説明

プラテン、及び、記録装置

【課題】記録装置のプラテンを樹脂により構成した場合の騒音を低減できる。
【解決手段】キャリッジの移動方向に延在する樹脂製のプラテンベース61と、キャリッジに設けられたガイドローラーにより押圧されると共にキャリッジに搭載された記録ヘッドの衝打力を受けるプラテン面とを有し、プラテンベース61は長手方向における両側に設けられたばね支持穴72、72で弾性支持され、ばね支持軸69、69の間を含む範囲に補強板63が一体に設けられ、プラテンベース61は、ばね支持穴72、72の間に他の部分より剛性の低い低剛性部73が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラテン及びプラテンを備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャリッジに搭載された記録ヘッドと平板状のプラテンとの間を搬送される記録媒体に、記録ヘッドが備える複数のワイヤー等を衝打することで記録媒体に記録を行う記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、ワイヤーの衝打力を受けるプラテンを、鋼板を曲げ加工して形成した構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−330621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたように金属製のプラテンを用いる場合、プラテンを複雑な形状に形成することが難しい。そこで、例えば記録媒体をガイドする突起等を設けるためにプラテンの形状が複雑になる場合は、プラテンを樹脂成形することが考えられる。プラテンを樹脂製にすると容易に複雑な形状に加工できるという利点があるが、金属製に比べて軽量であり、記録動作時の騒音が大きくなりやすい。このため、樹脂製のプラテンを用いる記録装置において騒音を低減する方法が求められる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、記録装置のプラテンを樹脂により構成した場合の騒音を低減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、キャリッジの移動方向に延在する樹脂製のプラテンベースと、前記キャリッジに設けられたガイドローラーにより押圧されると共に前記キャリッジに搭載された記録ヘッドの衝打力を受けるプラテン面とを有し、前記プラテンベースは長手方向における両側に設けられたそれぞれの支持部で弾性支持され、前記支持部の間を含む範囲に補強部材が一体に設けられ、前記プラテンベースは、前記支持部の間に他の部分より曲げ剛性の低い低剛性部が設けられていることを特徴とするプラテンを提供する。
この構成によれば、補強部材をプラテンベースに一体に設けたことにより樹脂製のプラテンベースの剛性が高まり、プラテン面が記録ヘッドにより衝打を受けた場合、及び、ガイドローラーにより押圧された場合のプラテンの変形が抑えられる。このため、記録ヘッドにより記録される記録媒体がプラテンの変形に伴ってプラテンから浮くことにより生じる記録媒体のバタツキを防止でき、記録品質の向上を図ることができ、バタツキによる騒音を抑制できる。また、支持部の間に低剛性部を設けたことにより、この低剛性部の変形によってプラテンが全体的に撓むことが許容される。特に、弾性支持される支持部の間に低剛性部を設けたことで、支持部の間でプラテンが撓み、プラテンの弾性によってガイドローラーとプラテン面との間に作用する押圧力が適切に抑えられる。このように、補強部材によってプラテンの局所的な剛性を高めて騒音を低減するとともに、プラテンの全体的な撓みを可能としたことでプラテンの曲げ剛性を適度に保つことができ、ガイドローラーとプラテンが適度な押圧力で記録媒体を狭持するので、例えば厚みのある記録媒体も適切に保持できる。また、ガイドローラーとプラテンが記録媒体を狭持した状態でも記録媒体を安定して搬送できる。
【0006】
上記構成において、前記補強部材は、複数の板金で構成され、前記プラテン面の裏側に相当する底面に、前記支持部の間で互いに離間するように配置され、前記プラテンベースは、この前記補強部材の離間部が前記低剛性部を構成しても良い。
この場合、板金製の補強部材を用いることでプラテン全体の重量が増すため、プラテンの振動の低減により記録動作時の騒音の低減を図ることができ、かつ、補強部材を支持部の間で離間させることで容易にプラテンの低剛性部を形成できる。これにより、補強部材によってプラテンの局所的な剛性を大きくして騒音を低減しつつ、プラテンを長手方向にバランス良く撓ませることができる。
【0007】
また、前記補強部材は、1または複数の板金で構成され、前記プラテン面の裏側に相当する底面に配置され、前記補強部材の一部に前記低剛性部として厚みの薄い薄肉部或いは孔やスリットが形成されている構成としても良い。
この場合、補強部材の一部を厚みの薄い薄肉にし、或いは孔やスリットを設けることにより、低剛性部を簡単に形成できる。
また、前記補強部材と前記プラテンベースとの間に制振材が設けられている構成としても良い。
この場合、記録ヘッドの衝打によりプラテンベースから補強部材に伝達される振動、及び、衝打音自体が制振材によって低減されるため、記録動作時の騒音をより一層低減できる。
【0008】
また、前記補強部材は前記プラテンベースに直接接触せず、前記制振材により前記プラテンベースに固定されている構成としても良い。
この場合、補強部材が制振材のみに接触するようプラテンベースに取り付けられるため、補強部材と他の部材との接触によって音が生じることがなく、効果的に騒音を低減できる。
さらに、前記制振材は、前記補強部材を前記プラテンベースに固定する両面粘着テープ或いは接着材により構成されているものとしても良い。
この場合、補強部材をプラテンベースに固定する両面粘着テープ或いは接着材が制振材として機能するため、構造を単純化し、製造工数を削減するとともに低コスト化を図ることができる。
【0009】
また、本発明は、キャリッジの移動方向に延在する樹脂製のプラテンベースと、前記キャリッジに設けられたガイドローラーにより押圧されると共に前記キャリッジに搭載された記録ヘッドの衝打力を受けるプラテン面とを有するプラテンを備え、前記プラテンベースは、長手方向における両側に設けられた支持部で弾性支持されるとともに、前記支持部の間を含む範囲に補強部材が一体に設けられ、前記プラテンベースには、前記支持部の間に他の部分より曲げ剛性の低い低剛性部が設けられていることを特徴とする記録装置を提供する。
この構成によれば、樹脂製のプラテンベースに補強部材を設けたことによりプラテンベースの剛性が高まり、プラテン面が記録ヘッドにより衝打を受けた場合、及び、ガイドローラーにより押圧された場合のプラテンの変形が抑えられる。このため、記録ヘッドにより記録される記録媒体がプラテンの変形に伴ってプラテンから浮くことにより生じる記録媒体のバタツキを防止でき、記録品質の向上を図ることができ、バタツキによる騒音を抑制できる。また、支持部の間に低剛性部を設けたことにより、この低剛性部の変形によってプラテンが全体的に撓むことが許容される。特に、弾性支持される支持部の間に低剛性部を設けたことで、支持部の間でプラテンが撓み、プラテンの弾性によってガイドローラーとプラテン面との間に作用する押圧力が適切に抑えられる。このように、補強部材によってプラテンの局所的な剛性を高めて騒音を低減し、かつ、プラテンの全体的な撓みを可能としたことでプラテンの曲げ剛性を適度に保つことができ、騒音を低減し、かつ、ガイドローラーとプラテンが適度な押圧力で記録媒体を狭持するので、例えば厚みのある記録媒体も適切に保持できる。また、ガイドローラーとプラテンが記録媒体を狭持した状態でも記録媒体を安定して搬送できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、樹脂製のプラテンベースを有するプラテンを記録装置に用いる場合の騒音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態におけるドットインパクトプリンターの外観斜視図である。
【図2】プリンター本体を示す斜視図である。
【図3】ドットインパクトプリンターの側断面図である。
【図4】プラテンを上方から見た斜視図である。
【図5】プラテンを下方から見た斜視図である。
【図6】プラテンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明を適用した実施形態に係る記録装置としてのドットインパクトプリンターの外観を示す斜視図である。本実施形態のドットインパクトプリンターは、複数の記録ワイヤーを備えた記録ヘッド18(図2及び図3参照)を備え、この記録ヘッド18から、インクリボンを介して記録ワイヤーを記録媒体へ向けて打ち出すことにより、記録媒体の記録面にドットを形成し、文字や記号、画像等を記録(印刷)するものである。
このドットインパクトプリンター10により記録される画像は、1行または複数行からなり、行毎に記録が行われる。ここで、ドットインパクトプリンター10に外部の機器(ホストコンピューター等)から記録を指示する場合には、行単位、またはページ単位で指示を行うことができる。
【0013】
ドットインパクトプリンター10において使用可能な記録媒体としては、所定長さに切断されたカットシート、複数枚のシートが連接された連続シート等がある。これらカットシート及び連続シートは、普通紙、複写紙、厚紙等の紙類、あるいは合成樹脂製のシートにより構成され、これらのシートにコーティングや浸潤等の加工を施したものを用いてもよい。また、カットシートの形態としては、例えば、定形サイズのカット紙(PPC用紙や葉書等)に加え、複数のシートを綴じた冊子形態のもの(通帳等)や袋状に成形されたもの(封筒等)が挙げられる。連続シートの形態としては、例えば、その幅方向両端にスプロケットホールが穿設され、所定長さ毎に折り畳まれた連続紙や、ロール状に巻かれたロール紙等が挙げられる。本実施の形態で一例として説明する記録媒体100は、上記のカットシートや複写紙、通帳等であり、特に種類を限定しない。
【0014】
図1に示すドットインパクトプリンター10は、カバー12、上部ケース13、及び下部ケース14からなる外装の中に、本体を収容した構成を有する。この外装は、上部に開閉可能に配設されたカバー12の下に、上部ケース13と下部ケース14とが上下に連結されて構成され、その前面には記録媒体100を挿入及び排出する手差口15が開口する。
【0015】
図2は、ドットインパクトプリンターの外装に収容されるプリンター本体を示す斜視図である。また、図3は、ドットインパクトプリンターの側断面図である。図3中に示す符号Aは、記録媒体100の搬送経路を示す。
図2及び図3に示すように、プリンター本体11は、一対の左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17と、両サイドフレーム16、17間に掛け渡されたベースフレーム(図示略)とを含む本体フレームを有する。この本体フレームには、記録ヘッド18及びキャリッジ19を含んで構成される記録機構部20、記録ヘッド18に対向するプラテン21、第1搬送ローラー22及び第2搬送ローラー23を備えた第1搬送機構部24、第3搬送ローラー25及び第4搬送ローラー26を備えた第2搬送機構部27、記録媒体100を整列させる整列板54、記録媒体100が有する磁気ストライプ101の磁気情報の読み取り又は書き込みを行う磁気ヘッド34、及び、磁気情報の読み取り又は書き込み時に記録媒体100の浮き上がりを上から押さえるシート押え部30を有している。
【0016】
左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17は、プリンター本体11の左右両端部において互いに対向するよう立設される。この両サイドフレーム16、17間には、キャリッジ軸31が架け渡され、さらに、両サイドフレーム16、17に跨って、平坦面形状の前方シート案内32及び後方シート案内33が固定して設けられる。
この前方シート案内32及び後方シート案内33は、手差口15から挿入された記録媒体100が搬送される搬送経路Aの下面を構成する。前方シート案内32はプリンター本体11の前側すなわち手差口15側に位置し、後方シート案内33はプリンター本体11の後側に位置する。前方シート案内32と後方シート案内33とは、記録ヘッド18の下で離れており、この空間に平面形状のプラテン21が配置される。
【0017】
上記第1搬送機構部24は、プラテン21よりも前側に位置し、第2搬送機構部27は、プラテン21の後側に位置する。
このうち、第1搬送ローラー22及び第3搬送ローラー25は搬送経路Aの下側に配置され、第2搬送ローラー23及び第4搬送ローラー26は、搬送経路Aの上側に配置される。記録媒体100は、第1搬送ローラー22と第2搬送ローラー23との間、及び、第3搬送ローラー25と第4搬送ローラー26との間に挟まれて、搬送経路A上の所定の搬送方向(図1〜図3において矢印Y1で示す方向)に搬送される。
ここで、第1搬送ローラー22及び第3搬送ローラー25は、正転及び逆転可能な搬送モーター(図示略)及びこの搬送モーターに接続された駆動輪列部(図示略)によって回転駆動される駆動ローラーである。これに対し、第2搬送ローラー23及び第4搬送ローラー26は、それぞれ第1搬送ローラー22及び第3搬送ローラー25に向けて所定の押圧力でばね付勢され、第1搬送ローラー22及び第3搬送ローラー25の回転に伴って回転する従動ローラーである。
【0018】
また、図3に示すように、プラテン21と第1搬送ローラー22との間には整列板54が配置される。この整列板54は、記録ヘッド18の走査方向に対して平行に延在し、搬送経路Aに対して垂直な板状部材である。整列板54は、搬送経路Aの下側に埋設され、整列モーター(図示略)に駆動されて搬送経路Aに進退可能に構成されている。記録媒体100は、搬送経路Aに突出した整列板54に対し、その先端部が突き当てられることで向きを変更され、搬送方向に沿うように整列される。
【0019】
磁気ヘッド34は、モーター(図示略)によってサイドフレーム16、17間を往復駆動される。記録媒体100が通帳である場合、その記録面を開いた状態で底となる面には、図1中に破線で示す磁気ストライプ101が設けられている。この磁気ストライプ101は、各種の情報を磁気的に記録可能である。磁気ヘッド34は、磁気ストライプ101が設けられた通帳が手差口15から挿入された場合に、この通帳の磁気ストライプ101を走査して、磁気ストライプ101に対する情報の読み取り及び書き込みを行う。
【0020】
キャリッジ19は、上述したように左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17に架け渡されたキャリッジ軸31に摺動自在に挿通される。キャリッジ19は、キャリッジ駆動モーター(図示略)によって駆動され、キャリッジ駆動モーターの正転または逆転により、キャリッジ軸31に沿って一対の両サイドフレーム16、17の間を走行(走査)される。このキャリッジ19の走査方向を主走査方向とする。
キャリッジ19には、記録ヘッド18が搭載される。記録ヘッド18は、キャリッジ19と一体となって、記録媒体100の記録面上を主走査方向に沿って移動する。
また、キャリッジ19または本体フレームには、インクリボンが折り畳まれた状態で収容されたリボンカートリッジ39(図2)が取り付けられる。このリボンカートリッジ39に収容されたインクリボンは一部が引き出されて記録ヘッド18の先端に重なっている。そして、記録ヘッド18は、主走査方向に走行される間に先端部18Aから記録ワイヤーを突出させて、インクリボンを介して記録媒体100の記録面に打ち当て、インクリボンのインクを、プラテン21と記録ヘッド18との間に搬送される記録媒体100に付着させて、記録媒体100に文字や記号、画像等を記録する。
【0021】
また、図3に示すように、記録ヘッド18の後方側には、プラテン21の上方に位置するように媒体幅センサー55が配設される。この媒体幅センサー55は、例えば発光部(LED等)と受光部(フォトトランジスター等)から構成され、プラテン21上における記録媒体100の有無を検出する。媒体幅センサー55は、キャリッジ19に搭載され、キャリッジ19と共にプラテン21上を走査される。従って、キャリッジ19の走査時に媒体幅センサー55によって記録媒体100の有無を検出し、その検出値とキャリッジ19の走査位置とを対応させることにより、記録媒体100の側端の位置や記録媒体100の幅を求めることができる。
【0022】
このドットインパクトプリンター10において、記録媒体100が図1に示す手差口15から挿入されると、整列板54が搬送経路Aに突出し、記録媒体100が第1搬送ローラー22及び第2搬送ローラー23により挟まれてプラテン21の手前まで搬送される。記録媒体100は、さらに第1搬送機構部24によって搬送されて整列板54に突き当てられ、整列板54に沿って整列される。次いで、磁気ヘッド34が記録媒体100の磁気ストライプ101を読み取ることができる読み取り位置まで、記録媒体100が第1搬送機構部24により搬送される。
その後、記録媒体100の磁気ストライプ101から情報が磁気ヘッド34により読み取られた後、第1搬送機構部24及び第2搬送機構部27によって記録媒体100がプラテン21上の記録位置まで搬送され、記録ヘッド18により記録が行われる。
【0023】
記録ヘッド18による記録動作は、記録ヘッド18が主走査方向左向きまたは右向きに走行される間に、記録ヘッド18の記録ワイヤーにより1行分の記録がなされ、この1行分の記録がなされる度に、第1搬送機構部24及び第2搬送機構部27が記録媒体100を所定長(通常は行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
また、この記録動作は、ガイドローラー41とプラテン21との間に記録媒体100を挟んだ状態で行われ、記録媒体100は、ガイドローラー41とプラテン21との間に挟まれたまま第1搬送機構部24及び第2搬送機構部27によって搬送される。ドットインパクトプリンター10では、記録媒体100の搬送の度に記録ヘッド18を退避させる動作を行なわないため、記録速度を向上できる。
【0024】
記録ヘッド18による記録後、記録媒体100は、第1搬送機構部24及び第2搬送機構部27によって上記読み取り位置まで搬送され、記録媒体100へ記録した情報に基いて、磁気ヘッド34により磁気ストライプ101に磁気情報が書き込まれる。次に、第1搬送機構部24によって記録媒体100が前側に搬送され、記録媒体100が手差口15から排出される。
【0025】
記録ヘッド18から突出される記録ワイヤーの衝打力は、プラテン21によって受け止められる。プラテン21は、キャリッジ19の走行方向に延在する平面を有し、その長手方向の両側において、一対の付勢ばね40によって記録ヘッド18に向けて付勢されつつ弾性支持される。付勢ばね40は、例えば、圧縮コイルばねである。この付勢ばね40の付勢力により、記録ヘッド18の記録動作時における記録ワイヤーの衝打力が支持される。また、記録ヘッド18には、記録ワイヤーを突出させる先端部18Aの側方にガイドローラー41が配設される。ガイドローラー41は、記録ヘッド18の走査方向に沿って回転自在に支持され、その下端は、記録ワイヤーが打ち出されない状態において先端部18Aよりも下方に位置し、プラテン21に接している。
プラテン21は、付勢ばね40により図中上向きに付勢され、この付勢力に抗して上方からガイドローラー41が当接する。このため、記録媒体100は、付勢ばね40の付勢力によってプラテン21とガイドローラー41との間に狭持され、記録媒体100の搬送中に記録媒体100の厚さが変化した場合、またはプリンター本体11に厚さの異なる記録媒体100が搬入された場合に、記録媒体100の厚みに応じてプラテン21が付勢ばね40の付勢力により上下に変位する。これにより、記録媒体100の厚さに拘わらず、記録ヘッド18の先端部18Aと記録媒体100の記録面との間のプラテンギャップが一定に確保される。
【0026】
図4は、プラテン21を上方から見た斜視図である。図5は、プラテン21を下方から見た斜視図である。図6は、プラテン21の断面図である。
図4及び図5に示すように、プラテン21は、キャリッジ19の主走査方向に延在するプラテンベース61と、主走査方向に沿ってプラテンベース61上に設けられる被衝打部62と、被衝打部62に対向するプラテン21の底部に設けられる補強板63(補強部材)と、プラテンベース61の底面61Aと補強板63との間に介在する制振部材64とを備えて構成される。
【0027】
プラテンベース61は、主走査方向に延在する板状の本体部65と、本体部65から手差口15の側に複数突出して櫛歯状に形成された前側ガイド部66と、本体部65の後部が下方に傾斜した後側ガイド部67と、本体部65の上面が一段窪んだプラテン面収容部68と、プラテンベース61の底面61Aにおける長手方向の両側から下方にそれぞれ突出したばね支持軸69と、底面61Aの長手方向の中央から下方に突出した位置決め軸70と、本体部65の長手方向の両側面から下方にそれぞれ延びる腕部71とを有している。
プラテンベース61は、ABS樹脂等の樹脂材料からなり、本体部65、前側ガイド部66、後側ガイド部67、プラテン面収容部68、ばね支持軸69、位置決め軸70、及び、腕部71が一体に樹脂成形されている。このため、比較的複雑な構造を有するプラテンベース61を一体的に容易に形成できる。
【0028】
前側ガイド部66及び後側ガイド部67の上面は、前後に面取り加工されて、傾斜部66A、67Aとなっている。プラテン面収容部68は傾斜部66A、67Aの間に形成された主走査方向に延びる溝であり、この溝に被衝打部62を収容する。記録媒体100は、傾斜部66A、被衝打部62、及び傾斜部67Aに沿ってスムーズに搬送される。
ばね支持軸69は、本体部65の長手方向の両側において各腕部71よりも内側に位置して2箇所に設けられ、各々の付勢ばね40、40は、各ばね支持軸69、69に挿通されて支持されている。ここで、付勢ばね40、40は、本体部65の長手方向の両側にそれぞれ配置されているが、各付勢ばね40の位置は、プラテン21が押圧された場合に略水平な状態を保って上下に変位できるように、プラテンベース61の長手方向の両端側において、その端からそれぞれ略等しい距離をあけた位置である。
また、各ばね支持軸69は、底面61Aに形成された凹状のばね支持穴72、72(支持部)から立設されており、付勢ばね40の上部はばね支持穴72、72内に収容されている。このため、付勢ばね40の全長を長く確保でき、付勢ばね40のストローク量を大きくできる。
【0029】
位置決め軸70は、上記本体フレーム側に設けられた位置決め穴(図示略)内に摺動自在に挿入され、プラテン21のストローク時においてプラテン21の前後左右方向への動きを規制している。
各腕部71はその上部及び下部に主走査方向へ突出した突起71Aをそれぞれ有し、各突起71Aは、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17内側面において上下方向に延在するガイド溝部(図示略)内に摺動自在に支持される。プラテン21は、各突起71Aが上記ガイド溝部に支持されることで、上下方向に摺動自在にガイドされると共に、前後左右方向への動きを規制されている。
【0030】
被衝打部62は主走査方向に延びるシート状に形成され、プラテン面収容部68に収容されている。被衝打部62は記録ヘッド18の記録可能範囲に対応して設けられ、プラテンベース61の長手方向の長さの略一杯に延在している。被衝打部62は記録ヘッド18のワイヤーの衝打力を受ける平坦なプラテン面62Aを上面に有し、このプラテン面62Aはプラテンベース61の上面から僅かに突出している。被衝打部62はエラストマーにより構成されており、ワイヤーの衝打力を十分に吸収でき、かつ、良好な記録品質が得られる硬さに設定されている。
【0031】
制振部材64は、プラテンベース61の底面61Aと補強板63の上面との間に介在し、柔軟で制振機能を有するとともに、プラテンベース61の底面61Aに補強板63を固定させるものであって、例えば、可撓性樹脂のテープ材の表裏両面に合成樹脂製の粘着剤を付着させた両面テープである。制振部材64は主走査方向に2分割して設けられ、一方の腕部71と位置決め軸70との間、及び、他方の腕部71と位置決め軸70との間にそれぞれ延在している。
各制振部材64には、ばね支持軸69及び付勢ばね40の径よりも大径に形成された逃げ孔64Aがそれぞれ形成されており、各逃げ孔64Aに挿通されたばね支持軸69及び付勢ばね40は制振部材64に接触しない。
【0032】
補強板63は、平板形状の板金で構成され、制振部材64と同様に主走査方向に2分割してそれぞれ設けられている。すなわち、補強板63は、一方の腕部71と位置決め軸70との間、及び、他方の腕部71と位置決め軸70との間に延在している。各補強板63は被衝打部62の裏面側に設けられ、プラテン面62Aの裏側に相当する底面61Aにおいて被衝打部62の全長に亘って宛がわれている。補強板63は、鋼板等の金属板をプレス加工等によって成形した板金材であり、孔、切り欠き、及び、リブ等を容易に形成できる。
また、補強板63及び制振部材64は、幅方向及び長手方向に互いに略同一の大きさに形成され、補強板63及び制振部材64の幅は、被衝打部62の幅より大きく形成されている。このため、被衝打部62より大きな補強板63及び制振部材64によって衝打力を受けることができ、プラテンベース61を効果的に補強及び制振できる。
ここで、制振部材64及び補強板63の前縁部は、底面61Aから前側に突出して前側ガイド部66の下方まで延びているが、底面61Aの前縁部に揃えて設けられても良い。
【0033】
このように、プラテンベース61の底面61Aには補強板63が取り付けられており、プラテン21の剛性が高められている。より詳細には、補強板63が被衝打部62の裏側に設けられているため、被衝打部62に対して垂直な方向の力、すなわち、記録ワイヤーの衝打力及びガイドローラー41による押圧力に対する剛性が向上している。これにより、記録動作時に、記録ワイヤーの衝打力及びガイドローラー41の押圧力を被衝打部62で受けた際のプラテン21の変形が抑制されるため、記録品質を向上できると共に、記録媒体100のプラテン面62Aからの浮きを防止して記録媒体100のバタツキを抑制でき、記録動作時に生じる音を低減できる。
【0034】
また、補強板63は、プラテンベース61の長手方向の中間部、すなわち位置決め軸70の近傍で分割されており、底面61Aにおいてプラテンベース61の長手方向の中間部には補強板63が存在しない低剛性部73が設けられている。低剛性部73は、底面61Aに設けられた各補強板63の間において補強板63が存在しない部分であり、補強板63が設けられた他の部分より曲げ剛性が低くなっている。これにより、プラテンベース61は低剛性部73の近傍を中心にして全体的に撓むことができ、記録動作時に主走査方向に移動する記録ワイヤーの衝打力及びガイドローラー41の押圧力等の局所的な力に対する剛性を補強板63によって向上しつつ、プラテンベース61の全体を適度に撓ませることが可能な構成を実現できる。本実施の形態では、プラテンベース61は、長手方向の両側に設けられた一対の付勢ばね40によって支持されているため、ガイドローラー41の押圧力を受けた場合には、低剛性部73の部分が最も大きく撓んで弓状に変形する。例えば、通帳等の厚い記録媒体に記録する場合に、プラテンベース61が低剛性部73を中心にして適度に撓むため、記録媒体は、ガイドローラー41とプラテン面62Aとの間で適度な押圧力を受けて狭持される。すなわち、通常の記録媒体を記録する際にはガイドローラー41とプラテン面62Aとの間に記録媒体を適切に狭持でき、厚い記録媒体に記録する際には、プラテンベース61が適度に撓むことで、記録媒体が過大な力で狭持されることを防止できる。このため、第1搬送機構部24及び第2搬送機構部27によって記録媒体を搬送する際の抵抗を低減でき、小型の搬送モーターを用いることができる。さらに、搬送する際の抵抗が低減され、厚い記録媒体を搬送する際にプラテン21や記録ヘッド18を退避させる必要がなく、連続して記録できるため、スループットの向上を図ることができる。
【0035】
各補強板63において、ばね支持軸69に対応する位置には、ばね支持軸69及び付勢ばね40が貫通する逃げ孔63Aがそれぞれ形成されている。逃げ孔63Aの径は、付勢ばね40の径よりも大径に形成されており、付勢ばね40及びばね支持軸69が補強板63に接触しないようになっている。すなわち、補強板63は制振部材64のみによって支持されており、付勢ばね40や位置決め軸70等の他の部材に接触していないため、他の部材を介して補強板63にプラテンベース61から振動が伝達されることがなく、制振部材64によって効果的に制振でき、補強板63が振動することによる音の発生を防止できる。
【0036】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、補強板63をプラテンベース61に一体に設けたことにより樹脂製のプラテンベース61の剛性が高まり、プラテン面62Aが記録ヘッド18のワイヤーにより衝打を受けた場合、及び、ガイドローラー41により押圧された場合のプラテン21の変形が抑えられる。このため、記録ヘッド18により記録される記録媒体100がプラテン21の変形に伴ってプラテン21から浮くことにより生じる記録媒体100のバタツキを防止でき、記録品質の向上を図ることができ、バタツキによる騒音を抑制できる。また、ばね支持穴72、72の間に低剛性部73を設けたことにより、この低剛性部73の変形によってプラテン21が全体的に撓むことが許容される。特に、付勢ばね40により弾性支持されるばね支持穴72、72の間に低剛性部73を設けたことで、ばね支持穴72、72の間でプラテン21が撓み、ガイドローラー41とプラテン面62Aとの間に作用する押圧力がプラテン21の弾性によって適切に抑えられる。このように、補強板63、63によってプラテン21の局所的な剛性を高めて騒音を低減するとともに、プラテン21の全体的な撓みを可能としたことでプラテン21の曲げ剛性を適度に保つことができ、ガイドローラー41とプラテン21が適度な押圧力で記録媒体100を狭持するので、例えば厚みのある記録媒体100も適切に保持できる。また、ガイドローラー41とプラテン21が記録媒体100を狭持した状態でも記録媒体100を安定して搬送できる。この場合、補強板63を設けても、搬送時に第1搬送機構部24及び第2搬送機構部27の各搬送ローラーにかかる負荷、及び、ガイドローラー41とキャリッジ19とに加わる負荷が増大しないので、ドットインパクトプリンター10の耐久性への影響は懸念されない。
【0037】
また、補強板63を両側の付勢ばね40の中間位置で2枚に分割し、プラテンベース61において補強板63で補強されていない低剛性部73を形成したので、この中間位置を中心にプラテンベース61が全体的に撓むため、補強板63によってプラテンベース61の局所的な剛性を大きくして騒音を低減しつつ、プラテンベース61を長手方向にバランス良く撓ませることができる。また補強板63を分割することで低剛性部73を簡単に設けることができる。さらに、補強板63が板金製であり、プラテン21の重量が増加するため、プラテン21の振動を低減できる。
また、プラテンベース61から補強板63に伝達される振動が制振部材64によって低減されるため、記録動作時の騒音を低減できる。また、記録ワイヤーの衝打による音が制振部材64で吸収されるため、記録動作の際の騒音を低減できる。
【0038】
さらに、補強板63が制振部材64のみに接触して取り付けられるため、補強板63と他の部材との接触によって音が生じることがなく、効果的に騒音を低減できる。
さらにまた、両面粘着テープにより構成される制振部材64によって補強板63をプラテンベース61に簡単に取り付けでき、両面粘着テープが制振材として機能するため、プラテン21の構造を簡単にできる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。上記実施の形態では、補強板63、63を2枚に分けて離間させて固定することで、補強板63で補強されていない低剛性部73を設けた構成を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されものではなく、例えば、被衝打部62の長手方向に延びる1枚の補強板を底面61Aに設け、この補強板の中央部の一部を切り欠いてスリットを設けたり、孔を設けたりして曲げ剛性を弱めることで、低剛性部73を構成してもよく、この補強板の中央部の板厚を薄くして曲げ剛性を低くすることで、低剛性部73を構成してもよい。この場合、補強板を分割する必要がなく、一枚の補強板を用いて低剛性部を簡単に形成できる。1枚の補強板をプラテンベース61に固定する場合、例えば、この補強板が位置決め軸70に接触しないように、補強板に位置決め軸70を貫通させる孔を形成する構成が考えられ、この構成では、孔を形成することで位置決め軸70の近傍が低剛性部73となる。
また、低剛性部73を設ける場所はプラテンベース61の中央部に限定されず、プラテンベース61の中央から外れた位置に設けてもよいが、ばね支持穴72、72の間に設けることが好ましい。また、低剛性部73は一カ所に限らず、複数箇所に設けても良い。
さらに、上記実施の形態では平板状の補強板63を用いる場合について説明したが、補強板の形状は平板に限定されず、平板の両側端にリブや折り曲げ部分を設けて、より高い剛性を持たせても良いし、リブや折り曲げ部分により剛性が高まる分だけ厚みの薄い板金で補強板を構成してもよい。この場合、ばね支持穴72、72の間においてリブや折り曲げ部分を除いた箇所を設けることで、この箇所の曲げ剛性を低くして、低剛性部を構成できる。また、上記実施の形態では、ばね支持穴72、72には、ばね支持軸69、69が設けられ、付勢ばね40はばね支持軸69、69に挿通されるものとして説明したが、これに限定されるものではない。ばね支持軸69、69を設けずに、ばね支持穴72、72のみで各付勢ばね40を支持してもよい。
【0040】
また、制振部材64は、制振機能を有する両面粘着テープとして説明したが、これに限らず、柔軟で制振機能を有するとともにプラテンベース61の底面61Aに補強板63を固定させることができればよく、合成樹脂製の粘着剤または接着剤であってもよい。この粘着剤または接着剤は、接着力を発揮する硬化後の状態において、所定の弾性及び柔軟性を有するものであればよい。
また、例えば、両面テープで構成される制振部材64や接着剤または粘着剤に代えて、制振性能を有する制振部材を補強板63とプラテンベース61との間に挟み、補強板63及び制振部材を補強板63の側からビス止めすることで、補強板63を固定しても良い。
また、上記実施の形態では、プラテンベース61は、長手方向の両側に設けたばね支持穴72、72において、一対の付勢ばね40によって弾性支持されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、長手方向の少なくとも両側の支持部において弾性支持されれば良く、例えば、長手方向の中央部にばね支持穴と付勢ばねを追加しても良い。
さらに、上記実施の形態では、補強板63は、一方の腕部71と位置決め軸70との間、及び、他方の腕部71と位置決め軸70との間に延在しているものとして説明したが、補強板63は、少なくとも両側の付勢ばね40の間を含む部分に設けられているこことが望ましい。
また、本発明は、ドットインパクトプリンター10のように独立したプリンターとして使用される機器に限らず、他の機器(ATM(Automated Teller Machine)やCD(Cash Dispenser)等)に組み込まれたものであってもよく、多様な機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
10…ドットインパクトプリンター(記録装置)、18…記録ヘッド、19…キャリッジ、21…プラテン、40…付勢ばね、41…ガイドローラー、61…プラテンベース、61A…底面、62A…プラテン面、63…補強板(補強部材)、64…制振部材(制振材)、72…ばね支持穴(支持部)、73…低剛性部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリッジの移動方向に延在する樹脂製のプラテンベースと、前記キャリッジに設けられたガイドローラーにより押圧されると共に前記キャリッジに搭載された記録ヘッドの衝打力を受けるプラテン面とを有し、
前記プラテンベースは長手方向における両側に設けられたそれぞれの支持部で弾性支持され、前記支持部の間を含む範囲に補強部材が一体に設けられ、
前記プラテンベースは、前記支持部の間に他の部分より曲げ剛性の低い低剛性部が設けられていること、
を特徴とするプラテン。
【請求項2】
前記補強部材は、複数の板金で構成され、前記プラテン面の裏側に相当する底面に、前記支持部の間で互いに離間するように配置され、前記プラテンベースは、この前記補強部材の離間部が前記低剛性部を構成することを特徴とする請求項1記載のプラテン。
【請求項3】
前記補強部材は、1または複数の板金で構成され、前記プラテン面の裏側に相当する底面に配置され、前記補強部材の一部に前記低剛性部として厚みの薄い薄肉部或いは孔やスリットが形成されていることを特徴とする請求項1記載のプラテン。
【請求項4】
前記補強部材と前記プラテンベースとの間に制振材が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラテン。
【請求項5】
前記補強部材は前記プラテンベースに直接接触せず、前記制振材により前記プラテンベースに固定されていることを特徴とする請求項4記載のプラテン。
【請求項6】
前記制振材は、前記補強部材を前記プラテンベースに固定する両面粘着テープ或いは接着材により構成されていることを特徴とする請求項4または5記載のプラテン。
【請求項7】
キャリッジの移動方向に延在する樹脂製のプラテンベースと、前記キャリッジに設けられたガイドローラーにより押圧されると共に前記キャリッジに搭載された記録ヘッドの衝打力を受けるプラテン面とを有するプラテンを備え、
前記プラテンベースは、長手方向における両側に設けられた支持部で弾性支持されるとともに、前記支持部の間を含む範囲に補強部材が一体に設けられ、
前記プラテンベースには、前記支持部の間に他の部分より曲げ剛性の低い低剛性部が設けられていること、
を特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−102007(P2011−102007A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258370(P2009−258370)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】