説明

ブラックマトリックス用着色組成物及びブラックマトリックス用感光性組成物

【課題】高絶縁性、低誘電率でありかつ高光学濃度のブラックマトリックスが得られるブラックマトリックス用顔料組成物、同着色組成物及び熱吸収がより少なく、液晶表示素子の安定駆動が可能なカラーフィルタが得られるブラックマトリックス用感光性組成物を提供する。
【解決手段】青色、黄色、赤色の各有機顔料を混合したブラックマトリックス用有機顔料組成物、青色、黄色、赤色の各有機顔料と樹脂系分散剤と有機溶剤とを含有するブラックマトリックス用着色組成物において、各顔料の比表面積がいずれも80m/g以上であることを特徴とするブラックマトリックス用顔料組成物、ブラックマトリックス用着色組成物及び当該ブラックマトリックス用着色組成物と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと光重合開始剤とを含有してなるブラックマトリックス用感光性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高絶縁性、低誘電率でありかつ高光学濃度のブラックマトリックスが得られるブラックマトリックス用着色組成物及び熱吸収がより少なく、液晶表示素子の安定駆動が可能なカラーフィルタが得られるブラックマトリックス用感光性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に含まれるカラーフィルタは、RGBの三色画素部と、黒色のブラックマトリックスとから構成される。このブラックマトリックスを形成するための着色剤としては、従来、カーボンブラックが使用されていたが、カーボンブラックは、黒色を得るには都合が良いものの、熱を吸収することから、カラーフィルタが高温となり、液晶表示が不安定になるという欠点があった。
【0003】
この様な欠点を解消するために、カーボンブラックに代えて、青色、黄色、赤色の各有機顔料を黒色となる様に混合して得た黒色有機顔料組成物を用いる試みが最近活発に行われている。
【0004】
特許文献1、2には、青色、黄色、赤色の各有機顔料を黒色となる様に混合して得た黒色有機顔料組成物と、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄などの導電性遮光材とを併用することが、特許文献3には、可視光領域に光透過性を持つ青色、黄色、赤色の3色各有機顔料または可視光領域に光透過性を持つ青色、黄色、紫色の3色各有機顔料を黒色となる様に併用したりすることが、特許文献4には、特定のC.I.ピグメント番号の青色、緑色、黄色、紫色、赤色の各有機顔料を黒色となる様に併用することが、特許文献5には、青色、緑色、黄色、紫色、赤色の各有機顔料を黒色となる様に併用すると共に、これらの顔料スルホン酸誘導体を併用することが、記載されている。
【0005】
しかしながら、これら最近の試みでは、高絶縁性、低誘電率でありかつ高光学濃度を満足できるカラーフィルタのブラックマトリックスを含むカラーフィルタが得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−13106号公報
【0007】
【特許文献2】特開平4−190362号公報
【0008】
【特許文献3】特開平9−302265号公報
【0009】
【特許文献4】特開2009−69822公報
【0010】
【特許文献5】特開2009−282251公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、高絶縁性、低誘電率でありかつ高光学濃度を満足できるカラーフィルタのブラックマトリックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、前記実状に鑑みて鋭意検討した結果、意外にも、これらの特性は、異なる複数種の有機顔料の選択や、有機顔料誘導体の併用よりも、ブラックマトリックスを構成する有機顔料自身の性質に依存するものであることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
本発明は、青色、黄色、赤色の各有機顔料を含有するブラックマトリックス用顔料組成物において、各顔料の比表面積がいずれも80m/g以上であることを特徴とするブラックマトリックス用顔料組成物を提供する。
【0014】
また本発明は、青色、黄色、赤色の各有機顔料と樹脂系分散剤と有機溶剤とを含有するブラックマトリックス用着色組成物において、各顔料の比表面積がいずれも80m/g以上であることを特徴とするブラックマトリックス用着色組成物を提供する。
【0015】
さらに本発明は、上記ブラックマトリックス用着色組成物と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと光重合開始剤とを含有してなるブラックマトリックス用感光性組成物を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のブラックマトリックス用顔料組成物は、青色、黄色、赤色の各特定の比表面積の有機顔料を黒色となる様に併用するので、高絶縁性、低誘電率でありかつ高光学濃度を満足できるブラックマトリックスのための着色組成物が容易に得られるという格別顕著な技術的効果を奏する。
また、本発明のブラックマトリックス用着色組成物は、青色、黄色、赤色の各特定の比表面積の有機顔料を黒色となる様に併用するので、高絶縁性、低誘電率でありかつ高光学濃度を満足できるブラックマトリックスのための感光性組成物が容易に得られるという格別顕著な技術的効果を奏する。
さらに、本発明のブラックマトリックス用感光性組成物は、上記したブラックマトリックス用着色組成物を用いているので、熱吸収がより少なく、液晶表示素子の安定駆動が可能なカラーフィルタが得られるという格別顕著な技術的効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のブラックマトリックス用顔料組成物は、青色、黄色、赤色の各特定の比表面積の有機顔料を黒色となる様に併用するものであり、本発明のブラックマトリックス用着色組成物は、青色、黄色、赤色の各有機顔料と樹脂系分散剤と有機溶剤とを含有するものである。
【0018】
本発明においては、青色、黄色、赤色の各有機顔料として、いずれも比表面積80m/g以上のものを用いることに最大の特徴を有する。
【0019】
青色、黄色、赤色の各色有機顔料の比表面積がいずれも80m/g以上であれば良いが、この様な80〜150m/gである有機顔料自体は比較的容易に製造することができ、しかも高絶縁性、低誘電率でありかつ高光学濃度を満足し、熱吸収がより少なく、液晶表示素子の安定駆動が可能なカラーフィルタが得られるので好ましい。
【0020】
異なる比表面積の有機顔料同士を併用し薄膜を形成する場合には、膜厚ムラが発生したり、塗布面の一部分に局所的ムラが発生しやすく、これは安定した遮光性と放熱性が求められるブラックマトリックスにおいては、致命的な欠陥となる場合がある。
【0021】
本発明における比表面積とは、窒素吸着法により測定されるBET比表面積であり、日本工業規格JIS Z8830−1990の付属書2に規定される「1点法による気体吸着量の測定方法」に従って測定したときの乾燥した顔料の比表面積を意味する。
【0022】
この様な従来よりも比表面積が大きい有機顔料は、微細な市販品をそのまま用いることも出来るが、例えば、より比表面積が大きい有機顔料を乾式粉砕したり、より高い無機塩倍率にてより長時間混練するソルベントソルトミリング処理を行ったり、硫酸などの強酸にいったん溶解して、貧溶媒と混合するアシッドスラリー処理を行うことで得ることができる。
【0023】
本発明において用いられる有機顔料としては、青色有機顔料、黄色有機顔料、赤色有機顔料を併用することで遮光性を持たせることができる。これらの各色有機顔料としては、化学構造に基づけば、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料が挙げられる。以下、本発明において使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。以下に挙げる「C.I.ピグメントレッド254」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0024】
青色有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6が挙げられ、さらに好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。
【0025】
黄色有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208等を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185が挙げられ、さらに好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
【0026】
赤色有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254が挙げられ、さらに好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、254を挙げることができる。
【0027】
本発明においては、青色有機顔料、黄色有機顔料、赤色有機顔料だけを併用することもできるが、必要に応じて、緑色有機顔料、紫色有機顔料、橙色有機顔料、茶色有機顔料等を併用して色調調整しても良い。これら併用する他色有機顔料としても、比表面積が80m/g以上のものを用いることが好ましい。
【0028】
併用するのに好適な青色、黄色、赤色以外の色の有機顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、58、C.I.ピグメントオレンジ38、71、C.I.ピグメントバイオレット23等を挙げることができる。
【0029】
用いる有機顔料及びその組み合わせは、目的とするブラックマトリックスに求められている黒色度が得られれば良い。青色、黄色、赤色の三原色を減法混色することで黒色とすることは、当業者の技術常識に属することであり、それらの混合割合は特に制限されるものではない。しかしながら、例えば、青色、黄色、赤色の各色有機顔料の合計を質量換算で100%とした際、質量基準で各色33%を中心として、各色ともプラスマイナス7%で増減して併用することで、黒色を調整することができる。
【0030】
こうして青色有機顔料、黄色有機顔料及び赤色有機顔料を含む本発明のブラックマトリックス用顔料組成物は、それぞれを任意の順序で混合することで容易に調製することができる。
【0031】
本発明の着色組成物は、上記した各色有機顔料と、樹脂系分散剤と有機溶剤とを含有するものである。着色組成物の作成方法としては、別々に各色有機顔料、有機溶剤、分散剤を分散した着色組成物を混合しても良いし、全有機顔料を一度に有機溶剤、分散剤と分散させても良い。
【0032】
これら有機顔料を有機溶剤中に分散させる場合、分散性の向上、及び分散安定性の向上のために、樹脂系分散剤が併用される。この樹脂系分散剤は、有機顔料とアンカー部位と結合して、相溶性部分が分散媒に伸長して分散体を構成する機能を有するものであり、後記する感光性組成物の調製に用いるアルカリ可溶性樹脂や、光重合性モノマーとは、別種のものである。
【0033】
樹脂系分散剤としては、高分子鎖を有するもの、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレングリコールジエステル、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。中でも、ポリエステル樹脂系分散剤及び/又はアクリル樹脂系分散剤が、分散性、耐熱性、耐光性の点で好ましい。
【0034】
各種樹脂系分散剤の具体例としては、商品名で、アジスパー(味の素ファインテクノ社製)、EFKA(チバ(Ciba)社製)、Disperbik(ビックケミー社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、SOLSPERSE(ルーブリゾール社製)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)等を挙げることができる。これらの分散剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することができる。
【0035】
樹脂系分散剤は、各色の有機顔料の合計の質量換算100部当たり、通常30〜60部、好ましくは38〜50部である。
【0036】
本発明の着色組成物の調製には、有機溶剤が用いられる。
ここで用いられる有機溶剤としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ミネラルスピリット、n−ペンタン、アミルエーテル、エチルカプリレート、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、ブチルステアレート、n−オクタン、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルアセテート、アプコシンナー、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノニルケトン、プロピルエーテル、ドデカン、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、アミルホルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケトン、ソルベッソ#150、(n,sec,t−)酢酸ブチル、ヘキセン、シェルTS28 ソルベント、ブチルクロライド、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、アミルクロライド、エチレングリコールジエチルエーテル、エチルオルソホルメート、メトキシメチルペンタノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソブチレート、ベンゾニトリル、エチルプロピオネート、メチルセロソルブアセテート、メチルイソアミルケトン、n−アミルメチルケトン(2−ヘプタノン)、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテート、アミルアセテート、アミルホルメート、ビシクロヘキシル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジペンテン、メトキシメチルペンタノール、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピルプロピオネート、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カルビトール、シクロヘキサノン、酢酸エチル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、エチレングリコールアセテート、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
【0037】
本発明の着色組成物を用いて、フォトリソグラフィー方式でブラックマトリックスを形成するための感光性組成物を調製する際には、低粘度で塗工性、作業性、吐出性に優れたものとするために、少なくとも、着色組成物に含有させる有機溶剤としてはn−アミルメチルケトン(2−ヘプタノン)を用いることが好ましい。
【0038】
着色組成物を調製するために、有機溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用することができる。しかしながら、本発明の着色組成物において、有機溶剤は、各色の有機顔料の合計の質量換算100部当たり、通常300〜800部、好ましくは400〜600部用いることが好ましい。
【0039】
本発明の着色組成物の調製に当たっては、必要に応じて、例えば各種の顔料誘導体等を併用することができる。顔料誘導体の置換基としては、例えばスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられる。
【0040】
本発明の着色組成物は、上記した各色の有機顔料、樹脂系分散剤及び有機溶剤を撹拌混合することにより調製することができる。必要であれば、ビーズやロッド等の各種粉砕メディアの存在下、必要時間に亘って振とうを行い、当該メディアを濾過等により分散させることで、調製することもできる。
【0041】
本発明の着色組成物は、従来公知の方法でブラックマトリックス部の形成に使用することができる。
【0042】
カラーフィルタの代表的な製造方法は、フォトリソグラフィー法であり、ブラックマトリックスは、本発明の着色組成物から調製された後記する感光性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、ブラックマトリックス部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法で、感光性組成物の硬化着色皮膜からなるブラックマトリックス部が透明基板上に形成される。RGBの各画素部も、より比表面積の大きな各色の有機顔料から調製された感光性組成物から、上記の様にして同様に調製することができる。
【0043】
後記する感光性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、スリットコート法、インクジェット法等が挙げられる。
【0044】
透明基板に塗布した感光性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。この加熱処理を一般に「プリベーク」という。また、感光性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用出来る。
【0045】
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。感光性組成物の露光、現像の後に、ブラックマトリックス或いは必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルタは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、100〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、感光性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルタが完成する。
【0046】
カラーフィルタのブラックマトリックス部を形成するための感光性組成物は、本発明の着色組成物と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと、光重合開始剤とを必須成分とし、これらを混合することで調製することが出来る。
【0047】
ブラックマトリックス部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルタの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記感光性組成物を調製するに当たって、光重合性モノマーだけでなく、このアルカリ可溶性樹脂を併用することが不可欠である。アルカリ可溶性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
【0048】
前記感光性組成物の製造方法としては、本発明の着色組成物を事前に調製してから、そこに、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと、光重合開始剤を加えて前記感光性組成物とする方法が一般的である。
【0049】
感光性組成物の調製に使用するアルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は酸性を呈する水酸基を含む樹脂、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。尚、本発明において、(メタ)アクリルとの記載は、アクリルとメタクリルとを合わせた総称である。
なかでも、硬化皮膜の耐熱性をより高めるためには、イミド構造、スチレン及び(メタ)アクリル酸の各重合単位を含有するアルカリ可溶性樹脂を用いることが好ましい。
【0050】
このアルカリ可溶性樹脂は、上記した、有機顔料とアンカー部位と結合して、相溶性部分が分散媒に伸長して分散体を構成する機能を有さないものであるが、一方で、アルカリに接触することで溶解する特徴を活かし、感光性組成物の未露光部分の除去の目的で専ら用いられる。
【0051】
光重合性モノマーとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス〔(メタ)アクリロキシエトキシ〕ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。上記同様に、(メタ)アクリレートとの記載は、アクリレートとメタクリレートとを合わせた総称である。
【0052】
なかでも、硬化皮膜の耐熱性をより高めるためには、四官能〜六官能の(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
【0053】
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、エタノン,1−〔9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
しかしながら、本発明の感光性組成物は、黒色であるため、硬化性に優れる光重合開始剤を用いることが好ましい。
【0054】
光透過率に影響を及ぼさないアルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーを選択することにより、感光性組成物の硬化皮膜は、ブラックマトリックスに好適な、波長400〜800nmの範囲における最高光透過率が1%以下であり、波長800〜1100nmの近赤外線領域における光透過率80%とすることができる。
【0055】
ブラックマトリックスの光透過率とは、ガラス基板等の透明基板上に形成された膜厚3μmのブラックマトリックス(硬化膜)について、樹脂ブラックマトリックスが形成されていない該基板を対照として、分光光度計により測定された光透過率をいう。
【0056】
最高光透過率とは、特定の波長領域(範囲)における光透過率の中で最も大きな値を意味する。より詳しくは、特定の波長領域における光透過率曲線の最大値である。例えば、「波長400nm〜800nmの範囲における最高光透過率が1%以下である」とは、波長400nm〜800nmの範囲における光透過率曲線の最大値が1%以下であって、この範囲において光透過率が1%を超える領域がないことを意味する。
【0057】
一方、「波長800nm〜1100nm」とは、いわゆる近赤外線領域を意味する。「波長800nm〜1100nmの近赤外線領域における光透過率が80%以上のブラックマトリックスとは、すなわち、近赤外線長領域においては光の吸収が小さく、光透過率が高いブラックマトリックスである。
近赤外線領域における光透過率が大きいほど、ブラックマトリックスは、発熱源であるTFT素子における発熱を発散しやすくなる。このため、TFT素子においてはオン電流やオフ電流の増加も少なく、熱暴走を起こし難くなる。
【0058】
また、体積抵抗率が1×1013Ω・cm以上かつ誘電率5以下となるようにすれば、漏れ電流によるTFT素子(薄膜トランジスタからなるスイッチング素子)の短絡を低減することができ、TFT素子のスイッチングが正確に伝達され、液晶の駆動の乱れも低減することができる。
【0059】
体積抵抗率とは、物質の絶縁性の尺度であり、単位体積あたりの電気抵抗である。体積抵抗率は、例えば、社団法人電気学会「電気学会大学講座 電気電子材料−基礎から試験法まで−」(株式会社オーム社、2006年、第223頁〜第230頁)等に記載されている手法により測定することができる。
【0060】
誘電率とは、いわゆる比誘電率を意味し、物質の誘電率と真空の誘電率の比である。誘電率は、例えば、社団法人電気学会「電気学会大学講座 電気電子材料−基礎から試験法まで−」(株式会社オーム社、2006年、第233頁〜第243頁)等に記載されている手法により測定することができる。
【0061】
この様な特性の本発明の感光性組成物は、本発明の着色組成物100部当たり、アルカリ可溶性樹脂と光重合性モノマーの合計が3〜20部、光重合性モノマー1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じて、さらに上記した着色組成物の調製に用いた有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してブラックマトリックス部を形成するための感光性組成物を得ることが出来る。
【0062】
フォトリソグラフィー方式でブラックマトリックスを形成させるには、本発明の感光性組成物を低粘度で塗工性、作業性に優れたものとするために、少なくとも、質量換算で不揮発分は5〜20%となるように調製することが好ましい。
【0063】
現像液としては、公知慣用のアルカリ水溶液を使用することが出来る。特に前記感光性組成物には、アルカリ可溶性樹脂が含まれていることから、アルカリ水溶液での洗浄がブラックマトリックス部の形成に効果的である。本発明の感光性組成物の優れた耐熱性は、この様なアルカリ洗浄後に焼成を行なうカラーフィルタの製造方法において発揮される。
【0064】
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるブラックマトリックス部の製造方法について詳記したが、本発明の感光性組成物を使用して調製されたブラックマトリックス部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法等の方法で形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
【0065】
カラーフィルタは、赤色有機顔料、緑色有機顔料、青色有機顔料ならびに本発明の着色組成物を使用して得た各色の感光性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリックスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤(R)、緑(G)および青(B)のいずれか1色から選ばれたカラーフィルタ着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルタ着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることが出来る。
【0066】
本発明の感光性組成物から得られるブラックマトリックス部は、上記した青色、黄色、赤色の各有機顔料が黒色となる様に含まれたものであり、一見すると、各色の感光性組成物を混合して黒色感光性組成物を調製した場合と、同様のブラックマトリックスが得られるかの様に思われるが、本発明では、感光性組成物とする以前の段階である着色組成物の調製時に、予め、各色の有機顔料が混合される結果、より均一な混合が達成され、より優れた特性のブラックマトリックスが得られる。
【0067】
以下、実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例および比較例において、「部」および「%」は、いずれも質量基準である。
【実施例1】
【0068】
顔料としてFASTOGEN BLUE EP-CF(DIC株式会社製C.I.ピグメントブルー15:6、比表面積86m/g)5.59部、IRGAFORE RED BT−CF(Ciba Speciality社製C.I.ピグメントレッド254、比表面積88m/g)4.31部、E4GN−GT(LANXESS社製C.I.ピグメントイエロー150、比表面積105m/g)5.1部、樹脂系分散剤としてPB−821(味の素ファインテクノ株式会社製、ポリエステル樹脂系分散剤)4.5部、プロピレングリコールモノメチルアセテート73.75gの混合物に0.2〜0.3mmφのジルコニアビーズを加え、ペイントコンディショナーで2時間分散し、着色組成物(A−1)を得た。
【0069】
この着色組成物(A−1)100部、アルカリ可溶性樹脂(B)としてメタクリル酸/こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)/N−フェニルマレイミド/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合質量比=25/10/30/20/15、Mw=12,000、Mn=6,500)5部、光重合性モノマー(C)としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10部、光重合開始剤(D)としてエタノン,1−〔9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)を1部、および有機溶剤(E)としてジプロピレングリコールジメチルエーテル25重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート25重量部、3−メトキシブチルアセテート75重量部、シクロヘキサノン50重量部を混合して、感光性組成物(X−1)を調製した。
【実施例2】
【0070】
プロピレングリコールモノメチルアセテートを、同量の2−ヘプタノンに置換する以外は、着色組成物(A−1)と同様にして着色組成物(A−2)を得た。
着色組成物(A−1)を着色組成物(A−2)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、感光性組成物(X−2)を調製した。
【実施例3】
【0071】
レッド顔料のIRGAFORE RED BT−CFを同量のCROMOPHTAL RED A2B(クラリアント社製C.I.ピグメントレッド177、比表面積92m/g)に置換する以外は、着色組成物(A−1)と同様に着色組成物(A−3)を得た。
着色組成物(A−1)を着色組成物(A−3)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、感光性組成物(X−3)を調製した。
【実施例4】
【0072】
イエロー顔料のE4GN−GTを同量のPALIOTOL YELLOW K0961HD微細化品(BASF社製C.I.ピグメントイエロー138、比表面積102m/g)に置換する意外は、着色組成物(A−1)と同様に着色組成物(A−4)を得た。
着色組成物(A−1)を着色組成物(A−4)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、感光性組成物(X−4)を調製した。
【実施例5】
【0073】
樹脂系分散剤PB−821(味の素ファインテクノ株式会社製)4.5部をBYK−182(ビックケミー社製、アクリル樹脂系分散剤)11.25部に置換する以外は、着色組成物(A−1)と同様にして着色組成物(A−5)を得た。
着色組成物(A−1)を着色組成物(A−5)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、感光性組成物(X−5)を調製した。
【0074】
比較例1
顔料としてFASOTGEN BLUE EP-7(DIC株式会社製C.I.ピグメントブルー15:6、比表面積73m/g)5.59部、IRGAFORE RED BO(Ciba Speciality社製C.I.ピグメントレッド254、比表面積15m/g)4.31部、E4GN(LANXESS社製C.I.ピグメントイエロー150、比表面積65m/g)5.1部を用いる以外は着色組成物(A−1)と同様にして着色組成物(A−6)を得た。
着色組成物(A−1)を着色組成物(A−6)に代える以外は、上記実施例1と同様の操作を行い、感光性組成物(X−6)を調製した。
【0075】
こうして得られた実施例1〜5及び比較例1の各感光性組成物を用いて、その組成物の粘度を測定した。また、これらの各感光性組成物から得られたブラックマトリックスについて、絶縁性、誘電率及び光学濃度(Optical Density;OD)をそれぞれ測定した。それら測定結果を下表に示した。
【0076】
感光性組成物の粘度、ブラックマトリックスの調製方法、その体積抵抗率、誘電率及び光学濃度の測定方法は、以下の通りである。
【0077】
<感光性組成物の粘度>
EM型粘度計(TOKIMEC社製)を用い、25℃、100rpmにて粘度測定した。
【0078】
<ブラックマトリックスの作成方法>
10cm角のガラス基板(日本電気硝子製カラーフィルタ用ガラス板「OA−10」)を信越化学製シランカップリング剤「KBM−603」の1%希釈液に3分間浸漬し、10秒間水洗して、エアーガンで水切り後、110℃のオーブンで5分間乾燥した。このガラス基板上に、上記にて調製した各感光性樹脂組成物をスピンコーターを用いて塗布した。1分間真空乾燥後、ホットプレート上で90℃にて90秒間加熱乾燥し、乾燥膜厚約3.5μmの塗布膜を得た。その後、塗布膜側から、15μm幅の細線パターンマスクを介して画像露光を施すもの(パターン1)と、マスクを介さずに全面に露光を施すもの(パターン2)との2通りの露光を行った。露光条件は、それぞれ3kW高圧水銀灯を用い50mJ/cm(i線基準)とした。次いで、0.05%の水酸化カリウムと0.08%のノニオン性界面活性剤(花王製「A−60」)を含有する水溶液よりなる現像液を用い、23℃において水圧0.15MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにて洗浄した。シャワー現像時間は、10〜120秒間の間で調整し、未露光の塗布膜が溶解除去される時間の1.5倍とした。
【0079】
<体積抵抗率・誘電率>
150nm厚のITO膜をスパッタ法により成膜したガラス基板上に、上記(パターン2)の条件と同様にして全面に樹脂ブラックマトリックスが形成されたITO基板を作製した。このサンプルのITO基板を主電極として、樹脂ブラックマトリックス上に金の対向電極を蒸着法により形成した。体積抵抗率はKEITHLEY製237型SMUを用いて、印加電圧直流10V・充電時間30秒の電流値を測定して求めた。誘電率はHP(現Agilent)製4284A型LCRメーターを用いて、参照信号の周波数1KHz・振幅1Vの等価並列容量を測定して求めた。結果は表1に示した。
【0080】
<光学濃度>
上記ブラックマトリックスの作成方法で作成したブラックマトリックスを、透過濃度計(エックスライト製X-Rite 361T)を用いて下記式(1)より求めた。
OD値 = log10 (I/I) (1)
【0081】
【表1】

【0082】
比較例1の着色組成物に比べて実施例1の着色組成物は感光性組成物を調製した場合のブラックマトリックスの光学濃度が高く、また実施例1に比べて実施例2は着色組成物の粘度が低く、それを用いて得た感光性組成物の粘度も低くでき、インクジェット記録方式でのブラックマトリックスの形成により好適であることが明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の青色、黄色、赤色の各有機顔料を混合したブラックマトリックス用顔料組成物や、青色、黄色、赤色の各有機顔料と樹脂系分散剤と有機溶剤とを含有するブラックマトリックス用着色組成物において、各顔料の比表面積がいずれも80m/g以上であることを特徴とするブラックマトリックス用着色組成物によれば、高絶縁性、低誘電率でありかつ高光学濃度を満足できるブラックマトリックス用感光性組成物が簡便に得られ、前記ブラックマトリックス用着色組成物と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと光重合開始剤とを含有してなるブラックマトリックス用感光性組成物によれば、熱吸収がより少なく、液晶表示素子の安定駆動が可能なカラーフィルタが得られる簡便に得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
青色、黄色、赤色の各有機顔料を含有するブラックマトリックス用顔料組成物において、各顔料の比表面積がいずれも80m/g以上であることを特徴とするブラックマトリックス用顔料組成物。
【請求項2】
青色、黄色、赤色の各有機顔料と樹脂系分散剤と有機溶剤とを含有するブラックマトリックス用着色組成物において、各顔料の比表面積がいずれも80m/g以上であることを特徴とするブラックマトリックス用着色組成物。
【請求項3】
樹脂系分散剤が、ポリエステル樹脂及び/またはアクリル樹脂である請求項1記載のブラックマトリックス用着色組成物。
【請求項4】
有機溶剤が、2−ヘプタノンである請求項2または3のいずれか一項記載のブラックマトリックス用着色組成物。
【請求項5】
請求項2記載のブラックマトリックス用着色組成物と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと光重合開始剤とを含有してなるブラックマトリックス用感光性組成物。