説明

プラズマ還元方式の物質処理装置およびプラズマ還元方式の物質処理方法

【課題】食品廃棄物などの処理対象物質をきわめて良好にかつきわめて効率良くプラズマ還元処理することができる物質処理装置1を提供する。
【解決手段】コンベア機構6のリードスクリュー13のスクリュー構成部71が、上流側Aにある第1のグループのスクリュー構成部72と、下流側Bにある第2のグループのスクリュー構成部74とを備えている。第1のグループのスクリュー構成部72は、外筒11との間に実質的な空間を備えていない。第2のグループのスクリュー構成部74は、外筒11との間に少なくとも部分的に実質的な空間を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理すべき物質(以下、「処理対象物質」という。)を移送することができるリードスクリュー式のコンベア機構と、上記コンベア機構によって移送されつつある処理対象物質を加熱することができる加熱槽とを備え、上記コンベア機構が、外筒と、この外筒に回転可能に配された回転軸と、上記外筒の内部空間に配されるように上記回転軸に設けられたリードスクリューとを備え、上記リードスクリューが、上記回転軸にそれぞれ設けられた多数のスクリュー構成部を備えているプラズマ還元方式の物質処理装置に関するものである。また、本発明は、このような物質処理装置を用いて処理対象物質をプラズマ還元するように構成した物質処理方法にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理を施すようにしたゴミ処理装置およびゴミ処理方法として、特許文献1に記載の装置および方法が知られている。そして、この特許文献1に記載のゴミ処理装置およびゴミ処理方法においては、ミル機能によってゴミから分離されたゴミ水分中の細胞壁をプラズマ処理によって破壊して、ゴミ水分の発酵を促し、この発酵によってメタンガスを得るようにしている。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の装置および方法においては、微生物を利用してゴミ水分の発酵を行うようにしているために、プラズマ処理装置におけるプラズマ放電によって、微生物が死滅したり、発酵活動が減退したりする可能性がある。したがって、特許文献1に記載の装置および方法においては、微生物補給装置によって微生物の補給を行う必要がある。
【0004】
また、特許文献1に記載の装置および方法においては、上述のようにメタンガスを得ることができるが、処理されるゴミ自体は、分離されるゴミ水分に相当する分だけ減量されるものの、結局はゴミとして処理される必要がある。
【0005】
また、食品や飼料の圧搾または脱水加工を行う装置として、特許文献2に記載のスクリュープレス式圧搾機が知られている。そして、このスクリュープレス式圧搾機は、透水性を有するスクリーン部材で構成された外筒の内部でスクリューを回転させることによって、被圧搾物を移送しながら脱水するようにしている。また、この特許文献2の装置においては、含水率が大きくて流動性のある被圧搾物を移送する際に、被圧搾物がスクリューの回転翼を乗り越えて逆戻りすることを防止することによって、被圧搾物を効率的に固形化するようにしている。そして、特許文献2に記載の圧搾機によって処理された被圧搾物は、水分が搾り取られた固形物(いわゆる、ケーキ)となって、圧搾機から排出される。さらに、この圧搾機によって圧搾された処理後の被圧搾物が処理前の圧搾物と相違する点は、含水率が低下していることだけである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−288277号公報
【特許文献2】特開平11−245090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の装置および方法によれば、ゴミからメタンガスを得ることができるが、投入されたゴミは、減量されるものの、ゴミとして処理される必要がある。また、ゴミ処理の際に微生物を利用しているので、微生物を用意する必要があるとともに、プラズマ処理装置のプラズマ放電によって、微生物が死滅したり、発酵活動が減退したりすることがあり、このために、微生物を補充する必要もある。
【0008】
また、特許文献2に記載の圧搾機によれば、被圧搾物を効率的に圧搾処理することができるが、この圧搾機によって圧搾された処理後の被圧搾物が処理前の圧搾物と相違する点は、含水率が低下していることだけである。したがって、例えば養豚業者向けの豚の飼料として、含水率が或る程度高いものを得ようとする場合、飼料として給餌する前に水分を付加する手間が必要になる。また、被圧搾物の含水率を低くするだけなので、飼料としての有用な成分(換言すれば、家畜の肥育に必要な栄養素)は、圧搾によって流出する水分とともに減少することはあっても、増加することはない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、その第1の観点においては、処理対象物質を移送することができるリードスクリュー式のコンベア機構と、上記コンベア機構によって移送されつつある処理対象物質を加熱することができる加熱槽とを備え、上記コンベア機構が、外筒と、この外筒に回転可能に配された回転軸と、上記外筒の内部空間に配されるように上記回転軸に設けられたリードスクリューとを備え、上記リードスクリューが、上記回転軸にそれぞれ設けられた多数のスクリュー構成部を備え、上記多数のスクリュー構成部が、上記外筒の上記内部空間の第1の領域に配された第1のグループのスクリュー構成部と、上記外筒の上記内部空間のうちの上記第1の領域よりも下流側の第2の領域に配された第2のグループのスクリュー構成部とを備え、上記第1のグループのスクリュー構成部が、上記回転軸の軸心方向から見たときに、上記外筒の内周面にほぼ取り囲まれていて上記外筒の上記内部空間との間に実質的な空間を備えておらず、上記第2のグループのスクリュー構成部が、上記回転軸の軸心方向から見たときに、上記外筒の上記内周面から実質的に離れている部分を有していて上記外筒の上記内部空間との間に少なくとも部分的に実質的な空間を備えていることを特徴とするプラズマ還元方式の物質処理装置に係るものである。
【0010】
そして、本発明の上記第1の観点の第1の態様においては、上記第1のグループのスクリュー構成部が、上記外筒の小径パイプ部の内部空間に配され、上記第2のグループのスクリュー構成部が、上記外筒の大径パイプ部の内部空間に配されているのが好ましい。また、本発明の上記第1の観点の第2の態様においては、上記大径パイプ部の上記内部空間の下端が、上記小径パイプ部の上記内部空間の下端と実質的に面一であるのが好ましい。
【0011】
そして、本発明の上記第1の観点の第3の態様においては、上記第2のグループのスクリュー構成部が、上記第1のグループのスクリュー構成部とその間隔のピッチが実質的に同一の第3のグループのスクリュー構成部と、上記第3のグループのスクリュー構成部よりもその間隔のピッチが大きい第4のグループのスクリュー構成部と、上記第3のグループのスクリュー構成部とその間隔のピッチが実質的に同一の第5のグループのスクリュー構成部とを備え、上記第3のグループのスクリュー構成部が、上記第4のグループのスクリュー構成部よりも上流側に配され、上記第5のグループのスクリュー構成部が、上記第4のグループのスクリュー構成部よりも下流側に配されているのが好ましい。また、本発明の上記第1の観点の第4の態様においては、上記第4のグループのスクリュー構成部が、上記加熱槽の加熱用内部空間に配されているのが好ましい。
【0012】
そして、本発明の上記第1の観点の第5の態様においては、上記第3のグループのスクリュー構成部のうちの少なくとも下流側のスクリュー構成部と、上記第4のグループのスクリュー構成部と、上記第5のスクリュー構成部のうちの少なくとも上流側のスクリュー構成部とが、上記加熱槽の加熱用内部空間に配されているのが好ましい。また、本発明の上記第1の観点の第6の態様においては、上記第1の領域に水を供給することができる水供給部を備えているのが好ましい。
【0013】
さらに、本発明は、その第2の観点においては、上記第1の観点における物質処理装置を用いて処理対象物質をプラズマ還元するように構成したことを特徴とするプラズマ還元方式の物質処理方法に係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、食品廃棄物などの処理対象物質をきわめて良好にかつきわめて効率良くプラズマ還元処理することができる。そして、本発明によれば、特許文献1に記載の装置および方法の場合のように、処理対象物質をゴミとして処理する必要は特になく、また、微生物を用意したり補充したりする必要もない。さらに、本発明によれば、特許文献2に記載の圧搾機の場合のように、含水率が低いものしか得られないのではなく、含水率が高いものも得ることができ、また、飼料などとしての有用な成分が、圧搾によって流出する水分とともに減少するようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例によるプラズマ還元方式の物質処理装置の概略的な斜視図である。(実施例1)
【図2】図1に示す物質処理装置の概略的な正面図である。(実施例1)
【図3】図1のI−I線における縦断面図である。(実施例1)
【図4】図1に示す物質処理装置に用いられているリードスクリュー式のコンベア機構の斜視図である。(実施例1)
【図5】図4に示すコンベア機構のうちの外筒部分を縦断して示すコンベア機構の斜視図である。(実施例1)
【図6】図5に示すコンベア機構の外筒部分とリードスクリュー部分とを互いに分離した状態で示すコンベア機構の斜視図である。(実施例1)
【図7】図4のII−II線における断面図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、本発明の一実施例によるプラズマ還元方式の物質処理装置と、この物質処理装置を用いたプラズマ還元方式の物質処理方法とを、「1、物質処理装置の構成」、「2、コンベア機構の各部の寸法、寸法比などの数値」および「3、物質処理方法の構成」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
1、物質処理装置の構成
図1〜図7に示すプラズマ還元方式の物質処理装置1は、主要な構成要素として、つぎの(ア)項〜(カ)項に記載のものを備えている。
(ア)他の構成要素が直接または間接的に支持されている基台2、
(イ)基台2の上流側Aの部分上に取り付けられている補助台3、
(ウ)補助台3上に載置されて取り付けられているホッパー4、
(エ)基台2の上流側Aを除く部分(換言すれば、上流側Aの部分と下流側Bの部分との中間の部分、および、下流側Bの部分)上に載置されて取り付けられている加熱槽5、
(オ)補助台3の上流側Aの端部から加熱槽5を貫通してこの加熱槽5からさらに下流側Bに向かって突出しているリードスクリュー式コンベア機構6、および
(カ)コンベア機構6の上流側Aの端部付近の下方において補助台3に取り付けられている減速ギヤ付き電動モータ7。
【0018】
図2および図6に示すように、コンベア機構6は、外筒11と、この外筒11を上流側Aから下流側Bまで貫通しているほぼ円形断面の回転軸12と、この回転軸12に配設されたリードスクリュー13とを備えている。そして、外筒11は、上流側Aに配置された径の小さい小径パイプ部14と、下流側Bに配設された径の小さい小径パイプ部15と、これら2つの小径パイプ部14、15の間に配置された径の大きい大径パイプ部16とを備えている。また、これらの小径パイプ部14、15および大径パイプ部16のそれぞれの内部空間は、ほぼ円柱形状に構成されている。さらに、これら2つの小径パイプ部14、15のそれぞれの内側面の下端は、大径パイプ部16の内側面の下端と実質的に面一になっている。したがって、外筒11の内側面の下端には、大径パイプ部16と2つの小径パイプ部14、15との接合箇所において、段差が実質的に存在しないように構成されている。このために、コンベア機構6によって搬送される処理対象物質が特定の箇所に必要以上に滞留するおそれがない。また、コンベア機構6の外筒11の内部に洗浄水を流し込んで外筒11の内部を洗浄するときに、この洗浄水は、外筒11の内部を滞りなく流れることができる。なお、大径パイプ部16の両端部には、リング状の端板部17、18がそれぞれ設けられている。そして、小径パイプ部14の下流側Bの端部には、リング状の端板部19が設けられている。さらに、小径パイプ部15の上流側Aの端部には、リング状の端板部20が設けられている。そして、端板部17と端板部19とは、互いに一体的に結合されている。また、端板部18と端板部20とは、互いに一体的に結合されている。
【0019】
図2に示すように、コンベア機構6の回転軸12の上流側Aの端部には、従動用スプロケット21が配設されている。そして、電動モータ7の出力軸22の先端部には、駆動用スプロケット23が配設されている。また、これら2つのスプロケット21、23の間には、駆動用チェーン24が掛け渡されている。なお、図1および図2において、符号25、26は、電動モータ7を補助台3に支持するための支持板である。
【0020】
図2および図4〜図6に示すように、外筒11の上流側Aの小径パイプ部14には、ホッパー接続用開口27が設けられている。そして、この開口27には、ホッパー4の下端部が対向して配置されている。また、補助台3上には、外筒11の小径パイプ部14内に給水孔(図示せず)を通して水を供給するための水供給部28が載置されて取り付けられている。なお、この水供給部28は、小径パイプ部14内に水を供給することができるように構成されている。そして、この小径パイプ部14内の臭気を含む気体は、この水供給部28を通して脱臭用吸い出しパイプ30に導かれる。なお、この脱臭用吸い出しパイプ30には、流量調節弁、開閉弁などの弁(図示せず)を開閉操作するための操作レバー31が設けられている。
【0021】
図2および図4〜図6に示すように、外筒11の小径パイプ部14の上流側Aの端部には、軸挿通孔32を有するほぼ円板形状の端板部33が配設されている。そして、回転軸12の上流側Aの端部は、端板部33に軸支されるとともに、この軸挿通孔32を貫通して外筒11の外部まで延在しているので、既述のように、スプロケット21をこの上流側Aの端部に配設することができる。また、外筒11の小径パイプ部15の下流側Bの端部には、軸挿通孔34を有するほぼ円板形状の端板部35が配設されている。そして、回転軸12の下流側Bの端部は、端板部35に軸支されている。
【0022】
図1および図2に示すように、加熱槽5の正面側Cの壁体36の外側面には、左右一対のヒータ機構41、42が取り付けられている。そして、これらのヒータ機構41、42の背面側には、正面側Cの壁体36に取り付けられたヒータ用接続パイプ43、44がそれぞれ突設されている。また、ヒータ用接続パイプ43には、脱臭用吸い出しパイプ30の端部が接続されている。なお、図3に示す熱風導入部45、46は、ヒータ用接続パイプ43、44にそれぞれ連通している。さらに、加熱槽5の正面側Cの壁体36には、左右一対のヒータ機構41、42の間に位置するように、排気口47が設けられている。そして、加熱槽5の背面側Dの壁体48にも、排気口47に対応するように、排気口49が設けられている。なお、これらの排気口47、49は、これらのうちのいずれか一方のみを選択的に使用可能にすることができる。そして、図示の実施例においては、排気口47は、蓋51によって閉塞されているので、排気口49のみが使用可能な状態になっている。
【0023】
図3に示すように、加熱槽5は、金属製などの外側筐体52と、この外側筐体52の内側面に取り付けられて配設された耐熱レンガ製などの内側筐体53とを備えている。一方、図1〜図3に示すように、ヒータ用接続パイプ44には、ほぼ逆U字状の水蒸気用吸い出しパイプ54の一端部が接続されている。そして、この吸い出しパイプ54は、外筒11の正面側Cの壁体36の外側面に沿って上方に延在してから外筒11の上面側Eの壁体55の上側面に沿って延在した後に、上面側Eの壁体55を貫通するように下方に延在している。また、この吸い出しパイプ54の下端部には、水蒸気回収用のカバー部材56が取り付けられている。なお、このカバー部材56は、外筒11の大径パイプ部16の外周面の一部分を上方から覆っている。そして、大径パイプ部16の上記一部分には、水蒸気流出のための多数の小孔57が設けられている。また、この水蒸気用吸い出しパイプ54には、流量調整弁、開閉弁などの弁(図示せず)を操作するための操作レバー58が設けられている。
【0024】
図3に示すように、加熱槽5の背面側Dの壁体48には、既述のように、排気口49が設けられている。そして、壁体48には、この排気口49に連通するように、排気用ダクト61の一端部が取り付けられている。そして、この排気用ダクト61には、流量調整弁、開閉弁などの弁(図示せず)を操作するための操作レバー62が設けられている。さらに、図3〜図7に示すように、外筒11の大径パイプ部16の外周囲には、この大径パイプ部16のほぼ軸心方向に沿って延在している好ましくは複数本(図示の実施例においては、ほぼ等角度で4本)のアース線63が配設されている。なお、アース線63のそれぞれは、複数個の絶縁用ガイシ64を介して補強用リブ65に取り付けられている。したがって、補強用リブ65は、大径パイプ部16の補強手段と、アース線63の取り付け手段とを兼用している。そして、アース線63および補強用リブ65は、大径パイプ部16のうちでも、加熱槽5の加熱用の内部空間67に存在している箇所にのみ配設されている。また、アース線63は、当然のことながら、接地されている。さらに、図1および図2に示すように、小径パイプ部15の下流側Bの先端部付近には、排出口66を備えた排出用パイプ部68が設けられている。
【0025】
図2〜図6に示すように、コンベア機構6のリードスクリュー13は、回転軸12の軸心方向に沿ってこの回転軸12にそれぞれ配設された多数のスクリュー構成部71を備えている。そして、図示の実施例においては、回転軸12の軸心方向から見たときの多数のスクリュー構成部71のそれぞれの直径D(図7参照)は、実質的に互いに同一である。また、スクリュー構成部71は、小径パイプ部14にそれぞれ配設された複数の第1のスクリュー構成部72と、小径パイプ部15にそれぞれ配設された複数の第2のスクリュー構成部73と、大径パイプ部16にそれぞれ配設された複数の中間のスクリュー構成部74とを含んでいる。さらに、中間のスクリュー構成部74は、上流側Aから下流側Bに向かって順次配設された複数の第3のスクリュー構成部74a、複数の第4のスクリュー構成部74bおよび複数の第5のスクリュー構成部74cから成っている。
【0026】
図3および図4に示すように、第1のスクリュー構成部72と第3のスクリュー構成部74aとの全体は、これらの構成部72、74aの数だけ巻回したスパイラル状に連続した状態でもって構成されている。そして、第5のスクリュー構成部74cと第2のスクリュー構成部73との全体は、これらの構成部74c、73の数だけ巻回したスパイラル状に連続した状態でもって構成されている。また、第1のスクリュー構成部72のうちの最も上流側Aに存在している第1のスクリュー構成部72から、第3のスクリュー構成部74aのうちの最も下流側Bに存在しているスクリュー構成部74aまでのスクリュー構成部71のピッチ(換言すれば、傾斜の度合いと、配置の間隔との両方であって、以下、「第1のピッチ」という。)Pは、ほぼ一定である。さらに、複数の第5のスクリュー構成部74cのうちの最も上流側Aに存在している第5のスクリュー構成部74cから、第2のスクリュー構成部73のうちの最も下流側Bに存在している第2のスクリュー構成部73までのスクリュー構成部71のピッチ(換言すれば、傾斜の度合いと、配置の間隔との両方であって、以下、「第2のピッチ」という。)Pは、ほぼ一定である。そして、この第2のピッチPは、図示の実施例においては、第1のピッチPとほぼ同一の値である。
【0027】
図3、図4および図6に示すように、第4のスクリュー構成部74bのそれぞれは、残りのスクリュー構成部71のそれぞれとほぼ同形のほぼスパイラル形状(換言すれば、ほぼ1回転のみの短いほぼスパイラル形状)であってよい。したがって、回転軸12の軸心方向から見たときには、上記残りのスクリュー構成部71のそれぞれがほぼ円形であるように、第4のスクリュー構成部74bのそれぞれもほぼ円形であってよく、また、両者74b、71のそれぞれの直径Dは、実質的に互いに同一であってよい。また、第4のスクリュー構成部74bの傾斜の度合い(換言すれば、傾斜のピッチ)は、上記残りのスクリュー構成部71の傾斜のピッチP、Pと実質的に同一であってよい。しかし、複数の第4のスクリュー構成部74bの配置の間隔(換言すれば、配置のピッチであって、以下、「第3のピッチ」という。)Pは、第1のピッチPおよび第2のピッチPのそれぞれのほぼ2倍になっている。
【0028】
2、コンベア機構の各部の寸法、寸法比などの数値
図1〜図7に示すコンベア機構6についての各部の寸法、寸法比などの数値は、つぎの(a)項〜(q)項に記載のとおりである。
(a)スクリュー構成部71の傾斜のピッチ(第1のピッチPおよび第2のピッチPを含む。)のそれぞれは、約100mmであること、
(b)第4のスクリュー構成部74bの配置のピッチ(換言すれば、第3のピッチP)のそれぞれは、約200mmであること、
(c)第4のスクリュー構成部74bを除くスクリュー構成部71の配置のピッチ(換言すれば、第1のピッチPおよび第2のピッチP)は、約100mmであること、
(d)上記(c)項に記載のピッチP、Pに対する上記(b)項に記載の配置のピッチPの比は、約2であること、
(e)スクリュー構成部71が設けられている部分における回転軸12の直径は、約80mmであること、
(f)回転軸12の軸心方向から見たときのスクリュー構成部71の直径Dは、約200mmであること、
(g)小径パイプ部14、15のそれぞれの内径は、約210mmであること、
(h)大径パイプ部16の内径は、約260mmであること、
(i)回転軸12の軸心方向から見たときのスクリュー構成部74a、74bの外周囲によって囲まれる領域の面積に対する、回転軸12の軸心方向から見たときの大径パイプ部16の内部空間の面積の比は、約1.7であること、
(j)上記(g)項に記載の内径に対する上記(h)項に記載の内径の比は、約1.2であること、
(k)第1のスクリュー構成部72の個数は、8個であること、
(l)第2のスクリュー構成部73の個数は、2個であること、
(m)中間のスクリュー構成部74の個数は、18個であること、
(n)第3、第4および第5のスクリュー構成部74a、74b、74cのそれぞれの個数は、6個であること、
(o)第3および第5のスクリュー構成部74a、74cのそれぞれの個数に対する第4のスクリュー構成部74bの個数の比は、1であること、
(p)大径パイプ部16の軸心方向の長さは、約2,600mmであること、および
(q)上記(h)項に記載の内径に対する上記(p)項に記載の長さの比は、約10であること。
【0029】
本発明によるプラズマ還元方式の物質処理装置1の各部の寸法、寸法比などの数値についての好ましい数値範囲を列挙すれば、実用性の観点から見て一般的に、つぎの(A)項〜(Q)項に記載のとおりである。そして、本発明が適用される物質処理装置1には、これらの(A)項〜(Q)項に記載の構成のうちのいずれか1つの構成またはいずれか複数の構成もしくは全部の構成を備えているのが好ましい。なお、つぎの(A)項〜(Q)項におけるカッコ内に記載の数値範囲は、さらに好ましい数値範囲である。また、つぎの(A)項〜(Q)項の記載のそれぞれは、上記(a)項〜(q)項の記載のそれぞれと順次対応している。
【0030】
(A)スクリュー構成部71の傾斜のピッチ(第1のピッチPおよび第2のピッチPを含む。)のそれぞれは、65〜135mm(80〜120mm)の範囲であること、
(B)第4のスクリュー構成部74bの配置のピッチ(換言すれば、第3のピッチP)のそれぞれは、135〜270mm(160〜240mm)の範囲であること、
(C)第4のスクリュー構成部74bを除くスクリュー構成部71の配置のピッチ(換言すれば、第1のピッチPおよび第2のピッチP)は、65〜135mm(80〜120mm)の範囲であること、
(D)上記(C)項に記載のピッチP、Pに対する上記(B)項に記載の配置のピッチPの比は、1.2〜2.8(1.6〜2.4)の範囲であること、
(E)スクリュー構成部71が設けられている部分における回転軸12の直径は、55〜105mm(65〜95mm)の範囲であること、
(F)回転軸12の軸心方向から見たときのスクリュー構成部71の直径Dは、135〜270mm(160〜240mm)の範囲であること、
(G)小径パイプ部14、15のそれぞれの内径は、140〜280mm(170〜250mm)の範囲であること、
(H)大径パイプ部16の内径は、170〜350mm(210〜310mm)の範囲であること、
(I)回転軸12の軸心方向から見たときのスクリュー構成部74a、74bの外周囲によって囲まれる領域の面積に対する、回転軸12の軸心方向からみたときの大径パイプ部16の内部空間の面積の比は、1.2〜3.2(1.4〜2.6)の範囲であること、
(J)上記(G)項に記載の内径に対する上記(H)項に記載の内径の比は、0.8〜1.6(1〜1.4)の範囲であること、
(K)第1のスクリュー構成部72の個数は、4〜12個(6〜10個)の範囲であること、
(L)第2のスクリュー構成部73の個数は、1〜4個(2〜3個)の範囲であること、
(M)中間のスクリュー構成部74の個数は、12〜24個(14〜22個)の範囲であること、
(N)第3、第4および第5のスクリュー構成部74a、74b、74cのそれぞれの個数は、4〜8個(5〜7個)の範囲であること、
(O)第3および第5のスクリュー構成部74a、74cのそれぞれの個数に対する第4のスクリュー構成部74bの個数の比は、0.6〜1.4(0.8〜1.2)の範囲であること、
(P)大径パイプ部16の軸心方向の長さは、1,800〜3,400mm(2,000〜3,100mm)の範囲であること、および
(Q)上記(H)項に記載の内径に対する上記(P)項に記載の長さの比は、6.5〜13.5(8〜12)の範囲であること。
【0031】
3、物質処理方法の構成
図1〜図7に示すプラズマ還元方式の物質処理装置1を用いたプラズマ還元方式の物質処理方法について、つぎに説明する。
【0032】
上記物質処理方法によって処理される処理対象物質は、例えば、従来は廃棄処分されていた食品廃棄物であってよい。このような食品廃棄物は、具体的には、食品生産現場や食品の加工過程においてそれぞれ発生した野菜、穀物、海藻、魚貝類、肉類などであってよい。
【0033】
まず、物質処理装置1を順次運転状態にするとともに、その前後に、処理対象物質をホッパー4内に投入する。なお、このように運転状態にすると、電動モータ7が回転駆動されるので、この電動モータ7の回転が出力軸22、駆動用スプロケット23、駆動用チェーン24および従動用スプロケット21を介してコンベア機構6の回転軸12に伝達されて、この回転軸12が回転する。そして、上述のように投入された処理対象物質は、ホッパー接続用開口27を通して上流側Aの小径パイプ部14内に送り込まれる。この送り込まれた処理対象物質は、第1のスクリュー構成部72によってかきまぜられながら、この第1のスクリュー構成部72によって大径パイプ部16内に送り込まれる。この場合、回転軸12(ひいては、スクリュー構成部71)の回転数は、図示の実施例においては、例えば30r.p.m.であってよい。そして、上記回転数は、実用性の観点から見て一般的に、10〜60r.p.m.の範囲であるのが好ましく、20〜45r.p.m.の範囲であるのがさらに好ましい。また、処理対象物質が上述のように第1のスクリュー構成部72によりかきまぜられることによって、この処理対象物質には摩擦が生じるので、プラズマがこの処理対象物質に発生する。このために、処理対象物質には上記プラズマによってエネルギーを与えられるので、処理対象物質に含まれているアミノ酸がアミノ基とカルボキシル基とに分離するとともに、このように分離したアミノ基およびカルボキシル基によって別のアミノ酸が合成される。同様に、タンパク質についても、アミノ酸Aとアミノ酸Bとが結合して、A−Bという構造の別のタンパク質が形成される。
【0034】
上述のように常温で発生するプラズマは、非熱平衡プラズマとも呼称されるものである。この非熱平衡プラズマは、その電子温度が数万度程度でかつそのガス温度が常温である反応性プラズマの一種であって、電子とイオンと気体分子との間に熱平衡が成立していない状態のプラズマである。そして、この非熱平衡プラズマは、反応温度や圧力とは無関係に化学反応を引き起こさせるために、従来の熱化学的な方法では不可能な化学反応を実現させることができるものである。また、上記プラズマは、
【数1】

の状態にあって、気体温度が室温程度の低温であるから、低温プラズマとも呼ばれる。
【0035】
上流側Aの小径パイプ部14内には、水供給部28から水を供給することができる。そして、このように水を供給した場合には、小径パイプ部14内の処理対象物質中の水分の量が多くなるので、第1のスクリュー構成部72による処理対象物質の移送が良好に行われる。また、水供給部28から供給される水が還元水である場合には、この還元水、上述の低温プラズマ、後述の遠赤外線(具体的には、大径パイプ部16の外周面に塗布されている耐熱塗料から放射される遠赤外線)による光電効果などによって、小径パイプ部14、15および大径パイプ部16内の処理対象物質を全体として還元状態にすることができる。この結果、動きと揺らぎとを生じたアミノ酸のアミノ基とカルボキシル基との再結合が促進されて水分子が離脱するので、新たな−CO−NH−結合が生じる。そして、このような一連の反応が促進されることによって、つぎつぎと新たなアミノ酸が合成される。
【0036】
上述のように、大径パイプ部16内に送り込まれた処理対象物質は、まず、第3のスクリュー構成部74aによって、下流側Bに向かってこの大径パイプ部16内を移送される。この場合、図7に示すように、大径パイプ部16の内周面と第3のスクリュー構成部74aの外周囲との間には、回転軸12の軸心方向から見たときに、大径パイプ部16の内周面の下端から上端に向かって次第に幅が広くなるほぼリング状の空間75が、存在している。このために、第3のスクリュー構成部74aの回転に伴って処理対象物質に加わる圧力が、第1のスクリュー構成部71の回転に伴って処理対象物質に加わる圧力よりも、或る程度減少する。
【0037】
一方、加熱槽5の加熱用内部空間67には、図1および図2に示すヒータ機構41、42からの熱風がヒータ用接続パイプ43、44を通して導入されるので、この加熱用内部空間67は、例えば約200℃に保持される。このために、大径パイプ部16の内部(特に、第4のスクリュー構成部74bが設けられている領域内)の処理対象物質は、大径パイプ部16を通して加熱されるので、平均的に約80℃まで上昇する。また、加熱用内部空間67が例えば約200℃になると、光電効果によって、大径パイプ部16の外周面に塗布されている耐熱塗料から遠赤外線が放射される。なお、加熱用内部空間67の温度は、実用性の観点から見て一般的に、140℃〜260℃の範囲であるのが好ましく、160℃〜240℃の範囲であるのがさらに好ましい。また、大径パイプ部16の内部(特に、第4のスクリュー構成部74bが設けられている領域内)の処理対象物質の平均的な温度は、実用性の観点から見て一般的に、55℃〜105℃の範囲であるのが好ましく、65℃〜95℃の範囲であるのがさらに好ましい。
【0038】
上述のとおりであるから、処理対象物質に対する減圧と、耐熱塗料からの遠赤外線と、既述のような低温プラズマと、既述のような還元状態(換言すれば、還元雰囲気)とによって、処理対象物質中のアミノ酸およびタンパク質の再合成が、既述の場合とほぼ同様にまたはそれ以上に促進される。そして、処理対象物質は、大径パイプ部16の上流側Aの部分(換言すれば、第3のスクリュー構成部74aが配置されている部分)から中間の部分(換言すれば、中流の部分であって、第4のスクリュー構成部74bが配置されている部分)へと送り込まれる。
【0039】
上述のように、大径パイプ部16の中流の部分に送り込まれた処理対象物質は、上記上流側Aの部分の場合に較べて、さらに十分に攪拌される。また、この中流の部分においては、第4のスクリュー構成部74bの配置のピッチPは、第1および第3のスクリュー構成部72、74aの配置のピッチP、Pのそれぞれのほぼ2倍になっているから、処理対象物質に加わる圧力がさらに下降する。このために、上記中流の部分においては、処理対象物質中のアミノ酸およびタンパク質の再合成が、上記上流側Aの部分の場合と同様にまたはそれ以上に促進される。そして、処理対象物質は、大径パイプ部16の中流の部分から下流側Bの部分(換言すれば、第5のスクリュー構成部74cが配置されている部分)へと送り込まれる。
【0040】
上述のように、大径パイプ部16の下流側Bの部分に送り込まれた処理対象物質は、第5のスクリュー構成部74cの回転に伴って、下流側Bに向かってこの大径パイプ部16内を移送される。このために、処理対象物質に加わる圧力が、或る程度上昇する。また、この下流側Bの部分においては、第5のスクリュー構成部74cの回転に伴って、処理対象物質に摩擦が生じる。したがって、上述のようにして生成されたアミノ酸は、上述のような圧力および摩擦によって、固定される。そして、処理対象物質は、大径パイプ部16の下流側Bの部分から下流側Bの小径パイプ部15へと送り込まれる。
【0041】
上述のように、下流側Bの小径パイプ部15に送り込まれた処理対象物質は、第2のスクリュー構成部73の回転に伴って、排出用パイプ部68の排出口66から外部に排出される。そして、ホッパー4内の処理対象物質がホッパー接続用開口27を通して上流側Aの小径パイプ部14に送り込まれてから排出パイプ部68の排出口66から排出される平均的な時間は、例えば2〜3分間と非情に短い時間である。また、物質処理装置1によって1時間当たりに処理し得る処理対象物質の量(換言すれば、最大処理能力)は、例えば1トン/時間程度である。なお、この排出された処理対象物質(換言すれば、プラズマ還元された食品廃棄物)は、豚、牛などの飼料などに供することができる。具体的には、この処理対象物質は、比較的水分が多いので、そのままの状態でもって豚の餌にすることができる。また、処理対象物質は、乾燥させることによって水分を減少させれば、そのままの状態でもって牛の餌にすることができる。
【0042】
以上において詳述した物質処理装置1の運転状態においては、上流側Aの小径パイプ部14内の臭気を含む気体は、水供給部28、脱臭用吸い出しパイプ30、ヒータ用接続パイプ43および熱風導入部45をそれぞれ通して、加熱槽5の内部空間67に導かれる。この場合、操作レバー31を必要に応じて操作することによって、上記臭気含有気体の流量などを調節することができる。そして、脱臭用吸い出しパイプ30内の臭気含有気体は、ヒータ機構41からヒータ用接続パイプ43に送り込まれる熱風によって、このヒータ用接続パイプ43に向かって吸い出される。また、上記臭気含有気体は、上記熱風により処理されることによって、脱臭される。
【0043】
また、大径パイプ部16の小孔57から流出する水蒸気は、水蒸気回収用のカバー部材56に回収される。そして、この回収された水蒸気は、水蒸気用吸い出しパイプ54、ヒータ用接続パイプ44および熱風導入部46をそれぞれ通して、加熱槽5の内部空間67に導かれる。この場合、操作レバー58を必要に応じて操作することによって、上記水蒸気の流量などを調節することができる。そして、水蒸気吸い出しパイプ54内の水蒸気は、ヒータ機構42からヒータ用接続パイプ44に送り込まれる熱風によって、このヒータ用接続パイプ44に向かって吸い出される。
【0044】
また、加熱槽5の内部空間67に存在している高温気体は、排気口49から排気用ダクト61を通して加熱槽5の外部に適宜排出される。この場合、操作レバー62を操作することによって、高温気体の排出量などを調節することができる。そして、排気用ダクト61には、必要に応じて、排気用ファン(図示せず)を設けることができる。
【0045】
さらに、加熱槽5の内部空間67において大径パイプ部16の外周囲に配設されているアース線63は、加熱槽5の加熱用内部空間67に存在している熱風などの高温気体がプラス電荷などによって帯電するのを防止するようにしている。
【0046】
以上において、本発明の一実施例について詳細に説明したが、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に基づいて各種の変更および修正が可能である。
【0047】
例えば、上述の実施例においては、回転軸12の軸心を外筒11の内部空間の軸心(換言すれば、外筒11の軸心)に対して偏心させたが、場合によっては、両者の軸心を実質的に一致させることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 プラズマ還元方式の物質処理装置
5 加熱槽
6 リードスクリュー式コンベア機構
11 外筒
12 回転軸
13 リードスクリュー
14 上流側Aの小径パイプ部
16 大径パイプ部
67 加熱用内部空間
71 スクリュー構成部
72 第1のスクリュー構成部(第1のグループのスクリュー構成部)
74 中間のスクリュー構成部(第2のグループのスクリュー構成部)
74a 第3のスクリュー構成部(第3のグループのスクリュー構成部)
74b 第4のスクリュー構成部(第4のグループのスクリュー構成部)
74c 第5のスクリュー構成部(第5のグループのスクリュー構成部)
A 上流側
B 下流側
第1のピッチ
第2のピッチ
第3のピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象物質を移送することができるリードスクリュー式のコンベア機構と、
上記コンベア機構によって移送されつつある処理対象物質を加熱することができる加熱槽とを備え、
上記コンベア機構が、外筒と、この外筒に回転可能に配された回転軸と、上記外筒の内部空間に配されるように上記回転軸に設けられたリードスクリューとを備え、
上記リードスクリューが、上記回転軸にそれぞれ設けられた多数のスクリュー構成部を備え、
上記多数のスクリュー構成部が、上記外筒の上記内部空間の第1の領域に配された第1のグループのスクリュー構成部と、上記外筒の上記内部空間のうちの上記第1の領域よりも下流側の第2の領域に配された第2のグループのスクリュー構成部とを備え、
上記第1のグループのスクリュー構成部が、上記回転軸の軸心方向から見たときに、上記外筒の内周面にほぼ取り囲まれていて上記外筒の上記内部空間との間に実質的な空間を備えておらず、
上記第2のグループのスクリュー構成部が、上記回転軸の軸心方向から見たときに、上記外筒の上記内周面から実質的に離れている部分を有していて上記外筒の上記内部空間との間に少なくとも部分的に実質的な空間を備えていることを特徴とするプラズマ還元方式の物質処理装置。
【請求項2】
上記第1のグループのスクリュー構成部が、上記外筒の小径パイプ部の内部空間に配され、
上記第2のグループのスクリュー構成部が、上記外筒の大径パイプ部の内部空間に配されていることを特徴とする請求項1に記載の物質処理装置。
【請求項3】
上記大径パイプ部の上記内部空間の下端が、上記小径パイプ部の上記内部空間の下端と実質的に面一であることを特徴とする請求項1または2に記載の物質処理装置。
【請求項4】
上記第2のグループのスクリュー構成部が、上記第1のグループのスクリュー構成部とその間隔のピッチが実質的に同一の第3のグループのスクリュー構成部と、上記第3のグループのスクリュー構成部よりもその間隔のピッチが大きい第4のグループのスクリュー構成部と、上記第3のグループのスクリュー構成部とその間隔のピッチが実質的に同一の第5のグループのスクリュー構成部とを備え、
上記第3のグループのスクリュー構成部が、上記第4のグループのスクリュー構成部よりも上流側に配され、
上記第5のグループのスクリュー構成部が、上記第4のグループのスクリュー構成部よりも下流側に配されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の物質処理装置。
【請求項5】
上記第4のグループのスクリュー構成部が、上記加熱槽の加熱用内部空間に配されていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の物質処理装置。
【請求項6】
上記第3のグループのスクリュー構成部のうちの少なくとも下流側のスクリュー構成部と、上記第4のグループのスクリュー構成部と、上記第5のスクリュー構成部のうちの少なくとも上流側のスクリュー構成部とが、上記加熱槽の加熱用内部空間に配されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の物質処理装置。
【請求項7】
上記第1の領域に水を供給することができる水供給部を備えていることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の物質処理装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の物質処理装置を用いて処理対象物質をプラズマ還元するように構成したことを特徴とするプラズマ還元方式の物質処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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