説明

プラズマディスプレイパネル用背面基板の検査方法および製造方法

【課題】非破壊で隔壁の物性を直接測定し、精度よく良否判定をすることが可能なPDP用背面基板の検査方法を提供する。
【解決手段】PDP用背面基板に形成された隔壁の頂部に光を照射し、頂部からの反射光を撮像する撮像ステップ(S11)と、頂部の撮像画像を量子化処理することにより頂部の平均階調値を算出する画像処理ステップ(S12)と、予め関連付けられた隔壁の空隙率と頂部の平均階調値との関係に基づいて良否判定をする判定ステップ(S13)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル用背面基板の検査方法および製造方法に関し、特に、背面基板に形成した隔壁の検査技術および形成技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、双方向情報端末として大画面、壁掛けテレビへの期待が高まっており、そのための表示デバイスとして、液晶表示パネル、フィールドエミッションディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの数多くのものがある。これらの表示デバイスの中でもプラズマディスプレイパネル(以下、PDPとする)は、自発光型で美しい画像表示ができ、大画面化が容易であるなどの理由から、視認性に優れた薄型表示デバイスとして注目されており、高精細化および大画面化に向けた開発が進められている。
【0003】
PDPは表示電極、誘電体層、MgOによる保護層などの構成物を形成した前面板と、電極、隔壁、絶縁体層、蛍光体層などの構成物を形成した背面板とを、内部にR・G・Bそれぞれの微小な放電セルを形成するように対向配置されるとともに、周囲を封着部材により封止されている。そして、放電セルにネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などを混合してなる放電ガスが、例えば66500Pa(約500Torr)程度の圧力で封入されている。
【0004】
元来PDPは自発光型であるため、非常に高い視野角を有するが、高精細化・大画面化に伴い全領域で均一なパネル特性が求められるため、材料物性・構造形成プロセスに対して様々な対策が施される。
【0005】
背面板の構成物の一つであり、パネル特性に大きな影響を与える隔壁の形成技術としては、サンドブラスト法、フォトリソグラフィー法などが知られている。
【0006】
サンドブラスト法では、ガラス材料、フィラー、樹脂、溶剤などが混錬された隔壁ペーストが用いられる。隔壁ペーストが、基板上に塗布または印刷され、基板上に隔壁ペースト膜が形成される。次に、基板が乾燥処理されることにより、隔壁ペースト膜中の溶剤成分が除去される。次に、隔壁ペースト膜上に隔壁パターンに応じたレジストパターンが形成される。次に、アルミナなどの研磨粒子が隔壁ペースト膜に噴射される。このようにして、レジストパターンに覆われていない部分の隔壁ペースト膜が削り取られる。次に、基板を洗浄処理することにより、基板上に残留した研磨粒子、レジストパターンなどを除去する。最後に基板が焼成処理され、隔壁パターン中の樹脂成分などが除去される。このようにして、隔壁が形成される。
【0007】
一方、フォトリソグラフィー法では、ガラス材料、フィラー、感光性樹脂、溶剤などが混錬された感光性隔壁ペーストが用いられる。隔壁ペーストが、基板上に塗布または印刷され、基板上に隔壁ペースト膜が形成される。次に、基板が乾燥処理されることにより、隔壁ペースト膜中の溶剤成分が除去される。次に、隔壁パターンが形成されたフォトマスクを介して、紫外線などで隔壁ペースト膜が露光処理される。次に、基板が現像処理される。このようにして、隔壁パターンが形成される。最後に基板が焼成処理され、隔壁パターン中の樹脂成分などが除去される。このようにして、隔壁が形成される。
【0008】
いずれの方法においても、ストレート構造、ワッフル構造、段違い井桁構造など種々のパターンの形成が可能である。
【0009】
また、隔壁には、隔壁ペーストの品質変動や焼成条件の変動などによって種々の問題が発生することが知られている。例えば、焼成温度の変動により、隔壁の強度、蛍光体塗布形状、PDPの放電特性などが変動する。したがって、隔壁の焼成温度や焼成時間などの焼成条件を制御することが重要である。しかしながら、PDPの生産に一般的に使用されているタクトコンベア式焼成炉においては、焼成炉の投入口から取出口までの複数ポジションを基板が連続的に移動する。そのため、焼成中の基板温度を正確に測定することは、非常に困難である。そこで、隔壁の焼成後に隔壁の物性値を測定することで、隔壁の出来栄えを評価する方法が提案されている。
【0010】
例えば、隔壁中に発生する空隙のサイズおよび面積が、隔壁の断面における孔の断面積から求められている。空隙の面積は、孔の断面積の総和を意味する。個々の孔の断面の面積は、SEM(二次電子走査型電子顕微鏡)による断面写真の孔の部分をトレーシングペーパーに写し取り、それをきりとって質量を測定することで求められる(特許文献1参照)。
【0011】
また、以下のような手順で隔壁の物性を予測する方法が開示されている。無機成分を含む成型物が焼成されることにより、モデル焼成物が作製される。次に、同条件で焼成された基板上パターン(例えば隔壁)の物性と、モデル焼成物のかさ密度とが予め関連付けられる。特定の焼成条件で得られるモデル焼成物のかさ密度から、同条件で焼成を行った際の基板上パターン(例えば隔壁)の物性が予測される(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2005−276762号公報
【特許文献2】特開2006−139979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1の方法は破壊検査なので、多大な費用と時間が必要である。そのため、検査可能なサンプル数は限定される。したがって、工場において大量生産されるPDP用基板の隔壁の品質を随時モニターする方法としては、特許文献1の方法は不十分である。
【0014】
特許文献2の方法は、隔壁の物性を直接測定することができない。したがって、隔壁の物性の測定精度が不十分な場合がある。さらに、モデル焼成物の物性測定を頻繁に行うと、焼成工程の生産性が低下するという問題点があった。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、非破壊で隔壁の物性を直接測定し、精度よく良否判定をすることが可能なPDP用背面基板の検査方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、非破壊で隔壁の物性を直接測定し、焼成炉における隔壁の焼成条件を好適に保つことが可能なPDP用背面基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、基板上に無機成分とガラス成分と樹脂成分と溶剤成分とからなるペーストを塗布することにより隔壁パターンを形成した後、基板を焼成することによって隔壁を形成したPDP用背面基板の検査方法であって、隔壁の頂部に光を照射し、頂部からの反射光を撮像する撮像ステップと、頂部の撮像画像を量子化処理することにより頂部の平均階調値を算出する画像処理ステップと、予め関連付けられた隔壁の空隙率と頂部の平均階調値との関係に基づいて良否判定をする判定ステップと、を有する。
【0018】
このような方法によれば、非破壊で隔壁の頂部の物性を直接測定できる。また、頂部の物性は、隔壁内部の空隙率と予め関連付けられている。そのため、多くのサンプルを連続的に検査することができる。したがって精度よく隔壁の出来栄えを良否判定することが可能となる。
【0019】
また、撮像ステップにおいて、さらに基準試料を撮像し、画像処理ステップにおいて、さらに基準試料の平均階調値を算出することによって、頂部の平均階調値を校正し、判定ステップにおいて、校正後の頂部の平均階調値に基づいて良否判定をしてもよい。
【0020】
このような方法によれば、基準試料の平均階調値から頂部の平均階調値を校正できるので、頂部に照射される光の強度が経時変動しても、精度よい良否判定が可能となる。
【0021】
また、画像処理ステップにおいて、さらに頂部の幅を算出し、判定ステップにおいて、頂部の幅および予め関連付けられた隔壁の空隙率と頂部の平均階調値との関係に基づいて良否判定をしてもよい。
【0022】
このような方法によれば、頂部の幅を判定のパラメータに加えることができるので、さらに精度よい良否判定が可能となる。
【0023】
本発明は、基板上に無機成分とガラス成分と樹脂成分と溶剤成分とからなるペーストを塗布することにより隔壁パターンを形成した後、基板を焼成炉で焼成することによって隔壁を形成するPDP用背面基板の製造方法であって、隔壁の頂部に光を照射し、頂部からの反射光を撮像する撮像ステップと、頂部の撮像画像を量子化処理することにより頂部の平均階調値を算出する画像処理ステップと、予め関連付けられた隔壁の空隙率と頂部の平均階調値との関係に基づいて、焼成炉の焼成条件を算出するステップと、焼成炉の焼成条件を調整するステップと、を有する。
【0024】
このような方法によれば、非破壊で隔壁の頂部の物性を直接測定できる。また、頂部の物性は、隔壁内部の空隙率と予め関連付けられている。そのため、多くのサンプルを連続的に検査することができる。したがって、焼成後、比較的短時間で隔壁の出来栄えの把握が可能となるとともに、好適な焼成条件が算出される。よって、焼成条件が適時に調整され、焼成炉における隔壁の焼成条件を好適な状態に保つことが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のPDP用背面基板の検査方法によれば、非破壊で隔壁の頂部の物性を直接測定できる。また、頂部の物性は、隔壁内部の空隙率と予め関連付けられている。そのため、多くの背面基板を連続的に検査することができる。したがって精度よく隔壁の出来栄えを良否判定することが可能となる。
【0026】
本発明のPDP用背面基板の製造方法によれば、非破壊で隔壁の頂部の物性を直接測定できる。また、頂部の物性は、隔壁内部の空隙率と予め関連付けられている。そのため、多くの背面基板を連続的に測定することができる。したがって、焼成後、比較的短時間で隔壁の出来栄えの把握が可能となるとともに、好適な焼成条件が算出される。よって、焼成条件が適時に調整され、焼成炉における隔壁の焼成条件を好適な状態に保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】PDPの概略図である。
【図2】実施の形態1で用いる隔壁までが形成された背面基板の概略図である。
【図3】同隔壁が形成された背面板の断面概略図である。
【図4】同検査装置の概略図である。
【図5】同検査装置の機能ブロック図である。
【図6】実施の形態1における検査方法のフロー図である。
【図7】同頂部の平均階調値と空隙率との相関図である。
【図8】実施の形態2で用いる検査装置の概略図である。
【図9】実施の形態2における検査方法のフロー図である。
【図10】実施の形態3における製造方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施の形態1)
図1において、PDP10は、前面板20と背面板30とから構成され、前面板20と背面板30とは放電セル40を形成するように対向配置されている。前面板20は、フロート法により形成された硼珪素ナトリウム系ガラスなどの前面ガラス基板21上に、走査電極22と維持電極23とで対をなすストライプ状の複数の表示電極24が形成されている。
【0029】
ここで、前面板20に設けられた表示電極24を構成する走査電極22および維持電極23は、それぞれ透明電極、およびバス電極により構成されている。バス電極はクロム(Cr)/銅(Cu)/クロム(Cr)または銀(Ag)などの材料からなり、それぞれ透明電極に電気的に接続されている。
【0030】
また、隣接する表示電極24の間には、光遮蔽部となるブラックストライプ25が形成されている。また、表示電極24とブラックストライプ25とを覆って誘電体層26が形成され、さらに誘電体層26を覆って酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層27が形成されている。
【0031】
一方、背面板30は、ガラスなどの基板からなる背面基板31上に、前面板20の表示電極24と直交する方向にアドレス電極32が形成され、アドレス電極32を覆って下地誘電体層33が設けられている。また、下地誘電体層33上には、例えば、井桁状の隔壁34が設けられ、隔壁34の側面と下地誘電体層33の表面には蛍光体層36が設けられている。蛍光体層36は、隣接する隔壁34によって仕切られた放電セル40に、それぞれ赤色に発光する赤色蛍光体層36R、緑色に発光する緑色蛍光体層36G、青色に発光する青色蛍光体層36Bが順に形成されている。
【0032】
前面板20と背面板30とが、走査電極22とアドレス電極32とが直交するように対向配置され、その周囲がガラスフリットで封着される。放電セル40にはネオン(Ne)、キセノン(Xe)などを含む放電ガスが封入される。このようにして、PDP10が完成される。
【0033】
図1および図2に示すように、隔壁34は、表示電極24と平行な横隔壁34bと、横隔壁34bに直交する縦隔壁34aとにより井桁状に形成されている。縦隔壁34aは、横隔壁34bの高さよりも若干高くなるように形成される。本発明は、縦隔壁34aと横隔壁34bの高さが異なる形状の他に、高さが同一の井桁形状にも適用できる。また、横隔壁34bを除いたストライプ状の隔壁にも適用できる。
【0034】
また、背面板30は、以下のように形成される。
【0035】
[1.アドレス電極]
銀(Ag)などの金属、結着ガラス、有機溶剤成分、樹脂成分などを含む感光性電極ペーストが、背面基板31上に印刷または塗布される。このようにして背面基板31上に、所定の厚みの電極ペースト層が形成される。次に、背面基板31が、乾燥炉などで乾燥処理される。このようにして、電極ペースト層に含まれる有機溶剤成分などが揮発除去される。次に、アドレス電極32のパターンが形成されたフォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって、電極ペースト層が、露光処理される。次に、電極ペースト層が、現像処理される。電極ペースト層の露光されていない部分が除去され、アドレス電極32のパターンが形成される。さらに、背面基板31が、焼成炉などで焼成処理される。このようにして、アドレス電極32のパターンに含まれる樹脂成分などが除去され、結着ガラスが溶融する。以上で、アドレス電極32の形成が完了する。
【0036】
上述の方法の他にも、アドレス電極32を形成する方法が存在する。スパッタ法、蒸着法などにより、銀(Ag)などの金属膜が背面基板31上に形成される。次に、金属膜上にレジスト層が形成される。次に、アドレス電極32のパターンが形成されたフォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって、レジスト層が露光処理される。次に、レジスト層が現像処理され、金属膜上にアドレス電極32のパターンのレジストパターンが形成される。次に、エッチングによって、レジストパターンが形成されていない部分の金属膜が除去される。以上のように所定のパターンかつ所定の厚みのアドレス電極32が形成される。アドレス電極32の幅は、例えば50μm〜150μmであり、実施の形態1では70μmである。アドレス電極32の厚みは、例えば2μm〜10μmであり、実施の形態1では3μmである。
【0037】
[2.下地誘電体層]
低軟化点のガラス成分、有機溶剤成分、樹脂成分などを含み、実質的に鉛を含まない下地誘電体ペーストが、背面基板31とアドレス電極32の上にシート状に印刷または塗布される。このようにして、所定の厚みの下地誘電体ペースト層が、形成される。次に、背面基板31が乾燥炉などで乾燥処理される。このようにして、下地誘電体ペースト層に含まれる有機溶剤成分などが揮発除去される。さらに、背面基板31が焼成炉などで焼成処理される。このようにして、下地誘電体ペースト層に含まれる樹脂成分などが除去され、ガラス成分が溶融する。以上のように所定の厚みの下地誘電体層33が形成される。下地誘電体層33の厚みは、例えば約5μm〜15μmであり、実施の形態1では10μmである。
【0038】
[3.隔壁]
無機成分であるフィラー、ガラス成分であるガラスフリット、溶剤成分、感光性の樹脂成分などを含んだ隔壁形成用ペーストが、下地誘電体層33が形成された背面基板31上に印刷または塗布される。このようにして、所定の厚みの隔壁ペースト層が、形成される。次に、背面基板31が乾燥炉などで乾燥処理される。このようにして、隔壁ペースト層に含まれる溶剤成分などが揮発除去される。次に、背面基板31が乾燥炉などで乾燥されることにより、隔壁形成用ペースト中の溶剤成分が揮発除去される。このようにして、隔壁ペースト層が形成される。次に、隔壁34のパターンが形成されたフォトマスクを用いたフォトリソグラフィー法によって、隔壁ペースト層が露光処理される。次に、隔壁34のパターンが形成されたフォトマスクを介して、隔壁ペースト層が露光される。次に、隔壁ペースト層が現像処理される。隔壁ペースト層の露光されていない部分が除去され、隔壁パターンが形成される。さらに、背面基板31が、焼成炉などで焼成処理される。このようにして、隔壁パターンに含まれる樹脂成分などが除去され、ガラス成分が溶融する。以上で、所定のパターンかつ所定の厚みの隔壁34の形成が、完了する。
【0039】
上述の方法の他にも、隔壁34を形成する方法が存在する。感光性の樹脂成分を含まない隔壁ペーストが使用される場合には、上述のように、隔壁ペースト層が形成された後、隔壁ペースト層上に隔壁パターンのレジストパターンが形成される。レジストパターンは、フォトリソグラフィー法などによって形成される。次に、サンドブラスト法などで、レジストパターンが存在しない部分が除去され、隔壁パターンが形成される。次に、背面基板31が洗浄処理される。このようにして、サンドブラスト法で使用された研磨剤および残存しているレジストパターンが除去される。さらに、背面基板31が、焼成炉などで焼成処理される。
【0040】
以上のように所定のパターンかつ所定の高さの隔壁34が形成される。隔壁34の頂部の幅は、例えば20μm〜80μmであり、実施の形態1では40μmである。隔壁34の高さは、例えば100μm〜150μmであり、実施の形態1では120μmである。
【0041】
[4.蛍光体層]
隣接する隔壁34間の下地誘電体層33上および隔壁34の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストが塗布される。次に、背面基板31が乾燥、焼成され蛍光体層36が形成される。
【0042】
実施の形態1で用いられる隔壁形成用ペーストは、ガラス成分が10%から40%、無機成分が20%から60%、感光性樹脂成分が10%から30%、溶剤成分が10%から30%の配合比である。隔壁形成用ペーストは、実質的に鉛を含まない。
【0043】
図3に示すように、縦隔壁34a中には、空隙38が存在する。空隙38は、隔壁パターンの焼成によって発生する。したがって、焼成条件、特に焼成温度プロファイルに依存して、縦隔壁34aの空隙率が変動する。
【0044】
ここで空隙率とは、縦隔壁34aの中で空隙38が存在している部分の体積の割合であって、以下の方法で測定される。
【0045】
(1)背面板30が割断され、縦隔壁34aの断面が露出したサンプルが切り出される。
【0046】
(2)縦隔壁34aの厚みのうち背面基板31から80%までの領域が二次電子走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像される。空隙38が存在している部分は、二次電子の放出量が少ないので、その他の領域と比較して暗く表示される。
【0047】
(3)撮像された縦隔壁34a断面の画像が二値化処理され、空隙38が存在している面積が算出される。また、縦隔壁34a断面全体の面積が算出される。空隙38が存在している面積と、縦隔壁34a全体の面積の比によって、空隙率が算出される。
【0048】
また、SEM撮像時のコントラストを上げ、かつ割断時の割れ具合による測定ばらつきを防止する必要がある。そのための一つの方法として、割段後の背面基板31は、樹脂でコートされ、さらに縦隔壁34aの断面が出るように研磨される。このようにして、SEM撮像に適したサンプルが準備される。本測定は、日立製作所製走査型電子顕微鏡S−3000を用いて行われた。空隙38の算出に用いられたSEM画像は、反射電子計測モードにおいて、加速電圧15keV、ワークディスタンス15mmの条件下で撮像されたものである。
【0049】
なお、横隔壁34bにも空隙38は発生し、空隙率の測定方法も上記同様である。
【0050】
ところで空隙率は、隔壁34の出来栄えを把握する上で重要な物性値である。すなわち空隙率が大きいと、隔壁34の硬度が低下する。この場合は、前面板20との接触により隔壁34が破壊されやすくなる。すなわち、隣接セル間のクロストークが発生しやすくなる。また、飛散した隔壁材料が蛍光体に付着するなどして、セルの不灯が発生しやすくなる。一方、空隙率が小さいと、隔壁34の硬度は増大するが、かえって脆くなり、破壊されやすくなる。このように、PDP10にとって、好適な範囲の空隙率が存在する。したがって、新規な隔壁材料を評価する場合や、焼成条件を設定する場合に、隔壁34の断面SEM像から、空隙率が算出されてきた。ここで、焼成温度が高い方が、空隙率は小さくなる。一方、焼成温度が低い方が、空隙率は大きくなる。このように、量産工場においても、焼成工程のモニタリングや、製品の品質を定点観測する目的で、上述のように空隙率が算出されてきた。
【0051】
ここで、発明者等は、鋭意検討の上、隔壁34の頂部39の表面状態と空隙率に相関があることを見出した。例えば、空隙率が小さいときは、頂部39の表面は平滑になり、空隙率が大きいときは、頂部39の表面は粗面化する。したがって、頂部39に光束を照射した場合、空隙率が小さいときの方が、空隙率が大きいときよりも、頂部39からの反射光の強度が上がる。この関係を利用することによって、非破壊でも隔壁34の出来栄えの把握が可能になる。
【0052】
以下に、実施の形態1におけるPDP用背面基板の検査方法が説明される。
【0053】
図4に示すように、実施の形態1で用いる検査装置100において、背面基板31は、縦隔壁34aの延伸方向とステージ56の長手方向が一致するようにステージ56上に載置される。また、背面基板31は、真空吸着機構(図示せず)などによって固定される。また、隔壁34の頂部39は、照明手段52により光を照射される。撮像手段50は、頂部39の表面を撮像可能なように配置されている。ここでは、撮像手段50として、5150画素のラインセンサーカメラが用いられている。さらに、隔壁34の鉛直上方から頂部39を撮像できるように配置されている。また、拡大レンズ(図示せず)によって、背面板30における撮像分解能が5um/画素に設定されている。また、照明手段52としては、ライン型白色LED照明が用いられている。さらに、背面基板31に対して、約30°の角度で頂部39に光を照射できるように配置されている。さらに、照明手段52は、撮像手段50と平行になるように配置されている。そして、撮像手段50の撮像領域内がほぼ均一の明るさになるように、照明手段52が光束を照射する。また、撮像手段50と照明手段52とは、背面板30上を2軸(矢印方向)に駆動走査自在なリニアモータなどを備えた駆動手段54に設置されている。
【0054】
図5に示すように、実施の形態1で用いる検査装置100の駆動手段54は、照明手段52と撮像手段50とを、背面基板31の所定の範囲が撮像できるように駆動走査する。照明手段52は、背面基板31に光を照射する。撮像手段50は、頂部39からの反射光を撮像する。撮像手段50は、撮像した画像をビットデータとして、所定の画像処理プログラムが組み込まれた計算機からなる画像処理手段70に送る。画像処理手段70は、ビットデータから撮像した画像を再合成する。さらに、画像処理手段70は、頂部39の平均階調値を算出し、判定手段90に平均階調値のデータを送付する。判定手段90は、頂部39の平均階調値に基づき、隔壁34の良否判定を行う。
【0055】
図6に示すように、実施の形態1における検査方法のフローは、隔壁焼成後の背面基板31に対して、撮像ステップ(S11)、画像処理ステップ(S12)、判定ステップ(S13)の3つのステップから構成される。
【0056】
撮像ステップ(S11)では、頂部39の撮像画像データが取得される。まず、照明手段52により光束が照射された頂部39が撮像手段50によって撮像される。ここで、撮像手段50のフォーカスは、頂部39に合わせておくことが好ましい。また、照明手段52が照射する光と、撮像手段50に係るラインセンサーカメラのゲイン、駆動手段54の走査速度などによって画像全体の明るさが決定される。したがって、これらの条件を適宜調整することで、画像処理に適した撮像画像を得ることができる。画像全体を8ビット(0階調〜255階調)表示する場合には、頂部39の平均階調値が50階調〜200階調になるような条件が好ましい。
【0057】
実施の形態1においては、画像全体が8ビットで表示され、好適な空隙率範囲の中央値における頂部39の平均階調値が100階調になるような条件が設定された。このとき、隔壁34が形成されていない下地誘電体層33が露出している領域の平均階調値は約30階調であった。
【0058】
次に、駆動手段54によって、撮像手段50と照明手段52とが駆動走査される。これにより、背面基板31における所定の領域の撮像画像データが取得される。
【0059】
画像処理ステップ(S12)では、撮像画像データが8ビットに量子化処理されることによって、画像全体が8ビットの階調表示に変換される。次に、頂部39の平均階調値が算出される。まず、頂部39が占める領域が抽出される。撮像画像データにはノイズが入っている場合があるので、一般的に用いられている平滑化などのノイズ除去処理が施される。次に、画像全体が微分処理されることによって、頂部39のエッヂが検出される。次に、エッヂが含まれている画素の内部の画素の平均階調値が算出される。実施の形態1においては、縦隔壁34aの延伸方向に200画素分(約1000μm)、幅方向に6画素分(約30μm)の合計1200画素の平均階調値が算出された。
【0060】
判定ステップ(S13)では、背面基板31の良否判定が行われる。まず、図7に示す予め関連付けされた頂部39の平均階調値と空隙率との関係に、画像処理ステップ(S12)で算出した頂部39の平均階調値が当てはめられる。頂部39の平均階調値が上限値より大きく、または下限値未満ならば、NG(不適合)の判定が出される。一方、頂部39の平均階調値が下限値以上、上限値以下ならばOK(適合)の判定が出される。NGの判定が出された場合、当該背面基板31は、廃棄またはリペアされる。OKの判定が出された場合、当該背面基板31は、蛍光体形成ステップで、蛍光体層36が形成される。
【0061】
ここで、頂部39の平均階調値と空隙率との関係を求める方法が説明される。
【0062】
まず、頂部39の平均階調値が算出される。隔壁焼成温度などを変更することによって、意図的に空隙率が変更された複数の背面基板31が準備される。これらの背面基板31は、実施の形態1の検査装置100に載置され、図6に示す撮像ステップ(S11)と画像処理ステップ(S12)の処理が行われる。このようにして、それぞれの背面基板31に形成された頂部39の平均階調値が算出される。
【0063】
次に、前述の方法によって頂部39の平均階調値が算出された隔壁34の空隙率がSEM像から算出される。
【0064】
このようにして、頂部39の平均階調値と空隙率との関係が求められる。なお、図7に示した具体的な数値は、SEMおよび検査装置100の設定条件および隔壁材料によって変化する。したがって、一旦求められた頂部39の平均階調値と空隙率との関係は、検査装置100などの条件が変更された場合、例えば照明手段52の照射角度が変わった場合には再度求められる必要がある。また、隔壁材料が変更された場合も同様である。
【0065】
実施の形態1は、背面基板31上にフィラーとガラスフリットと樹脂成分と溶剤成分とからなる隔壁形成用ペーストにより隔壁パターンが形成された後、背面基板31が焼成されることによって隔壁34が形成されたPDP用背面基板の検査方法である。さらに、実施の形態1は、隔壁34の頂部39にライン型白色LED照明によって撮像用の光束を照射し、頂部39をラインセンサーカメラで撮像する撮像ステップ(S11)と、頂部39の撮像画像を量子化処理することにより頂部39の平均階調値を算出する画像処理ステップ(S12)と、予め関連付けられた隔壁34の空隙率と頂部39の平均階調値との関係に基づいて良否判定をする判定ステップ(S13)とを有している。
【0066】
このような方法によれば、頂部39の平均階調値と空隙率とが予め関連付けられているので、頂部39の平均階調値の値により、非破壊で隔壁34の物性を直接測定し、精度よい背面基板31の良否判定が可能になる。
【0067】
なお、実施の形態1において、撮像手段50としてラインセンサーカメラが用いられた。しかし、背面基板31の一定範囲を検査する場合には、撮像手段50として、走査の必要が無いエリアカメラが用いられてもよい。また、照明手段52として、ライン型白色LED照明が用いられたが、より大きな光量を必要とする場合には、ハロゲンランプやメタルハライドランプなどが用いられてもよい。また、光の照射角度は、背面基板31に対して、約30°に設定されたが、頂部39からの反射光が撮像手段50に入射する範囲において変更可能である。
【0068】
なお、画像処理ステップ(S12)において検出した頂部39のエッヂの位置情報から頂部39の幅が算出される。頂部39の幅は、乾燥、リソグラフィー、現像、焼成などの各プロセス条件によって変動する。頂部39の幅が増大すると、隔壁34の強度は増大するが、発光セルとしては開口面積が減少するので、PDP10の輝度は減少する。一方、頂部39の幅が減少すると、隔壁34の強度は減少するが、発光セルとしては開口面積が増大するので、PDP10の輝度は増大する。このように、頂部39の幅は、PDP10の特性に大きく影響する。したがって、頂部39の幅に規格を設定し、判定ステップ(S13)における判定基準に付加することで、背面基板31の良否判定精度が向上する。
【0069】
また、隔壁34の空隙率の変動は、蛍光体塗布形状の変動やパネル点灯時の放電特性の変動につながる。つまり、空隙率の変動は、パネル点灯時の色むら、輝度むらへとつながることになる。したがって、空隙率が背面基板31の複数の領域で測定され、空隙率の面内ばらつき分布が把握されると、色むら、輝度むら発生原因の特定、および原因対策へとつなげることも可能となる。
【0070】
(実施の形態2)
図8に示す実施の形態2に用いる検査装置200において、実施の形態1の検査装置100と同じ構成については同一符号が付され、その説明は適宜省略される。検査装置200が検査装置100と異なる点は、基準試料45を加えた構成となっていることである。また、検査装置200の機能ブロックは、実施の形態1と同様のため、その説明が省略される。
【0071】
図9に示すように、実施の形態2における検査方法のフローは、撮像ステップ(S21)、画像処理ステップ(S22)、校正処理ステップ(S23)、判定ステップ(S24)の4つのステップから構成される。ここで、画像処理ステップ(S22)および判定ステップ(S24)は、実施の形態1における画像処理ステップ(S12)および判定ステップ(S13)と同内容のため、その説明が省略される。
【0072】
撮像ステップ(S21)では、基準試料45の撮像画像データおよび頂部39の撮像画像データが取得される。基準試料45は、経時変化が小さく、また照明手段52から照射される紫外線などによる劣化が小さい材料が好ましい。実施の形態2において、基準試料45は、背面基板31と同素材の3cm角の板ガラスである。また、基準試料45は、ステージ56上に載置される。さらに、基準試料45の表面の高さは、頂部39と同程度になるように調整されている。このようにして、撮像手段50のフォーカスが頂部39と基準試料45の表面に合わせされる。
【0073】
まず、照明手段52により所定の光が照射された基準試料45が撮像手段50によって撮像される。また、照明手段52が照射する光束と、撮像手段50に係るラインセンサーカメラのゲイン、駆動手段54の走査速度などによって画像全体の明るさが決定される。したがって、これらの条件を適宜調整することで、画像処理に適した撮像画像を得ることができる。画像全体を8ビット(0階調から255階調)表示する場合には、基準試料45の平均階調値が100階調から140階調になるような条件が好ましい。実施の形態2においては、基準試料45の平均階調値が120階調になるように条件が設定された。
【0074】
次に、実施の形態1における撮像ステップ(S11)と同様に、背面基板31における所定の領域の撮像画像データが取得される。
【0075】
画像処理ステップ(S22)では、実施の形態1における画像処理ステップ(S12)と同様に撮像画像データから、頂部39の平均階調値が算出される。
【0076】
校正処理ステップ(S23)では、基準試料45の平均階調値に基づいて、頂部39の平均階調値を校正する校正処理が行われる。
【0077】
一般的に、照明手段52が照射する光の光量は、累積使用時間とともに低下する。これは、LED(Light Emmision Diode)、ハロゲンランプ、メタルハライドランプなどのいずれの光源でも発生する現象である。通常、製品仕様書などで累積使用時間に対する光量減少量の概算値が判明している。したがって、概算値から換算して、電圧ボリュームの調整などによって光量が調整されている。しかし、この場合は、光量調整が煩雑になるなどの問題があった。そこで、基準試料45の平均階調値に基づいて、撮像画像データの校正が行われる。具体的には、空隙率と頂部39の平均階調値との関係を求めたときの基準試料45の平均階調値から、実測定時の基準試料45の平均階調値の減少割合の逆数を、実測定時の頂部39の平均階調値に乗ずることによって行われる。
【0078】
判定ステップ(S24)では、校正された頂部39の平均階調値に基づいて、実施の形態1と同様に、背面基板31の良否判定が行われる。
【0079】
このような方法によれば、撮像ステップ(S21)において、基準試料45を撮像し、画像処理ステップ(22)において、基準試料45の平均階調値を算出することによって、頂部39の平均階調値を校正し、判定ステップ(S24)において、校正後の頂部39の平均階調値に基づいて良否判定をすることができる。
【0080】
したがって、照明手段52が照射する光の光量が変動しても、基準試料45の平均階調値から頂部39の平均階調値を校正できるので、精度よい背面基板31の良否判定ができる。
【0081】
(実施の形態3)
図10に示す実施の形態3におけるPDP用背面基板の製造方法のフローは、隔壁パターン形成後の背面基板31に対して、隔壁焼成ステップ(S31)、撮像ステップ(S32)、画像処理ステップ(S33)、焼成条件算出ステップ(S34)、焼成条件調整ステップ(S35)の5ステップから構成される。ここで、撮像ステップ(S32)および画像処理ステップ(S33)は、実施の形態1における撮像ステップ(S11)および画像処理ステップ(S12)と同内容のため、詳しい説明が省略される。
【0082】
隔壁焼成ステップ(S31)では、例えばタクトコンベア式焼成炉によって、500℃〜600℃のトップキープ温度条件で、隔壁パターン形成後の背面基板31が10分間〜60分間保持され、焼成される。
【0083】
撮像ステップ(S32)と画像処理ステップ(S33)を経た背面基板31は、焼成条件算出ステップ(S34)で、予め関連付けられた空隙率と頂部39の平均階調値との関係に基づいて、焼成条件が算出される。これは、実施の形態1で述べたように、隔壁34の焼成温度が高い方が、空隙率が小さくなり、隔壁34の焼成温度が低い方が、空隙率が大きくなる傾向に基づいている。算出された焼成条件が現条件と異なっていた場合、あるいは所定の範囲を超えていた場合には、焼成条件の変更が必要と判断される。
【0084】
焼成条件の変更が必要と判断された場合には、焼成条件調整ステップ(S35)で、新たな焼成条件が焼成炉に送られ、焼成条件が調整される。焼成条件の変更が不要と判断された場合には、現焼成条件のまま、背面基板31の処理が継続され、蛍光体形成ステップへ進む。
【0085】
このような方法によれば、隔壁34焼成後の背面基板31の連続的な測定ができる。したがって、焼成後、比較的短時間で隔壁34の出来栄えの把握が可能となるとともに、好適な焼成条件が算出される。よって、焼成条件が適時に調整され、焼成炉における隔壁34の焼成条件を好適な状態に保つことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、非破壊で隔壁の物性を直接測定し、精度よく良否判定ができる。また、焼成炉における隔壁の焼成条件を好適な状態に保つことができるので、PDP用背面基板の検査および製造などに広く有用である。
【符号の説明】
【0087】
10 PDP
20 前面板
21 前面ガラス基板
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極
25 ブラックストライプ
26 誘電体層
27 保護層
30 背面板
31 背面基板
32 アドレス電極
33 下地誘電体層
34 隔壁
34a 縦隔壁
34b 横隔壁
36 蛍光体層
36R 赤色蛍光体層
36G 緑色蛍光体層
36B 青色蛍光体層
38 空隙
39 頂部
40 放電セル
45 基準試料
50 撮像手段
52 照明手段
54 駆動手段
56 ステージ
70 画像処理手段
90 判定手段
100,200 検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に無機成分とガラス成分と樹脂成分と溶剤成分とからなるペーストを塗布することにより隔壁パターンを形成した後、前記基板を焼成することによって隔壁を形成したプラズマディスプレイパネル用背面基板の検査方法であって、
前記隔壁の頂部に光を照射し、前記頂部からの反射光を撮像する撮像ステップと、
前記頂部の撮像画像を量子化処理することにより前記頂部の平均階調値を算出する画像処理ステップと、
予め関連付けられた前記隔壁の空隙率と前記頂部の平均階調値との関係に基づいて良否判定をする判定ステップと、
を有するプラズマディスプレイパネル用背面基板の検査方法。
【請求項2】
前記撮像ステップにおいて、さらに基準試料を撮像し、
前記画像処理ステップにおいて、さらに基準試料の平均階調値を算出することによって、前記頂部の平均階調値を校正し、
前記判定ステップにおいて、校正後の前記頂部の平均階調値に基づいて良否判定をする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用背面基板の検査方法。
【請求項3】
前記画像処理ステップにおいて、さらに前記頂部の幅を算出し、
前記判定ステップにおいて、前記頂部の幅および予め関連付けられた前記隔壁の空隙率と前記頂部の平均階調値との関係に基づいて良否判定をする
請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル用背面基板の検査方法。
【請求項4】
基板上に無機成分とガラス成分と樹脂成分と溶剤成分とからなるペーストを塗布することにより隔壁パターンを形成した後、前記基板を焼成炉で焼成することによって隔壁を形成するプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法であって、
前記隔壁の頂部に光を照射し、前記頂部からの反射光を撮像する撮像ステップと、
前記頂部の撮像画像を量子化処理することにより前記頂部の平均階調値を算出する画像処理ステップと、
予め関連付けられた前記隔壁の空隙率と前記頂部の平均階調値との関係に基づいて、前記焼成炉の焼成条件を算出するステップと、
前記焼成炉の焼成条件を調整するステップと、
を有するプラズマディスプレイパネル用背面基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−124114(P2011−124114A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281258(P2009−281258)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】