ブロードキャストシステム上でのクレジットの配信および引き換えのためのシステムおよび方法
方法およびシステムにより、受信機デバイスがモバイルTVブロードキャストサービスプロバイダから電子クーポンを受信することが可能になる。クーポンテンプレートをモバイルデバイスにブロードキャストすることができる。デジタル署名付きクーポンを受信するために、クーポンテンプレートを使用してクーポンマネージャと通信することができる。クーポンマネージャは、受信データを使用して、ユニキャストネットワークを介して受信機デバイスに配信するためにデジタル署名付きクーポンを作成することができる。デジタル署名付きクーポンを受信機デバイスにブロードキャストすることもできる。受信機デバイスは、それらを対象とするクーポンを識別するために、デジタル署名を使用して、受信した電子クーポンを検証することができる。電子クーポンをポイントオブセールにおいて引き換えをすることができる。マーチャントは、それらのデジタル署名を使用してクーポンをローカルで検証することができる。受信者が、クーポンが信用できるエンティティから発生したことを確認することを可能にするために、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用してクーポンデジタル署名を生成することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、そのすべての内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2008年4月4日に出願された「Method and Apparatus for Enabling and Applying Coupon and Token Usage in Mobile Television」と題する米国仮出願第61/042,597号、2008年6月13日に出願された「Coupons for Broadcast Content Redemption」と題する米国仮出願第61/061,556号、および2008年12月5日に出願された「Enhanced Coupons for Broadcast Content Redemption」と題する米国仮出願第61/120,355号の優先権の利益を主張する、2009年4月2日に出願された「Systems And Methods For Distributing And Redeeming Credits On A Broadcast System」と題する米国特許出願第12/417,493号の一部継続出願(CIP)であり、その優先権の利益を主張する。
【0002】
本出願はまた、2008年12月5日に出願された「Enhanced Coupons for Broadcast Content Redemption」と題する米国特許出願第61/120,355号の優先権の利益を別個に主張する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信技術は、過去数年にわたって爆発的な成長を経験してきた。モバイル大衆(the mobile public)に移動の自由を与え、配線接続された通信システムへの束縛を断ち切るワイヤレスサービスによって、この成長は加速された。さらに、ワイヤレス媒体を介したボイスおよびデータ通信の品質および速度の向上がさらなるユーザを引きつけた。これらのサービス拡張の結果として、ワイヤレスサービスのポピュラリティー(popularity)は急速に成長し続けることが予想される。
【0004】
ワイヤレス通信技術への最近の追加は、モバイルユーザにテレビジョンをブロードキャストする能力である。モバイルブロードキャストユーザは、自分のセルフォンまたは他のワイヤレスデバイスを使用して、ニュース、エンターテインメント、スポーツ、ビジネス、および他の番組のモバイル版を視聴(view)することができる。これらのブロードキャストシステムは、世界中で使用量(usage)および可用性(availability)の著しい増加を経験している。現在、モバイルテレビジョンおよびブロードキャストシステムのユーザは、番組コンテンツを受信するために料金を支払う。これらの料金は、サービスプロバイダおよび選択されたサービスレベルによって異なる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書の様々な実施形態は、受信機デバイスユーザにデジタル署名付きクーポン(digitally signed coupons)を配信し、ブロードキャストコンテンツを視聴する権利を購入するか、または製品もしくはサービスを購入するために、それらのクーポンの引き換え(redeeming)を行うための方法およびシステムを提供する。一実施形態では、暗号化クーポンテンプレート(encrypted coupon templates)を、ブロードキャストネットワークを介して受信機デバイスユーザに配信することができる。受信機デバイスは、クーポンテンプレートを復号化(decrypt)し、クーポンテンプレートから得られたデータを使用して、クーポンマネージャにデジタル署名付きクーポンを要求することができる。クーポンマネージャは、デジタル署名付きクーポンの要求をデバイスデータとともに受信することができる。クーポンマネージャは、デバイスデータを使用してデジタル署名付きクーポンを作成し、ユニキャストネットワークまたはインターネットを介して要求元受信機デバイスに配信することができる。偽造クーポン、または正当なクーポン保有者(legitimate coupon holders)への他のなりすましを防ぐために、クーポン識別情報を含むクーポン記録全体にわたって、クーポンに対する署名を計算することができる。
【0006】
さらなる実施形態では、デジタル署名付きクーポンを、ブロードキャストネットワークを介して受信機デバイスに配信することができる。受信機デバイスは、受信したクーポン署名を復号化して、クーポンがその受信機デバイスを対象としているかどうかを判定することができる。デジタル署名において受信されたデータが、受信機デバイスが所有するデータに一致する場合、受信機デバイスはクーポンをメモリに記憶することができる。デジタル署名において受信されたデータが、受信機デバイスが所有するデータに一致しない場合、受信機デバイスはクーポンを無視することができる。
【0007】
さらなる実施形態では、デジタル署名付きクーポンは、ポイントオブセールにおいて引き換えられることができる。クーポンをポイントオブセールにおいて提示すると、ポイントオブセールシステムは、クーポンデータとデジタル署名とに基づいてクーポンを検証することができる。代替的に、マーチャントポイントオブセールシステムが、クーポンと受信機デバイスデータとをクーポンマネージャに送信することによってクーポンを検証するようにクーポンマネージャに要求すべきであることを、クーポン自体が示すことができる。クーポンマネージャは、クーポン署名を復号化し、クーポンおよび受信データが、クーポン署名から取り出されたデータに一致するかどうかを判定することができる。データが一致する場合、クーポンマネージャは、提示されたクーポンを使用する購買トランザクション(purchase transaction)を許可(authorize)または認証(authenticate)するために、検証メッセージをポイントオブセールに送信することができる。受信機デバイスから提示されたクーポンを削除(delete)またはキャンセル(cancel)するために、キャンセルメッセージを受信機デバイスに送信することもできる。データが一致しない場合、クーポンマネージャは、クーポンが真正でない(not authentic)かまたは購買トランザクションに対して認証されていないことをマーチャントに通知するために、拒否メッセージをポイントオブセールに送信することができる。
【0008】
さらなる実施形態では、デジタル署名付きクーポンは重み付けされた数を含むことができる。クーポンマネージャは、そのような重み数を使用して、2つ以上のクーポンを単一の購買トランザクションにおいて組み合わせることができるかどうかを判定することができる。クーポンマネージャは、ポイントオブセールからクーポンデータを受信し、重み数の合計を計算することができる。いくつかのクーポンの重み数の合計が所定の数よりも大きい場合、クーポンの組み合せを拒否することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を示し、上記の概略的な説明および下記の発明を実施するための形態とともに、本発明の特徴を説明するのに役立つ。
【図1】モバイルブロードキャストを受信するように受信機デバイスをセットアップ(provision)するために使用される従来の方法のプロセスフローチャート。
【図2】様々な実施形態による、クーポンを受信機デバイスに与えるための概要プロセスのプロセスフローチャート。
【図3】モバイルブロードキャストTVシステムの様々なコンポーネントを示すネットワークコンポーネントダイアグラム。
【図4】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図5】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための一実施方法のメッセージフローチャート。
【図6】サブスクリプション応答メッセージの一実施形態のメッセージ構造図。
【図7A】ボーナスクレジット要素の一実施形態のメッセージ構造図。
【図7B】クーポン要素の他の実施形態のメッセージ構造図。
【図7C】一実施形態による、クーポンドキュメントとサービスガイドフラグメントとの間のポインタ参照を示す図。
【図8】ボーナスクレジット要素の一実施形態のメッセージ構造図。
【図9】一実施形態において使用する起こり得るエラーコードのリスト。
【図10A】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図10B】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための他の実施方法のプロセスフローチャート。
【図11A】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための図10Aに示す実施方法のメッセージフローチャート。
【図11B】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための図10Bに示す実施方法のメッセージフローチャート。
【図12】トークン購買応答の一実施形態のメッセージ構造。
【図13】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための他の実施方法のプロセスフローチャート。
【図14】図13に示す実施形態のメッセージフローチャート。
【図15】クレジットまたはクーポンの引き換えを行うための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図16】図15に示す実施形態のメッセージフローチャート。
【図17】クレジットまたはクーポンの引き換えを行うための他の実施方法のプロセスフローチャート。
【図18】図17に示す実施形態のメッセージフローチャート。
【図19】クレジットまたはクーポンの引き換えを行うための他の実施方法のプロセスフローチャート。
【図20】図20に示す実施形態のメッセージフローチャート。
【図21】期限切れクレジットまたはクーポンを管理するための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図22】使用されるクレジットまたはクーポンを管理するための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図23】暗号化クーポンテンプレートをブロードキャストし、デジタル署名付きクーポンを取り出すための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図24】デジタル署名付きクーポンをブロードキャストするための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図25】デジタル署名付きクーポンの引き換えを行うための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図26】使用されるデジタル署名付きクーポンを管理するための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図27】1つの購買トランザクションに対して2つのクーポンの組み合せを許す(permitting)ための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図28】一実施形態での使用に好適な受信機デバイスのコンポーネントブロック図。
【図29】一実施形態での使用に好適なサーバデバイスのコンポーネントブロック図。
【詳細な説明】
【0010】
様々な実施形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。可能な場合はいつでも、同じまたは同様の部分を指すために図面全体にわたって同じ参照番号を使用する。特定の例および実装形態になされる言及は、説明のためであり、本発明の範囲または特許請求の範囲を限定するものではない。
【0011】
「例示的(exemplary)」という単語は、本明細書では「例(example)、事例(instance)、または例示(illustration)の働きをすること」を意味するために使用する。本明細書に「例示的」と記載されたいかなる実施形態も、必ずしも他の実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0012】
本明細書で使用する「受信機デバイス(receiver device)」および「モバイルデバイス(mobile device)」という用語は、本明細書では、セルラー電話と、個人情報端末(PDA)と、パームトップコンピュータと、ワイヤレス電子メール受信機(たとえば、BlackBerry(登録商標)およびTreo(登録商標)デバイス)と、マルチメディアインターネット対応セルラー電話(たとえば、BlackBerry Storm(登録商標))と、グローバルポジショニングシステム(Global Positioning System)(GPS)受信機と、ワイヤレスゲームコントローラと、モバイルブロードキャストテレビジョンサービスを受信して処理するためのプログラマブルプロセッサとメモリと受信機回路とを含む同様のパーソナル電子デバイスとのうちのいずれか1つまたはすべてを指すために互換的に使用する。本明細書で使用するモバイルデバイスは受信機デバイスであるが、いくつかの実施形態は、非モバイル受信機デバイスで実装できるので、すべての受信機デバイスが「モバイル」であるわけではない。
【0013】
「クレジット(credit)」、「インセンティブ(incentive)」、「プロモーション(promotion)」、「クーポン(coupon)」および「トークン(token)」という単語は、本明細書では、たとえば1つまたは複数のモバイルテレビジョンブロードキャストを受信するかまたは製品もしくはサービスを購入する能力のような、価値のある何かに交換され得るかまたはそれを受け取るために費やされ得る価値の単位を指すために互換的に使用する。様々な実施形態の文脈で、ベンダ、企業、またはコンテンツプロバイダは、様々な製品またはサービスを購入すること、またはあるコンテンツを視聴すること(viewing)に対して消費者に報いる(reward)ために、あるいは、特定の行動方針(course of action)をとるか、特定の番組を視聴するか、または特定の製品もしくはサービスを購入する動機を消費者に与えるために、そのようなクレジットまたはクーポンを番組の一部として発行または作成することができる。
【0014】
「ユニキャストネットワーク」という用語は、本明細書では、データを単一の宛先に送信する通信ネットワークを指すために使用する。ユニキャストネットワークの例には、WiFiおよびセルラーデータ通信ネットワークがある。ユニキャスト送信の例には、セルラー電話データ通信ネットワークを介して搬送されるシンプルメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージサービス(MMS)、および電子メールメッセージがある。
【0015】
「ブロードキャスト」という単語は、本明細書では、データが多数の受信デバイスによって受信され得るようなデータ(情報パケット)の送信を意味するために使用する。ブロードキャストメッセージの例はモバイルテレビジョンサービスブロードキャスト信号である。
【0016】
「コンテンツプロバイダ」という単語は、本明細書では、ビデオ、ウェブサイト、およびモバイルテレビジョンシステムを介してブロードキャストされる他のデータを提供する会社を指すために使用する。「ネットワークプロバイダ」という用語は、本明細書では、モバイルテレビジョン信号をブロードキャストするエンティティを指すために使用する。一般に、ネットワークプロバイダは、コンテンツプロバイダからブロードキャストコンテンツを受信する。「広告主(advertisers)」という用語は、本明細書では、マーチャント(merchants)、製造業者(manufacturers)、サービスプロバイダ、および、広告または有償の(paid for)ブロードキャストコンテンツ内でのプロダクト・プレイスメント(product placements)を購入し得る他のエンティティを概括的に指すために使用する。
【0017】
以下の参照表1は、本明細書で使用する略語のアルファベット順のリストを、それらの関連する意味とともに含む。
【表1】
【0018】
モバイルテレビジョン(TV)のポピュラリティーの拡大は、コンテンツプロバイダ、ネットワークプロバイダ、およびマーチャント、製造業者、サービスプロバイダ、および消費者に達するために新しい媒体を使用することができる他の広告主に、新しい収入源(sources of revenue)を与えた。新しい収入モデルは、モバイルテレビジョンアクセスのサブスクリプションベースの販売(subscription-based sales)と、PPVまたはPPTモバイルテレビジョンアクセスと、広告と、たとえばロイヤルティまたはインセンティブプログラムによるような消費者に対する商品およびサービスのクロス・マーケティング(cross marketing)とを含む。たとえば、モバイルTVネットワークプロバイダは、加入者(subscribers)に限定されたモバイルTVブロードキャストネットワークへのアクセスとともにユーザにサブスクリプションを販売することによって、それらのサービスから収入を発生させることができる。マーチャントまたは製造業者は、それらの製品およびサービスの販売から収入を発生させるために、モバイルTVブロードキャストシステム上で広告することができる。使用量が増加し続けるにつれて、モバイルブロードキャストサービスプロバイダは、たとえばモバイル受信機デバイスに配信され、モバイルTVコンテンツ(すなわち、視聴特権(viewing privileges))、サービスまたは製品を購入するために交換され得るクーポンおよびトークンのような、クレジットを使用することによって、消費者へのアクセスを簡略化及び促進することを望み得る。
【0019】
モバイルTVユーザは、モバイルTVブロードキャストサービスを受信し、ユニキャストメッセージによって通信することができる、ユーザが携帯する視聴デバイス(viewing devices)(すなわち受信機デバイス)を使用するという点で、家庭用テレビジョン視聴者とは異なる。さらに、多くの場合、ただ1人のみがモバイルデバイスを使用するので、モバイル受信機デバイスはユーザに合わせてパーソナライズされ得る。一般に、ユーザは、製品およびサービスのショッピングをするときを含めて、自分のモバイルデバイスをどこにでも携帯する。したがって、モバイルTVブロードキャストサービスに対する移動性(mobility)およびアクセスは、モバイル受信機デバイスが、特定の顧客に達するためのおよび顧客ロイヤルティを築くための非常に有益なマーケティングツールであり得ることを意味する。したがって、モバイル受信機デバイスは、高価値顧客(high-value customers)に報いるための独自の機会を与える。
【0020】
プロバイダは、それらの顧客の価値を測定するために様々な方法を採用することができる。たとえば、モバイルブロードキャストTVコンテンツを視聴するために自分の受信機デバイスをかなり使用しているユーザは、たとえばテレビジョン製作者、映画スタジオ、および音楽出版社のようなコンテンツプロバイダにとって特に有益であり得る。モバイルデバイス上で利用可能な技術を使用して、たとえば番組中の投票(voting)、投票(betting)、またはユーティリティの購入などによって明示的に、あるいはたとえば視聴者測定などによって黙示的に、ユーザが視聴する実際のコンテンツを測定することができる。さらに、測定ソフトウェアは、ブロードキャスト視聴者の正確な測定を行うために、チャネル変更を監視するためにモバイルデバイス上のチューナと連携して動作することができる。さらに、モバイルデバイスのユニキャスト通信機能を使用して、コンテンツ視聴の即時のフィードバックおよび直接測定値を受信することができる。コンテンツプロバイダのコンテンツを誰が視聴しているかを判定することが可能であることに加えて、モバイルデバイスはまた、コンテンツプロバイダに重要な視聴者層情報(demographic information)を与え、コンテンツプロバイダが、重要な視聴者層および関係する消費者情報に関してそれらの視聴者を特徴付けることを可能にすることができる。
【0021】
一般視聴者参加および視聴者層(demographics)を測定することが可能であることに加えて、ペイパービュー(pay-per-view)およびペイパータイム(pay-per-time)アクセスサービスにより、コンテンツプロバイダが実際の視聴者を識別し、追跡することを可能にすることができる。したがって、従来のブロードキャストテレビジョンでは不可能な方法で、モバイルデバイス上でターゲット消費者ロイヤルティプログラム(targeted consumer loyalty programs)を使用可能にすることができる。
【0022】
コンテンツプロバイダは、個々の視聴者を識別することができるので、それらの顧客を保持し、顧客満足を高め、類似するンテンツを促進することを目的とするターゲットマーケティングプログラムを実装することを希望し得る。顧客ロイヤルティを築き、視聴者を拡大するための一つの手段(vehicle)は、顧客にブロードキャストコンテンツへの無料アクセスを与えること(rewarding)に関係している。たとえば、コンテンツプロバイダは、封切り映画を見ることを可能にするか、あるいは無料音楽ダウンロードにアクセスすることを可能にするクレジットまたはクーポンをロイヤル視聴者に与える(grant)ことを望み得る。したがって、コンテンツプロバイダは、特定のモバイルTV番組の視聴者に、従来の映画館において同様の映画を見ることを奨励するクーポンを与えることを望み得る。同様に、コンテンツプロバイダは、それらの番組をモバイルTV上でより多く視聴することを可能にするクレジットまたはクーポンをロイヤル視聴者に与えることを望み得る。さらに、コンテンツプロバイダは、クロス・プロモーション(cross-promotion)を実行して、たとえばDirecTV(商標)またはDish(商標)Networkのような、家庭用の(場合によっては固定された)サブスクリプションベースのテレビジョンシステム上でコンテンツを見るように視聴者を誘うことを望み得る。
【0023】
コンテンツプロバイダだけが、モバイルデバイスに配信され得る顧客ロイヤルティクーポンから利益を得るわけではない。たとえば小売店および消費者サービスプロバイダのような、直接、消費者に販売する営利事業は、ポイントオブセール(POS)においてそれらの顧客を識別することができる。伝統的に、マーチャントは紙クーポンおよび同様の販売促進アイテム(promotional items)を顧客に与えてきた。モバイルデバイスの技術的機能は、顧客ロイヤルティに報いるための新しい媒介物(vehicles)をマーチャントに与える。たとえば、マーチャントは、モバイルTV番組を視聴するために使用できるクレジットまたはクーポンをロイヤル顧客に与えることを望み得る。クレジットまたはクーポンにより、顧客が、クレジットまたはクーポンを与えるマーチャントからの広告を含む番組を視聴することが可能になれば、そのようなマーチャントは二重の広告利益から利益を得ることができる。
【0024】
さらに、モバイルTVブロードキャストサービスプロバイダはまた、割引料金で追加のコンテンツを視聴するかあるいは製品またはサービスを購入することを可能にするクレジットまたはクーポンをそれらの顧客に与えることを望み得る。
【0025】
企業、コンテンツプロバイダおよびモバイルブロードキャストネットワークプロバイダが顧客にクレジットまたはクーポンを与える他の理由は、以前のサービスを認識するかまたは将来のインタラクションを引きつけることと、サービスインタラクションアクティビティによって発生されるユニキャストネットワークトラフィックに報いることと、広告を見ることを補償するかまたはそれに対する将来のインセンティブを与えることと、プレミアム顧客にボーナスを与えることとを含む。顧客ロイヤルティプログラム(たとえば、エアマイレージ、ホテルポイント、ダイニングダラーなど)の一部として、クレジットまたはクーポンを与えることもできる。さらに、消費者層(consumer demographics)を正確に判定することができると、そのような消費者が望む可能性がある製品またはサービスを正確にクロス販売(cross sell)するためにクレジットまたはクーポンを与えることができる。
【0026】
そのすべてが様々な実施形態を実装し、そこから利益を得ることができる、いくつかの異なるモバイルブロードキャストテレビジョンサービスおよびブロードキャスト規格が利用可能であるかまたは将来企図される。そのようなサービスおよび規格は、オープン・モバイル・アライアンス・モバイル・ブロードキャスト・サービス・イネーブラー・スイート(Open Mobile Alliance Mobile Broadcast Services Enabler Suite)(OMA BCAST)と、MediaFLOと、デジタル・ビデオ・ブロードキャストIPデータキャスティング(Digital Video Broadcast IP Datacasting)(DVB−IPDC)と、チャイナ・マルチメディア・モバイル・ブロードキャスティング(China Multimedia Mobile Broadcasting)(CMMB)とを含む。一般に、モバイルブロードキャスト送信は、サブスクリプションまたはペイパービューベースで番組へのアクセスを販売することができるように暗号化される。様々なメカニズムを使用して、復号鍵をサブスクリプション購買にリンクすることができる。一般に、モバイルブロードキャストサービスは、特定の顧客モバイルデバイスとの間でサブスクリプションメッセージを通信するための、たとえば顧客のセルラー電話データサービスのようなユニキャスト通信ネットワークと、すべてのモバイルデバイスにモバイルテレビジョン番組をブロードキャストするための独立したブロードキャストネットワークとを利用する。概して、モバイルブロードキャストサービスプロバイダは、モバイルデバイスが特定のブロードキャストを受信するために必要な復号鍵を生成することを可能にする情報を含むメッセージを送信することができる。ペイパービュータイプのサービスを可能にするためにも、復号鍵が誰でも自由に使えるようになることの経済上の影響を限定するためにも、復号鍵を所定の時間の後に満了(expire)するように構成することができる。さらに、復号鍵を与えるメッセージは、受信されるブロードキャストサービスを特定の番組、チャネル、または他のマーケットセグメンテーションに限定するために使用され得るサービス限定パラメータを含むことができる。
【0027】
例として、OMA BCAST規格は、ユニキャストネットワークを介してモバイルデバイスに送信される長期鍵メッセージ(LTKM)を使用して、限定アクセス鍵を与える。モバイルデバイスは、その限定アクセス鍵を使用して、ブロードキャストネットワークを介して定期的にブロードキャストされる短期鍵メッセージ(STKM)内に暗号化された形で含まれているトラフィック暗号化鍵(TEK)を復号化する。復号化されると、TEKは、モバイルデバイスが短い期間(たとえば、2分)の間、暗号化ブロードキャストコンテンツストリームを復号化することを可能にする。TEKが満了すると、新しいTEKが得られなければ、暗号化ブロードキャストコンテンツへのアクセスは終了することになる。顧客が番組全体を視聴することを可能にするために、STKMメッセージは、LTKMから得られた長期鍵を使用して、それらのSTKMから新しいTEKを得ることができるように、連続的にブロードキャストされる。
【0028】
例示的な例としてOMA BCAST規格用語およびメッセージ名を使用して、様々な実施形態について以下で説明する。他のモバイルブロードキャスト規格は、様々な実施形態にとって重要でないメッセージ名および詳細が異なる、同様のメッセージング構造を使用する。たとえば、DVB−IPDCは、OMA BCAST規格のLTKMと同様の方法で鍵管理メッセージ(KMM)を使用し、OMA BCAST規格のSTKMと同様の方法で鍵ストリームメッセージ(KSM)を使用し、OMA BCAST規格のTEKと同様の方法でTEKを使用する。同様に、MediaFLOおよびCMMBは、OMA BCAST規格のLTKMと同様の方法で暗号化管理メッセージ(EMM)を使用し、OMA BCAST規格のSTKMと同様の方法で暗号化コードワードメッセージ(ECM)を使用し、OMA BCAST規格のTEKと同様の方法でコードワード(CW)を使用する。したがって、以下の説明は、例示的な例として与えるものであり、実施形態またはクレームの範囲をOMA BCAST規格に限定するものではない。参照しやすいように、より長期の権利管理メッセージを、本明細書では長期復号鍵メッセージまたはLTKMと呼び、より短期の復号鍵配信メッセージを、本明細書では短期復号鍵メッセージまたはSTKMと呼び、暗号化ブロードキャストコンテンツを復号化するために使用される復号鍵を、本明細書ではコンテンツ復号鍵またはTEKと呼ぶことにする。
【0029】
現在、モバイルブロードキャストTVシステムでは、サブスクリプショントークンまたはクレジットの購買によってサービスまたはコンテンツの消費が可能になる。言い換えれば、ユーザは、最初に、加入者になるために代金を支払うか、または後で番組コンテンツのために引き換えられ(redeemed)得るトークンのために代金を前払いしなければならない。たとえば、典型的なモバイルブロードキャストTVシステムでは、顧客は、彼らが1ドル支払うごとに1つのトークンを購入することができる。次いで、モバイルデバイス内で電子ウォレットをアクティブにして、ユーザがモバイルTV番組を見るとき、トークンを差し引く。ユーザは、自分のトークンのすべてを消費すると、新しいトークンを購入してからでなければ、さらなるモバイルTV番組を視聴することができない。
【0030】
図1は、モバイルデバイスユーザがモバイルTVブロードキャストサービスに加入するかまたはそれを購入することができる現在のレジームを示すプロセスフローチャートである。ブロードキャストサービスまたはコンテンツを作成する際に、モバイルTVサービスプロバイダは、使用課金ルール(usage charging rules)のセットを作成し、それに関して同意している(ステップ100)。これらの課金ルールに基づいて、サービスプロバイダは、加入者管理鍵(SMK)を作成し、サービス登録を確立する(ステップ102)。サービスプロバイダは、ユーザからサービスサブスクリプションの要求を受信する(ステップ104)か、またはユーザからプリペイパービューまたはペイパータイムトークンを購入したいという要求を受信する(ステップ108)。モバイルブロードキャストサービスプロバイダは、要求されたサブスクリプションまたはトークンを要求元ユーザに販売し(ステップ106,110)、その後、モバイルブロードキャストサービスプロバイダは、ユニキャストネットワークを介してLTKMメッセージをユーザのモバイルデバイスに送信する(ステップ112)。LTKMは、ブロードキャストネットワークを介して送信されるメッセージを復号化するための長期鍵を含む。長期鍵は、一般にサブスクリプションまたはサービスに依存する。たとえば、ユーザは、たとえば、ユーザのモバイルデバイス上で基本ケーブルブロードキャストチャネル(basic cable broadcast channels)のみを受信することを可能にするであろう基本レベルのメンバーシップに加入することができる。このレベルのメンバーシップにおいて、ユーザは、たとえばHBO(登録商標)またはShowTime(登録商標)のようなプレミアムチャネルを視聴することができないことがある。一般に、基本チャネルとプレミアムチャネルとの間の異なる長期鍵の使用によってチャネルアクセス制御が可能になる。
【0031】
LTKMはまた、上述の長期鍵の使用を制御するサービスルールを含むことができる。そのようなルールは使用基準(usage criteria)および制約(constraints)を定義し、それらのインスタンス化(instantiation)は、一般にユーザとサービスプロバイダとの間の契約条件(the terms and conditions of the contract)に依存する。たとえば、サービスルールは、許されたコンテンツ消費のモード、すなわち、ライブサービスに対する既存のサブスクリプション、ライブイベントへのPPVアクセス、ライブイベントもしくは録画された(recorded)コンテンツのいずれかへのPPVアクセス、または録画されたコンテンツの無制限再生のうちの一つをデバイスに通知することができる。LTKMは、ユニキャストネットワークを介して特定のユーザのモバイルデバイスを対象とするメッセージ中で送信され、長期鍵は、セキュアな機能、たとえば、端末のセキュアなメモリか、またはスマートカードに記憶される。サービスプロバイダは、次いで、STKMをブロードキャストする(ステップ114)。サービスプロバイダはまた、時間の上で連続的に、暗号化番組コンテンツストリームを送信する(ステップ115)。STKMにより、暗号化番組コンテンツをモバイルデバイスによって視聴することが可能になる。サービスプロバイダネットワーク中のあらゆるモバイルデバイスは、STKMストリームと関連する暗号化コンテンツストリームとのブロードキャストを受信する。ただし、あらゆるユーザが、コンテンツを復号化するのに必要なあらゆるSTKMを復号化することができるわけではない。あるユーザの視聴特権は、モバイルデバイスごとにLTKM中で規定されたサービスルールに基づく。したがって、LTKM中で与えられたサービスルールが番組コンテンツの視聴を可能にする場合、モバイルデバイスは、1つまたは複数のTEKを復号化して、コンテンツを復号化し、それをモバイルデバイスディスプレイ上で表示する(ステップ116)。トークンが購入された場合、LTKMルールが番組コンテンツの視聴を可能にするならば、最初にモバイルデバイス電子ウォレット(たとえばスマートカード)からトークンを減じてからTEKを復号化し、次いでTEKを使用してコンテンツを復号
化する。しかしながら、LTKM中で与えられるサービスルールが番組コンテンツへのアクセスを許可しない場合、端末は、STKMストリームに関連する番組の視聴を可能にするためにSTKMストリーム中の暗号化TEKを復号化することができないであろう。
【0032】
しかしながら、現在のシステムは、プロモーションのためにユーザにクレジットを発行するか、あるいはクーポンまたは無料トークンの形の購買インセンティブを作り出すための機能が制限されている。現在、モバイルブロードキャストTVシステムがユーザにクレジットを与える唯一の方法は、サービスが購入されたときにモバイルブロードキャストTVユーザにクーポンを配信することである。これらのクーポンは、コンテンツとともにユーザのモバイルデバイスに送信される購買データの一部としてユーザに送信される。これらのクーポンは、ユーザがサービスを購入したときに配信されるので、特定のユーザまたはユーザグループをターゲットにしていない。トークンはまた、サービスプロバイダによってユーザに販売される。しかしながら、これらのトークンは購買要求時にのみ与えられ、現在のモバイルブロードキャストTVシステムには、意図された購買からトークン供与(token granting)を切り離す手段がない。言い換えれば、現在のモバイルブロードキャストTVシステムには無料または割引トークンを発行する機能がないので、トークンを要求しなければならない。さらに、モバイルブロードキャストTVネットワークは、要求された量とは異なる量のトークンを配信するようには構成されていない。したがって、コンテンツプロバイダまたはネットワークサービスプロバイダが、購入されたトークンよりも多くのトークンをロイヤル顧客に与えることを希望する場合でも、システムは、これが行われることを許さないであろう。これらの現在の制限は、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ、ネットワークプロバイダなどが、それらの顧客が、たとえば、それらのサービスを使用するか、それらのユニキャストネットワークをポピュレート(populate)するか、それらの広告を視聴するか、または、それらのストアでショッピングをするためのインセンティブを作り出すのを妨げる。
【0033】
これらの制限を克服し、モバイルTVブロードキャストサービスの新しいマーケティング使用を可能にするために、様々な実施方法およびシステムは、それらの顧客に対して無料または割引商品またはサービスを利用可能にすることによって、新しい収入モデル(revenue models)および顧客認識報酬プログラム(customer recognition reward programs)において使用できるクレジットをモバイルデバイスに配信することを可能にする。コンテンツプロバイダ、モバイルブロードキャストサービスプロバイダおよび広告主は、モバイルデバイスユーザにターゲットクレジット(targeted credits)(たとえば、クーポンおよびトークン)を発行することができる。そして、これらのクレジットは、追加のモバイルTVコンテンツの無料または割引の視聴あるいは製品またはサービスの購買のために使用され、したがって、ユーザがモバイルブロードキャストTVシステムの使用を続けるかまたは増やすためのインセンティブを作り出すことができる。
【0034】
様々な実施形態の中で、様々な理由でユーザにクレジットを与えることができる。たとえば、無料サービストライアル(free service trials)、コンテンツサンプリング(content sampling)、ロイヤルティ賞(loyalty awards)、先着賞(early bird award)、新規加入者サービス割引(new subscriber service discounts)、およびロイヤル加入者コンテンツ割引(loyal subscriber content discounts)のために、ユーザにクレジットを与えることができる。クレジットは、クレジットの発信者(originator)が指定することができる様々なタイプの制限とともに発行できる。あらゆる種類のサービスおよび製品をどこからでも購入するためのユニバーサルクレジットを使用することができる。たとえば、ユニバーサルクレジットは、POSにおいて購買を行うために、オンラインショッピングのために、またはモバイルブロードキャストTVサービスを購入するために、使用できる。クレジットは、モバイルブロードキャストTVシステムから番組を購入するためにのみ使用できる番組クレジットに限定することもできる。クレジットは、さらに、たとえばクレジットを発した(originated)マーチャントまたは製造業者からの製品など、特定のサービスまたは製品を購入することにのみ使用できる特定のクレジットとすることができる。
【0035】
様々な実施形態では、通貨の一種のように、無料または割引サービス、番組または製品を購入するために使用できるトークンまたはクーポンの形でクレジットを与えることができる。たとえば、ユーザは、トークンを使用して、ユーザのモバイルデバイス上でペイパービュー(PPV)モバイルTV番組を購入することができる。ユーザが製品およびサービスを購入するためのインセンティブを作り出すために、クレジットまたはプロモーションとしてトークンを無料または割引でユーザに与えることができる。OMA BCAST1.0において定義されているように、ブロードキャストサービスの従量制の消費(metered consumption)のための2つのタイプのトークンがある。「ユーザ」トークンは、サービスガイドルールにおいて定義されているユーザのメンバーシップまたはサブスクリプションレベルの下で任意のコンテンツアイテムを消費するために使用できる。「サービス」トークンは、ユーザのメンバーシップまたはサブスクリプションにおける固有のサービスの下で利用可能な番組に限定される。たとえばBCASTのような、いくつかのモバイルブロードキャストTVシステムでは、サービスガイドおよび番組視聴の観点からメンバーシップとサブスクリプションとの間には区別がない場合があることに注目すべきである。しかしながら、個人の特権に関係し得るメンバーシップに関して、商品、サービス、および/または番組を取得するためのトークンまたはクーポンのフレキシブルな交換に、より正確に対処することができる。
【0036】
様々な実施形態では、モバイルデバイスに配信されるクーポンは、製品およびサービスを購入するときに金融上の割引または払い戻し(financial discount or rebate)に交換できる通貨の一種として機能することが可能である。メール、雑誌、新聞などによってしばしば広く配信される紙クーポンとは異なり、様々な実施形態において使用可能にされるクーポンは、モバイルTVブロードキャストサービスを介してモバイルデバイスに配信できる。モバイルデバイスに配信されると、ユーザは、そのようなクーポンを使用して、紙クーポンの引き換えを行うのと同様にして割引および販売促進アイテムを得ることができる。
【0037】
様々な実施方法およびシステムは、様々な広告主が様々な目的でクレジットを構成することを可能にすることができる。クレジットは、それらの使用に関して制限があり得る。たとえば、クレジットは、特定のタイムウィンドウの間、有効であり、任意の購買アイテム量に適用され、アイテムの実際の価格とは無関係であるように構成できる。クレジットは、排他的(たとえば、組み合わせることができないクーポン)か、または非排他的(たとえば、クーポンプロバイダが異なる場合、組み合わせることができるクーポン)とすることができる。クレジットはまた、多くの異なる購買アイテム(すなわち個々の製品またはサービス)に適用できる。クレジットは、購買データの単一のセット(たとえば、1回限りの番組視聴、製品、または単一のサービス)によって特徴付けられる製品およびサービスにも、たとえばサブスクリプションまたは継続サービス購買に当てはまるような購買データの複数のセットによって特徴付けられる購買にも、適用できる。サブスクリプションのような複数データパッケージの購買をサポートするために、クレジットは、購買データのサブセットに適用するように構成できる。クレジットは、転送する権利をもたない、たとえばロイヤルまたは新規ユーザのような、ただ1人のユーザまたはユーザのグループのために構成でき、あるいは所有者から他の受益者(recipient)に転送可能であるように構成できる。
【0038】
図2は、クレジットの作成、ユーザへのクレジットの配信、モバイルデバイス上でのクレジットの消費のための全体的なプロセスのプロセスフローチャートである。ユーザがモバイルブロードキャストTVコンテンツを視聴するためにユーザのモバイルデバイスを使用するとき(ステップ200)、モバイルTVサービスプロバイダはユーザの使用状況(usage)(たとえば使用レベルおよびタイプ)を測定することができる。ユーザのモバイルデバイス上で視聴されるブロードキャストコンテンツの量と選択性の両方の測定に基づく、そのような追跡は、コンテンツプロバイダだけでなくサービスプロバイダにとっても有益であり得る。モバイルTVサービスプロバイダは、サブスクリプション料金または1回限りのトークン購買によって支払われる頻繁な使用/消費から利益を得、それによりモバイルブロードキャストサービスプロバイダの収入が直接発生する。同様に、コンテンツプロバイダは、それらのコンテンツの需要の増加から利益を得、これは、モバイルブロードキャストネットワークプロバイダによって支払われる広告収入および料金の増加につながる。また、より多くのユーザが、たとえばTV歌手コンテスト番組においてユーザの好きな歌手に投票するというような、番組への参加のために、ユーザのモバイルデバイスのユニキャスト機能を使用するほど、ユニキャストサービスを与えるセルラーネットワークプロバイダは、より多くの収入を受け取る。そして、サービスプロバイダ、コンテンツプロバイダおよび広告主は、高価値ユーザ(highly-valuable users)をターゲットにするために各ユーザの視聴習慣(viewing habits)を分析して、ユーザに販売促進およびインセンティブクレジットまたはクーポンを送信する。したがって、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ、ユニキャストネットワークプロバイダ、コンテンツプロバイダおよび広告主企業のうちのいずれか1つまたは複数は、特定のユーザまたはユーザのグループへの配信のためのターゲットクレジットまたはクーポンを作成する(ステップ202)。そのようなクレジットは、サービスまたは製品を購入する際に使用すべきクーポンまたは無料トークンを含むことができる。有益な(valuable)ユーザまたはユーザグループが識別され、適切なクレジットタイプと照合されると、識別されたユーザのモバイルデバイスにクレジットを送信する(ステップ204)。以下でより詳細に説明するように、そのようなクレジットはユニキャストまたはブロードキャスト送信方法によって配信できる。そのようなクレジットを受信すると、モバイルデバイスは、それらを、モバイルブロードキャストTVシステムにおいて使用されるように、端末上のセキュアなメモリであるかまたはリムーバブルスマートカードに対応し得るセキュアなハードウェアに記憶する。ユーザは、次いで、ユーザのモバイルデバイスを使用して製品またはサービスを購入することによってクレジットの引き換えを行う(ステップ206)。たとえば、ロイヤルユーザは、自分のモバイルデバイス上で連続ドラマ番組を見ている間、製品の広告を視聴しながら、マーチャントまたは製造業者からの無料洗浄製品を購入するために使用すべきクレジットをモバイルブロードキャストサービスプロバイダから受信することができる。クレジットを受信すると、ユーザは、たとえばクレジットとともに与えられる、マーチャントまたは製造業者のウェブストアにアクセスするためのハイパーリンクURLをクリックすることなどによって、製品をオンラインで購入することができる。代替的に、ユーザは、店舗を訪問するときに、ポイントオブセールにおいてモバイルデバイスを提示し、クレジットを転送するかまたはクレジットの使用を電子的に記録することによって、他のダウンロード可能なeクーポンのようにクーポンを使用することができる。
【0039】
図3は、モバイルデバイスにクレジットを配信することに関係する関係者(participants)を示すモバイルブロードキャストTVシステムのネットワークコンポーネントダイアグラムである。モバイルブロードキャストTVシステムにおいて、クレジットは、ブロードキャストサービスプロバイダ30と、サードパーティ企業50と、コンテンツプロバイダ60とを含む、様々な企業によって作成され得る。ブロードキャストサービスプロバイダ30は、一般にサブスクリプションベースの、エンドユーザとの取引関係を与える会社である。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30であり得るブロードキャストネットワーク事業者は、モバイルブロードキャストTVコンテンツをモバイルデバイス40に送信するブロードキャストネットワーク80を運用(operates)する。ブロードキャストネットワーク80は、たとえばFLO(登録商標)のような専用のダウンリンク−オンリー・ブロードキャスト送信システムであるか、あるいはたとえば3GPP MBMSまたは3GPP2 BCMCSによって定義されたシステムのようなセルラーベースのブロードキャスト/マルチキャストシステムであり得る。例示的なサービスプロバイダ30の会社には、Verizon(登録商標)、AT&T(登録商標)およびT−Mobile(登録商標)がある。これらの会社は、コンテンツプロバイダ60からオーディオ、ビデオおよびウェブサイトコンテンツを受信する。これらのコンテンツは、次いで、ブロードキャストネットワーク事業者に送信され、ブロードキャストネットワーク事業者は、それらのモバイルブロードキャストTVネットワーク80、またはユニキャストネットワーク70を介して、コンテンツをブロードキャストする。場合によっては、ブロードキャストサービスプロバイダ30はセルラーサービスプロバイダでもあり得、その場合、セルラーサービスプロバイダ30はまた、ボイスおよびデータサービスをモバイルデバイス40に提供するユニキャストネットワーク70を与え、運用する。ただし、ブロードキャストサービスプロバイダ30は、ユニキャスト(たとえば、セルラー)ネットワーク70のプロバイダである必要はない。ユニキャストネットワーク70とブロードキャストネットワーク80が異なるエンティティによって運用される場合でも、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、依然として、他の会社によって運用されるユニキャストネットワークを介してモバイルデバイス40との間でメッセージを送信および受信することができる。
【0040】
サードパーティ50は、モバイルデバイスユーザをプロモーションのターゲットにすることを望み得る、たとえばHomeDepot(登録商標)、Starbucks(登録商標)およびNetflix(登録商標)のようなマーチャントおよび製造業者を含むことができる。サードパーティ50は、たとえばユーザがそれらの店舗を訪問するときなどに、ユーザと直接対話することができ、あるいは、たとえばモバイルブロードキャストTV番組において広告を見せることなどによって、ブロードキャストサービスプロバイダ30を介してユーザと対話することができる。
【0041】
コンテンツプロバイダ60は、モバイルブロードキャストTVネットワーク80を介したブロードキャストのためのコンテンツおよび番組を提供する会社を含むことができる。コンテンツプロバイダは、広告代理店(advertising agencies)、政府機関(government agencies)、およびブロードキャストのためのオーディオ、ビデオおよび画像コンテンツを作成する私人(private individuals)をも含むことができる。たとえば、コンテンツプロバイダは、モバイルブロードキャストTVネットワーク80を介したブロードキャストのためのニュースおよびエンターテインメントコンテンツを提供するナショナル・ブロードキャスティング社(National Broadcasting Corporation)(NBC)であり得る。広告代理店コンテンツプロバイダ60は、サードパーティ50と契約を結んで、それらの製品およびサービスのための広告コンテンツを作成することがある。たとえば、Netflix(登録商標)は、Netflix(登録商標)のサービスの広告を製作するために広告会社と契約を結ぶことがある。
【0042】
ユニキャストネットワーク70およびモバイルTVブロードキャストネットワーク80に加えて、ユーザは、たとえば電話(図示せず)およびインターネット90のような他の通信リンクを介してブロードキャストサービスプロバイダ30およびコンテンツプロバイダ60と通信することができる。たとえば、ユーザは、ユーザのモバイルデバイス40を介して(たとえば、独立して図示されていないセルラーデータネットワークを介して)またはインターネットに結合されたコンピュータを介して、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30およびコンテンツプロバイダ60によって維持されるウェブサイトにアクセスすることができる。同様に、ユーザは、インターネットを介してサードパーティ50のウェブサイトに接続することによって、またはサードパーティ50の店舗に歩いて入ることによって、サードパーティ50と直接通信することができる。
【0043】
様々な実施方法およびシステムは、たとえばブロードキャストネットワーク80、インターネット90、ユニキャストネットワーク70を介したSMSメッセージのような、多くのトランスポートネットワークを介して、および購買トランザクションのポイントオブセールにおいて直接的に、クレジットの配信および引き換え(redemption)を可能にする。モバイルブロードキャストTVシステムについてのユーザのモバイルデバイス40の使用に基づいて、ユーザのモバイルデバイス40をクレジットの配信のターゲットにすることができる。クレジットは、直接または間接的にユーザのモバイルデバイス40に配信できる。たとえば、ユーザが、ユーザのモバイルデバイス40を使用して、インターネット90を介して企業のウェブサイトにおいて購買を行うとき、クレジットをモバイルデバイス40に直接配信することができる。そのようなクレジットはまた、そのようなオンライン購買において確立されるインターネットセッションの一部として、あるいは、たとえばユニキャストネットワーク70を介して配信されるSMS、MMSまたは電子メールメッセージなどによる帯域外手段(out-of-band means)を通して、モバイルデバイス40に配信できる。たとえば、ユーザのモバイルデバイス40は、Starbucks(登録商標)から、たとえばSMS、MMSまたは電子メールなどによる帯域外方法を介して送信され得る無料の1杯のコーヒーのクレジットを受信することができる。クレジットの配信の方法にかかわらず、ユーザのモバイルデバイス40は、たとえば無料または割引モバイルTV番組を受信するなどのために、ブロードキャストサービスプロバイダ30を介してクレジットの引き換えを行うことが可能であり得る。
【0044】
たとえばサードパーティ50が、ユーザのモバイルデバイス40への配信のために、仲介者(intermediary)(たとえば、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30)にクレジットをサブミットするときなどに、クレジットをターゲットユーザに間接的に配信することもできる。ブロードキャストサービスプロバイダ30によるモバイルデバイス40へのクレジットの配信は、様々な方法を使用して達成できる。1つの方法は、ユーザが視聴トークンを購入するかまたはブロードキャストサービスに加入するためにサービスプロバイダ30と通信するとき、ユーザのモバイルデバイス40にクレジットを与える。そのようなクレジットの配信は、モバイルデバイス40のサブスクリプション要求メッセージに応答してブロードキャストサービスプロバイダ30が送信するサービスサブスクリプション応答メッセージによって達成できる。たとえば、モバイルデバイス40が、たとえばサービスサブスクリプションの延長(extension)または(たとえば、基本からプレミアムへの)アップグレードを要求するなどのために、サブスクリプション要求メッセージをサービスプロバイダ30に送信すると、サービスプロバイダ30は、サブスクリプション応答メッセージの一部としてユーザのモバイルデバイス40にサードパーティ50のクーポンを配信することができる。そのようなクレジットの配信は、ユニキャストネットワーク70を介することができ、クレジット発行者(credit issuer)にとってのユーザの認知された価値、またはユーザの習慣(user habits)に基づくことができる。第2の方法は、ユーザのモバイルデバイス40によって通信が開始されていないとき、ユーザのモバイルデバイス40にそのようなクレジットを配信することを含むことができる。この方法では、サービスプロバイダ30は、専用サービスプロビジョニングメッセージ(dedicated service provisioning message)によってクレジットをユーザのモバイルデバイス40に送信(すなわち、プッシュ)することができる。
【0045】
モバイルTVシステムクレジットおよびクーポンの配信、処理および引き換えをサポートするために、様々な契約上の態様および技術上の態様を一致させ、その後、ユーザへのクレジットのターゲット配信を実行することができる。契約上の態様は、サードパーティ50とモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30との間のメッセージインターフェース仕様を定義すること、ならびにクレジットおよびクーポンについての消費および課金セマンティクス(semantics)に関係するビジネスルールを確立することを含むことができる。たとえば、クーポンタイプAは、ある購入されたモバイルTV番組の視聴についてX分間、引き換えできるものであり、そのクーポンAは日付Yに有効期限が切れる(expires)と定義できる。他の例は、トランザクションの一部としてサードパーティの50の銀行からサービスプロバイダの30の銀行に転送される名目上定義された番組視聴価格$Zについてユーザが引き換えできる無料トークンを含むことができる。
【0046】
モバイルTVシステムクレジットおよびクーポンをサポートするために必要とされる技術的態様は、クレジットの供与(granting)および引き換えを可能にするためにサービスプロビジョニングメッセージを使用することを含むことができる。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30とモバイルデバイス40との間で情報を通信することに加えて、サービスプロビジョニングメッセージは、受信モバイルデバイス40に、クレジットを受け付けるように準備させることができる。したがって、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、クレジット配信のために特定のターゲットサービスプロビジョニングメッセージを作成し、たとえば、ロイヤルユーザのモバイルデバイスをそのようなメッセージのターゲットにすることができる。モバイルデバイスがクレジットを受信するように準備されると、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、たとえばユニキャストネットワーク70を介するなどして、その関連するルールをもつクレジット(すなわちLTKM)をターゲットモバイルデバイス40に送信することができる。
【0047】
図4に、サブスクリプション応答メッセージを使用してモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からモバイルデバイス40にクレジットを配信するための実施方法を示す。図5は、図4に示す実施方法における、クレジットを配信するために種々のモバイルブロードキャストTVシステムコンポーネント間で起こり得るメッセージの交換を示すメッセージフローチャートである。本実施方法について、図4と図5の両方を参照しながら以下で説明する。
【0048】
図示の実施形態では、モバイルブロードキャストTVサービスプロバイダ30は、番組コンテンツがまもなくブロードキャストされることを述べるレポートをサードパーティ50に送信する(図5中のメッセージ500に対応する図4中のステップ302)。ブロードキャストされる番組のこの事前通知により、サードパーティ50は、広告の配置のために番組を評価すること、ならびに、たとえばターゲット消費者にクレジットまたはクーポンを与えるような販売促進キャンペーンを行うことが可能になる。サードパーティ50は、ブロードキャスト番組レポートを受信すると(ステップ502)、ユーザのモバイルデバイス40に対してたとえばクーポンまたはトークンの形などでクレジットを与えることを望むかどうかを判定することができる。消費者にクレジットを与えるために、サードパーティ50はクレジット要求メッセージをサービスプロバイダ30に送信する(図5中のメッセージ502に対応する図4中のステップ504)。このクレジット要求メッセージは、たとえば配信すべきクレジットの価値、それらの適用範囲(applicability)(たとえば、引き換えできる番組、製品またはサービス)、それらの有効期日、およびそれらの引き換えルール(redemption rules)のような、配信すべきクレジットの詳細を、識別することができる。そのようなクレジット要求メッセージを受信すると(ステップ304)、サービスプロバイダ30はクレジット応答をサードパーティ50に送信する(図5中のメッセージ504に対応する図4中のステップ306)。サードパーティ50は、サービスプロバイダ30がサードパーティ50の要求を受信および処理したことを検証しならびに消費および支払いに関して前もって同意された契約条件に関係するデータを伝えることができる、クレジット応答を受信する(ステップ506)。モバイルデバイス40にサードパーティ50のクレジットを配信するための準備として、サービスプロバイダ30は、サードパーティ50によって与えられたクレジット詳細を含むサブスクリプション応答メッセージを作成する(ステップ308)。サブスクリプション応答メッセージの構造、要素およびパラメータについては、図6〜図8を参照しながら以下でより詳細に説明する。いつかその後に(Sometime thereafter)、ユーザモバイルデバイス40は、たとえば閲覧トークンの購買、ペイパービュートークンの購買、サブスクリプション要求、またはアップグレードされたサービスなど、サービス調整(service adjustment)を要求または開始するために、サービス要求を、ユニキャストネットワークを介してモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(図5中のメッセージ506に対応する図4中のステップ402)。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、サービス要求を受信し、処理し(ステップ310)、それに応じて、ユニキャストまたはブロードキャストネットワーク70を使用して適切なサービスプロビジョニング応答メッセージをモバイルデバイス40に送信する(図5中のメッセージ600に対応する図4中のステップ312)。このサービス応答は、サードパーティクレジット、ならびにユーザが要求したサービス調整を含むことができる。ユーザのモバイルデバイス40は、ユニキャストネットワーク70を介してサブスクリプション応答メッセージを受信し、メッセージコンテンツにアクセスし、モバイルデバイス40のメモリに(たとえば電子トークンウォレットに)、クレジットを記憶する(ステップ404)。モバイルデバイスユーザは、次いで、それらのクレジットを、クレジットにおいて指定されたサービスまたは製品を購買するために、使用することができる。ユーザがモバイルデバイス40に記憶されたクレジットの引き換えを行うことができる方法については、図15〜図20を参照しながら以下でより詳細に説明する。
【0049】
図6に、モバイルデバイス40にクレジットを配信するのに好適なサブスクリプション応答メッセージ600の一実施形態の例示的なフォーマットおよびコンテンツを示す。このサブスクリプション応答メッセージ600は、サービスプロバイダ30からサービスを購入するためにモバイルデバイス40によって送信されたサービス要求メッセージに応答してモバイルデバイス40に送信され得る。サブスクリプション応答メッセージ600は、属性および要素にカテゴリー分類され得るいくつかのコンポーネントを含むことができる。図6に示すように、サブスクリプション応答メッセージ600は、たとえば要求ID602、グローバルステータスコード604および適応モード606のような随意の属性を含むことができる。要求ID602は、対応するサービス要求メッセージ506の識別子とすることができる。正しい応答が、権利を要求する当事者に届くことを可能にするために、要求IDは、サブスクリプション応答メッセージ600を識別し、正しいサービス要求メッセージ506に関連付けることができる。要求ID602を使用して、ユーザのモバイルデバイス40は、正しいサービス応答が受信されたかどうかを判定することができる。
【0050】
グローバルステータスコード604は、いくつかの定義されたリターンコードに従って要求の全体的な結果に関する情報を与えることができる。例示的なリターンコードについては、図9を参照しながら以下でより詳細に説明する。グローバルステータスコード604を使用することによって、モバイルデバイス40は、要求が正常に(successfully)処理されたかどうかを判定することができる。言い換えれば、グローバルステータスコード604は、ユーザのモバイルデバイス40によって送信されたサービス要求メッセージ506のステータス(すなわち、成功、またはエラーによる失敗)を伝達することができる。たとえば、サブスクリプション応答メッセージ600中にグローバルステータスコード604が存在し、値「0」に設定されている場合、これは、要求が正常に処理され、完了されたことを意味し得る。対照的に、グローバルステータスコード604が存在し、「0」以外の値に設定されている場合、これは、要求の受信または処理においてエラーがあったことを意味し得る。たとえサービス要求メッセージ506が正常に処理されなかった場合でも、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、たとえモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30がモバイルデバイスによって要求された特定のサービス調整を与えることができないとしてもクレジットを送信するサブスクリプション応答メッセージ600で応答することができることに、注目すべきである。サブスクリプション応答メッセージ600中にグローバルステータスコード604が存在しない場合、これは、要求に関連する1つまたは複数の購買アイテム要素608に関係するエラーがあったことを意味し得る。購買アイテム要素608については、以下でより詳細に説明する。
【0051】
随意の適応モード要素606は、モバイルデバイス40に、汎用またはBDS固有であり得る動作可能な適応モードを通知することができる。たとえば、この属性の値が「偽」に設定されている場合、これは、適応モード606が汎用であることを示すことができる。たとえば、この属性の値が「真」に設定されている場合、これは、適応モード606がBDS固有であることを示すことができる。様々な実施形態によれば、グローバルステータスコード604が「成功」を示し、基礎をなす(underlying)BDSがBCMCSである場合、適応モード606はサブスクリプション応答メッセージ600中にのみ存在し得る。
【0052】
サブスクリプション応答メッセージ600の要素は、購買アイテム要素608と、DRMプロファイル固有部分610またはスマートカードプロファイル固有部分612の随意の要素とをさらに含むことができる。購買アイテム要素608は、たとえばサービス要求メッセージ506において要求されたアイテムなど、何が購入または受信されたかを表すことができる。言い換えれば、購買アイテム要素608は、ユーザのサービス要求が成功したかどうかについて、および配信された要求されたアイテムに関して、モバイルデバイス40に通知することができる。たとえば、サービス要求メッセージ506が、あるコンテンツを再生(play)するためのデジタル権利(たとえば、DRMプロファイル)を要求し、サブスクリプション購買が成功した場合、購買アイテム要素608は権利有効性終了時間(Rights validity end time)622を含むことができる。権利有効性終了時間622については、DRMプロファイル部分610に関して以下でより詳細に説明する。DRMプロファイルまたはスマートカードプロファイルのいずれかについて、購買またはサブスクリプション要求に失敗があるとき、要求がモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30によって受け付けられなかった理由を示す購買アイテム608要素の属性としてアイテム別ステータスコード616が存在し得る。
【0053】
購買アイテム要素608は様々な属性および要素をさらに含むことができる。たとえば、購買アイテム要素608は、必須のグローバルID参照属性614と随意のアイテム別ステータスコード属性616とを含むことができる。購買アイテム要素608はまた、随意のボーナスクレジット要素618とサブスクリプションウィンドウ要素620とを含むことができる。グローバルID参照属性614は、購買アイテム要素608の指定されたIDとすることができる。したがって、グローバルID参照614は、購買アイテム608中に発見されるグローバル購買アイテムID(図示せず)を使用して、購入されたアイテムを識別することができる。グローバルID参照614は、たとえば、任意の統一資源識別子(Uniform Resource Identifier)(URI)とすることができる。URIは、たとえば、ユニキャストネットワーク上のリソースを識別または指定(name)するために使用される文字列である。そのような識別情報は、特定のプロトコルを使用したネットワーク上でのリソースの表現を用いた対話を可能にし得る。アイテム別ステータスコードは、図9を参照しながら以下で説明するように、グローバルステータスコード604と同じようなリターンコードを使用して、購入されたアイテムごとのステータスを明示することができる、(グローバルステータスコード604に比較して)より具体的なステータスコード616とすることができる。
【0054】
随意のボーナスクレジット要素618を使用することによって、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からモバイルデバイス40にクレジットを送信することができる。たとえば、サービス応答をモバイルデバイス40に送信する前に、クレジット(たとえば、クーポンおよび/またはトークン)データをボーナスクレジット要素618に挿入することができる。このようにして、ユーザは、サービスを購入するかまたはサービスに加入したいという要求を送信すると、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からクレジットを受信することができる。クレジットタイプ(それはサブスクリプション応答メッセージ600の部分であり得る)は、変更され得、また、要求されたサービスタイプと、(たとえば、ユーザの習慣とモバイルブロードキャストTVシステムの使用とに基づく)サービスを要求するユーザの識別情報とのいずれか一方または両方に結び付けられ得る。たとえば、購買アイテム要素608中に0個以上の(購買データとしても知られる)スタンドアロンボーナスクレジットサブ要素が存在し得る。これらのボーナスクレジットサブ要素は、トランザクションから生じ得るボーナスサービスのためのユーザ固有のクレジットデータを含むことができる。これらのクレジットは、モバイルデバイスのメモリに記憶され、サービスガイドルールとユーザのメンバーシップレベルとに基づいて管理され得る。ボーナスクレジット618のメッセージ構造の例示的な実施形態については、図7および図8を参照しながら以下でより詳細に説明する。
【0055】
購買アイテム要素608の必須のサブスクリプションウィンドウ要素620は、サブスクリプションまたはクーポンが有効である期間(time interval)に関係するデータを含むことができる。サービスプロバイダ30は、時間ベースサブスクリプションのためにこの要素を使用することができ、この要素をPPV購買応答メッセージ600に含めることができる。ユーザモバイルデバイス40は、サブスクリプションウィンドウ要素620中の情報を使用して、サブスクリプションの有効期間を判定することができる。サブスクリプションウィンドウ620要素は、必須の開始時間属性(図示せず)と随意の終了時間属性(図示せず)とをさらに含むことができる。開始時間属性は、サブスクリプションの開始を表すネットワークタイムプロトコル(NTP)タイムスタンプを含むことができる。終了時間属性は、サブスクリプションの終了を表すNTPタイムスタンプを含むことができる。例示的な一実施形態では、オープンエンドのサブスクリプションの場合、この属性を省略することができる。
【0056】
随意のDRMプロファイル固有部分要素610は、サービスおよびコンテンツ保護DRMプロファイル固有部分を含むことができる。この部分は、DRMプロファイルをサポートするために必須であり得、スマートカードプロファイルには適用可能でない。DRMプロファイル固有部分610は、随意の権利有効性終了時間属性622と随意の権利オブジェクト取得プロトコル(ROAP)トリガ要素624とをさらに含むことができる。権利有効性終了時間622属性は、BSMが要求メッセージを受け付けたときの(そして、その後、期限が延長(renewed)される必要がある)購入されたコンテンツに関連するLTKMの有効性の終了時間および日付を示すために存在し得る。このフィールドは、NTPタイムスタンプの最初の32ビット整数部分で表され得る。たとえば、権利オブジェクト(RO)がブロードキャストされる場合、この属性を検証することができる。他の場合、この属性は不要である。随意の要素ROAPトリガ624が存在するとき、モバイルデバイス40は、1つまたは複数のLTKM取得を開始するためにROAPトリガ624を使用することが予想され得る。
【0057】
随意のスマートカードプロファイル固有部分要素612は、サービスおよびコンテンツ保護スマートカードプロファイル固有部分を含むことができる。この部分は、スマートカードプロファイルをサポートするために必須であり得、DRMプロファイルに適用可能でないことがある。スマートカードプロファイル固有部分要素612は随意のLTKM要素626を含むことができる。LTKM要素626は、base64符号化MIKEYメッセージを含むスマートカードプロファイルモバイルブロードキャストTV LTKMとすることができる。この要素は、要求元モバイルデバイス40とサービスプロバイダ30とが登録プロシージャ中にLTKM配信メカニズムとして「HTTP」(すなわち、インターネット)に関して同意している場合、サブスクリプション応答メッセージ600中に存在し得る。
【0058】
図7Aに、ボーナスクレジット要素618の一実施形態のためのデータ構造を示す。図7Aに示すように、ボーナスクレジット618要素は、保護鍵618aと、説明(description)618bと、価格情報618cと、プロモーション情報618dと、拡張部分(extension)618eと、購買アイテム参照618fと、購買チャネル参照618gと、利用規約(term of use)618hと、プライベート拡張部分(private extension)618iと、ID618jと、バージョンパラメータ618kと、有効開始(valid-from)パラメータ618lと、有効終了(valid-to)パラメータ618mとを含む、いくつかのパラメータとサブ要素とを含むことができる。保護鍵618aは、サービスガイドルールに記載されているユーザのメンバーシップレベルに基づいて復号化(decoded)され得る暗号化鍵を含むことができる。説明618bは、ユーザに販売されている製品、サービスまたはサブスクリプションの説明を1つまたは複数の言語で含むことができる。価格情報618cは、購買またはクレジットトランザクションのタイプの説明を含むことができる。
【0059】
価格情報618cは、2つのコンポーネント、すなわち、割引額(discount amount)619aと購買タイプ619bとを含んでいることができる。割引額619aは、割引/クーポンを使用するときに実現され得る節約(savings)を表す、場合によっては(potentially)様々な通貨の負数として表され得る、1つまたは複数の金銭的価値(monetary values)を含んでいることができる。関連する割引/クーポンが参照された購買アイテムを無料にすることを示す(0などの)特殊値を予約することができる。いくつかの実施形態では、割引額619aを省略することができ、その場合、その値は、アイテムが無料であることを示す0であると見なされ得る。
【0060】
図7Aに示す購買タイプテーブル619bは、サブスクリプション応答メッセージがユーザのモバイルデバイス40に送信されるとき、価格情報サブ要素618cをポピュレートするために使用され得る購買またはクレジットトランザクションの様々なタイプおよび値を示す。価格テーブル619内の様々なタイプの購買タイプ値は、ワンタイムサブスクリプションと、オープンエンドサブスクリプションと、ライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするペイパータイム(PPT)ライブと、非ライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするPPT再生と、非ライブコンテンツについて、ある回数の再生を可能にするペイパープレイ(PPP)再生と、非ライブコンテンツの無制限再生を可能にする無制限再生と、サービストークンを使用することによってライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするサービストークンPPTライブと、サービストークンを使用することによって非ライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするサービストークンPPT再生と、ユーザトークンを使用することによってライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするユーザトークンPPTライブと、ユーザトークンを使用して非ライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするユーザトークンPPT再生と、ユーザトークンを使用することによるユーザトークンPPVライブと、ユーザトークンを使用することによるユーザトークンPPP再生と、サービストークンを使用するために有効なLTKMを必要とし得る、このサービス/コンテンツSEK/PEK ID鍵グループにリンクされたサービスパース(service purse)に追加するために購入されたエキストラサービストークンと、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30のIDにリンクされ得る、ユーザパース(user purse)に追加するために購入されたエキストラユーザトークン(これは、特定のサービスコンテンツにリンクされないことがあり、また、使用すべき有効なLTKMを必要とすることがある)と、非ブロードキャスト(すなわち現実世界の)製品、たとえば店舗からの製品と、将来の使用のための予約と、商用利用(proprietary use)のための予約とを含むことができる。
【0061】
プロモーション情報618dは、ユーザが、参照された購買アイテムを購入することによって取得することができる割引/クーポンを表すことができる。拡張部分(extension)618eは、番組、製品またはプロモーションを識別するかまたはそれに関係する追加情報を含むことができる。購買アイテム参照618fは、販売促進割引クーポンに関連する特定の購買アイテムを識別する識別子とすることができる。たとえば、購買アイテム参照618fは、たとえばCNNヘッドラインニュースのような特定の購買アイテムを識別することができる。購買チャネル参照618gは、ユーザが、参照された購買アイテムをどこでまたはどのように購入することができるかを識別する情報を含むことができる。番組購買のためのクーポンまたはトークンの場合、購買チャネル参照618gは、コンテンツプロバイダ(たとえば、Disney、AOL、CBSなど)を識別することができる。マーチャントから製品を購入するためのクーポンの場合、購買チャネル参照618gは、そこから製品を購入しなければならないストアまたはチェーン(たとえば、Home Depot、Searsなど)であり得る。
【0062】
利用規約618hは、クレジットをどのように使用することができるかに関する情報を含むことができる。たとえば、いくつかのクレジットは、複製することまたは他者に転送することができない。利用規約618hは、クレジットの完全性(integrity)がそこなわれないままでいることを可能にするために、これらの限界(boundaries)を規定することができる。さらに、このサブ要素は、クレジットのタイプと、このクレジットを何の目的で使用することができるかとを規定することができる。たとえば、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からコンテンツを購入するとき、割引を受けるためにのみクーポンを使用することができる。そのようなクーポンを、他の製品またはサービスを購入するために使用することはできない。
【0063】
プライベート拡張部分618iは、ベースラインSG規格に加えてベンダ固有の拡張およびアプリケーション固有の拡張を実装することを可能にすることができる。クレジットID618jは、クレジットを検証し、たとえばその場限りのID(nonce ID)、暗号化値などのような、ユーザがクレジットを偽造するのを防ぐために使用できるデータを含むことができる。クーポンバージョン618kは、ベンダが、異なる条件(terms)および価値(values)をもつ類似する購買のための後続のクーポンを経時的に発行することを可能にすることができる、クーポンのバージョンを識別するための情報を含むことができる。したがって、クーポンバージョン情報を使用して、同じクーポンタイプの連続するバージョンをサポートすることができる。有効開始値618lは、クレジットが有効になる日付および時間に関する情報を含むことができる。有効終了値618mは、クレジットが無効になり、もはや使用できない日付および時間に関する情報を含むことができる。クーポンが決して満了しない場合、有効終了値は省略され得る。
【0064】
さらに、ボーナスクレジット要素618は拡張URL要素(図示せず)を含むことができる。そのようなURL要素は、クレジット要素に関係するさらなる情報を与えるウェブリソースへのポインタを与えるであろう。たとえば、クレジット要素中の拡張URLをたどることによって、クレジットまたはクーポンに関係するWWWページに到達することができる。モバイルデバイス40は、インターネットにアクセスする機能を有する場合、HTTPを使用してクレジットまたはクーポンに関係する追加情報を得るために、URLを使用してインターネットウェブサイトにアクセスする。
【0065】
いくつかのパラメータおよびサブ要素は、ボーナスクレジット要素618が有効であり機能するために必須であり得る。これらの必須のパラメータおよびサブ要素については、図8に示すメッセージ構造図に示す。これらの必須のフィールドは、購買アイテム参照フィールド618fと、購買チャネル参照フィールド618gと、有効開始フィールド618lと、クレジットIDフィールド618jと、クーポンバージョンフィールド618kとを含む。
【0066】
クーポン要素650およびそのコンポーネントの代替実施形態を図7Bに示す。この代替クーポン実施形態のサブ要素は、クーポンを識別し、クーポンを説明し、クーポンによって与えられる価格または割引を示し、(以下でより十分に説明するように)他のクーポンと組み合わせるためにその重みを識別し、たとえばデジタル署名の形などでクーポンを検証するために必要とされる情報を含む。クーポンオブジェクト中に含まれ得る例示的な情報は、識別子(ID)(たとえば、グローバル一意識別子、バージョン番号、最初の時点の有効期日(有効開始日付)、最後の時点の有効期日(有効終了日付)など)652、クーポンが、引き換えられる前に発行者によって検証される必要があることを示すフラグまたは値664、クーポンが適用される製品またはサービスの識別子654、クーポンを有効にするために、それを介して製品またはサービスが購入されなければならないチャネルの識別子656、クーポンの説明658、クーポンのプロバイダの識別子(たとえば、クーポンを発行する企業の種類)660、図27を参照しながら以下でより十分に説明する多用途重み値(multi-use weight value)662、クーポンが引き換えられた後、それがどのくらいすぐに再利用され得るかの指示666、相対価格または割引値情報を含むような価格情報668、クーポンが有効である対象とする購買アイテムタイプの指示670、クーポンが引き換えられるとき、適用される貨幣的割引価格(monetary discount price)672、クーポンが有効である貨幣通貨のインジケータ、クーポン印刷可能画像(coupon printable image)を得ることができるアドレス(たとえばURLなど)674、クーポンと見なされることになる、クーポンにデジタル署名を与えた機関(authority)を説明するURI676、ユーザIDフィールドおよびユーザIDタイプの識別子678、および、発行機関からのデジタル署名(たとえばXMLデジタル署名など)680を含む。
【0067】
電子クーポンが別個のクーポンドキュメントまたはクーポンオブジェクトとして配信され、処理されるとき、クーポンオブジェクトはサービスガイドの外部で維持され得る。とはいえ、クーポンオブジェクトは、クーポンに関係する情報を識別するサービスガイド中のフラグメントへのポインタを含むことができる。図7Cに、クーポンオブジェクト700とサービスガイド710との間の関係を示す。詳細には、クーポンオブジェクト700は、サービスガイド710内のプロビジョニングフラグメント712,714,716またはプロビジョニングフラグメント内の特定の情報フィールドへのポインタ702,704,706を含むことができる。そのようなポインタは、クーポンオブジェクト700によって参照される情報が、クーポン中に含まれるポインタ702,704,706を介して常に利用可能であるように、サービスガイドが更新されたときに変化しないグローバル一意ポインタの形とすることができる。
【0068】
一実施形態では、クレジットIDフィールド618jは、図8に示すように、暗号化パラメータ618n、クレジット識別子618pおよび多目的署名(multipurpose signature)618oなど、追加のサブ要素を含むことができる。暗号化パラメータ618nは、暗号化アルゴリズムおよび関連するパラメータ(たとえば暗号化ソルトまたはナンス(encryption salt or nonce)など)を指定するために使用できる。クレジット識別子618pは、クーポンのためのグローバル一意識別子とすることができる。
【0069】
多目的署名618oは、クーポンが敵対的(hostile)ネットワークを介してトランスポートされるとき、クーポンを保護するために使用できる。多目的署名618oは、オンデマンドで取り出されおよび/またはマーチャントサーバによってキャッシュされる1つまたは複数のX.509デジタル証明書の階層とともに、暗号署名(すなわち、クーポンフィールドの全部または一部の暗号化ダイジェスト)を用いてクーポンを認証するために使用できる。一実施形態では、クーポン発行者は、(たとえばよく知られている公開鍵暗号方法を使用することなどにって)検出することなくして変更できないクーポンを生成するために多目的署名618oを使用することができる。一実施形態では、クーポン受信者(たとえば、モバイルデバイスおよびマーチャント)が、以下でより詳細に説明するように、クーポンが特定の機関によって発行されたことを検証することができるように、X.509署名階層を使用して多目的署名618oを作成することができる。本実施形態では、X.509証明書中で署名アルゴリズムを指定することができる。
【0070】
図9は、サブスクリプション応答メッセージ600中に含まれ得る様々なグローバルステータスコード604と、それらの関連するステータスメッセージとのテーブル604aである。たとえば、グローバルステータスコード「000」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、要求プロセスが成功したことを示すことができる。グローバルステータスコード「003」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、要求された購買アイテムが未知であることを示すことができる。「003」コードは、たとえば、デバイスが、古い情報をもつキャッシュされたサービスガイドサービスを有する場合にも受信され得、その場合、ユーザはサービスガイドを再取得することができる。グローバルステータスコード「009」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、課金ステップが失敗したことを示すことができる。たとえば、同意したクレジット限界に達したとき、アカウントは凍結され得、その場合、ユーザは、問題を解決するためにサービスプロバイダ30に連絡することができる。「009」コードは、トランザクションに関与する様々な企業間でも使用され得る。グローバルステータスコード「011」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、デバイスが実行しようと試みた動作がサービスプロバイダ30とユーザとの間の契約の下で許されないことを示すことができる。そのようなエラーメッセージを受信したとき、ユーザは、契約条件を変更するためにサービス事業者30に連絡することができる。「011」コードは企業間でも使用され得る。グローバルステータスコード「015」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、要求されたサービスが送信問題により利用不可能であることを示すことができ、その場合、後で要求を再開することができる。「015」コードは企業間でも使用され得る。グローバルステータスコード「016」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、同じ要求が前に処理されたことを示すことができ、その場合、ユーザまたはエンティティは、要求がすでに処理されたかどうかを確認することができる。これは、LTKMが受信されたかどうかを判定することによって行うことができ、そうでない場合、要求を再入力する。グローバルステータスコード「021」を含むユーザサブスクリプション応答メッセージ600は、与えられた情報が無効であり、システムによって使用できないことを示すことができる。そのような状況では、ユーザは、要求を再確認し、再び送信することができる。グローバルステータスコード「022」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、要求元鍵マテリアルおよびメッセージが有効ではなく、履行できないことを示すことができる。そのようなシナリオでは、ユーザは、要求を再確認し、必要な場合、再送信することができる。グローバルステータス「031」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、ユーザが、クーポンを担持(carried)するボーナスクレジット618を使用しようと試みたが、そのクーポンは有効期限を有し、購買トランザクションにもはや有効でないことを示すことができる。グローバルステータスコード「032」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、ユーザが、利用可能なコンテンツオブジェクトを購入するために、(クーポンを担持する)検証されたボーナスクレジットを使用したが、そのクーポンは、前のトランザクションにおいてすでに使用されており、したがって、もはや有効でないことを示すことができる。
【0071】
一実施形態では、ユーザからの自発的なサービス要求を受信することなしに、クレジットをユーザのモバイルデバイス40に配信またはプッシュすることができる。言い換えれば、モバイルブロードキャストTVシステムは、ユーザのモバイルデバイス40を「ブートストラップ(bootstrap)」し、ユーザのモバイルデバイス40が要求メッセージを送信することなしに、クレジットをユーザのモバイルデバイス40にプッシュアウト(push out)することができる。そのような配信方法は、サードパーティ50およびモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30が、すべてのユーザにメッセージを配信するためのブロードキャストネットワーク80を使用してモバイルデバイス40にクレジットを送信するか、あるいは特定のユーザまたはユーザのグループにメッセージを配信するためのユニキャストネットワーク70を使用してモバイルデバイス40にクレジットを送信することを可能にすることができる。ユーザのモバイルデバイス40をブートストラップすることは様々な方法によって行われ得る。一実施形態では、図10および図11を参照しながら以下で説明するように、ユーザのモバイルデバイス40に送信請求プルメッセージ(solicited pull messages)をブロードキャストすることができる。送信請求プルメッセージは、ユーザのモバイルデバイス40からのクレジット購買要求を送信請求(solicit)することができる。他の実施形態では、図13〜図14を参照しながら以下で説明するように、ユーザのモバイルデバイス40が明示的アクションをとる必要なしにクレジットを受信することを可能にするために、ユーザのモバイルデバイス40にクレジット供与プッシュメッセージ(credit grant push messages)をブロードキャストすることができる。
【0072】
ブートストラッピング方法を使用したクレジットの配信を説明するために、以下の例示的な実施形態では、ユーザへの無料トークンの配信について説明する。モバイルTV番組を視聴するために、購入されたトークンとほとんど同様に無料トークンの引き換えを行うことができる。以下の実施形態において、トークンを配信するためのプロセスを例として使用するが、たとえば製品またはサービスのために引き換えできるクーポンのような他のタイプのクレジットを配信するために同じプロセスを使用することができる。したがって、以下の例は、本発明の範囲をトークンの配信に限定するものではない。
【0073】
図10Aは、送信請求プルメッセージを使用して、無料トークンを受信すべきユーザのモバイルデバイスをブートストラップするための例示的な実施方法のプロセスフローチャートである。図11Aは、図10Aに示す方法による、トークンを配信するために様々なモバイルブロードキャストTVシステムコンポーネント間で交換され得るメッセージのメッセージフローチャートである。この実施形態について、図10Aと図11Aの両方を参照しながら以下で説明する。
【0074】
非自発的な(involuntary)トークン購買要求を開始するために、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は送信請求プルメッセージをユーザのモバイルデバイス40に送信する(図11A中のメッセージ1100に関係する図10A中のステップ314)。送信請求プルメッセージ1100は、ブロードキャストネットワーク80またはユニキャストネットワーク70のいずれかを介して送信できる。送信請求プルメッセージ1100は、モバイルデバイス40を、購買要求メッセージを送信するように促すメッセージであり、それによって、図4および図5を参照しながら上記で説明したクレジット配信プロセスを開始する。ユーザのモバイルデバイス40は、送信請求プルメッセージを受信し、処理する(ステップ406)。随意に、送信請求プルを受け付けるかまたは拒否するようにユーザを促す(随意の判定408)。この随意のユーザ選択は、たとえば、プライバシまたはセキュリティ問題がクレジットを受信したいという欲求を上回ることがあるモバイルデバイスユーザにとって有用であり得る。ユーザが送信請求プルを拒否することによってプロンプトに応答した場合、モバイルデバイス40は送信請求プルメッセージを単に無視する。しかしながら、ユーザが送信請求プルを受け付けることによってプロンプトに応答した場合(すなわち、判定408=「YES」)、モバイルデバイス40はトークン購買要求をモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(図11A中のメッセージ1102に関係する図10A中のステップ410)。図4および図5を参照しながら上記で説明したように、トークン購買要求メッセージ1102は、ユニキャストネットワーク70またはたとえばインターネット90のような他のネットワークを介してサービスプロバイダ30に送信できる。トークン購買要求メッセージ1102は、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30によって送信された送信請求プルメッセージ1100中で定義されたルールに基づいて、送信請求プルメッセージ中で指定された情報(たとえば、識別子)を含むことができ、あるいは、たとえばトークン購買要求が無料トークンのためのものであるようなときに、0の購買要求を指定することができる。トークン購買要求メッセージ1102を受信すると(ステップ316)、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、エラーが存在するかどうかを判定せよという要求を処理する(判定318)。トークン購買要求メッセージ1102が正常に受信されなかった場合(すなわち、判定318=「NO」)、エラーメッセージをもつトークン購買応答をモバイルデバイス40に送信する(ステップ412、メッセージ1104)。このエラーメッセージは、図9を参照しながら上記で説明したコードおよびステータスメッセージのうちの1つまたは複数を含むことができる。トークン購買要求が正常に処理された場合(すなわち、判定318=「YES」)、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、次いで、トークン購買応答メッセージを送信し(図11A中のメッセージ1104に関係する図10A中のステップ320)、それをユーザのモバイルデバイス40が受信する(ステップ414)。トークン購買応答メッセージ1104は、図12を参照しながら以下でより詳細に説明する属性および要素を含むことができる。トークン購買応答メッセージの送信の後、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、その下で無料トークンが使用され得る契約条件(terms and conditions)とともにトークンを含むLTKMメッセージをモバイルデバイス40に送信する(図11A中のメッセージ1106に関係する図10A中のステップ416)。このLTKMは、ユニキャストネットワーク70、またはインターネット90など他のネットワークを介して送信できる。LTKMを受信すると(ステップ416)、モバイルデバイス40はトークンをそのメモリに記憶する(図11A中の内部メッセージ1108に関係する図10A中のステップ418)。随意に、モバイルデバイス40は、トークンの安全な受信(safe receipt)を示すために検証メッセージをモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(図11A中のメッセージ1110に関係する図10A中のステップ420)。この検証メッセージ1110は、ユニキャストネットワーク70またはたとえばインターネット90のような他のネットワークを介して送信できる。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は検証メッセージ1110を受信する(ステップ324)。
【0075】
図10Aおよび図11Aは、トークン購買要求メッセージと購買応答メッセージとを介してトークンを交換する1つの例示的な実施形態を示しているが、送信請求プルプロセスを使用して、たとえばトークンの代わりにクーポンを受信するなどのために、クレジットを受信するためのメカニズムとして汎用サブスクリプション要求メッセージ(すなわち、サービス要求)を送信することができる。図10Bは、送信請求プルメッセージを使用して、サービス要求を介してクーポンを受信すべきユーザのモバイルデバイスをブートストラップするための例示的な実施方法のプロセスフローチャートである。図11Bは、図10Bに示す方法による、クーポンを配信するために様々なモバイルブロードキャストTVシステムコンポーネント間で交換され得るメッセージのメッセージフローチャートである。同様の番号付き参照をもつプロセスおよびメッセージは、図10Aおよび図11Aを参照しながら上記で説明したものに一致する。
【0076】
図10Bおよび図11Bを一緒に参照すると、送信請求プルメッセージ1100を受信すること(図10B中のステップ406)に応答して、モバイルデバイス40はサービス要求メッセージをモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(図11B中のメッセージ1103に対応する図10B中のステップ411およびステップ317)。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、サービス応答メッセージをモバイルデバイス30に送信することによって応答する(図11B中のメッセージ1105に対応する図10B中のステップ321およびステップ415)。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、次いで、クーポン(または他の価値のあるアイテム)を含むLTKMメッセージをモバイルデバイス30に送信する(図11B中のメッセージ1107に対応する図10B中のステップ323およびステップ417)。モバイルデバイス30は、LTKMとクーポンとをメモリに記憶し(図10B中のステップ419および図11B中の内部メッセージ1109)、ステップ420およびステップ324とメッセージ1110とについて上記で説明したように随意の検証メッセージで応答する。
【0077】
図12に、トークン購買応答メッセージ1104の一実施形態中に含まれ得る様々な属性および要素を示す。トークン購買応答1104は、随意の要求ID属性602と必須のグローバルステータスコード属性604とを含むことができる。図6に関して上記で説明したように、要求ID属性602は、対応するサービス要求メッセージの識別子とすることができる。したがって、正しい応答が、権利を要求する当事者に届くことを可能にするために、要求ID属性604は、トークン購買応答メッセージ1104を識別し、正しいトークン購買要求メッセージ1102に関連付けることができる。要求ID属性602を使用して、ユーザのモバイルデバイス40は、トークン購買応答メッセージ1104が受信されたかどうかを判定することができる。図6に関して上記で説明したように、グローバルステータスコード604は、いくつかの定義されたリターンコードに従ってトークン購買要求の全体的な結果に関する情報を与えることができる。例示的なリターンコードについては、図9を参照しながら上記でより詳細に説明した。グローバルステータスコード604を使用することによって、モバイルデバイス40は、要求が正常に処理されたか、何らかのエラーのために失敗したかを判定することができる。言い換えれば、グローバルステータスコード604は、サービス要求のステータス(すなわち、成功、またはエラーによる失敗)をユーザのモバイルデバイス40に伝達することができる。
【0078】
トークン購買応答1104はまた、たとえばDRMプロファイル固有部分要素610、スマートカードプロファイル固有部分要素612、およびボーナスクレジット要素618のような、随意の要素を含むことができる。DRMプロファイル固有部分要素610とスマートカードプロファイル固有部分要素612とは相互に排他的である。したがって、トークン購買応答メッセージは、DRMプロファイル固有部分要素610またはスマートカードプロファイル固有部分要素612のいずれかのみを含んでいることができる。サービスおよびコンテンツ保護DRMプロファイル固有部分要素610は、DRMプロファイルをサポートするために必須であり得、スマートカードプロファイルに適用可能でないことがある。
【0079】
DRMプロファイル固有部分要素610はROAPトリガ624の随意の要素を含んでいることができる。トークン購買応答メッセージ1104中のROAPトリガ624要素は、サブスクリプション応答メッセージ600中のROAPトリガ624と同様であるが、いくつかの相違点がある。トークン購買が成功した場合、トークン購買応答メッセージ1104は追加のペイロードとしてROAPトリガ624を含むことができる。モバイルデバイス40は、1つまたは複数のトークン取得を開始するために、このROAPトリガ624を使用することができる(すなわち、LTKM取得を開始することによって)。これは、上記で説明したサブスクリプション応答メッセージ600中のROAPトリガ624と同じ機能である。しかしながら、サブスクリプション応答メッセージ600のROAPトリガ624要素とは対照的に、モバイルデバイス40が、たとえば、登録されていないためにトークン購買要求が失敗した場合、トークン購買応答メッセージ1104は、追加のペイロードとしてROAP登録トリガを含むことができる。モバイルデバイス40は、次いで、サービスプロバイダ30への登録プロセスを開始するように促され、首尾良く(successfully)登録されると、次いで、トークン購買要求メッセージ1102を再送信することができる。
【0080】
トークン購買応答メッセージは、随意の供与されるトークン要素1202(token granted element)とLTKM要素626とを含むことができる。トークン供与要素1202は、トークン購買要求メッセージ1102に応答して、たとえば供与されるトークンに関する情報のような、いくつかの属性を含むことができる。これらの属性は、タイプ1204と、量1206と、課金タイプ1208とを含むことができる。タイプ属性1204は、トークン購買トランザクションにおいて供与されるトークンタイプを指定することができる。供与され得る様々なトークンタイプおよびそれらの割り当てられた値は、予約済みトークン(値0)と、DRMプロファイルのためのトークン(値1)と、ライブPPTパースに追加されるスマートカードプロファイルのためのサービストークン(値2)と、再生PPTパースに追加されるスマートカードプロファイルのためのサービストークン(値3)と、サービスプロバイダ30のIDに関連するユーザパースに追加されるスマートカードプロファイルのためのユーザトークン(値4)と、将来の使用のために予約されたトークン(値5〜値127)と、商用利用のために予約されたトークン(値128〜値255)とを含むことができる。量属性1206は、トークン購買トランザクションにおいて供与されるトークンの数を指定する情報を含むことができる。タイプ属性1204について、属性で指定される値は、供与されるトークンの数に対応し得る。課金タイプ属性1208は、トークン購買トランザクションに関連付けるべき課金タイプに関する情報を含むことができる。課金タイプは、未指定(値0)と、プリペイド(値1)と、ポストペイド(値2)と、将来の使用のための予約済み(値3〜値127)と、商用利用のための予約済み(値128〜値255)とを含むことができる。図6に関して上記で説明したように、LTKM626要素は、base64符号化MIKEYメッセージを含むスマートカードプロファイルモバイルブロードキャストTV LTKMとすることができる。要求元モバイルデバイス40とサービスプロバイダ30とが登録プロシージャ中にLTKM配信メカニズムとして「HTTP」(すなわち、インターネット)に関して同意している場合、この要素はトークン購買応答メッセージ1104中に存在し得る。
【0081】
図6を参照しながら上記で説明したサブスクリプション応答メッセージ600と同様に、トークン購買応答メッセージ1104はまた、たとえばトークンまたはクーポンのようなクレジットをユーザに送信するための随意のボーナスクレジット要素618を含むことができる。たとえば、トークン購買応答1104をユーザのモバイルデバイス40に送信する前に、クレジット(すなわちクーポンおよび/またはトークン)データをボーナスクレジット要素618に挿入することができる。このようにして、ユーザのモバイルデバイス40がモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30によって送信された送信請求プルメッセージに応答すると、ユーザはモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からクレジットを受信することができる。トークン購買応答メッセージ1104の部分であり得るクレジットタイプは、変更され得、また、たとえば、ユーザにプッシュされているトークンタイプ、もしくは、(ユーザの習慣とモバイルブロードキャストTVシステムの使用とに基づく)送信請求プルメッセージ1100を送信したまたはトークン購買要求メッセージ1102で応答するユーザの識別情報、または、それらの両方に結び付けられ得る。たとえば、0個以上の(購買データとしても知られる)スタンドアロンボーナスクレジットパラメータが購買アイテム要素608の属性として存在し得る。これらのボーナスクレジットパラメータは、このトークン購買トランザクションから生じ得るボーナスサービスのためのユーザ固有のクレジットデータを含むことができる。クレジットは、ユーザのモバイルデバイス40のメモリに記憶され、サービスガイドルールとユーザのメンバーシップレベルとに基づいて管理され得る。ボーナスクレジット618のメッセージ構造の例示的な実施形態については、図7および図8を参照しながら上記でより詳細に説明した。
【0082】
図13に、トークン供与プッシュメッセージ(token grant push messages)を使用して、無料トークンを受信すべきユーザのモバイルデバイス40をブートストラップするための例示的な実施形態のプロセスフローを示す。図14は、図13に示す本方法による、クレジットの配信のために様々なモバイルブロードキャストTVシステムコンポーネント間で交換され得るメッセージを示すメッセージフローチャートである。この実施形態について、図13と図14の両方を参照しながら説明する。
【0083】
モバイルデバイス40へのトークンの配信を開始するために、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30はトークン供与プッシュメッセージをモバイルデバイス40に送信する(ステップ321、メッセージ1400)。モバイルデバイス40は、トークン供与プッシュメッセージを受信し、処理する(ステップ413)。トークン供与プッシュメッセージは、モバイルデバイス40がLTKM中のクレジットを受信するために準備することができるように、LTKMが送信されることをモバイルデバイス40に通知する。トークン供与プッシュメッセージ1400に続いて、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、無料トークンと利用規約とを識別するLTKMをモバイルデバイス40に送信する(ステップ322、メッセージ1106)。LTKM1106を受信すると、モバイルデバイス40は、情報を処理し(ステップ416)、たとえば無料トークンをモバイルデバイスセキュア機能90(たとえばスマートカードメモリ)などのメモリに記憶する(ステップ418、内部メッセージ1108)。モバイルデバイス40は、LTKMおよび無料トークンが正常に受信され、記憶されたことを示すために、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に検証メッセージで応答する(ステップ420、メッセージ1110)。代替的にまたは随意に、トークンが正常にメモリに記憶されない場合、モバイルデバイス40は、その情報を検証メッセージ中に含める(図示せず)。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、検証メッセージ1110を受信し(ステップ324)、メッセージの内容に基づいて適切なステップをとる。たとえば、検証メッセージ1110が、トークンがモバイルデバイス40によって正常に受信され、記憶されたことを示す場合、サービスプロバイダ30はさらなるアクションをとることはない。しかしながら、検証メッセージ1110が、トークンが正常に受信されなかったかまたはモバイルデバイス40のメモリに記憶されなかったことを示す情報を含む場合、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、その状況を改善するために適切なアクション(たとえばLTKM1106を再送信することなど)をとることができる。
【0084】
たとえば無料トークンまたはクーポンのようなクレジットがモバイルデバイス40に配信されると、ユーザは、それらを使用して、モバイルTV番組、サービスまたは製品を購入することができる。様々な実施形態によれば、クレジットの引き換えを行うための様々な方法を採用することができる。1つの例示的な引き換え方法は、クレジットを使用して特定のモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からのサービスコンテンツのみを購入することができるSTKMをブロードキャストすることを含む。他の例は、ユニキャストネットワーク70を使用して、モバイルデバイス40に、購買のための支払いの一部として(端末上のセキュアなメモリ上またはスマートカード中に実装された)オンボード電子パースから特定のクレジットを減分させるためのLTKMパースモードを送信することを含む。LTKMパースモードメッセージは、モバイルデバイスに、その電子パースからクレジットを減分させる命令を含むメッセージである。他の例は、モバイルデバイス40に、支払いの一部として、その電子パースから特定のクレジットを減分するように指示するメッセージであるSTKMヌルプログラムメッセージをブロードキャストすることを含む。これらのクレジット引き換え方法の各々について、図15〜図20を参照しながら以下でより詳細に説明する。
【0085】
図15は、STKMブロードキャストを使用してクレジットの引き換えを行うための例示的な実施形態のプロセスフローチャートである。図16は、図15に示す方法における、クレジットの引き換えを行うために様々なモバイルブロードキャストTVシステムコンポーネント間で交換されるメッセージのメッセージフローチャートである。この実施形態について、図15と図16の両方を参照しながら以下で説明する。
【0086】
様々な実施形態によれば、モバイルデバイス40に配信またはプッシュされるクレジットは、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30から無料または割引の番組またはコンテンツを購入するためにのみ引き換えできるクレジットを含むことができる。そのようなシナリオにおいて、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、STKMストリーム(メッセージ1600)をブロードキャストし、さらに、モバイルデバイス40に記憶されたクレジットを使用して購入できる名目上または販売促進の番組およびコンテンツストリーム(メッセージ1601)をブロードキャストする(ステップ326)。メッセージ1600はSTKMストリームのブロードキャスト配信を含む。メッセージ1601は暗号化コンテンツを連続ストリームとして送信する。モバイルデバイス40は、STKMストリームブロードキャストに関連する特定の暗号化コンテンツストリーム(メッセージ1601)にアクセスするためにメモリ中のクレジットを使用することができるかどうかを判定するために、受信したSTKMストリーム1600を処理する(ステップ420)。ブロードキャストされるSTKMストリーム1600は、ブロードキャストネットワーク80によって、ブロードキャストネットワークに登録されたあらゆるモバイルデバイス40に配信できる。ただし、STKMを受信したあらゆるモバイルデバイス40が、関連する暗号化コンテンツストリーム(メッセージ1601)にアクセスするための附属の(included)TEKを復号化(decrypt)することが可能であるわけではない。STKMストリーム1600に関連する暗号化コンテンツ(メッセージ1601)にアクセスするために、受信モバイルデバイス40は正しいコードおよびパーミッション(permissions)を所有しなければならない。そのようなコードおよびパーミッションは、モバイルデバイス40に記憶されたLTKMルールによって定義される。たとえば、使用され得るLTKMルールは、図10〜図14を参照しながら上記で説明したように、クレジットとともに配信されるLTKMルールとすることができる。モバイルデバイス40は、STKMストリーム1600を受信すると、それをモバイルデバイスセキュア機能90において処理して(ステップ422、内部メッセージ1602)、LTKMルールがSTKMストリーム1600へのアクセスを許すかどうかを判定する(判定422)。モバイルデバイス40は、LTKMルールがSTKMストリームへのアクセスを許さないと判定した場合(すなわち、判定422=「NO」)、STKMストリームを無視する(図示せず)。しかしながら、LTKMルールがSTKMストリームへのアクセスを許す場合(すなわち、判定422=「YES」)、モバイルデバイス40は、パース中のクレジットの利用可能性(availability)を条件として、クレジットパースから、STKMストリームから1つまたは複数のTEKを復号化するために必要とされるクレジットの量を減分する(ステップ424、内部メッセージ1604)。モバイルデバイス40は、次いで、TEKを使用して、暗号化コンテンツストリーム(メッセージ1601)の少なくとも一部分を復号化する。
【0087】
たとえば、メッセージストリーム1601は、たとえばHBO(登録商標)の新しい映画のような、プレミアムチャネル番組の暗号化コンテンツを搬送することができる。そのような番組にアクセスするためのクレジットをLTKM中で前もって受信しているモバイルデバイス40のみが、HBO(登録商標)番組(メッセージ1601)にアクセスし、それを復号化することができる。このプロモーションのために必要とされるLTKMおよびクレジットを受信しなかった他のモバイルデバイス40は、このSTKMストリーム1600に関連するコンテンツにアクセスできない。
【0088】
暗号化コンテンツ1601がモバイルデバイス30によって復号化され、アクセスされると、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、マーチャント50とクレジット引き換えを決済する(ステップ338、ステップ516、メッセージ1606)。サービスプロバイダ30とサードパーティ50またはコンテンツプロバイダ60との間のこの決済は、知られている電子商取引トランザクション方法を含む任意の従来のビジネストランザクションプロセスを使用して達成され得る。
【0089】
図17は、ユーザがマーチャントからサービスまたは製品を購入するためにクレジットを消費することを可能にする例示的な実施形態のプロセスフローチャートである。図18は、図17に示すステップを実装するためにシステムコンポーネント間で交換され得るメッセージのメッセージフローチャートである。この実施形態について、図17と図18の両方を参照しながら以下で説明する。
【0090】
この例示的な実施形態では、マーチャントにおいてまたはベンダウェブサイト上でショッピングをする間、製品を購入するために、LTKM中でモバイルデバイス40に配信される販売促進クレジットを使用することができる。クレジットを受信し、記憶するプロセスについては、図10または図13を参照しながら上記で説明した。そのようなクレジットは、たとえばベンダのロケーションにおいて(すなわち、POSにおいて)物理的にショッピングをする間またはオンラインでショッピングをする間など、ショッピングをするときに、サービスまたは製品の代金を支払うかまたはそれらに対する割引を受けるために使用できる。ユーザは、ユーザのモバイルデバイス40によってマーチャント50とのショッピングセッションを開始する(ステップ428、ステップ508、メッセージ1800)。ユーザは、購買を確定(finalize)したいという要望を示し、モバイルデバイス40からマーチャント50に、モバイルデバイス40に記憶されたクーポンまたはクレジットに関する情報を送信する(メッセージ1802)。このメッセージは、オンラインショッピングセッション中にインターネットを介して、あるいは、たとえば、近距離通信(near field communication)(NFC)リンク、表示されたバーコード、またはクーポンIDの手入力を含む、様々な知られている送信方法によってモバイルデバイス40からマーチャントのPOSシステムに送信できる。マーチャント50は、提出されたクレジットが、このトランザクションの代金の支払いの一部として使用できるかどうかを判定する(判定510)。クレジットが、このトランザクションの代金を支払うために使用できない場合、マーチャント50は、ユーザが、たとえばクレジットカードを用いるなど、他の支払い手段を使用して支払うことを可能にする(図示しないステップ)。しかしながら、マーチャント50が、ユーザのクレジットまたはクーポンが使用できると判定した場合(すなわち、判定510=「YES」)、マーチャント50は、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に支払い要求を送信する(ステップ512、メッセージ1804)。この支払い要求メッセージ1804は、インターネット90または他のネットワークを介して送信でき、提示された(proffered)クーポン、ユーザおよび/またはモバイルデバイス40を識別することができる。支払い要求を受信すると(ステップ330)、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、LTKMパースモードメッセージを作成し、それをユーザのモバイルデバイス40に送信する(ステップ432、メッセージ1806)。LTKMパースモードメッセージ1806は、ユニキャストネットワーク70を使用してユーザ40に送信でき、ユーザのモバイルデバイス40に、モバイルデバイス40の電子パースから適切なクレジットを減分するように指示する命令を含むことができる。モバイルデバイス40は、LTKMパースモードメッセージ1806を受信し(ステップ432)、LTKMルールに基づいて、電子パースからクレジットを減分する(ステップ434、内部メッセージ1808)。クレジットが完全にまたは正常に減分されない場合、モバイルデバイス40はモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に信号を送信する(図示せず)。クレジットがモバイルデバイス40のパースから完全にまたは正常に減分されない場合、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30はLTKMパースモードを再送信する(図示せず)。しかしながら、クレジットが正常に減分された場合、モバイルデバイス40はモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に検証メッセージを送信する(ステップ436、メッセージ1810)。この検証メッセージ1810はユニキャストネットワーク70を介して送信できる。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、検証メッセージ1810を受信し(ステップ334)、支払い応答メッセージをマーチャント50に送信し(ステップ336、メッセージ1812)、マーチャントは、インターネットまたは他のネットワークを介して支払い応答メッセージを受信する(ステップ514)。支払い応答メッセージ1812は、クレジットがユーザのモバイルデバイス40のパースから正常に減分されたという情報をマーチャント50に与えることができる。マーチャント50はユーザとのトランザクションを完了することができる。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30とマーチャント50との間のクレジット引き換えの決済は、たとえば支払い応答メッセージ1812の送信などとともに、販売時に行われるか、または後で行われる(ステップ338、516)。
【0091】
図19に示す例示的な実施形態では、製品またはサービスの購買の代金を支払うためにクレジットを減分するためのSTKMヌルプログラムメッセージをユーザのモバイルデバイス40に送信することができる。STKMヌルプログラムメッセージはすべての端末にブロードキャストされるので、ショッピングトランザクションに関与したモバイルデバイスのみがこの特殊支払いメッセージ(special payment message)の影響を受けるべきである。これは、STKMヌルプログラムメッセージ中で一意のショッピングトランザクションIDを搬送することによって保証される。ユーザがショッピングトランザクションに関与しなかったすべての他のモバイルデバイスは、このSTKMメッセージを単に無視することができる。図20は、図19に示す方法において交換され得るメッセージのメッセージフローチャートである。この実施形態について、図19と図20の両方を参照しながら以下で説明する。
【0092】
クレジットを受信し、記憶するプロセスについては、図10または図13を参照しながら上記で説明した。上記で説明したように、ベンダのロケーション(POS)においてショッピングをするとき、またはオンラインでショッピングをする間、サービスまたは製品の代金を支払うためにモバイルデバイス40に記憶されたクレジットを使用することができる。ユーザは、ユーザのモバイルデバイス40によって、マーチャント50とのショッピングセッションを開始する(図20中のメッセージ1800に対応する図19中のステップ428、ステップ508)。ユーザは、購買を確定したいという要望を示し、モバイルデバイス40からマーチャント50に、モバイルデバイス40に記憶されたクーポンまたはクレジットに関する情報を送信する(図20中のメッセージ1802)。このメッセージは、オンラインショッピングセッション中にインターネットを介して、あるいは、たとえば、近距離通信(NFC)リンク、表示されたバーコード、またはクーポンIDの手入力を含む、様々な知られている送信方法によってモバイルデバイス40からマーチャントのPOSシステムに送信できる。マーチャント50は、クレジットが、このトランザクションの代金を支払うために使用できるかどうかを判定する(判定510)。クレジットが、このトランザクションの代金を支払うために使用できない場合(図示しないステップ)、マーチャント50は、ユーザが、たとえばクレジットカードを用いるなど、支払いの他の手段を使用して支払うことを可能にする。しかしながら、マーチャントが、ユーザは、クレジットを使用して支払うことができると判定した場合(すなわち、判定510=「YES」)、マーチャント50は、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に支払い要求メッセージを送信する(図20中のメッセージ1804に対応する図19中のステップ512)。この支払い要求メッセージ1804は、インターネット90または他のネットワークによって送信でき、提示されたクーポン、ユーザおよび/またはモバイルデバイス40を識別することができる。支払い要求を受信すると(ステップ330)、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、モバイルデバイス40にSTKMヌルプログラムメッセージをブロードキャストする(図20中のメッセージ2000に対応する図19中のステップ331)。STKMヌルプログラムメッセージ2000は、ユーザのモバイルデバイス40のみがそれを受信し、復号化することができるように、符号化された状態でブロードキャストネットワーク80を介して送信できる。モバイルデバイス40は、STKMヌルプログラムブロードキャストメッセージ2000を受信し(ステップ438)、モバイルデバイス40に記憶されたクレジットに関連するLTKM内の鍵を使用してそのコンテンツを復号化して、LTKMルールがSTKMヌルプログラムブロードキャストメッセージ2000へのアクセスを許すかどうかを判定する(判定422)。LTKMルールがSTKMヌルプログラムメッセージ2000へのアクセスを許す場合(すなわち、判定422=「YES」)、クレジットが記憶されたパースにメッセージを送信し(内部メッセージ2002)、パースからクレジットを減分する(ステップ434)。クレジットが減分されると、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に検証メッセージを送信する(図20中のメッセージ1810に対応する図19中のステップ436)。この検証メッセージ1810はユニキャストネットワーク70を介して送信できる。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、検証メッセージ1810を受信し(ステップ334)、支払い応答メッセージをマーチャント50に送信する(図20中のメッセージ1812に対応する図19中のステップ336)。この支払い応答メッセージ1812は、インターネット90または他のネットワークを介して送信できる。マーチャント50は支払い応答を受信し(ステップ514)、支払い応答は、マーチャント50が販売を確定することができるように、クレジットが正常に減分されたことをマーチャント50に通知する。次いで、任意の知られている金融取引メカニズム(financial transaction mechanism)を介して、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30とマーチャント50との間でクレジット引き換えを決済する(図20中のメッセージ1606に対応する図19中のステップ338、ステップ516)。
【0093】
モバイルデバイス40は、STKMヌルプログラムメッセージ2000にアクセスすることができないか、またはアクセスすべきでない場合、メッセージを無視することができる。したがって、クレジットは減分されず、検証メッセージ1810がサービスプロバイダ30に送信されることはない。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、検証メッセージを受信しないので、クレジットが転送されなかったことをマーチャント50に通知する支払い応答メッセージ1812を送信することになる。そのようなシナリオでは、マーチャント50は、クレジットまたはクーポンを拒否し、ユーザにサービスまたは製品の代金の他の形の支払いを使用するように要求することができる。
【0094】
クレジットの使用を管理するために、いくつかのルールを定義することができる。たとえば、クレジットは、有効期限を含み得るか、または、1回のみ使用され得る。説明のために、以下の例ではクーポンの使用に言及するが、本発明の範囲は、この形のクレジットに限定されない。図21は、期限切れクーポンを識別し、それをモバイルデバイス40の電子パースから削除するための実施方法のプロセスフローチャートである。モバイルデバイス40はクーポンを受信し(ステップ2100)、それをメモリに記憶する(ステップ2102)。後で、モバイルデバイスは、クーポンを使用せよという要求を受信する(ステップ2104)。上記で説明したように、要求は、ブロードキャストサービスプロバイダ30からLTKMまたはSTKMの形で受信され得る。LTKMまたはSTKMに応答してクーポンにアクセスすると、モバイルデバイス40は、クーポンの使用を可能にする前に、クーポンが期限切れであるかどうかを判定する(判定2108)。クーポンが期限切れである場合(すなわち、判定2108=「YES」)、メモリからクーポンを削除し(ステップ2112)、期限切れクーポンの削除のレポートをモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(ステップ2114)。期限切れクーポンの削除のそのようなレポートはユニキャストネットワーク70を介して送信できる。クーポンが期限切れでない場合(すなわち、判定ステップ2108=「NO」)、上記で説明したように、受信したLTKMまたはSTKMに基づいてクーポンを購買に適用する(ステップ2110)。
【0095】
図22は、使用されるクーポンを識別し、削除するための例示的な実施方法のプロセスフローチャートである。モバイルデバイス40はクーポンを受信し(ステップ2100)、それをメモリに記憶する(ステップ2102)。モバイルデバイスは、クーポンを使用せよという要求を受信する(ステップ2104)。上記で説明したように、要求は、ブロードキャストサービスネットワーク30からLTKMまたはSTKMの形で受信され得る。LTKMまたはSTKMに応答してクーポンにアクセスすると、モバイルデバイス40は、購買トランザクションの代金を支払うためにクーポンを減分する前に、クーポンがすでに使用されたかまたは以前に複製されたかどうかを判定する(判定2200)。この判定は、クーポンを、1人のユーザが1回だけ使用できるか、すべてのユーザが1回ずつ使用できるか、販売促進期間中に複数回使用できるか、またはクーポン作成者が想定し得る他の使用パターンに従って使用できるように定義することを可能にする。クーポンが使用されたかまたは以前に複製された場合(すなわち、判定2200=「YES」)、メモリからクーポンを削除し(ステップ2112)、削除のレポートをユニキャストネットワーク70を介してモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(ステップ2114)。クーポンが以前に使用されていないかまたは複製されていない場合(すなわち、判定ステップ2108=「NO」)、上記で説明したように、受信したLTKMまたはSTKMに基づいてクーポンを購買に適用する(ステップ2110)。
【0096】
上記の実施形態の説明では、ユニキャストネットワークを介してモバイルブロードキャストサービスプロバイダと通信するモバイルデバイスに言及したが、他の通信リンクを使用することができる。たとえば、クレームおよび本発明の範囲から逸脱することなく、エニーキャストネットワーク通信を介してモバイルブロードキャストサービスプロバイダネットワーク内のサーバプール(server pool)にそのようなメッセージを配信することができる。
【0097】
上記の実施形態は、長期復号鍵メッセージ(たとえば、LTKM)によってモバイルデバイスにクーポンまたはトークンを配信し、短期復号鍵メッセージ(たとえば、STKM)によってクーポンまたはトークンの減分を制御するが、クレームは、現在、知られているモバイルブロードキャスト規格の一部ではない専用クーポントランザクションメッセージを使用する実装形態を包含することができる。そのような規格が専用クーポントランザクションメッセージを含むように変更された場合、そのようなメッセージは、本明細書で説明する短期および長期復号鍵メッセージの要素の多くを含み、それらと同様に処理されるであろう。
【0098】
公開鍵暗号法および電子署名クーポンを使用することによって、ユーザおよび/または小売業者(retailer)は、それぞれ、元の発行者に連絡することなしにクーポンが真正であることを検証することができ、または、発行されたすべてのクーポンの複製を記憶することができる。一実施形態では、クーポンを発行し、それを単一の人またはユーザグループのみが使用でき、他者が再利用できないようにすることができる。そのような場合、多目的署名618o中のダイジェストは、クーポンオブジェクトのコンテンツ全体をカバーするだけでなく、クーポンを使用することを許可(authorized)されたユーザ(またはユーザグループ)のアカウント識別情報、ならびにクーポン記録の他の態様をも、カバーすることができる。デジタル署名技法を使用してクーポンが認証されるとき、署名は無許可のアカウント識別情報を用いて検証しないので、自らに発行されなかったクーポンをサブミットしようと試みるサードパーティは容易に検出されることになる。
【0099】
一実施形態では、X.509署名階層を使用して多目的署名618oを形成することができる。X.509は、特に、ルートX.509機関により信頼される機関によって署名が生成されたことを受信者が確認することを可能にする、公開鍵証明書(public-key certificates)のフォーマットと証明パス検証アルゴリズム(certification path validation algorithms)とを指定する公開鍵インフラストラクチャのための周知のITU−T規格である。要するに、デジタル署名は証明書のチェーンによって得られ、各証明書はより高い証明書を示し(pointing)、証明書のチェーンは、クーポン引き換え者(coupon redeemer)によって記憶された信頼できるX.509証明書に係属する(pending)。X.509機関を活用することによって、ルートX.509機関は、他の会社が、子証明書を渡すことによって有効なクーポンを発行することを許可することができる。このようにして、クーポン検証エンティティは、クーポンを発行することを望む会社にクーポン署名証明書を渡すことができ、その会社は、次いで、検証可能なクーポンを発行するためにそれらの証明書を使用する個々のビジネスユニットまたは部門に子証明書を発行することができる。X.509署名階層を使用するデジタル署名によって検証されたクーポンを提示されたマーチャントポイントオブセールシステムまたはマーチャントサーバ50は、X.509機関によって与えられたキャッシュされた検証証明書を使用して、個々のクーポン発行者との信頼関係を確立する必要なしに、そのクーポンを検証することができる。したがって、X.509署名階層を使用して形成されたデジタル署名の使用は、マーチャントシステムが、X.509機関を信頼するとき、クーポンを検証することを可能にし、それによって、様々な実施形態による、配信されたクーポンの引き換えを大幅に簡略化することができる。これは、マーチャントシステムが、クーポン発行者と通信する必要なしにクーポンを検証することを可能にする。
【0100】
一実施形態では、デジタル署名をもつクーポンを作成し、モバイルマルチメディアブロードキャストネットワークを介してモバイルデバイス40にブロードキャストすることができる。図23に、署名をもつクーポンをブロードキャストするための実施方法を示す。一実施形態では、マーチャントサーバ50は、クーポン取得のためのアクセス情報(たとえばURLおよびクーポンID番号など)を含むクーポンテンプレートを作成し(ステップ2302)、ネットワーク(たとえばインターネットなど)を介してクーポンテンプレートをモバイルブロードキャストプロバイダ30に送信する(ステップ2304)。モバイルブロードキャストプロバイダ30は、マーチャントサーバ50からクーポンテンプレートを受信し、暗号化し、ブロードキャストする(ステップ2306)。モバイルデバイス40は、ブロードキャスト送信から暗号化クーポンテンプレートを受信する(ステップ2308)。モバイルデバイス40は、TEKを使用することによってクーポンテンプレートを復号化する(ステップ2310)。上記で説明したように、TEKは、モバイルデバイス40がモバイルブロードキャストプロバイダ30から受信したLTKMとSTKMとに基づいて取り出される。モバイルデバイスが、ブロードキャストされたクーポンの指定受信者(intended recipients)のうちの1つである場合、モバイルデバイス40は、デバイスがクーポンテンプレートを復号化することを可能にするTEKを(LTKMおよびSTKM方法によって)受信することができる。モバイルデバイスが、クーポンの対象であるグループの部分でない場合、モバイルデバイス40は、対応するTEKを有せず、したがってクーポンテンプレートを復号化することができないことになる。クーポンテンプレートを復号化すると、モバイルデバイス40は、マーチャントサーバ50によってホスティングされる(hosted)ウェブサイトにアクセスするために、たとえばユニキャストネットワークを介するなど、インターネット90を使用することによって、クーポンアクセス情報を使用して、使用可能な電子クーポンを要求する(ステップ2312)。
【0101】
本実施形態では、マーチャントサーバ50は、モバイルデバイス40の電子クーポンの要求を受信するクーポンデータリポジトリ(coupon data repository)として働くことができる(ステップ2314)。マーチャントサーバ50は、オープンなインターネット接続を介して、初期要求中で搬送されないデバイス識別情報ならびにクーポンデータの要求をモバイルデバイス40に送信する(ステップ2316)。モバイルデバイス40は、インターネット90を介して識別情報とクーポンデータとの要求を受信し(ステップ2318)、それに応答して、要求されたデータをマーチャントサーバ50に送信する(ステップ2320)。そのようなモバイルデバイス識別情報は、マーチャントサーバ50に対してデバイスおよび/またはユーザを識別する任意の形の情報とすることができる。そのような情報の例には、デバイス識別子(たとえば、MAC ID)、デバイス電話番号、ユーザアカウント番号、メンバーシップ番号、ユーザ名、マーチャントサーバ50に知られている、デバイスメモリに記憶された秘密の番号(secret number)(たとえば個人識別番号(PIN))などがある。トランザクション中に、モバイルデバイスは、これらのデバイス識別子のうちの1つまたは複数をサブミットする必要があり得る。
【0102】
様々な方法を使用して、デバイス識別情報データをマーチャントサーバ50に送信することができる。たとえば、情報の要求に応答するなどして、デバイス識別情報データをマーチャントサーバ50に自動的に送信することができる。そのような実装形態では、モバイルデバイス40は、マーチャントサーバ50への応答メッセージ中で要求された識別情報パラメータを与えることによって、マーチャントサーバ50の要求に自動的に応答するように構成できる。代替的に、モバイルデバイスは、ユーザに要求について通知し、ユーザ命令時にのみデバイス識別情報データをマーチャントサーバ50に送信することができる。そのような実装形態では、モバイルデバイス40は、マーチャントサーバ50からの識別情報データの要求についてユーザに通知し、要求されたデータを送信することを承認(approve)または拒否(disapprove)するようにユーザを促し、マーチャントサーバ50へのそのような識別情報データの送信を可能にするユーザ入力を受け取ったときのみ応答するように構成できる。
【0103】
マーチャントサーバ50は、識別情報とクーポンデータとを使用して、デジタル署名を含むクーポンを作成する(ステップ2324)。デジタル署名ダイジェストは、要求元デバイス識別情報とクーポンIDとを含むことができる。上記で説明したように、デジタル署名は、ルートX.509機関にさかのぼって関係するX.509署名階層をもつ証明書を使用して生成され得る。以下で説明するように、デバイス情報とクーポンIDをもつデジタル署名を使用して、ポイントオブセールにおいてクーポンを受け付ける前にクーポンの真正性を検証することができる。ポイントオブセールにおける検証方法については、図25を参照しながら以下でより詳細に説明する。マーチャントサーバ50は、ブロードキャストプロバイダ30に署名付きクーポンを送信する(ステップ2326)。ブロードキャストプロバイダ30は、ユニキャストネットワークを使用して、マーチャントサーバ50からモバイルデバイス40に署名付きクーポンを中継する(ステップ2330)。代替的に、マーチャントサーバ50は、インターネット90によるオープンな通信リンクを直接介して署名付きクーポンをモバイルデバイス40に送信することができる。モバイルデバイス40は、署名付きクーポンを受信し、記憶し(ステップ2330)、トランザクションにおいて現在使用できる電子クーポンの受信に関してユーザに通知する(ステップ2332)。
【0104】
代替実施形態では、URLを与える代わりに、クーポンテンプレートは、たとえば電話番号のような異なる通信インジケータまたはアドレスを含むことができる。そのような実施形態では、モバイルデバイス40は、デバイス識別情報を交換し、署名付きクーポンを受信するために、たとえばSMSまたはMMS通信方法を使用するなどして、通信ネットワークを介してマーチャントサーバ50と通信することができる。
【0105】
図24に、マーチャントサーバ50が、ブロードキャストクーポンを暗号化する必要なしに、モバイルデバイス40へのブロードキャストのための署名付き電子クーポンを作成することができる他の実施方法を示す。本実施形態では、マーチャントサーバ50は、従来の署名方法を使用して、クーポンデータと、クーポン識別番号(coupon identity number)と、(知られている場合)指定受信者モバイルデバイス識別情報データとを包含するデジタル署名をもつクーポンを作成し(ステップ2402)、ブロードキャストすべき署名付きクーポンをモバイルブロードキャストプロバイダ30に送信する(ステップ2404)。上記で説明したように、デジタル署名は、ルートX.509機関にさかのぼって関係するX.509署名階層をもつ証明書を使用して生成され得る。前述の実施形態の場合と同様に、モバイルデバイス識別情報データは、たとえばデバイスMAC ID、電話番号、PIN、アカウント番号、またはグループ番号のような、任意の1つまたは複数のデバイス識別子を含むことができる。グループ番号は、たとえばマーチャントとの契約またはインタラクションを介するなどして、加入するモバイルデバイス40に割り当てられ得るか、またはモバイルデバイスまたはユーザのグループに割り当てられる(すなわち、グループID)。たとえば、マーチャントは、ユーザが、サインアップし、電子クーポンを受信するためにユーザのモバイルデバイス内に記憶され得るグループ識別子を受信することができる、頻繁な顧客報酬プログラム(frequent customer rewards program)を有し得る。この例では、マーチャントは、登録された顧客のみがブロードキャストネットワークを介して引き換えできるクーポンを受信するように、ブロードキャストのために顧客報酬プログラム識別子を用いて署名された電子クーポンを発行することができる。
【0106】
モバイルブロードキャストプロバイダ30は、マーチャントサーバ50から署名付きクーポンを受信し、それを通常のブロードキャスト送信の一部としてブロードキャストする(ステップ2406)。この例示的な実施形態では、いくつかのモバイルデバイスのみがクーポンを受信し、処理することを保証するために、デジタル署名を使用して、ユーザとマーチャントサーバとがクーポン使用を検証することができるので、ブロードキャストプロバイダ30は、署名付きクーポンをブロードキャストする前に、それを暗号化する必要はない。
【0107】
マーチャントサーバ50からデジタル署名付きクーポンを受信し、復号化するために、モバイルデバイス40をマーチャントサーバ50に事前登録することができる。事前登録の一部として、マーチャントは、ユーザのモバイルデバイス上に記憶するための復号鍵を与えることができる。そのような復号鍵は、たとえばX.509検証証明書など、マーチャントサーバ50がモバイルデバイス40と共有し得る標準の公開復号鍵とすることができる。さらに、事前登録プロセス中に、モバイルデバイス40は、マーチャントサーバ50とデバイスデータを共有することができる。マーチャントサーバ50は、事前登録中に受信されたそのようなデバイスデータを記憶し、使用して、そのデータを含むクーポンを作成することができ、デジタル署名は、クーポンデータとともにデバイスデータを含む。デジタル署名は、デバイスデータを用いてのみ検証できるので、この方法は、特定のモバイルデバイスによってのみ使用され得る電子クーポンの生成を可能にする。これにより、ブロードキャストネットワーク80を介して非暗号化方法で、個々のユーザまたはユーザの小さいグループに与えられるクーポンをブロードキャストすることが可能になる。
【0108】
ブロードキャストされたデジタル署名付きクーポンを受信すると(ステップ2408)、モバイルデバイス40は、事前登録中に受信された復号鍵を使用してクーポン署名を復号化する(ステップ2410)。署名を復号化することによって、モバイルデバイス40は、たとえばクーポンデータ、デバイスIDなど、暗号化署名データにアクセスし(ステップ2412)、署名から取り出されたIDがデバイスに記憶されたものと一致するかどうかを判定する(判定2414)。デジタル署名がX.509署名証明書を使用して生成されるとき、モバイルデバイスはまた、クーポンが、ルートX.509機関によって信頼された、したがって信頼できる企業によって信頼されたエンティティによって発行されたことを検証することができる。適切な復号鍵を有しないモバイルデバイスは、ブロードキャストされたクーポンを受信することはできるが、署名を復号化することはできず、したがってデータを無視することになる。
【0109】
署名中の受信されたデバイスデータがモバイルデバイスデータに一致する場合(すなわち、判定2414=「YES」)、モバイルデバイス40は、クーポンをモバイルデバイス40のメモリに記憶し(ステップ2416)、トランザクションにおいて現在使用できる電子クーポンの受信についてユーザに通知する(ステップ2418)。復号化された署名から得られたデバイスデータがモバイルデバイス40のデータに一致しない場合(すなわち、判定2414=「NO」)、モバイルデバイス40は、そのクーポンを、モバイルデバイス40を対象としないクーポンとして無視する(ステップ2420)。また、モバイルデバイス40は、クーポン署名を復号化するために必要とされる復号鍵を有しない場合、受信したクーポンを無視する。ブロードキャスターの暗号化方法(たとえば、上記で説明したLTKMおよびSTKM方法)を使用せずに、モバイルブロードキャストネットワークを介して特定のユーザまたはユーザのグループに検証可能な電子クーポンを与えるために、暗号化とデジタル署名との様々な組み合せを同様にして採用することができる。
【0110】
マーチャントのポイントオブセール(POS)において、様々な方法でデジタル署名付きクーポンの引き換えを行うことができる。たとえば、クーポンタイプに応じて、ポイントオブセールにおいて商品を割引または無料で購入することができる。図25に、ポイントオブセールにおいて購買トランザクション中に署名付きクーポンの引き換えを行うための実施方法を示す。販売トランザクション中に(たとえば「チェックアウト」中に)、ユーザは、署名付きクーポンを記憶するモバイルデバイス40をPOSシステム95に提示する。たとえば周知の近距離場通信(NFC)リンクを使用するなどして、モバイルデバイス40とPOSシステムは通信リンクを交渉し、モバイルデバイス40は、次いで、通信リンクを介してデバイス識別情報データとともに電子クーポンデータを送信する(ステップ2502)。POSシステム95は、署名付きクーポンとデバイス識別情報データとを受信し(ステップ2504)、署名付きクーポンの検証を要求する要求をマーチャントサーバ50に送信する(ステップ2506)。
【0111】
POSからの検証要求メッセージは、クーポン署名と、クーポンIDと、受信したデバイス識別情報データとを含むことができる。マーチャントサーバ50は、検証要求メッセージを受信し(ステップ2508)、署名を復号化し(ステップ2510)、署名から取り出されたクーポンIDおよびデバイス識別情報データを、POSから受信したクーポンIDおよびデバイス識別情報データと比較する(ステップ2512)。デジタル署名がX.509署名証明書を使用して生成されるとき、マーチャントサーバ50はまた、クーポンが、ルートX.509機関によって信頼された、したがって信頼できる企業によって信頼されたエンティティによって発行されたことを検証することができる。デジタル署名が正しく復号化され(これは、発行者が信頼できることを確認する)、署名から取り出されたクーポンIDおよびデバイス識別情報データが、検証要求メッセージ中でPOSシステムから受信したものに一致する場合(すなわち、判定2510=「YES」)、マーチャントサーバ50はクーポンを検証する(ステップ2514)。
【0112】
クーポンを検証することの一部として、マーチャントサーバ50はまた、クーポンがすでに引き換えられたかどうかを判定するために、クーポンのデータベース(たとえば、以下で説明する無効クーポンオブジェクトリスト)中のクーポンIDを探索することができ、クーポンが満了したかどうかを判定するために、クーポンフィールドを確認することができる。クーポンがデジタル署名によって検証され、データレコードが、クーポンがまだ引き換えられておらず、満了していないことを示す場合、マーチャントサーバ50は検証メッセージをPOSシステムに送信する(ステップ2516)。POSシステムは、検証メッセージを受信し(ステップ2518)、クーポンを購買トランザクションに適用する(ステップ2520)。POSシステムは、マーチャントサーバ50にクーポンの使用に関して通知するために、クーポン使用メッセージをマーチャントサーバ50に随意に送信する(ステップ2522)。POSシステムはまた、クーポンキャンセルメッセージをモバイルデバイス40に送信する(ステップ2526)。マーチャントサーバ50は、クーポン使用メッセージを受信し(ステップ2524)、クーポンIDが引き換えられたということを記録する。モバイルデバイス40は、キャンセルメッセージを受信し、メモリからクーポンを削除する(ステップ2528)。
【0113】
署名から取り出されたクーポンIDおよびデバイス識別情報データが、POSから受信したものに一致しない場合(判定2510=「NO」)、あるいはクーポンが満了したかまたはすでに引き換えられた場合、マーチャントサーバ50は、クーポンを拒否し(ステップ2530)、拒否メッセージをPOSシステムに送信する(ステップ2532)。POSシステムは、拒否メッセージを受信し、購買トランザクション中にクーポンを拒否する(ステップ2534)。
【0114】
図26に、以前に引き換えられたかまたは満了したデジタル署名付きクーポンをキャンセルするための実施方法を示す。署名付きクーポンを検証または拒否すると、マーチャントサーバ50は、クーポンを他の購買トランザクションのために使用すべきでないことをモバイルデバイス40に通知するために、クーポンキャンセルメッセージをモバイルデバイス40に随意に送信する(ステップ2602)。クーポンキャンセルメッセージは、たとえばSMS、電子メール、MMSまたは他の従来の方法など、ユニキャストネットワークを使用してモバイルデバイス40に送信できる。モバイルデバイス40はクーポンキャンセルメッセージを受信する(ステップ2604)。クーポンキャンセルメッセージを受信することの一部として、モバイルデバイス40は、メモリから対応するクーポンデータを削除する前に、キャンセルメッセージの真正性を検証するために、それに関連するデジタル署名を確認することができる。このデジタル署名は、モバイルデバイス40が、キャンセルメッセージが許可された機関(authorized authority)によって送信されたことを検証することを可能にするために、X.509署名階層を使用して形成され得る。
【0115】
クーポンキャンセルメッセージを受信し、検証すると、モバイルデバイス40は、モバイルデバイス40に記憶されたクーポンを削除し(ステップ2605)、モバイルデバイスメモリ中のクーポンの削除またはキャンセルの肯定応答(acknowledging)を、マーチャントサーバ50に応答する(ステップ2606)。クーポンを削除するかまたはキャンセルし、クーポンのキャンセル/削除を確認するメッセージをマーチャントサーバ50に送信するようにモバイルデバイスを構成することは、同じクーポンを複数回現金化しようと試みる悪徳ユーザからマーチャントおよびクーポン発行者を保護する。
【0116】
クーポン配信および引き換えシステムの確実な動作を保証するために、マーチャントサーバ50は、判定ステップ2608において、クーポンキャンセルメッセージ肯定応答(coupon cancellation message acknowledgement)が受信されたかどうかを確認することができる。クーポンキャンセル肯定応答メッセージが受信された場合(すなわち、判定ステップ2608=「YES」)、マーチャントサーバ50が、クーポンを検証し、引き換えをするプロセスは終了する(ステップ2616)。しかしながら、クーポンキャンセル肯定応答メッセージが受信されていない場合(すなわち、判定ステップ2608=「NO」)、マーチャントサーバ50は、引き換えられたクーポンを追跡するために、サーバが維持するか、またはサーバがアクセス可能なデータベース中に「無効クーポンオブジェクト(dead coupon object)」を作成する(ステップ2610)。サーバアクセス可能データベース中での無効クーポンオブジェクトの作成は、以前に引き換えられたクーポンがマーチャントに2回目に提示された場合、サーバがそのクーポンを認識することを可能にする。したがって、図25中のステップ2514を参照しながら上記で説明したクーポン検証プロセスの一部として、マーチャントサーバ50はまた、そのクーポンが引き換えられたとして掲示されているかどうかを判定するために、無効クーポンオブジェクトデータベースを確認することができる。一実施形態では、無効クーポンオブジェクトの作成はカウントダウンタイマーを開始することができ、カウントダウンタイマーは、ステップ2612において終了したとき、クーポンが無効クーポンオブジェクトデータベースなどのデータベース中にまだ掲示されているかどうかを判定するようにマーチャントサーバ50を促す。マーチャントサーバ50が、その時点で、引き換えられたクーポンをまだ追跡している場合(すなわち、判定ステップ2614=「YES」)、マーチャントサーバは、他のクーポンキャンセルメッセージをモバイルデバイス40に送信するためにステップ2602に戻る。マーチャントサーバ50が引き換えられたクーポンをもはや追跡していない場合(すなわち、判定ステップ2614=「NO」)、マーチャントサーバ50が、クーポンを検証し、引き換えをするプロセスは終了する(ステップ2616)。期限切れクーポンは、その満了パラメータに基づいて拒否されるので、クーポン自体が満了したときも、このプロセスは終了する。
【0117】
一実施形態では、マーチャントサーバ50によって作成された電子クーポンは、それらのクーポンを組み合わせることができるかどうかと、そうであれば、それらのクーポンを他のクーポンと組み合わせることができる範囲とを定義するためにマーチャントによって使用され得る、重み値を含むことができる。マーチャントは、いくつかのクーポンの組み合せが許されるかどうかを判定するために、割り当てられたクーポン重みを使用するための、POSシステムが使用するルールを確立することができる。マーチャントサーバ50は、POSシステムに提示されたクーポンに割り当てられた重み数の合計が所定の最大値よりも大きい場合、それらのクーポンの組み合せが許されないようなルールを実装することができる。たとえば、マーチャントは、クーポンAに重み数0.2を割り当て、クーポンBに重み数0.5を割り当て、クーポンCに重み数0.9を割り当てることができる。マーチャントは、複数のクーポンがPOSシステムに提示されたとき、クーポンに割り当てられた重み数の合計が1よりも大きい場合、それらのクーポンの組み合せは許されないというルールをさらに実装することができる。そのようなルールの下で、クーポンA(0.2)とクーポンB(0.5)とに割り当てられた重み数の合計は1よりも小さいので、クーポンAとクーポンBとの組み合せは許されるであろう。しかしながら、同じルールの下で、クーポンAとクーポンBとに割り当てられたクーポン重み数の合計は1.1に等しく、1よりも大きいので、クーポンAとクーポンCとの組み合せは許されない。この例では、クーポン重みの合計が1よりも大きいので、クーポンAとBとCとを組み合わせることも許されない。このプロセスはまた、マーチャントシステムが元の(1つまたは複数の)クーポン発行者に連絡する必要なしにクーポンを検証し、受け付けることを可能にする。
【0118】
図27に、重みをもつ複数のクーポンの組み合せ使用が許されるかどうかを判定するための実施方法を示す。クーポン発行者は、クーポン発行プロセスの一部として、クーポンに重み数を割り当てる(ステップ2702)。購買トランザクション中に、クーポンマネージャ(たとえばマーチャントサーバ50)は、POSシステム(図25参照)から2つ以上のクーポンのクーポンデータを含んでいるクーポン検証要求を受信する(ステップ2704)。クーポンマネージャは、クーポン重みの合計を計算し(ステップ2708)、クーポン重みの合計が予め定められた数「n」よりも大きいかどうかを判定する(判定2710)。2つ以上のクーポンの重みの合計が「n」以下の場合(すなわち、判定2710=「YES」)、マーチャントサーバ50は、1つの購買トランザクションのための2つ以上のクーポンの組み合せ使用を検証する(ステップ2714)。2つのクーポンの重みの合計が「n」よりも大きい場合(すなわち、判定2710=「NO」)、マーチャントサーバ50は、1つの購買トランザクションのための2つ以上のクーポンの組み合せ使用を拒否する(ステップ2712)。組み合わされたクーポンの受付けまたは拒否は、図25を参照しながら上記で説明したのと同様に、検証または拒否メッセージ中でPOSシステムに伝達できる。
【0119】
様々な実施形態での使用に好適な典型的なモバイル受信機デバイス40は、図28に示すコンポーネントを共有する。たとえば、例示的なモバイル受信機デバイス40は、内部メモリ192とディスプレイ193とスピーカー199とに結合されたプロセッサ191を含み得る。さらに、モバイル受信機デバイス40は、プロセッサ191に結合されたワイヤレスデータリンクおよび/またはセルラー電話トランシーバ195に接続される、電磁波(electromagnetic radiation)を送信および受信するためのアンテナ194を有し得る。いくつかの実装形態では、セルラー電話通信のために使用されるトランシーバ195ならびにプロセッサ191およびメモリ192の部分を、ワイヤレスデータリンクを介するデータインターフェースを与えることから、エアインターフェースと総称する。モバイル受信機デバイスは、一般に、ユーザ入力を受け取るためのキーパッド196または小型キーボードおよびメニュー選択ボタンまたはロッカースイッチ(rocker switches)197をも含む。
【0120】
プロセッサ191は、本明細書で説明した様々な実施形態の機能を含む、様々な機能を実行するようにソフトウェア命令(アプリケーション)によって構成できる任意のプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいは1つまたは複数の多重プロセッサチップとすることができる。モバイルデバイスによっては、たとえば1つのプロセッサをワイヤレス通信機能専用とし、1つのプロセッサを他のアプリケーションの実行専用とするなど、複数のプロセッサ191を設けることができる。一般に、ソフトウェアアプリケーションは、アクセスされ、プロセッサ191にロードされる前に内部メモリ192に記憶され得る。一部のモバイルデバイスでは、プロセッサ191は、アプリケーションソフトウェア命令を記憶するのに十分な内部メモリを含むことができる。モバイルデバイス40は、様々な実施形態によれば、たとえば、電子パース中などのクレジット、トークンおよびクーポンに関係する情報を記憶するためのスマートカードなど、別個のメモリチップ190をも含むことができる。一部のモバイルデバイスでは、セキュアなメモリは、プロセッサ191に結合された別個のメモリチップ中にあることができる。多くのモバイルデバイス40では、内部メモリ192は、揮発性メモリもしくは不揮発性メモリ(たとえばフラッシュメモリ)、またはそれら両方の混合とすることができる。本明細書では、メモリへの一般的言及(general reference)は、内部メモリ192と、メモリチップ190と、モバイルデバイスに接続されるリムーバブルメモリと、プロセッサ191自身の内部のメモリとを含む、プロセッサ191によってアクセス可能なすべてのメモリを指す。
【0121】
上記で説明した多くの実施形態はまた、たとえば図29に示すサーバ2800など、様々なリモートサーバデバイスのいずれでも実装できる。そのようなサーバ2800は、一般に、揮発性メモリ2802と、ディスクドライブ2803などの大容量不揮発性メモリとに結合されたプロセッサ2801を含む。サーバ2800は、プロセッサ2801に結合されたフロッピー(登録商標)ディスクドライブおよび/またはコンパクトディスク(CD)ドライブ2806をも含むことができる。サーバ2800はまた、インターネットなど、ネットワーク回路2805とのデータ接続を確立するための、プロセッサ2801に結合されたネットワークアクセスポート2804を含むことができる。
【0122】
上記の方法の説明およびプロセスフローチャートは、単に説明のための例として提供したものであり、様々な実施形態のステップを提示された順序で実行しなければならないことを要求または暗示するものではない。当業者なら諒解するように、上記の実施形態におけるステップの順序は、どんな順序でも実行できる。「その後(thereafter)」、「次いで、そして(then)」、「次に(next)」などの単語は、ステップの順序を限定するものではなく、これらの単語は、単に、読者に方法の説明を案内するために使用される。さらに、たとえば、冠詞「a」、「an」または「the」を使用する単数形のクレームの要素への言及は、その要素を単数形に限定するものと解釈すべきではない。
【0123】
本明細書で開示した実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップを、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合せとして実装できる。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課せられた設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0124】
本明細書で開示した態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合せを用いて実装または実行できる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装することもできる。代替的に、いくつかのステップまたは方法は、所与の機能に固有の回路によって実行できる。
【0125】
1つまたは複数の例示的な態様では、説明する機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合せで実装することができる。ソフトウェアで実装した場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶するか、あるいはコンピュータ読み取り可能な媒体を介して送信することができる。本明細書で開示した方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ読み取り可能な媒体上に常駐することができる、実行されるプロセッサ実行可能なソフトウェアモジュールで実施することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、ある場所から他の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶デバイスまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを担持または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる、任意の他の媒体を含むことができる。また、いかなる接続もコンピュータ読み取り可能な媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組み合せもコンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含めるべきである。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込むことができる、機械読み取り可能な媒体および/またはコンピュータ読み取り可能な媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組み合せ、あるいはそのセットとして常駐することができる。
【0126】
開示した実施形態の上記の説明は、当業者が本発明を製作または使用できるように提供したものである。これらの実施形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用できる。したがって、本発明は、本明細書で示した実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲ならびに本明細書で開示した原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、そのすべての内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2008年4月4日に出願された「Method and Apparatus for Enabling and Applying Coupon and Token Usage in Mobile Television」と題する米国仮出願第61/042,597号、2008年6月13日に出願された「Coupons for Broadcast Content Redemption」と題する米国仮出願第61/061,556号、および2008年12月5日に出願された「Enhanced Coupons for Broadcast Content Redemption」と題する米国仮出願第61/120,355号の優先権の利益を主張する、2009年4月2日に出願された「Systems And Methods For Distributing And Redeeming Credits On A Broadcast System」と題する米国特許出願第12/417,493号の一部継続出願(CIP)であり、その優先権の利益を主張する。
【0002】
本出願はまた、2008年12月5日に出願された「Enhanced Coupons for Broadcast Content Redemption」と題する米国特許出願第61/120,355号の優先権の利益を別個に主張する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信技術は、過去数年にわたって爆発的な成長を経験してきた。モバイル大衆(the mobile public)に移動の自由を与え、配線接続された通信システムへの束縛を断ち切るワイヤレスサービスによって、この成長は加速された。さらに、ワイヤレス媒体を介したボイスおよびデータ通信の品質および速度の向上がさらなるユーザを引きつけた。これらのサービス拡張の結果として、ワイヤレスサービスのポピュラリティー(popularity)は急速に成長し続けることが予想される。
【0004】
ワイヤレス通信技術への最近の追加は、モバイルユーザにテレビジョンをブロードキャストする能力である。モバイルブロードキャストユーザは、自分のセルフォンまたは他のワイヤレスデバイスを使用して、ニュース、エンターテインメント、スポーツ、ビジネス、および他の番組のモバイル版を視聴(view)することができる。これらのブロードキャストシステムは、世界中で使用量(usage)および可用性(availability)の著しい増加を経験している。現在、モバイルテレビジョンおよびブロードキャストシステムのユーザは、番組コンテンツを受信するために料金を支払う。これらの料金は、サービスプロバイダおよび選択されたサービスレベルによって異なる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書の様々な実施形態は、受信機デバイスユーザにデジタル署名付きクーポン(digitally signed coupons)を配信し、ブロードキャストコンテンツを視聴する権利を購入するか、または製品もしくはサービスを購入するために、それらのクーポンの引き換え(redeeming)を行うための方法およびシステムを提供する。一実施形態では、暗号化クーポンテンプレート(encrypted coupon templates)を、ブロードキャストネットワークを介して受信機デバイスユーザに配信することができる。受信機デバイスは、クーポンテンプレートを復号化(decrypt)し、クーポンテンプレートから得られたデータを使用して、クーポンマネージャにデジタル署名付きクーポンを要求することができる。クーポンマネージャは、デジタル署名付きクーポンの要求をデバイスデータとともに受信することができる。クーポンマネージャは、デバイスデータを使用してデジタル署名付きクーポンを作成し、ユニキャストネットワークまたはインターネットを介して要求元受信機デバイスに配信することができる。偽造クーポン、または正当なクーポン保有者(legitimate coupon holders)への他のなりすましを防ぐために、クーポン識別情報を含むクーポン記録全体にわたって、クーポンに対する署名を計算することができる。
【0006】
さらなる実施形態では、デジタル署名付きクーポンを、ブロードキャストネットワークを介して受信機デバイスに配信することができる。受信機デバイスは、受信したクーポン署名を復号化して、クーポンがその受信機デバイスを対象としているかどうかを判定することができる。デジタル署名において受信されたデータが、受信機デバイスが所有するデータに一致する場合、受信機デバイスはクーポンをメモリに記憶することができる。デジタル署名において受信されたデータが、受信機デバイスが所有するデータに一致しない場合、受信機デバイスはクーポンを無視することができる。
【0007】
さらなる実施形態では、デジタル署名付きクーポンは、ポイントオブセールにおいて引き換えられることができる。クーポンをポイントオブセールにおいて提示すると、ポイントオブセールシステムは、クーポンデータとデジタル署名とに基づいてクーポンを検証することができる。代替的に、マーチャントポイントオブセールシステムが、クーポンと受信機デバイスデータとをクーポンマネージャに送信することによってクーポンを検証するようにクーポンマネージャに要求すべきであることを、クーポン自体が示すことができる。クーポンマネージャは、クーポン署名を復号化し、クーポンおよび受信データが、クーポン署名から取り出されたデータに一致するかどうかを判定することができる。データが一致する場合、クーポンマネージャは、提示されたクーポンを使用する購買トランザクション(purchase transaction)を許可(authorize)または認証(authenticate)するために、検証メッセージをポイントオブセールに送信することができる。受信機デバイスから提示されたクーポンを削除(delete)またはキャンセル(cancel)するために、キャンセルメッセージを受信機デバイスに送信することもできる。データが一致しない場合、クーポンマネージャは、クーポンが真正でない(not authentic)かまたは購買トランザクションに対して認証されていないことをマーチャントに通知するために、拒否メッセージをポイントオブセールに送信することができる。
【0008】
さらなる実施形態では、デジタル署名付きクーポンは重み付けされた数を含むことができる。クーポンマネージャは、そのような重み数を使用して、2つ以上のクーポンを単一の購買トランザクションにおいて組み合わせることができるかどうかを判定することができる。クーポンマネージャは、ポイントオブセールからクーポンデータを受信し、重み数の合計を計算することができる。いくつかのクーポンの重み数の合計が所定の数よりも大きい場合、クーポンの組み合せを拒否することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を示し、上記の概略的な説明および下記の発明を実施するための形態とともに、本発明の特徴を説明するのに役立つ。
【図1】モバイルブロードキャストを受信するように受信機デバイスをセットアップ(provision)するために使用される従来の方法のプロセスフローチャート。
【図2】様々な実施形態による、クーポンを受信機デバイスに与えるための概要プロセスのプロセスフローチャート。
【図3】モバイルブロードキャストTVシステムの様々なコンポーネントを示すネットワークコンポーネントダイアグラム。
【図4】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図5】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための一実施方法のメッセージフローチャート。
【図6】サブスクリプション応答メッセージの一実施形態のメッセージ構造図。
【図7A】ボーナスクレジット要素の一実施形態のメッセージ構造図。
【図7B】クーポン要素の他の実施形態のメッセージ構造図。
【図7C】一実施形態による、クーポンドキュメントとサービスガイドフラグメントとの間のポインタ参照を示す図。
【図8】ボーナスクレジット要素の一実施形態のメッセージ構造図。
【図9】一実施形態において使用する起こり得るエラーコードのリスト。
【図10A】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図10B】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための他の実施方法のプロセスフローチャート。
【図11A】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための図10Aに示す実施方法のメッセージフローチャート。
【図11B】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための図10Bに示す実施方法のメッセージフローチャート。
【図12】トークン購買応答の一実施形態のメッセージ構造。
【図13】クレジットまたはクーポンを受信機デバイスに配信するための他の実施方法のプロセスフローチャート。
【図14】図13に示す実施形態のメッセージフローチャート。
【図15】クレジットまたはクーポンの引き換えを行うための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図16】図15に示す実施形態のメッセージフローチャート。
【図17】クレジットまたはクーポンの引き換えを行うための他の実施方法のプロセスフローチャート。
【図18】図17に示す実施形態のメッセージフローチャート。
【図19】クレジットまたはクーポンの引き換えを行うための他の実施方法のプロセスフローチャート。
【図20】図20に示す実施形態のメッセージフローチャート。
【図21】期限切れクレジットまたはクーポンを管理するための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図22】使用されるクレジットまたはクーポンを管理するための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図23】暗号化クーポンテンプレートをブロードキャストし、デジタル署名付きクーポンを取り出すための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図24】デジタル署名付きクーポンをブロードキャストするための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図25】デジタル署名付きクーポンの引き換えを行うための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図26】使用されるデジタル署名付きクーポンを管理するための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図27】1つの購買トランザクションに対して2つのクーポンの組み合せを許す(permitting)ための一実施方法のプロセスフローチャート。
【図28】一実施形態での使用に好適な受信機デバイスのコンポーネントブロック図。
【図29】一実施形態での使用に好適なサーバデバイスのコンポーネントブロック図。
【詳細な説明】
【0010】
様々な実施形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。可能な場合はいつでも、同じまたは同様の部分を指すために図面全体にわたって同じ参照番号を使用する。特定の例および実装形態になされる言及は、説明のためであり、本発明の範囲または特許請求の範囲を限定するものではない。
【0011】
「例示的(exemplary)」という単語は、本明細書では「例(example)、事例(instance)、または例示(illustration)の働きをすること」を意味するために使用する。本明細書に「例示的」と記載されたいかなる実施形態も、必ずしも他の実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0012】
本明細書で使用する「受信機デバイス(receiver device)」および「モバイルデバイス(mobile device)」という用語は、本明細書では、セルラー電話と、個人情報端末(PDA)と、パームトップコンピュータと、ワイヤレス電子メール受信機(たとえば、BlackBerry(登録商標)およびTreo(登録商標)デバイス)と、マルチメディアインターネット対応セルラー電話(たとえば、BlackBerry Storm(登録商標))と、グローバルポジショニングシステム(Global Positioning System)(GPS)受信機と、ワイヤレスゲームコントローラと、モバイルブロードキャストテレビジョンサービスを受信して処理するためのプログラマブルプロセッサとメモリと受信機回路とを含む同様のパーソナル電子デバイスとのうちのいずれか1つまたはすべてを指すために互換的に使用する。本明細書で使用するモバイルデバイスは受信機デバイスであるが、いくつかの実施形態は、非モバイル受信機デバイスで実装できるので、すべての受信機デバイスが「モバイル」であるわけではない。
【0013】
「クレジット(credit)」、「インセンティブ(incentive)」、「プロモーション(promotion)」、「クーポン(coupon)」および「トークン(token)」という単語は、本明細書では、たとえば1つまたは複数のモバイルテレビジョンブロードキャストを受信するかまたは製品もしくはサービスを購入する能力のような、価値のある何かに交換され得るかまたはそれを受け取るために費やされ得る価値の単位を指すために互換的に使用する。様々な実施形態の文脈で、ベンダ、企業、またはコンテンツプロバイダは、様々な製品またはサービスを購入すること、またはあるコンテンツを視聴すること(viewing)に対して消費者に報いる(reward)ために、あるいは、特定の行動方針(course of action)をとるか、特定の番組を視聴するか、または特定の製品もしくはサービスを購入する動機を消費者に与えるために、そのようなクレジットまたはクーポンを番組の一部として発行または作成することができる。
【0014】
「ユニキャストネットワーク」という用語は、本明細書では、データを単一の宛先に送信する通信ネットワークを指すために使用する。ユニキャストネットワークの例には、WiFiおよびセルラーデータ通信ネットワークがある。ユニキャスト送信の例には、セルラー電話データ通信ネットワークを介して搬送されるシンプルメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージサービス(MMS)、および電子メールメッセージがある。
【0015】
「ブロードキャスト」という単語は、本明細書では、データが多数の受信デバイスによって受信され得るようなデータ(情報パケット)の送信を意味するために使用する。ブロードキャストメッセージの例はモバイルテレビジョンサービスブロードキャスト信号である。
【0016】
「コンテンツプロバイダ」という単語は、本明細書では、ビデオ、ウェブサイト、およびモバイルテレビジョンシステムを介してブロードキャストされる他のデータを提供する会社を指すために使用する。「ネットワークプロバイダ」という用語は、本明細書では、モバイルテレビジョン信号をブロードキャストするエンティティを指すために使用する。一般に、ネットワークプロバイダは、コンテンツプロバイダからブロードキャストコンテンツを受信する。「広告主(advertisers)」という用語は、本明細書では、マーチャント(merchants)、製造業者(manufacturers)、サービスプロバイダ、および、広告または有償の(paid for)ブロードキャストコンテンツ内でのプロダクト・プレイスメント(product placements)を購入し得る他のエンティティを概括的に指すために使用する。
【0017】
以下の参照表1は、本明細書で使用する略語のアルファベット順のリストを、それらの関連する意味とともに含む。
【表1】
【0018】
モバイルテレビジョン(TV)のポピュラリティーの拡大は、コンテンツプロバイダ、ネットワークプロバイダ、およびマーチャント、製造業者、サービスプロバイダ、および消費者に達するために新しい媒体を使用することができる他の広告主に、新しい収入源(sources of revenue)を与えた。新しい収入モデルは、モバイルテレビジョンアクセスのサブスクリプションベースの販売(subscription-based sales)と、PPVまたはPPTモバイルテレビジョンアクセスと、広告と、たとえばロイヤルティまたはインセンティブプログラムによるような消費者に対する商品およびサービスのクロス・マーケティング(cross marketing)とを含む。たとえば、モバイルTVネットワークプロバイダは、加入者(subscribers)に限定されたモバイルTVブロードキャストネットワークへのアクセスとともにユーザにサブスクリプションを販売することによって、それらのサービスから収入を発生させることができる。マーチャントまたは製造業者は、それらの製品およびサービスの販売から収入を発生させるために、モバイルTVブロードキャストシステム上で広告することができる。使用量が増加し続けるにつれて、モバイルブロードキャストサービスプロバイダは、たとえばモバイル受信機デバイスに配信され、モバイルTVコンテンツ(すなわち、視聴特権(viewing privileges))、サービスまたは製品を購入するために交換され得るクーポンおよびトークンのような、クレジットを使用することによって、消費者へのアクセスを簡略化及び促進することを望み得る。
【0019】
モバイルTVユーザは、モバイルTVブロードキャストサービスを受信し、ユニキャストメッセージによって通信することができる、ユーザが携帯する視聴デバイス(viewing devices)(すなわち受信機デバイス)を使用するという点で、家庭用テレビジョン視聴者とは異なる。さらに、多くの場合、ただ1人のみがモバイルデバイスを使用するので、モバイル受信機デバイスはユーザに合わせてパーソナライズされ得る。一般に、ユーザは、製品およびサービスのショッピングをするときを含めて、自分のモバイルデバイスをどこにでも携帯する。したがって、モバイルTVブロードキャストサービスに対する移動性(mobility)およびアクセスは、モバイル受信機デバイスが、特定の顧客に達するためのおよび顧客ロイヤルティを築くための非常に有益なマーケティングツールであり得ることを意味する。したがって、モバイル受信機デバイスは、高価値顧客(high-value customers)に報いるための独自の機会を与える。
【0020】
プロバイダは、それらの顧客の価値を測定するために様々な方法を採用することができる。たとえば、モバイルブロードキャストTVコンテンツを視聴するために自分の受信機デバイスをかなり使用しているユーザは、たとえばテレビジョン製作者、映画スタジオ、および音楽出版社のようなコンテンツプロバイダにとって特に有益であり得る。モバイルデバイス上で利用可能な技術を使用して、たとえば番組中の投票(voting)、投票(betting)、またはユーティリティの購入などによって明示的に、あるいはたとえば視聴者測定などによって黙示的に、ユーザが視聴する実際のコンテンツを測定することができる。さらに、測定ソフトウェアは、ブロードキャスト視聴者の正確な測定を行うために、チャネル変更を監視するためにモバイルデバイス上のチューナと連携して動作することができる。さらに、モバイルデバイスのユニキャスト通信機能を使用して、コンテンツ視聴の即時のフィードバックおよび直接測定値を受信することができる。コンテンツプロバイダのコンテンツを誰が視聴しているかを判定することが可能であることに加えて、モバイルデバイスはまた、コンテンツプロバイダに重要な視聴者層情報(demographic information)を与え、コンテンツプロバイダが、重要な視聴者層および関係する消費者情報に関してそれらの視聴者を特徴付けることを可能にすることができる。
【0021】
一般視聴者参加および視聴者層(demographics)を測定することが可能であることに加えて、ペイパービュー(pay-per-view)およびペイパータイム(pay-per-time)アクセスサービスにより、コンテンツプロバイダが実際の視聴者を識別し、追跡することを可能にすることができる。したがって、従来のブロードキャストテレビジョンでは不可能な方法で、モバイルデバイス上でターゲット消費者ロイヤルティプログラム(targeted consumer loyalty programs)を使用可能にすることができる。
【0022】
コンテンツプロバイダは、個々の視聴者を識別することができるので、それらの顧客を保持し、顧客満足を高め、類似するンテンツを促進することを目的とするターゲットマーケティングプログラムを実装することを希望し得る。顧客ロイヤルティを築き、視聴者を拡大するための一つの手段(vehicle)は、顧客にブロードキャストコンテンツへの無料アクセスを与えること(rewarding)に関係している。たとえば、コンテンツプロバイダは、封切り映画を見ることを可能にするか、あるいは無料音楽ダウンロードにアクセスすることを可能にするクレジットまたはクーポンをロイヤル視聴者に与える(grant)ことを望み得る。したがって、コンテンツプロバイダは、特定のモバイルTV番組の視聴者に、従来の映画館において同様の映画を見ることを奨励するクーポンを与えることを望み得る。同様に、コンテンツプロバイダは、それらの番組をモバイルTV上でより多く視聴することを可能にするクレジットまたはクーポンをロイヤル視聴者に与えることを望み得る。さらに、コンテンツプロバイダは、クロス・プロモーション(cross-promotion)を実行して、たとえばDirecTV(商標)またはDish(商標)Networkのような、家庭用の(場合によっては固定された)サブスクリプションベースのテレビジョンシステム上でコンテンツを見るように視聴者を誘うことを望み得る。
【0023】
コンテンツプロバイダだけが、モバイルデバイスに配信され得る顧客ロイヤルティクーポンから利益を得るわけではない。たとえば小売店および消費者サービスプロバイダのような、直接、消費者に販売する営利事業は、ポイントオブセール(POS)においてそれらの顧客を識別することができる。伝統的に、マーチャントは紙クーポンおよび同様の販売促進アイテム(promotional items)を顧客に与えてきた。モバイルデバイスの技術的機能は、顧客ロイヤルティに報いるための新しい媒介物(vehicles)をマーチャントに与える。たとえば、マーチャントは、モバイルTV番組を視聴するために使用できるクレジットまたはクーポンをロイヤル顧客に与えることを望み得る。クレジットまたはクーポンにより、顧客が、クレジットまたはクーポンを与えるマーチャントからの広告を含む番組を視聴することが可能になれば、そのようなマーチャントは二重の広告利益から利益を得ることができる。
【0024】
さらに、モバイルTVブロードキャストサービスプロバイダはまた、割引料金で追加のコンテンツを視聴するかあるいは製品またはサービスを購入することを可能にするクレジットまたはクーポンをそれらの顧客に与えることを望み得る。
【0025】
企業、コンテンツプロバイダおよびモバイルブロードキャストネットワークプロバイダが顧客にクレジットまたはクーポンを与える他の理由は、以前のサービスを認識するかまたは将来のインタラクションを引きつけることと、サービスインタラクションアクティビティによって発生されるユニキャストネットワークトラフィックに報いることと、広告を見ることを補償するかまたはそれに対する将来のインセンティブを与えることと、プレミアム顧客にボーナスを与えることとを含む。顧客ロイヤルティプログラム(たとえば、エアマイレージ、ホテルポイント、ダイニングダラーなど)の一部として、クレジットまたはクーポンを与えることもできる。さらに、消費者層(consumer demographics)を正確に判定することができると、そのような消費者が望む可能性がある製品またはサービスを正確にクロス販売(cross sell)するためにクレジットまたはクーポンを与えることができる。
【0026】
そのすべてが様々な実施形態を実装し、そこから利益を得ることができる、いくつかの異なるモバイルブロードキャストテレビジョンサービスおよびブロードキャスト規格が利用可能であるかまたは将来企図される。そのようなサービスおよび規格は、オープン・モバイル・アライアンス・モバイル・ブロードキャスト・サービス・イネーブラー・スイート(Open Mobile Alliance Mobile Broadcast Services Enabler Suite)(OMA BCAST)と、MediaFLOと、デジタル・ビデオ・ブロードキャストIPデータキャスティング(Digital Video Broadcast IP Datacasting)(DVB−IPDC)と、チャイナ・マルチメディア・モバイル・ブロードキャスティング(China Multimedia Mobile Broadcasting)(CMMB)とを含む。一般に、モバイルブロードキャスト送信は、サブスクリプションまたはペイパービューベースで番組へのアクセスを販売することができるように暗号化される。様々なメカニズムを使用して、復号鍵をサブスクリプション購買にリンクすることができる。一般に、モバイルブロードキャストサービスは、特定の顧客モバイルデバイスとの間でサブスクリプションメッセージを通信するための、たとえば顧客のセルラー電話データサービスのようなユニキャスト通信ネットワークと、すべてのモバイルデバイスにモバイルテレビジョン番組をブロードキャストするための独立したブロードキャストネットワークとを利用する。概して、モバイルブロードキャストサービスプロバイダは、モバイルデバイスが特定のブロードキャストを受信するために必要な復号鍵を生成することを可能にする情報を含むメッセージを送信することができる。ペイパービュータイプのサービスを可能にするためにも、復号鍵が誰でも自由に使えるようになることの経済上の影響を限定するためにも、復号鍵を所定の時間の後に満了(expire)するように構成することができる。さらに、復号鍵を与えるメッセージは、受信されるブロードキャストサービスを特定の番組、チャネル、または他のマーケットセグメンテーションに限定するために使用され得るサービス限定パラメータを含むことができる。
【0027】
例として、OMA BCAST規格は、ユニキャストネットワークを介してモバイルデバイスに送信される長期鍵メッセージ(LTKM)を使用して、限定アクセス鍵を与える。モバイルデバイスは、その限定アクセス鍵を使用して、ブロードキャストネットワークを介して定期的にブロードキャストされる短期鍵メッセージ(STKM)内に暗号化された形で含まれているトラフィック暗号化鍵(TEK)を復号化する。復号化されると、TEKは、モバイルデバイスが短い期間(たとえば、2分)の間、暗号化ブロードキャストコンテンツストリームを復号化することを可能にする。TEKが満了すると、新しいTEKが得られなければ、暗号化ブロードキャストコンテンツへのアクセスは終了することになる。顧客が番組全体を視聴することを可能にするために、STKMメッセージは、LTKMから得られた長期鍵を使用して、それらのSTKMから新しいTEKを得ることができるように、連続的にブロードキャストされる。
【0028】
例示的な例としてOMA BCAST規格用語およびメッセージ名を使用して、様々な実施形態について以下で説明する。他のモバイルブロードキャスト規格は、様々な実施形態にとって重要でないメッセージ名および詳細が異なる、同様のメッセージング構造を使用する。たとえば、DVB−IPDCは、OMA BCAST規格のLTKMと同様の方法で鍵管理メッセージ(KMM)を使用し、OMA BCAST規格のSTKMと同様の方法で鍵ストリームメッセージ(KSM)を使用し、OMA BCAST規格のTEKと同様の方法でTEKを使用する。同様に、MediaFLOおよびCMMBは、OMA BCAST規格のLTKMと同様の方法で暗号化管理メッセージ(EMM)を使用し、OMA BCAST規格のSTKMと同様の方法で暗号化コードワードメッセージ(ECM)を使用し、OMA BCAST規格のTEKと同様の方法でコードワード(CW)を使用する。したがって、以下の説明は、例示的な例として与えるものであり、実施形態またはクレームの範囲をOMA BCAST規格に限定するものではない。参照しやすいように、より長期の権利管理メッセージを、本明細書では長期復号鍵メッセージまたはLTKMと呼び、より短期の復号鍵配信メッセージを、本明細書では短期復号鍵メッセージまたはSTKMと呼び、暗号化ブロードキャストコンテンツを復号化するために使用される復号鍵を、本明細書ではコンテンツ復号鍵またはTEKと呼ぶことにする。
【0029】
現在、モバイルブロードキャストTVシステムでは、サブスクリプショントークンまたはクレジットの購買によってサービスまたはコンテンツの消費が可能になる。言い換えれば、ユーザは、最初に、加入者になるために代金を支払うか、または後で番組コンテンツのために引き換えられ(redeemed)得るトークンのために代金を前払いしなければならない。たとえば、典型的なモバイルブロードキャストTVシステムでは、顧客は、彼らが1ドル支払うごとに1つのトークンを購入することができる。次いで、モバイルデバイス内で電子ウォレットをアクティブにして、ユーザがモバイルTV番組を見るとき、トークンを差し引く。ユーザは、自分のトークンのすべてを消費すると、新しいトークンを購入してからでなければ、さらなるモバイルTV番組を視聴することができない。
【0030】
図1は、モバイルデバイスユーザがモバイルTVブロードキャストサービスに加入するかまたはそれを購入することができる現在のレジームを示すプロセスフローチャートである。ブロードキャストサービスまたはコンテンツを作成する際に、モバイルTVサービスプロバイダは、使用課金ルール(usage charging rules)のセットを作成し、それに関して同意している(ステップ100)。これらの課金ルールに基づいて、サービスプロバイダは、加入者管理鍵(SMK)を作成し、サービス登録を確立する(ステップ102)。サービスプロバイダは、ユーザからサービスサブスクリプションの要求を受信する(ステップ104)か、またはユーザからプリペイパービューまたはペイパータイムトークンを購入したいという要求を受信する(ステップ108)。モバイルブロードキャストサービスプロバイダは、要求されたサブスクリプションまたはトークンを要求元ユーザに販売し(ステップ106,110)、その後、モバイルブロードキャストサービスプロバイダは、ユニキャストネットワークを介してLTKMメッセージをユーザのモバイルデバイスに送信する(ステップ112)。LTKMは、ブロードキャストネットワークを介して送信されるメッセージを復号化するための長期鍵を含む。長期鍵は、一般にサブスクリプションまたはサービスに依存する。たとえば、ユーザは、たとえば、ユーザのモバイルデバイス上で基本ケーブルブロードキャストチャネル(basic cable broadcast channels)のみを受信することを可能にするであろう基本レベルのメンバーシップに加入することができる。このレベルのメンバーシップにおいて、ユーザは、たとえばHBO(登録商標)またはShowTime(登録商標)のようなプレミアムチャネルを視聴することができないことがある。一般に、基本チャネルとプレミアムチャネルとの間の異なる長期鍵の使用によってチャネルアクセス制御が可能になる。
【0031】
LTKMはまた、上述の長期鍵の使用を制御するサービスルールを含むことができる。そのようなルールは使用基準(usage criteria)および制約(constraints)を定義し、それらのインスタンス化(instantiation)は、一般にユーザとサービスプロバイダとの間の契約条件(the terms and conditions of the contract)に依存する。たとえば、サービスルールは、許されたコンテンツ消費のモード、すなわち、ライブサービスに対する既存のサブスクリプション、ライブイベントへのPPVアクセス、ライブイベントもしくは録画された(recorded)コンテンツのいずれかへのPPVアクセス、または録画されたコンテンツの無制限再生のうちの一つをデバイスに通知することができる。LTKMは、ユニキャストネットワークを介して特定のユーザのモバイルデバイスを対象とするメッセージ中で送信され、長期鍵は、セキュアな機能、たとえば、端末のセキュアなメモリか、またはスマートカードに記憶される。サービスプロバイダは、次いで、STKMをブロードキャストする(ステップ114)。サービスプロバイダはまた、時間の上で連続的に、暗号化番組コンテンツストリームを送信する(ステップ115)。STKMにより、暗号化番組コンテンツをモバイルデバイスによって視聴することが可能になる。サービスプロバイダネットワーク中のあらゆるモバイルデバイスは、STKMストリームと関連する暗号化コンテンツストリームとのブロードキャストを受信する。ただし、あらゆるユーザが、コンテンツを復号化するのに必要なあらゆるSTKMを復号化することができるわけではない。あるユーザの視聴特権は、モバイルデバイスごとにLTKM中で規定されたサービスルールに基づく。したがって、LTKM中で与えられたサービスルールが番組コンテンツの視聴を可能にする場合、モバイルデバイスは、1つまたは複数のTEKを復号化して、コンテンツを復号化し、それをモバイルデバイスディスプレイ上で表示する(ステップ116)。トークンが購入された場合、LTKMルールが番組コンテンツの視聴を可能にするならば、最初にモバイルデバイス電子ウォレット(たとえばスマートカード)からトークンを減じてからTEKを復号化し、次いでTEKを使用してコンテンツを復号
化する。しかしながら、LTKM中で与えられるサービスルールが番組コンテンツへのアクセスを許可しない場合、端末は、STKMストリームに関連する番組の視聴を可能にするためにSTKMストリーム中の暗号化TEKを復号化することができないであろう。
【0032】
しかしながら、現在のシステムは、プロモーションのためにユーザにクレジットを発行するか、あるいはクーポンまたは無料トークンの形の購買インセンティブを作り出すための機能が制限されている。現在、モバイルブロードキャストTVシステムがユーザにクレジットを与える唯一の方法は、サービスが購入されたときにモバイルブロードキャストTVユーザにクーポンを配信することである。これらのクーポンは、コンテンツとともにユーザのモバイルデバイスに送信される購買データの一部としてユーザに送信される。これらのクーポンは、ユーザがサービスを購入したときに配信されるので、特定のユーザまたはユーザグループをターゲットにしていない。トークンはまた、サービスプロバイダによってユーザに販売される。しかしながら、これらのトークンは購買要求時にのみ与えられ、現在のモバイルブロードキャストTVシステムには、意図された購買からトークン供与(token granting)を切り離す手段がない。言い換えれば、現在のモバイルブロードキャストTVシステムには無料または割引トークンを発行する機能がないので、トークンを要求しなければならない。さらに、モバイルブロードキャストTVネットワークは、要求された量とは異なる量のトークンを配信するようには構成されていない。したがって、コンテンツプロバイダまたはネットワークサービスプロバイダが、購入されたトークンよりも多くのトークンをロイヤル顧客に与えることを希望する場合でも、システムは、これが行われることを許さないであろう。これらの現在の制限は、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ、ネットワークプロバイダなどが、それらの顧客が、たとえば、それらのサービスを使用するか、それらのユニキャストネットワークをポピュレート(populate)するか、それらの広告を視聴するか、または、それらのストアでショッピングをするためのインセンティブを作り出すのを妨げる。
【0033】
これらの制限を克服し、モバイルTVブロードキャストサービスの新しいマーケティング使用を可能にするために、様々な実施方法およびシステムは、それらの顧客に対して無料または割引商品またはサービスを利用可能にすることによって、新しい収入モデル(revenue models)および顧客認識報酬プログラム(customer recognition reward programs)において使用できるクレジットをモバイルデバイスに配信することを可能にする。コンテンツプロバイダ、モバイルブロードキャストサービスプロバイダおよび広告主は、モバイルデバイスユーザにターゲットクレジット(targeted credits)(たとえば、クーポンおよびトークン)を発行することができる。そして、これらのクレジットは、追加のモバイルTVコンテンツの無料または割引の視聴あるいは製品またはサービスの購買のために使用され、したがって、ユーザがモバイルブロードキャストTVシステムの使用を続けるかまたは増やすためのインセンティブを作り出すことができる。
【0034】
様々な実施形態の中で、様々な理由でユーザにクレジットを与えることができる。たとえば、無料サービストライアル(free service trials)、コンテンツサンプリング(content sampling)、ロイヤルティ賞(loyalty awards)、先着賞(early bird award)、新規加入者サービス割引(new subscriber service discounts)、およびロイヤル加入者コンテンツ割引(loyal subscriber content discounts)のために、ユーザにクレジットを与えることができる。クレジットは、クレジットの発信者(originator)が指定することができる様々なタイプの制限とともに発行できる。あらゆる種類のサービスおよび製品をどこからでも購入するためのユニバーサルクレジットを使用することができる。たとえば、ユニバーサルクレジットは、POSにおいて購買を行うために、オンラインショッピングのために、またはモバイルブロードキャストTVサービスを購入するために、使用できる。クレジットは、モバイルブロードキャストTVシステムから番組を購入するためにのみ使用できる番組クレジットに限定することもできる。クレジットは、さらに、たとえばクレジットを発した(originated)マーチャントまたは製造業者からの製品など、特定のサービスまたは製品を購入することにのみ使用できる特定のクレジットとすることができる。
【0035】
様々な実施形態では、通貨の一種のように、無料または割引サービス、番組または製品を購入するために使用できるトークンまたはクーポンの形でクレジットを与えることができる。たとえば、ユーザは、トークンを使用して、ユーザのモバイルデバイス上でペイパービュー(PPV)モバイルTV番組を購入することができる。ユーザが製品およびサービスを購入するためのインセンティブを作り出すために、クレジットまたはプロモーションとしてトークンを無料または割引でユーザに与えることができる。OMA BCAST1.0において定義されているように、ブロードキャストサービスの従量制の消費(metered consumption)のための2つのタイプのトークンがある。「ユーザ」トークンは、サービスガイドルールにおいて定義されているユーザのメンバーシップまたはサブスクリプションレベルの下で任意のコンテンツアイテムを消費するために使用できる。「サービス」トークンは、ユーザのメンバーシップまたはサブスクリプションにおける固有のサービスの下で利用可能な番組に限定される。たとえばBCASTのような、いくつかのモバイルブロードキャストTVシステムでは、サービスガイドおよび番組視聴の観点からメンバーシップとサブスクリプションとの間には区別がない場合があることに注目すべきである。しかしながら、個人の特権に関係し得るメンバーシップに関して、商品、サービス、および/または番組を取得するためのトークンまたはクーポンのフレキシブルな交換に、より正確に対処することができる。
【0036】
様々な実施形態では、モバイルデバイスに配信されるクーポンは、製品およびサービスを購入するときに金融上の割引または払い戻し(financial discount or rebate)に交換できる通貨の一種として機能することが可能である。メール、雑誌、新聞などによってしばしば広く配信される紙クーポンとは異なり、様々な実施形態において使用可能にされるクーポンは、モバイルTVブロードキャストサービスを介してモバイルデバイスに配信できる。モバイルデバイスに配信されると、ユーザは、そのようなクーポンを使用して、紙クーポンの引き換えを行うのと同様にして割引および販売促進アイテムを得ることができる。
【0037】
様々な実施方法およびシステムは、様々な広告主が様々な目的でクレジットを構成することを可能にすることができる。クレジットは、それらの使用に関して制限があり得る。たとえば、クレジットは、特定のタイムウィンドウの間、有効であり、任意の購買アイテム量に適用され、アイテムの実際の価格とは無関係であるように構成できる。クレジットは、排他的(たとえば、組み合わせることができないクーポン)か、または非排他的(たとえば、クーポンプロバイダが異なる場合、組み合わせることができるクーポン)とすることができる。クレジットはまた、多くの異なる購買アイテム(すなわち個々の製品またはサービス)に適用できる。クレジットは、購買データの単一のセット(たとえば、1回限りの番組視聴、製品、または単一のサービス)によって特徴付けられる製品およびサービスにも、たとえばサブスクリプションまたは継続サービス購買に当てはまるような購買データの複数のセットによって特徴付けられる購買にも、適用できる。サブスクリプションのような複数データパッケージの購買をサポートするために、クレジットは、購買データのサブセットに適用するように構成できる。クレジットは、転送する権利をもたない、たとえばロイヤルまたは新規ユーザのような、ただ1人のユーザまたはユーザのグループのために構成でき、あるいは所有者から他の受益者(recipient)に転送可能であるように構成できる。
【0038】
図2は、クレジットの作成、ユーザへのクレジットの配信、モバイルデバイス上でのクレジットの消費のための全体的なプロセスのプロセスフローチャートである。ユーザがモバイルブロードキャストTVコンテンツを視聴するためにユーザのモバイルデバイスを使用するとき(ステップ200)、モバイルTVサービスプロバイダはユーザの使用状況(usage)(たとえば使用レベルおよびタイプ)を測定することができる。ユーザのモバイルデバイス上で視聴されるブロードキャストコンテンツの量と選択性の両方の測定に基づく、そのような追跡は、コンテンツプロバイダだけでなくサービスプロバイダにとっても有益であり得る。モバイルTVサービスプロバイダは、サブスクリプション料金または1回限りのトークン購買によって支払われる頻繁な使用/消費から利益を得、それによりモバイルブロードキャストサービスプロバイダの収入が直接発生する。同様に、コンテンツプロバイダは、それらのコンテンツの需要の増加から利益を得、これは、モバイルブロードキャストネットワークプロバイダによって支払われる広告収入および料金の増加につながる。また、より多くのユーザが、たとえばTV歌手コンテスト番組においてユーザの好きな歌手に投票するというような、番組への参加のために、ユーザのモバイルデバイスのユニキャスト機能を使用するほど、ユニキャストサービスを与えるセルラーネットワークプロバイダは、より多くの収入を受け取る。そして、サービスプロバイダ、コンテンツプロバイダおよび広告主は、高価値ユーザ(highly-valuable users)をターゲットにするために各ユーザの視聴習慣(viewing habits)を分析して、ユーザに販売促進およびインセンティブクレジットまたはクーポンを送信する。したがって、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ、ユニキャストネットワークプロバイダ、コンテンツプロバイダおよび広告主企業のうちのいずれか1つまたは複数は、特定のユーザまたはユーザのグループへの配信のためのターゲットクレジットまたはクーポンを作成する(ステップ202)。そのようなクレジットは、サービスまたは製品を購入する際に使用すべきクーポンまたは無料トークンを含むことができる。有益な(valuable)ユーザまたはユーザグループが識別され、適切なクレジットタイプと照合されると、識別されたユーザのモバイルデバイスにクレジットを送信する(ステップ204)。以下でより詳細に説明するように、そのようなクレジットはユニキャストまたはブロードキャスト送信方法によって配信できる。そのようなクレジットを受信すると、モバイルデバイスは、それらを、モバイルブロードキャストTVシステムにおいて使用されるように、端末上のセキュアなメモリであるかまたはリムーバブルスマートカードに対応し得るセキュアなハードウェアに記憶する。ユーザは、次いで、ユーザのモバイルデバイスを使用して製品またはサービスを購入することによってクレジットの引き換えを行う(ステップ206)。たとえば、ロイヤルユーザは、自分のモバイルデバイス上で連続ドラマ番組を見ている間、製品の広告を視聴しながら、マーチャントまたは製造業者からの無料洗浄製品を購入するために使用すべきクレジットをモバイルブロードキャストサービスプロバイダから受信することができる。クレジットを受信すると、ユーザは、たとえばクレジットとともに与えられる、マーチャントまたは製造業者のウェブストアにアクセスするためのハイパーリンクURLをクリックすることなどによって、製品をオンラインで購入することができる。代替的に、ユーザは、店舗を訪問するときに、ポイントオブセールにおいてモバイルデバイスを提示し、クレジットを転送するかまたはクレジットの使用を電子的に記録することによって、他のダウンロード可能なeクーポンのようにクーポンを使用することができる。
【0039】
図3は、モバイルデバイスにクレジットを配信することに関係する関係者(participants)を示すモバイルブロードキャストTVシステムのネットワークコンポーネントダイアグラムである。モバイルブロードキャストTVシステムにおいて、クレジットは、ブロードキャストサービスプロバイダ30と、サードパーティ企業50と、コンテンツプロバイダ60とを含む、様々な企業によって作成され得る。ブロードキャストサービスプロバイダ30は、一般にサブスクリプションベースの、エンドユーザとの取引関係を与える会社である。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30であり得るブロードキャストネットワーク事業者は、モバイルブロードキャストTVコンテンツをモバイルデバイス40に送信するブロードキャストネットワーク80を運用(operates)する。ブロードキャストネットワーク80は、たとえばFLO(登録商標)のような専用のダウンリンク−オンリー・ブロードキャスト送信システムであるか、あるいはたとえば3GPP MBMSまたは3GPP2 BCMCSによって定義されたシステムのようなセルラーベースのブロードキャスト/マルチキャストシステムであり得る。例示的なサービスプロバイダ30の会社には、Verizon(登録商標)、AT&T(登録商標)およびT−Mobile(登録商標)がある。これらの会社は、コンテンツプロバイダ60からオーディオ、ビデオおよびウェブサイトコンテンツを受信する。これらのコンテンツは、次いで、ブロードキャストネットワーク事業者に送信され、ブロードキャストネットワーク事業者は、それらのモバイルブロードキャストTVネットワーク80、またはユニキャストネットワーク70を介して、コンテンツをブロードキャストする。場合によっては、ブロードキャストサービスプロバイダ30はセルラーサービスプロバイダでもあり得、その場合、セルラーサービスプロバイダ30はまた、ボイスおよびデータサービスをモバイルデバイス40に提供するユニキャストネットワーク70を与え、運用する。ただし、ブロードキャストサービスプロバイダ30は、ユニキャスト(たとえば、セルラー)ネットワーク70のプロバイダである必要はない。ユニキャストネットワーク70とブロードキャストネットワーク80が異なるエンティティによって運用される場合でも、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、依然として、他の会社によって運用されるユニキャストネットワークを介してモバイルデバイス40との間でメッセージを送信および受信することができる。
【0040】
サードパーティ50は、モバイルデバイスユーザをプロモーションのターゲットにすることを望み得る、たとえばHomeDepot(登録商標)、Starbucks(登録商標)およびNetflix(登録商標)のようなマーチャントおよび製造業者を含むことができる。サードパーティ50は、たとえばユーザがそれらの店舗を訪問するときなどに、ユーザと直接対話することができ、あるいは、たとえばモバイルブロードキャストTV番組において広告を見せることなどによって、ブロードキャストサービスプロバイダ30を介してユーザと対話することができる。
【0041】
コンテンツプロバイダ60は、モバイルブロードキャストTVネットワーク80を介したブロードキャストのためのコンテンツおよび番組を提供する会社を含むことができる。コンテンツプロバイダは、広告代理店(advertising agencies)、政府機関(government agencies)、およびブロードキャストのためのオーディオ、ビデオおよび画像コンテンツを作成する私人(private individuals)をも含むことができる。たとえば、コンテンツプロバイダは、モバイルブロードキャストTVネットワーク80を介したブロードキャストのためのニュースおよびエンターテインメントコンテンツを提供するナショナル・ブロードキャスティング社(National Broadcasting Corporation)(NBC)であり得る。広告代理店コンテンツプロバイダ60は、サードパーティ50と契約を結んで、それらの製品およびサービスのための広告コンテンツを作成することがある。たとえば、Netflix(登録商標)は、Netflix(登録商標)のサービスの広告を製作するために広告会社と契約を結ぶことがある。
【0042】
ユニキャストネットワーク70およびモバイルTVブロードキャストネットワーク80に加えて、ユーザは、たとえば電話(図示せず)およびインターネット90のような他の通信リンクを介してブロードキャストサービスプロバイダ30およびコンテンツプロバイダ60と通信することができる。たとえば、ユーザは、ユーザのモバイルデバイス40を介して(たとえば、独立して図示されていないセルラーデータネットワークを介して)またはインターネットに結合されたコンピュータを介して、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30およびコンテンツプロバイダ60によって維持されるウェブサイトにアクセスすることができる。同様に、ユーザは、インターネットを介してサードパーティ50のウェブサイトに接続することによって、またはサードパーティ50の店舗に歩いて入ることによって、サードパーティ50と直接通信することができる。
【0043】
様々な実施方法およびシステムは、たとえばブロードキャストネットワーク80、インターネット90、ユニキャストネットワーク70を介したSMSメッセージのような、多くのトランスポートネットワークを介して、および購買トランザクションのポイントオブセールにおいて直接的に、クレジットの配信および引き換え(redemption)を可能にする。モバイルブロードキャストTVシステムについてのユーザのモバイルデバイス40の使用に基づいて、ユーザのモバイルデバイス40をクレジットの配信のターゲットにすることができる。クレジットは、直接または間接的にユーザのモバイルデバイス40に配信できる。たとえば、ユーザが、ユーザのモバイルデバイス40を使用して、インターネット90を介して企業のウェブサイトにおいて購買を行うとき、クレジットをモバイルデバイス40に直接配信することができる。そのようなクレジットはまた、そのようなオンライン購買において確立されるインターネットセッションの一部として、あるいは、たとえばユニキャストネットワーク70を介して配信されるSMS、MMSまたは電子メールメッセージなどによる帯域外手段(out-of-band means)を通して、モバイルデバイス40に配信できる。たとえば、ユーザのモバイルデバイス40は、Starbucks(登録商標)から、たとえばSMS、MMSまたは電子メールなどによる帯域外方法を介して送信され得る無料の1杯のコーヒーのクレジットを受信することができる。クレジットの配信の方法にかかわらず、ユーザのモバイルデバイス40は、たとえば無料または割引モバイルTV番組を受信するなどのために、ブロードキャストサービスプロバイダ30を介してクレジットの引き換えを行うことが可能であり得る。
【0044】
たとえばサードパーティ50が、ユーザのモバイルデバイス40への配信のために、仲介者(intermediary)(たとえば、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30)にクレジットをサブミットするときなどに、クレジットをターゲットユーザに間接的に配信することもできる。ブロードキャストサービスプロバイダ30によるモバイルデバイス40へのクレジットの配信は、様々な方法を使用して達成できる。1つの方法は、ユーザが視聴トークンを購入するかまたはブロードキャストサービスに加入するためにサービスプロバイダ30と通信するとき、ユーザのモバイルデバイス40にクレジットを与える。そのようなクレジットの配信は、モバイルデバイス40のサブスクリプション要求メッセージに応答してブロードキャストサービスプロバイダ30が送信するサービスサブスクリプション応答メッセージによって達成できる。たとえば、モバイルデバイス40が、たとえばサービスサブスクリプションの延長(extension)または(たとえば、基本からプレミアムへの)アップグレードを要求するなどのために、サブスクリプション要求メッセージをサービスプロバイダ30に送信すると、サービスプロバイダ30は、サブスクリプション応答メッセージの一部としてユーザのモバイルデバイス40にサードパーティ50のクーポンを配信することができる。そのようなクレジットの配信は、ユニキャストネットワーク70を介することができ、クレジット発行者(credit issuer)にとってのユーザの認知された価値、またはユーザの習慣(user habits)に基づくことができる。第2の方法は、ユーザのモバイルデバイス40によって通信が開始されていないとき、ユーザのモバイルデバイス40にそのようなクレジットを配信することを含むことができる。この方法では、サービスプロバイダ30は、専用サービスプロビジョニングメッセージ(dedicated service provisioning message)によってクレジットをユーザのモバイルデバイス40に送信(すなわち、プッシュ)することができる。
【0045】
モバイルTVシステムクレジットおよびクーポンの配信、処理および引き換えをサポートするために、様々な契約上の態様および技術上の態様を一致させ、その後、ユーザへのクレジットのターゲット配信を実行することができる。契約上の態様は、サードパーティ50とモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30との間のメッセージインターフェース仕様を定義すること、ならびにクレジットおよびクーポンについての消費および課金セマンティクス(semantics)に関係するビジネスルールを確立することを含むことができる。たとえば、クーポンタイプAは、ある購入されたモバイルTV番組の視聴についてX分間、引き換えできるものであり、そのクーポンAは日付Yに有効期限が切れる(expires)と定義できる。他の例は、トランザクションの一部としてサードパーティの50の銀行からサービスプロバイダの30の銀行に転送される名目上定義された番組視聴価格$Zについてユーザが引き換えできる無料トークンを含むことができる。
【0046】
モバイルTVシステムクレジットおよびクーポンをサポートするために必要とされる技術的態様は、クレジットの供与(granting)および引き換えを可能にするためにサービスプロビジョニングメッセージを使用することを含むことができる。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30とモバイルデバイス40との間で情報を通信することに加えて、サービスプロビジョニングメッセージは、受信モバイルデバイス40に、クレジットを受け付けるように準備させることができる。したがって、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、クレジット配信のために特定のターゲットサービスプロビジョニングメッセージを作成し、たとえば、ロイヤルユーザのモバイルデバイスをそのようなメッセージのターゲットにすることができる。モバイルデバイスがクレジットを受信するように準備されると、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、たとえばユニキャストネットワーク70を介するなどして、その関連するルールをもつクレジット(すなわちLTKM)をターゲットモバイルデバイス40に送信することができる。
【0047】
図4に、サブスクリプション応答メッセージを使用してモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からモバイルデバイス40にクレジットを配信するための実施方法を示す。図5は、図4に示す実施方法における、クレジットを配信するために種々のモバイルブロードキャストTVシステムコンポーネント間で起こり得るメッセージの交換を示すメッセージフローチャートである。本実施方法について、図4と図5の両方を参照しながら以下で説明する。
【0048】
図示の実施形態では、モバイルブロードキャストTVサービスプロバイダ30は、番組コンテンツがまもなくブロードキャストされることを述べるレポートをサードパーティ50に送信する(図5中のメッセージ500に対応する図4中のステップ302)。ブロードキャストされる番組のこの事前通知により、サードパーティ50は、広告の配置のために番組を評価すること、ならびに、たとえばターゲット消費者にクレジットまたはクーポンを与えるような販売促進キャンペーンを行うことが可能になる。サードパーティ50は、ブロードキャスト番組レポートを受信すると(ステップ502)、ユーザのモバイルデバイス40に対してたとえばクーポンまたはトークンの形などでクレジットを与えることを望むかどうかを判定することができる。消費者にクレジットを与えるために、サードパーティ50はクレジット要求メッセージをサービスプロバイダ30に送信する(図5中のメッセージ502に対応する図4中のステップ504)。このクレジット要求メッセージは、たとえば配信すべきクレジットの価値、それらの適用範囲(applicability)(たとえば、引き換えできる番組、製品またはサービス)、それらの有効期日、およびそれらの引き換えルール(redemption rules)のような、配信すべきクレジットの詳細を、識別することができる。そのようなクレジット要求メッセージを受信すると(ステップ304)、サービスプロバイダ30はクレジット応答をサードパーティ50に送信する(図5中のメッセージ504に対応する図4中のステップ306)。サードパーティ50は、サービスプロバイダ30がサードパーティ50の要求を受信および処理したことを検証しならびに消費および支払いに関して前もって同意された契約条件に関係するデータを伝えることができる、クレジット応答を受信する(ステップ506)。モバイルデバイス40にサードパーティ50のクレジットを配信するための準備として、サービスプロバイダ30は、サードパーティ50によって与えられたクレジット詳細を含むサブスクリプション応答メッセージを作成する(ステップ308)。サブスクリプション応答メッセージの構造、要素およびパラメータについては、図6〜図8を参照しながら以下でより詳細に説明する。いつかその後に(Sometime thereafter)、ユーザモバイルデバイス40は、たとえば閲覧トークンの購買、ペイパービュートークンの購買、サブスクリプション要求、またはアップグレードされたサービスなど、サービス調整(service adjustment)を要求または開始するために、サービス要求を、ユニキャストネットワークを介してモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(図5中のメッセージ506に対応する図4中のステップ402)。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、サービス要求を受信し、処理し(ステップ310)、それに応じて、ユニキャストまたはブロードキャストネットワーク70を使用して適切なサービスプロビジョニング応答メッセージをモバイルデバイス40に送信する(図5中のメッセージ600に対応する図4中のステップ312)。このサービス応答は、サードパーティクレジット、ならびにユーザが要求したサービス調整を含むことができる。ユーザのモバイルデバイス40は、ユニキャストネットワーク70を介してサブスクリプション応答メッセージを受信し、メッセージコンテンツにアクセスし、モバイルデバイス40のメモリに(たとえば電子トークンウォレットに)、クレジットを記憶する(ステップ404)。モバイルデバイスユーザは、次いで、それらのクレジットを、クレジットにおいて指定されたサービスまたは製品を購買するために、使用することができる。ユーザがモバイルデバイス40に記憶されたクレジットの引き換えを行うことができる方法については、図15〜図20を参照しながら以下でより詳細に説明する。
【0049】
図6に、モバイルデバイス40にクレジットを配信するのに好適なサブスクリプション応答メッセージ600の一実施形態の例示的なフォーマットおよびコンテンツを示す。このサブスクリプション応答メッセージ600は、サービスプロバイダ30からサービスを購入するためにモバイルデバイス40によって送信されたサービス要求メッセージに応答してモバイルデバイス40に送信され得る。サブスクリプション応答メッセージ600は、属性および要素にカテゴリー分類され得るいくつかのコンポーネントを含むことができる。図6に示すように、サブスクリプション応答メッセージ600は、たとえば要求ID602、グローバルステータスコード604および適応モード606のような随意の属性を含むことができる。要求ID602は、対応するサービス要求メッセージ506の識別子とすることができる。正しい応答が、権利を要求する当事者に届くことを可能にするために、要求IDは、サブスクリプション応答メッセージ600を識別し、正しいサービス要求メッセージ506に関連付けることができる。要求ID602を使用して、ユーザのモバイルデバイス40は、正しいサービス応答が受信されたかどうかを判定することができる。
【0050】
グローバルステータスコード604は、いくつかの定義されたリターンコードに従って要求の全体的な結果に関する情報を与えることができる。例示的なリターンコードについては、図9を参照しながら以下でより詳細に説明する。グローバルステータスコード604を使用することによって、モバイルデバイス40は、要求が正常に(successfully)処理されたかどうかを判定することができる。言い換えれば、グローバルステータスコード604は、ユーザのモバイルデバイス40によって送信されたサービス要求メッセージ506のステータス(すなわち、成功、またはエラーによる失敗)を伝達することができる。たとえば、サブスクリプション応答メッセージ600中にグローバルステータスコード604が存在し、値「0」に設定されている場合、これは、要求が正常に処理され、完了されたことを意味し得る。対照的に、グローバルステータスコード604が存在し、「0」以外の値に設定されている場合、これは、要求の受信または処理においてエラーがあったことを意味し得る。たとえサービス要求メッセージ506が正常に処理されなかった場合でも、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、たとえモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30がモバイルデバイスによって要求された特定のサービス調整を与えることができないとしてもクレジットを送信するサブスクリプション応答メッセージ600で応答することができることに、注目すべきである。サブスクリプション応答メッセージ600中にグローバルステータスコード604が存在しない場合、これは、要求に関連する1つまたは複数の購買アイテム要素608に関係するエラーがあったことを意味し得る。購買アイテム要素608については、以下でより詳細に説明する。
【0051】
随意の適応モード要素606は、モバイルデバイス40に、汎用またはBDS固有であり得る動作可能な適応モードを通知することができる。たとえば、この属性の値が「偽」に設定されている場合、これは、適応モード606が汎用であることを示すことができる。たとえば、この属性の値が「真」に設定されている場合、これは、適応モード606がBDS固有であることを示すことができる。様々な実施形態によれば、グローバルステータスコード604が「成功」を示し、基礎をなす(underlying)BDSがBCMCSである場合、適応モード606はサブスクリプション応答メッセージ600中にのみ存在し得る。
【0052】
サブスクリプション応答メッセージ600の要素は、購買アイテム要素608と、DRMプロファイル固有部分610またはスマートカードプロファイル固有部分612の随意の要素とをさらに含むことができる。購買アイテム要素608は、たとえばサービス要求メッセージ506において要求されたアイテムなど、何が購入または受信されたかを表すことができる。言い換えれば、購買アイテム要素608は、ユーザのサービス要求が成功したかどうかについて、および配信された要求されたアイテムに関して、モバイルデバイス40に通知することができる。たとえば、サービス要求メッセージ506が、あるコンテンツを再生(play)するためのデジタル権利(たとえば、DRMプロファイル)を要求し、サブスクリプション購買が成功した場合、購買アイテム要素608は権利有効性終了時間(Rights validity end time)622を含むことができる。権利有効性終了時間622については、DRMプロファイル部分610に関して以下でより詳細に説明する。DRMプロファイルまたはスマートカードプロファイルのいずれかについて、購買またはサブスクリプション要求に失敗があるとき、要求がモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30によって受け付けられなかった理由を示す購買アイテム608要素の属性としてアイテム別ステータスコード616が存在し得る。
【0053】
購買アイテム要素608は様々な属性および要素をさらに含むことができる。たとえば、購買アイテム要素608は、必須のグローバルID参照属性614と随意のアイテム別ステータスコード属性616とを含むことができる。購買アイテム要素608はまた、随意のボーナスクレジット要素618とサブスクリプションウィンドウ要素620とを含むことができる。グローバルID参照属性614は、購買アイテム要素608の指定されたIDとすることができる。したがって、グローバルID参照614は、購買アイテム608中に発見されるグローバル購買アイテムID(図示せず)を使用して、購入されたアイテムを識別することができる。グローバルID参照614は、たとえば、任意の統一資源識別子(Uniform Resource Identifier)(URI)とすることができる。URIは、たとえば、ユニキャストネットワーク上のリソースを識別または指定(name)するために使用される文字列である。そのような識別情報は、特定のプロトコルを使用したネットワーク上でのリソースの表現を用いた対話を可能にし得る。アイテム別ステータスコードは、図9を参照しながら以下で説明するように、グローバルステータスコード604と同じようなリターンコードを使用して、購入されたアイテムごとのステータスを明示することができる、(グローバルステータスコード604に比較して)より具体的なステータスコード616とすることができる。
【0054】
随意のボーナスクレジット要素618を使用することによって、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からモバイルデバイス40にクレジットを送信することができる。たとえば、サービス応答をモバイルデバイス40に送信する前に、クレジット(たとえば、クーポンおよび/またはトークン)データをボーナスクレジット要素618に挿入することができる。このようにして、ユーザは、サービスを購入するかまたはサービスに加入したいという要求を送信すると、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からクレジットを受信することができる。クレジットタイプ(それはサブスクリプション応答メッセージ600の部分であり得る)は、変更され得、また、要求されたサービスタイプと、(たとえば、ユーザの習慣とモバイルブロードキャストTVシステムの使用とに基づく)サービスを要求するユーザの識別情報とのいずれか一方または両方に結び付けられ得る。たとえば、購買アイテム要素608中に0個以上の(購買データとしても知られる)スタンドアロンボーナスクレジットサブ要素が存在し得る。これらのボーナスクレジットサブ要素は、トランザクションから生じ得るボーナスサービスのためのユーザ固有のクレジットデータを含むことができる。これらのクレジットは、モバイルデバイスのメモリに記憶され、サービスガイドルールとユーザのメンバーシップレベルとに基づいて管理され得る。ボーナスクレジット618のメッセージ構造の例示的な実施形態については、図7および図8を参照しながら以下でより詳細に説明する。
【0055】
購買アイテム要素608の必須のサブスクリプションウィンドウ要素620は、サブスクリプションまたはクーポンが有効である期間(time interval)に関係するデータを含むことができる。サービスプロバイダ30は、時間ベースサブスクリプションのためにこの要素を使用することができ、この要素をPPV購買応答メッセージ600に含めることができる。ユーザモバイルデバイス40は、サブスクリプションウィンドウ要素620中の情報を使用して、サブスクリプションの有効期間を判定することができる。サブスクリプションウィンドウ620要素は、必須の開始時間属性(図示せず)と随意の終了時間属性(図示せず)とをさらに含むことができる。開始時間属性は、サブスクリプションの開始を表すネットワークタイムプロトコル(NTP)タイムスタンプを含むことができる。終了時間属性は、サブスクリプションの終了を表すNTPタイムスタンプを含むことができる。例示的な一実施形態では、オープンエンドのサブスクリプションの場合、この属性を省略することができる。
【0056】
随意のDRMプロファイル固有部分要素610は、サービスおよびコンテンツ保護DRMプロファイル固有部分を含むことができる。この部分は、DRMプロファイルをサポートするために必須であり得、スマートカードプロファイルには適用可能でない。DRMプロファイル固有部分610は、随意の権利有効性終了時間属性622と随意の権利オブジェクト取得プロトコル(ROAP)トリガ要素624とをさらに含むことができる。権利有効性終了時間622属性は、BSMが要求メッセージを受け付けたときの(そして、その後、期限が延長(renewed)される必要がある)購入されたコンテンツに関連するLTKMの有効性の終了時間および日付を示すために存在し得る。このフィールドは、NTPタイムスタンプの最初の32ビット整数部分で表され得る。たとえば、権利オブジェクト(RO)がブロードキャストされる場合、この属性を検証することができる。他の場合、この属性は不要である。随意の要素ROAPトリガ624が存在するとき、モバイルデバイス40は、1つまたは複数のLTKM取得を開始するためにROAPトリガ624を使用することが予想され得る。
【0057】
随意のスマートカードプロファイル固有部分要素612は、サービスおよびコンテンツ保護スマートカードプロファイル固有部分を含むことができる。この部分は、スマートカードプロファイルをサポートするために必須であり得、DRMプロファイルに適用可能でないことがある。スマートカードプロファイル固有部分要素612は随意のLTKM要素626を含むことができる。LTKM要素626は、base64符号化MIKEYメッセージを含むスマートカードプロファイルモバイルブロードキャストTV LTKMとすることができる。この要素は、要求元モバイルデバイス40とサービスプロバイダ30とが登録プロシージャ中にLTKM配信メカニズムとして「HTTP」(すなわち、インターネット)に関して同意している場合、サブスクリプション応答メッセージ600中に存在し得る。
【0058】
図7Aに、ボーナスクレジット要素618の一実施形態のためのデータ構造を示す。図7Aに示すように、ボーナスクレジット618要素は、保護鍵618aと、説明(description)618bと、価格情報618cと、プロモーション情報618dと、拡張部分(extension)618eと、購買アイテム参照618fと、購買チャネル参照618gと、利用規約(term of use)618hと、プライベート拡張部分(private extension)618iと、ID618jと、バージョンパラメータ618kと、有効開始(valid-from)パラメータ618lと、有効終了(valid-to)パラメータ618mとを含む、いくつかのパラメータとサブ要素とを含むことができる。保護鍵618aは、サービスガイドルールに記載されているユーザのメンバーシップレベルに基づいて復号化(decoded)され得る暗号化鍵を含むことができる。説明618bは、ユーザに販売されている製品、サービスまたはサブスクリプションの説明を1つまたは複数の言語で含むことができる。価格情報618cは、購買またはクレジットトランザクションのタイプの説明を含むことができる。
【0059】
価格情報618cは、2つのコンポーネント、すなわち、割引額(discount amount)619aと購買タイプ619bとを含んでいることができる。割引額619aは、割引/クーポンを使用するときに実現され得る節約(savings)を表す、場合によっては(potentially)様々な通貨の負数として表され得る、1つまたは複数の金銭的価値(monetary values)を含んでいることができる。関連する割引/クーポンが参照された購買アイテムを無料にすることを示す(0などの)特殊値を予約することができる。いくつかの実施形態では、割引額619aを省略することができ、その場合、その値は、アイテムが無料であることを示す0であると見なされ得る。
【0060】
図7Aに示す購買タイプテーブル619bは、サブスクリプション応答メッセージがユーザのモバイルデバイス40に送信されるとき、価格情報サブ要素618cをポピュレートするために使用され得る購買またはクレジットトランザクションの様々なタイプおよび値を示す。価格テーブル619内の様々なタイプの購買タイプ値は、ワンタイムサブスクリプションと、オープンエンドサブスクリプションと、ライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするペイパータイム(PPT)ライブと、非ライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするPPT再生と、非ライブコンテンツについて、ある回数の再生を可能にするペイパープレイ(PPP)再生と、非ライブコンテンツの無制限再生を可能にする無制限再生と、サービストークンを使用することによってライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするサービストークンPPTライブと、サービストークンを使用することによって非ライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするサービストークンPPT再生と、ユーザトークンを使用することによってライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするユーザトークンPPTライブと、ユーザトークンを使用して非ライブコンテンツの時間ベース消費を可能にするユーザトークンPPT再生と、ユーザトークンを使用することによるユーザトークンPPVライブと、ユーザトークンを使用することによるユーザトークンPPP再生と、サービストークンを使用するために有効なLTKMを必要とし得る、このサービス/コンテンツSEK/PEK ID鍵グループにリンクされたサービスパース(service purse)に追加するために購入されたエキストラサービストークンと、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30のIDにリンクされ得る、ユーザパース(user purse)に追加するために購入されたエキストラユーザトークン(これは、特定のサービスコンテンツにリンクされないことがあり、また、使用すべき有効なLTKMを必要とすることがある)と、非ブロードキャスト(すなわち現実世界の)製品、たとえば店舗からの製品と、将来の使用のための予約と、商用利用(proprietary use)のための予約とを含むことができる。
【0061】
プロモーション情報618dは、ユーザが、参照された購買アイテムを購入することによって取得することができる割引/クーポンを表すことができる。拡張部分(extension)618eは、番組、製品またはプロモーションを識別するかまたはそれに関係する追加情報を含むことができる。購買アイテム参照618fは、販売促進割引クーポンに関連する特定の購買アイテムを識別する識別子とすることができる。たとえば、購買アイテム参照618fは、たとえばCNNヘッドラインニュースのような特定の購買アイテムを識別することができる。購買チャネル参照618gは、ユーザが、参照された購買アイテムをどこでまたはどのように購入することができるかを識別する情報を含むことができる。番組購買のためのクーポンまたはトークンの場合、購買チャネル参照618gは、コンテンツプロバイダ(たとえば、Disney、AOL、CBSなど)を識別することができる。マーチャントから製品を購入するためのクーポンの場合、購買チャネル参照618gは、そこから製品を購入しなければならないストアまたはチェーン(たとえば、Home Depot、Searsなど)であり得る。
【0062】
利用規約618hは、クレジットをどのように使用することができるかに関する情報を含むことができる。たとえば、いくつかのクレジットは、複製することまたは他者に転送することができない。利用規約618hは、クレジットの完全性(integrity)がそこなわれないままでいることを可能にするために、これらの限界(boundaries)を規定することができる。さらに、このサブ要素は、クレジットのタイプと、このクレジットを何の目的で使用することができるかとを規定することができる。たとえば、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からコンテンツを購入するとき、割引を受けるためにのみクーポンを使用することができる。そのようなクーポンを、他の製品またはサービスを購入するために使用することはできない。
【0063】
プライベート拡張部分618iは、ベースラインSG規格に加えてベンダ固有の拡張およびアプリケーション固有の拡張を実装することを可能にすることができる。クレジットID618jは、クレジットを検証し、たとえばその場限りのID(nonce ID)、暗号化値などのような、ユーザがクレジットを偽造するのを防ぐために使用できるデータを含むことができる。クーポンバージョン618kは、ベンダが、異なる条件(terms)および価値(values)をもつ類似する購買のための後続のクーポンを経時的に発行することを可能にすることができる、クーポンのバージョンを識別するための情報を含むことができる。したがって、クーポンバージョン情報を使用して、同じクーポンタイプの連続するバージョンをサポートすることができる。有効開始値618lは、クレジットが有効になる日付および時間に関する情報を含むことができる。有効終了値618mは、クレジットが無効になり、もはや使用できない日付および時間に関する情報を含むことができる。クーポンが決して満了しない場合、有効終了値は省略され得る。
【0064】
さらに、ボーナスクレジット要素618は拡張URL要素(図示せず)を含むことができる。そのようなURL要素は、クレジット要素に関係するさらなる情報を与えるウェブリソースへのポインタを与えるであろう。たとえば、クレジット要素中の拡張URLをたどることによって、クレジットまたはクーポンに関係するWWWページに到達することができる。モバイルデバイス40は、インターネットにアクセスする機能を有する場合、HTTPを使用してクレジットまたはクーポンに関係する追加情報を得るために、URLを使用してインターネットウェブサイトにアクセスする。
【0065】
いくつかのパラメータおよびサブ要素は、ボーナスクレジット要素618が有効であり機能するために必須であり得る。これらの必須のパラメータおよびサブ要素については、図8に示すメッセージ構造図に示す。これらの必須のフィールドは、購買アイテム参照フィールド618fと、購買チャネル参照フィールド618gと、有効開始フィールド618lと、クレジットIDフィールド618jと、クーポンバージョンフィールド618kとを含む。
【0066】
クーポン要素650およびそのコンポーネントの代替実施形態を図7Bに示す。この代替クーポン実施形態のサブ要素は、クーポンを識別し、クーポンを説明し、クーポンによって与えられる価格または割引を示し、(以下でより十分に説明するように)他のクーポンと組み合わせるためにその重みを識別し、たとえばデジタル署名の形などでクーポンを検証するために必要とされる情報を含む。クーポンオブジェクト中に含まれ得る例示的な情報は、識別子(ID)(たとえば、グローバル一意識別子、バージョン番号、最初の時点の有効期日(有効開始日付)、最後の時点の有効期日(有効終了日付)など)652、クーポンが、引き換えられる前に発行者によって検証される必要があることを示すフラグまたは値664、クーポンが適用される製品またはサービスの識別子654、クーポンを有効にするために、それを介して製品またはサービスが購入されなければならないチャネルの識別子656、クーポンの説明658、クーポンのプロバイダの識別子(たとえば、クーポンを発行する企業の種類)660、図27を参照しながら以下でより十分に説明する多用途重み値(multi-use weight value)662、クーポンが引き換えられた後、それがどのくらいすぐに再利用され得るかの指示666、相対価格または割引値情報を含むような価格情報668、クーポンが有効である対象とする購買アイテムタイプの指示670、クーポンが引き換えられるとき、適用される貨幣的割引価格(monetary discount price)672、クーポンが有効である貨幣通貨のインジケータ、クーポン印刷可能画像(coupon printable image)を得ることができるアドレス(たとえばURLなど)674、クーポンと見なされることになる、クーポンにデジタル署名を与えた機関(authority)を説明するURI676、ユーザIDフィールドおよびユーザIDタイプの識別子678、および、発行機関からのデジタル署名(たとえばXMLデジタル署名など)680を含む。
【0067】
電子クーポンが別個のクーポンドキュメントまたはクーポンオブジェクトとして配信され、処理されるとき、クーポンオブジェクトはサービスガイドの外部で維持され得る。とはいえ、クーポンオブジェクトは、クーポンに関係する情報を識別するサービスガイド中のフラグメントへのポインタを含むことができる。図7Cに、クーポンオブジェクト700とサービスガイド710との間の関係を示す。詳細には、クーポンオブジェクト700は、サービスガイド710内のプロビジョニングフラグメント712,714,716またはプロビジョニングフラグメント内の特定の情報フィールドへのポインタ702,704,706を含むことができる。そのようなポインタは、クーポンオブジェクト700によって参照される情報が、クーポン中に含まれるポインタ702,704,706を介して常に利用可能であるように、サービスガイドが更新されたときに変化しないグローバル一意ポインタの形とすることができる。
【0068】
一実施形態では、クレジットIDフィールド618jは、図8に示すように、暗号化パラメータ618n、クレジット識別子618pおよび多目的署名(multipurpose signature)618oなど、追加のサブ要素を含むことができる。暗号化パラメータ618nは、暗号化アルゴリズムおよび関連するパラメータ(たとえば暗号化ソルトまたはナンス(encryption salt or nonce)など)を指定するために使用できる。クレジット識別子618pは、クーポンのためのグローバル一意識別子とすることができる。
【0069】
多目的署名618oは、クーポンが敵対的(hostile)ネットワークを介してトランスポートされるとき、クーポンを保護するために使用できる。多目的署名618oは、オンデマンドで取り出されおよび/またはマーチャントサーバによってキャッシュされる1つまたは複数のX.509デジタル証明書の階層とともに、暗号署名(すなわち、クーポンフィールドの全部または一部の暗号化ダイジェスト)を用いてクーポンを認証するために使用できる。一実施形態では、クーポン発行者は、(たとえばよく知られている公開鍵暗号方法を使用することなどにって)検出することなくして変更できないクーポンを生成するために多目的署名618oを使用することができる。一実施形態では、クーポン受信者(たとえば、モバイルデバイスおよびマーチャント)が、以下でより詳細に説明するように、クーポンが特定の機関によって発行されたことを検証することができるように、X.509署名階層を使用して多目的署名618oを作成することができる。本実施形態では、X.509証明書中で署名アルゴリズムを指定することができる。
【0070】
図9は、サブスクリプション応答メッセージ600中に含まれ得る様々なグローバルステータスコード604と、それらの関連するステータスメッセージとのテーブル604aである。たとえば、グローバルステータスコード「000」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、要求プロセスが成功したことを示すことができる。グローバルステータスコード「003」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、要求された購買アイテムが未知であることを示すことができる。「003」コードは、たとえば、デバイスが、古い情報をもつキャッシュされたサービスガイドサービスを有する場合にも受信され得、その場合、ユーザはサービスガイドを再取得することができる。グローバルステータスコード「009」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、課金ステップが失敗したことを示すことができる。たとえば、同意したクレジット限界に達したとき、アカウントは凍結され得、その場合、ユーザは、問題を解決するためにサービスプロバイダ30に連絡することができる。「009」コードは、トランザクションに関与する様々な企業間でも使用され得る。グローバルステータスコード「011」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、デバイスが実行しようと試みた動作がサービスプロバイダ30とユーザとの間の契約の下で許されないことを示すことができる。そのようなエラーメッセージを受信したとき、ユーザは、契約条件を変更するためにサービス事業者30に連絡することができる。「011」コードは企業間でも使用され得る。グローバルステータスコード「015」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、要求されたサービスが送信問題により利用不可能であることを示すことができ、その場合、後で要求を再開することができる。「015」コードは企業間でも使用され得る。グローバルステータスコード「016」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、同じ要求が前に処理されたことを示すことができ、その場合、ユーザまたはエンティティは、要求がすでに処理されたかどうかを確認することができる。これは、LTKMが受信されたかどうかを判定することによって行うことができ、そうでない場合、要求を再入力する。グローバルステータスコード「021」を含むユーザサブスクリプション応答メッセージ600は、与えられた情報が無効であり、システムによって使用できないことを示すことができる。そのような状況では、ユーザは、要求を再確認し、再び送信することができる。グローバルステータスコード「022」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、要求元鍵マテリアルおよびメッセージが有効ではなく、履行できないことを示すことができる。そのようなシナリオでは、ユーザは、要求を再確認し、必要な場合、再送信することができる。グローバルステータス「031」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、ユーザが、クーポンを担持(carried)するボーナスクレジット618を使用しようと試みたが、そのクーポンは有効期限を有し、購買トランザクションにもはや有効でないことを示すことができる。グローバルステータスコード「032」を含むサブスクリプション応答メッセージ600は、ユーザが、利用可能なコンテンツオブジェクトを購入するために、(クーポンを担持する)検証されたボーナスクレジットを使用したが、そのクーポンは、前のトランザクションにおいてすでに使用されており、したがって、もはや有効でないことを示すことができる。
【0071】
一実施形態では、ユーザからの自発的なサービス要求を受信することなしに、クレジットをユーザのモバイルデバイス40に配信またはプッシュすることができる。言い換えれば、モバイルブロードキャストTVシステムは、ユーザのモバイルデバイス40を「ブートストラップ(bootstrap)」し、ユーザのモバイルデバイス40が要求メッセージを送信することなしに、クレジットをユーザのモバイルデバイス40にプッシュアウト(push out)することができる。そのような配信方法は、サードパーティ50およびモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30が、すべてのユーザにメッセージを配信するためのブロードキャストネットワーク80を使用してモバイルデバイス40にクレジットを送信するか、あるいは特定のユーザまたはユーザのグループにメッセージを配信するためのユニキャストネットワーク70を使用してモバイルデバイス40にクレジットを送信することを可能にすることができる。ユーザのモバイルデバイス40をブートストラップすることは様々な方法によって行われ得る。一実施形態では、図10および図11を参照しながら以下で説明するように、ユーザのモバイルデバイス40に送信請求プルメッセージ(solicited pull messages)をブロードキャストすることができる。送信請求プルメッセージは、ユーザのモバイルデバイス40からのクレジット購買要求を送信請求(solicit)することができる。他の実施形態では、図13〜図14を参照しながら以下で説明するように、ユーザのモバイルデバイス40が明示的アクションをとる必要なしにクレジットを受信することを可能にするために、ユーザのモバイルデバイス40にクレジット供与プッシュメッセージ(credit grant push messages)をブロードキャストすることができる。
【0072】
ブートストラッピング方法を使用したクレジットの配信を説明するために、以下の例示的な実施形態では、ユーザへの無料トークンの配信について説明する。モバイルTV番組を視聴するために、購入されたトークンとほとんど同様に無料トークンの引き換えを行うことができる。以下の実施形態において、トークンを配信するためのプロセスを例として使用するが、たとえば製品またはサービスのために引き換えできるクーポンのような他のタイプのクレジットを配信するために同じプロセスを使用することができる。したがって、以下の例は、本発明の範囲をトークンの配信に限定するものではない。
【0073】
図10Aは、送信請求プルメッセージを使用して、無料トークンを受信すべきユーザのモバイルデバイスをブートストラップするための例示的な実施方法のプロセスフローチャートである。図11Aは、図10Aに示す方法による、トークンを配信するために様々なモバイルブロードキャストTVシステムコンポーネント間で交換され得るメッセージのメッセージフローチャートである。この実施形態について、図10Aと図11Aの両方を参照しながら以下で説明する。
【0074】
非自発的な(involuntary)トークン購買要求を開始するために、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は送信請求プルメッセージをユーザのモバイルデバイス40に送信する(図11A中のメッセージ1100に関係する図10A中のステップ314)。送信請求プルメッセージ1100は、ブロードキャストネットワーク80またはユニキャストネットワーク70のいずれかを介して送信できる。送信請求プルメッセージ1100は、モバイルデバイス40を、購買要求メッセージを送信するように促すメッセージであり、それによって、図4および図5を参照しながら上記で説明したクレジット配信プロセスを開始する。ユーザのモバイルデバイス40は、送信請求プルメッセージを受信し、処理する(ステップ406)。随意に、送信請求プルを受け付けるかまたは拒否するようにユーザを促す(随意の判定408)。この随意のユーザ選択は、たとえば、プライバシまたはセキュリティ問題がクレジットを受信したいという欲求を上回ることがあるモバイルデバイスユーザにとって有用であり得る。ユーザが送信請求プルを拒否することによってプロンプトに応答した場合、モバイルデバイス40は送信請求プルメッセージを単に無視する。しかしながら、ユーザが送信請求プルを受け付けることによってプロンプトに応答した場合(すなわち、判定408=「YES」)、モバイルデバイス40はトークン購買要求をモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(図11A中のメッセージ1102に関係する図10A中のステップ410)。図4および図5を参照しながら上記で説明したように、トークン購買要求メッセージ1102は、ユニキャストネットワーク70またはたとえばインターネット90のような他のネットワークを介してサービスプロバイダ30に送信できる。トークン購買要求メッセージ1102は、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30によって送信された送信請求プルメッセージ1100中で定義されたルールに基づいて、送信請求プルメッセージ中で指定された情報(たとえば、識別子)を含むことができ、あるいは、たとえばトークン購買要求が無料トークンのためのものであるようなときに、0の購買要求を指定することができる。トークン購買要求メッセージ1102を受信すると(ステップ316)、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、エラーが存在するかどうかを判定せよという要求を処理する(判定318)。トークン購買要求メッセージ1102が正常に受信されなかった場合(すなわち、判定318=「NO」)、エラーメッセージをもつトークン購買応答をモバイルデバイス40に送信する(ステップ412、メッセージ1104)。このエラーメッセージは、図9を参照しながら上記で説明したコードおよびステータスメッセージのうちの1つまたは複数を含むことができる。トークン購買要求が正常に処理された場合(すなわち、判定318=「YES」)、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、次いで、トークン購買応答メッセージを送信し(図11A中のメッセージ1104に関係する図10A中のステップ320)、それをユーザのモバイルデバイス40が受信する(ステップ414)。トークン購買応答メッセージ1104は、図12を参照しながら以下でより詳細に説明する属性および要素を含むことができる。トークン購買応答メッセージの送信の後、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、その下で無料トークンが使用され得る契約条件(terms and conditions)とともにトークンを含むLTKMメッセージをモバイルデバイス40に送信する(図11A中のメッセージ1106に関係する図10A中のステップ416)。このLTKMは、ユニキャストネットワーク70、またはインターネット90など他のネットワークを介して送信できる。LTKMを受信すると(ステップ416)、モバイルデバイス40はトークンをそのメモリに記憶する(図11A中の内部メッセージ1108に関係する図10A中のステップ418)。随意に、モバイルデバイス40は、トークンの安全な受信(safe receipt)を示すために検証メッセージをモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(図11A中のメッセージ1110に関係する図10A中のステップ420)。この検証メッセージ1110は、ユニキャストネットワーク70またはたとえばインターネット90のような他のネットワークを介して送信できる。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は検証メッセージ1110を受信する(ステップ324)。
【0075】
図10Aおよび図11Aは、トークン購買要求メッセージと購買応答メッセージとを介してトークンを交換する1つの例示的な実施形態を示しているが、送信請求プルプロセスを使用して、たとえばトークンの代わりにクーポンを受信するなどのために、クレジットを受信するためのメカニズムとして汎用サブスクリプション要求メッセージ(すなわち、サービス要求)を送信することができる。図10Bは、送信請求プルメッセージを使用して、サービス要求を介してクーポンを受信すべきユーザのモバイルデバイスをブートストラップするための例示的な実施方法のプロセスフローチャートである。図11Bは、図10Bに示す方法による、クーポンを配信するために様々なモバイルブロードキャストTVシステムコンポーネント間で交換され得るメッセージのメッセージフローチャートである。同様の番号付き参照をもつプロセスおよびメッセージは、図10Aおよび図11Aを参照しながら上記で説明したものに一致する。
【0076】
図10Bおよび図11Bを一緒に参照すると、送信請求プルメッセージ1100を受信すること(図10B中のステップ406)に応答して、モバイルデバイス40はサービス要求メッセージをモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(図11B中のメッセージ1103に対応する図10B中のステップ411およびステップ317)。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、サービス応答メッセージをモバイルデバイス30に送信することによって応答する(図11B中のメッセージ1105に対応する図10B中のステップ321およびステップ415)。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、次いで、クーポン(または他の価値のあるアイテム)を含むLTKMメッセージをモバイルデバイス30に送信する(図11B中のメッセージ1107に対応する図10B中のステップ323およびステップ417)。モバイルデバイス30は、LTKMとクーポンとをメモリに記憶し(図10B中のステップ419および図11B中の内部メッセージ1109)、ステップ420およびステップ324とメッセージ1110とについて上記で説明したように随意の検証メッセージで応答する。
【0077】
図12に、トークン購買応答メッセージ1104の一実施形態中に含まれ得る様々な属性および要素を示す。トークン購買応答1104は、随意の要求ID属性602と必須のグローバルステータスコード属性604とを含むことができる。図6に関して上記で説明したように、要求ID属性602は、対応するサービス要求メッセージの識別子とすることができる。したがって、正しい応答が、権利を要求する当事者に届くことを可能にするために、要求ID属性604は、トークン購買応答メッセージ1104を識別し、正しいトークン購買要求メッセージ1102に関連付けることができる。要求ID属性602を使用して、ユーザのモバイルデバイス40は、トークン購買応答メッセージ1104が受信されたかどうかを判定することができる。図6に関して上記で説明したように、グローバルステータスコード604は、いくつかの定義されたリターンコードに従ってトークン購買要求の全体的な結果に関する情報を与えることができる。例示的なリターンコードについては、図9を参照しながら上記でより詳細に説明した。グローバルステータスコード604を使用することによって、モバイルデバイス40は、要求が正常に処理されたか、何らかのエラーのために失敗したかを判定することができる。言い換えれば、グローバルステータスコード604は、サービス要求のステータス(すなわち、成功、またはエラーによる失敗)をユーザのモバイルデバイス40に伝達することができる。
【0078】
トークン購買応答1104はまた、たとえばDRMプロファイル固有部分要素610、スマートカードプロファイル固有部分要素612、およびボーナスクレジット要素618のような、随意の要素を含むことができる。DRMプロファイル固有部分要素610とスマートカードプロファイル固有部分要素612とは相互に排他的である。したがって、トークン購買応答メッセージは、DRMプロファイル固有部分要素610またはスマートカードプロファイル固有部分要素612のいずれかのみを含んでいることができる。サービスおよびコンテンツ保護DRMプロファイル固有部分要素610は、DRMプロファイルをサポートするために必須であり得、スマートカードプロファイルに適用可能でないことがある。
【0079】
DRMプロファイル固有部分要素610はROAPトリガ624の随意の要素を含んでいることができる。トークン購買応答メッセージ1104中のROAPトリガ624要素は、サブスクリプション応答メッセージ600中のROAPトリガ624と同様であるが、いくつかの相違点がある。トークン購買が成功した場合、トークン購買応答メッセージ1104は追加のペイロードとしてROAPトリガ624を含むことができる。モバイルデバイス40は、1つまたは複数のトークン取得を開始するために、このROAPトリガ624を使用することができる(すなわち、LTKM取得を開始することによって)。これは、上記で説明したサブスクリプション応答メッセージ600中のROAPトリガ624と同じ機能である。しかしながら、サブスクリプション応答メッセージ600のROAPトリガ624要素とは対照的に、モバイルデバイス40が、たとえば、登録されていないためにトークン購買要求が失敗した場合、トークン購買応答メッセージ1104は、追加のペイロードとしてROAP登録トリガを含むことができる。モバイルデバイス40は、次いで、サービスプロバイダ30への登録プロセスを開始するように促され、首尾良く(successfully)登録されると、次いで、トークン購買要求メッセージ1102を再送信することができる。
【0080】
トークン購買応答メッセージは、随意の供与されるトークン要素1202(token granted element)とLTKM要素626とを含むことができる。トークン供与要素1202は、トークン購買要求メッセージ1102に応答して、たとえば供与されるトークンに関する情報のような、いくつかの属性を含むことができる。これらの属性は、タイプ1204と、量1206と、課金タイプ1208とを含むことができる。タイプ属性1204は、トークン購買トランザクションにおいて供与されるトークンタイプを指定することができる。供与され得る様々なトークンタイプおよびそれらの割り当てられた値は、予約済みトークン(値0)と、DRMプロファイルのためのトークン(値1)と、ライブPPTパースに追加されるスマートカードプロファイルのためのサービストークン(値2)と、再生PPTパースに追加されるスマートカードプロファイルのためのサービストークン(値3)と、サービスプロバイダ30のIDに関連するユーザパースに追加されるスマートカードプロファイルのためのユーザトークン(値4)と、将来の使用のために予約されたトークン(値5〜値127)と、商用利用のために予約されたトークン(値128〜値255)とを含むことができる。量属性1206は、トークン購買トランザクションにおいて供与されるトークンの数を指定する情報を含むことができる。タイプ属性1204について、属性で指定される値は、供与されるトークンの数に対応し得る。課金タイプ属性1208は、トークン購買トランザクションに関連付けるべき課金タイプに関する情報を含むことができる。課金タイプは、未指定(値0)と、プリペイド(値1)と、ポストペイド(値2)と、将来の使用のための予約済み(値3〜値127)と、商用利用のための予約済み(値128〜値255)とを含むことができる。図6に関して上記で説明したように、LTKM626要素は、base64符号化MIKEYメッセージを含むスマートカードプロファイルモバイルブロードキャストTV LTKMとすることができる。要求元モバイルデバイス40とサービスプロバイダ30とが登録プロシージャ中にLTKM配信メカニズムとして「HTTP」(すなわち、インターネット)に関して同意している場合、この要素はトークン購買応答メッセージ1104中に存在し得る。
【0081】
図6を参照しながら上記で説明したサブスクリプション応答メッセージ600と同様に、トークン購買応答メッセージ1104はまた、たとえばトークンまたはクーポンのようなクレジットをユーザに送信するための随意のボーナスクレジット要素618を含むことができる。たとえば、トークン購買応答1104をユーザのモバイルデバイス40に送信する前に、クレジット(すなわちクーポンおよび/またはトークン)データをボーナスクレジット要素618に挿入することができる。このようにして、ユーザのモバイルデバイス40がモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30によって送信された送信請求プルメッセージに応答すると、ユーザはモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からクレジットを受信することができる。トークン購買応答メッセージ1104の部分であり得るクレジットタイプは、変更され得、また、たとえば、ユーザにプッシュされているトークンタイプ、もしくは、(ユーザの習慣とモバイルブロードキャストTVシステムの使用とに基づく)送信請求プルメッセージ1100を送信したまたはトークン購買要求メッセージ1102で応答するユーザの識別情報、または、それらの両方に結び付けられ得る。たとえば、0個以上の(購買データとしても知られる)スタンドアロンボーナスクレジットパラメータが購買アイテム要素608の属性として存在し得る。これらのボーナスクレジットパラメータは、このトークン購買トランザクションから生じ得るボーナスサービスのためのユーザ固有のクレジットデータを含むことができる。クレジットは、ユーザのモバイルデバイス40のメモリに記憶され、サービスガイドルールとユーザのメンバーシップレベルとに基づいて管理され得る。ボーナスクレジット618のメッセージ構造の例示的な実施形態については、図7および図8を参照しながら上記でより詳細に説明した。
【0082】
図13に、トークン供与プッシュメッセージ(token grant push messages)を使用して、無料トークンを受信すべきユーザのモバイルデバイス40をブートストラップするための例示的な実施形態のプロセスフローを示す。図14は、図13に示す本方法による、クレジットの配信のために様々なモバイルブロードキャストTVシステムコンポーネント間で交換され得るメッセージを示すメッセージフローチャートである。この実施形態について、図13と図14の両方を参照しながら説明する。
【0083】
モバイルデバイス40へのトークンの配信を開始するために、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30はトークン供与プッシュメッセージをモバイルデバイス40に送信する(ステップ321、メッセージ1400)。モバイルデバイス40は、トークン供与プッシュメッセージを受信し、処理する(ステップ413)。トークン供与プッシュメッセージは、モバイルデバイス40がLTKM中のクレジットを受信するために準備することができるように、LTKMが送信されることをモバイルデバイス40に通知する。トークン供与プッシュメッセージ1400に続いて、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、無料トークンと利用規約とを識別するLTKMをモバイルデバイス40に送信する(ステップ322、メッセージ1106)。LTKM1106を受信すると、モバイルデバイス40は、情報を処理し(ステップ416)、たとえば無料トークンをモバイルデバイスセキュア機能90(たとえばスマートカードメモリ)などのメモリに記憶する(ステップ418、内部メッセージ1108)。モバイルデバイス40は、LTKMおよび無料トークンが正常に受信され、記憶されたことを示すために、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に検証メッセージで応答する(ステップ420、メッセージ1110)。代替的にまたは随意に、トークンが正常にメモリに記憶されない場合、モバイルデバイス40は、その情報を検証メッセージ中に含める(図示せず)。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、検証メッセージ1110を受信し(ステップ324)、メッセージの内容に基づいて適切なステップをとる。たとえば、検証メッセージ1110が、トークンがモバイルデバイス40によって正常に受信され、記憶されたことを示す場合、サービスプロバイダ30はさらなるアクションをとることはない。しかしながら、検証メッセージ1110が、トークンが正常に受信されなかったかまたはモバイルデバイス40のメモリに記憶されなかったことを示す情報を含む場合、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、その状況を改善するために適切なアクション(たとえばLTKM1106を再送信することなど)をとることができる。
【0084】
たとえば無料トークンまたはクーポンのようなクレジットがモバイルデバイス40に配信されると、ユーザは、それらを使用して、モバイルTV番組、サービスまたは製品を購入することができる。様々な実施形態によれば、クレジットの引き換えを行うための様々な方法を採用することができる。1つの例示的な引き換え方法は、クレジットを使用して特定のモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30からのサービスコンテンツのみを購入することができるSTKMをブロードキャストすることを含む。他の例は、ユニキャストネットワーク70を使用して、モバイルデバイス40に、購買のための支払いの一部として(端末上のセキュアなメモリ上またはスマートカード中に実装された)オンボード電子パースから特定のクレジットを減分させるためのLTKMパースモードを送信することを含む。LTKMパースモードメッセージは、モバイルデバイスに、その電子パースからクレジットを減分させる命令を含むメッセージである。他の例は、モバイルデバイス40に、支払いの一部として、その電子パースから特定のクレジットを減分するように指示するメッセージであるSTKMヌルプログラムメッセージをブロードキャストすることを含む。これらのクレジット引き換え方法の各々について、図15〜図20を参照しながら以下でより詳細に説明する。
【0085】
図15は、STKMブロードキャストを使用してクレジットの引き換えを行うための例示的な実施形態のプロセスフローチャートである。図16は、図15に示す方法における、クレジットの引き換えを行うために様々なモバイルブロードキャストTVシステムコンポーネント間で交換されるメッセージのメッセージフローチャートである。この実施形態について、図15と図16の両方を参照しながら以下で説明する。
【0086】
様々な実施形態によれば、モバイルデバイス40に配信またはプッシュされるクレジットは、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30から無料または割引の番組またはコンテンツを購入するためにのみ引き換えできるクレジットを含むことができる。そのようなシナリオにおいて、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、STKMストリーム(メッセージ1600)をブロードキャストし、さらに、モバイルデバイス40に記憶されたクレジットを使用して購入できる名目上または販売促進の番組およびコンテンツストリーム(メッセージ1601)をブロードキャストする(ステップ326)。メッセージ1600はSTKMストリームのブロードキャスト配信を含む。メッセージ1601は暗号化コンテンツを連続ストリームとして送信する。モバイルデバイス40は、STKMストリームブロードキャストに関連する特定の暗号化コンテンツストリーム(メッセージ1601)にアクセスするためにメモリ中のクレジットを使用することができるかどうかを判定するために、受信したSTKMストリーム1600を処理する(ステップ420)。ブロードキャストされるSTKMストリーム1600は、ブロードキャストネットワーク80によって、ブロードキャストネットワークに登録されたあらゆるモバイルデバイス40に配信できる。ただし、STKMを受信したあらゆるモバイルデバイス40が、関連する暗号化コンテンツストリーム(メッセージ1601)にアクセスするための附属の(included)TEKを復号化(decrypt)することが可能であるわけではない。STKMストリーム1600に関連する暗号化コンテンツ(メッセージ1601)にアクセスするために、受信モバイルデバイス40は正しいコードおよびパーミッション(permissions)を所有しなければならない。そのようなコードおよびパーミッションは、モバイルデバイス40に記憶されたLTKMルールによって定義される。たとえば、使用され得るLTKMルールは、図10〜図14を参照しながら上記で説明したように、クレジットとともに配信されるLTKMルールとすることができる。モバイルデバイス40は、STKMストリーム1600を受信すると、それをモバイルデバイスセキュア機能90において処理して(ステップ422、内部メッセージ1602)、LTKMルールがSTKMストリーム1600へのアクセスを許すかどうかを判定する(判定422)。モバイルデバイス40は、LTKMルールがSTKMストリームへのアクセスを許さないと判定した場合(すなわち、判定422=「NO」)、STKMストリームを無視する(図示せず)。しかしながら、LTKMルールがSTKMストリームへのアクセスを許す場合(すなわち、判定422=「YES」)、モバイルデバイス40は、パース中のクレジットの利用可能性(availability)を条件として、クレジットパースから、STKMストリームから1つまたは複数のTEKを復号化するために必要とされるクレジットの量を減分する(ステップ424、内部メッセージ1604)。モバイルデバイス40は、次いで、TEKを使用して、暗号化コンテンツストリーム(メッセージ1601)の少なくとも一部分を復号化する。
【0087】
たとえば、メッセージストリーム1601は、たとえばHBO(登録商標)の新しい映画のような、プレミアムチャネル番組の暗号化コンテンツを搬送することができる。そのような番組にアクセスするためのクレジットをLTKM中で前もって受信しているモバイルデバイス40のみが、HBO(登録商標)番組(メッセージ1601)にアクセスし、それを復号化することができる。このプロモーションのために必要とされるLTKMおよびクレジットを受信しなかった他のモバイルデバイス40は、このSTKMストリーム1600に関連するコンテンツにアクセスできない。
【0088】
暗号化コンテンツ1601がモバイルデバイス30によって復号化され、アクセスされると、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、マーチャント50とクレジット引き換えを決済する(ステップ338、ステップ516、メッセージ1606)。サービスプロバイダ30とサードパーティ50またはコンテンツプロバイダ60との間のこの決済は、知られている電子商取引トランザクション方法を含む任意の従来のビジネストランザクションプロセスを使用して達成され得る。
【0089】
図17は、ユーザがマーチャントからサービスまたは製品を購入するためにクレジットを消費することを可能にする例示的な実施形態のプロセスフローチャートである。図18は、図17に示すステップを実装するためにシステムコンポーネント間で交換され得るメッセージのメッセージフローチャートである。この実施形態について、図17と図18の両方を参照しながら以下で説明する。
【0090】
この例示的な実施形態では、マーチャントにおいてまたはベンダウェブサイト上でショッピングをする間、製品を購入するために、LTKM中でモバイルデバイス40に配信される販売促進クレジットを使用することができる。クレジットを受信し、記憶するプロセスについては、図10または図13を参照しながら上記で説明した。そのようなクレジットは、たとえばベンダのロケーションにおいて(すなわち、POSにおいて)物理的にショッピングをする間またはオンラインでショッピングをする間など、ショッピングをするときに、サービスまたは製品の代金を支払うかまたはそれらに対する割引を受けるために使用できる。ユーザは、ユーザのモバイルデバイス40によってマーチャント50とのショッピングセッションを開始する(ステップ428、ステップ508、メッセージ1800)。ユーザは、購買を確定(finalize)したいという要望を示し、モバイルデバイス40からマーチャント50に、モバイルデバイス40に記憶されたクーポンまたはクレジットに関する情報を送信する(メッセージ1802)。このメッセージは、オンラインショッピングセッション中にインターネットを介して、あるいは、たとえば、近距離通信(near field communication)(NFC)リンク、表示されたバーコード、またはクーポンIDの手入力を含む、様々な知られている送信方法によってモバイルデバイス40からマーチャントのPOSシステムに送信できる。マーチャント50は、提出されたクレジットが、このトランザクションの代金の支払いの一部として使用できるかどうかを判定する(判定510)。クレジットが、このトランザクションの代金を支払うために使用できない場合、マーチャント50は、ユーザが、たとえばクレジットカードを用いるなど、他の支払い手段を使用して支払うことを可能にする(図示しないステップ)。しかしながら、マーチャント50が、ユーザのクレジットまたはクーポンが使用できると判定した場合(すなわち、判定510=「YES」)、マーチャント50は、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に支払い要求を送信する(ステップ512、メッセージ1804)。この支払い要求メッセージ1804は、インターネット90または他のネットワークを介して送信でき、提示された(proffered)クーポン、ユーザおよび/またはモバイルデバイス40を識別することができる。支払い要求を受信すると(ステップ330)、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、LTKMパースモードメッセージを作成し、それをユーザのモバイルデバイス40に送信する(ステップ432、メッセージ1806)。LTKMパースモードメッセージ1806は、ユニキャストネットワーク70を使用してユーザ40に送信でき、ユーザのモバイルデバイス40に、モバイルデバイス40の電子パースから適切なクレジットを減分するように指示する命令を含むことができる。モバイルデバイス40は、LTKMパースモードメッセージ1806を受信し(ステップ432)、LTKMルールに基づいて、電子パースからクレジットを減分する(ステップ434、内部メッセージ1808)。クレジットが完全にまたは正常に減分されない場合、モバイルデバイス40はモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に信号を送信する(図示せず)。クレジットがモバイルデバイス40のパースから完全にまたは正常に減分されない場合、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30はLTKMパースモードを再送信する(図示せず)。しかしながら、クレジットが正常に減分された場合、モバイルデバイス40はモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に検証メッセージを送信する(ステップ436、メッセージ1810)。この検証メッセージ1810はユニキャストネットワーク70を介して送信できる。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、検証メッセージ1810を受信し(ステップ334)、支払い応答メッセージをマーチャント50に送信し(ステップ336、メッセージ1812)、マーチャントは、インターネットまたは他のネットワークを介して支払い応答メッセージを受信する(ステップ514)。支払い応答メッセージ1812は、クレジットがユーザのモバイルデバイス40のパースから正常に減分されたという情報をマーチャント50に与えることができる。マーチャント50はユーザとのトランザクションを完了することができる。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30とマーチャント50との間のクレジット引き換えの決済は、たとえば支払い応答メッセージ1812の送信などとともに、販売時に行われるか、または後で行われる(ステップ338、516)。
【0091】
図19に示す例示的な実施形態では、製品またはサービスの購買の代金を支払うためにクレジットを減分するためのSTKMヌルプログラムメッセージをユーザのモバイルデバイス40に送信することができる。STKMヌルプログラムメッセージはすべての端末にブロードキャストされるので、ショッピングトランザクションに関与したモバイルデバイスのみがこの特殊支払いメッセージ(special payment message)の影響を受けるべきである。これは、STKMヌルプログラムメッセージ中で一意のショッピングトランザクションIDを搬送することによって保証される。ユーザがショッピングトランザクションに関与しなかったすべての他のモバイルデバイスは、このSTKMメッセージを単に無視することができる。図20は、図19に示す方法において交換され得るメッセージのメッセージフローチャートである。この実施形態について、図19と図20の両方を参照しながら以下で説明する。
【0092】
クレジットを受信し、記憶するプロセスについては、図10または図13を参照しながら上記で説明した。上記で説明したように、ベンダのロケーション(POS)においてショッピングをするとき、またはオンラインでショッピングをする間、サービスまたは製品の代金を支払うためにモバイルデバイス40に記憶されたクレジットを使用することができる。ユーザは、ユーザのモバイルデバイス40によって、マーチャント50とのショッピングセッションを開始する(図20中のメッセージ1800に対応する図19中のステップ428、ステップ508)。ユーザは、購買を確定したいという要望を示し、モバイルデバイス40からマーチャント50に、モバイルデバイス40に記憶されたクーポンまたはクレジットに関する情報を送信する(図20中のメッセージ1802)。このメッセージは、オンラインショッピングセッション中にインターネットを介して、あるいは、たとえば、近距離通信(NFC)リンク、表示されたバーコード、またはクーポンIDの手入力を含む、様々な知られている送信方法によってモバイルデバイス40からマーチャントのPOSシステムに送信できる。マーチャント50は、クレジットが、このトランザクションの代金を支払うために使用できるかどうかを判定する(判定510)。クレジットが、このトランザクションの代金を支払うために使用できない場合(図示しないステップ)、マーチャント50は、ユーザが、たとえばクレジットカードを用いるなど、支払いの他の手段を使用して支払うことを可能にする。しかしながら、マーチャントが、ユーザは、クレジットを使用して支払うことができると判定した場合(すなわち、判定510=「YES」)、マーチャント50は、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に支払い要求メッセージを送信する(図20中のメッセージ1804に対応する図19中のステップ512)。この支払い要求メッセージ1804は、インターネット90または他のネットワークによって送信でき、提示されたクーポン、ユーザおよび/またはモバイルデバイス40を識別することができる。支払い要求を受信すると(ステップ330)、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、モバイルデバイス40にSTKMヌルプログラムメッセージをブロードキャストする(図20中のメッセージ2000に対応する図19中のステップ331)。STKMヌルプログラムメッセージ2000は、ユーザのモバイルデバイス40のみがそれを受信し、復号化することができるように、符号化された状態でブロードキャストネットワーク80を介して送信できる。モバイルデバイス40は、STKMヌルプログラムブロードキャストメッセージ2000を受信し(ステップ438)、モバイルデバイス40に記憶されたクレジットに関連するLTKM内の鍵を使用してそのコンテンツを復号化して、LTKMルールがSTKMヌルプログラムブロードキャストメッセージ2000へのアクセスを許すかどうかを判定する(判定422)。LTKMルールがSTKMヌルプログラムメッセージ2000へのアクセスを許す場合(すなわち、判定422=「YES」)、クレジットが記憶されたパースにメッセージを送信し(内部メッセージ2002)、パースからクレジットを減分する(ステップ434)。クレジットが減分されると、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に検証メッセージを送信する(図20中のメッセージ1810に対応する図19中のステップ436)。この検証メッセージ1810はユニキャストネットワーク70を介して送信できる。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、検証メッセージ1810を受信し(ステップ334)、支払い応答メッセージをマーチャント50に送信する(図20中のメッセージ1812に対応する図19中のステップ336)。この支払い応答メッセージ1812は、インターネット90または他のネットワークを介して送信できる。マーチャント50は支払い応答を受信し(ステップ514)、支払い応答は、マーチャント50が販売を確定することができるように、クレジットが正常に減分されたことをマーチャント50に通知する。次いで、任意の知られている金融取引メカニズム(financial transaction mechanism)を介して、モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30とマーチャント50との間でクレジット引き換えを決済する(図20中のメッセージ1606に対応する図19中のステップ338、ステップ516)。
【0093】
モバイルデバイス40は、STKMヌルプログラムメッセージ2000にアクセスすることができないか、またはアクセスすべきでない場合、メッセージを無視することができる。したがって、クレジットは減分されず、検証メッセージ1810がサービスプロバイダ30に送信されることはない。モバイルブロードキャストサービスプロバイダ30は、検証メッセージを受信しないので、クレジットが転送されなかったことをマーチャント50に通知する支払い応答メッセージ1812を送信することになる。そのようなシナリオでは、マーチャント50は、クレジットまたはクーポンを拒否し、ユーザにサービスまたは製品の代金の他の形の支払いを使用するように要求することができる。
【0094】
クレジットの使用を管理するために、いくつかのルールを定義することができる。たとえば、クレジットは、有効期限を含み得るか、または、1回のみ使用され得る。説明のために、以下の例ではクーポンの使用に言及するが、本発明の範囲は、この形のクレジットに限定されない。図21は、期限切れクーポンを識別し、それをモバイルデバイス40の電子パースから削除するための実施方法のプロセスフローチャートである。モバイルデバイス40はクーポンを受信し(ステップ2100)、それをメモリに記憶する(ステップ2102)。後で、モバイルデバイスは、クーポンを使用せよという要求を受信する(ステップ2104)。上記で説明したように、要求は、ブロードキャストサービスプロバイダ30からLTKMまたはSTKMの形で受信され得る。LTKMまたはSTKMに応答してクーポンにアクセスすると、モバイルデバイス40は、クーポンの使用を可能にする前に、クーポンが期限切れであるかどうかを判定する(判定2108)。クーポンが期限切れである場合(すなわち、判定2108=「YES」)、メモリからクーポンを削除し(ステップ2112)、期限切れクーポンの削除のレポートをモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(ステップ2114)。期限切れクーポンの削除のそのようなレポートはユニキャストネットワーク70を介して送信できる。クーポンが期限切れでない場合(すなわち、判定ステップ2108=「NO」)、上記で説明したように、受信したLTKMまたはSTKMに基づいてクーポンを購買に適用する(ステップ2110)。
【0095】
図22は、使用されるクーポンを識別し、削除するための例示的な実施方法のプロセスフローチャートである。モバイルデバイス40はクーポンを受信し(ステップ2100)、それをメモリに記憶する(ステップ2102)。モバイルデバイスは、クーポンを使用せよという要求を受信する(ステップ2104)。上記で説明したように、要求は、ブロードキャストサービスネットワーク30からLTKMまたはSTKMの形で受信され得る。LTKMまたはSTKMに応答してクーポンにアクセスすると、モバイルデバイス40は、購買トランザクションの代金を支払うためにクーポンを減分する前に、クーポンがすでに使用されたかまたは以前に複製されたかどうかを判定する(判定2200)。この判定は、クーポンを、1人のユーザが1回だけ使用できるか、すべてのユーザが1回ずつ使用できるか、販売促進期間中に複数回使用できるか、またはクーポン作成者が想定し得る他の使用パターンに従って使用できるように定義することを可能にする。クーポンが使用されたかまたは以前に複製された場合(すなわち、判定2200=「YES」)、メモリからクーポンを削除し(ステップ2112)、削除のレポートをユニキャストネットワーク70を介してモバイルブロードキャストサービスプロバイダ30に送信する(ステップ2114)。クーポンが以前に使用されていないかまたは複製されていない場合(すなわち、判定ステップ2108=「NO」)、上記で説明したように、受信したLTKMまたはSTKMに基づいてクーポンを購買に適用する(ステップ2110)。
【0096】
上記の実施形態の説明では、ユニキャストネットワークを介してモバイルブロードキャストサービスプロバイダと通信するモバイルデバイスに言及したが、他の通信リンクを使用することができる。たとえば、クレームおよび本発明の範囲から逸脱することなく、エニーキャストネットワーク通信を介してモバイルブロードキャストサービスプロバイダネットワーク内のサーバプール(server pool)にそのようなメッセージを配信することができる。
【0097】
上記の実施形態は、長期復号鍵メッセージ(たとえば、LTKM)によってモバイルデバイスにクーポンまたはトークンを配信し、短期復号鍵メッセージ(たとえば、STKM)によってクーポンまたはトークンの減分を制御するが、クレームは、現在、知られているモバイルブロードキャスト規格の一部ではない専用クーポントランザクションメッセージを使用する実装形態を包含することができる。そのような規格が専用クーポントランザクションメッセージを含むように変更された場合、そのようなメッセージは、本明細書で説明する短期および長期復号鍵メッセージの要素の多くを含み、それらと同様に処理されるであろう。
【0098】
公開鍵暗号法および電子署名クーポンを使用することによって、ユーザおよび/または小売業者(retailer)は、それぞれ、元の発行者に連絡することなしにクーポンが真正であることを検証することができ、または、発行されたすべてのクーポンの複製を記憶することができる。一実施形態では、クーポンを発行し、それを単一の人またはユーザグループのみが使用でき、他者が再利用できないようにすることができる。そのような場合、多目的署名618o中のダイジェストは、クーポンオブジェクトのコンテンツ全体をカバーするだけでなく、クーポンを使用することを許可(authorized)されたユーザ(またはユーザグループ)のアカウント識別情報、ならびにクーポン記録の他の態様をも、カバーすることができる。デジタル署名技法を使用してクーポンが認証されるとき、署名は無許可のアカウント識別情報を用いて検証しないので、自らに発行されなかったクーポンをサブミットしようと試みるサードパーティは容易に検出されることになる。
【0099】
一実施形態では、X.509署名階層を使用して多目的署名618oを形成することができる。X.509は、特に、ルートX.509機関により信頼される機関によって署名が生成されたことを受信者が確認することを可能にする、公開鍵証明書(public-key certificates)のフォーマットと証明パス検証アルゴリズム(certification path validation algorithms)とを指定する公開鍵インフラストラクチャのための周知のITU−T規格である。要するに、デジタル署名は証明書のチェーンによって得られ、各証明書はより高い証明書を示し(pointing)、証明書のチェーンは、クーポン引き換え者(coupon redeemer)によって記憶された信頼できるX.509証明書に係属する(pending)。X.509機関を活用することによって、ルートX.509機関は、他の会社が、子証明書を渡すことによって有効なクーポンを発行することを許可することができる。このようにして、クーポン検証エンティティは、クーポンを発行することを望む会社にクーポン署名証明書を渡すことができ、その会社は、次いで、検証可能なクーポンを発行するためにそれらの証明書を使用する個々のビジネスユニットまたは部門に子証明書を発行することができる。X.509署名階層を使用するデジタル署名によって検証されたクーポンを提示されたマーチャントポイントオブセールシステムまたはマーチャントサーバ50は、X.509機関によって与えられたキャッシュされた検証証明書を使用して、個々のクーポン発行者との信頼関係を確立する必要なしに、そのクーポンを検証することができる。したがって、X.509署名階層を使用して形成されたデジタル署名の使用は、マーチャントシステムが、X.509機関を信頼するとき、クーポンを検証することを可能にし、それによって、様々な実施形態による、配信されたクーポンの引き換えを大幅に簡略化することができる。これは、マーチャントシステムが、クーポン発行者と通信する必要なしにクーポンを検証することを可能にする。
【0100】
一実施形態では、デジタル署名をもつクーポンを作成し、モバイルマルチメディアブロードキャストネットワークを介してモバイルデバイス40にブロードキャストすることができる。図23に、署名をもつクーポンをブロードキャストするための実施方法を示す。一実施形態では、マーチャントサーバ50は、クーポン取得のためのアクセス情報(たとえばURLおよびクーポンID番号など)を含むクーポンテンプレートを作成し(ステップ2302)、ネットワーク(たとえばインターネットなど)を介してクーポンテンプレートをモバイルブロードキャストプロバイダ30に送信する(ステップ2304)。モバイルブロードキャストプロバイダ30は、マーチャントサーバ50からクーポンテンプレートを受信し、暗号化し、ブロードキャストする(ステップ2306)。モバイルデバイス40は、ブロードキャスト送信から暗号化クーポンテンプレートを受信する(ステップ2308)。モバイルデバイス40は、TEKを使用することによってクーポンテンプレートを復号化する(ステップ2310)。上記で説明したように、TEKは、モバイルデバイス40がモバイルブロードキャストプロバイダ30から受信したLTKMとSTKMとに基づいて取り出される。モバイルデバイスが、ブロードキャストされたクーポンの指定受信者(intended recipients)のうちの1つである場合、モバイルデバイス40は、デバイスがクーポンテンプレートを復号化することを可能にするTEKを(LTKMおよびSTKM方法によって)受信することができる。モバイルデバイスが、クーポンの対象であるグループの部分でない場合、モバイルデバイス40は、対応するTEKを有せず、したがってクーポンテンプレートを復号化することができないことになる。クーポンテンプレートを復号化すると、モバイルデバイス40は、マーチャントサーバ50によってホスティングされる(hosted)ウェブサイトにアクセスするために、たとえばユニキャストネットワークを介するなど、インターネット90を使用することによって、クーポンアクセス情報を使用して、使用可能な電子クーポンを要求する(ステップ2312)。
【0101】
本実施形態では、マーチャントサーバ50は、モバイルデバイス40の電子クーポンの要求を受信するクーポンデータリポジトリ(coupon data repository)として働くことができる(ステップ2314)。マーチャントサーバ50は、オープンなインターネット接続を介して、初期要求中で搬送されないデバイス識別情報ならびにクーポンデータの要求をモバイルデバイス40に送信する(ステップ2316)。モバイルデバイス40は、インターネット90を介して識別情報とクーポンデータとの要求を受信し(ステップ2318)、それに応答して、要求されたデータをマーチャントサーバ50に送信する(ステップ2320)。そのようなモバイルデバイス識別情報は、マーチャントサーバ50に対してデバイスおよび/またはユーザを識別する任意の形の情報とすることができる。そのような情報の例には、デバイス識別子(たとえば、MAC ID)、デバイス電話番号、ユーザアカウント番号、メンバーシップ番号、ユーザ名、マーチャントサーバ50に知られている、デバイスメモリに記憶された秘密の番号(secret number)(たとえば個人識別番号(PIN))などがある。トランザクション中に、モバイルデバイスは、これらのデバイス識別子のうちの1つまたは複数をサブミットする必要があり得る。
【0102】
様々な方法を使用して、デバイス識別情報データをマーチャントサーバ50に送信することができる。たとえば、情報の要求に応答するなどして、デバイス識別情報データをマーチャントサーバ50に自動的に送信することができる。そのような実装形態では、モバイルデバイス40は、マーチャントサーバ50への応答メッセージ中で要求された識別情報パラメータを与えることによって、マーチャントサーバ50の要求に自動的に応答するように構成できる。代替的に、モバイルデバイスは、ユーザに要求について通知し、ユーザ命令時にのみデバイス識別情報データをマーチャントサーバ50に送信することができる。そのような実装形態では、モバイルデバイス40は、マーチャントサーバ50からの識別情報データの要求についてユーザに通知し、要求されたデータを送信することを承認(approve)または拒否(disapprove)するようにユーザを促し、マーチャントサーバ50へのそのような識別情報データの送信を可能にするユーザ入力を受け取ったときのみ応答するように構成できる。
【0103】
マーチャントサーバ50は、識別情報とクーポンデータとを使用して、デジタル署名を含むクーポンを作成する(ステップ2324)。デジタル署名ダイジェストは、要求元デバイス識別情報とクーポンIDとを含むことができる。上記で説明したように、デジタル署名は、ルートX.509機関にさかのぼって関係するX.509署名階層をもつ証明書を使用して生成され得る。以下で説明するように、デバイス情報とクーポンIDをもつデジタル署名を使用して、ポイントオブセールにおいてクーポンを受け付ける前にクーポンの真正性を検証することができる。ポイントオブセールにおける検証方法については、図25を参照しながら以下でより詳細に説明する。マーチャントサーバ50は、ブロードキャストプロバイダ30に署名付きクーポンを送信する(ステップ2326)。ブロードキャストプロバイダ30は、ユニキャストネットワークを使用して、マーチャントサーバ50からモバイルデバイス40に署名付きクーポンを中継する(ステップ2330)。代替的に、マーチャントサーバ50は、インターネット90によるオープンな通信リンクを直接介して署名付きクーポンをモバイルデバイス40に送信することができる。モバイルデバイス40は、署名付きクーポンを受信し、記憶し(ステップ2330)、トランザクションにおいて現在使用できる電子クーポンの受信に関してユーザに通知する(ステップ2332)。
【0104】
代替実施形態では、URLを与える代わりに、クーポンテンプレートは、たとえば電話番号のような異なる通信インジケータまたはアドレスを含むことができる。そのような実施形態では、モバイルデバイス40は、デバイス識別情報を交換し、署名付きクーポンを受信するために、たとえばSMSまたはMMS通信方法を使用するなどして、通信ネットワークを介してマーチャントサーバ50と通信することができる。
【0105】
図24に、マーチャントサーバ50が、ブロードキャストクーポンを暗号化する必要なしに、モバイルデバイス40へのブロードキャストのための署名付き電子クーポンを作成することができる他の実施方法を示す。本実施形態では、マーチャントサーバ50は、従来の署名方法を使用して、クーポンデータと、クーポン識別番号(coupon identity number)と、(知られている場合)指定受信者モバイルデバイス識別情報データとを包含するデジタル署名をもつクーポンを作成し(ステップ2402)、ブロードキャストすべき署名付きクーポンをモバイルブロードキャストプロバイダ30に送信する(ステップ2404)。上記で説明したように、デジタル署名は、ルートX.509機関にさかのぼって関係するX.509署名階層をもつ証明書を使用して生成され得る。前述の実施形態の場合と同様に、モバイルデバイス識別情報データは、たとえばデバイスMAC ID、電話番号、PIN、アカウント番号、またはグループ番号のような、任意の1つまたは複数のデバイス識別子を含むことができる。グループ番号は、たとえばマーチャントとの契約またはインタラクションを介するなどして、加入するモバイルデバイス40に割り当てられ得るか、またはモバイルデバイスまたはユーザのグループに割り当てられる(すなわち、グループID)。たとえば、マーチャントは、ユーザが、サインアップし、電子クーポンを受信するためにユーザのモバイルデバイス内に記憶され得るグループ識別子を受信することができる、頻繁な顧客報酬プログラム(frequent customer rewards program)を有し得る。この例では、マーチャントは、登録された顧客のみがブロードキャストネットワークを介して引き換えできるクーポンを受信するように、ブロードキャストのために顧客報酬プログラム識別子を用いて署名された電子クーポンを発行することができる。
【0106】
モバイルブロードキャストプロバイダ30は、マーチャントサーバ50から署名付きクーポンを受信し、それを通常のブロードキャスト送信の一部としてブロードキャストする(ステップ2406)。この例示的な実施形態では、いくつかのモバイルデバイスのみがクーポンを受信し、処理することを保証するために、デジタル署名を使用して、ユーザとマーチャントサーバとがクーポン使用を検証することができるので、ブロードキャストプロバイダ30は、署名付きクーポンをブロードキャストする前に、それを暗号化する必要はない。
【0107】
マーチャントサーバ50からデジタル署名付きクーポンを受信し、復号化するために、モバイルデバイス40をマーチャントサーバ50に事前登録することができる。事前登録の一部として、マーチャントは、ユーザのモバイルデバイス上に記憶するための復号鍵を与えることができる。そのような復号鍵は、たとえばX.509検証証明書など、マーチャントサーバ50がモバイルデバイス40と共有し得る標準の公開復号鍵とすることができる。さらに、事前登録プロセス中に、モバイルデバイス40は、マーチャントサーバ50とデバイスデータを共有することができる。マーチャントサーバ50は、事前登録中に受信されたそのようなデバイスデータを記憶し、使用して、そのデータを含むクーポンを作成することができ、デジタル署名は、クーポンデータとともにデバイスデータを含む。デジタル署名は、デバイスデータを用いてのみ検証できるので、この方法は、特定のモバイルデバイスによってのみ使用され得る電子クーポンの生成を可能にする。これにより、ブロードキャストネットワーク80を介して非暗号化方法で、個々のユーザまたはユーザの小さいグループに与えられるクーポンをブロードキャストすることが可能になる。
【0108】
ブロードキャストされたデジタル署名付きクーポンを受信すると(ステップ2408)、モバイルデバイス40は、事前登録中に受信された復号鍵を使用してクーポン署名を復号化する(ステップ2410)。署名を復号化することによって、モバイルデバイス40は、たとえばクーポンデータ、デバイスIDなど、暗号化署名データにアクセスし(ステップ2412)、署名から取り出されたIDがデバイスに記憶されたものと一致するかどうかを判定する(判定2414)。デジタル署名がX.509署名証明書を使用して生成されるとき、モバイルデバイスはまた、クーポンが、ルートX.509機関によって信頼された、したがって信頼できる企業によって信頼されたエンティティによって発行されたことを検証することができる。適切な復号鍵を有しないモバイルデバイスは、ブロードキャストされたクーポンを受信することはできるが、署名を復号化することはできず、したがってデータを無視することになる。
【0109】
署名中の受信されたデバイスデータがモバイルデバイスデータに一致する場合(すなわち、判定2414=「YES」)、モバイルデバイス40は、クーポンをモバイルデバイス40のメモリに記憶し(ステップ2416)、トランザクションにおいて現在使用できる電子クーポンの受信についてユーザに通知する(ステップ2418)。復号化された署名から得られたデバイスデータがモバイルデバイス40のデータに一致しない場合(すなわち、判定2414=「NO」)、モバイルデバイス40は、そのクーポンを、モバイルデバイス40を対象としないクーポンとして無視する(ステップ2420)。また、モバイルデバイス40は、クーポン署名を復号化するために必要とされる復号鍵を有しない場合、受信したクーポンを無視する。ブロードキャスターの暗号化方法(たとえば、上記で説明したLTKMおよびSTKM方法)を使用せずに、モバイルブロードキャストネットワークを介して特定のユーザまたはユーザのグループに検証可能な電子クーポンを与えるために、暗号化とデジタル署名との様々な組み合せを同様にして採用することができる。
【0110】
マーチャントのポイントオブセール(POS)において、様々な方法でデジタル署名付きクーポンの引き換えを行うことができる。たとえば、クーポンタイプに応じて、ポイントオブセールにおいて商品を割引または無料で購入することができる。図25に、ポイントオブセールにおいて購買トランザクション中に署名付きクーポンの引き換えを行うための実施方法を示す。販売トランザクション中に(たとえば「チェックアウト」中に)、ユーザは、署名付きクーポンを記憶するモバイルデバイス40をPOSシステム95に提示する。たとえば周知の近距離場通信(NFC)リンクを使用するなどして、モバイルデバイス40とPOSシステムは通信リンクを交渉し、モバイルデバイス40は、次いで、通信リンクを介してデバイス識別情報データとともに電子クーポンデータを送信する(ステップ2502)。POSシステム95は、署名付きクーポンとデバイス識別情報データとを受信し(ステップ2504)、署名付きクーポンの検証を要求する要求をマーチャントサーバ50に送信する(ステップ2506)。
【0111】
POSからの検証要求メッセージは、クーポン署名と、クーポンIDと、受信したデバイス識別情報データとを含むことができる。マーチャントサーバ50は、検証要求メッセージを受信し(ステップ2508)、署名を復号化し(ステップ2510)、署名から取り出されたクーポンIDおよびデバイス識別情報データを、POSから受信したクーポンIDおよびデバイス識別情報データと比較する(ステップ2512)。デジタル署名がX.509署名証明書を使用して生成されるとき、マーチャントサーバ50はまた、クーポンが、ルートX.509機関によって信頼された、したがって信頼できる企業によって信頼されたエンティティによって発行されたことを検証することができる。デジタル署名が正しく復号化され(これは、発行者が信頼できることを確認する)、署名から取り出されたクーポンIDおよびデバイス識別情報データが、検証要求メッセージ中でPOSシステムから受信したものに一致する場合(すなわち、判定2510=「YES」)、マーチャントサーバ50はクーポンを検証する(ステップ2514)。
【0112】
クーポンを検証することの一部として、マーチャントサーバ50はまた、クーポンがすでに引き換えられたかどうかを判定するために、クーポンのデータベース(たとえば、以下で説明する無効クーポンオブジェクトリスト)中のクーポンIDを探索することができ、クーポンが満了したかどうかを判定するために、クーポンフィールドを確認することができる。クーポンがデジタル署名によって検証され、データレコードが、クーポンがまだ引き換えられておらず、満了していないことを示す場合、マーチャントサーバ50は検証メッセージをPOSシステムに送信する(ステップ2516)。POSシステムは、検証メッセージを受信し(ステップ2518)、クーポンを購買トランザクションに適用する(ステップ2520)。POSシステムは、マーチャントサーバ50にクーポンの使用に関して通知するために、クーポン使用メッセージをマーチャントサーバ50に随意に送信する(ステップ2522)。POSシステムはまた、クーポンキャンセルメッセージをモバイルデバイス40に送信する(ステップ2526)。マーチャントサーバ50は、クーポン使用メッセージを受信し(ステップ2524)、クーポンIDが引き換えられたということを記録する。モバイルデバイス40は、キャンセルメッセージを受信し、メモリからクーポンを削除する(ステップ2528)。
【0113】
署名から取り出されたクーポンIDおよびデバイス識別情報データが、POSから受信したものに一致しない場合(判定2510=「NO」)、あるいはクーポンが満了したかまたはすでに引き換えられた場合、マーチャントサーバ50は、クーポンを拒否し(ステップ2530)、拒否メッセージをPOSシステムに送信する(ステップ2532)。POSシステムは、拒否メッセージを受信し、購買トランザクション中にクーポンを拒否する(ステップ2534)。
【0114】
図26に、以前に引き換えられたかまたは満了したデジタル署名付きクーポンをキャンセルするための実施方法を示す。署名付きクーポンを検証または拒否すると、マーチャントサーバ50は、クーポンを他の購買トランザクションのために使用すべきでないことをモバイルデバイス40に通知するために、クーポンキャンセルメッセージをモバイルデバイス40に随意に送信する(ステップ2602)。クーポンキャンセルメッセージは、たとえばSMS、電子メール、MMSまたは他の従来の方法など、ユニキャストネットワークを使用してモバイルデバイス40に送信できる。モバイルデバイス40はクーポンキャンセルメッセージを受信する(ステップ2604)。クーポンキャンセルメッセージを受信することの一部として、モバイルデバイス40は、メモリから対応するクーポンデータを削除する前に、キャンセルメッセージの真正性を検証するために、それに関連するデジタル署名を確認することができる。このデジタル署名は、モバイルデバイス40が、キャンセルメッセージが許可された機関(authorized authority)によって送信されたことを検証することを可能にするために、X.509署名階層を使用して形成され得る。
【0115】
クーポンキャンセルメッセージを受信し、検証すると、モバイルデバイス40は、モバイルデバイス40に記憶されたクーポンを削除し(ステップ2605)、モバイルデバイスメモリ中のクーポンの削除またはキャンセルの肯定応答(acknowledging)を、マーチャントサーバ50に応答する(ステップ2606)。クーポンを削除するかまたはキャンセルし、クーポンのキャンセル/削除を確認するメッセージをマーチャントサーバ50に送信するようにモバイルデバイスを構成することは、同じクーポンを複数回現金化しようと試みる悪徳ユーザからマーチャントおよびクーポン発行者を保護する。
【0116】
クーポン配信および引き換えシステムの確実な動作を保証するために、マーチャントサーバ50は、判定ステップ2608において、クーポンキャンセルメッセージ肯定応答(coupon cancellation message acknowledgement)が受信されたかどうかを確認することができる。クーポンキャンセル肯定応答メッセージが受信された場合(すなわち、判定ステップ2608=「YES」)、マーチャントサーバ50が、クーポンを検証し、引き換えをするプロセスは終了する(ステップ2616)。しかしながら、クーポンキャンセル肯定応答メッセージが受信されていない場合(すなわち、判定ステップ2608=「NO」)、マーチャントサーバ50は、引き換えられたクーポンを追跡するために、サーバが維持するか、またはサーバがアクセス可能なデータベース中に「無効クーポンオブジェクト(dead coupon object)」を作成する(ステップ2610)。サーバアクセス可能データベース中での無効クーポンオブジェクトの作成は、以前に引き換えられたクーポンがマーチャントに2回目に提示された場合、サーバがそのクーポンを認識することを可能にする。したがって、図25中のステップ2514を参照しながら上記で説明したクーポン検証プロセスの一部として、マーチャントサーバ50はまた、そのクーポンが引き換えられたとして掲示されているかどうかを判定するために、無効クーポンオブジェクトデータベースを確認することができる。一実施形態では、無効クーポンオブジェクトの作成はカウントダウンタイマーを開始することができ、カウントダウンタイマーは、ステップ2612において終了したとき、クーポンが無効クーポンオブジェクトデータベースなどのデータベース中にまだ掲示されているかどうかを判定するようにマーチャントサーバ50を促す。マーチャントサーバ50が、その時点で、引き換えられたクーポンをまだ追跡している場合(すなわち、判定ステップ2614=「YES」)、マーチャントサーバは、他のクーポンキャンセルメッセージをモバイルデバイス40に送信するためにステップ2602に戻る。マーチャントサーバ50が引き換えられたクーポンをもはや追跡していない場合(すなわち、判定ステップ2614=「NO」)、マーチャントサーバ50が、クーポンを検証し、引き換えをするプロセスは終了する(ステップ2616)。期限切れクーポンは、その満了パラメータに基づいて拒否されるので、クーポン自体が満了したときも、このプロセスは終了する。
【0117】
一実施形態では、マーチャントサーバ50によって作成された電子クーポンは、それらのクーポンを組み合わせることができるかどうかと、そうであれば、それらのクーポンを他のクーポンと組み合わせることができる範囲とを定義するためにマーチャントによって使用され得る、重み値を含むことができる。マーチャントは、いくつかのクーポンの組み合せが許されるかどうかを判定するために、割り当てられたクーポン重みを使用するための、POSシステムが使用するルールを確立することができる。マーチャントサーバ50は、POSシステムに提示されたクーポンに割り当てられた重み数の合計が所定の最大値よりも大きい場合、それらのクーポンの組み合せが許されないようなルールを実装することができる。たとえば、マーチャントは、クーポンAに重み数0.2を割り当て、クーポンBに重み数0.5を割り当て、クーポンCに重み数0.9を割り当てることができる。マーチャントは、複数のクーポンがPOSシステムに提示されたとき、クーポンに割り当てられた重み数の合計が1よりも大きい場合、それらのクーポンの組み合せは許されないというルールをさらに実装することができる。そのようなルールの下で、クーポンA(0.2)とクーポンB(0.5)とに割り当てられた重み数の合計は1よりも小さいので、クーポンAとクーポンBとの組み合せは許されるであろう。しかしながら、同じルールの下で、クーポンAとクーポンBとに割り当てられたクーポン重み数の合計は1.1に等しく、1よりも大きいので、クーポンAとクーポンCとの組み合せは許されない。この例では、クーポン重みの合計が1よりも大きいので、クーポンAとBとCとを組み合わせることも許されない。このプロセスはまた、マーチャントシステムが元の(1つまたは複数の)クーポン発行者に連絡する必要なしにクーポンを検証し、受け付けることを可能にする。
【0118】
図27に、重みをもつ複数のクーポンの組み合せ使用が許されるかどうかを判定するための実施方法を示す。クーポン発行者は、クーポン発行プロセスの一部として、クーポンに重み数を割り当てる(ステップ2702)。購買トランザクション中に、クーポンマネージャ(たとえばマーチャントサーバ50)は、POSシステム(図25参照)から2つ以上のクーポンのクーポンデータを含んでいるクーポン検証要求を受信する(ステップ2704)。クーポンマネージャは、クーポン重みの合計を計算し(ステップ2708)、クーポン重みの合計が予め定められた数「n」よりも大きいかどうかを判定する(判定2710)。2つ以上のクーポンの重みの合計が「n」以下の場合(すなわち、判定2710=「YES」)、マーチャントサーバ50は、1つの購買トランザクションのための2つ以上のクーポンの組み合せ使用を検証する(ステップ2714)。2つのクーポンの重みの合計が「n」よりも大きい場合(すなわち、判定2710=「NO」)、マーチャントサーバ50は、1つの購買トランザクションのための2つ以上のクーポンの組み合せ使用を拒否する(ステップ2712)。組み合わされたクーポンの受付けまたは拒否は、図25を参照しながら上記で説明したのと同様に、検証または拒否メッセージ中でPOSシステムに伝達できる。
【0119】
様々な実施形態での使用に好適な典型的なモバイル受信機デバイス40は、図28に示すコンポーネントを共有する。たとえば、例示的なモバイル受信機デバイス40は、内部メモリ192とディスプレイ193とスピーカー199とに結合されたプロセッサ191を含み得る。さらに、モバイル受信機デバイス40は、プロセッサ191に結合されたワイヤレスデータリンクおよび/またはセルラー電話トランシーバ195に接続される、電磁波(electromagnetic radiation)を送信および受信するためのアンテナ194を有し得る。いくつかの実装形態では、セルラー電話通信のために使用されるトランシーバ195ならびにプロセッサ191およびメモリ192の部分を、ワイヤレスデータリンクを介するデータインターフェースを与えることから、エアインターフェースと総称する。モバイル受信機デバイスは、一般に、ユーザ入力を受け取るためのキーパッド196または小型キーボードおよびメニュー選択ボタンまたはロッカースイッチ(rocker switches)197をも含む。
【0120】
プロセッサ191は、本明細書で説明した様々な実施形態の機能を含む、様々な機能を実行するようにソフトウェア命令(アプリケーション)によって構成できる任意のプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいは1つまたは複数の多重プロセッサチップとすることができる。モバイルデバイスによっては、たとえば1つのプロセッサをワイヤレス通信機能専用とし、1つのプロセッサを他のアプリケーションの実行専用とするなど、複数のプロセッサ191を設けることができる。一般に、ソフトウェアアプリケーションは、アクセスされ、プロセッサ191にロードされる前に内部メモリ192に記憶され得る。一部のモバイルデバイスでは、プロセッサ191は、アプリケーションソフトウェア命令を記憶するのに十分な内部メモリを含むことができる。モバイルデバイス40は、様々な実施形態によれば、たとえば、電子パース中などのクレジット、トークンおよびクーポンに関係する情報を記憶するためのスマートカードなど、別個のメモリチップ190をも含むことができる。一部のモバイルデバイスでは、セキュアなメモリは、プロセッサ191に結合された別個のメモリチップ中にあることができる。多くのモバイルデバイス40では、内部メモリ192は、揮発性メモリもしくは不揮発性メモリ(たとえばフラッシュメモリ)、またはそれら両方の混合とすることができる。本明細書では、メモリへの一般的言及(general reference)は、内部メモリ192と、メモリチップ190と、モバイルデバイスに接続されるリムーバブルメモリと、プロセッサ191自身の内部のメモリとを含む、プロセッサ191によってアクセス可能なすべてのメモリを指す。
【0121】
上記で説明した多くの実施形態はまた、たとえば図29に示すサーバ2800など、様々なリモートサーバデバイスのいずれでも実装できる。そのようなサーバ2800は、一般に、揮発性メモリ2802と、ディスクドライブ2803などの大容量不揮発性メモリとに結合されたプロセッサ2801を含む。サーバ2800は、プロセッサ2801に結合されたフロッピー(登録商標)ディスクドライブおよび/またはコンパクトディスク(CD)ドライブ2806をも含むことができる。サーバ2800はまた、インターネットなど、ネットワーク回路2805とのデータ接続を確立するための、プロセッサ2801に結合されたネットワークアクセスポート2804を含むことができる。
【0122】
上記の方法の説明およびプロセスフローチャートは、単に説明のための例として提供したものであり、様々な実施形態のステップを提示された順序で実行しなければならないことを要求または暗示するものではない。当業者なら諒解するように、上記の実施形態におけるステップの順序は、どんな順序でも実行できる。「その後(thereafter)」、「次いで、そして(then)」、「次に(next)」などの単語は、ステップの順序を限定するものではなく、これらの単語は、単に、読者に方法の説明を案内するために使用される。さらに、たとえば、冠詞「a」、「an」または「the」を使用する単数形のクレームの要素への言及は、その要素を単数形に限定するものと解釈すべきではない。
【0123】
本明細書で開示した実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップを、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合せとして実装できる。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課せられた設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0124】
本明細書で開示した態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合せを用いて実装または実行できる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装することもできる。代替的に、いくつかのステップまたは方法は、所与の機能に固有の回路によって実行できる。
【0125】
1つまたは複数の例示的な態様では、説明する機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合せで実装することができる。ソフトウェアで実装した場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶するか、あるいはコンピュータ読み取り可能な媒体を介して送信することができる。本明細書で開示した方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ読み取り可能な媒体上に常駐することができる、実行されるプロセッサ実行可能なソフトウェアモジュールで実施することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、ある場所から他の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶デバイスまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを担持または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる、任意の他の媒体を含むことができる。また、いかなる接続もコンピュータ読み取り可能な媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組み合せもコンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に含めるべきである。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込むことができる、機械読み取り可能な媒体および/またはコンピュータ読み取り可能な媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組み合せ、あるいはそのセットとして常駐することができる。
【0126】
開示した実施形態の上記の説明は、当業者が本発明を製作または使用できるように提供したものである。これらの実施形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用できる。したがって、本発明は、本明細書で示した実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲ならびに本明細書で開示した原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルブロードキャストTVシステムを介して電子クーポンを配信するための方法において、
クーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートをモバイルブロードキャストTVサービスプロバイダから受信機デバイスにブロードキャストすることと、
前記受信機デバイスからデバイス識別情報データを受信することと、
前記受信機デバイスから受信した前記デバイス識別情報データに基づいて、デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを作成することと、
ユニキャストネットワークを介して前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスに送信することと、
前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスのメモリに記憶することを含む方法。
【請求項2】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項1の方法。
【請求項3】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記デバイス識別情報データは、インターネットを介して受信され得る請求項1の方法。
【請求項5】
前記デバイス識別情報データは、前記ユニキャストネットワークを介して受信され得る請求項1の方法。
【請求項6】
前記クーポンの前記デジタル署名は、クーポンIDおよび受信機デバイス識別情報に対して生成される請求項1の方法。
【請求項7】
前記クーポンの前記デジタル署名は、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して生成される請求項1の方法。
【請求項8】
クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とを前記受信機デバイスからポイントオブセールシステムに提供することをさらに含む請求項1の方法。
【請求項9】
前記ポイントオブセールシステムにおいて前記クーポンデータおよび前記デジタル署名に基づいて前記クーポンデータを検証することをさらに含む請求項8の方法。
【請求項10】
前記デジタル署名付きクーポンの有効性の検証を要求するクーポン検証要求(該検証要求は、該デジタル署名付きクーポン、実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータをともなう)を前記ポイントオブセールシステムからクーポン検証システムに送信することと、
前記クーポン検証システムにおいて前記クーポン検証要求を受信することと、
前記検証要求とともに受信された前記デジタル署名付きクーポンの前記デジタル署名を復号化することと、
前記デジタル署名から取り出された受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが、前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致するかどうかを判定することと、
前記デジタル署名から取り出された前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが前記実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致する場合、前記デジタル署名付きクーポンを検証するクーポン検証メッセージを前記ポイントオブセールシステムに送信することをさらに含む請求項8の方法。
【請求項11】
前記ポイントオブセールシステムから前記受信機デバイスにクーポンキャンセルメッセージを送信することと、
前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、前記受信機デバイスのメモリから前記デジタル署名付きクーポンを削除することをさらに含む請求項10の方法。
【請求項12】
前記デジタル署名を復号化することは、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して達成される請求項10の方法。
【請求項13】
モバイルブロードキャストTVシステムを介して電子クーポンを配信するためのシステムにおいて、
モバイルブロードキャストTVネットワークシステムであって、
ブロードキャスト送信機、及び、サーバを含み、該サーバは、
クーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートを前記ブロードキャスト送信機にブロードキャストさせることと、
受信機デバイスからデバイス識別情報データを受信することと、
前記受信機デバイスから受信した前記デバイス識別情報データに基づいて、デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを作成することと、
ユニキャストネットワークを介して前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスに送信することとを含む動作を前記サーバに実行させるように構成されるサーバ実行可能命令を用いて構成される、モバイルブロードキャストTVネットワークシステムと、
モバイルブロードキャストTV送信を受信するように構成される受信機デバイスであって、
プロセッサ、
前記プロセッサに結合されたメモリ、及び、
前記プロセッサに結合され、モバイルブロードキャストTV送信を受信するように構成される受信機回路とを含む受信機デバイスとを含み、該プロセッサは、
クーポンアクセス情報を含む前記ブロードキャストされたクーポンテンプレートを受信することと、
前記クーポンテンプレートアクセス情報に基づいてデバイス識別情報データを前記サーバに送信することと、
前記ユニキャストネットワークを介して前記サーバから前記デジタル署名付きクーポンを受信することと、
前記デジタル署名付きクーポンを前記メモリに記憶することとを含む動作を実行するためのプロセッサ実行可能命令を用いて構成される、受信機デバイスと
を含むシステム。
【請求項14】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項13のシステム。
【請求項15】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項13のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記デバイス識別情報データがインターネットを介して前記サーバに送信されるように、プロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項13のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記デバイス識別情報データが前記ユニキャストネットワークを介して前記サーバに送信されるように、プロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項13のシステム。
【請求項18】
前記サーバは、クーポンIDおよび受信機デバイス識別情報に対して前記クーポンの前記デジタル署名を生成することをさらに含む動作を実行するように構成されるサーバ実行可能命令を用いて構成される請求項13のシステム。
【請求項19】
前記サーバは、前記クーポンの前記デジタル署名を生成することが、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記デジタル署名を生成することを含むように、サーバ実行可能命令を用いて構成される請求項18のシステム。
【請求項20】
ポイントオブセールシステムをさらに含み、
前記プロセッサは、クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とを前記受信機デバイスから前記ポイントオブセールシステムに提供することをさらに含む動作を実行するためのプロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項13のシステム。
【請求項21】
前記ポイントオブセールシステムは、前記クーポンデータおよび前記デジタル署名に基づいて前記クーポンデータを検証するように構成される請求項20のシステム。
【請求項22】
前記ポイントオブセールシステムから前記デジタル署名付きクーポンの有効性の検証を要求するクーポン検証要求を受信することと(該検証要求は、該デジタル署名付きクーポン、ならびに実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータをともなう)、
前記検証要求とともに受信された前記デジタル署名付きクーポンの前記電子署名を復号化することと、
前記電子署名から取り出された受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが、前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致するかどうかを判定することと、
前記電子署名から取り出された前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが前記実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致する場合、前記デジタル署名付きクーポンを検証するクーポン検証メッセージを前記ポイントオブセールシステムに送信することとを含む動作を実行するようにサーバ実行可能命令を用いて構成されるクーポン検証サーバをさらに含む請求項20のシステム。
【請求項23】
前記ポイントオブセールシステムは、クーポンキャンセルメッセージを前記受信機デバイスに送信するようにさらに構成され、
前記プロセッサは、前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、前記受信機デバイスのメモリから前記デジタル署名付きクーポンを削除することをさらに含む動作を実行するようにプロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項22のシステム。
【請求項24】
前記クーポン検証サーバは、前記電子署名を復号化することが、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記電子署名を復号化することを含むように、サーバ実行可能命令を用いて構成される請求項22のシステム。
【請求項25】
モバイルブロードキャストTVシステムを介して電子クーポンを配信するためのシステムであって、
クーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートをブロードキャストサービスプロバイダから受信機デバイスにブロードキャストするための手段と、
前記受信機デバイスからデバイス識別情報データを受信するための手段と、
前記受信機デバイスから受信した前記デバイス識別情報データに基づいて、デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを作成するための手段と、
ユニキャストネットワークを介して前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスに送信するための手段と、
前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスのメモリに記憶するための手段とを含むシステム。
【請求項26】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項25のシステム。
【請求項27】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項25のシステム。
【請求項28】
前記デバイス識別情報データは、インターネットを介して受信され得る請求項25のシステム。
【請求項29】
前記デバイス識別情報データは、前記ユニキャストネットワークを介して受信され得る請求項25のシステム。
【請求項30】
クーポンIDおよび受信機デバイス識別情報に対して前記クーポンの前記デジタル署名を生成するための手段をさらに含む請求項25のシステム。
【請求項31】
前記クーポンの前記デジタル署名を生成するための手段は、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記デジタル署名を生成するための手段を含む請求項30のシステム。
【請求項32】
クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とを前記受信機デバイスからポイントオブセールシステムに提供するための手段をさらに含む請求項25のシステム。
【請求項33】
前記ポイントオブセールシステムにおいて前記クーポンデータおよび前記デジタル署名に基づいて前記クーポンデータを検証するための手段をさらに含む請求項32のシステム。
【請求項34】
前記デジタル署名付きクーポンの有効性の検証を要求するクーポン検証要求を前記ポイントオブセールシステムからクーポン検証システムに送信するための手段(該検証要求は、該デジタル署名付きクーポン、実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータをともなう)と、
前記クーポン検証システムにおいて前記クーポン検証要求を受信するための手段と、
前記検証要求とともに受信された前記デジタル署名付きクーポンの前記電子署名を復号化するための手段と、
前記電子署名から取り出された受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが、前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致するかどうかを判定するための手段と、
前記電子署名から取り出された前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが前記実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致する場合、前記デジタル署名付きクーポンを検証するクーポン検証メッセージを前記ポイントオブセールシステムに送信するための手段とをさらに含む請求項32のシステム。
【請求項35】
前記ポイントオブセールシステムから前記受信機デバイスにクーポンキャンセルメッセージを送信するための手段と、
前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、前記受信機デバイスのメモリから前記デジタル署名付きクーポンを削除するための手段とをさらに含む請求項34のシステム。
【請求項36】
前記電子署名を復号化するための手段は、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記電子署名を復号化するための手段を含む請求項34のシステム。
【請求項37】
受信機デバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記プロセッサに結合され、モバイルブロードキャストTV送信を受信するように構成される受信機回路とを含み、
前記プロセッサは、
モバイルブロードキャストTV送信においてクーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートを受信することと、
前記クーポンアクセス情報に基づいてサーバとの通信リンクを確立することと、
前記受信機デバイスに関するデバイス識別情報データを前記サーバに送信することと、
デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを受信することと、
前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスのメモリに記憶することとを含む動作を実行するためのプロセッサ実行可能命令を用いて構成される受信機デバイス。
【請求項38】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項37の受信機デバイス。
【請求項39】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項37の受信機デバイス。
【請求項40】
前記プロセッサは、前記サーバとの前記通信リンクおよび前記デバイス識別情報データがインターネットを介して前記サーバに送信されるように、プロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項37の受信機デバイス。
【請求項41】
前記プロセッサは、前記サーバとの前記通信リンクおよび前記デバイス識別情報データがユニキャストネットワークを介して前記サーバに送信されるように、プロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項37の受信機デバイス。
【請求項42】
前記プロセッサは、前記デジタル署名を検証することをさらに含む動作を実行するようにプロセッサ実行可能命令を用いて構成され、前記デジタル署名が検証された場合、前記デジタル署名付きクーポンがメモリに記憶される請求項37の受信機デバイス。
【請求項43】
前記プロセッサは、前記デジタル署名が、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して検証されるように、プロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項42の受信機デバイス。
【請求項44】
前記プロセッサは、クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とをポイントオブセールシステムに提供することをさらに含む動作を実行するようにプロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項37の受信機デバイス。
【請求項45】
前記プロセッサは、
前記ポイントオブセールシステムからクーポンキャンセルメッセージを受信することと、
前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、メモリから前記クーポンを削除することとをさらに含む動作を実行するようにプロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項44の受信機デバイス。
【請求項46】
モバイルブロードキャストTV送信においてクーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートを受信するための手段と、
前記クーポンアクセス情報に基づいてサーバとの通信リンクを確立するための手段と、
前記受信機デバイスに関するデバイス識別情報データを前記サーバに送信するための手段と、
デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを受信するための手段と、
前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスに記憶するための手段とを含む受信機デバイス。
【請求項47】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項46の受信機デバイス。
【請求項48】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項46の受信機デバイス。
【請求項49】
前記サーバとの通信リンクを確立するための手段は、インターネット通信リンクを確立するための手段を含み、
前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信するための手段は、前記確立されたインターネット通信リンクを介して前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信するための手段を含む請求項46の受信機デバイス。
【請求項50】
前記サーバとの通信リンクを確立するための手段は、ユニキャスト通信リンクを確立するための手段を含み、
前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信するための手段は、前記確立されたユニキャスト通信リンクを介して前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信するための手段を含む請求項46の受信機デバイス。
【請求項51】
前記デジタル署名を検証するための手段をさらに含み、前記デジタル署名が検証された場合、前記デジタル署名付きクーポンがメモリに記憶される請求項46の受信機デバイス。
【請求項52】
前記デジタル署名を検証するための手段は、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記デジタル署名を検証するための手段を含む請求項51の受信機デバイス。
【請求項53】
クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とをポイントオブセールシステムに提供するための手段をさらに含む請求項46の受信機デバイス。
【請求項54】
前記ポイントオブセールシステムからクーポンキャンセルメッセージを受信するための手段と、
前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、メモリから前記クーポンを削除するための手段とをさらに含む請求項53の受信機デバイス。
【請求項55】
モバイルブロードキャストTV送信を受信することが可能な受信機デバイス内のプロセッサに、
モバイルブロードキャストTV送信においてクーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートを受信することと、
前記クーポンアクセス情報に基づいてサーバとの通信リンクを確立することと、
前記受信機デバイスに関するデバイス識別情報データを前記サーバに送信することと、
デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを受信することと、
前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスのメモリに記憶することとを含む動作を実行させるように構成されるプロセッサ実行可能命令を記憶したプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項56】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項57】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項58】
前記サーバとの通信リンクを確立することは、インターネット通信リンクを確立することを含み、
前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信することは、前記確立されたインターネット通信リンクを介して前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信することを含む請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項59】
前記サーバとの通信リンクを確立することは、ユニキャスト通信リンクを確立することを含み、
前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信することは、前記確立されたユニキャスト通信リンクを介して前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信することを含む請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項60】
前記記憶されたプロセッサ実行可能命令は、プロセッサに、前記デジタル署名を検証することをさらに含む動作を実行させるように構成され、前記デジタル署名が検証された場合、前記デジタル署名付きクーポンをメモリに記憶することが達成される、請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項61】
前記デジタル署名を検証することは、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記デジタル署名を検証することを含む請求項60のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項62】
クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とをポイントオブセールシステムに提供することをさらに含む請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項63】
前記記憶されたプロセッサ実行可能命令は、
前記ポイントオブセールシステムからクーポンキャンセルメッセージを受信することと、
前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、メモリから前記クーポンを削除することとをさらに含む動作をプロセッサに実行させるように構成される請求項62のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項64】
モバイルブロードキャストTVシステムを介して電子クーポンを受信機デバイスに与えるための方法であって、
モバイルブロードキャストTVネットワークからクーポンデータとデジタル署名とを含むデジタル署名付きクーポンをブロードキャストすることと、
受信機デバイスにおいて前記ブロードキャストされたデジタル署名付きクーポンを受信することと、
復号鍵を使用して前記デジタル署名を復号化することと、
前記デジタル署名中に含まれる受信機デバイス識別情報データを得ることと、
前記得られた受信機デバイス識別情報データが前記受信機デバイスの識別情報データに一致するかどうかを判定することと、
前記取り出されたデバイス識別情報データと受信機デバイス識別情報データとの間に一致があるとき、前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスの前記メモリに記憶することを含む方法。
【請求項65】
前記デジタル署名を復号化することは、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して達成される請求項64の方法。
【請求項66】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記プロセッサに結合され、モバイルブロードキャストTV送信を受信するように構成される受信機回路とを含み、
前記プロセッサは、
モバイルブロードキャストTVネットワークからクーポンデータとデジタル署名とを含むデジタル署名付きクーポンを受信することと、
復号鍵を使用して前記電子署名を復号化することと、
前記デジタル署名中に含まれる受信機デバイス識別情報データを得ることと、
前記得られた受信機デバイス識別情報データが前記受信機デバイスの識別情報データに一致するかどうかを判定することと、
前記取り出されたデバイス識別情報データと受信機デバイス識別情報データとの間に一致があるとき、前記デジタル署名付きクーポンを前記メモリに記憶することとを含む動作を実行するためのプロセッサ実行可能命令を用いて構成される受信機デバイス。
【請求項67】
前記電子署名を復号化することは、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して達成されるように、前記プロセッサがプロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項66の受信機デバイス。
【請求項68】
モバイルブロードキャストTVネットワークからクーポンデータとデジタル署名とを含むデジタル署名付きクーポンを受信するための手段と、
復号鍵を使用して前記電子署名を復号化するための手段と、
前記デジタル署名中に含まれる受信機デバイス識別情報データを得るための手段と、
前記得られた受信機デバイス識別情報データが前記受信機デバイスの識別情報データに一致するかどうかを判定するための手段と、
前記取り出されたデバイス識別情報データと受信機デバイス識別情報データとの間に一致があるとき、前記デジタル署名付きクーポンを記憶するための手段とを含む受信機デバイス。
【請求項69】
復号鍵を使用して前記電子署名を復号化するための手段は、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記電子署名を復号化するための手段を含む請求項68の受信機デバイス。
【請求項70】
モバイルブロードキャストTV送信を受信することが可能な受信機デバイスのプロセッサに、
モバイルブロードキャストTVネットワークからクーポンデータとデジタル署名とを含むデジタル署名付きクーポンを受信することと、
復号鍵を使用して前記電子署名を復号化することと、
前記デジタル署名中に含まれる受信機デバイス識別情報データを得ることと、
前記得られた受信機デバイス識別情報データが前記受信機デバイスの識別情報データに一致するかどうかを判定することと、
前記取り出されたデバイス識別情報データと受信機デバイス識別情報データとの間に一致があるとき、前記デジタル署名付きクーポンを記憶することとを含む動作を実行させるように構成されるプロセッサ実行可能命令を記憶したプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項71】
復号鍵を使用して前記電子署名を復号化することは、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記電子署名を復号化することを含む請求項70のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項72】
複数のクーポンの組み合せを検証するための方法であって、
単一の購買トランザクションのために重み数をもつ複数のクーポンを組み合わせたいという要求を受信することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の合計を計算することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の前記合計が所定の数を超えるかどうかを判定することと、
前記重み数の前記合計が前記所定の数を超えない場合、前記複数のクーポンの前記組み合せ使用を検証することとを含む方法。
【請求項73】
引き換えのために提示された複数の電子クーポンの組み合せを検証するためのコンピュータであって、
単一の購買トランザクションのために重み数をもつ複数のクーポンを組み合わせたいという要求を受信することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の合計を計算することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の前記合計が所定の数を超えるかどうかを判定することと、
前記重み数の前記合計が前記所定の数を超えない場合、前記複数のクーポンの前記組み合せ使用を検証することとを含む動作を実行するようにプロセッサ実行可能命令を用いて構成されるプロセッサを含むコンピュータ。
【請求項74】
引き換えのために提示された複数のクーポンの組み合せを検証するためのシステムであって、
単一の購買トランザクションのために重み数をもつ複数のクーポンを組み合わせたいという要求を受信するための手段と、
前記複数のクーポンの前記重み数の合計を計算するための手段と、
前記複数のクーポンの前記重み数の前記合計が所定の数を超えるかどうかを判定するための手段と、
前記重み数の前記合計が前記所定の数を超えない場合、前記複数のクーポンの前記組み合せ使用を検証するための手段とを含むシステム。
【請求項75】
単一の購買トランザクションのために重み数をもつ複数のクーポンを組み合わせたいという要求を受信することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の合計を計算することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の前記合計が所定の数を超えるかどうかを判定することと、
前記重み数の前記合計が前記所定の数を超えない場合、前記複数のクーポンの前記組み合せ使用を検証することとを含む動作をコンピュータに実行させるように構成されるコンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
モバイルブロードキャストTVシステムを介して電子クーポンを配信するための方法において、
クーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートをモバイルブロードキャストTVサービスプロバイダから受信機デバイスにブロードキャストすることと、
前記受信機デバイスからデバイス識別情報データを受信することと、
前記受信機デバイスから受信した前記デバイス識別情報データに基づいて、デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを作成することと、
ユニキャストネットワークを介して前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスに送信することと、
前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスのメモリに記憶することを含む方法。
【請求項2】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項1の方法。
【請求項3】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項1の方法。
【請求項4】
前記デバイス識別情報データは、インターネットを介して受信され得る請求項1の方法。
【請求項5】
前記デバイス識別情報データは、前記ユニキャストネットワークを介して受信され得る請求項1の方法。
【請求項6】
前記クーポンの前記デジタル署名は、クーポンIDおよび受信機デバイス識別情報に対して生成される請求項1の方法。
【請求項7】
前記クーポンの前記デジタル署名は、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して生成される請求項1の方法。
【請求項8】
クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とを前記受信機デバイスからポイントオブセールシステムに提供することをさらに含む請求項1の方法。
【請求項9】
前記ポイントオブセールシステムにおいて前記クーポンデータおよび前記デジタル署名に基づいて前記クーポンデータを検証することをさらに含む請求項8の方法。
【請求項10】
前記デジタル署名付きクーポンの有効性の検証を要求するクーポン検証要求(該検証要求は、該デジタル署名付きクーポン、実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータをともなう)を前記ポイントオブセールシステムからクーポン検証システムに送信することと、
前記クーポン検証システムにおいて前記クーポン検証要求を受信することと、
前記検証要求とともに受信された前記デジタル署名付きクーポンの前記デジタル署名を復号化することと、
前記デジタル署名から取り出された受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが、前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致するかどうかを判定することと、
前記デジタル署名から取り出された前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが前記実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致する場合、前記デジタル署名付きクーポンを検証するクーポン検証メッセージを前記ポイントオブセールシステムに送信することをさらに含む請求項8の方法。
【請求項11】
前記ポイントオブセールシステムから前記受信機デバイスにクーポンキャンセルメッセージを送信することと、
前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、前記受信機デバイスのメモリから前記デジタル署名付きクーポンを削除することをさらに含む請求項10の方法。
【請求項12】
前記デジタル署名を復号化することは、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して達成される請求項10の方法。
【請求項13】
モバイルブロードキャストTVシステムを介して電子クーポンを配信するためのシステムにおいて、
モバイルブロードキャストTVネットワークシステムであって、
ブロードキャスト送信機、及び、サーバを含み、該サーバは、
クーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートを前記ブロードキャスト送信機にブロードキャストさせることと、
受信機デバイスからデバイス識別情報データを受信することと、
前記受信機デバイスから受信した前記デバイス識別情報データに基づいて、デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを作成することと、
ユニキャストネットワークを介して前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスに送信することとを含む動作を前記サーバに実行させるように構成されるサーバ実行可能命令を用いて構成される、モバイルブロードキャストTVネットワークシステムと、
モバイルブロードキャストTV送信を受信するように構成される受信機デバイスであって、
プロセッサ、
前記プロセッサに結合されたメモリ、及び、
前記プロセッサに結合され、モバイルブロードキャストTV送信を受信するように構成される受信機回路とを含む受信機デバイスとを含み、該プロセッサは、
クーポンアクセス情報を含む前記ブロードキャストされたクーポンテンプレートを受信することと、
前記クーポンテンプレートアクセス情報に基づいてデバイス識別情報データを前記サーバに送信することと、
前記ユニキャストネットワークを介して前記サーバから前記デジタル署名付きクーポンを受信することと、
前記デジタル署名付きクーポンを前記メモリに記憶することとを含む動作を実行するためのプロセッサ実行可能命令を用いて構成される、受信機デバイスと
を含むシステム。
【請求項14】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項13のシステム。
【請求項15】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項13のシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記デバイス識別情報データがインターネットを介して前記サーバに送信されるように、プロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項13のシステム。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記デバイス識別情報データが前記ユニキャストネットワークを介して前記サーバに送信されるように、プロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項13のシステム。
【請求項18】
前記サーバは、クーポンIDおよび受信機デバイス識別情報に対して前記クーポンの前記デジタル署名を生成することをさらに含む動作を実行するように構成されるサーバ実行可能命令を用いて構成される請求項13のシステム。
【請求項19】
前記サーバは、前記クーポンの前記デジタル署名を生成することが、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記デジタル署名を生成することを含むように、サーバ実行可能命令を用いて構成される請求項18のシステム。
【請求項20】
ポイントオブセールシステムをさらに含み、
前記プロセッサは、クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とを前記受信機デバイスから前記ポイントオブセールシステムに提供することをさらに含む動作を実行するためのプロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項13のシステム。
【請求項21】
前記ポイントオブセールシステムは、前記クーポンデータおよび前記デジタル署名に基づいて前記クーポンデータを検証するように構成される請求項20のシステム。
【請求項22】
前記ポイントオブセールシステムから前記デジタル署名付きクーポンの有効性の検証を要求するクーポン検証要求を受信することと(該検証要求は、該デジタル署名付きクーポン、ならびに実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータをともなう)、
前記検証要求とともに受信された前記デジタル署名付きクーポンの前記電子署名を復号化することと、
前記電子署名から取り出された受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが、前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致するかどうかを判定することと、
前記電子署名から取り出された前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが前記実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致する場合、前記デジタル署名付きクーポンを検証するクーポン検証メッセージを前記ポイントオブセールシステムに送信することとを含む動作を実行するようにサーバ実行可能命令を用いて構成されるクーポン検証サーバをさらに含む請求項20のシステム。
【請求項23】
前記ポイントオブセールシステムは、クーポンキャンセルメッセージを前記受信機デバイスに送信するようにさらに構成され、
前記プロセッサは、前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、前記受信機デバイスのメモリから前記デジタル署名付きクーポンを削除することをさらに含む動作を実行するようにプロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項22のシステム。
【請求項24】
前記クーポン検証サーバは、前記電子署名を復号化することが、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記電子署名を復号化することを含むように、サーバ実行可能命令を用いて構成される請求項22のシステム。
【請求項25】
モバイルブロードキャストTVシステムを介して電子クーポンを配信するためのシステムであって、
クーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートをブロードキャストサービスプロバイダから受信機デバイスにブロードキャストするための手段と、
前記受信機デバイスからデバイス識別情報データを受信するための手段と、
前記受信機デバイスから受信した前記デバイス識別情報データに基づいて、デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを作成するための手段と、
ユニキャストネットワークを介して前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスに送信するための手段と、
前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスのメモリに記憶するための手段とを含むシステム。
【請求項26】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項25のシステム。
【請求項27】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項25のシステム。
【請求項28】
前記デバイス識別情報データは、インターネットを介して受信され得る請求項25のシステム。
【請求項29】
前記デバイス識別情報データは、前記ユニキャストネットワークを介して受信され得る請求項25のシステム。
【請求項30】
クーポンIDおよび受信機デバイス識別情報に対して前記クーポンの前記デジタル署名を生成するための手段をさらに含む請求項25のシステム。
【請求項31】
前記クーポンの前記デジタル署名を生成するための手段は、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記デジタル署名を生成するための手段を含む請求項30のシステム。
【請求項32】
クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とを前記受信機デバイスからポイントオブセールシステムに提供するための手段をさらに含む請求項25のシステム。
【請求項33】
前記ポイントオブセールシステムにおいて前記クーポンデータおよび前記デジタル署名に基づいて前記クーポンデータを検証するための手段をさらに含む請求項32のシステム。
【請求項34】
前記デジタル署名付きクーポンの有効性の検証を要求するクーポン検証要求を前記ポイントオブセールシステムからクーポン検証システムに送信するための手段(該検証要求は、該デジタル署名付きクーポン、実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータをともなう)と、
前記クーポン検証システムにおいて前記クーポン検証要求を受信するための手段と、
前記検証要求とともに受信された前記デジタル署名付きクーポンの前記電子署名を復号化するための手段と、
前記電子署名から取り出された受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが、前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致するかどうかを判定するための手段と、
前記電子署名から取り出された前記受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータが前記実際の受信機デバイス識別情報およびクーポンIDデータに一致する場合、前記デジタル署名付きクーポンを検証するクーポン検証メッセージを前記ポイントオブセールシステムに送信するための手段とをさらに含む請求項32のシステム。
【請求項35】
前記ポイントオブセールシステムから前記受信機デバイスにクーポンキャンセルメッセージを送信するための手段と、
前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、前記受信機デバイスのメモリから前記デジタル署名付きクーポンを削除するための手段とをさらに含む請求項34のシステム。
【請求項36】
前記電子署名を復号化するための手段は、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記電子署名を復号化するための手段を含む請求項34のシステム。
【請求項37】
受信機デバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記プロセッサに結合され、モバイルブロードキャストTV送信を受信するように構成される受信機回路とを含み、
前記プロセッサは、
モバイルブロードキャストTV送信においてクーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートを受信することと、
前記クーポンアクセス情報に基づいてサーバとの通信リンクを確立することと、
前記受信機デバイスに関するデバイス識別情報データを前記サーバに送信することと、
デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを受信することと、
前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスのメモリに記憶することとを含む動作を実行するためのプロセッサ実行可能命令を用いて構成される受信機デバイス。
【請求項38】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項37の受信機デバイス。
【請求項39】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項37の受信機デバイス。
【請求項40】
前記プロセッサは、前記サーバとの前記通信リンクおよび前記デバイス識別情報データがインターネットを介して前記サーバに送信されるように、プロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項37の受信機デバイス。
【請求項41】
前記プロセッサは、前記サーバとの前記通信リンクおよび前記デバイス識別情報データがユニキャストネットワークを介して前記サーバに送信されるように、プロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項37の受信機デバイス。
【請求項42】
前記プロセッサは、前記デジタル署名を検証することをさらに含む動作を実行するようにプロセッサ実行可能命令を用いて構成され、前記デジタル署名が検証された場合、前記デジタル署名付きクーポンがメモリに記憶される請求項37の受信機デバイス。
【請求項43】
前記プロセッサは、前記デジタル署名が、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して検証されるように、プロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項42の受信機デバイス。
【請求項44】
前記プロセッサは、クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とをポイントオブセールシステムに提供することをさらに含む動作を実行するようにプロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項37の受信機デバイス。
【請求項45】
前記プロセッサは、
前記ポイントオブセールシステムからクーポンキャンセルメッセージを受信することと、
前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、メモリから前記クーポンを削除することとをさらに含む動作を実行するようにプロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項44の受信機デバイス。
【請求項46】
モバイルブロードキャストTV送信においてクーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートを受信するための手段と、
前記クーポンアクセス情報に基づいてサーバとの通信リンクを確立するための手段と、
前記受信機デバイスに関するデバイス識別情報データを前記サーバに送信するための手段と、
デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを受信するための手段と、
前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスに記憶するための手段とを含む受信機デバイス。
【請求項47】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項46の受信機デバイス。
【請求項48】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項46の受信機デバイス。
【請求項49】
前記サーバとの通信リンクを確立するための手段は、インターネット通信リンクを確立するための手段を含み、
前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信するための手段は、前記確立されたインターネット通信リンクを介して前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信するための手段を含む請求項46の受信機デバイス。
【請求項50】
前記サーバとの通信リンクを確立するための手段は、ユニキャスト通信リンクを確立するための手段を含み、
前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信するための手段は、前記確立されたユニキャスト通信リンクを介して前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信するための手段を含む請求項46の受信機デバイス。
【請求項51】
前記デジタル署名を検証するための手段をさらに含み、前記デジタル署名が検証された場合、前記デジタル署名付きクーポンがメモリに記憶される請求項46の受信機デバイス。
【請求項52】
前記デジタル署名を検証するための手段は、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記デジタル署名を検証するための手段を含む請求項51の受信機デバイス。
【請求項53】
クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とをポイントオブセールシステムに提供するための手段をさらに含む請求項46の受信機デバイス。
【請求項54】
前記ポイントオブセールシステムからクーポンキャンセルメッセージを受信するための手段と、
前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、メモリから前記クーポンを削除するための手段とをさらに含む請求項53の受信機デバイス。
【請求項55】
モバイルブロードキャストTV送信を受信することが可能な受信機デバイス内のプロセッサに、
モバイルブロードキャストTV送信においてクーポンアクセス情報を含むクーポンテンプレートを受信することと、
前記クーポンアクセス情報に基づいてサーバとの通信リンクを確立することと、
前記受信機デバイスに関するデバイス識別情報データを前記サーバに送信することと、
デジタル署名を含むデジタル署名付きクーポンを受信することと、
前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスのメモリに記憶することとを含む動作を実行させるように構成されるプロセッサ実行可能命令を記憶したプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項56】
前記クーポンテンプレートアクセス情報は、URLと電話番号とからなるグループから選択される請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項57】
前記デバイス識別情報データは、受信機デバイスMAC IDと、電話番号と、ユーザアカウント番号と、グループ識別子と、個人識別番号(PIN)と、ユーザ名とからなるグループから選択される1つまたは複数のアイテムを含む請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項58】
前記サーバとの通信リンクを確立することは、インターネット通信リンクを確立することを含み、
前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信することは、前記確立されたインターネット通信リンクを介して前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信することを含む請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項59】
前記サーバとの通信リンクを確立することは、ユニキャスト通信リンクを確立することを含み、
前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信することは、前記確立されたユニキャスト通信リンクを介して前記デバイス識別情報データを前記サーバに送信することを含む請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項60】
前記記憶されたプロセッサ実行可能命令は、プロセッサに、前記デジタル署名を検証することをさらに含む動作を実行させるように構成され、前記デジタル署名が検証された場合、前記デジタル署名付きクーポンをメモリに記憶することが達成される、請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項61】
前記デジタル署名を検証することは、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記デジタル署名を検証することを含む請求項60のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項62】
クーポン引き換えトランザクションにおいてクーポンデータと前記デジタル署名とをポイントオブセールシステムに提供することをさらに含む請求項55のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項63】
前記記憶されたプロセッサ実行可能命令は、
前記ポイントオブセールシステムからクーポンキャンセルメッセージを受信することと、
前記クーポンキャンセルメッセージを受信することに応答して、メモリから前記クーポンを削除することとをさらに含む動作をプロセッサに実行させるように構成される請求項62のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項64】
モバイルブロードキャストTVシステムを介して電子クーポンを受信機デバイスに与えるための方法であって、
モバイルブロードキャストTVネットワークからクーポンデータとデジタル署名とを含むデジタル署名付きクーポンをブロードキャストすることと、
受信機デバイスにおいて前記ブロードキャストされたデジタル署名付きクーポンを受信することと、
復号鍵を使用して前記デジタル署名を復号化することと、
前記デジタル署名中に含まれる受信機デバイス識別情報データを得ることと、
前記得られた受信機デバイス識別情報データが前記受信機デバイスの識別情報データに一致するかどうかを判定することと、
前記取り出されたデバイス識別情報データと受信機デバイス識別情報データとの間に一致があるとき、前記デジタル署名付きクーポンを前記受信機デバイスの前記メモリに記憶することを含む方法。
【請求項65】
前記デジタル署名を復号化することは、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して達成される請求項64の方法。
【請求項66】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記プロセッサに結合され、モバイルブロードキャストTV送信を受信するように構成される受信機回路とを含み、
前記プロセッサは、
モバイルブロードキャストTVネットワークからクーポンデータとデジタル署名とを含むデジタル署名付きクーポンを受信することと、
復号鍵を使用して前記電子署名を復号化することと、
前記デジタル署名中に含まれる受信機デバイス識別情報データを得ることと、
前記得られた受信機デバイス識別情報データが前記受信機デバイスの識別情報データに一致するかどうかを判定することと、
前記取り出されたデバイス識別情報データと受信機デバイス識別情報データとの間に一致があるとき、前記デジタル署名付きクーポンを前記メモリに記憶することとを含む動作を実行するためのプロセッサ実行可能命令を用いて構成される受信機デバイス。
【請求項67】
前記電子署名を復号化することは、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して達成されるように、前記プロセッサがプロセッサ実行可能命令を用いて構成される請求項66の受信機デバイス。
【請求項68】
モバイルブロードキャストTVネットワークからクーポンデータとデジタル署名とを含むデジタル署名付きクーポンを受信するための手段と、
復号鍵を使用して前記電子署名を復号化するための手段と、
前記デジタル署名中に含まれる受信機デバイス識別情報データを得るための手段と、
前記得られた受信機デバイス識別情報データが前記受信機デバイスの識別情報データに一致するかどうかを判定するための手段と、
前記取り出されたデバイス識別情報データと受信機デバイス識別情報データとの間に一致があるとき、前記デジタル署名付きクーポンを記憶するための手段とを含む受信機デバイス。
【請求項69】
復号鍵を使用して前記電子署名を復号化するための手段は、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記電子署名を復号化するための手段を含む請求項68の受信機デバイス。
【請求項70】
モバイルブロードキャストTV送信を受信することが可能な受信機デバイスのプロセッサに、
モバイルブロードキャストTVネットワークからクーポンデータとデジタル署名とを含むデジタル署名付きクーポンを受信することと、
復号鍵を使用して前記電子署名を復号化することと、
前記デジタル署名中に含まれる受信機デバイス識別情報データを得ることと、
前記得られた受信機デバイス識別情報データが前記受信機デバイスの識別情報データに一致するかどうかを判定することと、
前記取り出されたデバイス識別情報データと受信機デバイス識別情報データとの間に一致があるとき、前記デジタル署名付きクーポンを記憶することとを含む動作を実行させるように構成されるプロセッサ実行可能命令を記憶したプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項71】
復号鍵を使用して前記電子署名を復号化することは、ルートX.509クーポン署名機関につながるX.509証明書のチェーンを使用して前記電子署名を復号化することを含む請求項70のプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項72】
複数のクーポンの組み合せを検証するための方法であって、
単一の購買トランザクションのために重み数をもつ複数のクーポンを組み合わせたいという要求を受信することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の合計を計算することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の前記合計が所定の数を超えるかどうかを判定することと、
前記重み数の前記合計が前記所定の数を超えない場合、前記複数のクーポンの前記組み合せ使用を検証することとを含む方法。
【請求項73】
引き換えのために提示された複数の電子クーポンの組み合せを検証するためのコンピュータであって、
単一の購買トランザクションのために重み数をもつ複数のクーポンを組み合わせたいという要求を受信することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の合計を計算することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の前記合計が所定の数を超えるかどうかを判定することと、
前記重み数の前記合計が前記所定の数を超えない場合、前記複数のクーポンの前記組み合せ使用を検証することとを含む動作を実行するようにプロセッサ実行可能命令を用いて構成されるプロセッサを含むコンピュータ。
【請求項74】
引き換えのために提示された複数のクーポンの組み合せを検証するためのシステムであって、
単一の購買トランザクションのために重み数をもつ複数のクーポンを組み合わせたいという要求を受信するための手段と、
前記複数のクーポンの前記重み数の合計を計算するための手段と、
前記複数のクーポンの前記重み数の前記合計が所定の数を超えるかどうかを判定するための手段と、
前記重み数の前記合計が前記所定の数を超えない場合、前記複数のクーポンの前記組み合せ使用を検証するための手段とを含むシステム。
【請求項75】
単一の購買トランザクションのために重み数をもつ複数のクーポンを組み合わせたいという要求を受信することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の合計を計算することと、
前記複数のクーポンの前記重み数の前記合計が所定の数を超えるかどうかを判定することと、
前記重み数の前記合計が前記所定の数を超えない場合、前記複数のクーポンの前記組み合せ使用を検証することとを含む動作をコンピュータに実行させるように構成されるコンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2012−511283(P2012−511283A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539751(P2011−539751)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/066829
【国際公開番号】WO2010/065896
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/066829
【国際公開番号】WO2010/065896
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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