説明

プッシュトゥートークのための方法及び装置

【課題】通信システムにおける方法、この方法を実現する通信システム及びアプリケーションサーバを開示すること。
【解決手段】この方法は、通信セッションの確立の間に情報を通信するものである(104)。この方法では、通信セッションについてのデータ通信媒体に関する情報を搬送するメッセージにさらなる情報が含まれる(108、110)。このさらなる情報は、上記通信セッションの通信者に関連したデータ通信媒体のフロア状態に関する。上記メッセージは、上記通信システムからユーザ装置に対して送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関し、特定的には、パケットデータ通信セッションを容易にする、通信システムにおけるサービスのアクティベーション(activation)に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、この通信システムに結合したユーザ装置及び/又は他のノードのような2又はそれ以上のエンティティの間における通信セッションを可能にする設備として理解することができるものである。通信には、例えば、音声、データやマルチメディア等の通信が含まれる。セッションとは、例えば、複数のユーザ間における電話通話型のセッション、マルチウェイカンファレンスセッション(multi-way conference session)、又は、ユーザ装置と、サービスプロバイダサーバといったようなアプリケーションサーバとの間における通信セッションである。
【0003】
通信システムは、典型的には、与えられた規格に従って、又は、この通信システムに結合した様々なエンティティが何を実行することを許可されているか及びそれをどのようにして達成するかを記載した仕様に従って、動作する。この規格又は仕様は、例えば、ユーザに対して、より正確にはユーザ装置に対して、回路スイッチサービス及び/又はパケットスイッチサービスが提供されるかどうかを定めることができる。この通信に用いるべき通信プロトコル及び/又は通信パラメータもまた定められる。換言すれば、この通信システムによる通信を可能とするために、この通信システムが基礎とすることができる特定セットの「規則」を定める必要がある。
【0004】
ユーザ装置に対してワイヤレス通信を提供する通信システムが知られている。このワイヤレスシステムの一例は、PLMN(Public Land Mobile Network)である。PLMNは、通常、セルラ技術に基づいている。セルラシステムでは、無線基地局装置(Base Transceiver Station;BTS)又は同様のアクセスエンティティが、移動ユーザ装置(UE)に対して、これらのエンティティの間におけるワイヤレスインタフェースを介して動作する()。ユーザ装置と通信ネットワークの構成要素との間のワイヤレスインタフェースにおける通信は、適当な通信プロトコルに基づくことができるものである。基地局装置及び通信のために必要とされる他の装置の動作は、1又は幾つかの制御エンティティによって制御することができるものである。様々な制御エンティティは、相互に接続するものとすることができる。
【0005】
1又はそれ以上のゲートウェイノードがまた、他のネットワーク、例えば、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)といったような他の通信ネットワークに対して、及び/又は、IP(Internet Protocol)のような他の通信ネットワーク、及び/又は、他のパケット交換データネットワーク(PSDN)に対して、セルラアクセスネットワークを接続するために設けられる。このような構成では、移動通信ネットワークは、ワイヤレスユーザ装置を有するユーザが、外部ネットワーク、ホスト、又は、特定のサービスプロバイダによって提供されるサービスにアクセスすることを可能にするアクセスネットワークを提供する。次に、移動通信ネットワークにおけるアクセスポイント又はゲートウェイノードが、外部ネットワーク又は外部ホストに対するさらなるアクセスを実現する。例えば、リクエストされたサービスが、他のネットワークに配置されたサービスプロバイダによって提供される場合には、このサービスリクエストは、このゲートウェイを介して、サービスプロバイダに対してルーティングされる。このルーティングは、移動ネットワークオペレータによって記憶された移動加入者データにおける定義に基づくものとすることができる。
【0006】
通信システムに対する加入者のようなユーザに対して提供することができるサービスのタイプの一例は、いわゆるマルチメディアサービスである。マルチメディアサービスを提供することを可能にする通信システムのいくつかは、インターネットプロトコル(IP)マルチメディアネットワークとして知られている。IPマルチメディア(IM)の機能は、IPマルチメディアコアネットワーク(CN)、又は、簡潔にいえばIPマルチメディアサブシステム(IMS)によって提供することができるものである。IMSは、マルチメディアサービスを提供するために様々なネットワークエンティティを含む。他のサービスの中でも特に、IMSサービスは、移動ユーザ装置の間におけるIPをベースとしたパケットデータ通信セッションを提供することを意図したものである。
【0007】
パケットデータネットワークでは、ネットワーク上のトラフィックフローを搬送するために、パケットデータキャリアを確立することができる。このようなパケットデータキャリアの一例が、パケットデータプロトコル(PDP)コンテキストである。PDPコンテキストは、様々な目的のために、例えば、シグナリングデータの搬送のため、及び、ペイロードデータの搬送のために、すなわち、制御プレーン(control plane)のため、及び、ユーザのプレーンデータ(plane data)の通信のために、設けることができるものである。ユーザ装置ともう1つの通信者との間におけるデータ通信セッションが、PDPコンテキストにより少なくともユーザ装置のアクセスネットワークにおいて実行される。
【0008】
様々なタイプのサービスが、インターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)を介して異なるアプリケーションサーバ(AS)によって提供されることが期待されている。これらのサービスのいくつかは、時間を重視するもの(time-critical)とすることができる。IMSを介して提供することができる時間を重視するサービスの一例は、いわゆる直接音声通信サービス(direct voice communication service)である。この直接音声通信サービスにおけるさらに具体的な例は、PTT、プッシュトゥートーク(プッシュツートーク;Push-To-Talk)サービスとしても知られる「プッシュトゥートークオーバーセルラ(Push-To-Talk over Cellular;PoC)」サービスである。直接音声通信サービスは、移動ユーザ装置及び通信における他の通信者、例えば、このネットワークに結合した他の移動ユーザ装置又はエンティティのために、IPコネクションを可能にするIPマルチメディアサブシステム(IMS)の能力を利用することを意図したものである。このサービスによれば、ユーザは、1又はそれ以上の他のユーザと即座に通信することができる。
【0009】
PoCサービスでは、ユーザ装置とPoCアプリケーションサーバとの間における通信は、一方向データ通信媒体により発生する。ユーザは、単に、タンジェントキー(tangent key)、例えば、ユーザ装置のキーボード上のボタンを押圧することにより、又は、他の方法により通信媒体をアクティベートすることにより、データ通信媒体を開くことができる。アクティベート手段は、特定のボタン、タンジェント(tangent)、又は、キーボードにおける適当なキーとすることができる。ユーザが発言している間は、他の1又はそれ以上のユーザは聞くことができる。通信セッションにおけるすべての通信者が同様にPoCアプリケーションサーバと音声データを通信することができるので、双方向通信を提供することができる。発言する権利すなわち発言権(turn)は、通信媒体をアクティベートすることにより、例えば、プッシュトゥートークボタンを押圧することにより、リクエストされる。発言権は、例えば、早い者勝ちという原則に基づいて、又は、優先度に基づいて、与えることができるものである。複数のユーザが、該ユーザが話すことを希望するグループセッションに加わることができ、この後に、媒体をアクティベートして会話を開始することができる。
【0010】
PoCによる1対1の呼といったようなサービスアプリケーションでは、発呼する通信者(発呼通信者)は、この発呼の始めに、いつ「フロア(floor)」がこの発呼通信者に対して与えられるかを知る必要がある。この「フロア」という用語は、音声データの通信ために用いることができるデータ通信媒体リソースを指す。
【0011】
フロアは、一時的に、特定の共有リソース又は1組のリソースに対してアクセスし、該リソースを処理し、該リソースを他の方法により用いるための許可として理解することができるものである。「フロア」は、データ通信チャネルが未だ利用可能となっていないときであっても、与えることができるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
発呼通信者は、フロアが与えられていない場合には、PoCアプリケーションサーバに対して音声データの送信を開始することができない。同様に、着呼した通信者(着呼通信者)もまた、フロアが発呼通信者に持って行かれたことを知っていなければならない。このことは、呼の確立シーケンスの間においてこれらの通信者に対して、何らかの手段によって示さなければならない。
【0013】
上述した従来技術では、例えば、PoC Industry Consortiumの仕様により、与えられたフロアの表示は、特定のフロア制御(floor control)プロトコルを介して、典型的には、リアルタイムトランスポートプロトコル制御プロトコル(Real-time Transport protocol Control Protocol;RTCP)によって、送信される。この手法は、フロアの状態を表示するために、別々のメッセージを生成して送信する必要がある。この手法では、PoCセッションの発呼通信者が、最初に、セッション記述プロトコル(Session Description Protocol;SDP)オファーを含むSIP INVITEメッセージを送信しなければならない。これを受信した後、PoCアプリケーションサーバが、別のメッセージにおいて、発呼通信者に対して、このセッションにおいて使用するためにフロアが与えられているという、リアルタイムトランスポートプロトコル制御プロトコル(RTCP)の表示(indication)を通信しなければならない。
【0014】
PoCサービスは、通常、事前条件(preconditions)を用いないので、PoCアプリケーションサーバが1又はそれ以上のフロア制御メッセージを送信するときに、媒体ベアラが使用可能になっているという保証がない。このことによって、例えば、ユーザ装置が個別のシグナリングPDPコンテキストを用いているときに、問題が生じることがある。なぜならば、個別のシグナリングPDPコンテキストがRTCPトラフィックの伝送を許可していないからである。例えば、SDPアンサーを未だ受信していないので、この時点では、データ通信媒体についていかなるデータキャリアもアクティベートできていない。よって、いくつかの事前に存在する(pre-existing)データキャリア内、例えば、事前に存在するPDPコンテキスト内において、RTCPパケットを搬送する必要がある。しかしながら、ユーザ装置が個別のシグナリングPDPコンテキストを用いている場合には、このPDPコンテキスト内においてリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)もリアルタイムトランスポートプロトコル制御プロトコルパケットも送信することができない。この場合、アクセスネットワークとデータネットワークとの間のゲートウェイは、ゲートウェイの承認ポリシーに適合しないすべての入力パケットを単に捨てるだけとなり、したがって、ユーザ装置は、第2のPDPコンテキストのアクティベーションの前に、フロア制御メッセージを取得することができない。発呼通信者が実際に媒体パケットの送信を開始することができるのは、最初のINVITEメッセージに対するSDPアンサーを搬送する最後の応答を受信した後となる。着呼通信者側でも同様に、PoCアプリケーションサーバが最初にSDPオファーを有するINVITEを送信する。SDPアンサーを搬送する最後のアンサーを受信した後に、PoCアプリケーションサーバは、着呼通信者に対して、フロアが持っていかれたというRTCP表示を送信することができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以下に説明する各実施形態は、上述した問題に対処することを目的としている。
【0016】
一実施形態によれば、通信セッションの確立の間に情報を通信する通信システムにおける方法が提供される。この方法は、通信セッションの通信者に関連したデータ通信媒体のフロア状態情報を、前記通信セッションについてのデータ通信媒体情報を搬送するメッセージの中に含めることを含む。このメッセージは、この後、上記通信システムからユーザ装置に対して送信される。
【0017】
別の実施形態によれば、通信セッションを実現する通信システムが提供される。この通信システムは、データ通信リソースを与えるデータネットワークと、このデータ通信ネットワークに接続されるアプリケーションサーバと、を備える。このアプリケーションサーバは、通信セッションの通信者に関連したデータ通信媒体のフロア状態情報を、上記通信セッションについてのデータ通信媒体情報を搬送するメッセージの中に含め、上記データネットワークを介してユーザ装置に対して上記メッセージを送信するように構成される。
【0018】
さらに別の実施形態によれば、データ通信セッションを実現するためのアプリケーションサーバが提供される。このアプリケーションサーバは、通信セッションについてのデータ通信媒体に関する情報を搬送するメッセージの中に、上記通信セッションの通信者に関連した上記データ通信媒体のフロア状態に関するさらなる情報を含め、上記データネットワークを介してユーザ装置に対して上記メッセージを送信するように構成される。
【0019】
さらに別の実施形態によれば、通信セッションを記述するメッセージが提供される。このメッセージは、上記通信セッションについてのデータ通信媒体に関する情報と、上記通信セッションの通信者に関連した上記データ通信媒体のフロア状態に関する情報と、を搬送するように構成される。
【0020】
本発明の各実施形態は、ユーザに対して音声又は他のデータの通信セッションを確立するのに必要となる時間及びメッセージ量を低減するという有利な効果を有する。これは、時間を重視したサービスアプリケーションにおいて特に有利である。これらの実施形態は、様々なサービスのユーザビリティ(使い易さ)を向上させることができる。状態を表示する情報を搬送するためにRTCPメッセージに代えて例えばSDPメッセージを用いることによる効果には、さらなるRTCPパケットを用いることを避けることができるという効果が含まれる。これによって、無線リソースをいくらか節約することができる。これら実施形態はまた、例えばネットワークにおいてパケット損失がある場合に、呼の確立をさらに頑強なもの(ロバスト)にすることもできる。いくつかの場合には、呼の確立の遅延を低減することができる。SDPは、セッション確立プロトコル内において、例えば、シグナリングPDPコンテキスト内又はいくつかの他の適切なPDPコンテキスト内において搬送することができるSIPメッセージにより、搬送することができる。したがって、媒体についての存在しないPDPコンテキストにより生ずる問題を避けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明をよく理解するために、例示を目的として、添付した図面を参照する。
本発明の特定の実施形態について、例示を目的として、第3世代(3G)移動通信システムの例示的な構成を参照しつつ説明する。しかしながら、これらの実施形態が通信システムの他の任意の好適な形態にも適用可能である、ということが理解できよう。
【0022】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)が、ユーザ又はユーザ装置に対してマルチメディアサービスに対するアクセスを提供する第3世代コアネットワークのための参照構造を定めている。このコアネットワークは、3つの原理的な領域に分けられる。これら3つの領域とは、回路交換(Circuit Switched;CS)領域、パケット交換(Packet Switched;PS)領域、及び、インターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(Internet Protocol Multimedia Subsystem;IMS)領域である。
【0023】
図1は、IPマルチメディアネットワーク加入者のためにIPマルチメディアサービスを行うためのIPマルチメディアネットワーク45を示す。IPマルチメディアサブシステム(IMS)の機能は、このサービスの設備のための様々なエンティティを含むコアネットワーク(CN)サブシステムによって実現することができる。3GPPは、IMSサービスの設備のためにGPRS(General Packet Radio Service)の使用を定めており、したがって、以下、IMSサービスを可能にする適当なバックボーン通信ネットワークの一例として、GPRSをベースにしたシステムを用いる。
【0024】
3Gセルラシステムのような移動通信システムが、通常、ユーザ装置とこの通信システムの基地局との間のワイヤレスインタフェースを介して複数の移動ユーザ装置に機能を提供するように設けられる。移動通信システムは、論理的には、無線アクセスネットワーク(RAN)とコアネットワーク(CN)とに分けることができる。コアネットワーク(CN)エンティティは、典型的には、様々な制御エンティティと、多数の無線アクセスネットワークを介した通信を可能とし、さらには、1つの通信システムと他のセルラシステム及び/又は有線(fixed line)通信システムのような1又はそれ以上の通信システムとをつなぐ(インタフェースする)ゲートウェイと、を含む。
【0025】
図1では、中間(intermediate)移動通信ネットワークが、サポートノードと移動ユーザ装置との間におけるパケット交換領域において、パケット交換データ伝送を提供する。複数の異なるサブネットワークが、順次、外部のデータネットワークに対して、例えば、公衆交換データネットワーク(Public Switched Data Network;PSPDN)に対して、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)34、40を介して接続される。よって、GPRSサービスは、移動データ端末間、及び/又は、外部データネットワーク間において、パケットデータを伝送することを可能にする。さらに具体的には、例示的なGPRSの動作環境は、GPRSバックボーンネットワーク32及び41によって相互接続された1又はそれ以上のサブネットワークサービス領域を含む。サブネットワークは、多数のパケットデータサービスノード(Service Node;SN)を含む。このアプリケーションでは、サービスノードは、SGSN(Serving GPRS)という。SGSN33、42の各々は、少なくとも1つの移動通信ネットワーク、典型的には、基地局システムに対して接続される。明確化を目的として図示はしていないが、かかる接続は、無線ネットワーク制御装置(RNC)によって実現することができ、或いはまた、基地局制御装置(BSC)のような他のアクセスシステム制御装置によって実現することができ、パケットサービスが、幾つかの基地局を介して移動ユーザ装置に対して提供することができるようになっている。
【0026】
基地局31及び43が、各々のワイヤレスインタフェースを介して、移動ユーザすなわち加入者の移動ユーザ装置30及び44との間で、信号の送受信を行うように、設けられる。これに対応して、移動ユーザ装置の各々は、このワイヤレスインタフェースを介して、基地局装置との間で、信号の送受信を行うことができる。簡略化して表示している図1では、基地局31及び43は、対応する無線アクセスネットワーク(RAN)に属している。図示した構成では、ユーザ装置30、44の各々は、それぞれ、基地局31及び43に結合した2つのアクセスネットワークを介して、IMSネットワーク45にアクセスすることができる。図1は、明確化のために2つの無線アクセスネットワークにおける基地局を示しているが、典型的な移動通信ネットワークは、通常、多数の無線アクセスネットワークを含む、ということが理解できよう。
【0027】
IMS領域は、マルチメディアサービスが適切に処理されることを確実にするためのものである。IMS領域は、通常、インターネット技術標準化委員会(IEFT)によって開発されたようなセッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol;SIP)をサポートする。SIPは、1又はそれ以上の関係者(participant)(エンドポイント)とのセッションを、生成し、変更し、及び、終了させるためのアプリケーション層の制御プロトコルである。SIPは、一般的には、インターネットにおける2又はそれ以上のエンドポイントの間におけるセッションを、これらのエンドポイントに対してセッションの意味規則(semantics)を認識させることによって、開始することを可能にするように、開発されたものである。SIPをベースにした通信システムに接続されたユーザは、標準化されたSIPメッセージに基づいた通信システムにおける様々なエンティティと通信することができる。ユーザ装置、又は、このユーザ装置上の特定のアプリケーションを動作させたユーザは、SIPバックボーンによって登録されて、特定のセッションに対する招待(invitation)がこれらのエンドポイントに正確に配信されるようになっている。これを実現するために、SIPは、装置及びユーザに対して登録メカニズムを提供し、SIPが、セッション招待を適当にルーティングするように、ロケーションサーバ及びロケーションレジスタといったようなメカニズムを適用する。SIPシグナリングによって実現することが可能な適当なセッションは、例えば、インターネットマルチメディアカンファレンス(Internet multimedia conference)、インターネット電話通話(Internet telephone calls)、及び、マルチメディア配信(multimedia distribution)を含む。
【0028】
無線アクセスネットワーク内のユーザ装置は、典型的には無線ベアラ(RB)と称される無線ネットワークチャネルを介して、無線ネットワーク制御装置と通信することができる。各ユーザ装置は、無線ネットワーク制御装置に対して1度に開いた(open)1又はそれ以上の無線ネットワークチャネルを有することができる。ネットワークに接続するために、インターネットプロトコル(IP)に適合した任意の適当な移動ユーザ装置を用いることができる。例えば、ユーザは、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯情報端末(PDA)、移動局(MS)等のようなユーザ装置によって、セルラネットワークにアクセスすることができる。以下、移動局を例にとり説明する。
【0029】
当業者であれば典型的な移動局の特徴及び動作が分かる。よって、これらの特徴についての説明は必要ではない。ユーザは、発呼及び着呼をし、ネットワークとの間でデータの送受信を行い、マルチメディアコンテンツ等を体験する、といったタスクのために、移動局を用いることができる、ということに言及すれば十分である。移動局には、典型的には、これらのタスクを実行するためのプロセッサ及びメモリ手段が設けられている。移動局は、移動通信ネットワークにおける基地局との間で、無線により信号の送受信を行うためのアンテナ手段を含むことができる。移動局には、また、この移動ユーザ装置のユーザに対して画像及び他のグラフィカルな情報を表示するためのディスプレイを設けることができる。移動局の動作は、制御ボタンや音声コマンド等のような適当なユーザインタフェースによって制御することができる。
【0030】
図1の移動局30及び44は、プッシュトゥートーク型のサービスの利用を可能とするように構成される。プッシュトゥートークサービスによって必要とされうるアクティベーション機能は、移動局30及び44の通常のキーボードにおけるボタンのうちの1つによって、又は、特定のタンジェント(tangent)キーによって、例えば「ウォーキートーキー(Walkie-Talkie)」装置で知られているタンジェントを用いて、実現することができる。音声アクティベーションといったような他のアクティベーション技術もまた用いることができる。音声アクティベーションの場合には、検出した音声は、通話(speech)又は他のデータを送信するためのセッションの確立(set-up)をトリガするために用いることができる。キーを押圧することに代えて、ユーザは、適当なメニュー選択によってプッシュトゥートークサービスをアクティベートすることもできる。移動局がプッシュトゥートークサービスをアクティベートできるための方法については、実装の問題であるので、これ以上詳細には説明しない。
【0031】
図1には明確化のために2つの移動局のみしか示されていないが、多数の移動局は、この移動通信システムにおける各基地局と同時に通信することができる、ということが理解できよう。移動局はまた、幾つかのセッション、例えば多数のSIPセッションを同時に保持し、アクティベートしたPDPコンテキストを有することもできる。ユーザはまた、通話をし、同時に、少なくとも1つの他のサービスに接続することができる。
【0032】
アクセスエンティティにおけるユーザ装置とゲートウェイGPRSサポートノードとの間における通信全体は、一般的には、パケットデータプロトコル(PDP)コンテキストによって与えられる。各PDPコンテキストは、通常、特定のユーザ装置とゲートウェイGPRSサポートノードとの間に通信路(communication pathway)を与え、一旦確立されると、典型的には多数のフローを搬送することができる。各フローは、通常、例えば、特定のサービス、及び/又は、特定のサービスの媒体構成要素を表現する。したがって、PDPコンテキストは、ネットワークを通過する1又はそれ以上のフローについての論理的な通信路を表現することが多い。ユーザ装置とSGSNとの間においてPDPコンテキストを実現するためには、通常ユーザ装置のためのデータ伝送を可能にする無線アクセスベアラ(RAB)が確立される必要がある。これらの論理的及び物理的なチャネルの実現例については、当業者に知られているので、ここではさらに詳細には説明しない。
【0033】
通信システムは、サービスが、サーバとして知られるネットワークエンティティによって取り扱われるIMSネットワーク45の様々な機能によりユーザ装置に対して提供されるように、構築される。例えば、現在の第3世代(3G)ワイヤレスマルチメディアネットワーク構成では、幾つかの異なるサーバが、複数の異なる機能を取り扱うために用いられる。これらの異なる機能には、呼セッション制御機能(call session control functions;CSCFs)といったような機能が含まれる。呼セッション制御機能は、プロキシ呼セッション制御機能(proxy call session control function;P−CSCF)35、39、問い合わせ呼セッション制御機能(interrogating call session control function;I−CSCF)37やサービング呼セッション制御機能(serving call session control function;S−CSCF)36、38といったような様々な範疇に分けることができる。
【0034】
同様の機能が、異なるシステムでは異なる名称により称されることがある、ということを理解されたい。例えば、特定のアプリケーションでは、CSCFsは、呼セッション制御機能と称されることがある。
【0035】
要求した通信リソースがバックボーンネットワークによって与えられたユーザが、通信システムを介して、所望のサービスに対するリクエストを送信することにより、サービスの利用を開始しなければならないように、通信システムを構成することができる。例えば、ユーザは、適当なネットワークエンティティからの、セッション、トランザクション又は他のタイプの通信に対するリクエストを送信することができる。さらには、ユーザは、そのユーザのユーザ装置を、IMSにおけるサービング制御エンティティ(serving control entity)に登録する必要がある。この登録は、典型的には、サービング制御エンティティに対してユーザ識別(user identity)を送信することにより実行される。上述した例示的なネットワークエンティティから、サービング呼セッション制御機能(S−CSCF)は、第3世代のIMS構成において、ユーザがサービスに対するリクエストを送信することができるようになるために登録される必要があるエンティティを、IMSシステムによって形成する。
【0036】
ユーザ装置30、44は、GPRSネットワークを介して、IMSに一般的には接続されるアプリケーションサーバに接続することができる。図1では、かかるアプリケーションサーバは、PoCサービスサーバ50により実現される。このPoCアプリケーションサーバは、IMSネットワーク45を介してPoCサービスを提供するためのものである。プッシュトゥートークサービスは、いわゆる直接音声通信サービスの一例である。PoCサービスの利用を望むユーザは、適切なPoCサーバに加入する必要がある。IMSに対する登録の後、PoCサービスに対する登録が、任意の適当な方法、例えば、適当なサードパーティ登録手続(third party registration procedure)又はユーザによるリクエストにより、IMSによって実行される。
【0037】
直接音声通信サービスは、移動局30及び44のためのIP接続を可能とするために、GPRSバックボーンの能力及びマルチメディアサブシステム(IMS)の制御機能を利用することを意図したものである。PoCサーバは、IMSシステムのオペレータにより、又は、サードパーティのサービスプロバイダにより、動作させることができるものである。サービスが、移動局30のユーザに対して移動局44のユーザとの間における即座の通信を実行することを可能にする手法については、後にさらに詳細に説明する。
【0038】
ユーザは、例えば、移動局30における特定のアクティベーションボタンを単に押圧することにより、通信リンクを開くことができる。移動局30のユーザが発言する間、移動局44のユーザは聞く。この後、移動局44のユーザは、同様の方法により応答することができる。
【0039】
ユーザ装置と適当な呼セッション制御機能との間におけるシグナリングは、GPRSネットワークを介してルーティングされる。ユーザ装置のためのユーザプレーン(user plane)セッション確立シグナリングは、PoCアプリケーションサーバ50を介してルーティングされ、このPoCアプリケーションサーバ50により制御される。すなわち、PoCが制御プレーン及びPoCユーザのユーザプレーンの両方を制御する。
【0040】
PoCアプリケーションサーバとユーザ装置との間における制御プレーントラフィックが、IMS45を介してルーティングされる一方、ユーザ装置とPoCアプリケーションサーバとの間におけるユーザプレーントラフィックは、GPRSシステムからインタフェース54及び56におけるPoCアプリケーションサーバに対してルーティングされる、ということが理解できよう。
【0041】
各実施形態は、特定の状態メッセージの利用を避けることができることが好ましい、という認識に基づいている。例えば、セッション確立フェイズにおいてフロア状態情報を通信するためにリアルタイムトランスポートプロトコル制御プロトコル(RTCP)メッセージの利用を避けることが望ましい。以下の例示的な実施形態では、別々のRTCPパケットにおいてプッシュトゥートークセッションにおける最初のフロア制御状態を示すことに代えて、この状態は、セッション記述プロトコル(Session Description Protocol;SDP)オファー(offer)又はアンサー(answer)において示すことができる。状態情報の準備は、フロアが与えられた又はフロアが持っていかれたといったような、適当なフロア制御状態を記述する固定長(fixed)のトークン値を用いてSDPメッセージに1つの拡張パラメータを付加することによって、実行することができる。このように、媒体及びフロア制御パラメータをやり取りするために、SDPメッセージを用いることができる。
【0042】
以下、通信者Aの移動局及び通信者Bの移動局が通信セッションのためのネゴシエーションの正に最初にフロア状態を通知される図2を参照して説明する。一実施形態では、これら移動局は、最初に、IMSを用いて、例えば、それぞれの動作しているCSCFを用いて登録されるものとすることができる。これが、図2のステップ100に示されている。
【0043】
移動局がIMSにおいて首尾よく登録された後、移動局は、次に、ステップ102においてPoCアプリケーションサーバにより登録されることができる。ステップ102における登録は、ステップ100におけるIMSによる登録の後に実質的に直ぐに発生することができる。例えば、移動局がIMSにより首尾よく登録された後、サードパーティの登録が、ステップ102において、PoCアプリケーションサーバにより自動的に実行されるものとすることができる。サードパーティの登録は、IMSとPoCアプリケーションサーバとの間におけるSIPサードパーティの登録手順により実行するものとすることができる。これは、PoCサービスに加入した各々のユーザについて実行することができる。このように、ユーザは、この段階では、いかなる動作を行う必要がないものとすることができる。或いはまた、ユーザ又は他の任意の通信者が、移動局がIMSにより登録された後の任意の段階において登録をトリガすることもできる。
【0044】
登録後、ステップ104において、ユーザは、例えばその移動局におけるプッシュトゥートークキーを押圧することにより、PoCサービスをアクティベートすることができる。この後、ステップ106において、オファーが、発呼通信者のユーザ装置からPoCアプリケーションサーバに対して送信される。このオファーは、フロアの状態に関する表示とともに、ステップ108において、PoCアプリケーションサーバから着呼通信者のユーザ装置に転送されるものとすることができる。このリクエストに対するアンサーが、ステップ110において、PoCアプリケーションサーバから発呼通信者のユーザ装置に対して転送され、このメッセージもまた、フロアの状態に関する表示を含んでいる。このアンサーは、着呼通信者から未だいかなるアンサーをも受信していなくとも、通信されるものとすることができる。
【0045】
最初にフロアが(発呼通信者側に)与えられた旨及び/又はフロアが(着呼通信者側に)持っていかれた旨又は同様のメッセージを示すRTCPを送信することに代えて、フロア状態情報を通信するためにSDPメッセージを用いることができる。ステップ110において、発呼通信者におけるSDPアンサーが、フロアが与えられたという情報を搬送することができる。ステップ108での着呼通信者におけるSDPオファーは、フロアが持っていかれたという情報を搬送するために用いることができる。この目的のために、SDPがフロア制御状態を搬送するように、新しい属性を定めることができる。これは、例えば、SDP拡張モデルによって実行することができる。この属性は、適切なフロア制御状態に対応して列挙した値を有するものとすることができる。この属性の意味規則(semantics)は、対象となっているオファーされた/アンサーされた媒体についての最初のフロア状態を受信者に通知することができるようになっているものとすることができる。この方法により表示された最初の状態は、この後に続くRTCPフロア制御メッセージによって置き換える(オーバーライドする)ことができる。
【0046】
媒体及びフロア状態情報のやり取りの後、発呼通信者及び着呼通信者は、ステップ112において、発呼通信者が発言を開始することができる旨及び着呼通信者は聞くべきである旨を示す適切な表示が与えられる。
【0047】
図3は、PoCアプリケーションサーバによる登録後における通信者Aのユーザ装置30とPoCアプリケーションサーバ50と通信者Bのユーザ装置44との間での適切なシグナリングの例を示す。ステップ10において、通信者Aが、この通信者Aが通信者Bとの通話(speech)接続の確立を望む旨の表示を与える。次に、ユーザ装置30が、通信者Bとの通話接続についてリクエストするためにPoCアプリケーションサーバ50にルーティングされることになる「SIP INVITE」メッセージ11をIMS45に送信することができる。IMSは、このIMSがそのリクエストを受信した旨を示す確認として、ユーザ装置30に対して「SIP 100 TRYING」メッセージ12を返送する。
【0048】
IMS45は、メッセージ13として「SIP INVITE」をPoCアプリケーションサーバ50に対して転送する。このメッセージを受信すると、アプリケーションサーバは、このサーバがそのリクエストを受信した旨を示す確認として、IMSに対して「SIP 100 TRYING」メッセージ14を返送することができる。
【0049】
図3では、フロア状態情報が、「*」を付したSIPメッセージ15、17、18及び19によって、通信者A及び通信者Bに与えられている。さらに具体的には、「SIP INVITE」メッセージ13の受信に応答して、PoCアプリケーションサーバ50は、通信者Bのユーザ装置11にルーティングされることになる「SIP INVITE」メッセージ15をIMSに対して送信することができる。この段階において、IMSは、このIMSがそのメッセージを受信した旨を確認するために、アプリケーションサーバに対して「SIP TRYING」メッセージ16を返送することができる。IMS45は、メッセージ17として「SIP INVITE」を、PoCを実行可能としている通信者Bのユーザ装置44に対して転送する。
【0050】
PoCアプリケーションサーバ50が、IMSからのメッセージ16により、このIMSがメッセージ15におけるリクエストを受信した旨の確認を受信したときには、PoCアプリケーションサーバは、IMSに対して適当なメッセージ18を送信することができる。図3は、「SIP 200 OK」メッセージを示している。他の任意の適切なメッセージ、例えば、「SIP 202 Accepted」が、この段階において送信されるものとすることができる。通信者Bのユーザ装置44がリクエスト又はこのようなリクエストが期待されている旨の任意の表示を受信する前であっても、受信の応答ACK(acknowledgement)が送信されるものとすることができる。次に、メッセージ18の内容が、メッセージ19において通信者Aのユーザ装置30に対して転送される。このように、通信者のユーザ装置には、SIPメッセージ18及び19によってフロア状態情報が与えられる。
【0051】
SPDオファー又はアンサーは、以下の簡略化した例において示すように構成することができる。この例は、拡張属性が「フロア−制御−状態」と称されると仮定している。この例は、必ずしもあらゆる適切なPoCの特定の拡張を含んでいることを示すものではない、ということが理解できよう。以下の例では、表示はフロアが持っていかれたというものである。同様のトークンを用いて他の表示を符号化することができる。
【0052】
例:
m=audio[port number(ポート番号)] RTP/AVP[payload number(ペイロード番号)]
a=rtcp:[RTCP port number(RTCPポート番号)]
a=floor-control-state:floorGranted(フロアが与えられた)
【0053】
メッセージ19を受信したことに応答して、通信者Aのユーザ装置は、次に、ステップ20において、この通信者Aが発言を開始することができる旨の表示を、ユーザ装置のユーザに対して与える。SIPプロトコルに従って、この後に続くメッセージングを用意することができる。例えば、ユーザ装置30は、IMSに対して「SIP ACK」メッセージ21を送信することにより、OKメッセージで応答することができる。このメッセージは、この後、メッセージ22としてPoCアプリケーションサーバ50に対して転送されるものとすることができる。
【0054】
一旦、要求した処理が、通信者Bのユーザ装置44において完了し、そのリクエストが満たされると、「SIP 200 OK」メッセージ23がIMSに対して通信され、さらには、メッセージ24がPoCアプリケーションサーバに対して通信される。通信者Bのユーザ装置44はまた、ステップ25において、このユーザ装置44のユーザに対して、聞くことを開始する旨の表示を与えることもできる。通信者Bのユーザには、通信者Aからの通話バースト(talk burst)が通過する前に、到来するPoC「通話(talk)」セッションの表示が与えられるものとすることができる。
【0055】
上述した例は、PoCアプリケーションサーバが、「通信者Bのユーザが到達可能なものであって自動アンサー機能をアクティベートしている」ということを認識している状況に関連したものである、ということを理解されたい。異なるユーザシナリオについての信号のフローは、図3の例の信号フローとは異なることがある。
【0056】
図1及び図3並びに上記の説明は、1つのアプリケーションサーバのみ、例えばPoCサーバのみを示しているが、このようなサーバを多数設けることも可能である、ということを理解されたい。通信者A及び通信者Bのユーザ装置は、異なるアプリケーションサーバにより登録されるものとすることができる。通信者A及び通信者Bに対して機能を提供するアプリケーションサーバは、異なるネットワークにも配置することができるものである。
【0057】
上記説明は、PoCのような時間を重視した(time critical)サービスに対する解決法(ソリューション)に基づいた一般的なアプリケーションサーバについて示している。しかしながら、本発明は、その思想及び範囲から逸脱することなく、他のサービスにも適用可能なものである、ということを理解されたい。
【0058】
様々な実施形態が、RTCPをベースにしたフロア制御及びセッション記述プロトコルに関連して用いられるものには限定されない、ということも理解されたい。さらには、最初のフロア状態は、フロア制御のために実際に用いられるプロトコルが何であるかには関係なく、任意のオファーメッセージ及び/又はアクセプタンス(acceptance)メッセージについて、任意の適当なプロトコルメッセージにより同様の手法によって搬送することができる。
【0059】
移動局に関連して本発明の様々な実施形態について説明してきたが、本発明の様々な実施形態が、他の任意のタイプのユーザ装置にも適用可能なものである、ということを理解されたい。
【0060】
本発明の様々な例について、IMSシステム及びGPRSネットワークに関連して説明してきた。本発明は、他の任意のアクセス技術にも適用可能である。さらには、与えられた例について、SIPを実行可能なエンティティを有するSIPネットワークに関連して説明した。本発明は、他の任意の適切な通信システム、例えばワイヤレス又は有線(fixed line)システムのいずれかのシステム、並びに、他の任意の規格及びプロトコルにも適用可能なものである。
【0061】
以上のように、本発明の例示的な様々な実施形態について説明してきたが、開示した解決法(ソリューション)に対して、添付した特許請求の範囲において定められるような本発明の技術的範囲から逸脱することなく、いくつかの変形及び変更を施すことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、本発明を実現することができる通信システムを示す図である。
【図2】図2は、一実施形態の動作を示すフロー図である。
【図3】図3は、一実施形態のシグナリングを示すシグナリングフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信セッションの確立の間に情報を通信する通信システムにおける方法であって、
通信セッションの通信者に関連したデータ通信媒体のフロア状態情報を、前記通信セッションについてのデータ通信媒体情報を搬送するメッセージの中に含めるステップと、
前記通信システムからユーザ装置に対して前記メッセージを送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記メッセージの中に含めるステップが、前記通信セッションについてのオファーの中にフロア状態情報を含めるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フロアが持っていかれた旨の表示を前記オファーの中に含めるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記メッセージの中に含めるステップが、前記通信セッションについてのオファーに対するアンサーの中に前記フロア状態情報を含めるステップを含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
フロアが与えられた旨の表示を前記アンサーの中に含めるステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
セッション記述プロトコルに従って前記メッセージを生成するステップを含む、請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
セッション開始プロトコルに従って前記メッセージを搬送するステップを含む、請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
プッシュトゥートークサービスセッションについてのリクエストを送信するステップを含む、請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
インターネットプロトコルマルチメディアサブシステムを介して前記メッセージを送信するステップを含む、請求項1から請求項8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
GPRS(General Packet Radio Service)ネットワークを介して前記メッセージを送信するステップを含む、請求項1から請求項9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
パケットデータプロトコルのコンテキストによって前記通信セッションを実現する、請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記メッセージを送信するステップが、前記通信システムに対して動作可能に接続されたアプリケーションサーバからメッセージを送信するステップを含む、請求項1から請求項11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記メッセージを送信するステップが、PoC(プッシュトゥートークオーバーセルラ)サーバからメッセージを送信するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータプログラムであって、
該プログラムがコンピュータ上において実行されるときに、請求項1から請求項13に記載のステップのいずれかを実行するようにされたプログラムコード手段を具備することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
通信セッションを実現するように構成された通信システムであって、
データ通信リソースを与えるデータネットワークと、
前記データ通信ネットワークに接続されたアプリケーションサーバと、を具備し、
前記アプリケーションサーバが、通信セッションの通信者に関連したデータ通信媒体のフロア状態情報を、前記通信セッションについてのデータ通信媒体情報を搬送するメッセージの中に含め、前記データネットワークを介してユーザ装置に対して前記メッセージを送信する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項16】
前記アプリケーションサーバが、プッシュトゥートークサービスアプリケーションサーバを備える請求項15に記載の通信システム。
【請求項17】
前記メッセージがセッション記述プロトコルに従って構成される、請求項15又は請求項16に記載の通信システム。
【請求項18】
セッション開始プロトコルに従って前記メッセージを搬送するように構成される、請求項15から請求項17のいずれかに記載の通信システム。
【請求項19】
インターネットプロトコルマルチメディアサブシステムを備える、請求項15から請求項18のいずれかに記載の通信システム。
【請求項20】
データ通信セッションを実現するためのアプリケーションサーバであって、
通信セッションについてのデータ通信媒体に関する情報を搬送するメッセージの中に、前記通信セッションの通信者に関連した前記データ通信媒体のフロア状態に関するさらなる情報を含め、前記データネットワークを介してユーザ装置に対して前記メッセージを送信するように構成される、ことを特徴とするアプリケーションサーバ。
【請求項21】
プッシュトゥートークサービスアプリケーションサーバを備える、請求項20に記載のアプリケーションサーバ。
【請求項22】
インターネットプロトコルマルチメディアサブシステムに接続するための手段を備える、請求項20に記載のアプリケーションサーバ。
【請求項23】
前記通信セッションについてのオファー又は通信セッションについての前記オファーに対するアンサーのうちの少なくとも一方に、前記さらなる情報を含めるように構成される、請求項20から請求項22のいずれかに記載のアプリケーションサーバ。
【請求項24】
通信セッションを記述するメッセージであって、
前記通信セッションについてのデータ通信媒体に関する情報と、前記通信セッションの通信者に関連した前記データ通信媒体のフロア状態に関する情報と、を搬送するように構成される、ことを特徴とするメッセージ。
【請求項25】
セッション記述プロトコルに従ったメッセージを含む、請求項24に記載のメッセージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2007−515908(P2007−515908A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546370(P2006−546370)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【国際出願番号】PCT/IB2004/004180
【国際公開番号】WO2005/064849
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】