説明

プラズマディスプレイパネル

【課題】低電圧駆動が可能であり、輝度及び発光効率が向上できるプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】上側基板110と下側基板120との間に配置された複数のブロックを有し、各ブロックは、放電セルを区画する誘電体で形成された隔壁132と、隔壁132内に配置された上側放電部とこの上側放電部に連結されて隔壁から引き出された上側接続部134bとが備わった上側放電電極と、隔壁内に配置されて上側放電部と離隔された下側放電部とこの下側放電部と連結されて隔壁から引き出された下側接続部135bとが備わった下側放電電極とを備え、各ブロックは上側接続部134b同士及び下側接続部135b同士で互いに接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス放電を利用して画像を具現するプラズマディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネルを採用した装置は、大型画面を持ちつつも、高画質、超薄型、軽量化及び広視野角の優秀な特性を持っており、他の平板ディスプレイに比べて製造方法が簡単であり、かつ大型化が容易で次世代平板ディスプレイとして脚光を浴びている。
【0003】
このようなプラズマディスプレイパネルは、印加される放電電圧によって、直流(DC)型、交流(AC)型及び混合型に分類され、放電構造によって対向放電型及び面放電型に分類されるが、最近には、3電極面放電構造を持つ交流型プラズマディスプレイパネルが一般的に採用されている。
【0004】
図1には、通常的な3電極面放電構造を持つ交流型プラズマディスプレイパネルが図示されている。
【0005】
図示したプラズマディスプレイパネル10には、上側基板11と、それと対向する下側基板21とが備わっている。
【0006】
前記上側基板11の下面には、共通電極12と、前記共通電極12と放電ギャップをなすスキャン電極13が形成されており、前記共通電極12及びスキャン電極13は、上側誘電体層14により埋め込まれている。前記上側誘電体層14の下面には、保護層15が形成されている。
【0007】
そして、前記下側基板21の上面には、アドレス電極22が前記共通電極12及びスキャン電極13と交差するように形成されており、前記アドレス電極22は下側誘電体層23により埋め込まれている。前記下側誘電体層23の上面には、隔壁24が所定間隔で離隔されて形成されることによって放電空間25が区画されている。前記放電空間25には蛍光体層26がそれぞれ形成されており、前記放電空間25には放電ガスが満たされている。
【0008】
前記のように構成されたプラズマディスプレイパネル10において、放電空間25では、放電により発生したプラズマから紫外線が出る。このような紫外線は蛍光体層26を励起させ、このように励起された蛍光体層26からは可視光線が発散されることによって、画像が表示される。
【0009】
ところが、前記上側基板11の下側から電極12、13と、上側誘電体層14及び保護層15とが順次に形成された構造によって、蛍光体層26から発散された可視光線が約40%程度吸収されることによって、発光効率を高めるのに限界があった。さらに、長時間同じ画像を表示している場合には、放電ガスの荷電粒子が電界によって蛍光体層26にイオンスパッタリングされることで、永久残像を引き起こして寿命が短縮されるという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一目的は、低電圧駆動が可能であり、輝度及び発光効率が向上できるプラズマディスプレイパネルを提供するところにある。
【0011】
本発明の他の目的は、大型面積で製造するのに有利であり、十分な工程マージン及び安定性を確保できるプラズマディスプレイパネルを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の目的を達成するための本発明によるプラズマディスプレイパネルは、上側基板と、前記上側基板と対向して配置された下側基板と、前記上側基板と下側基板との間に配置されて互いに接続されている複数のブロックを有し、前記ブロックは、前記上側基板と下側基板との間に配置されて放電セルを区画するものであって誘電体で形成された隔壁と、前記隔壁内に配置された上側放電部、及び前記上側放電部と連結されて前記隔壁から引き出された上側接続部が備わった上側放電電極と、前記隔壁内に配置されて前記上側放電部と離隔された下側放電部、及び前記下側放電部と連結されて前記隔壁から引き出された下側接続部が備わった下側放電電極と、を備え、前記ブロックは前記上側接続部同士で接続され、かつ下側接続部同士で接続されることで互いに接続されており、前記放電セルにそれぞれ対応して配置された蛍光体層を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、放電セルを区画する隔壁と、前記隔壁内で放電セルをそれぞれ取り囲むように配置された放電電極とが備わった複数のブロックを形成し、前記ブロックが互いに接続された状態で基板間に配置されることによって、大型面積の製造に有利であり、十分な工程マージン及び安定性を確保できる。そして、前記放電セルのあらゆる側面にかけて放電が起きるので、放電面積が大きく拡大できて低電圧駆動が可能になり、輝度及び発光効率が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態によるプラズマディスプレイパネルを示す分離斜視図である。
【0016】
図面を参照すれば、本発明の一実施形態によるプラズマディスプレイパネル100には、上側基板110と、前記上側基板110と対向して配置された下側基板120とが備わっている。前記上側基板110と下側基板120のうち少なくとも一つの基板を通じては画像が表示されるが、画像が表示される基板は、光が透過できる素材で形成される。
【0017】
前記上側基板110と下側基板120との間には、本発明の一特徴によるブロック130が複数備わっている。
【0018】
前記ブロック130は、上側基板110及び下側基板120と平行に配列されて互いに接続されている。すなわち、前記ブロック130ごとに上側接続部134b及び下側接続部135bが備わっていて外部にそれぞれ引き出されている。前記上側接続部134bは、隣接したブロック130に備わった上側接続部134bとそれぞれ電気的に連結され、前記下側接続部135bは、隣接したブロック130に備わった下側接続部135bとそれぞれ電気的に連結されることによって、ブロック130同士で互いに接続されている。前記ブロック130は、上側基板110と下側基板120との両側に接着されて固定されうる。
【0019】
前記のように互いに接続されたブロック130には放電セル131がそれぞれ形成されているが、前記放電セル131に一対一対応するように蛍光体層112が配置されている。
【0020】
前記蛍光体層112は、放電時に発生した紫外線により励起されて可視光線が発散するものであり、図示したように、上側基板110のブロック130に向かう下面に所定パターンで溝111が形成されており、前記溝111の内部面にそれぞれ蛍光体層112が所定厚さに形成されている。
【0021】
前記のように、蛍光体層112が配置された上側基板110を通じて可視光が透過されて画像が表示される場合には、前記蛍光体層112は、透過型蛍光体にそれぞれ形成されることが望ましい。しかし、これに限定されず、下側基板のブロックに向かう面に所定パターンで溝が形成され、前記溝の内部面に蛍光体層がそれぞれ所定厚さに形成されることもあるが、このような構造では、上側基板を通じて可視光が透過されて画像が表示される場合には、下側基板に配置された蛍光体層は反射型蛍光体でそれぞれ形成されることが望ましい。
【0022】
前記蛍光体層112は、上側基板110の下面に形成された溝111にそれぞれ配置されることによって、放電が起きるブロック130と確実に離隔されうる。
【0023】
これにより、荷電粒子によって蛍光体層112がイオンスパッタリングされることが防止できて、寿命特性が向上し、同じ画像を長時間具現しても永久残像が発生する現象が画期的に減少する。前記蛍光体層112は、カラー具現のために赤、緑、青色の可視光をそれぞれ発散する赤、緑、青色蛍光体のうち選択されたいずれか一つの蛍光体で形成されるが、これにより、赤、緑、青色蛍光体層からなる。そして、前記のような赤、緑、青色蛍光体層のうちいかなる蛍光体層が放電セルに配置されるかによって、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル及び、青色サブピクセルにそれぞれ分類される。前記赤、緑、青色サブピクセルは単位ピクセルに含まれることによって、三原色の組み合わせによる多様な色相を表現する。
【0024】
前記ブロック130の一つについて、図3及び図4を参照して詳述すれば、次の通りである。
【0025】
図3は、図2において、ブロックの一例を抜粋した分離斜視図であり、図4は、図3のIV−IV線の断面図である。
【0026】
図示されたブロック130には隔壁132が備わっている。前記隔壁132はサブピクセルに該当する放電セル131を区画し、区画された放電セル131の間にクロストークによる誤放電が起きることを防止する。
【0027】
そのために、前記隔壁132は所定パターンで、すなわち、マトリックス状の閉鎖型隔壁で形成されている。しかし、前記隔壁はそれに限定されず、ワッフルまたはデルタ状の閉鎖型隔壁などさまざまな形態に形成されていてもよい。
【0028】
そして、前記隔壁132により区画された放電セル131は、単位ピクセルを構成できる程度の数を有することが望ましい。例えば、3個の放電セル131で単位ピクセルが構成される場合には、ブロック130ごとに3倍数の放電セル131を備え、4個の放電セル131で単位ピクセルが構成される場合には、ブロック130ごとに4倍数の放電セル131を備えることが望ましい。このようにブロック130ごとに放電セル131が単位ピクセルを構成できる程度の数が備えられていれば、製造工程上有利になりうる。
【0029】
しかし、ブロックごとに備えられる放電セルの数は、前述したものに必ずしも限定されず、多様であってよい。
【0030】
前記のような隔壁132内には、放電セル131を共に取り囲むように、上側放電電極134と下側放電電極135とが上下にそれぞれ配置されている。ここで、前記上側放電電極134は、上側基板110側に近い上側に配置されており、下側放電電極135は、前記上側放電電極134より下側に配置されている。
【0031】
前記上側放電電極134と下側放電電極135とは、放電セル131が選択されるように相互交差して延びている。前記上側放電電極134と下側放電電極135とのうち、いずれか一つはアドレス電極及び維持電極として機能し、他の一つはスキャン電極及び維持電極として機能する。
【0032】
前記上側放電電極134及び下側放電電極135は、アルミニウム、銅、銀のような導電性金属でそれぞれ形成できる。前記のように金属で形成された電極は、ITOで形成された電極より相対的に抵抗が低いので、ITOで形成された電極を利用する従来のパネルに比べて放電応答速度が速くなりうる。前記上側放電電極134及び下側放電電極135の構造についての具体的な内容は、後述する。
【0033】
前記上側放電電極134及び下側放電電極135が配置された隔壁132は誘電体で形成されているが、このように隔壁132が誘電体で形成されることによって、上側放電電極134と下側放電電極135との間の直接通電が防止され、放電時荷電粒子が上側放電電極134及び下側放電電極135に直接衝突してそれらが損傷されることが防止され、荷電粒子を誘導して壁電荷を蓄積し容易になる。前記隔壁132を形成する誘電体としては、PbO、B、SiOなどを利用できる。
【0034】
前記隔壁132の側面には所定厚さのMgO膜133がさらに形成されうる。このようにMgO膜133が形成されることによって、放電時に発生した荷電粒子が隔壁132に直接的に衝突することがMgO膜133により遮断されて、荷電粒子のイオンスパッタリングによる隔壁132の損傷が防止できる。それと合わせて、前記のようにMgO膜133に荷電粒子が直接的に衝突することによって、前記MgO膜133から放電に寄与する2次電子が放出されて、低電圧駆動が可能になり、かつ発光効率が高くなる。
【0035】
そして、前記隔壁132により限定された放電セル131には、放電ガスが満たされるが、前記放電ガスとしては、紫外線を発生させるXeと、バッファの機能を行うNeなどとが混合されたガスが採用できる。
【0036】
前記隔壁132内に配置された上側放電電極134及び下側放電電極135の構造について詳細に説明すれば、次の通りである。
【0037】
前記上側放電電極134は所定間隔で離隔されており、一方向に沿ってそれぞれ延びて形成されている。図示したように、一つの上側放電電極134は、その延びた方向に沿って配列された放電セル131において、放電セル131ごとに4側面を取り囲む構造になっている。
【0038】
すなわち、前記上側放電電極134のそれぞれは互いに連結されて一列に配列され、放電セル131ごとに取り囲む環からなって放電に寄与する上側放電部134aと、前記上側放電部134aの一側に連結された上側接続部134bとを備える。ここで、前記上側放電部134aの環は所定の幅で四角帯状にそれぞれ形成されて、隔壁132内にそれぞれ配置され、これにより放電セル131の4側面を取り囲むようになる。そして、前記上側接続部134bは、隔壁132から所定長さに引き出される。
【0039】
前記のような上側放電電極134は、それらの延びた方向と直交する方向に沿って所定間隔で離隔されて配置される。前記上側放電電極134間の離隔された部位、すなわち、上側放電部134aの環間の離隔された部位は一組をなして、上側放電電極134が延びた方向に沿って形成された隔壁132内に共に配置されている。
【0040】
前記上側放電電極134の下側に配置された下側放電電極135は、所定間隔で離隔されており、前記上側放電電極134がそれぞれ延びた方向と直交する方向に沿ってそれぞれ延びて形成されている。図示したように、前記上側放電電極134のように、一つの下側放電電極135は、その延びた方向に沿って配列された放電セル131において、放電セル131ごとに4側面を取り囲む構造になっている。
【0041】
前記下側放電電極135のそれぞれは、互いに連結されて一列に配列され、放電セル131ごとに取り囲む環からなって放電に寄与する下側放電部135aと、前記下側放電部135aの一側に連結された下側接続部135bとを備える。ここで、前記上側放電部134aの環は所定の幅で四角帯状にそれぞれ形成されて、隔壁132内にそれぞれ配置されることにより、放電セル131の4側面を取り囲むようになり、前記下側接続部135bは、隔壁132から所定長さに引き出される。前記のような下側放電電極135は、それらの延びた方向と直交する方向に沿って所定間隔で離隔されて配置されており、下側放電部135aの環間の離隔された部位は一組をなして、下側放電電極135が延びた方向に沿って形成された隔壁132内に共に配置されている。
【0042】
なお、前記上側放電部及び下側放電部の構造は梯形などの多様な形態になりうるので、前述したものに限定されるものではない。
【0043】
前記のような構造よりなる各ブロック130は、下側基板120上に配列されて互いに接続された状態が、図5に図示されている。
【0044】
図示したように、ブロック130ごとに隔壁132から引き出された上側接続部134bは、隣接したブロック130において、隔壁132から引き出された上側接続部134bと一対一対応して接続されている。
【0045】
このような上側接続部134bは、前述したように隔壁132内に配置された上側放電部134aから延びたものである。
【0046】
前記上側接続部134b同士はいろいろな形態で接続できるが、一例として、図6に示すように、上側接続部134b同士で重畳された状態で、加熱圧着器具のような手段により下側基板120の上部から加圧されることによって、下側基板120上で互いに接続できる。前記上側接続部134b同士の接続された部位は導電膜140によりそれぞれ覆われうるが、それにより、上側接続部134b同士の接続が安定的かつ堅くなりうる。
【0047】
そして、前記上側接続部134bと同じく、ブロック130ごとに隔壁132から引き出された下側接続部135bは、隣接したブロック130において、隔壁132から引き出された下側接続部135bと一対一対応して接続されている。ここで、前記下側接続部135b同士の接続構造は、上側接続部134b同士の接続構造と同一になりうる。
【0048】
前記のように上側接続部134a同士と、下側接続部135b同士でそれぞれ接続されることによって互いに電気的に連結されたブロック130は、図示したように、下側基板120上に全体的に配列された放電セル131において、横方向に沿って配列された放電セル131同士の間隔と、縦方向に沿って配列された放電セル131同士の間隔とは、それぞれ一定になるように配置されることが望ましい。
【0049】
そして、前記下側基板120の端部に沿って配置された一部ブロック130において、下側基板120の外側に引き出された上側接続部134bは、上側放電電極用の駆動部と電気的に連結されることによって、ブロック130にそれぞれ備わった上側放電電極134に電圧がそれぞれ印加され、下側接続部135bは、下側放電電極用の駆動部と電気的に連結されることによって、ブロック130にそれぞれ備わった下側放電電極135に電圧がそれぞれ印加されうる。
【0050】
前述したように、プラズマディスプレイパネル100は、ブロック130をそれぞれ別個に製造しておいて、あとからこのブロック130を複数個接続して、上側基板と下側基板との間に配置すればよいので、上側基板と下側基板の大きさに応じて、配置するブロックの数を増減させるだけでいかような大きさのプラズマディスプレイパネルでも製造することが可能となる。
【0051】
したがって、小面積から大面積までさまざまな大きさのプラズマディスプレイパネルを製造するのに無駄が無く有利になり、また十分な工程マージン及び安定性が確保できる。
【0052】
前記のように構成された本発明の一実施形態によるプラズマディスプレイパネル100の作動を一例として概略的に説明すれば、次の通りである。
【0053】
まず、上側放電電極134がアドレス及び維持電極として作用し、下側放電電極135がスキャン及び維持電極として作用するとする時、前記上側放電電極134にアドレス電圧が印加され、下側放電電極135にスキャン電圧が印加されれば、電圧がそれぞれ印加された上側放電電極134と下側放電電極135とが共に配置された放電セル131でアドレス放電が起き、前記アドレス放電以後に、上側放電電極133と下側放電電極134との間に維持電圧が交互に印加されれば、荷電粒子が上下方向に移動して維持放電が起きる。
【0054】
このような維持放電は、放電セル131の上側に集中して起き、前記放電セル131を限定するあらゆる側面で垂直方向に起きる。そして、前記のように放電セル131のあらゆる側面で起きる維持放電は、順次に放電セル131の中央側に広がる。したがって、放電面積が従来のパネルに比べて相対的に広くなり、維持放電が起きる領域の体積が大きくなって、従来にあまり使われなかった放電セル内の空間電荷も発光に寄与する。それにより、放電時プラズマが形成される量が増加できて低電圧駆動が可能になる。前記のようなメカニズムで発生した維持放電によって放電ガスから紫外線が放出され、前記紫外線により放電セル131内に配置された蛍光体層112が励起されることにより、励起された蛍光体層112から可視光が発散できる。
【0055】
一方、図7及び図8には、他の例によるブロックが図示されている。ここで、前記の図面と同じ参照番号は同じ機能を行う同じ部材を表すので、詳細な説明は省略する。
【0056】
図示したように、ブロック230には、前述した実施形態のように、マトリックス状の閉鎖型構造を持つ隔壁232によって放電セル231がそれぞれ区画されている。前記隔壁232は誘電体で形成されており、前記隔壁232の側面にはMgO膜233が所定厚さに形成されている。前記隔壁232内には、放電セル231を共に取り囲むように上側放電電極234と下側放電電極235とが上下にそれぞれ配置されており、前記下側放電電極235の下側には、アドレス電極236がそれぞれ配置されている。
【0057】
前記隔壁232により区画された放電セル231には放電ガスが満たされ、前記放電セル231に一対一対応するように蛍光体層112が配置される。前記蛍光体層112は、図示したように、上側基板110のブロック230に向かう下面に所定パターンで形成された溝111にそれぞれ配置されうる。
【0058】
前記隔壁232内に配置された上側放電電極234と下側放電電極235とは、互いに平行に延びており、前記アドレス電極236は、上側放電電極234及び下側放電電極235とそれぞれ交差するように延びている。
【0059】
前記上側放電電極234と下側放電電極235のうち、いずれか一つは共通電極として機能し、他の一つはスキャン電極として機能する。
【0060】
アドレス電極236とさらに近く配置された下側放電電極235がスキャン電極として機能する場合が、下側放電電極235とアドレス電極236との間に印加されるアドレス電圧を低くして、それら間のアドレス放電を円滑に行わせるために、さらに望ましいといえる。
【0061】
一方、前記アドレス電極は、下側放電電極より下側に配置されたと図示されているが、これに限らず、上側放電電極の上側にアドレス電極が配置されるか、また上側放電電極と下側放電電極との間にアドレス電極が配置されるようにしてもよい。
【0062】
前記アドレス電極が上側放電電極より上側に配置された場合には、上側放電電極がスキャン電極として機能することが望ましい。前記のような上側放電電極234、下側放電電極235及びアドレス電極236は、アルミニウム、銅、銀のような導電性金属でそれぞれ形成できる。
【0063】
前記上側放電電極234は所定間隔で離隔されており、一方向に沿ってそれぞれ延びて形成されている。図示したように、一つの上側放電電極234は互いに連結されて一列に配列され、放電セル231ごとに取り囲む環からなって放電に寄与する上側放電部234aと、前記上側放電部234aの一側に連結された上側接続部234bとを備える。ここで、前記上側放電部234aの環は所定の幅で四角帯状にそれぞれ形成されて、隔壁232内にそれぞれ配置され、これにより放電セル231の4側面を取り囲むようになる。そして、前記上側接続部234bは、隔壁232から所定長さに引き出される。
【0064】
前記のような構造を持つ上側放電電極234と平行に配置された下側放電電極235は、上側放電電極234と同じく、一つの下側放電電極235が、その延びた方向に沿って配列された放電セル231ごとにその4側面を取り囲む構造になりうる。すなわち、前記下側放電電極235のそれぞれは互いに連結されて一列に配列され、放電セル231ごとに取り囲む環からなって放電に寄与する下側放電部235aと、前記下側放電部235aの一側に連結された下側接続部235bと、を備える。
【0065】
ここで、前記下側放電部235aの環は、所定の幅で四角帯状にそれぞれ形成されて隔壁232内にそれぞれ配置されることによって、放電セル231の4側面を取り囲むようになり、前記下側接続部235bは隔壁232から所定長さほど引き出される。前記のように、隔壁232にそれぞれ引き出された上側接続部234bと下側接続部235bとは、隣接した上側接続部234bと下側接続部235bとの接続のために、図示したように、上下に互いに重畳されないように交差して配置されることが望ましい。
【0066】
なお、前記上側放電部及び下側放電部の構造は梯形のような多様な形態からなりうるので、前述したものに限定されるものでない。
【0067】
そして、前記上側放電電極234と下側放電電極235とが延びた方向と交差する方向にそれぞれ延びたアドレス電極236も、図示するように、一つのアドレス電極236が、その延びた方向に沿って配列された放電セル231ごとにその4側面を取り囲む構造になりうる。すなわち、前記アドレス電極236のそれぞれは互いに連結されて一列に配列され、放電セル231ごとにその4側面をそれぞれ取り囲むことができる環からなって放電に寄与するアドレス放電部236aと、前記アドレス放電部236aの一側に連結されて隔壁232から所定長さほど引き出されたアドレス接続部236bと、を備えることができる。
【0068】
なお、前記アドレス放電部は、図示したものに限定されず、梯形やストライプ状の構造になることも可能である。
【0069】
前記のような構造にそれぞれなるブロック230が下側基板120上に配列されて互いに接続された状態が、図9に図示されている。
【0070】
図示したように、ブロック230ごとに隔壁232から引き出された上側接続部234bは、隣接したブロック230で隔壁232から引き出された上側接続部234b等と一対一対応して接続されている。
【0071】
前記上側接続部234b同士の接続された部位は、導電膜240により覆われている。これにより、上側接続部234b同士の接続が安定的かつ堅くなる。
【0072】
そして、前記上側接続部234bと交差して配置された下側接続部235bも、隣接したブロック230に備わった下側接続部235bと一対一対応して接続されており、アドレス接続部236bも、隣接したブロック230に備わったアドレス接続部236bと一対一対応して接続されている。ここで、前記下側接続部235b同士の接続構造と、アドレス接続部236b同士の接続構造とは、上側接続部234b同士の接続構造と同一になりうる。
【0073】
前記のように上側接続部234b同士と、下側接続部235b同士及びアドレス接続部236b同士でそれぞれ接続されることによって、互いに電気的に連結されたブロック230は、図示したように、下側基板120上に全体的に配列された放電セル231において、横方向に沿って配列された放電セル231同士の間隔と、縦方向に沿って配列された放電セル231同士の間隔とは、それぞれ一定になるように配置されることが望ましい。
【0074】
そして、前記下側基板120の端部に沿って配置された一部ブロック230において、下側基板120の外側に引き出された上側接続部234bは、上側放電電極用の駆動部と電気的に連結されることによって、ブロック230にそれぞれ備わった上側放電電極234に電圧がそれぞれ印加されることができ、下側接続部235bは、下側放電電極用の駆動部と電気的に連結されることによって、ブロック230にそれぞれ備わった下側放電電極235に電圧がそれぞれ印加されることができ、アドレス接続部236bは、アドレス電極用の駆動部と電気的に連結されることによって、ブロック230にそれぞれ備わったアドレス電極236に電圧がそれぞれ印加されることができる。
【0075】
前記のような構成を持つブロック230が複数備わったプラズマディスプレイパネル200の作動を一例として概略的に説明すれば、次の通りである。
【0076】
まず、上側放電電極234が共通電極として作用し、下側放電電極235がスキャン電極として作用すると仮定する時、前記下側放電電極235とアドレス電極236との間にアドレス電圧が印加されれば、電圧が印加された下側放電電極235とアドレス電極236とが共に配置された放電セル231でアドレス放電が起き、前記アドレス放電以後に、上側放電電極234と下側放電電極235との間に維持電圧が交互に印加されれば、荷電粒子が上下方向に移動して維持放電が起きる。前記維持放電によって放電ガスから紫外線が放出され、前記紫外線により放電セル231内に配置された蛍光体層112が励起されることにより、励起された蛍光体層112から可視光が発散される。
【0077】
本発明は、添付された図面に図示された一実施形態を参考として説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は特許請求の範囲のみにより定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、大型面積の製造に有利であり、十分な工程マージン及び安定性を確保できるプラズマディスプレイパネルの関連技術分野に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】従来の一例によるプラズマディスプレイパネルを一部示す分離斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるプラズマディスプレイパネルを一部示す分離斜視図である。
【図3】図2において、ブロックの一例を抜粋して示す分離斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線の断面図である。
【図5】図2において、ブロックが配置された状態を示す平面図である。
【図6】図5において、ブロック間の接続状態を示す側面図である。
【図7】本発明の他の例によるブロックを示す分離斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線の断面図である。
【図9】図7のブロックが配置された状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0080】
100…プラズマディスプレイパネル、
110…上側基板、
111…溝、
112…蛍光体層、
120…下側基板、
130…ブロック、
131…放電セル、
132…隔壁、
133…MgO膜、
134b…上側接続部、
135b…下側接続部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側基板と、
前記上側基板と対向して配置された下側基板と、
前記上側基板と下側基板との間に配置されて互いに接続されている複数のブロックを有し、
前記ブロックは、
前記上側基板と下側基板との間に配置されて放電セルを区画するものであって誘電体で形成された隔壁と、
前記隔壁内に配置された上側放電部、及び前記上側放電部と連結されて前記隔壁から引き出された上側接続部が備わった上側放電電極と、
前記隔壁内に配置されて前記上側放電部と離隔された下側放電部、及び前記下側放電部と連結されて前記隔壁から引き出された下側接続部が備わった下側放電電極と、
を備え、
前記ブロックは前記上側接続部同士で接続され、かつ下側接続部同士で接続されることで互いに接続されており、
前記放電セルにそれぞれ対応して配置された蛍光体層を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記上側放電部及び下側放電部は、前記放電セルをそれぞれ取り囲む構造からなることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記上側放電電極が延びた方向と、下側放電電極が延びた方向とは互いに交差することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
前記上側放電電極と下側放電電極のうち、いずれか一つはアドレス電極及び維持電極として機能し、他の一つはスキャン電極及び維持電極として機能することを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
前記ブロックは、前記隔壁内に配置されたアドレス放電部と、前記アドレス放電部と連結されて前記隔壁から引き出されたアドレス接続部とを備えたアドレス電極をさらに備え、
前記アドレス電極は、互いに平行にそれぞれ延びた上側放電電極と下側放電電極との延びた方向と交差するように延びたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記上側放電電極と下側放電電極のうち、いずれか一つは共通電極として機能し、他の一つはスキャン電極として機能することを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記アドレス放電部は、前記放電セルを取り囲む構造からなることを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
前記アドレス電極は、前記上側放電電極より上側、または前記下側放電電極より下側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
前記アドレス電極は、前記上側放電電極と下側放電電極との間に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
前記上側放電電極、下側放電電極、及びアドレス電極は、導電性金属で形成されていることを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】
前記上側接続部同士の接続された部位と、前記下側接続部同士の接続された部位及び前記アドレス接続部同士の接続された部位とは、導電膜により覆われていることを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項12】
前記隔壁は、前記放電セルを閉鎖型に区画することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項13】
前記上側基板の隔壁に向かう面には、前記放電セルに対応する溝が形成されており、前記溝に蛍光体層が配置されていることを特徴とする請求項12に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項14】
前記上側基板を通じて可視光が透過されて画像が表示される場合には、前記上側基板に形成された溝に配置されている蛍光体層は、透過型蛍光体で形成されていることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項15】
前記下側基板の隔壁に向かう面には、前記放電セルに対応する溝が形成されており、前記溝に蛍光体層が配置されていることを特徴とする請求項12に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項16】
前記上側基板を通じて可視光が透過されて画像が表示される場合には、前記下側基板に形成された溝に配置されている蛍光体層は、反射型蛍光体で形成されていることを特徴とする請求項15に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項17】
前記ブロックごとに少なくとも一つの単位ピクセルを構成できるように、放電セルが備わったことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項18】
前記隔壁の側面は、MgO膜により覆われたことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−164970(P2006−164970A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339506(P2005−339506)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】