーカ16(ブレーカ接続端子16b)とターミナル21,22(ターミナル端子部21a,22a)との接続不良が防止される。
【0063】
(13)ターミナル21,22のターミナル端子部21a,22aは、コイル接続端子12a及びブレーカ接続端子16bに沿うように配置されて、該コイル接続端子12a及びブレーカ接続端子16bと溶接(スポット溶接)されるものである。よって、例えば、接続孔が形成されその接続孔にコイル接続端子やブレーカ接続端子が挿通されて溶接(はんだ付け)されるものに比べて、(溶接された)接続部X1,X2が破損(互いに剥離)し易いが、接続部X1,X2に応力がかかることが防止されることから、これが好適に防止される。尚、勿論、本実施の形態のようにスポット溶接とすることで、はんだ付け等とした場合に比べて、はんだ等の別部材が不要となる。
【0064】
(14)ベース部材51には、コイル端子支持部52hと共に接続部X1を挟む位置でコイル接続端子12aの先端を支持するための補助支持部52iが設けられている。よって、ターミナル21(ターミナル端子部21a)にコイル接続端子12aを溶接する工程の前にコイル端子支持部52hと補助支持部52iとでコイル接続端子12aを支持することで、コイル接続端子12aの接続部X1となる部分の位置ずれを防止することができる。よって、前記溶接する工程を容易且つ確実に行うことができる。
【0065】
(15)保持部材41には、コイル接続端子12a,13a及びブレーカ接続端子16bが配置される位置に対応して貫通する第1〜第3貫通窓44〜46が設けられるため、接続作業(溶接)が容易となる。又、例えば、コイル接続端子及びブレーカ接続端子とターミナルとを貫通窓を介さずにブラシホルダの外側で接続するような構成に比べて、ブラシホルダ8全体が大きくなることがない。
【0066】
(16)コイル端子支持部52h,52k、補助支持部52i、及びブレーカ端子支持部52j,52lは、第1〜第3貫通窓44〜46を貫通するように立設されてなるため、それらにコイル接続端子12a,13a及びブレーカ接続端子16a,16bを支持させる作業が容易となる。
【0067】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、ベース部材51は、外部コネクタが嵌着されるコネクタ部8cを有するとしたが、これに限定されず、例えば、図12に示すように、ベース部材81がコネクタ部としての内部用コネクタ部82を有するものとしてもよい。
【0068】
詳しくは、この例(図12参照)の直流モータ83は、上記実施の形態と同様に車両に搭載されるパワーウインド装置の駆動源として用いられるものであるが、更に、公知の挟み込み防止制御等の処理を行う種々の図示しない回路部品が実装された制御回路基板84を備えている。そして、ベース部材81は、上記実施の形態のベース部52と同様のベース部85と、ベース部85の長手方向から(図12中、右側に)延びるベース延設部86と、ベース延設部86の先に形成される前記内部用コネクタ部82と、内部用コネクタ部82の更に先(図12中、右側)に形成される基板収容部87及び外部用コネクタ部88とを備える。又、この例のターミナル89,90は、上記実施の形態のターミナル端子部21a,22aと同様のターミナル端子部(図示略)を有するとともにベース延設部86の内部を通って内部用コネクタ部82まで延び、その先端にギヤハウジング91側に延びる接続端子89a,90aが形成されている。尚、この例のギヤハウジング91の形状は、前記ベース部材81の形状に対応し、前記内部用コネクタ部82や基板収容部87の(図中、下側の)開口を閉塞可能に形成されている。又、制御回路基板84は、前記内部用コネクタ部82や基板収容部87内に収容可能に形成され、収容された状態で、前記接続端子89a,90aが挿入されて内部の雌端子84aに電気的に接続される基板コネクタ84bを有している。又、制御回路基板84は、内部用コネクタ部82や基板収容部87内に収容された状態で、前記外部用コネクタ部88に配置される外部端子84cを有している。尚、この例のシール部材92は、ベース延設部86の形状等に合わせた形状となっている以外は上記実施の形態のシール部材61と略同様である。又、この例の保持部材41は、上記実施の形態と同様であるため、同様の符号を付している。
【0069】
このような直流モータ83においても、上記実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。
・上記実施の形態では、係合爪43は、保持部材41の外周壁41aに沿って形成されるとしたが、これに限定されず、係合爪を保持部材の外周壁より内側に形成してもよい。尚、この場合、勿論、係合壁52cや係合孔Kの位置を係合爪43の位置に応じて変更する必要がある。
【0070】
・上記実施の形態では、係合面52bは、係合壁52cにおける弾性部43aとの対向面と共に鋭角を構成するように(図7(a)中、左右方向に対して傾斜して)形成されるとしたが、これに限定されず、例えば、係合壁52cにおける弾性部43aとの対向面と共に直角を構成するように形成してもよい。又、係合面52bを上記実施の形態のままとし、上記実施の形態の爪部43bを係合面52bに沿った(傾斜した)形状としてもよい。
【0071】
・上記実施の形態では、遊嵌される保持部材41とベース部材51との間には弾性を有する被挟持部61aが圧縮した状態で介在されるとしたが、これに限定されず、被挟持部61aを省略してもよい。
【0072】
・上記実施の形態では、被挟持部61aは、シール部材61に一体成形されるとしたが、これに限定されず、シール部材61とは別体の弾性部材として製造されて組み付けられるものとしてもよい。又、被挟持部61a(弾性部材)の位置や個数は、適宜変更してもよい。
【0073】
・上記実施の形態では、シール部材61は、ベース部材51をインサート品としてベース部材51に一体化されるものであるとしたが、これに限定されず、別体で製造されてベース部材51に組み付けられるものとしてもよい。
【0074】
・上記実施の形態では、シール部材61は、被挟持部61aの圧縮方向(軸線方向)の直交方向に保持部材41と当接する内縁61b(弾性係合部)を有するとしたが、これに限定されず、圧縮方向(軸線方向)の直交方向に保持部材41と当接しないものとしてもよい。又、前記内縁61b以外の部分に、内縁61bと同様に機能する(当接する)弾性係合部をシール部材61に設けてもよい。
【0075】
・上記実施の形態では、保持部材41とギヤハウジング31には、位置決め柱42(嵌合凹部42a)と位置決め凸部31bがそれぞれ設けられるとしたが、これに限定されず、これらとは異なる手段で位置決めする構成に変更してもよい。又、位置決め柱42(嵌合凹部42a)と位置決め凸部31bの形状や個数や位置等は適宜変更してもよい。
【0076】
・上記実施の形態では、ベース部材51には、コイル端子支持部52hやブレーカ端子支持部52jが設けられるとしたが、これに限定されず、コイル端子支持部52hやブレーカ端子支持部52jを省略してもよい。
【0077】
・上記実施の形態では、ターミナル21,22のターミナル端子部21a,22aは、コイル接続端子12a及びブレーカ接続端子16bに沿うように配置されて溶接(スポット溶接)されるものであるとしたが、接続孔が形成されその接続孔にコイル接続端子やブレーカ接続端子が挿通されて溶接(はんだ付け)されるものに変更してもよい。又、ターミナル21,22のターミナル端子部21a,22a及びコイル接続端子12a及びブレーカ接続端子16bは、軸線方向の直交方向に沿う構成としたが、それらが軸線方向に沿う構成に変更してもよい。この場合、例えば、コイル端子支持部52hやブレーカ端子支持部52jを一対が軸線方向の直交方向に沿って延びるものに変更してもよい。
【0078】
・上記実施の形態では、ベース部材51には、補助支持部52iが設けられるとしたが、これに限定されず、補助支持部52iを省略してもよい。
・上記実施の形態では、チョークコイル12やサーキットブレーカ16のコイル接続端子12aやブレーカ接続端子16bを接続端子として端子支持部(コイル端子支持部52hやブレーカ端子支持部52j)にて支持するとしたが、チョークコイル12やサーキットブレーカ16以外の電気部品の接続端子を端子支持部にて支持する構成としてもよい。
【0079】
・上記実施の形態では、ターミナル21,22は、ベース部材51にインサート成形される構成としたが、ベース部材51に対して組み付けられる構成としてもよい。
・上記実施の形態では、パワーウインド装置の駆動源として用いられる直流モータ1に具体化したが、勿論、他の装置の駆動源として用いられる直流モータに具体化してもよい。
【0080】
上記各実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)前記係合面は、前記係合壁における前記弾性部との対向面と共に鋭角を構成するように形成されたことを特徴とする。
【0081】
同構成によれば、係合面は、係合壁における弾性部との対向面と共に鋭角を構成するように形成されるため、保持部材とベース部材とを分離させる方向に力が加わっても前記爪部との係合が解除され難くなる。
【0082】
(ロ)前記ベース部材は、前記保持部材に対して遊嵌されて組み付けられるものであって、前記保持部材と前記ベース部材との間に圧縮した状態で介在される弾性部材を備えたことを特徴とする。
【0083】
同構成によれば、遊嵌される保持部材とベース部材との間には弾性部材が圧縮した状態で介在されるため、保持部材及びベース部材の寸法精度を高精度とすることなく、保持部材とベース部材とのがたつきを防止することができる。即ち、前記弾性部材がない場合では、保持部材及びベース部材の寸法精度を高精度としなければ、それらの組み付けが困難となったり、がたつきが発生するといった不具合が生じ易いが、それらを回避することができる。
【符号の説明】
【0084】
8c…コネクタ部、9…ブラシ、11…ブラシ保持部、41…保持部材、41a…保持部材の外周壁、43…係合爪、43a…弾性部、43b…爪部、51,81…ベース部材、52a…フランジ部(ベース部材の外周壁)、52b…係合面、52c…係合壁、82…内部用コネクタ部(コネクタ部)、K…係合孔、W1…間隔、W2…幅。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシホルダ及びブラシホルダを備える直流モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、直流モータが備えるブラシホルダとしては、ブラシを保持するブラシ保持部とブラシに接続されるチョークコイル等の電気部品を保持する部品保持部とコネクタ部とを有するように一体成形されてなるとともに、電気部品の接続端子に電気的に接続されてコネクタ部に延びるターミナルが配設されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなブラシホルダは、例えば、整流子が固定された回転軸を略収容するヨークハウジングに一部が収容されてモータ本体の一部を構成し、そのヨークハウジングには回転軸の回転を減速するための減速機構を収容したギヤハウジング(減速部)がブラシホルダを挟むように固定され、それらによって直流モータが構成されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−79109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したようなブラシホルダでは、例えば、コネクタ部の位置に基づいてブラシを直接保持するためのブラシ保持部の成形が困難となることがある。詳しくは、例えば、径方向に略沿った筒状のブラシ保持部の径方向に近い位置にコネクタ部を配置したい場合では、前記筒状を成形するためのスライドコアとコネクタ部との干渉を考慮する必要があり、それによってそれらの成形が困難となることがある。尚、このことは、ブラシ保持部とコネクタ部との距離を大幅に離す要因となり、ブラシホルダの大型化の原因となる。又、上記したようなブラシホルダでは、例えば、コネクタ部の位置のみが異なる仕様のブラシホルダを製造する場合でも、ブラシホルダ全体を製造するための金型が仕様毎に必要となってしまう。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コネクタ部の位置に基づいてブラシ保持部の成形が困難となるといったことを回避することができるとともに、コネクタ部の位置のみが異なる仕様のブラシホルダを製造する場合、保持部材を共通の部品とすることができるブラシホルダ及び直流モータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明では、ブラシを保持するためのブラシ保持部を有する保持部材と、コネクタ部を有し前記保持部材に対して遊嵌されるベース部材とを備えた。
同構成によれば、ブラシホルダは、ブラシ保持部を有する保持部材と、コネクタ部を有し保持部材に対して遊嵌されるベース部材とを備えるため、それらが一体成形されてなるものに比べて、例えば、コネクタ部の位置に基づいてブラシ保持部の成形が困難となるといったことを回避することができる。又、例えば、コネクタ部の位置のみが異なる仕様のブラシホルダを製造する場合、保持部材を共通の部品とすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、整流子が固定された回転軸を略収容するヨークハウジングと、請求項1に記載のブラシホルダとを有するモータ本体と、前記回転軸の回転を減速するための減速機構を収容し前記ヨークハウジングに固定されるギヤハウジングを有する減速部とを備えた直流モータであって、前記保持部材は、前記整流子に摺接する前記ブラシを保持するための前記ブラシ保持部を有し前記ヨークハウジングに略収容され、前記ベース部材は、前記ギヤハウジング側で前記保持部材に対して遊嵌されて組み付けられた。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コネクタ部の位置に基づいてブラシ保持部の成形が困難となるといったことを回避することができるとともに、コネクタ部の位置のみが異なる仕様のブラシホルダを製造する場合、保持部材を共通の部品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態における直流モータの要部断面図。
【図2】本実施の形態におけるブラシホルダの平面図。
【図3】本実施の形態におけるベース部材及びシール部材の平面図。
【図4】本実施の形態における保持部材の平面図。
【図5】本実施の形態におけるベース部材及びシール部材の要部斜視図。
【図6】本実施の形態における保持部材の斜視図。
【図7】(a)図2のa−a断面図。(b)図2のb−b断面図。
【図8】本実施の形態におけるコイル端子支持部を説明するための部分斜視図。
【図9】本実施の形態におけるサーキットブレーカの正面図。
【図10】本実施の形態における回路基板を除いたブラシホルダの斜視図。
【図11】本実施の形態におけるブラシホルダの斜視図。
【図12】別例における直流モータの一部分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図11に従って説明する。
図1は、本実施形態の直流モータ1を示す。直流モータ1は、車両に搭載されるパワーウインド装置の駆動源として用いられるモータである。直流モータ1は、モータ本体2と減速部3とを備える。
【0012】
モータ本体2は、ヨークハウジング4、一対のマグネット5、アーマチャ(電機子)6、整流子7、ブラシホルダ8及び一対のブラシ9を備えている。
ヨークハウジング4は有底扁平円筒状をなしており、その一対の扁平面4aをそれぞれ連結する湾曲面4bにおける内側面には一対のマグネット5が固着されている。マグネット5の内側には、アーマチャ6が収容されている。アーマチャ6は回転軸10を有し、その回転軸10の基端部はヨークハウジング4の底部中央に保持された図示しない軸受により回転可能に支持されている。又、回転軸10の先端側であって、ヨークハウジング4の開口部側には整流子7が固定されている。
【0013】
ヨークハウジング4の開口部には、前記湾曲面4bから径方向外側(図1中、左右方向側)に延びる一対のフランジ部4cが形成されている。そして、ヨークハウジング4の開口部には、ブラシホルダ8が固定されている。
【0014】
ブラシホルダ8は、ヨークハウジング4の開口部を略覆う形状、即ち、略扁平円形状(図2参照)に形成されその一部がヨークハウジング4に嵌挿されて収容されるホルダ本体8aと、ホルダ本体8aからヨークハウジング4の径方向外側(図1及び図2中、左側)に延びる延出部8bと、延出部8bの先端に形成されるコネクタ部8cとを備えている。
【0015】
又、ホルダ本体8aには、図2に示すように、ブラシ9を保持するための一対のブラシ保持部11と、チョークコイル12,13を保持するためのコイル保持部14,15と、サーキットブレーカ16を保持するためのブレーカ保持部17と、軸受18(図1参照)を保持するための軸受保持部19とが設けられている。尚、本実施の形態では、チョークコイル12及びサーキットブレーカ16が電気部品をそれぞれ構成し、コイル保持部14及びブレーカ保持部17が部品保持部をそれぞれ構成している。そして、一方側(図2中、左側)のブラシ9は、チョークコイル12に電気的に接続され、他方側(図2中、右側)のブラシ9は、チョークコイル13を介してサーキットブレーカ16に電気的に接続される。又、ブラシホルダ8には、ホルダ本体8aにて前記チョークコイル12と前記サーキットブレーカ16とにそれぞれ電気的に接続されるとともにコネクタ部8cまで延びて、該コネクタ部8cに嵌着される外部コネクタの端子に接続されることになる一対のターミナル21,22が配設されている。そして、図1に示すように、軸受保持部19に保持された軸受18にて回転軸10の先端側(整流子7より先端側)が回転可能に支持されている。
【0016】
前記減速部3は、ギヤハウジング31、ウォーム軸32、ウォームホイール33及びクラッチ34を備えている。尚、本実施の形態では、ウォーム軸32、ウォームホイール33が回転軸10の回転を減速するための減速機構を構成している。
【0017】
ギヤハウジング31は、合成樹脂製であって、内部にはウォーム軸32、ウォームホイール33及びクラッチ34を収容すべく所定形状に形成されている。又、ギヤハウジング31は、前記ヨークハウジング4の開口部と対向する開口部31aを有している。そして、このギヤハウジング31と前記ヨークハウジング4とは、ブラシホルダ8を間に挟むように、フランジ部4cを貫通しギヤハウジング31側(詳しくはギヤハウジング31に保持されたナット)に螺合されるネジ35にて固定される。
【0018】
ウォーム軸32は、ギヤハウジング31内に設けられた軸受36,37により回転可能に支持され、前記モータ本体2から延びる回転軸10とクラッチ34を介して駆動連結されている。このクラッチ34は、回転軸10からの駆動力をウォーム軸32に伝達し、逆にウォーム軸32からの駆動力が回転軸10に伝達しないようウォーム軸32の回転をロックするように作動する。つまり、このクラッチ34は、負荷側(出力軸38側)からの直流モータ1の回転を防止するために設けられている。
【0019】
又、ウォーム軸32のウォーム32aは、ウォームホイール33と噛合されている。ウォームホイール33は、ウォーム軸32と直交するように配置された出力軸38と駆動連結されている。出力軸38は、ウインドガラス(図示略)を開閉させる周知のワイヤ式レギュレータ(図示略)に駆動連結されることになる。そして、出力軸38が回転することによりレギュレータが作動し、ウインドガラスが開閉するようになっている。
【0020】
ここで、本実施の形態のブラシホルダ8及びその固定構造について詳述する。
ブラシホルダ8は、合成樹脂製の保持部材41(図4及び図6参照)と、合成樹脂製のベース部材51(図3及び図5参照)と、エラストマ材料等の弾性材料よりなるシール部材61(図3及び図5参照)とを備える。
【0021】
保持部材41は、図4に示すように、前記ホルダ本体8aの一部を構成し、ヨークハウジング4の開口部を略覆う形状、即ち、前記回転軸10の軸線方向と対応した方向(以下、単に軸線方向という)から見て(図4参照)、略扁平円形状に形成され、ヨークハウジング4に嵌挿されて略収容される。又、保持部材41は、前記ブラシ保持部11と、前記コイル保持部14,15と、前記ブレーカ保持部17と、前記軸受保持部19と、位置決め手段としての一対の位置決め柱42(図1参照)と、一対の係合爪43(図6参照、図中、1つのみ図示する)とを有する。
【0022】
ブラシ保持部11は、前記軸線方向から見て(図4参照)、保持部材41の長手方向(図4中、左右方向)両端部における短手方向(図4中、上下方向)の中央にそれぞれ形成されている。このブラシ保持部11は、径方向に略沿った方向に貫通した略4角筒状に形成され、その径方向外側から挿入される略4角柱状のブラシ9(図2参照)を保持可能に形成されている。
【0023】
コイル保持部14,15は、前記軸線方向から見て、保持部材41の長手方向(図4中、左右方向)両端部における短手方向(図4中、上下方向)の一方側(図4中、前記ブラシ保持部11の(回転軸10を中心とした)時計回り側)にそれぞれ形成されている。このコイル保持部14,15は、前記軸線方向に沿って略円筒状に立設され(図6参照)、その軸線方向から挿入される略円筒形状のチョークコイル12,13(図2及び図8参照)を保持可能に形成されている。又、コイル保持部14,15の一部には、前記円筒状が一部切り欠いた形状とされることで、チョークコイル12,13の略円筒状から略径方向外側に突出するコイル接続端子12a,13a(図2及び図8参照)を外部(前記長手方向の中央側)に導出可能とする導出スリット14a,15aが形成されている。尚、この導出スリット14a,15aは、前記コイル接続端子12a,13aの直径より若干大きな幅に設定されている。
【0024】
ブレーカ保持部17は、前記軸線方向から見て、保持部材41の長手方向(図4中、左右方向)中央における短手方向(図4中、上下方向)の一方側(図4中、下側)に形成されている。このブレーカ保持部17は、サーキットブレーカ16(図2及び図9参照)を支持すべく、支持壁17aと、一対の側壁17b,17cと、延設対向壁17dと、中央対向柱17eとを有する。詳しくは、支持壁17aは、前記軸線方向から見て、保持部材41の短手方向(図4中、上下方向)の一方側(図4中、下側)端部で前記長手方向に沿って延びるとともに前記軸線方向に沿って立設されている。又、一対の側壁17b,17cは、前記支持壁17aの前記長手方向両端部から前記短手方向の他方側(図4中、上側)に延設されている。又、延設対向壁17dは、一方側(図4中、右側)の側壁17bから前記支持壁17aと対向するように延設されている。又、中央対向柱17eは、前記長手方向(図4中、左右方向)中央で前記支持壁17aと対向するように前記軸線方向に沿って立設されている。これにより、ブレーカ保持部17は、軸線方向から挿入される略板状のサーキットブレーカ16(図2及び図9参照)を保持可能とされている。尚、サーキットブレーカ16は、図2に示すように、その前記略板状から板厚方向に突出する前記長手方向に一対のブレーカ接続端子16a,16bを有する。又、一方側(図2中、右側)のブレーカ接続端子16aは、その先端が他方側(図2中、左側)のブレーカ接続端子16bと離間する方向(図2中、右方向)に屈曲して形成されている。又、本実施の形態における一方側(図2中、右側)のブレーカ接続端子16aは、図9に示すように、他方側(図2中、左側)のブレーカ接続端子16bよりも前記軸方向(図9中、上下方向)に僅かに突出した位置に形成されている。
【0025】
軸受保持部19は、前記軸線方向から見て、保持部材41の中央に形成されている。この軸受保持部19は、保持部材41を貫通するとともに前記コイル保持部14,15等とは反対側(前記軸線方向における図1中、下側であって、図4中、紙面奥側)に略筒状に立設され、その内周面に軸受18(図1参照)を保持可能に形成されている。
【0026】
位置決め柱42は、前記軸線方向から見て、保持部材41の長手方向(図4中、左右方向)両端部における短手方向(図4中、上下方向)の中央にそれぞれ形成されている。この位置決め柱42は、前記コイル保持部14,15等とは反対側(前記軸線方向における図1中、下側であって、図4中、紙面奥側)に立設されている。又、位置決め柱42の先端部には、図1に示すように、軸線方向に凹設された嵌合凹部42aが形成され、その嵌合凹部42aには前記ギヤハウジング31に形成された位置決め手段としての一対の位置決め凸部31bがそれぞれ嵌合可能に形成されている。即ち、保持部材41は、その位置決め柱42の嵌合凹部42aにギヤハウジング31の位置決め凸部31bが嵌合されることで、ギヤハウジング31に対して前記軸線方向の直交方向に位置決めされている。
【0027】
係合爪43は、前記軸線方向から見て、保持部材41の外周壁41aに沿って形成されるものであって、本実施の形態では保持部材41の長手方向(図4中、左右方向)両端部における短手方向(図4中、上下方向)の一部(図4中、前記ブラシ保持部11の(回転軸10を中心とした)反時計回り側)にそれぞれ形成されている。この係合爪43は、前記コイル保持部14,15等とは反対側(前記軸線方向における図4中、紙面奥側)に延びる弾性変形可能な弾性部43a(図6参照)と、その弾性部43aの先端に形成された内側(回転軸10が配置される側)に突出した形状の爪部43b(図7参照)とからなる。尚、本実施の形態の弾性部43aは、保持部材41の内外方向(回転軸10を中心とした径方向)に薄く形成され、同方向に弾性を有して撓み易く、その直交方向には撓み難い(ほぼ撓まない)ように形成されている。
【0028】
又、保持部材41には、一方側(図4中、左側であって、コネクタ部8cと対応した側)の前記コイル保持部14の導出スリット14aと対応した位置であって、該導出スリット14aから導出される前記コイル接続端子12a(図2及び図8参照)が配置される位置で軸方向に貫通する第1貫通窓44が形成されている。
【0029】
又、保持部材41には、他方側(図4中、右側)の前記コイル保持部15の導出スリット15aと対応した位置であって、該導出スリット15aから導出される前記コイル接続端子13a(図2参照)が配置される位置、且つ一方側のブレーカ接続端子16aが配置される位置で軸方向に貫通する第2貫通窓45が形成されている。
【0030】
又、保持部材41には、中央対向柱17eと他方側(図4中、左側)の側壁17cとの間に対応した位置であって、その間から導出される他方側のブレーカ接続端子16bが配置される位置で軸方向に貫通する第3貫通窓46が形成されている。
【0031】
ベース部材51は、前記ホルダ本体8aの一部を構成し前記軸線方向から見て(図3参照)前記保持部材41より僅かに大きい略扁平円形状に形成されるベース部52と、前記延出部8bの一部を構成しベース部52の長手方向から更に延びるベース延設部53と、前記ベース延設部53の先端に形成される前記コネクタ部8cとを備えている。又、ベース部材51には、前記コイル接続端子12a及び前記ブレーカ接続端子16bに電気的に接続可能な位置で軸線方向両方に露出されるターミナル端子部21a,22aを有するとともにベース延設部53の内部を通ってコネクタ部8cまで延びる前記ターミナル21,22がインサート成形により埋設されている。尚、ターミナル21,22のターミナル端子部21a,22aは、前記コイル接続端子12a及び前記ブレーカ接続端子16bに沿うように、即ち前記軸線方向の直交方向に沿って配置されて、コイル接続端子12a及びブレーカ接続端子16bと溶接されるものであって、本実施の形態では、軸線方向に一対の治具にてスポット溶接されるものである。
【0032】
ベース部52において、前記軸線方向から見て、前記保持部材41の外縁と対応した位置には、他の面と段差(前記ギヤハウジング31側への段差であって、図7(b)参照)を有して前記保持部材41の外縁と対応した位置より更に外側までフランジ状に延びるフランジ部52aが形成されている。
【0033】
そして、シール部材61は、前記保持部材41の外縁と対応した位置から外側でフランジ部52aを覆うように設けられている。又、シール部材61は、前記ベース延設部53の基端側をも覆うように設けられている。このシール部材61は、前記ベース部材51をインサート品として該ベース部材51に一体化されて設けられている。そして、シール部材61は、ブラシホルダ8がヨークハウジング4とギヤハウジング31との間に挟まれるように組み付けられた状態でヨークハウジング4とギヤハウジング31とに挟持され、ベース部材51とヨークハウジング4とギヤハウジング31との各間をシールする。
【0034】
又、シール部材61には、弾性部材としての被挟持部61aが形成(一体成形)されている。本実施の形態の被挟持部61aは、前記保持部材41の外縁と対応した(軸方向に重なる)位置であって、軸線方向から見て(図3参照)、四隅の位置でフランジ部52aを覆うように形成されている。又、本実施の形態の被挟持部61aは、前記軸線方向の厚さが、他の部分より薄く形成されている。
【0035】
又、ベース部52には、前記保持部材41と組み付け可能とすべく、前記係合爪43と対応した位置に前記爪部43bが係合可能な係合面52b(図7(a)参照)を有する弾性変形可能な係合壁52c(図5及び図7(a)参照)が形成され、保持部材41とベース部材51とは、前記爪部43bが係合面52bに係合することで抜け止めがなされて組み付けられている。
【0036】
詳しくは、係合壁52cは、ベース部52の外周壁である前記フランジ部52aの内側に係合孔Kを介して形成されている。又、係合壁52cは、周囲と一対のスリットS(図図3及び5参照)にて分けられることで前記フランジ部52aより高い位置の面(図3中、紙面手前側の面)から前記ギヤハウジング31側(図3中、紙面奥側)に延びる形状とされるとともに、ベース部52の内外方向(回転軸10を中心とした径方向)に薄く形成され、同方向に弾性を有して撓み易く、その直交方向には撓み難い(ほぼ撓まない)ように形成されている。又、本実施の形態では、図7(a)に示すように、前記係合壁52cが弾性変形していない状態の前記係合孔Kにおいて、前記係合壁52cと、対向するフランジ部52aとの間隔W1が、前記爪部43bを含む前記係合爪43の先端側の同方向の幅W2より小さく設定されている。又、前記係合面52bは、図7(a)に示すように、前記係合壁52cにおける前記弾性部43aとの対向面と共に鋭角を構成するように(図7(a)中、左右方向に対して傾斜して)形成されている。
【0037】
そして、前記係合孔Kに係合爪43が軸線方向(図7(a)中、上側)から挿入され、係合爪43の爪部43bが係合面52bに軸方向に係合することでベース部52(ベース部材51)が保持部材41に対して組み付けられる。尚、本実施の形態における係合爪43(弾性部43a)の長さ等は、爪部43bが係合面52bに係合した状態(図7(a)参照)で、保持部材41とベース部材51とが他の部分で軸線方向に直接重ならないように、即ち、それらが遊嵌されるように、且つ、それらの間に前記被挟持部61aが圧縮した状態(図7(b)参照)で介在されるように設定されている。又、本実施の形態では、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態(図2及び図7(a)参照)で、弾性係合部としてのシール部材61の内縁61b(被挟持部61aを除く)が保持部材41の外縁と軸線方向(被挟持部61aの圧縮方向)の直交方向に当接する(図7(b)参照)ことになる。
【0038】
又、ベース部52には、図3及び図5に示すように、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、前記位置決め柱42(図4及び図6参照)がそれぞれ挿通される該位置決め柱42より大径の一対の挿通孔52dが形成されている。
【0039】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、前記軸受保持部19が挿通される該軸受保持部19より大径の中央孔52eが形成されている。
【0040】
又、ベース部52において、前記コイル接続端子13aと前記ブレーカ接続端子16aとが軸方向に重なる位置(図2参照)と対応した位置には、溶接用孔52fが前記中央孔52eから連続するように形成されている。
【0041】
又、ベース部52において、前記溶接用孔52fを除く位置であって前記ブレーカ接続端子16aと対応した位置には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、前記ブレーカ接続端子16aが収容される収容凹部52gが形成されている。尚、この収容凹部52gとブレーカ接続端子16aのブレーカ接続端子16bに対する段差とによって、コイル接続端子13a及びブレーカ接続端子16aの軸線方向位置が、他の溶接位置(ターミナル端子部21a及びコイル接続端子12aの軸線方向位置やターミナル端子部22a及びブレーカ接続端子16bの軸線方向位置)と同じにされている。これにより、各溶接位置が軸線方向に同じ位置となり、軸線方向に一対の治具にてそれぞれスポット溶接する際の、治具の軸線方向の位置決めが一定で容易とされる。
【0042】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、コイル接続端子12aとターミナル21(ターミナル端子部21a)との接続部X1(図2及び図8参照)と、前記コイル保持部14との間で前記コイル接続端子12aを支持するための端子支持部としてのコイル端子支持部52hが形成されている。尚、図2及び図8では、コイル接続端子12aとターミナル21(ターミナル端子部21a)とが溶接される前の状態(互いに溶ける前であって、軸方向に重なっただけの状態)を図示している。このコイル端子支持部52hは、前記第1貫通窓44を貫通するように一対が軸線方向に立設されてなり、それらの間隔はコイル接続端子12aの直径とほぼ同じに設定され、それらの間に挿入されたコイル接続端子12aをその間隔方向に(移動不能に)支持可能とされている。
【0043】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、コイル端子支持部52hと共に前記接続部X1を挟む位置でコイル接続端子12aの先端を支持するための補助支持部52iが形成されている。この補助支持部52iは、前記第1貫通窓44を貫通するように一対が軸線方向に立設されてなり、それらの間隔はコイル接続端子12aの直径とほぼ同じに設定され、それらの間に挿入されたコイル接続端子12aをその間隔方向に(移動不能に)支持可能とされている。尚、ここで、前記第1貫通窓44は、上記したようにコイル端子支持部52h及び補助支持部52iが貫通可能な大きさであって、軸方向から見てコイル接続端子12aより十分大きく、またターミナル21の他の部分より大きな(略円形の)ターミナル端子部21aを含む大きさに形成されている。又、第1貫通窓44は、上記のような大きさとされることなどにより、溶接時の熱を保持部材41に伝達させない(熱を十分放出可能とする)ようにするためのスペースともされ、これにより接続作業を容易としている。
【0044】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、ブレーカ接続端子16bとターミナル22(ターミナル端子部22a)との接続部X2(図2参照)と、前記ブレーカ保持部17との間で前記ブレーカ接続端子16bを支持するための端子支持部としてのブレーカ端子支持部52jが形成されている。尚、図2では、ブレーカ接続端子16bとターミナル22(ターミナル端子部22a)とが溶接される前の状態(互いに溶ける前であって、軸方向に重なっただけの状態)を図示している。このブレーカ端子支持部52jは、前記第3貫通窓46を貫通するように一対が軸線方向に立設されてなり、それらの間隔はブレーカ接続端子16bの幅とほぼ同じに設定され、それらの間に挿入されたブレーカ接続端子16bをその間隔方向に(移動不能に)支持可能とされている。尚、ここで、前記第3貫通窓46は、上記したようにブレーカ端子支持部52jが貫通可能な大きさであって、軸方向から見てブレーカ接続端子16bより十分大きく、またターミナル22の他の部分より大きな(略円形の)ターミナル端子部22aを含む大きさに形成されている。又、第3貫通窓46は、上記のような大きさとされることなどにより、溶接時の熱を保持部材41に伝達させない(熱を十分放出可能とする)ようにするためのスペースともされ、これにより接続作業を容易としている。
【0045】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、コイル接続端子13aとブレーカ接続端子16aとの接続部X3(図2参照)と、前記コイル保持部15との間で前記コイル接続端子13aを支持するためのコイル端子支持部52kが形成されている。尚、図2では、コイル接続端子13aとブレーカ接続端子16aとが溶接される前の状態(互いに溶ける前であって、軸方向に重なっただけの状態)を図示している。このコイル端子支持部52kは、前記第2貫通窓45を貫通するように一対が軸線方向に立設されてなり、それらの間隔はコイル接続端子13aの直径とほぼ同じに設定され、それらの間に挿入されたコイル接続端子13aをその間隔方向に(移動不能に)支持可能とされている。
【0046】
又、ベース部52には、ベース部材51と保持部材41とが組み付けられた状態で、コイル接続端子13aとブレーカ接続端子16bとの接続部X3(図2参照)と、前記コイル端子支持部52kとの間で前記ブレーカ接続端子16aの先端を支持するためのブレーカ端子支持部52lが形成されている。このブレーカ端子支持部52lは、前記第2貫通窓45を貫通するように一対が軸線方向に立設されてなり、それらの間隔はブレーカ接続端子16aの先端の幅とほぼ同じに設定され、それらの間に挿入されたブレーカ接続端子16aをその間隔方向に(移動不能に)支持可能とされている。尚、ここで、前記第2貫通窓45は、上記したようにコイル端子支持部52k及びブレーカ端子支持部52lが貫通可能な大きさであって、軸方向から見てコイル接続端子13a及びブレーカ接続端子16bより十分大きく形成されている。又、第2貫通窓45は、上記のような大きさとされることなどにより、溶接時の熱を保持部材41に伝達させない(熱を十分放出可能とする)ようにするためのスペースともされ、これにより接続作業を容易としている。
【0047】
又、ベース部52には、図10及び図11に示すように、前記コイル端子支持部52hや補助支持部52i等(図5参照)が立設される側の反対側(ギヤハウジング31側)で前記一対のターミナル21,22に電気的に接続される回路基板71(図11参照)を保持可能な位置決め突起52m及び保持フック52nが形成されている。詳しくは、位置決め突起52mと保持フック52nとは、ベース部52の前記コネクタ部8c側において、離間して設けられている。そして、位置決め突起52mは、先端側が円錐状で基端側が円柱状に形成されている。又、保持フック52nは、その先端側が位置決め突起52mから離間する方向に弾性変形可能に湾曲して形成された湾曲弾性部52oと、その湾曲弾性部52oの先端に形成された内側(位置決め突起52m側)に突出した形状の保持爪部52pとからなる。そして、回路基板71は、図11に示すように、前記回転軸10と一体回転するセンサマグネットの回転速度を検出するためのホールIC72が実装されたものであって、その長手方向一端側が前記位置決め突起52mに(押圧)支持され、長手方向他端側が前記保持フック52nに係合されて(前記保持爪部52pが係合することで抜け止めがなされて)ベース部52に対して保持されている。尚、位置決め突起52mと保持フック52nとは、その間隔が、上記のように回路基板71を保持した状態で前記湾曲弾性部52oの弾性にて前記回路基板71を前記位置決め突起52mに押圧接触させるように設定されている。
【0048】
そして、上記した各部品はそれぞれ組み付けられてブラシホルダ8を含む直流モータ1が構成されている。
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
【0049】
(1)ブラシホルダ8は、ブラシ保持部11を有する保持部材41と、コネクタ部8cを有し保持部材41に対して組み付けられるベース部材51とを備えるため、それらが一体成形されてなるものに比べて、例えば、コネクタ部8cの位置に基づいてブラシ保持部11の成形が困難となるといったことを回避することができる。よって、例えば、ブラシ保持部11とコネクタ部8cとの距離を近くに設定することが可能となり、ブラシホルダ8、ひいては直流モータ1の小型化が可能となる。又、例えば、コネクタ部8cの位置のみが異なる仕様のブラシホルダを製造する場合、保持部材41を共通の部品とすることができる。
【0050】
又、係合爪43(爪部43b)と係合壁52c(係合面52b)との係合により保持部材41とベース部材51とを容易に組み付けることができる。更に、例えば、組み付け強度を高くすべく爪部43bを大きく設定しても、係合壁52cが弾性変形可能であるため、係合爪43(爪部43b)と係合壁52c(係合面52b)とを係合させる際に係合爪43のみを大きく弾性変形させる必要がなくなり、ひいては係合爪43のみを大きく弾性変形させるためのスペースを確保する必要がなくなる。よって、設計自由度が広がり、無駄なスペースを抑えてブラシホルダ8の大型化を抑制することが可能となる。
【0051】
(2)係合爪43は、保持部材41の外周壁41aに沿って形成されるため、ブラシホルダ8上の各部品の配置スペースに悪影響を与え難くしながら、ブラシホルダ8の大型化を抑制することができる。言い換えると、係合爪を、保持部材の外周壁より内側に形成すると、ブラシホルダ8上の各部品の配置スペースに悪影響を与え、ひいてはブラシホルダ8の大型化を招く虞があるが、これを抑制することができる。
【0052】
(3)係合壁52cは、ベース部材51の外周壁であるフランジ部52aの内側に係合孔Kを介して形成されるとともにフランジ部52aに対して離間する方向に弾性変形可能とされている。そして、係合壁52cが弾性変形していない状態の係合孔Kにおいて、係合壁52cと、対向するフランジ部52aとの間隔W1(図7参照)は、爪部43bを含む係合爪43の先端側の同方向の幅W2より小さく設定されるが、係合壁52cがフランジ部52aに対して離間する方向に弾性変形可能であることから、弾性変形させることで爪部43bを含む係合爪43の先端側を係合孔Kに挿入することができる。よって、組み付け強度を高くすべく爪部43bを大きく設定しても、係合爪43を大きく弾性変形させるための大きなスペース(大きな係合孔K)を確保する必要がなくなる。よって、例えば、係合壁52cを、ベース部材51の外周壁(フランジ部52a)より大きく内側に形成しなくてよくなる。その結果、ブラシホルダ8上の各部品の配置スペースに悪影響を与え難くしながら、ブラシホルダ8の大型化を抑制することができる。言い換えると、係合壁が外周壁(フランジ部)に対して離間する方向に弾性変形不能であると、組み付け強度を高くすべく爪部を大きく設定した場合、係合爪を大きく弾性変形させるための大きなスペース(爪部を含む係合爪の先端側の前記幅W2以上の大きな係合孔)を確保する必要があり、係合壁を前記外周壁より大きく内側に形成する必要が生じ、ブラシホルダ上の各部品の配置スペースに悪影響を与え、ブラシホルダの大型化を招く虞があるが、これを抑制することができる。
【0053】
(4)係合面52bは、係合壁52cにおける弾性部43aとの対向面と共に鋭角を構成するように(図7(a)中、左右方向に対して傾斜して)形成されるため、保持部材41とベース部材51とを分離させる方向に力が加わっても(前記傾斜によって係合壁52cが弾性部43a側に弾性変形し易いため)爪部43bとの係合が解除され難くなる。
【0054】
(5)遊嵌される保持部材41とベース部材51との間には弾性を有する被挟持部61aが圧縮した状態で介在されるため、保持部材41及びベース部材51の寸法精度を高精度とすることなく、保持部材41とベース部材51とのがたつきを防止することができる。即ち、前記被挟持部61aがない場合では、保持部材41及びベース部材51の寸法精度を高精度としなければ、それらの組み付けが困難となったり、がたつきが発生するといった不具合が生じ易いが、それらを回避することができる。
【0055】
(6)被挟持部61aは、ベース部材51とヨークハウジング4とギヤハウジング31との各間をシールするためのシール部材61に一体成形されるため、その製造や配設する工程が容易となる。即ち、元々シール部材を有する仕様のブラシホルダを製造する場合では、シール部材61を成形するとともに被挟持部61aを一体成形することで、特に別途、被挟持部61aと同様の機能を有する弾性部材を製造したり組み付けるといった工程を必要としない。
【0056】
(7)被挟持部61aを含むシール部材61は、ベース部材51をインサート品としてベース部材51に一体化されるため、例えば、別体で製造してベース部材51に組み付ける場合に比べて、ベース部材51への固定が強固となる。
【0057】
(8)シール部材61は、被挟持部61aの圧縮方向(軸線方向)の直交方向に保持部材41と当接する内縁61bを有するため、保持部材41とベース部材51とにおける前記圧縮方向(軸線方向)の直交方向のがたつきを更に防止することができる。
【0058】
(9)保持部材41とギヤハウジング31には、回転軸10の軸線方向と直交する方向に互いに係合する位置決め柱42(嵌合凹部42a)と位置決め凸部31bがそれぞれ設けられるため、ベース部材51の寸法誤差に関わらず(寸法誤差が積み重なることがなく)保持部材41の位置をギヤハウジング31に対して(高精度に)一定とすることができる。よって、例えば、保持部材41のブラシ保持部11に保持されるブラシ9の位置を、ギヤハウジング31、ひいてはギヤハウジング31に固定されるヨークハウジング4に対して(高精度に)一定とすることができる。又、保持部材41は、回転軸10を回転可能に支持するための軸受18を保持する軸受保持部19を有するため、軸受18の位置を、ギヤハウジング31に対して(高精度に)一定とすることができる。よって、ブラシ9と回転軸10に固定された整流子7との位置ずれを防止することができる。
【0059】
(10)位置決め柱42(嵌合凹部42a)及び位置決め凸部31bは、回転軸10を挟む位置に一対設けられるため、単純な構成で、保持部材41をギヤハウジング31に回転軸10を中心とした高精度に位置決めすることができる。
【0060】
(11)位置決め柱42は、軸線方向から見て、保持部材41において回転軸10から最も遠い位置(保持部材41の長手方向両端部)に設けられるため、他の位置に設けた場合に比べて、保持部材41とギヤハウジング31とを最も高精度に位置決めすることができる。
【0061】
(12)ベース部材51には、チョークコイル12のコイル接続端子12aとターミナル21(ターミナル端子部21a)との接続部X1(図2及び図8参照)と、チョークコイル12を保持するコイル保持部14との間でコイル接続端子12aを支持するためのコイル端子支持部52hが設けられている。よって、例えば、コネクタ部8cに外部コネクタを嵌着する際等にベース部材51に外力が加わって保持部材41との相対位置が若干ずれたとしても、コイル接続端子12aが接続部X1とコイル保持部14との間でベース部材51のコイル端子支持部52hにて支持されることで、(溶接された)接続部X1に応力がかかることが防止される。
【0062】
又、ベース部材51には、サーキットブレーカ16のブレーカ接続端子16bとターミナル22(ターミナル端子部22a)との接続部X2(図2参照)と、サーキットブレーカ16を保持するブレーカ保持部17との間でブレーカ接続端子16bを支持するためのブレーカ端子支持部52jが設けられている。よって、例えば、コネクタ部8cに外部コネクタを嵌着する際等にベース部材51に外力が加わって保持部材41との相対位置が若干ずれたとしても、ブレーカ接続端子16bが接続部X2とブレーカ保持部17との間でベース部材51のブレーカ端子支持部52jにて支持されることで、(溶接された)接続部X2に応力がかかることが防止される。よって、(溶接された)接続部X1,X2の破損が防止され、ひいてはチョークコイル12(コイル接続端子12a)及びサーキットブレーカ16(ブレーカ接続端子16b)とターミナル21,22(ターミナル端子部21a,22a)との接続不良が防止される。
【0063】
(13)ターミナル21,22のターミナル端子部21a,22aは、コイル接続端子12a及びブレーカ接続端子16bに沿うように配置されて、該コイル接続端子12a及びブレーカ接続端子16bと溶接(スポット溶接)されるものである。よって、例えば、接続孔が形成されその接続孔にコイル接続端子やブレーカ接続端子が挿通されて溶接(はんだ付け)されるものに比べて、(溶接された)接続部X1,X2が破損(互いに剥離)し易いが、接続部X1,X2に応力がかかることが防止されることから、これが好適に防止される。尚、勿論、本実施の形態のようにスポット溶接とすることで、はんだ付け等とした場合に比べて、はんだ等の別部材が不要となる。
【0064】
(14)ベース部材51には、コイル端子支持部52hと共に接続部X1を挟む位置でコイル接続端子12aの先端を支持するための補助支持部52iが設けられている。よって、ターミナル21(ターミナル端子部21a)にコイル接続端子12aを溶接する工程の前にコイル端子支持部52hと補助支持部52iとでコイル接続端子12aを支持することで、コイル接続端子12aの接続部X1となる部分の位置ずれを防止することができる。よって、前記溶接する工程を容易且つ確実に行うことができる。
【0065】
(15)保持部材41には、コイル接続端子12a,13a及びブレーカ接続端子16bが配置される位置に対応して貫通する第1〜第3貫通窓44〜46が設けられるため、接続作業(溶接)が容易となる。又、例えば、コイル接続端子及びブレーカ接続端子とターミナルとを貫通窓を介さずにブラシホルダの外側で接続するような構成に比べて、ブラシホルダ8全体が大きくなることがない。
【0066】
(16)コイル端子支持部52h,52k、補助支持部52i、及びブレーカ端子支持部52j,52lは、第1〜第3貫通窓44〜46を貫通するように立設されてなるため、それらにコイル接続端子12a,13a及びブレーカ接続端子16a,16bを支持させる作業が容易となる。
【0067】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、ベース部材51は、外部コネクタが嵌着されるコネクタ部8cを有するとしたが、これに限定されず、例えば、図12に示すように、ベース部材81がコネクタ部としての内部用コネクタ部82を有するものとしてもよい。
【0068】
詳しくは、この例(図12参照)の直流モータ83は、上記実施の形態と同様に車両に搭載されるパワーウインド装置の駆動源として用いられるものであるが、更に、公知の挟み込み防止制御等の処理を行う種々の図示しない回路部品が実装された制御回路基板84を備えている。そして、ベース部材81は、上記実施の形態のベース部52と同様のベース部85と、ベース部85の長手方向から(図12中、右側に)延びるベース延設部86と、ベース延設部86の先に形成される前記内部用コネクタ部82と、内部用コネクタ部82の更に先(図12中、右側)に形成される基板収容部87及び外部用コネクタ部88とを備える。又、この例のターミナル89,90は、上記実施の形態のターミナル端子部21a,22aと同様のターミナル端子部(図示略)を有するとともにベース延設部86の内部を通って内部用コネクタ部82まで延び、その先端にギヤハウジング91側に延びる接続端子89a,90aが形成されている。尚、この例のギヤハウジング91の形状は、前記ベース部材81の形状に対応し、前記内部用コネクタ部82や基板収容部87の(図中、下側の)開口を閉塞可能に形成されている。又、制御回路基板84は、前記内部用コネクタ部82や基板収容部87内に収容可能に形成され、収容された状態で、前記接続端子89a,90aが挿入されて内部の雌端子84aに電気的に接続される基板コネクタ84bを有している。又、制御回路基板84は、内部用コネクタ部82や基板収容部87内に収容された状態で、前記外部用コネクタ部88に配置される外部端子84cを有している。尚、この例のシール部材92は、ベース延設部86の形状等に合わせた形状となっている以外は上記実施の形態のシール部材61と略同様である。又、この例の保持部材41は、上記実施の形態と同様であるため、同様の符号を付している。
【0069】
このような直流モータ83においても、上記実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。
・上記実施の形態では、係合爪43は、保持部材41の外周壁41aに沿って形成されるとしたが、これに限定されず、係合爪を保持部材の外周壁より内側に形成してもよい。尚、この場合、勿論、係合壁52cや係合孔Kの位置を係合爪43の位置に応じて変更する必要がある。
【0070】
・上記実施の形態では、係合面52bは、係合壁52cにおける弾性部43aとの対向面と共に鋭角を構成するように(図7(a)中、左右方向に対して傾斜して)形成されるとしたが、これに限定されず、例えば、係合壁52cにおける弾性部43aとの対向面と共に直角を構成するように形成してもよい。又、係合面52bを上記実施の形態のままとし、上記実施の形態の爪部43bを係合面52bに沿った(傾斜した)形状としてもよい。
【0071】
・上記実施の形態では、遊嵌される保持部材41とベース部材51との間には弾性を有する被挟持部61aが圧縮した状態で介在されるとしたが、これに限定されず、被挟持部61aを省略してもよい。
【0072】
・上記実施の形態では、被挟持部61aは、シール部材61に一体成形されるとしたが、これに限定されず、シール部材61とは別体の弾性部材として製造されて組み付けられるものとしてもよい。又、被挟持部61a(弾性部材)の位置や個数は、適宜変更してもよい。
【0073】
・上記実施の形態では、シール部材61は、ベース部材51をインサート品としてベース部材51に一体化されるものであるとしたが、これに限定されず、別体で製造されてベース部材51に組み付けられるものとしてもよい。
【0074】
・上記実施の形態では、シール部材61は、被挟持部61aの圧縮方向(軸線方向)の直交方向に保持部材41と当接する内縁61b(弾性係合部)を有するとしたが、これに限定されず、圧縮方向(軸線方向)の直交方向に保持部材41と当接しないものとしてもよい。又、前記内縁61b以外の部分に、内縁61bと同様に機能する(当接する)弾性係合部をシール部材61に設けてもよい。
【0075】
・上記実施の形態では、保持部材41とギヤハウジング31には、位置決め柱42(嵌合凹部42a)と位置決め凸部31bがそれぞれ設けられるとしたが、これに限定されず、これらとは異なる手段で位置決めする構成に変更してもよい。又、位置決め柱42(嵌合凹部42a)と位置決め凸部31bの形状や個数や位置等は適宜変更してもよい。
【0076】
・上記実施の形態では、ベース部材51には、コイル端子支持部52hやブレーカ端子支持部52jが設けられるとしたが、これに限定されず、コイル端子支持部52hやブレーカ端子支持部52jを省略してもよい。
【0077】
・上記実施の形態では、ターミナル21,22のターミナル端子部21a,22aは、コイル接続端子12a及びブレーカ接続端子16bに沿うように配置されて溶接(スポット溶接)されるものであるとしたが、接続孔が形成されその接続孔にコイル接続端子やブレーカ接続端子が挿通されて溶接(はんだ付け)されるものに変更してもよい。又、ターミナル21,22のターミナル端子部21a,22a及びコイル接続端子12a及びブレーカ接続端子16bは、軸線方向の直交方向に沿う構成としたが、それらが軸線方向に沿う構成に変更してもよい。この場合、例えば、コイル端子支持部52hやブレーカ端子支持部52jを一対が軸線方向の直交方向に沿って延びるものに変更してもよい。
【0078】
・上記実施の形態では、ベース部材51には、補助支持部52iが設けられるとしたが、これに限定されず、補助支持部52iを省略してもよい。
・上記実施の形態では、チョークコイル12やサーキットブレーカ16のコイル接続端子12aやブレーカ接続端子16bを接続端子として端子支持部(コイル端子支持部52hやブレーカ端子支持部52j)にて支持するとしたが、チョークコイル12やサーキットブレーカ16以外の電気部品の接続端子を端子支持部にて支持する構成としてもよい。
【0079】
・上記実施の形態では、ターミナル21,22は、ベース部材51にインサート成形される構成としたが、ベース部材51に対して組み付けられる構成としてもよい。
・上記実施の形態では、パワーウインド装置の駆動源として用いられる直流モータ1に具体化したが、勿論、他の装置の駆動源として用いられる直流モータに具体化してもよい。
【0080】
上記各実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)前記係合面は、前記係合壁における前記弾性部との対向面と共に鋭角を構成するように形成されたことを特徴とする。
【0081】
同構成によれば、係合面は、係合壁における弾性部との対向面と共に鋭角を構成するように形成されるため、保持部材とベース部材とを分離させる方向に力が加わっても前記爪部との係合が解除され難くなる。
【0082】
(ロ)前記ベース部材は、前記保持部材に対して遊嵌されて組み付けられるものであって、前記保持部材と前記ベース部材との間に圧縮した状態で介在される弾性部材を備えたことを特徴とする。
【0083】
同構成によれば、遊嵌される保持部材とベース部材との間には弾性部材が圧縮した状態で介在されるため、保持部材及びベース部材の寸法精度を高精度とすることなく、保持部材とベース部材とのがたつきを防止することができる。即ち、前記弾性部材がない場合では、保持部材及びベース部材の寸法精度を高精度としなければ、それらの組み付けが困難となったり、がたつきが発生するといった不具合が生じ易いが、それらを回避することができる。
【符号の説明】
【0084】
8c…コネクタ部、9…ブラシ、11…ブラシ保持部、41…保持部材、41a…保持部材の外周壁、43…係合爪、43a…弾性部、43b…爪部、51,81…ベース部材、52a…フランジ部(ベース部材の外周壁)、52b…係合面、52c…係合壁、82…内部用コネクタ部(コネクタ部)、K…係合孔、W1…間隔、W2…幅。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシを保持するためのブラシ保持部を有する保持部材と、コネクタ部を有し前記保持部材に対して遊嵌されるベース部材とを備えたことを特徴とするブラシホルダ。
【請求項2】
整流子が固定された回転軸を略収容するヨークハウジングと、請求項1に記載のブラシホルダとを有するモータ本体と、
前記回転軸の回転を減速するための減速機構を収容し前記ヨークハウジングに固定されるギヤハウジングを有する減速部と
を備えた直流モータであって、
前記保持部材は、前記整流子に摺接する前記ブラシを保持するための前記ブラシ保持部を有し前記ヨークハウジングに略収容され、
前記ベース部材は、前記ギヤハウジング側で前記保持部材に対して遊嵌されて組み付けられたことを特徴とする直流モータ。
【請求項1】
ブラシを保持するためのブラシ保持部を有する保持部材と、コネクタ部を有し前記保持部材に対して遊嵌されるベース部材とを備えたことを特徴とするブラシホルダ。
【請求項2】
整流子が固定された回転軸を略収容するヨークハウジングと、請求項1に記載のブラシホルダとを有するモータ本体と、
前記回転軸の回転を減速するための減速機構を収容し前記ヨークハウジングに固定されるギヤハウジングを有する減速部と
を備えた直流モータであって、
前記保持部材は、前記整流子に摺接する前記ブラシを保持するための前記ブラシ保持部を有し前記ヨークハウジングに略収容され、
前記ベース部材は、前記ギヤハウジング側で前記保持部材に対して遊嵌されて組み付けられたことを特徴とする直流モータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−81366(P2013−81366A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−284422(P2012−284422)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2007−271332(P2007−271332)の分割
【原出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2007−271332(P2007−271332)の分割
【原出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
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