説明

ブロック

【課題】美観を有するとともにやすらぎ感などの癒しの効果が期待できるディスプレイ用アイテムとしてのブロックを提供する。
【解決手段】底板を設けて有底とするとともに上部を開口した箱状の収容体と、この収容体の上部開口部分に装着される天板と、収容体内に収容される多数の自然石とからなるブロックであって、収容体及び天板は網目状に多数の貫通孔を有する平板体で構成し、収容体に自然石を収容した後に天板で収容体の上部開口を閉塞して、平板体の貫通孔越しに自然石を露出させる。平板体は自然石の色と同系統色とする。収容体には自然石とともに可撓性を有するシート体を収容する。収容体には自然石とともに所定形状の軽量材を収容して、自然石の収容量を削減する。または、底板には天板側に向けて膨出させた膨出部を設けて自然石の収容量を削減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックに関するものであり、特に、所定形状の箱状とした収容体に、所要の被収容体を収容して成るブロックであって、収容体をメッシュ板などの貫通孔を有する平板体で構成して、貫通孔越しに被収容体を表示可能としたブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建材の一つとして煉瓦やコンクリートブロックが用いられているが、このような煉瓦やコンクリートブロックなどのブロックは建材として用いられるだけでなく、庭や室内のディスプレイ用アイテムとしても用いられており、様々な色のブロックや、表面に自然石を貼着したブロック、あるいは、露出面に自然石状の模様を形成したブロックが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
これらのブロックは、煉瓦の場合には粘土を焼き固めたものであり、コンクリートブロックの場合にはモルタルを所定形状に固化させたものであり、工業的に製造されたものであった。
【特許文献1】特開2000−319908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従前のブロックは工業的に製造されたものであって、美観は有しているものの人工的な雰囲気が残っているためにやすらぎ感などの癒しの効果が期待できず、ディスプレイ用アイテムとしての用途が限られていた。
【0005】
本発明者らは、ディスプレイ用アイテムとしてのブロックを提供すべく研究開発を行って、美観が優れるだけでなく癒しの効果が期待できるブロックを発明するに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のブロックでは、底板を設けて有底とするとともに上部を開口した箱状の収容体と、この収容体の上部開口部分に装着される天板と、収容体内に収容される多数の自然石とからなるブロックであって、収容体及び天板は網目状に多数の貫通孔を有する平板体で構成し、収容体に自然石を収容した後に天板で収容体の上部開口を閉塞して、平板体の貫通孔越しに自然石を露出させた。
【0007】
また、以下の点にも特徴を有するものである。すなわち、
(1)平板体は自然石の色と同系統色としたこと。
(2)収容体には自然石とともに可撓性を有するシート体を収容したこと。
(3)収容体には自然石とともに所定形状の軽量材を収容して、自然石の収容量を削減したこと。
(4)底板には天板側に向けて膨出させた膨出部を設けたこと。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、底板を設けて有底とするとともに上部を開口した箱状の収容体と、この収容体の上部開口部分に装着される天板と、収容体内に収容される多数の自然石とからなるブロックであって、収容体及び天板は網目状に多数の貫通孔を有する平板体で構成し、収容体に自然石を収容した後に天板で収容体の上部開口を閉塞して、平板体の貫通孔越しに自然石を露出させたことによって、優れた美観を有するだけでなく落ち着いた雰囲気を醸し出すディスプレイ用アイテムあるいはオブジェとすることができ、このブロックを適宜配置することによって効果的な癒し空間を形成することができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のブロックにおいて、平板体を自然石の色と同系統色としたことによって、収容体が目立つことを抑止でき、自然石が持つ雰囲気を打ち消すことを抑止できる。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載のブロックにおいて、収容体には自然石とともに可撓性を有するシート体を収容したことによって、ブロックを持ち運ぶ際に自然石が揺動することを抑制でき、持ち運びやすさを向上させることができる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載のブロックにおいて、収容体には自然石とともに所定形状の軽量材を収容して、自然石の収容量を削減したことによって、ブロックを軽量化することができ、持ち運びやすさを向上させることができる。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載のブロックにおいて、底板には天板側に向けて膨出させた膨出部を設けたことによって、ブロックを軽量化することができ、持ち運びやすさを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本実施形態ブロックを、図面を用いながら詳説する。本実施形態のブロックAは、図1に示すように、箱状とした収容体10に多数の自然石20を収容しているものである。
【0014】
自然石20は、いわゆる玉砂利であって、30mm以上の粒度を有するものが望ましい。30mmより小さい粒度では、収容体10に収容した際に自然石20が有している凹凸形状が感じられにくくなり、全体的に平板状に見えてくることにより自然石20が持つ癒し効果が期待できなくなるおそれがある。
【0015】
収容体10は、図2に示すように底板11を設けた有底の箱状としており、上部は開口して自然石20を収容しやすくしている。
【0016】
特に、収容体10は、網目状に多数の貫通孔を有する平板体のメッシュ板で構成しており、図2に示すように、底板11にメッシュ板からなる前面壁板12と、後面壁板13と、左側面壁14と、右側面壁15とを立設して有底の箱状とし、前面壁板12と、後面壁板13と、左側面壁14と、右側面壁15の上端縁部分によって上部開口16を形成している。
【0017】
収容体10の上端にはメッシュ板からなる天板17を装着可能としている。すなわち、天板17は底板11と同形状とし、天板17の一側縁を後面壁板13の上端縁に連結金具18を介して回動自在に装着して、収容体10に収容された自然石20が上部開口16部分から零れ出さないように上部開口16を閉塞するようにしている。
【0018】
さらに、本実施形態では、底板11、前面壁板12、後面壁板13、左側面壁14、右側面壁15、天板17をとなっているメッシュ板は、直径2mmの金属線を格子状に配置してなるメッシュ板で構成しており、隣接した金属線の間隔は約20mmとしている。
【0019】
金属線を格子状に配置してなるメッシュ板としたことにより、このメッシュ板に形成された貫通孔の面積を大きくすることができ、金属線を目立たせることなく貫通孔越しに自然石20を露出させることができる。
【0020】
なお、このように金属線を格子状に配置してなるメッシュ板ではなく、いわゆるパンチングメタルと呼ばれる貫通孔を所定パターンに配置した金属板や、いわゆるエキスパンドメタルと呼ばれる菱形あるいは亀甲形の貫通孔を所定パターンに配置した金属板を用いてもよい。
【0021】
本実施形態では、メッシュ板の金属線はスチール製としており、このメッシュ板には亜鉛めっきを行って、表面に焼付塗装を行っている。特に、メッシュ板は、収容する自然石20の色と同系統色の着色を行っている。すなわち、自然石20が白色ならばメッシュ板も白色とし、自然石20が黒色ならばメッシュ板も黒色とし、あるいは、自然石20が茶色ならばメッシュ板も茶色としている。
【0022】
このように、収容する自然石20と同系色の着色をメッシュ板に施すことによって、収容体10が目立つことを抑止でき、自然石20が持つ雰囲気が収容体10の金属的な雰囲気によって打ち消されることを抑止できる。
【0023】
メッシュ板で構成した収容体10に自然石20を収容する場合には、図3における図1のX−X端面図に示すように、自然石20間に可撓性を有するシート体30を介設するように収容している。このシート体30は、金網であってもよいし、プラスチック製のネット体であってもよく、あるいは適宜の布体であってもよい。
【0024】
このように、自然石20とともに自然石20間に可撓性を有するシート体30を介設して収容することにより、シート体30が自然石20を拘束するように作用して、ブロックAを持ち運ぶ際に自然石20が揺動することを抑制でき、持ち運びやすさを向上させることができる。また、ブロックAを土留部材として用いた場合には、シート体30を濾材として機能させることもできる。
【0025】
図1及び図2中、19は前面壁板12の上端縁に回動自在に装着した係止フックであって、収容体10の上部開口16を閉塞した天板17を係止して、天板17による収容体10の閉塞を確実に行うことができるようにしている。係止フック19には、天板17を構成するメッシュ板の貫通孔部分に挿入される係合用突部19aを設けており、この係合用突部19aを天板17の貫通孔に挿入することにより天板17を構成するメッシュ板の金属線と係合するようにしている。
【0026】
前述したブロックAは、縦寸法を130mm、横寸法260mm、高さ寸法を130mmとした矩形体状としているが、矩形体状に限定するものではなく、図4に示すように立方体状とした立方体ブロックBとしてもよいし、図5に示すように平面視円弧形状とした立体の円弧状ブロックCとしてもよく、適宜の形状に形成してよい。
【0027】
また、ブロックAには、自然石20とともに、木炭や竹炭などの活性炭を収容するようにしてもよく、あるいは一種類、すなわち一色の自然石20ではなく、複数種類、すなわち複数色の自然石20を収容するようにしてもよい。
【0028】
特に、複数色の自然石20を収容する場合には、異なる種類の自然石20間にシート体30を介設することにより、異なる種類の自然石20が混ざり合うことを防止でき、あたかも地層のような視覚的効果を醸し出すことができる。
【0029】
また、自然石20として麦飯石などのような浄化機能などの特殊な効能を有する自然石20を用いた場合には、このようなブロックAを庭などに敷設することにより視覚的な美観が得られるだけでなく、水あるいは土壌の浄化作用を期待することができる。
【0030】
前述したように構成したブロックA、及び立方体ブロックB並びに円弧状ブロックCは、適宜に並べたり積み重ねたりして使用することにより、例えば図6に示すような花壇などにおける土留め用の間仕切り、図7に示すようなベンチ、図8に示すようなフラワースタンド、図9に示すようなパーゴラの基台、図10に示すようなサインなどとして使用することができ、美観的に優れるとともに、ブロックA、立方体ブロックB、円弧状ブロックCの貫通孔越しに自然石20が露出していることによりやすらぎ感を醸し出すことができ、ヒーリング空間の演出に効果的に用いることができる。
【0031】
前述したブロックA、立方体ブロックB、円弧状ブロックCの変容例として、自然石20を収容体10に収容する際には、自然石20のみを収容するのではなく、図11に示すように、収容体10には所定形状の中空体40からなる軽量材を自然石20とともに収容することにより、自然石20の収容量を削減させている。
【0032】
このように自然石20の収容量を削減することによりブロックAの視覚的効果を低減させることなく軽量化を図ることができ、持運び性を向上させることができる。
【0033】
ここでは、中空体40は、中空としたプラスチック製の矩形体で構成しているが、中空体40の代わりに発泡スチロールやウレタンシートなどを軽量材として用いることもでき、自然石20よりも比重の軽いものであれば何であってもよい。
【0034】
しかも、自然石20とともに収容される軽量材は、自然石20と同系色としていることが望ましい。例えば、発泡スチロールの外形形状を自然石20と同様の形状とすることにより模擬石として、自然石20とともに中空体40に収容することによりブロックAの軽量化を図ってもよい。
【0035】
さらに、他の変容例として、収容体10に中空体40を収容するのではなく、図12に示すように、収容体10の底板11には天板17側に向けて膨出させた膨出部11aを設けることにより、収容体10における自然石20の収容量を削減することもできる。
【0036】
膨出部11aは天板17の中央部分に設けることにより、外観的に違和感を生じさせることなく自然石20の収容量を削減することができ、持運び性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係るブロックの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るブロックに用いる収容体の斜視図である。
【図3】図1のX−X端面図である。
【図4】変容例のブロックの斜視図である。
【図5】変容例のブロックの斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るブロックの使用状態説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係るブロックの使用状態説明図である。
【図8】本発明の実施形態に係るブロックの使用状態説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係るブロックの使用状態説明図である。
【図10】本発明の実施形態に係るブロックの使用状態説明図である。
【図11】変容例のブロックの一部切欠斜視図である。
【図12】変容例のブロックの一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
A ブロック
10 収容体
20 自然石
11 底板
12 前面壁板
13 後面壁板
14 左側面壁
15 右側面壁
16 上部開口
17 天板
18 連結金具
19 係止フック
30 シート体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板を設けて有底とするとともに上部を開口した箱状の収容体と、
この収容体の上部開口部分に装着される天板と、
前記収容体内に収容される多数の自然石と
からなるブロックであって、
前記収容体及び前記天板は網目状に多数の貫通孔を有する平板体で構成し、前記収容体に前記自然石を収容した後に前記天板で前記収容体の上部開口を閉塞して、前記平板体の前記貫通孔越しに前記自然石を露出させたブロック。
【請求項2】
前記平板体は、前記自然石の色と同系統色としたことを特徴とする請求項1記載のブロック。
【請求項3】
前記収容体には、前記自然石とともに可撓性を有するシート体を収容したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブロック。
【請求項4】
前記収容体には、前記自然石とともに所定形状の軽量材を収容して、前記自然石の収容量を削減したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブロック。
【請求項5】
前記底板には、前記天板側に向けて膨出させた膨出部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−113353(P2007−113353A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308472(P2005−308472)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(505397003)マクロ通商株式会社 (1)
【Fターム(参考)】