説明

プランタ

プランタが、ある量の植物生長培地と植物の根組織とを収容するのに適した本体(1)を有し、前記プランタが下側開口部(4)と、この下側開口部の有効寸法を低減するように、下側開口部と取り付け可能に係合できる保持手段(6)と、一塊の液体(10)を保持するのに適している貯水容器(9)とを有し、前記流体が、前記プランタ内に植えられる植物に水分および/または養分を付与するために、前記プランタ本体内の貯水容器から徐々に移動可能であり、前記プランタが、使用中、高い位置に固定可能であるように形成されるとともに、植物の根組織は本体内に収容され、植物の茎および/または葉が下側開口部(4)を通り、その結果、植物が下向きになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プランタに関する。本発明の好適な形態は、逆さにした、あるいは、「上下逆の」配置で植物の生長を支援可能なプランタに関する。
【背景技術】
【0002】
逆さにした配置の鉢植え植物を支持するプランタは周知である。Sourisのオーストラリア特許明細書第701706号は、逆さに向けたプラントを支持する植物用ポットを開示しており、ポット内に植物を配置するための一定寸法の開口部を具えている。しかしながら、Souris特許には、開口部を通るには大きすぎる根組織を持つ植物を収容する能力がないという欠点がある。本発明の少なくとも1の形態の目的は、この欠点を解決するための少なくともいくつかの方法を行うか、もしくは、有用な選択肢を社会に提供することである。
【0003】
用語「具える」またはその派生語(例えば、「具えている」)は、本明細書で使用されるとき、およびその場合、限定するものではないと解釈されたい;例えば、特徴部の特別な組み合わせに関連して使用される場合、この用語は、付加的な非特異的な特徴の可能性を排除するものとは認識されない。
【0004】
本明細書で使用される「上側」および下側などの方向を示す用語は、本発明の使用中の通常配置に適用可能として解釈されたい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によれば、ある量の植物生長培地(例えば、ポット用ミックスまたは土)と植物の根組織とを収容するのに適した本体を備えたプランタを提供し、当該プランタは、下側開口部と、下側開口部の有効寸法を大幅に縮小するように、下側開口部に着脱可能に係合できる保持手段と、一塊の液体を保持するのに適切な貯水容器とを有し、上記液体が貯水容器からプランタ本体へと徐々に移動可能となり、プランター内に植えられている植物に水および/または養分を付与し、プランタは、使用中に、高い位置で固定可能であるように構成されるとともに、植物の根組織が本体内に含まれ、植物の茎および/または葉は、下側開口部と保持手段を通り、植物が下方向に向けられる。
【0006】
任意で、保持手段は、中央開口部と側方開口部を有し、側方開口部は、保持手段の端部から延在して前記中央開口部と合流し、前記保持手段は、植物の茎の側面に対して移動可能であるように形成され、これにより茎が側方開口部を通り中央開口部に入る。
【0007】
任意で、保持手段の側方開口部は保持手段の中央開口部よりも実質的に狭い。
【0008】
任意で、保持手段が側方開口部を除いて概ね環状ディスク形態である。
【0009】
任意で、保持手段は凹形である。
【0010】
任意で、保持手段はプランタの下側開口部の周りにある相補的な凹部に収容可能な複数のロック用タブを有する。
【0011】
任意で、プランタは、プランタの外側に開口しているスロットを有し、保持手段は、スロットを介して摺動し、下側開口部の有効寸法を大幅に縮小することができる。
【0012】
任意で、貯水容器は、プランタの残りの部分から着脱可能である。
【0013】
任意で、貯水容器は、液体が通過可能な壁、および/または、貯水容器中の水が通過可能な底部を有する。
【0014】
任意で、液体が通過可能な壁および/または底部は、セラミック物質から形成される。
【0015】
好適には、プランタは、貯水容器を収容する上側開口部を有する。
【0016】
任意で、上側開口部は、貯水容器を収容する前に、植物と、ある量の植物生長培地(例えば、ポット用ミックスまたは土)とを収容可能である。
【0017】
好適には、プランタは、高い位置でプランタを取り付けるのを容易にする取付手段を具備している。
【0018】
任意で、取付手段は、長さまたはコードまたはチェーンを具備している。
【0019】
本発明の更なる態様によれば、本体内に植物および植物生長培地を有する上述したプランタを提供し、水(純水またはその他)が貯水容器に入れられ、植物の茎は下側開口部を通り下方に向かい、植物は実質的に逆さまになる。
【0020】
本発明の別の態様は、上述したプランタ内に植物を配置する方法を提供し、この方法は、
a)植物の根組織がプランタの本体内にあって、保持手段が植物の茎の周りに伸びるように植物を配置するステップと、
b)プランタの本体に対して保持手段を固定するステップと、
c)植物がプランタによって実質的に逆さま配置で保持されるようにプランタを高い位置にあるようにするステップと、を具える。
【0021】
好適には、保持手段は、この保持手段内の側方開口部を介して茎を移動させることによって、茎と結合し、茎は保持手段の中心部分を通り、側方開口部は、保持手段の外側端部に対して開口している通路を提供するように存在している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明のいくつかの好適な形態を、添付の図面とともに例示的に説明する。
【図1】図1は、ポット植物用のプランタの等尺図である。
【図2】図2は、プランタの長手方向断面図である。
【図3】図3は、プランタの保持形成部分の細部を示す。
【図4】図4は、プランタの保持形成部分の細部を示す。
【図5】図5は、プランタの保持形成部分の細部を示す。
【図6】図6は、本発明の更なる実施例に従ったプランタを例示している等尺図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1および2によれば、プランタは、ポット用植物2と、ある量の植物生長培地3(例えば、ポット用ミックスおよび/または土)を収容する本体部1を具える。プランタは、下側開口部4および上側開口部5を有する。保持部6は、着脱可能な状態で下側開口部4と係合し、下側開口部の有効寸法を大幅に縮小する。これを容易にするために、保持部6は、下側開口部4の周りにある相補的な凹部8に係合する一連のタブ7を有する。タブ7が相補的な凹部8を介して動かされるとき、保持部は所定の位置に固定されるように手で回転可能であり、タブは、開口部4に隣接するプランタの本体によって支持される。保持部6は、逆方向に保持部を回転させることで取り外し、それから、下側リセス4から保持部を離すことができる。本発明の他の実施例においては、例えば、ねじ山やラッチ構造など、本体1に保持部6を固定する代替の機構があってもよい。
【0024】
プランタは、上側リセス5内に取り外し可能に収容し保持することができる水透過性の貯水容器9を有する。貯水容器9は、好適には、多孔性セラミック材料(例えば、クレイ)から形成され、貯水容器内に保持される水10は、植物生長培地内に徐々に染みこんでいくことができ、従って、植物の根組織に入る。このような水の移動は、貯水容器を介して段階的に吸収されるように行われる。図示されるように、貯水容器9は、凹状の上側面11を有し、水が貯水容器の補充用開口部12を介して注がれるとき、こぼれる可能性を低減する。貯水容器9は水を収容するのみに限定されず、例えば、植物の養分などを収容するのに利用可能であると理解されたい。貯水容器9はプランタの残りの部分から着脱可能である一方、本発明のいくつかの実施例においては、プランタに永久的に固定されるか、または一体化された部品であってもよい。本発明の他の実施例においては、下側および上側開口部4、5を超えて、またはその上に本体の開口部1に収容され、保持されてもよい。
【0025】
保持部6は、図3、4および5で詳細に示されている。保持部は、中心孔13および側方開口部14を有するわずかに凹状の環状ディスク形状である。側方開口部14は、保持部の外側端部から、概ね鍵穴状開口部状に中心孔13と繋がるように延びている。
【0026】
植物をポットに入れるために、まずプランターは、このプランタの下側開口部4を上側に向け、上側開口部5を下に向けるように配置される。保持部6をプランタの残りの部分から取り外した状態で、植物の根組織を開口部4を介して本体1に下ろし、植物の茎および葉を本体1の外側で上に向かって延ばす。次いで、保持部6は、植物の茎の周りに(すなわち、根組織と葉との間で)誘導され、より具体的には茎の方へ押すことにより茎が側方開口部14を通って保持部の中央開口部13に入る。ついで、保持部6は本体1とプランタの所定の位置に固定され、植物がひっくり返され、その結果、上側開口部5が上方を向く。それから、貯水容器9が上側開口部5から取り外され、プランタの本体1は植物生長培地3で満たされる。さらに、貯水容器9は上側開口部の所定の位置に配置され、水および/または植物用の養分で満たされる。
【0027】
上述したように植物を移すことは、下側開口部4を植物の根組織よりも大幅に大きくすることができるという利点がある。このように、小さなプランタ開口部を通して力を根組織に加えることなく、根組織をプランタ内に適切に配置することができる。ついで、保持部6は開口部4の有効寸法を縮小するように機能し、植物とこれに密着した植物生長培地は、プランタが取り付けられたときに、プランタから落ちないであろう。
【0028】
図6は、プランタの本体1がプランタの外側に開口しているスロット15を有する本発明の代替の実施例を例示している。スロット15は、プランタの下側開口部4に隣接しており、代替の保持部6aは上記開口部4の有効寸法を大幅に縮小するように、スロット15内に摺動可能である。本発明のこの実施例においては、植物の根組織は、プランタの下側開口部4を通りプランタ内に配置され、保持部6aが、スロット15を通り進むときに、植物の茎の周囲を摺動する。代替としては、場合に応じて根組織は、上側開口部5を介してプランタ内に配置可能である。
【0029】
本発明の好適な実施例においては、貯水容器9を形成する材料は、水が上記材料を移動可能な速度に基づいて選択される。選択された材料によって、水が急速に染みこむ場合、植物は、水分過剰または供給過剰となり、かつ/または、過剰な流体が植物生長培地を完全に通過し、床又は地面に落ちる可能性があることを理解されたい。好ましくは、貯水容器は、充填後に、内容物の蒸発を回避するようにフタで密閉される。これによって、貯水容器が乾燥する可能性を低減する。貯水容器が乾燥してしまうと、貯水容器を形成するセラミック材料は、望ましくないことに、植物/植物生長培地から水を吸い取る可能性がある。好ましくは、貯水容器のルーフは、実質的に防水性の表面を有するか、または水が外気へと容易に蒸発してしまう可能性のあるところに水が吸い取られるのを阻止する他のコーティングを有する。
【0030】
好ましくは、プランタは、植物生長培地が貯水容器の底部と側壁に安定的に接触するように充填される。これによって、貯水容器からの水をより安定的に放出するのを補助することができ、この点においては、植物生長培地の吸収性は、植物の変動する要求ではなく、水が下方に吸い出される速度を示唆する。例えば、植物生長培地が乾燥する場合には、植物生長培地に水分がある場合よりも大きな速度で貯水容器から液体を引き出す傾向がある。種々のタイプの貯水容器または貯水容器材料が、プランタ内の植物の種類に依存して選択されることを理解されたい。より水分を必要とする植物については、水分をそれ程必要としない植物よりも、より早く水分を放出する貯水容器が選択される。本発明のいくつかの実施例においては、植物生長培地は、浸透(osmosis)による方法によって貯水容器から液体を受けてもよい。
【0031】
プラント本体1と保持部6は、適宜な代替材料が場合に応じて使用可能であるが、適宜なセラミック材料から全体または部分が形成されても良い。また、本発明は、あらゆる特殊材料の使用に依存しない。
【0032】
本発明のいくつかの好適な実施例は、例示を目的として記載されているが、修飾および改善は、以下の請求の範囲から逸脱せずに存在するであろうことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランタであって、ある量の植物生長培地と、植物の根組織とを収容するのに適した本体を有し、前記プランタは、下側開口部と、この下側開口部に着脱可能に係合して前記下側開口部の有効寸法を大幅に縮小することができる保持手段と、一塊の液体を保持するのに適した貯水容器とを有し、前記貯水容器からプランタの本体に前記液体が徐々に移動してプランタ内に植えられる植物に水分および/または養分を付与することができ、使用時に、植物の根組織が前記本体内に収容されるとともに前記植物の茎および/または葉が下側開口部と保持手段を通り、植物が下方向に向けられるように、前記プランタは高い位置に固定可能であるように形成されることを特徴とするプランタ。
【請求項2】
前記保持手段が中央開口部および側方開口部を有し、当該側方開口部は、前記保持手段の端部から延在して前記中央開口部と合流し、前記保持手段は、植物の前記茎の側面に対して移動可能であるように形成され、これにより前記茎が前記側方開口部を通り前記中央開口部に入ることを特徴とする請求項1に記載のプランタ。
【請求項3】
前記保持手段の前記側方開口部は、前記保持手段の中央開口部よりも実質的に狭いことを特徴とする請求項2に記載のプランタ。
【請求項4】
前記保持手段が、前記側方開口部を除いて、概ね環状のディスク形状であることを特徴とする請求項1、2または3に記載のプランタ。
【請求項5】
前記保持手段が凹状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプランタ。
【請求項6】
前記保持手段が、前記プランタの下側開口部の周囲にある相補的な凹部に収容可能な複数の固定用タブを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプランタ。
【請求項7】
前記プランタが、当該プランタの外側に開口しているスロットを有し、前記保持手段が、前記スロットを介して摺動して前記下側開口部の有効寸法を大幅に縮小することができることを特徴とする請求項1、2および3のいずれか一項に記載のプランタ。
【請求項8】
前記貯水容器が前記プランタの残りの部分から着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプランタ。
【請求項9】
前記貯水容器が、前記貯水容器内の水が通過することのできる液体透過性壁および/または底部を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のプランタ。
【請求項10】
前記液体透過性壁および/または底部は、セラミック物質から形成されることを特徴とする請求項9に記載のプランタ。
【請求項11】
前記プランタが、前記貯水容器を収容する上側開口部を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のプランタ。
【請求項12】
前記上側開口部が、前記貯水容器を収容する前に、植物と、ある量の植物生長培地とを収容可能であることを特徴とする請求項11に記載のプランタ。
【請求項13】
前記プランタが、高い位置で前記プランタを取り付けるのを容易にする取付手段を具備していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のプランタ。
【請求項14】
前記取付手段が、ある長さのコードまたはチェーンを具備していることを特徴とする請求項13に記載のプランタ。
【請求項15】
本願の図1乃至5に実質的に記載されていることを特徴とするプランタ。
【請求項16】
本願の図6に実質的に記載されていることを特徴とするプランタ。
【請求項17】
前記本体内にプランタと植物生長培地とを収容し、前記貯水容器内に水(純水またはその他)を含み、植物が実質的に逆さまになるように、前記植物の茎が下側開口部を介して下向きに出ていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載のプランタ。
【請求項18】
植物をプランタ内に入れる方法であって、
前記プランタが、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のプランタであり、前記方法が、
a)前記保持手段が前記植物の茎の周りに延在する状態で、前記植物の根組織が前記プランタ内の前記本体にあるように植物を配置するステップと、
b)前記プランタの本体に対して前記保持手段を固定するステップと、
c)前記植物が実質的に逆さまの位置でプランタによって保持されるように、高い位置に前記プランタがあるようにするステップと、
を具えることを特徴とする方法。
【請求項19】
前記保持手段は、当該保持手段の側方開口部を介して茎を移動させることによって茎と関連し、これによって前記茎が前記保持手段の中央開口部を通り、前記側方開口部は、前記保持手段の外側端部へと開く通路を提供することを特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2010−527587(P2010−527587A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508328(P2010−508328)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【国際出願番号】PCT/NZ2008/000108
【国際公開番号】WO2008/143525
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(509315478)
【Fターム(参考)】