説明

プラズマディスプレイ装置

【課題】プラズマディスプレイ装置の表示画質を向上させる。
【解決手段】表示面側に配置される前面(第1の面)2a、およびその反対側に位置する背面(第2の面)3bとを有するPDP(プラズマディスプレイパネル)1と、PDP1の背面3bと対向する前面(第3の面)21aを有し、PDP1を支持するシャーシ部材21と、PDP1の背面3bと接着する前面(第4の面)22a、およびシャーシ部材21の前面21aと接着する背面(第5の面)22bとを有し、PDP1とシャーシ部材21とを固定する複数の両面接着部材22と、を備えている。また、複数の両面接着部材22はそれぞれ離間して配置され、シャーシ部材21の前面21aは、離間した複数の両面接着部材22の隙間に露出する露出部を有し、両面接着部材22の前面22a、およびシャーシ部材21の前面21aの露出部における色調は同系の色調を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ装置に関し、特に、プラズマディスプレイパネルと前記プラズマディスプレイパネルを支持するシャーシ部材とを接着する両面接着部材が隙間を開けて複数配置されるプラズマディスプレイ装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、平面型のディスプレイ装置として、画面上の全画素を表示データに応じて放電により発光させるプラズマディスプレイ装置が実用化されている。放電を行うプラズマディスプレイ装置は、パネルを構成する前面ガラス基板の内面に対となる電極群が形成され、パネル内部に希ガスが封入された構造となっている。電極間に電圧を印加すると、電極上に形成された誘電体層を覆う保護層の表面で面放電が起こり、紫外線が発生する。背面ガラス基板の内面には、3原色である赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の可視光を発光する蛍光体が塗布されており、紫外線によりこれらの蛍光体を励起発光させることによってカラー表示を行うようになっている。
【0003】
上記プラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルをシャーシ部材に両面接着部材で接着する構成が一般的である。例えば、特開2007−79098号公報(特許文献1)では、両面接着部材は、シャーシ部材もしくは、プラズマディスプレイパネルに貼り付ける際に、生産性向上や(プラズマディスプレイパネルをシャーシ部材から分離して修理する際の)剥離の容易性、放熱などの観点から、2枚以上の複数枚に分割して接着されている。
【0004】
また、特開平10−198287号公報(特許文献2)には、プラズマディスプレイ装置の放熱特性向上を目的として、シャーシ部材を黒色に塗装する構成、あるいは、接着剤(両面接着部材)を黒色とする構成により、輻射吸熱させてシャーシ部材への伝熱効率を向上させることが記載されている。
【特許文献1】特開2007−79098号公報
【特許文献2】特開平10−198287号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載される構成のプラズマディスプレイ装置においては、両面接着部材間に隙間が存在し、その隙間ではパネル面側から見た場合、シャーシ部材などの両面接着部材とは異なる部材が露出している。一般的に、シャーシ部材はアルミや鉄の金属部材であり、両面接着部材は略白色の両面接着テープが使用されている。このため、両面接着部材間の隙間部分ではシャーシ部材との色の違いが視認される。
【0006】
特に、透光性の高いプラズマディスプレイパネルにおいては、両面接着部材と隙間部分の色の違いが、プラズマディスプレイパネルの表示面でムラ(表示ムラ)として現れる。
【0007】
また、前記特許文献2では、放熱性の観点から、シャーシ部材あるいは接着剤(両面接着部材)を黒色とすることが検討されているのみであって、前記両面接着部材の隙間により生じる表示面での表示ムラについての検討はなされていないので、表示面での表示ムラが発生する可能性が高い。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラズマディスプレイ装置の表示面から見える表示ムラを抑制し、表示画質を向上させることのできる技術を提供することにある。
【0009】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0011】
すなわち、本発明の一つの実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルと、前記プラズマディスプレイパネルを支持するシャーシ部材と、前記プラズマディスプレイパネルと前記シャーシ部材との間に配置され、前記プラズマディスプレイパネルと前記シャーシ部材とを接着する接着部材と、を備えている。また、前記シャーシ部材は前記接着部材に覆われない領域を備えている。ここで、可視光域における分光拡散反射率と、明所視に対する比視感度を乗じた値を色の強さTとする場合に、前記シャーシ部材の表示面側における色の強さTのピーク値をT1、前記色の強さTがピークとなる波長をλ1とし、前記接着部材の表示面側における色の強さTのピーク値をT2、前記色の強さTがピークとなる波長をλ2としたとき、λ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmで、かつT2≦1.3T1を満たす。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0013】
すなわち、プラズマディスプレイ装置の表示面から見える表示ムラを抑制し、表示画質を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本願発明を詳細に説明する前に、本願における用語の意味を説明すると次の通りである。
【0015】
プラズマディスプレイパネル(PDP;Plasma Display Panel)とは、対向配置される一対の基板の間に形成された放電セル内で気体放電を発生させ、この際に発生する励起光で蛍光体を励起させて、所望の画像を形成する略平面板状の表示パネルである。PDPの内部構造や構成材料は、要求性能あるいは駆動方式に応じて種々の構成例があるが、原理的に明らかに適用できない構成を除き、これら全ての構成例を含む。
【0016】
プラズマディスプレイモジュール(PDPモジュール)は、PDPと、PDPの表示面の反対側に配置されてPDPを支持するシャーシ部材と、シャーシ部材の背面(PDPとの対向面の反対側に位置する面)側に配置され、PDPを駆動、制御する、あるいはPDPに電源を供給するための各種電気回路が形成された回路基板とを備えたモジュールであって、各種電気回路とPDPとが電気的に接続されたものである。なお、PDPモジュールの実施態様としては、上記した各種電気回路が形成された回路基板の一部または全部が取り付けられず、該回路基板の取り付け予定位置に取り付け用治具が形成された構造もある。本願では、このような実施態様もPDPモジュールに含まれる。
【0017】
プラズマディスプレイセット(PDPセット)は、PDPモジュールを外部筐体でカバーした表示装置である。また、PDPモジュールを例えばスタンドなどの支持構造物に固定した表示装置もこれに含まれる。また、PDPセットをテレビ受像機として用いる場合には、PDPモジュールとチューナとが電気的に接続されるが、このチューナを含むものもPDPセットに含まれる。
【0018】
プラズマディスプレイ装置(PDP装置)には、上記したPDPモジュールおよびPDPセットが含まれる。
【0019】
また、PDPおよびPDP装置の説明において、PDP装置が有する各構成部材の面について説明するときは、PDPの表示面方向を向く面を前面、この反対側に位置する面を背面として説明する。
【0020】
また、拡散反射率とは、光を被照射物に照射した際の照射面における入射光に対する拡散光の割合で、面の色の明るさを表す指標である。本願では、入射光の光源としてD65(標準光源と呼ばれ、昼光で照明された物体の色を表示する場合に用いる。色温度は6504Kである。)を使用した場合の値を用いている。分光拡散反射率とは、入射する光を単色光に分光した場合の波長毎の拡散反射率である。
【0021】
視感度とは、人間の目が最も強く感じる波長555nmの光を1として、他の波長の明るさを感じる度合いを比によって表現した係数である。また、多数の人の視感度を平均化し、国際照明委員会(CIE;Commission Internationale de l'Eclairage)が合意したものは比視感度(標準比視感度)と呼ばれ、標準化されている。比視感度は、明所視における視感度と暗所視における視感度とが定義されるが、本願では、プラズマディスプレイ装置の設置環境に対応して明所視における視感度を用いている。
【0022】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0023】
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
<PDPの構造例>
まず、図1を用いて本実施の形態のPDPの構造の一例について説明する。図1は本実施の形態1のPDPの構造例を示す要部拡大分解斜視図である。
【0025】
本実施の形態1で用いるPDP1は、要求性能や駆動方式などに応じて各種構造を採用することができるが、図1では一例として、交流面放電型のPDP1のパネル構造(画素に対応した一部分を示している)について説明する。
【0026】
図1において、PDP1は前面基板構造体2と背面基板構造体3とを有している。また、PDP1は表示面側に配置される前面(第1の面)2aと、前面2aの反対側に位置する背面(第2の面)3bを有している。前面基板構造体2と背面基板構造体3とは対向配置された状態で重ね合わされ、その間に放電空間4を有している。つまり、前面基板構造体2と背面基板構造体3とは放電空間4を介して対向配置されている。
【0027】
前面基板構造体2はPDP1の表示面(前面2a)側に配置され、主にガラスで構成される前面基板(第1ガラス基板)5を有している。前面基板5の背面(内面)側にはPDP1の表示電極であるX電極(維持電極)6と、Y電極(走査電極)7とがそれぞれ複数形成されている。なお、図1は、PDP1の一部を拡大した図なので、1本のY電極7を図示している。
【0028】
X電極6およびY電極7は維持放電(表示放電、サステイン放電)を行うための一対の表示電極対を構成し、例えば、行方向DXに沿って帯状に延在するようにそれぞれ交互に配置されている。この一対の表示電極対(X電極6とY電極7)がPDP1における行方向DXの表示ラインを構成する。
【0029】
これらの電極群(X電極6、Y電極7)は、順に積層される誘電体層8および保護膜9で被覆されている。X電極6およびY電極7は、PDP1の画像表示領域においては、全面にわたって誘電体層8に被覆され、端部は、誘電体層8から露出している。このX電極6およびY電極7の端部は、各電極を外部の電気回路と電気的に接続するための外部接続端子に電気的に接続されている。
【0030】
一方、背面基板構造体3は、主にガラスで構成される背面基板(第2ガラス基板)10を有している。背面基板10は、表示面側の基板ではないので、ガラス以外の材料を用いることもできるが、製造工程上の理由(耐熱性や、各種部材との密着性など)からガラス材料で構成することが好ましく、一般に背面基板10は透光性のあるガラス材料で構成される。背面基板10の前面基板構造体2と対向する面側には、複数のアドレス電極11が形成されている。各アドレス電極11は、X電極6およびY電極7が延在する方向と交差する(略直交する)列方向DYに沿って延在するように形成されている。また、各アドレス電極11は、互いに略平行となるように所定の配置間隔を持って配置されている。このアドレス電極11と、前面基板構造体2に形成されたY電極7とは、セル12の点灯/非点灯を選択するための放電であるアドレス放電を行うための電極対を構成する。
【0031】
アドレス電極11は、主にガラス材料で構成される誘電体層13で被覆されている。このアドレス電極11も前述したX電極6およびY電極7と同様に、その端部が誘電体層13から露出しており、外部の電気回路(例えばアドレス駆動回路)と電気的に接続するための外部接続端子に電気的に接続されている。
【0032】
誘電体層13上には背面基板構造体3の厚さ方向に伸びる複数の隔壁14が形成されている。隔壁14は例えばアドレス電極11が延在する列方向DYに沿って形成される。背面基板10の前面(内面)側は隔壁14により複数の放電空間4に区画されている。図1に示すように、放電空間4をセル12毎に格子状に区画する隔壁14の配置構造はボックス構造と呼ばれる。隔壁14の配置構造は、ボックスリブ構造の他、セル12毎にアドレス電極11の延在する列方向DYに沿って帯状に区画するストライプリブ構造と呼ばれる構造としても良い。
【0033】
この隔壁14には、ガラス材料に軟化点を低下させるためのフィラー材が添加された低融点ガラスと呼ばれる材料が用いられる。このため、隔壁14は可視光を通過させる透光性を有し、特に、図1に示すように隔壁14の頂部に蛍光体15が付着していない場合や隔壁14の厚さ(背面基板10側から前面基板5の方向に延びる高さ)が薄い(低い)場合には、PDP1の前面2a側から背面3b側が透けて見える状態となっている。つまり、隔壁14が配置された領域は、背面3b側から前面2aの方向に可視光を通過させる透光性を有している。
【0034】
また、アドレス電極11上の誘電体層13の上面、および隔壁14の側面には、真空紫外線により励起されて赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の可視光を発生する蛍光体15r、15g、15bがそれぞれ所定の位置に形成されている。また、各放電空間4には、放電ガスと呼ばれる例えばNe−Xeなどのガスが所定の圧力で封入されている。
【0035】
ここで、蛍光体15は、蛍光体粒子を樹脂ペースト状に混合させた蛍光体ペーストと呼ばれるペーストを隔壁14で区画される各領域内に塗布した後、加熱して蛍光体ペースト中の樹脂成分を蒸発させることにより形成される。塗布方法としては、スクリーン印刷法あるいはディスペンス法(ノズルから蛍光体ペーストを吐出して塗布する方法)が一般に用いられるが、この時、蛍光体ペーストの一部が隔壁14の頂部に付着する場合がある。隔壁14の頂部に蛍光体15が付着した状態でPDP1を組み立てる方法もあるが、この場合、隔壁14の頂部と保護膜9との間に蛍光体15が配置されることとなる(図示は省略)が、この場合、隔壁14の頂部に配置された蛍光体15が放電時に保護膜9に悪影響を及ぼし、保護膜9の寿命が低下することがわかった。
【0036】
そこで、本実施の形態1では図1に示すように、隔壁14の頂部には蛍光体15は形成されていない。詳しく説明すると、蛍光体15を形成する工程において、隔壁14の頂部に蛍光体ペーストの一部が付着した際に、この蛍光体ペーストあるいは蛍光体15を取り除く工程が含まれている。この蛍光体除去工程は、例えば、隔壁14の頂部を研磨することにより行われる。このような蛍光体除去工程を行うことにより、隔壁14の頂部には蛍光体15が配置されない状態とすることができるので、保護膜9の寿命を延長することができる。しかし、蛍光体除去工程を行わないPDPと比較すると隔壁14の厚さが薄くなり、また、可視光透過の阻害要因となる蛍光体15が保護膜9との間に配置されないので、隔壁14はより、可視光を透過し易くなる。
【0037】
PDP1では、一対のX電極6、Y電極7とアドレス電極11との交差に対応して1個のセル12が構成される。つまり、セル12は表示電極対(X電極6とY電極7の対)とアドレス電極11の交差毎に形成される。セル12の平面積は一対のX電極6とY電極7の配置間隔と、隔壁14の配置間隔により規定される。また、各セル12には、赤用の蛍光体15r、緑用の蛍光体15g、または青用の蛍光体15bのいずれかがそれぞれ形成されている。
【0038】
このR、G、Bの各セル12のセットにより画素(ピクセル)が構成される。つまり、各蛍光体15r、15g、15bのそれぞれはPDP1のサブピクセルを構成する発光素子であり維持放電によって発生する所定波長の真空紫外線に励起されて赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の可視光を発光する。
【0039】
<PDPモジュールの全体構成と駆動方式>
次に、図2〜図4を用いて図1に示すPDP1を組み込んだPDPモジュールの駆動方式について説明する。図2は図1に示すPDPを組み込んだPDPモジュールの全体構成を概略的に示すブロック図である。また、図3は図2に示すPDPモジュールにおける諧調駆動シーケンスの一例を示す説明図、図4は図2に示すPDPモジュールにおける駆動波形の一例を示す説明図である。
【0040】
図2において、PDPモジュールに組み込まれるPDP1は、X電極6、Y電極7、アドレス電極11、等より構成されている。また、それぞれの電極(X電極6、Y電極7、アドレス電極11)間に電圧を印加するために、アドレス駆動回路ADRV、YスキャンドライバYSCDRV、Y駆動回路YSUSDRV、X駆動回路XSUSDRVが電気的に接続されている。また、PDPモジュールは、各駆動回路(ドライバ)を制御するための制御回路CNTを備えている。
【0041】
PDP1は、サステイン放電(維持放電、表示放電)を行うX電極(X1,X2,X3,・・・Xn)6とY電極(Y1,Y2,Y3,・・・Yn)7とが交互に配置されて表示ラインを構成し、X電極6およびY電極7の対で構成される表示電極対と該表示電極対(表示ライン)と略直交するアドレス電極(A1,A2,A3,・・・An)11との交差毎にマトリクス状のセルが構成されている。
【0042】
YスキャンドライバYSCDRVは、アドレス過程TA(図3参照)において、Y電極7を制御して順次Y電極(表示ライン)7を選択し、アドレス駆動回路ADRVに電気的に接続されたアドレス電極11と各Y電極7との間で、各サブフィールドSF1〜SFn(図3参照)に対するセルの点灯/非点灯を選択するアドレス放電を生じさせる。
【0043】
また、Y駆動回路YSUSDRVおよびX駆動回路XSUSDRVは、表示過程TS(図3参照)において、アドレス放電により選択されたセルに対して各サブフィールドの重みに応じた数の維持放電(サステイン放電)を生じさせる。
【0044】
また、制御回路CNTは、例えば、TVチューナやコンピュータ等の外部装置から入力される画像データや信号からそれぞれの駆動回路(ドライバ)に適した制御信号を出力して所定の画像表示を行う役割を果たしている。
【0045】
また、図3に示されるように、PDPモジュールにおける階調駆動シーケンスは、1フィールド(フレーム)F1をそれぞれ所定の輝度の重みを有する複数のサブフィールド(サブフレーム)SF1〜SFnで構成し、各サブフィールドSF1〜SFnの組み合わせにより所望の階調表示を行うようになっている。
【0046】
複数のサブフィールドの構成例を説明すると、例えば、2の巾乗の輝度重みを有する8つのサブフィールドSF1〜SF8(維持放電の回数の比が1:2:4:8:16:32:64:128)により256階調の表示を行うようになっている。なお、サブフィールドの数および各サブフィールドの重みは様々な組み合わせが可能なのはいうまでもない。
【0047】
また、各サブフィールドSF1〜SFnは、それぞれ表示領域における全てのセルの壁電荷を均一にする初期化過程(リセット期間)TR、点灯セルを選択するアドレス過程(アドレス期間)TA、および、選択されたセルを輝度(各サブフィールドの重み)に応じた回数だけ放電(点灯)させる表示過程(維持放電期間)TSで構成され、各サブフィールドの表示毎に輝度に応じてセルを点灯させ、例えば、8つのサブフィールド(SF1〜SF8)を表示することで1フィールドの表示を行うようになっている。
【0048】
次に、図4では図3に示す各サブフィールドSF1〜SFnにおける図1に示す各電極(X電極6、Y電極7、アドレス電極11)に印加する駆動波形例(PX,PY,PA)を示している。
【0049】
まず、第1のステップとして、初期化過程TRでは、X電極6(図1参照)とY電極7(図1参照)との間でリセット放電を発生させることにより、全てのセルに電荷(壁電荷)を形成して全セルの初期化(次のアドレス動作期間に備える状態にすること)を行う。
【0050】
この初期化過程TRでは例えば、図4に示すように、それぞれPDP1の表示電極対を構成するX電極6に正のY書き込み鈍波PY1を、Y電極7に負のX電圧PX1を印加する。これにより、X電極6が陰極、Y電極7が陽極となって両電極間でリセット放電が発生し、全てのセルに壁電荷が形成される。
【0051】
続いてセル内に形成された壁電荷を必要量残して消去するY補償鈍波PY2とX補償電圧PX2が印加される。これにより、全セルに形成された壁電荷の量が略一様になる。
【0052】
このように初期化過程TRにおいて、リセット放電を発生させるための電圧波形として、Y書き込み鈍波PY1やX電圧PX1のように後述する繰り返し維持パルスPX5、PX6、PX7、PY5、PY6、PY7と比較して緩やかな波形を印加することにより、リセット放電が過大な放電状態となることを防止することができる。
【0053】
次に、第2のステップとして、アドレス過程TAでは、点灯させることを選択するセルに対し、アドレス電極11(図1参照)とY電極7との間でアドレス放電を発生させることにより、セルの点灯/非点灯を選択する。また、それに続く表示電極(X電極6、Y電極7)対での放電(維持放電、表示放電)を発生させる。
【0054】
このアドレス過程TAでは、例えば、図4に示すように、行方向の表示するセルを決める放電を行うため、Y電極7に走査パルスPY3が、X電極6にX電圧PX3が印加される。この走査パルスPY3は行毎にタイミングをずらして印加される。
【0055】
一方、アドレス電極11には、列方向の表示するセルを決める放電を行うため、アドレスパルスPA1が印加される。このアドレスパルスPA1は、行毎に印加される走査パルスPY3に合わせて印加され、Y電極7とアドレス電極11との交点に形成される表示させたいセルに放電を発生させるタイミングで印加される。
【0056】
次に、第3のステップとして、表示過程TSでは、点灯させることを選択したセルのX電極6、Y電極7の間で維持放電(表示放電、サステイン放電)を維持させ、当該セルを所定期間の間発光させる。
【0057】
この表示過程TSでは、例えば、図4に示すように、異なる電気的極性を有する第1の維持パルスPX4、PY4をそれぞれX電極6とY電極7に印加する。これにより、表示電極対間の放電状態が維持される。
【0058】
続いて、X電極6およびY電極7に、互いに電気的極性の異なる繰り返し維持パルスPX5、PX6、PX7、PY5、PY6、PY7が繰り返し印加されることにより、表示電極対間の放電状態がさらに維持される。
【0059】
図4に示すように、維持パルスPX4、PX5、PX6、PX7および維持パルスPY4、PY5、PY6、PY7はその電気的極性が交互に入れ替わる。つまり、X電極6とY電極7とは、維持放電の際に、交互に陰極あるいは陽極となって繰り返し放電がなされる。
【0060】
以上本実施の形態1のPDP装置の全体構成と、階調駆動方法の例について説明したが、種々の変形例が存在することは言うまでもない。例えば、図4で説明した駆動波形において、印加するパルスあるいは電圧の電気的極性を反転させても良い。この場合、図4に示す初期化過程TRでは、X電極6が陽極に、Y電極7が陰極になる。また、例えば、図4に示す駆動波形に加え、表示過程TSの最後に壁電荷消去のための電圧波形を加えることもある。
【0061】
<PDPモジュールの構造例>
次に、図5を用いて、本実施の形態1のPDPモジュールの構造例について説明する。図5は、図1に示すPDPを組み込んだ本実施の形態1のPDPモジュールの構造例を示す要部分解斜視図、図6は図5に示すPDPモジュールの一部を拡大して示す要部拡大断面図である。なお、図5および図6では、見易さのため、シャーシ部材21の背面21b側に配置された回路基板などの部材は図示を省略している。以後PDPモジュールの斜視図や断面図を示す場合にも同様にこれらの部材は図示を省略する。
【0062】
図5および図6において、PDPモジュール20はPDP1と、PDP1の表示面と反対側に位置する背面3b側に配置され、PDP1を支持するシャーシ部材21と、PDP1とシャーシ部材21とを固定する複数の両面接着部材22とを有している。また、PDPモジュール20は、サステイン回路(維持回路)、走査回路、アドレス駆動回路などの駆動回路や電源回路、制御回路など複数の電気回路を有し、これらの電気回路がシャーシ部材21の背面21b側に配置される複数の回路基板(図示は省略)に分けて形成されている。
【0063】
各部の構成を詳しく説明すると、まず、PDP1は図5に示すように表示面側に配置される前面(第1の面)2aと、この反対に位置する背面(第2の面)3bとを有している。
【0064】
シャーシ部材21はPDP1の背面3bと対向する前面(第3の面)21aとこの反対に位置する背面21bとを有している。シャーシ部材21の前面21aは複数の両面接着部材22を介してPDP1の背面3bと固定されている。シャーシ部材21はPDP1を支持する構造体なので、強度が要求される。また、PDP1で発生した熱を背面側に伝達する機能も要求される。PDP1で発生した熱についてシャーシ部材21を介して背面側に排出し、PDP1の温度上昇に伴う不具合を防止するためである。したがって、シャーシ部材21には、PDP支持部材としての強度、あるいは熱伝導特性の観点から、アルミニウム系あるいは鉄系などの金属材料を用いている。
【0065】
また、両面接着部材22は、前面(第4の面)22aおよび背面(第5の面)22bを有しており、この両面が接着性を有している。そして、前面22aはPDP1の背面3bと、背面22bはシャーシ部材21の前面21aとそれぞれ接着し、PDP1とシャーシ部材21とを固定している。
【0066】
両面接着部材22は、主にアクリル系やシリコン系など合成樹脂材料によって構成される。両面接着部材22に強固な接着性を有する樹脂材料を用いれば、樹脂材料単体で構成することもできるが、両面接着部材22を複数層の材料で構成し、前面22aおよび背面22bに接着強度がより高い樹脂材料を用いる構成としても良い。この場合接着層の間に該接着層よりも熱伝導率が高い金属やカーボングラファイトなどの材料で構成される中間層を放熱シートとして配置することができるので、両面接着部材の熱伝導特性を向上させることができる。また、放熱性向上の観点からは、前記合成樹脂材料中に金属のフィラー材を混合する構成とすることもできる。
【0067】
また、シャーシ部材21は両面接着部材22を介してPDP1を固定し、これを支持するので、前面22aおよび背面22bの接着強度は高い方が良いが、PDPモジュール20は、両面接着部材22と、PDP1あるいはシャーシ部材21との接着面積をある程度広く確保できるので、例えばポスター用テープなど一般的な両面接着テープとして用いられるものを用いることができる。また、前面22aおよび背面22bに感圧接着層を用いれば、圧力により接着の成否を制御することができるので、製造工程を効率化することができる。
【0068】
ここで、複数の両面接着部材22は図5および図6に示すように離間して配置されている。また、図6に示すようにシャーシ部材21の前面21aは、離間した複数の両面接着部材22の隙間22cに露出する露出部21cを有している。このように複数の両面接着部材22を離間して配置するのは、製造工程上の理由、あるいは放熱特性の観点からの理由による。
【0069】
詳しく説明すると、両面接着部材22によるPDP1とシャーシ部材21との固定は例えば以下のように行う。まず、PDP1の背面3bあるいはシャーシ部材21の前面21aのいずれか一方に貼り付けた後、他方を貼り付ける。
【0070】
この時、PDP1の背面3bあるいはシャーシ部材21の前面21aの所定の位置に位置精度良く両面接着部材22を張り付けるためには、両面接着部材22の寸法を狭くする方が良い。寸法が大きくなると、貼り付け時に両面接着部材22に皺などが発生し、PDP1あるいはシャーシ部材21との密着性が低下するからである。
【0071】
特に、近年PDP1が組み込まれたPDP装置に対する大型化の要求により、両面接着部材22を張り付ける面積も増大しており、係る状況下、両面接着部材22を複数の領域に分割して貼り付けることは、必要不可欠である。また、両面接着部材22を複数に分割することにより、貼り付け装置の大型化を防止することができるので、装置の汎用性という観点からも好ましい。
【0072】
また、両面接着部材22を最初にPDP1あるいはシャーシ部材21のいずれか一方に貼り付ける際には、両面接着部材22の接着していない面にはカバーテープが貼り付けられている。したがって、他方の面をPDP1あるいはシャーシ部材21に貼り付ける前に、このカバーシートを剥離する必要があるが、この時、両面接着部材22が離間して配置されている方がカバーテープの剥離が容易になるという効果もある。また、複数の両面接着部材22を離間して配置することにより、隣り合う両面接着部材22の間に図6に示すように隙間22cが生じることとなるので、部材の使用量を低減して、製造コストを低減することができる。
【0073】
しかし、このように複数の両面接着部材22を離間して配置することにより、以下に示す新たな課題が生じることを本発明者は見出した。すなわち、PDP1の表示面である前面2aから観察した時に、背景が一様とならず、表示ムラが視認されてしまうという課題である。
【0074】
本発明者が検討した所、この表示ムラは、PDP1の背面3b側に配置される両面接着部材22の前面22aの色調とシャーシ部材21の前面21aの色調との相違に起因していることが判明した。また、図1に示すようにPDP1の隔壁14と保護膜9との間に蛍光体15が配置されていないPDPを用いた場合、隔壁14が配置された領域が、背面3b側から前面2aの方向に可視光を通過させる透光性を有していることとなるので、この課題が顕在化することが判明した。隔壁14が配置される領域と、隣り合う両面接着部材22の隙間22cと、が重なる領域に表示ムラが発生するためである。
【0075】
なお、両面接着部材22を配置する方法として、液状シリコンなど、液状(ペースト状)の接着剤を塗布して接着する方法がある。しかし、この場合であっても液状の接着剤を塗布する際には接着剤を複数の線状に塗布するので、結果的に線状に塗布した接着剤(両面接着部材)の間には隙間が生じることとなる。したがって、この場合でも隔壁14が配置される領域と該隙間とが重なる領域には表示ムラが発生することとなる。
【0076】
そこで、本発明者は、両面接着部材22の前面22a、およびシャーシ部材21の前面21aの露出部21cにおける色調の関係に着目し、以下の関係を満たす時に表示ムラの発生を防止ないしは抑制できることを実験的に見出した。
【0077】
すなわち、可視光域における分光拡散反射率と、明所視に対する比視感度を乗じた値を可視光の範囲内で人の目が感じる色の強さTとする。また、シャーシ部材21の露出部21cにおける色の強さTのピーク値をT1、色の強さTがピークとなる波長をλ1とする。ここで、両面接着部材22の前面22aにおける色の強さTのピーク値をT2、色の強さTがピークとなる波長をλ2とすると、λ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmで、かつT2≦1.3T1を満たす場合に、表示ムラの発生を防止ないしは抑制できる。以下、本発明者が検討した結果ならびにこの理由について説明する。
【0078】
<シャーシ部材と両面接着部材との色調の関係>
まず、本発明者は、両面接着部材22の前面22a、およびシャーシ部材21の前面21aの露出部21cにおける可視光の拡散反射率に着目し、前面22aおよび露出部21cの可視光域における拡散反射率を所定の範囲内に揃えることについて検討した。
【0079】
なお、単にシャーシ部材21の前面21aの拡散反射率ではなく、露出部21cにおける拡散反射率を対象としたのは以下の理由による。すなわち、図6に示すようにPDPモジュール20において、両面接着部材22の前面22aと、シャーシ部材21の前面21aとは平坦ではなく、両面接着部材22の厚さ分の段差が生じている。したがって、仮に両面接着部材22の前面22aの拡散反射率とシャーシ部材21の前面21aの拡散反射率とを同じ値としても、段差に起因する影等の影響により、表示ムラが認識される場合がある。つまり、両面接着部材22の前面22aの拡散反射率と、シャーシ部材21の前面21aの露出部21cにおける拡散反射率とを揃えることにより、段差に起因する影の影響を考慮することができる。
【0080】
拡散反射率の検討においては、鉄製のシャーシ部材21および図1に示すPDP1を準備して、これらを各色の両面接着部材22を介して配置してPDPモジュール20を作成した。各色の両面接着部材22を用いたPDPモジュール20のそれぞれについて、前面22aおよび露出部21cの拡散反射率を測定するとともに、表示面側である前面2a側からPDPモジュール20を観察し、目視にて表示ムラの評価を行った。評価結果を図7に示す。図7は両面接着部材の色調を変えた複数のPDPモジュールのサンプルにおける分光拡散反射率と表示ムラの評価結果を示す説明図である。なお、図7に示す表示ムラの評価は、◎、○、●、△、▲、×の順で6段階評価を行っている。また、評価基準については、PDPモジュールを点灯させた状態で目視した場合に、表示ムラが全く視認できないものを◎、表示面に近づいて観察すると表示ムラが確認できるが、表示面から1m以上離れると視認できないものを●、1m以上離れても表示ムラが視認できるものを△とした。この評価基準においては、◎〜●の評価のものが実効上表示ムラの発生を防止できたと見做せるので、表示ムラを防止ないしは抑制することのできる良品(合格品)と定義した。
【0081】
図7に示す結果から、基準となるシャーシ部材21の露出部21c(図6参照)の分光拡散反射率がピークとなる波長と、各色の両面接着部材22の前面22a(図6参照)における分光拡散反射率がピークとなる波長との関係は表示ムラの評価とは整合しないことが判った。
【0082】
例えば、表示ムラの評価結果が最も良いサンプル番号C17についてみると、サンプル番号E1のピーク波長に対する差が非常に大きく190nmである。また、分光拡散反射率のピーク値の比較においても、サンプル番号E1に対してサンプル番号C17における分光拡散反射率のピーク値は約半分程度である。一方、例えば、サンプル番号C11について見ると、ピーク波長および分光拡散反射率のピーク値の両者ともサンプル番号E1と近い値となっているが、表示ムラの評価では表示面から1m以上離れても表示ムラが視認されている。
【0083】
すなわち、分光拡散反射率のピーク値およびその波長は、表示ムラの発生を防止ないしは抑制するための管理指標として、これのみでは不十分であり、単にこの値をシャーシ部材21の露出部21cにおける値と近づけるのみでは、表示ムラの発生を十分に抑制できない場合があることが判明した。
【0084】
そこで、本発明者はさらに検討を行い、表示ムラは人間により視認されるものなので、人間目が感じる明るさの度合いという要因を考慮すべきであると考えた。そして、分光拡散反射率の値に人間の目が明るさを感じる度合いを表す係数である比視感度を乗じて補正を行えば、表示ムラの発生を防止ないしは抑制するための管理指標として十分適用できることを見出した。
【0085】
図8〜図10にその結果を示す。図8は、両面接着部材の色調を変えた複数のPDPモジュールのサンプルにおける人の目が感じる色の強さTと表示ムラの評価結果を示す説明図である。また、図9および図10は、可視光領域の波長毎の色の強さTが描く曲線を示す説明図であって、図9は良品(実効上表示ムラの発生を防止できたと見做せるもの)の曲線を、図10は表示ムラが視認されたものの曲線を示している。なお、図8では、各波長における明所視に対する比視感度の図示は省略し、この比視感度を乗じて補正した後の色の強さTのピーク値(T1、T2)を示している。また、図9および図10で示す各曲線に付した符合は図8に示すサンプル番号に対応している。また、図10では、図示する曲線の数が多いので、見易さのためサンプル番号は凡例として示している。
【0086】
図8〜図10において、シャーシ部材21の露出部21c(図6参照)における色の強さTのピーク値をT1、色の強さTがピークとなる波長をλ1とし、両面接着部材22の前面22a(図6参照)における色の強さTのピーク値をT2、色の強さTがピークとなる波長をλ2とした時に、以下の関係を満たせば、表示ムラの発生を防止ないしは抑制できることが判る。すなわち、λ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmで、かつT2≦1.3T1を満たす場合(図9および図10に一点鎖線で囲む領域Gの範囲内にT2のピークが収まる場合)に、表示ムラの発生を防止ないしは抑制できる。この理由については以下のように考えられる。
【0087】
まず、λ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmとすることにより、人の目が感じる色の強さTが最も強い波長域を揃えることができる。光の波長は、人の目が色彩を認識するための要素なので、この波長域を揃えると、露出部21cと前面22aにおける色調を揃えることとなる。この結果、図8に示すサンプル番号C4、C8、C9、C10、C17、C19、C20、C25では表示ムラが防止ないしは抑制されていたと推察される。
【0088】
また、T1とT2の関係については、T2がT1の値に対して1.3倍を超えると、両面接着部材22の前面22a(図6参照)における人の目に感じる色の強さT2が極端に大きくなるため、両面接着部材22の色調が観者である人間の視覚に与える影響が大きい。この結果、図8に示すサンプル番号C1、C3、C5、C6、C7、C13、C14、C15、C16、C18、C23では相対的に色の強さが弱い露出部21c(図6参照)において、表示ムラが視認され易くなる。一方、例えば、図8に示すサンプルC19のように、T2の値がT1と比較して極端に低い場合には、両面接着部材22の色調が観者である人間の視覚に与える影響が小さい。したがって、PDPモジュール20(図6参照)に近づいて観察すると、表示ムラを視認することができるが、1m以上離れれば、表示ムラを認識できない程度となると推察される。
【0089】
以上説明したように、本実施の形態1では、両面接着部材22の前面22aとシャーシ部材21の前面21aの露出部21cにおける色調が、λ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmで、かつT2≦1.3T1の関係を満たすようにすることで、表示ムラの発生を防止ないしは抑制できる。この結果、PDPモジュール20の表示画質を向上させることができる。
【0090】
また、図1に示す保護膜9の寿命延長のため、隔壁14と保護膜9との間の蛍光体15を除去する構造とする場合、あるいは、材料コスト低減のため、隔壁14の厚さ(高さ)を薄く(低く)形成する場合には、隔壁14は、可視光をより透過し易くなる。このようなPDP1を組み込んだPDPモジュール20においては、上記した表示ムラの発生が特に問題となるため、両面接着部材22とシャーシ部材21との色調の関係を上記したようにλ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmで、かつT2≦1.3T1の関係を満たすことがその解決策として有効である。
【0091】
また、本実施の形態1によれば、両面接着部材22とシャーシ部材21との色調の関係によって、表示ムラの問題を解決することができるので、PDPモジュール20に組み込まれるPDP1には、特に表示ムラの観点からの制約がない。したがって、PDP1の設計の自由度を向上させることができる。また、PDP1が点灯状態あるいは非点灯状態であるかを問わず、表示ムラを防止ないしは抑制することができる。
【0092】
また、両面接着部材22の前面22aとシャーシ部材21の前面21aの露出部21cにおける色調を上記した所定の関係を満たすようにする場合、両面接着部材22あるいはシャーシ部材21のいずれか一方あるいは両方の色調を調整することとなるが、少なくとも両面接着部材22の色調を調整することが好ましい。これは以下の理由による。
【0093】
図5に示すようにPDP1の背面3bにおいて、両面接着部材22の前面22aと対向する領域の面積は、シャーシ部材21の露出部21c(図6参照)と対向する領域の面積よりも広い。必要な接着強度を確保するためである。このため、表示ムラに対する影響の程度は両面接着部材22の前面22aの方がシャーシ部材21の露出部21c(図6参照)よりも大きい。ところが、両面接着部材22として用いられる材料は一般に略白色のものが多いため、人の目が感じる色の強さTは、図8あるいは図10に示すように強い。したがって、両面接着部材22の色調を調整する(色の強さTのピーク値が白色よりも低い色調とする)ことにより、表示ムラに対する影響の程度を低減することができる。
【0094】
また、両面接着部材22の色調を調整する手段としては、両面接着部材22に顔料を含有させる方法が適用できる。この際、含有させる材料によっては、両面接着部材22の接着力を低下させてしまう懸念がある。しかし、本実施の形態1によれば、図8あるいは図9に示すように、両面接着部材22が備えるべき色調の範囲が広い。したがって、両面接着部材22に含有させる顔料についても、その選択可能な範囲が広いので、接着性を低下させることなく最適な顔料を選択することができる。
【0095】
また、表示ムラを完全に防止するという観点からは、両面接着部材22の前面22aとシャーシ部材21の前面21aとが同系の色調を有することが特に好ましい。図8に示すサンプル番号C17の結果より、視聴距離によらず、表示ムラを防止することができるので、表示画質をさらに向上させることができるからである。
【0096】
(実施の形態2)
本実施の形態2のPDPモジュールは図11、図12に示すように、複数の両面接着部材22の隙間22cに、PDP1の背面3bと対向する前面(第6の面)26aを有する補間部材26が配置されるものである。図11は本実施の形態2のPDPモジュールの構造例を示す要部分解斜視図、図12は図11に示すPDPモジュールの一部を拡大して示す要部拡大断面図である。また、図13は図12に示すPDPモジュールの変形例を示す要部拡大断面図である。
【0097】
なお、図11〜図13に示すPDPモジュール25、27は、補間部材26、28が配置されている点を除き、前記実施の形態1で説明したPDPモジュール20と同様な構造であるため、重複する説明は省略する。ただし、本実施の形態2のPDPモジュール25、27では、補間部材26、28を配置することで、シャーシ部材21の前面21aがPDP1の背面3b側に露出しない構造となっている。したがって、シャーシ部材21の前面21aの色調は表示ムラに影響を与えないので、前記実施の形態1で説明した所定の関係を有している必要はなく、任意の色調とすることができる。
【0098】
図11および図12において、複数の両面接着部材22の隙間22cに、PDP1の背面3bと対向する前面26aを有する補間部材26が配置されている。また、両面接着部材22の前面22a、および補間部材26の前面26aの色調は以下の関係を有している。すなわち、可視光域における分光拡散反射率と、明所視に対する比視感度を乗じた値を可視光の範囲内で人の目が感じる色の強さTとする。また、補間部材26の前面26aにおける色の強さTのピーク値をT1、色の強さTがピークとなる波長をλ1とし、両面接着部材22の前面22aにおける色の強さTのピーク値をT2、色の強さTがピークとなる波長をλ2とすると、λ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmで、かつT2≦1.3T1を満たしている。
【0099】
つまり、本実施の形態2のPDPモジュール26は、PDP1の背面3b側を両面接着部材22の前面22a、および補間部材26の前面26aで覆い、かつ、前面22a、26aの色調が前記実施の形態1で説明した所定の関係を満たすようにすることで表示ムラを防止するものである。なお、上記所定の関係を満たすことにより、表示ムラを防止ないしは抑制することができる理由については、前記実施の形態1で説明した内容と同様なので省略する。
【0100】
本実施の形態2によれば、前記実施の形態1で説明した効果に加え、以下の効果が得られる。すなわち、PDP1の背面3b側にシャーシ部材21の前面21aを露出させないので、シャーシ部材21は表示ムラへの影響を考慮することなく、放熱性あるいは強度の観点から最適な材料を選択することができる。
【0101】
また、補間部材26は、表示ムラを防止するために配置される材料であって、隣り合う両面接着部材22の間の隙間22cを埋めるのに必要な面積を有していれば良い。したがって、PDP1の背面3bの総面積における補間部材26の前面26aが占める面積は、両面接着部材22の前面22aが占める面積よりも小さい。したがって、シャーシ部材21とPDP1とを固定するために必要な接着強度は両面接着部材22により確保することができるので、補間部材26の前面26aとPDP1の背面3bとの接着強度は、両面接着部材22の前面22aとPDP1の背面3bとの接着強度よりも弱くしても良い。例えば、補間部材26には、接着力を有しない材料を用いることもできる。この場合、補間部材26を構成する材料の選択肢がさらに広がるため、前面26aと前面22aとの色調を容易に上記した所定の関係を満たすように調整することができる。
【0102】
このように、本実施の形態2によれば、補間部材26の前面26aの色調を容易に調整することができるので、両面接着部材22は、一般的な接着材料を用いることができる。ただし、前記実施の形態1で説明したように、表示ムラに対する影響がより大きい両面接着部材22の影響を低減する観点からは、両面接着部材22に顔料を含有させ、その色調を調整する(色の強さTのピーク値が白色よりも低い色調とする)ことにより、表示ムラに対する影響の程度を低減する方がより好ましい。
【0103】
また、前記実施の形態1で説明したように、表示ムラを完全に防止するという観点からは、両面接着部材22の前面22aと補間部材26の前面26aとが同系の色調を有することが特に好ましい。視聴距離によらず、表示ムラを防止することができるので、表示画質をさらに向上させることができるからである。
【0104】
なお、PDP1の背面3b側にシャーシ部材21の前面21aを露出させない構造という観点からは、図13に示すPDPモジュール27のように、背面(第7の面)28bがシャーシ部材21の前面21aと密着する構造としても良い。しかし、図11および図12に示すPDPモジュール25の構造の方がより好ましい。以下その理由について説明する。
【0105】
図11あるいは図13に示す補間部材26、28は、シャーシ部材21の前面21aをPDP1の背面3b側に露出させないように隙間22cを覆うように配置する必要がある。したがって、図13に示すように、両面接着部材22の間の隙間に完全に埋め込むような補間部材28を配置する場合、シャーシ部材21の前面21aが露出しないようにする必要があるので、高い位置精度が要求される。
【0106】
一方、図11に示すPDPモジュール25が有する補間部材26は、複数の両面接着部材22の隙間22cよりも広い幅を有している。したがって、補間部材26の両端部(詳しくは、矩形状の補間部材26の外縁を構成する4辺のうち対向する2辺)は、隣り合う両面接着部材22の前面22a上に配置される。つまり、補間部材26の背面26bの両端部は両面接着部材22の前面22aと対向接触している。
【0107】
このため、補間部材26の端部の位置と両面接着部材22の側面の位置とを一致させなくとも良く、前面22aと背面26bとが重なる領域を有している分、要求される位置精度が低い。すなわち、隙間22cを容易に被覆することができる。このため、PDPモジュール25はPDPモジュール27と比較して製造効率を向上させることができる。また、シャーシ部材21の前面21aをより確実に被覆することができるので、前面21aの色調に起因する表示ムラへの影響を確実に排除することができるので、表示画質を向上させることができる。
【0108】
ところで、隙間22cよりも広い幅を有する補間部材26を用いる場合、両面接着部材22の前面22aがPDP1の背面3bと接触しなくなる懸念がある。しかし、本実施の形態2のPDPモジュール25が有する補間部材26は両面接着部材22よりも厚さが薄い。また、両面接着部材22は、弾性を有しており補間部材26を薄くすることにより、両面接着部材22の補間部材26と重なる領域は図12に示すように圧縮され、補間部材26の前面26aと両面接着部材22の前面22aとは略同一平面に配置される。したがって、前面22aとPDP1の背面3bとを接触させることができる。
【0109】
このように、補間部材26は隙間22cよりも広い幅を有しているが、両面接着部材22よりも厚さが薄いので、両面接着部材22とPDP1とを確実に接触させ、PDP1を支持するために必要な接着強度を確保することができる。
【0110】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0111】
例えば、実施の形態1、2では複数の両面接着部材が離間して配置された実施態様について説明したが、両面接着部材22が離間して配置されていない場合であっても、例えば、両面接着部材22の一部に貫通孔が形成されており、該貫通孔が形成された領域において、シャーシ部材21の前面21aが露出するような場合には、表示ムラが発生し得る。しかし、実施の形態1、2で説明したようにシャーシ部材21の露出部における色の強さTのピーク値をT1、色の強さTがピークとなる波長をλ1とし、両面接着部材22の前面22aにおける色の強さTのピーク値をT2、色の強さTがピークとなる波長をλ2とする。この時λ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmで、かつT2≦1.3T1を満たすようにすることで、表示ムラの発生を防止ないしは抑制することができる。
【0112】
また、例えば、実施の形態1、2ではシャーシ部材21をPDP支持部材としての強度、あるいは熱伝導特性の観点から、アルミニウム系あるいは鉄系などの金属材料として説明したが、表示ムラを防止ないしは抑制する観点からは、シャーシ部材21は金属材料には限定されない。
【0113】
また、実施の形態1、2ではPDP装置の例としてPDPモジュールについて説明したが、PDPモジュールを外部筐体でカバーしたPDPセットに適用しても良いことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、両面接着部材が複数に分割して接着されているプラズマディスプレイ装置に対して適用可能であり、特に高い透光性を有するプラズマディスプレイパネルと組み合わせた場合には、その効果は高く、産業上の利用可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の一実施の形態であるPDPの要部を拡大して示す要部拡大分解斜視図である。
【図2】図1に示すPDPを組み込んだPDPモジュールの全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図2に示すPDPモジュールにおける諧調駆動シーケンスの一例を示す説明図である。
【図4】図2に示すPDPモジュールにおける駆動波形の一例を示す説明図である。である。
【図5】図1に示すPDPを組み込んだ本実施の形態1のPDPモジュールの構造例を示す要部分解斜視図である。
【図6】図5に示すPDPモジュールの一部を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図7】両面接着部材の色調を変えた複数のPDPモジュールのサンプルにおける分光拡散反射率と表示ムラの評価結果を示す説明図である。
【図8】両面接着部材の色調を変えた複数のPDPモジュールのサンプルにおける人の目が感じる色の強さTと表示ムラの評価結果を示す説明図である。
【図9】可視光領域の波長毎の色の強さTが描く良品(実効上表示ムラの発生を防止できたと見做せる)の曲線を示す説明図である。
【図10】可視光領域の波長毎の色の強さTが描く表示ムラが視認されたものの曲線を示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施の形態であるPDPモジュールの構造例を示す要部分解斜視図である。
【図12】図11に示すPDPモジュールの一部を拡大して示す要部拡大断面図である。
【図13】図12に示すPDPモジュールの変形例を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0116】
1 PDP(プラズマディスプレイパネル)
2 前面基板構造体(第1基板構造体)
2a 前面(第1の面)
3 背面基板構造体(第2基板構造体)
3b 背面(第2の面)
4 放電空間
5 前面基板(第1ガラス基板)
6 X電極(表示電極、維持電極)
7 Y電極(表示電極、走査電極)
8 誘電体層
9 保護膜
10 背面基板(第2ガラス基板)
11 アドレス電極
12 セル
13 誘電体層
14 隔壁
15、15r、15g、15b 蛍光体
20、25、27 PDPモジュール
21 シャーシ部材
21a 前面(第3の面)
21b 背面
21c 露出部
22 両面接着部材
22a 前面(第4の面)
22b 背面(第5の面)
22c 隙間
26、28 補間部材
26a、28a 前面(第6の面)
26b、28b 背面(第7の面)
ADRV アドレス駆動回路
CNT 制御回路
XSUSDRV X駆動回路
YSUSDRV Y駆動回路
YSCDRV Yスキャンドライバ
F1 1フィールド(フレーム)
SF サブフィールド(サブフレーム)
TR 初期化過程(リセット期間)
TA アドレス過程(アドレス期間)
TS 表示過程(維持放電期間)
DX 行方向(第1方向)
DY 列方向(第2方向)
PX1 X電圧
PY1 Y書き込み鈍波
PX2 X補償電圧
PY2 Y補償鈍波
PX3 X電圧
PY3 走査パルス
PA1 アドレスパルス
PX4、PY4 第1の維持パルス
PX5、PX6、PX7、PY5、PY6、PY7 繰り返し維持パルス
T、T1、T2 色の強さ
λ1、λ2 波長
E1、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25 サンプル番号
G 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマディスプレイパネルと、
前記プラズマディスプレイパネルを支持するシャーシ部材と、
前記プラズマディスプレイパネルと前記シャーシ部材との間に配置され、前記プラズマディスプレイパネルと前記シャーシ部材とを接着する接着部材と、を備えるプラズマディスプレイ装置であって、
前記シャーシ部材は前記接着部材に覆われない領域を備え、
可視光域における分光拡散反射率と、明所視に対する比視感度を乗じた値を色の強さTとする場合に、
前記シャーシ部材の表示面側における色の強さTのピーク値をT1、前記色の強さTがピークとなる波長をλ1とし、前記接着部材の表示面側における色の強さTのピーク値をT2、前記色の強さTがピークとなる波長をλ2としたとき、λ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmで、かつT2≦1.3T1を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記プラズマディスプレイパネルは、第1ガラス基板、前記第1ガラス基板と対向配置される第2ガラス基板、および前記第1、第2ガラス基板の間に形成され、前記第1、第2ガラス基板の内面側を複数の放電空間に区画する隔壁、を有し、
前記隔壁が配置された領域は、前記第2ガラス基板側から前記第1ガラス基板の方向に可視光を通過させる透光性を有していることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記接着部材は、顔料を含有していることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記接着部材の前記プラズマディスプレイパネルと対向する面、および前記シャーシ部材の前記プラズマディスプレイパネルと対向する面は同系の色調を有していることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項5】
表示面側に配置される第1の面、および前記第1の面の反対側に位置する第2の面を有するプラズマディスプレイパネルと、
前記プラズマディスプレイパネルの前記第2の面と対向する第3の面を有し、前記プラズマディスプレイパネルを支持するシャーシ部材と、
前記プラズマディスプレイパネルの前記第2の面と接着する第4の面、および前記シャーシ部材の前記第3の面と接着する第5の面を有し、前記プラズマディスプレイパネルと前記シャーシ部材とを固定する複数の両面接着部材と、を備え、
前記複数の両面接着部材はそれぞれ離間して配置され、
前記シャーシ部材の前記第3の面は、離間した前記複数の両面接着部材の隙間に露出する露出部を有し、
前記両面接着部材の前記第4の面、および前記シャーシ部材の前記第3の面の前記露出部における色調は以下の関係を有しており、
可視光域における分光拡散反射率と、明所視に対する比視感度を乗じた値を色の強さTとし、
前記シャーシ部材の前記露出部における前記色の強さTのピーク値をT1、前記色の強さTがピークとなる波長をλ1とし、
前記両面接着部材の前記第4の面における前記色の強さTのピーク値をT2、前記色の強さTがピークとなる波長をλ2とすると、λ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmで、かつT2≦1.3T1を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記プラズマディスプレイパネルは、前記第1の面を備える第1ガラス基板、前記第2の面を備える第2ガラス基板、および前記第1、第2ガラス基板の間に形成され、前記第1、第2ガラス基板の内面側を複数の放電空間に区画する隔壁、を有し、
前記隔壁が配置された領域は、前記第2の面側から前記第1の面の方向に可視光を通過させる透光性を有していることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記両面接着部材は、顔料を含有していることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項8】
請求項5に記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記両面接着部材の前記第4の面、および前記シャーシ部材の前記第3の面は同系の色調を有していることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項9】
表示面側に配置される第1の面、および前記第1の面の反対側に位置する第2の面を有するプラズマディスプレイパネルと、
前記プラズマディスプレイパネルの前記第2の面と対向する第3の面を有し、前記プラズマディスプレイパネルを支持するシャーシ部材と、
前記プラズマディスプレイパネルの前記第2の面と接着する第4の面、および前記シャーシ部材の前記第3の面と接着する第5の面を有し、前記プラズマディスプレイパネルと前記シャーシ部材とを固定する複数の両面接着部材と、を備え、
前記複数の両面接着部材はそれぞれ離間して配置され、
前記複数の両面接着部材の隙間には、前記プラズマディスプレイパネルの前記第2の面と対向する第6の面を有する補間部材が配置され、
前記両面接着部材の前記第4の面、および前記補間部材の前記第6の面の色調は以下の関係を有しており、
可視光域における分光拡散反射率と、明所視に対する比視感度を乗じた値を色の強さTとし、
前記補間部材の前記第6の面における前記色の強さTのピーク値をT1、前記色の強さTがピークとなる波長をλ1とし、
前記両面接着部材の前記第4の面における前記色の強さTのピーク値をT2、前記色の強さTがピークとなる波長をλ2とすると、λ1−20nm≦λ2≦λ1+20nmで、かつT2≦1.3T1を満たすことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記補間部材は、前記両面接着部材よりも薄い厚さを有し、前記複数の両面接着部材の隙間よりも広い幅を有していることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項11】
請求項10に記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記補間部材の前記第6の面と前記プラズマディスプレイパネルの前記第2の面との接着強度は、前記両面接着部材の前記第4の面と前記プラズマディスプレイパネルの前記第2の面との接着強度よりも弱いことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項12】
請求項9に記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記プラズマディスプレイパネルは、前記第1の面を備える第1ガラス基板、前記第2の面を備える第2ガラス基板、および前記第1、第2ガラス基板の間に形成され、前記第1、第2ガラス基板の内面側を複数の放電空間に区画する隔壁、を有し、
前記隔壁が配置された領域は、前記第2の面側から前記第1の面の方向に可視光を通過させる透光性を有していることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項13】
請求項9に記載のプラズマディスプレイ装置において、
前記両面接着部材の前記第4の面、および前記補間部材の前記第6の面は同系の色調を有していることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−20142(P2010−20142A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181125(P2008−181125)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】