説明

プラズマディスプレイパネル

【課題】走査電極および維持電極におけるアライメントマージンを確保する。
【解決手段】基板に導電性の第1電極および第2電極を間に放電ギャップを設けて配置して表示電極を構成するとともに表示電極を行方向に複数本配列して設けた前面板と、この前面板に放電空間を設けて対向配置されかつ表示電極と交差する列方向に複数本のデータ電極を形成して交差部分に放電セルを設けた背面板と、背面板に設けられかつ放電空間を放電セル毎に区画する隔壁とを有し、第1電極および第2電極は、それぞれ放電セル毎に短冊状に3本以上分割して形成した透明電極部を有する透明電極と、この複数の透明電極に電気的に接続するように形成した導電性のバス電極とにより構成し、かつ第1電極および第2電極の短冊状の透明電極部の先端部間に前記放電ギャップを設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示デバイスとしてのプラズマディスプレイパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと示す)は、大別して、駆動的にはAC型とDC型がある。放電形式では、面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、PDPの主流は、3電極構造の面放電型のものである。
【0003】
この面放電型のPDP構造は、少なくとも前面側が透明な一対の基板を基板間に放電空間が形成されるように対向配置される。そして、放電空間を複数に仕切るための隔壁が基板に配置され、かつ隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように基板に電極群が配置される。そして、放電により発光する赤色、緑色、青色に発光する蛍光体が形成されて複数の放電セルが構成されている。そして、放電により発生する波長の短い真空紫外光によって蛍光体を励起し、赤色、緑色、青色の放電セルからそれぞれ赤色、緑色、青色の可視光を発することによりカラー表示を行っている。
【0004】
このようなPDPは、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高い。これにより、フラットパネルディスプレイの中で最近特に注目を集めており、多くの人が集まる場所での表示装置や家庭で大画面の映像を楽しむための表示装置として各種の用途に使用されている。
【0005】
ところで、今日では、できるだけ消費電力を抑えた電気製品が望まれる。PDPにおいても駆動時の消費電力を低くする期待が寄せられている。特に昨今の大画面化および高精細化の動向によって、開発されるPDPの消費電力が増加傾向にある。そのため、省電力化を実現させる技術への要望が高くなっている。また、PDPにおいては安定した画像表示性能を得ることも基本的に望まれる。
【0006】
このようなことから、PDPの安定した駆動と発光輝度を維持しながら消費電力を低減させること、すなわち発光効率の向上が望まれる。また発光効率を向上させるために、例えば蛍光体が紫外線を可視光に変換する際の変換効率を向上させる研究もなされているが、さらなる発光効率の向上が望まれている。
【0007】
一方、PDPにおいては、画像表示の際の輝度を増加させるために、表示電極を幅広の帯状透明電極とこれに金属電極のバスラインを重ねた構成として電極面積を拡大させている。これにより増大する放電電流を抑えるため、または透明電極をなくして工程数を削減する必要があり、電極を複数の部分に分割し、開口部を設けた電極構造を用いるなどの工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第02/017345号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような現状に鑑みなされたもので、表示品質を向上させるPDPを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前面基板に導電性の第1電極および第2電極を間に放電ギャップを設けて配置して表示電極を構成するとともに表示電極を行方向に複数本配列して設けた前面板と、この前面板に放電空間を設けて対向配置されかつ表示電極と交差する列方向に複数本のデータ電極を形成して交差部分に放電セルを設けた背面板と、背面板に設けられかつ放電空間を放電セル毎に区画する隔壁とを有し、第1電極および第2電極は、それぞれ放電セル毎に短冊状に3本以上分割して形成した透明電極部を有する透明電極と、この複数の透明電極に電気的に接続するように形成した導電性のバス電極とにより構成し、かつ第1電極および第2電極の短冊状の透明電極部の先端部間に前記放電ギャップを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、透明電極微細加工の構造でも、表示品質を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態によるPDPを示す分解斜視図
【図2】本発明の実施の形態によるPDPの放電セル部分の構成を示す断面図
【図3】本発明の実施の形態によるPDPの電極配列図
【図4a】本発明の実施の形態1によるPDPの表示電極を構成する走査電極および維持電極と隔壁との配置関係を示す平面図
【図4b】本発明の実施の形態1によるPDPの表示電極を構成する走査電極および維持電極の放電状態を表した写真
【図5a】本発明の実施の形態2によるPDPの表示電極を構成する走査電極および維持電極と隔壁との配置関係を示す平面図
【図5b】本発明の実施の形態2によるPDPの表示電極を構成した場合における赤色に点灯させた際の写真と、輝度レベルを表した図
【図6】本発明の実施の形態3によるPDPの表示電極を構成する走査電極および維持電極と隔壁との配置関係を示す平面図
【図7】走査電極および維持電極の透明電極の先端部を拡大した図
【図8】本発明の実施の形態によるPDPを用いたPDP装置の全体構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態によるPDPの各電極に印加する駆動電圧波形を示す波形図
【図10】本発明の実施の形態4によるPDPの表示電極を構成する走査電極および維持電極と隔壁との配置関係を示す平面図
【図11】本発明の実施の形態4によるPDPの維持電圧駆動マージンを示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1によるPDPについて、図1〜図4、図8、図9を用いて説明する。しかし、本発明の実施の態様は実施の形態1に限定されるものではない。
【0014】
まず、本発明の実施の形態1によるPDPの全体構成について、図1〜図4を用いて説明する。
【0015】
1、PDPの構成
図1は本発明の実施の形態1によるPDPにおいて、前面板と背面板とを分離した状態で示す分解斜視図、図2は前面板と背面板とを貼り合わせてPDPとしたときの放電セル構造を示す断面図である。この図1、図2に示すように、PDPは、ガラス製の前面板1と背面板2とを、その間に放電空間3を形成するように対向配置することにより構成されている。
【0016】
前面板1は、ガラス製の前面基板4上に導電性の第1電極である走査電極5および第2電極である維持電極6を、間に放電ギャップMGを設けて互いに平行に配置して表示電極7を構成するとともに、その表示電極7を行方向に複数本配列して設け、そして走査電極5および維持電極6を覆うようにガラス材料からなる誘電体層8が形成され、その誘電体層8上にはMgOからなる保護膜9が形成されている。
【0017】
走査電極5および維持電極6は、それぞれITOなどの透明電極5a、6aと、この透明電極5a、6aをそれぞれに電気的に接続されるように形成されたAgなどの導電性金属からなる膜厚が数μm程度のバス電極5b、6bとから構成されている。
【0018】
また、背面板2は、ガラス製の背面基板10上に、ガラス材料からなる絶縁体層11で覆われかつ列方向にストライプ状に配列したAgからなる複数本のデータ電極12が設けられ、そして絶縁体層11上には、前面板1と背面板2との間の放電空間3を放電セル毎に区画するためのガラス材料からなる井桁状の隔壁13が設けられている。また、絶縁体層11の表面および隔壁13の側面には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の蛍光体層14R、14G、14Bが設けられている。そして、走査電極5および維持電極6とデータ電極12とが交差するように前面板1と背面板2とが対向配置され、前記走査電極5および維持電極6とデータ電極12が交差する交差部分には、図3に示すように、放電セル15が設けられている。また、放電空間3には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンの混合ガスが封入されている。なお、PDPの構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
【0019】
ここで、図2に示すように、放電セル15を形成する井桁形状の隔壁13は、データ電極12に平行に形成された縦隔壁13aと、この縦隔壁13aに直交するように形成した横隔壁13bとから構成されている。また、この隔壁13内に塗布して形成される蛍光体層14R、14G、14Bは、縦隔壁13aに沿ってストライプ状に青色蛍光体層14B、赤色蛍光体層14R、緑色蛍光体層14Gの順に配列して形成されている。
【0020】
図3はこの図1、図2に示すPDPの電極配列図である。行方向に長いn本の走査電極Y1、Y2、Y3・・・Yn(図1の5)およびn本の維持電極X1、X2、X3・・・Xn(図1の6)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極A1・・・Am(図1の12)が配列されている。そして、1対の走査電極Y1および維持電極X1と1つのデータ電極A1とが交差した部分に放電セル15が形成され、放電セル15は放電空間内にm×n個形成されている。また、前記走査電極Y1および維持電極X1は、図3に示すように、走査電極Y1−維持電極X1−維持電極X2−走査電極Y2・・・・の配列で繰り返すパターンで、前面板1に形成されている。そしてこれらの電極のそれぞれは、前面板1、背面板2の画像表示領域外の周辺端部に設けられた接続端子それぞれに接続されている。
【0021】
2、プラズマディスプレイ装置の構成
次に、上述したPDPを用いたプラズマディスプレイ装置(以下、PDP装置と示す)の全体構成について説明する。
【0022】
図8はプラズマディスプレイ装置の全体構成を示すブロック図である。このPDP装置は、図1〜図3に示す構成のPDP21、画像信号処理回路22、データ電極駆動回路23、走査電極駆動回路24、維持電極駆動回路25、タイミング発生回路26および電源回路(図示せず)を備えている。また、データ電極駆動回路23は、PDP21のデータ電極12の一端に接続され、かつデータ電極12に電圧を供給するための半導体素子からなる複数のデータドライバを有している。データ電極12は、数本ずつのデータ電極12で1ブロックとして複数のブロックに分割し、そのブロック単位で複数のデータドライバをPDP21の下端部の電極引出部に接続して配置している。
【0023】
図8において、画像信号処理回路22は、画像信号sigをサブフィールド毎の画像データに変換する。データ電極駆動回路23はサブフィールド毎の画像データを各データ電極A1〜Amに対応する信号に変換し、各データ電極A1〜Amを駆動する。タイミング発生回路26は水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vをもとにして各種のタイミング信号を発生し、各駆動回路ブロックに供給している。走査電極駆動回路24はタイミング信号にもとづいて走査電極Y1〜Ynに駆動電圧波形を供給し、維持電極駆動回路25はタイミング信号にもとづいて維持電極X1〜Xnに駆動電圧波形を供給する。なお、維持電極側は、PDP21内、またはPDP21外において共通に接続された後、その共通接続配線が維持電極駆動回路25に接続されている。
【0024】
3、PDPの駆動について
次に、PDP21を駆動するための駆動電圧波形とその動作について図9を用いて説明する。図9はPDP21の各電極に印加する駆動電圧波形を示す図である。
【0025】
本実施の形態によるPDP21においては、1フィールドを複数のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドは初期化期間、書込み期間、維持期間を有している。
【0026】
3−1、初期化期間
第1サブフィールドの初期化期間では、データ電極A1〜Amおよび維持電極X1〜Xnを0(V)に保持し、走査電極Y1〜Ynに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi1(V)から放電開始電圧を超える電圧Vi2(V)に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。すると、すべての放電セルにおいて1回目の微弱な初期化放電を起こし、走査電極Y1〜Yn上に負の壁電圧が蓄えられるとともに維持電極X1〜Xn上およびデータ電極A1〜Am上に正の壁電圧が蓄えられる。ここで、電極上の壁電圧とは電極を覆う誘電体層や蛍光体層上等に蓄積した壁電荷により生じる電圧を指す。
【0027】
その後、維持電極X1〜Xnを正の電圧Vh(V)に保ち、走査電極Y1〜Ynに電圧Vi3(V)から電圧Vi4(V)に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。すると、すべての放電セルにおいて2回目の微弱な初期化放電を起こし、走査電極Y1〜Yn上と維持電極X1〜Xn上との間の壁電圧が弱められ、データ電極A1〜Am上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。
【0028】
3−2、書込み期間
続く書込み期間では、走査電極Y1〜Ynを一旦Vr(V)に保持する。次に、1行目の走査電極Y1に負の走査パルス電圧Va(V)を印加するとともに、データ電極A1〜Amのうち1行目に表示すべき放電セルのデータ電極Ak(k=1〜m)に正の書込みパルス電圧Vd(V)を印加する。このときデータ電極Akと走査電極Y1との交差部の電圧は、外部印加電圧(Vd−Va)(V)にデータ電極Ak上の壁電圧と走査電極Y1上の壁電圧とが加算されたものとなり、放電開始電圧を超える。そして、データ電極Akと走査電極Y1との間および維持電極X1と走査電極Y1との間に書込み放電が起こり、この放電セルの走査電極Y1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極X1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Ak上にも負の壁電圧が蓄積される。
【0029】
このようにして、1行目に表示すべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルス電圧Vd(V)を印加しなかったデータ電極A1〜Amと走査電極Y1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで順次行い、書込み期間が終了する。
【0030】
3−3、維持期間
続く維持期間では、走査電極Y1〜Ynには第1の電圧として正の維持パルス電圧Vs(V)を、維持電極X1〜Xnには第2の電圧として接地電位、すなわち0(V)をそれぞれ印加する。このとき書込み放電を起こした放電セルにおいては、走査電極Yi(i=1〜n)上と維持電極Xi上との間の電圧は維持パルス電圧Vs(V)に走査電極Yi上の壁電圧と維持電極Xi上の壁電圧とが加算されたものとなり、放電開始電圧を超える。そして、走査電極Yiと維持電極Xiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層が発光する。そして走査電極Yi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極Xi上に正の壁電圧が蓄積される。このときデータ電極Ak上にも正の壁電圧が蓄積される。
【0031】
書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは、維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保持される。続いて、走査電極Y1〜Ynには第2の電圧である0(V)を、維持電極X1〜Xnには第1の電圧である維持パルス電圧Vs(V)をそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極Xi上と走査電極Yi上との間の電圧が放電開始電圧を超えるので、再び維持電極Xiと走査電極Yiとの間に維持放電が起こり、維持電極Xi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極Yi上に正の壁電圧が蓄積される。
【0032】
3−4、第2サブフィールド以降
以降同様に、走査電極Y1〜Ynと維持電極X1〜Xnとに交互に輝度重みに応じた数の維持パルスを印加することにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電が継続して行われる。こうして維持期間における維持動作が終了する。続くサブフィールドにおける初期化期間、書込み期間、維持期間の動作も第1サブフィールドにおける動作とほぼ同様のため、説明を省略する。
【0033】
4、PDPの製造方法
4−1、前面板の製造方法
フォトリソグラフィ法によって、前面基板4上に、走査電極5および維持電極6が形成される。走査電極5は、インジウム錫酸化物(ITO)などの透明電極5aと、透明電極5aに積層された銀(Ag)などからなるバス電極5bとから構成されている。維持電極6は、ITOなどの透明電極6aと、透明電極6aに積層されたAgなどからなるバス電極6bとから構成されている。
【0034】
バス電極5b、6bの材料には、銀(Ag)と銀を結着させるためのガラスフリットと感光性樹脂と溶剤などを含む電極ペーストが用いられる。まず、スクリーン印刷法などによって、電極ペーストが、透明電極5a、6aが形成された前面基板4上に塗布される。次に、乾燥炉によって、電極ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、電極ペーストが露光される。
【0035】
次に、電極ペーストが現像され、バス電極パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、バス電極パターンが所定の温度で焼成される。つまり、電極パターン中の感光性樹脂が除去される。また、電極パターン中のガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していたガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、バス電極5b、6bが形成される。
【0036】
ここで、電極ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、スパッタ法、蒸着法などを用いることができる。
【0037】
次に、誘電体層8が形成される。誘電体層8の材料には、誘電体ガラスフリットと樹脂と溶剤などを含む誘電体ペーストが用いられる。まずダイコート法などによって、誘電体ペーストが所定の厚みで走査電極5、維持電極6を覆うように前面基板4上に塗布される。次に、乾燥炉によって、誘電体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、誘電体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、誘電体ペースト中の樹脂が除去される。また、誘電体ガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していた誘電体ガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、誘電体層8が形成される。ここで、誘電体ペーストをダイコートする方法以外にも、スクリーン印刷法、スピンコート法などを用いることができる。また、誘電体ペーストを用いずに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって、誘電体層8となる膜を形成することもできる。
【0038】
次に、誘電体層8上に保護膜9が形成される。
【0039】
以上の工程により前面基板4上に走査電極5、維持電極6、誘電体層8および保護膜9を有する前面板1が完成する。
【0040】
4−2、背面板2の製造方法
フォトリソグラフィ法によって、背面基板10上に、データ電極12が形成される。データ電極12の材料には、導電性を確保するための銀(Ag)と銀を結着させるためのガラスフリットと感光性樹脂と溶剤などを含むデータ電極ペーストが用いられる。まず、スクリーン印刷法などによって、データ電極ペーストが所定の厚みで背面基板10上に塗布される。次に、乾燥炉によって、データ電極ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、データ電極ペーストが露光される。次に、データ電極ペーストが現像され、データ電極パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、データ電極パターンが所定の温度で焼成される。つまり、データ電極パターン中の感光性樹脂が除去される。また、データ電極パターン中のガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していたガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、データ電極12が形成される。ここで、データ電極ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、スパッタ法、蒸着法などを用いることができる。
【0041】
次に、絶縁体層11が形成される。絶縁体層11の材料には、絶縁体ガラスフリットと樹脂と溶剤などを含む絶縁体ペーストが用いられる。まず、スクリーン印刷法などによって、絶縁体ペーストが所定の厚みでデータ電極12が形成された背面基板10上にデータ電極12を覆うように塗布される。次に、乾燥炉によって、絶縁体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、絶縁体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、絶縁体ペースト中の樹脂が除去される。また、絶縁体ガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していた絶縁体ガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、絶縁体層11が形成される。ここで、絶縁体ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、ダイコート法、スピンコート法などを用いることができる。また、絶縁体ペーストを用いずに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって、絶縁体層11となる膜を形成することもできる。
【0042】
次に、フォトリソグラフィ法によって、隔壁13が形成される。隔壁13の材料には、フィラーと、フィラーを結着させるためのガラスフリットと、感光性樹脂と、溶剤などを含む隔壁ペーストが用いられる。まず、ダイコート法などによって、隔壁ペーストが所定の厚みで絶縁体層11上に塗布される。次に、乾燥炉によって、隔壁ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、隔壁ペーストが露光される。次に、隔壁ペーストが現像され、隔壁パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、隔壁パターンが所定の温度で焼成される。つまり、隔壁パターン中の感光性樹脂が除去される。また、隔壁パターン中のガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していたガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、隔壁13が形成される。ここで、フォトリソグラフィ法以外にも、サンドブラスト法などを用いることができる。
【0043】
次に、蛍光体層14が形成される。蛍光体層14の材料には、蛍光体粒子とバインダと溶剤などとを含む蛍光体ペーストが用いられる。まず、ディスペンス法などによって、蛍光体ペーストが所定の厚みで隣接する複数の隔壁13間の絶縁体層11上および隔壁13の側面に塗布される。次に、乾燥炉によって、蛍光体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、蛍光体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、蛍光体ペースト中の樹脂が除去される。以上の工程によって、蛍光体層14が形成される。ここで、ディスペンス法以外にも、スクリーン印刷法などを用いることができる。
【0044】
以上の工程により、背面基板10上に、データ電極12、絶縁体層11、隔壁13および蛍光体層14を有する背面板2が完成する。
【0045】
4−3、前面板1と背面板2との組立方法
まず、ディスペンス法などによって、背面板2の周囲に封着ペーストが塗布される。封着ペーストは、ビーズと低融点ガラス材料とバインダと溶剤などを含んでいてもよい。塗布された封着ペーストは、封着ペースト層(図示せず)を形成する。次に乾燥炉によって、封着ペースト層中の溶剤が除去される。その後、封着ペースト層は、約350℃の温度で仮焼成される。仮焼成によって、封着ペースト層中の樹脂成分などが除去される。次に、表示電極7とデータ電極12とが直交するように、前面板1と背面板2とが対向配置される。
【0046】
さらに、前面板1と背面板2の周縁部が、クリップなどにより押圧した状態で保持される。この状態で、所定の温度で焼成することにより、低融点ガラス材料が溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していた低融点ガラス材料がガラス化する。これにより、前面板1と背面板2とが気密封着される。最後に、放電空間にNe、Xeなどを含む放電ガスが封入されることによりPDP21が完成する。
【0047】
5、表示電極について
5−1、透明電極の微細構造について
次に、本発明のPDP21の表示電極7の構成について、詳細に説明する。
【0048】
図4aは、表示電極7を構成する走査電極5および維持電極6について説明するために詳細に示した図である。また、図4aは、前面基板上から透明電極5a、6aとバス電極5b、6bを見たときの図である。
【0049】
図4aに示すように、表示電極7は走査電極5および維持電極6で構成され、走査電極5および維持電極6は、それぞれ透明電極5a、6aと透明電極5a、6aに電気的に接続するように形成した導電性のバス電極5b、6bとにより構成される。
【0050】
そして、透明電極5aはストライプ状に形成した透明電極とそれぞれ放電セル15毎に短冊状に複数に分割して形成された第1の透明電極17とが一体となった形状で構成されている。さらに、第1の透明電極17は隔壁13で囲まれた放電空間セル内において複数に分割され、放電ギャップ側に突出した形状となっている。
【0051】
また、同様に、透明電極6aはストライプ状に形成した透明電極とそれぞれ放電セル15毎に短冊状に複数に分割して形成された第2の透明電極16とが一体となった形状で構成されている。さらに、第2の透明電極16は隔壁13で囲まれた放電空間セル内において複数に分割され、放電ギャップ側に突出した形状となっている。
【0052】
そして、放電セル15において走査電極5の短冊状の第1の透明電極17の先端部と維持電極6の短冊状の第2の透明電極16の先端部との間に放電ギャップMGが形成される。
【0053】
本発明は、表示電極7を構成する走査電極5および維持電極6は、放電セル15毎に短冊状に形成された第1の透明電極17および第2の透明電極16をそれぞれ3本以上有している。図4aは、本発明の実施の形態1の構成を示しており、放電セル15毎に短冊状に形成された第1の透明電極17および第2の透明電極16をそれぞれ3本有している。
【0054】
つまり、本実施の形態における表示電極7は、1つの放電空間内にそれぞれ3本以上に分割して形成された第1の透明電極17および第2の透明電極16と、この複数の第1の透明電極17および第2の透明電極16に電気的に接続するように形成した導電性のバス電極5b、6bとにより構成され、かつ第1の透明電極17の先端と第2の透明電極16の先端部との間に放電ギャップMGが形成されている。
【0055】
尚、放電空間内に存在する短冊状の第1の透明電極17および第2の透明電極16は、大型PDPの適用を考慮して、透明電極の微細加工の精度上、最大17本以下であることが望ましい。しかし、加工の精度が増した場合は、17本より多くなる可能性もある。
【0056】
ここで、本発明者らが行った実験の結果が説明される。
【0057】
本実験では、透明電極5a、6aは、ITOである。バス電極5b、6bは、顔料とガラス材料とがコートされたAgである。バス電極5b、6bの膜厚は5μm程度である。透明電極5a、6aおよびバス電極5b、6bは、フォトリソグラフィ法によって形成された。誘電体層8は、SiO2やB23を主成分とするガラスにフィラー粒子(シリカ粒子)が混合されたガラス材料である。誘電体層8の比誘電率は、5〜7程度である。縦隔壁13aは、走査電極5および維持電極6の延伸方向に148μmのピッチで形成された。つまり、走査電極5および維持電極6の延伸方向の放電セル15のピッチは、148μmである。誘電体層8は、スクリーン印刷法によって形成された。しかし、上記材料、構成および方法に限られない。
【0058】
本実験では、2つのパラメータを変更したプラズマディスプレイパネルが作製された。1つ目は、第1の透明電極17および第2の透明電極16の幅(図中および以下「L幅」と示される。)である。2つ目は、隣り合う透明電極5a、6a間の幅(図中および以下「S幅」と示される。)である。L幅とS幅との変更に応じて、透明電極5a、6aの幅と隣合う透明電極5a、6a間の幅とを合計した1ペアの幅(図中および以下「P幅」と示される。)が変更される。また、P幅が変更されることで、1つの放電セル15のピッチ内に設けられる上記ペアの数(以下「P数」と示される。)は変更される。
【0059】
まず、実験例1として、図4aに示す電極構造において、従来ベタパターンの形状のみを有する透明電極を備えた場合の放電の広がる様子を図4bの左側に示している。そして、第1の透明電極17および第2の透明電極16を1つの放電セル内に3本以上備えた構造の放電の広がる様子を図4bの右側に示す。
【0060】
一般的に、単位維持パルスあたりに発生する放電は、放電空間に存在する走査電極5と維持電極6において、陰極になるいずれかの電極の方に大きく広がる。この放電の広がり方が、第1の透明電極17および第2の透明電極16を1つの放電セルに3本以上備えた場合と、第1の透明電極17および第2の透明電極16をもうけていないベタパターンのストライプ状透明電極5a、6aの場合と同様になっている。
【0061】
その結果、隔壁13が形成された背面板2と透明電極5a、6aが形成された前面板1とを重ねる際に生じるズレのマージンを大幅に拡大できる。つまり、背面板2と前面板1とを重ねる際にズレが生じても、常に放電セル毎に短冊状の第1の透明電極17および第2の透明電極16がそれぞれ3本以上形成されているので、放電の広がりがセル毎で変化しないことがわかる。
【0062】
(実施の形態2)
上記説明は本発明の実施の形態について説明した。次に実施の形態2について説明する。
【0063】
図5aは実施の形態2における表示電極の配置を示している。
【0064】
なお、図5aに示すように、縦隔壁の中心線から隣接する縦隔壁の中心線までの間の幅をセルピッチとする。
【0065】
図5aに示すように、1セルのセルピッチは、L幅とS幅の整数倍となることが望ましい。その結果、前面板1と背面板2を重ねた際にズレが生じたとしても、1セルピッチ内に占める第1の透明電極17および第2の透明電極16の面積が全てのセルにおいて同等となる。その結果、放電開始電圧が安定し、放電セル間の輝度バラツキをより抑えることが可能となる。
【0066】
例えば、PDPの構成として、180μmのセルピッチに対して、L幅が20μm、S幅が25μmである第1の透明電極17および第2の透明電極16構造にすると、1セルあたりに占めるP数は4つ存在することとなる。これにより、放電開始電圧が安定し、放電セル間の輝度バラツキをより抑えることが可能となる。
【0067】
具体的に、図5bに単色点灯時のセル間の輝度レベルを示す。図5bの上側の図は赤色に点灯させた際の写真であり、赤色に点灯させたときの1セルごとの輝度レベルを下図に示している。図5bより、いずれのセルにおいても輝度レベルが同等であることがわかる。
【0068】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
【0069】
図6は実施の形態3における表示電極7の配置を示している。
【0070】
図6に示すように、さらに、放電ギャップMGを形成する短冊状の第1の透明電極17の先端部および第2の透明電極16の先端部は曲線を含む構造であることが望ましい。
【0071】
図6では、第1の透明電極17の先端部および第2の透明電極16の先端部は図7に示すように丸みを帯びた形状になっている。第1の透明電極17および第2の透明電極16の先端部の曲線の半径φは、0≦φ≦d/2の範囲を満たしている。これにより、放電ギャップMG付近の第1の透明電極17および第2の透明電極16の面積が減少し、走査電極−走査電極間の静電容量を低減させることが可能となる。さらには、無効電力としては、丸みを帯びていない場合と比べて、さらに3%も低減することが可能である。尚、放電ギャップMGを形成する短冊状の第2の透明電極16の先端部の形状が細くなっていれば、同等以上の効果を実現できる。
【0072】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。
【0073】
図10は実施の形態4における表示電極7の配置を示している。実施の形態1、2、および3は蛍光体層14R、14G、14Bの放電セルのセルピッチが均等である。本実施の形態は、セルピッチが蛍光体層14R、14G、14Bの放電セルごとに異なる。例えば、青色蛍光体層14Bの放電セルのセルピッチを維持したまま、緑色の放電セルGのセルピッチが青色の放電セル14Bのセルピッチより6%拡大され、赤色の放電セルRのセルピッチが青色の放電セル14Bのセルピッチより6%縮小されることで、赤色の放電セルRと緑色の放電セルGのP数が調整される。
【0074】
蛍光体層14は蛍光体層14R、14G、14Bにより帯電特性が異なる。
【0075】
例えば、蛍光体層14R、14G、14Bの放電セル15のセルピッチが均等である場合、赤色の蛍光体層14Rの放電セル15の最小維持電圧(以降、Vsus下限と記載する)、及び最大維持電圧(以降、Vsus上限と記載する)が緑色の蛍光体層14Gの放電セル15より小さく、緑色の蛍光体層14Gの放電セル15のVsus下限とVsus上限が赤色の蛍光体層14Rの放電セル15より大きい。
【0076】
なお、Vsus下限とは選択した放電セル15が点灯するために必要な最低の印加維持電圧であり、Vsus上限とは選択していない放電セル15が他の選択した放電セル15の影響を受け誤放電しない維持電圧のうち印加可能な最高の維持電圧である。
【0077】
つまり、Vsus下限と上限の間が駆動マージンとなり、この駆動マージンがより大きいとPDPを駆動するために設定される設定維持電圧を決定する自由度が広がる。
【0078】
この現象は図11にも示されている。図11の左側の結果は実施例1〜3を示しており、右側の図は実施例4を示している。
【0079】
図11の左側が示すように、赤色の蛍光体層14RのVsus下限は195.7Vであり、赤色の蛍光体層14RのVsus上限は223.3Vである。一方、緑色の蛍光体層14GのVsus下限は198.5Vであり、Vsus上限は227.3Vである。したがって、Vsus下限の値は緑色の蛍光体層14Gに支配され、Vsus上限は赤色の蛍光体14Rに支配される。つまり、駆動マージンは、Vsus上限−Vsus下限で、24.8Vである。
【0080】
本実施の形態では、緑色の放電セルGのセルピッチが青色の放電セル14Bのセルピッチより6%拡大され、赤色の放電セルRのセルピッチが青色の放電セル14Bのセルピッチより6%縮小されることで、赤色の放電セルRと緑色の放電セルGのP数が調整される。
【0081】
これにより、蛍光体層14Rの放電セル15のVsus上限がより大きくなり、蛍光体層14Gの放電セル15のVsus下限がより小さくなる。これにより、Vsus下限およびVsus上限が、蛍光体層14Rと蛍光体層14Gとでより等しくなり、駆動マージンが拡大されることが可能となる。
【0082】
図11の右側に本実施の形態の効果を示している。図11の右側に示すように、赤色の蛍光体層14RのVsus下限は196.7Vであり、赤色の蛍光体層14RのVsus上限は226.0Vである。一方、緑色の蛍光体層14GのVsus下限は195.3Vであり、Vsus上限は225.3Vである。つまり、Vsus上限およびVsus下限が赤色の蛍光体層14Rと緑色の蛍光体層14Gとでより等しくなる。
【0083】
その結果、駆動マージンは、Vsus上限−Vsus下限で、28.6Vである。その結果、4Vの駆動マージンが拡大される。
【0084】
なお、青色蛍光体層14Bの放電セルのセルピッチを維持したまま、緑色の放電セルGのセルピッチが青色の放電セル14Bのセルピッチより0%より大きく10%以下の範囲で拡大されることが好ましい。
【0085】
そして、赤色の放電セルRのセルピッチが青色の放電セル14Bのセルピッチより0%より大きく10%以下の範囲で縮小されることが好ましい。
【0086】
ただし、セルピッチの調整幅は、各々の蛍光体層14を構成する蛍光体材料によって異なる。
【0087】
また、本実施の形態では、蛍光体層14R、14G、14Bの放電セル15毎にP数は整数倍にはならない。しかし、蛍光体層14R、14G、14Bの放電セル15を1画素とした場合、P数は画素ピッチに対して整数倍を満たすことが望ましい。
【0088】
その結果、前面板1と背面板2とが対向配置される際にズレが生じたとしても、1画素内に占める第1の透明電極17および第2の透明電極16の面積が全ての放電セル15において同等となる。その結果、放電開始電圧が安定し、画素間の輝度バラツキをより抑えることが可能となる。
【0089】
(他の実施の形態)
実施の形態1〜実施の形態3は図4〜図6に示すように放電ギャップMG側と反対側のIPG側にも短冊状の透明電極を有している。しかし、短冊状の構成を有さないベタパターンにしても放電ギャップMG側に短冊状の第1の透明電極17および第2の透明電極16が形成されていれば、同等の効果が得られる。
【0090】
(実施の形態のまとめ)
以上説明したように本発明のPDP21は、前面基板に導電性の第1電極および第2電極を間に放電ギャップを設けて配置して表示電極を構成するとともに表示電極を行方向に複数本配列して設けた前面板と、この前面板に間に放電空間を設けて対向配置されかつ表示電極と交差する列方向に複数本のデータ電極を形成して交差部分に放電セルを設けた背面板と、背面板に形成されかつ放電空間を放電セル毎に区画する隔壁とを有し、第1電極および第2電極は、それぞれ放電セル毎に短冊状に3本以上分割して形成した第1の透明電極17および第2の透明電極16を有する透明電極と、複数の透明電極に電気的に接続するように形成した導電性のバス電極と、により構成され、かつ第1電極および第2電極の第1の透明電極17の先端部と第2の透明電極16の先端部との間に放電ギャップを設けたことを特徴とする。
【0091】
これにより、無効電力を低減させ、発光効率を向上させるとともに、アライメントマージンを大幅に確保することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上のように本発明は、PDPの発光効率向上を実現する上で有用な発明である。
【符号の説明】
【0093】
1 前面板
2 背面板
3 放電空間
4 前面基板
5 走査電極
6 維持電極
5a、6a 透明電極
5b、6b バス電極
7 表示電極
8 誘電体層
9 保護膜
10 背面基板
11 絶縁体層
12 データ電極
13 隔壁
14R、14G、14B 蛍光体層
15 放電セル
16 第2の透明電極
17 第1の透明電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面基板に導電性の第1電極および第2電極を間に放電ギャップを設けて配置して表示電極を構成するとともに前記表示電極を行方向に複数本配列して設けた前面板と、前記前面板に放電空間を設けて対向配置されかつ前記表示電極と交差する列方向に複数本のデータ電極を形成して交差部分に放電セルを設けた背面板と、前記背面板に形成されかつ前記放電空間を前記放電セル毎に区画する隔壁とを有し、前記第1電極および第2電極は、それぞれ前記放電セル毎に短冊状に3本以上分割して形成した第1の透明電極および第2の透明電極を有する透明電極と、前記複数の透明電極に電気的に接続するように形成した導電性のバス電極と、により構成され、かつ前記第1の透明電極の先端部と前記第2の透明電極の先端部との間に前記放電ギャップを設けたことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記第1の透明電極と前記第2の透明電極とは前記放電ギャップを介して互い違いに配置されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
1つの放電空間を形成する前記隔壁は、縦に放電空間を区画する縦隔壁と横に放電空間を区画する横隔壁とを有し、前記縦隔壁の中心線間の距離は、
前記第1の透明電極および前記第2の透明電極の電極幅に整数n(n≧1)をそれぞれ乗じた値に等しく、
かつ、前記第1の透明電極および前記第2の透明電極がそれぞれ隣接する第1の透明電極および第2の透明電極との間隔幅に整数m(m≧1)を乗じた値に等しいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
放電ギャップ側の第1の透明電極の先端部と第2の透明電極の先端部は曲線を含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−169267(P2012−169267A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−15185(P2012−15185)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】