説明

プリンタドライバ、記録装置

【課題】下段側トレイと上段側トレイとを備えた複数段式の被記録媒体カセットを備えた記録装置について、ユーザビリティのより一層の向上を図る。
【解決手段】プリンタドライバが提供するユーザインタフェースである印刷設定ウィンドウ100には、給紙設定グループ102に給紙方法を選択するドロップダウンリスト103が表示される。ドロップダウンリスト103の表示は、上段側トレイ検出手段69による上段側トレイ60の状態検出情報に応じて、上段側トレイ60が給送可能位置にあることを示すとき、「上トレイ」に設定される。また、下段側トレイ50から用紙の給送が可能な状態にあるとき、ドロップダウンリスト103の表示は「下トレイ」にされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種記録設定を行うためのユーザインタフェースを提供するプリンタドライバに関する。また本発明は、ファクシミリやプリンター等に代表される記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーから設定の変更を受け付け、変更された設定に従って記録データを生成するプリンタドライバがある。このプリンタドライバは、記録装置に接続されたコンピューターにおいてアプリケーションプログラムからの印刷指示により、前記記録データを生成する。また、外部のコンピューターとの間で情報のやりとりを行うことなく、単独で記録画像の読み込みを行い、また各種記録設定を受け付け、記録データを生成し、そして記録を実行する所謂スタンドアロン型の記録装置においても、同様なドライバプログラムが実行される。
【0003】
ところで、装置構成として、装置本体に対して着脱可能な用紙カセットは従来から広く用いられている。また、その中でも特許文献1や特許文献2に示されるように、一つの着脱自在な用紙カセット(トレイ)において下段と上段に用紙収容部を備えた2段式構造のものが知られている。尚、記録装置において用紙を収容する用紙収容部の呼称としては「カセット」、「トレイ」など種々のものがあるが、本明細書では装置本体に対して着脱可能な一つのユニット体全体を「カセット」と言い、このカセット内に設けられた複数の用紙収容部を「トレイ」と言うこととする。
【0004】
この様な2段式構造の用紙カセットを備えた記録装置に対するプリンタドライバは、上下いずれのトレイから用紙の給紙を行うかを選択するトレイ選択項目を、記録条件を設定するためのユーザインタフェース(UI)に表示させ、そしてユーザーにより設定されたトレイから用紙の給紙を行う様になっている。そして例えば、指定されたトレイの用紙が無くなった場合には、その旨のエラー警告を行う様になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−273565号公報
【特許文献2】特開2007−91445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の様な2段式構造の用紙カセットを備えた従来の記録装置については、プリンタドライバは、上下いずれのトレイから用紙の給紙を行うかを選択するトレイ選択項目について、上段トレイの位置に関係なく上下いずれかのトレイに設定していたことから、ユーザーがその都度利用したいトレイを選択する必要があり、優れたユーザビリティを提供していたとは必ずしも言えなかった。
【0007】
そこで本発明はこの様な状況に鑑み成されたものであり、その目的は、下段側トレイと上段側トレイとを備えた複数段式の被記録媒体カセットを備えた記録装置について、特にユーザインタフェース面においてユーザビリティのより一層の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する為に、本発明の第1の態様に係るプリンタドライバは、記録条件を設定するためのユーザインタフェースの表示に関するユーザインタフェース情報を管理するユーザインタフェース情報管理機能を備え、前記ユーザインタフェース情報管理機能が、記録装置に設けられた、被記録媒体を収容する下段側トレイ、および当該下段側トレイの上部において給送可能位置と退避領域との間を変位可能に設けられた、被記録媒体を収容する上段側トレイを備えて構成された被記録媒体カセットのうち、上下いずれのトレイから被記録媒体を給送するかを選択するトレイ選択項目の表示を、前記上段側トレイの状態を検出するトレイ検出手段の検出情報に基づき、使用可能な上下いずれかのトレイに設定することを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、プリンタドライバが備えるユーザインタフェース情報(以下、適宜「UI情報」と略称する場合がある)管理機能は、被記録媒体カセットのうち上下いずれのトレイから被記録媒体を給送するかを選択するトレイ選択項目の表示を、前記上段側トレイの状態を検出するトレイ検出手段の検出情報に基づき、使用可能な上下いずれかのトレイに設定するので、ユーザーが使用を予定するトレイをその都度設定する必要がなく、ユーザビリティのより一層の向上を図ることができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、前記上段側トレイが前記給送可能位置と前記退避領域との間の領域であって前記給送可能位置寄りに位置する場合には、前記トレイ選択項目の表示を前記上段側トレイに設定し、且つ前記上段側トレイから被記録媒体を給送する為の、予め定められた第1の処理を行い、前記上段側トレイが前記給送可能位置と前記退避領域との間の領域であって前記退避領域寄りに位置する場合には、前記トレイ選択項目の表示を前記下段側トレイに設定し、且つ前記下段側トレイから被記録媒体を給送する為の、予め定められた第2の処理を行うことを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、プリンタドライバは上段側トレイ検出手段の検出情報に基づき、上段側トレイが中途半端な位置(例えば上段側トレイ及び下段側トレイのいずれからも給送が不可能な位置)にあるときには、その位置に応じて、トレイ選択項目の表示を上下いずれかの最適なトレイに設定するとともに、設定したトレイから被記録媒体を給送する為の必要な処理を行うので、ユーザビリティのより一層の向上を図ることができる。
【0012】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記第1の処理は、前記記録装置において前記上段側トレイを変位させるモーターを駆動制御する制御部に対し、前記上段側トレイを前記給送可能位置へと変位させる指示を出す処理であり、前記第2の処理は、前記制御部に対し、前記上段側トレイを前記退避領域へと変位させる指示を出す処理であることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、プリンタドライバは、上段側トレイ検出手段の検出情報に基づき、上段側トレイが上述の様に中途半端な位置にある場合には、その位置に応じて、当該上段側トレイを最適な位置へと変位させる指示を出すので、ユーザビリティの更なる向上を図ることができる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、被記録媒体を給送する際の被記録媒体給送条件について、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、前記トレイ選択項目の表示を前記上段側トレイに設定する場合には当該上段側トレイ用に設定された被記録媒体給送条件を選択するよう前記記録装置へ指示し、前記トレイ選択項目の表示を前記下段側トレイに設定する場合には当該下段側トレイ用に設定された被記録媒体給送条件を選択するよう前記記録装置へ指示することを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記トレイ選択項目の表示のみならず、被記録媒体給送条件についても上段側トレイの位置に応じた適切な条件が選択されるので、より適切な給送結果を得ることができる。
【0016】
本発明の第5の態様は、被記録媒体に記録を行う記録機構部と、被記録媒体を収容する下段側トレイ、および当該下段側トレイの上部において給送可能位置と退避領域との間を変位可能に設けられた、被記録媒体を収容する上段側トレイを備えて構成された被記録媒体カセットと、前記上段側トレイの状態を検出するトレイ検出手段と、記録条件を設定するためのユーザインタフェースの表示が可能なユーザインタフェース表示部と、前記被記録媒体カセットに設けられた上下トレイのうちいずれから被記録媒体を給送するかを選択するトレイ選択項目の表示を、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、使用可能な上下いずれかのトレイに設定する、前記ユーザインタフェース表示部の表示情報を管理するユーザインタフェース情報管理手段を備えた制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、制御部が備えるUI情報管理手段は、被記録媒体カセットに設けられた上下トレイのうちいずれから被記録媒体を給送するかを選択するトレイ選択項目の表示を、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、使用可能な上下いずれかのトレイに設定するので、上記第1の態様と同様に、ユーザーが使用を予定するトレイをその都度設定する必要がなく、ユーザビリティのより一層の向上を図ることができる。
【0018】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記制御部は、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、前記上段側トレイが前記給送可能位置と前記退避領域との間の領域であって前記給送可能位置寄りに位置する場合には、前記トレイ選択項目の表示を前記上段側トレイに設定し、且つ前記上段側トレイから被記録媒体を給送する為の、予め定められた第1の処理を行い、前記上段側トレイが前記給送可能位置と前記退避領域との間の領域であって前記退避領域寄りに位置する場合には、前記トレイ選択項目の表示を前記下段側トレイに設定し、且つ前記下段側トレイから被記録媒体を給送する為の、予め定められた第2の処理を行うことを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、制御部は上段側トレイ検出手段の検出情報に基づき、上段側トレイが中途半端な位置(例えば上段側トレイ及び下段側トレイのいずれからも給送が不可能な位置)にあるときには、その位置に応じて、トレイ選択項目の表示を上下いずれかの最適なトレイに設定するとともに、設定したトレイから被記録媒体を給送する為の必要な処理を行うので、ユーザビリティのより一層の向上を図ることができる。
【0020】
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記制御部により駆動制御されるモーターにより前記上段側トレイを変位させる構成を備え、前記第1の処理は、前記モーターを駆動制御して前記上段側トレイを前記給送可能位置へと変位させる処理であり、前記第2の処理は、前記モーターを駆動制御して前記上段側トレイを前記退避領域へと変位させる処理であることを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、制御部は、上段側トレイ検出手段の検出情報に基づき、上段側トレイが上述の様に中途半端な位置にあるときには、その位置に応じて上段側トレイを給送可能位置或いは退避領域へと変位させるので、ユーザビリティのより一層の向上を図ることができる。
【0022】
本発明の第8の態様は、第5から第7の態様のいずれかにおいて、被記録媒体を給送する際の被記録媒体給送条件を、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、前記トレイ選択項目の表示を前記上段側トレイに設定する場合には当該上段側トレイ用に設定された被記録媒体給送条件を選択し、前記トレイ選択項目の表示を前記下段側トレイに設定する場合には当該下段側トレイ用に設定された被記録媒体給送条件を選択することを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、前記トレイ選択項目の表示のみならず、被記録媒体給送条件についても上段側トレイの位置に応じた適切な条件が選択されるので、より適切な給送結果を得ることができる。
【0024】
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記上段側トレイ及び前記下段側トレイから被記録媒体を送り出す、前記制御部により駆動制御される給送ローラーを備え、前記被記録媒体給送条件は、被記録媒体給送時における前記給送ローラーの総回転量が、前記上段側トレイと前記下段側トレイとで異なることを特徴とする。
【0025】
例えば、上段側トレイの被記録媒体収容空間が、下段側トレイのそれよりも小さい場合、下段側トレイから被記録媒体を送り出す際の給送ローラーの総回転量をそのまま上段側トレイに適用すると、次位の用紙まで送り出してしまう虞がある。しかしながら上記の通り、給送ローラーの総回転量が、前記上段側トレイと前記下段側トレイとで異なるので、上述の様なダブルフィードの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンターの用紙搬送経路を示す側断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係るプリンターの用紙搬送経路を示す側断面図。
【図3】本発明の一実施形態に係るプリンターの用紙カセットの平面図。
【図4】本発明の一実施形態に係るプリンターの用紙カセットの平面図。
【図5】本発明に係るプリンタドライバを有するインクジェットプリンターおよび外部コンピューターを含むブロック図。
【図6】本発明に係るプリンタドライバによって提供されるユーザインタフェースの一例を示す図。
【図7】本発明に係るプリンタドライバによって提供されるユーザインタフェースの一例を示す図。
【図8】本発明の一実施形態に係るプリンターの用紙給送時に実行される処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図1乃至図8を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。図1及び図2は本発明に係る「記録装置」の一実施形態であるインクジェットプリンター(以下「プリンター」と言う)1の用紙搬送経路を示す側断面図であり、図1は上段側トレイ60が給送可能位置にある状態を、図2は上段側トレイ60が退避領域にある状態を、それぞれ示している。
【0028】
また、図3及び図4は用紙カセット100の平面図であり、図3は上段側トレイ60が給送可能位置にある状態を、図4は上段側トレイ60が退避領域にある状態を、それぞれ示している。更に図5は本発明に係るプリンタドライバを有するプリンター1および外部コンピューター73を含むブロック図、図6及び図7は本発明に係るプリンタドライバによって提供されるユーザインタフェースの一例を示す図、図8は用紙給送時に実行される処理のフローチャートである。
【0029】
以下、図1乃至図4を参照しつつプリンター1のプリント(記録)機構部3(図5)の構成について説明する。プリンター1のプリント機構部3は、装置底部に給送装置2を備え、当該給送装置2から、「被記録媒体」の一例としての用紙(主として単票紙)を1枚ずつ給送し、記録手段4において記録(インクジェット記録)を行い、装置前方側(図1において左側)に設けられた図示しない排紙スタッカへ向けて排出される構成を備えている。
【0030】
以下、用紙搬送経路上の構成要素について更に詳説する。
給送装置2は、用紙カセット100と、ピックアップローラー16と、ガイドローラー20と、分離手段21と、を備えている。
【0031】
複数枚の用紙Pを積層状態でセット可能な用紙カセット100は、給送装置2の装置本体に対し、装置前方側から装着及び取り外し可能であり、下部に位置して用紙カセット100の基体を構成する下段側トレイ50と、その上部に位置する、給送可能位置と退避位置との間をスライド可能な上段側トレイ60と、の2つの用紙収容部を備えている。
【0032】
下段側トレイ50は、その底面50aに、用紙送り方向(即ち、用紙長さ方向)にスライド可能なエッジガイド51を備えており、このエッジガイド51により後端エッジの位置が規制されるようになっている。また、用紙送り方向と直交する方向(即ち、用紙幅方向)にスライド可能なエッジガイド52も設けられており、このエッジガイド52により、サイドエッジの位置が規制されるようになっている。
【0033】
また底面50aには、ピックアップローラー16と用紙P1との接触位置に対応する場所に高摩擦材53(図4)が配置されており、この高摩擦材53により、ピックアップローラー16による用紙送り出し時に用紙束ごと下流側に送られないよう、当該用紙束が保持される。
【0034】
一方、上段側トレイ60についても下端側トレイ50と同様に、その底面60aに、用紙長さ方向にスライド可能なエッジガイド61と、用紙幅方向にスライド可能なエッジガイド62(図3)と、を備えている。またピックアップローラー16と用紙P2との接触位置に対応する場所に高摩擦材63(図3)が配置されている。
【0035】
尚、図1及び図2においては、下段側トレイ50に収容される用紙を符号P1で、上段側トレイ60に収容される用紙を符号P2で、それぞれ示している(以下特に区別する必要がない場合は「用紙P」と言う)。
【0036】
図示しないモーターによって回転駆動されるピックアップローラー16は、揺動軸18を中心に揺動する揺動部材17に設けられており、上段側トレイ60が装置後方側(図1及び図2において左方向、図3及び図4において下方向:用紙カセット100の引き抜き方向側)にスライドした状態、即ち上段側トレイ60が退避領域にあるときは、下段側トレイ50に収容された用紙P1の最上位のものと接して回転することにより、当該最上位の用紙P1を下段側トレイ50から送り出す(図2)。
【0037】
また上段側トレイ60が最も装置前方側(図1及び図2において右方向、図3及び図4において上方向:用紙カセット100の装着方向側)にスライドした突き当て位置にあるとき、即ち上段側トレイ60の給送可能位置では、上段側トレイ60に収容された用紙P2の最上位のものと接して回転することにより、当該最上位の用紙P2を上段側トレイ60から送り出す(図1)。
【0038】
この上段側トレイ60が給送可能位置に位置決めされた状態では、下段側トレイ50の分離斜面54が、上段側トレイ60の前方側内壁よりも上段側トレイ60に収容された用紙先端側に突出するように構成されており、これにより分離斜面54が上段側トレイ60から用紙が送り出される際の分離手段として利用されるようになっている。即ち、下段側トレイ50の分離斜面54が、下段側トレイ50と上段側トレイ60の共通の分離手段として利用される様になっている。
【0039】
尚、図3は上段側トレイ60が給送可能位置にある状態を示しており、図4は上段側トレイ60が退避領域にある状態を示している。図3及び図4において符号Y1〜Y4は、上段側トレイ60の先端位置を示しており、上段側トレイ60の先端が位置Y1にあるとき、上段側トレイ60は給送可能位置にある。同様に、上段側トレイ60の先端が位置Y3と位置Y4との間にあるとき、上段側トレイ60は退避領域(符号A3で示す)にある。以下では、図3及び図4に示す位置Y1〜Y4、或いは領域A1〜A4を用いて、上段側トレイ60の位置を説明することとする。尚、位置Y2、及び領域A1、A2については後に説明する。
【0040】
下段側トレイ50には、歯車55が設けられており、この歯車55が回転することにより、上段側トレイ60が変位する様に構成されている。符号11は、用紙カセット100の側ではなくプリンター1の装置本体側に設けられた歯車であり、用紙カセット100がプリンター1の装置本体に装着された際、この歯車11に、下段側トレイ50に設けられた歯車55が噛合する様になっている。プリンター1の装置本体に設けられた歯車11は、図示しないモーターにより回転駆動される様になっており、これによって上段側トレイ60が駆動される。
【0041】
次に、図1及び図2に戻って分離斜面54の下流側には自由回転可能なガイドローラー20が設けられ、このガイドローラー20の下流側には、分離ローラー22と駆動ローラー23とを備えて構成された分離手段21が設けられている。分離ローラー22は、外周面が弾性材によって形成されるとともに駆動ローラー23と圧接可能に設けられ、且つ、トルクリミッタ機構により、所定の回転抵抗が与えられた状態に設けられている。従って重送されようとする次位以降の用紙Pが、当該分離ローラー22と駆動ローラー23との間で止められ、即ち重送が防止される様になっている。尚、駆動ローラー23は図示しないモーターにより用紙Pを下流側へ送る方向に回転駆動される。
【0042】
分離手段21の下流側には、図示しないモーターにより回転駆動される駆動ローラー26と、駆動ローラー26との間で用紙Pをニップして従動回転するアシストローラー27と、を備えて構成された第1中間送り部25が設けられており、この第1中間送り部25により、用紙Pが更に下流側へと送られる。尚、符号29は、用紙Pが湾曲反転経路を通過する際の(特に用紙後端が通過する際の)通紙負荷を軽減する従動ローラーを示している。
【0043】
従動ローラー29の下流側には図示しないモーターにより回転駆動される駆動ローラー32と、駆動ローラー32との間で用紙Pをニップして従動回転するアシストローラー33と、を備えて構成された第2中間送り部31が設けられており、この第2中間送り部31により、用紙Pが更に下流側へと送られる。
【0044】
第2中間送り部31の下流側には、記録手段4が配置されている。記録手段4は、搬送手段5と、記録ヘッド42と、下部紙案内39と、排出手段6と、を備えている。搬送手段5は、モーターによって回転駆動される搬送駆動ローラー35と、該搬送駆動ローラー35に圧接して従動回転するよう上部紙案内37に軸支される搬送従動ローラー36とを備えて構成されている。搬送手段5に到達した用紙Pは、搬送駆動ローラー35と搬送従動ローラー36とによってニップされた状態で搬送駆動ローラー35が回転することにより、下流側へと精密送りされる。
【0045】
続いて記録ヘッド42はキャリッジ40の底部に設けられ、当該キャリッジ40は主走査方向(図1の紙面表裏方向)に延びるキャリッジガイド軸41にガイドされながら、図示しない駆動モーターによって主走査方向に往復動する様に駆動される。尚、キャリッジ40はインクカートリッジを搭載しない所謂オフキャリッジタイプであり、インクカートリッジ(図示せず)がキャリッジ40から独立して設けられ、インク供給チューブ(図示せず)を介してインクカートリッジから記録ヘッド42へとインクが供給されるように構成されている。
【0046】
記録ヘッド42と対向する位置には下部紙案内39が設けられ、当該下部紙案内39によって、用紙Pと記録ヘッド42との距離が規定されるようになっている。そして下部紙案内39の下流側には、記録の行われた用紙Pを排出する排出手段6が設けられている。排出手段6は図示しないモーターによって回転駆動される排出駆動ローラー44と、当該排出駆動ローラー44に接して従動回転する排出従動ローラー45とを備えて構成され、記録手段4によって記録の行われた用紙Pは、排出手段6により、装置前方側に設けられた図示を省略するスタッカへと排出される。
【0047】
以上がプリンター1のプリント機構部3の構成であり、以下、図5を参照しながら制御部を含む構成について説明する。プリンター1は、上述したプリント機構部3を制御する制御手段として、RAM、ROM等の記憶手段やCPU等の演算処理手段などを備えて成る制御部65を備えており、記憶手段に保存されたプログラム(本発明に係るプリンタドライバを含む)を制御部65で実行できる様になっている。
【0048】
プリンター1は、装置外面に、各種記録条件を設定する為のユーザインタフェースや印刷すべき画像などの各種情報を表示する情報表示部(LCDパネルなどから成る)66と、電源ボタンや印刷実行ボタン、また各種記録条件を設定する為の操作ボタン等からなる操作設定部67と、画像データが格納された記憶媒体を装着する記憶媒体装着部68と、を備えており、これら装置外面のユーザインタフェース類と制御部65が接続されている。
【0049】
また、プリンター1は用紙カセット100における上段側トレイ60が、その変位可能領域(図3、図4に示す位置Y1と位置Y4の間の領域)のいずれにあるかを検出する上段側トレイ検出手段69を備えており、この上段側トレイ検出手段69による上段側トレイ60の状態検出情報が、制御部65に送られるようになっている。
【0050】
ここで上段側トレイ60の状態検出情報とは、より具体的には、本実施形態では上段側トレイ60(の先端)が図3、図4における位置Y1にあるか、或いは領域A1にあるか、或いは領域A2にあるか、或いは領域A3にあるか、を示す情報である。
【0051】
従って上段側トレイ検出手段69は、必ずしも一つのセンサーで構成されるとは限らず、複数のセンサーで構成しても良い。例えば、図3、図4の位置Y1、Y2、Y3の各位置に検出センサーや検出スイッチなどの検出手段を配置すれば、各検出手段の検出結果の組み合わせにより、上段側トレイ60がその変位可能領域のいずれにあるかを検出することができる。或いは、リニアエンコーダーなどの位置検出手段により上段側トレイ60の位置を検出することもできる。
【0052】
また、プリント機構部3にはその他各種センサー類が設けられ、その各種センサー類からの検出情報が制御部65に送られる様になっているが、その詳細は省略する。また、プリント機構部3には、図3及び図4を参照しつつ説明した歯車11を駆動するモーターも含まれる。即ち、上段側トレイ60は、制御部65によって駆動制御される。
【0053】
次に、プリンタドライバ70Aは、UI情報管理手段としてのUI情報編集部71Aと、表示制御部72Aとを備えており、UI情報編集部71AがUI情報管理機能を提供する。ここでUI情報は、情報表示部66に表示すべきUI情報、例えば、印刷条件設定項目を示す情報や、当該項目に対応するGUIウィジェットの種類、配置、大きさ、操作時のアクションなどを定義した情報等である。
【0054】
UI情報編集部71Aは、UI情報を編集する機能を制御部65に実現させるモジュールであり、ユーザーに、印刷条件設定項目を取捨選択させたりする為のユーザインタフェース情報を編集する。
【0055】
UI情報には、印刷条件設定項目(例えば画像選択、画質選択、印刷レイアウト選択、印刷枚数選択、用紙サイズ選択、用紙種類選択、トレイ選択(後述)など)の識別子や、当該識別子に対応するGUIウィジェット(ラジオボタン、チェックボックス、ドロップダウンリストや、印刷条件設定項目を示すテキストなど)のレイアウト情報や初期値、当該GUIウィジェットを操作したときのアクションを規定するプログラムモジュールへのパス情報などが含まれている。UI情報は制御部65が備える記憶手段に保存され、プリンタドライバ70Aによって参照及び書き換えが可能である。
【0056】
表示制御部72Aは、UI情報編集部71Aで編集されたUI情報に基づいて情報表示部66にUIを表示させるモジュールである。以上により、情報表示部66に表示されたUIを介してユーザーが設定した印刷条件に基づいて、プリンタドライバ65は、印刷対象の画像データを、プリント機構部3が印刷を実行するための印刷データに変換し、プリント機構部3に送信する。
【0057】
尚プリンター1は、外部コンピューター73との接続インタフェースも有しており、外部コンピューター73から送信される情報に従って印刷を実行可能となっている。この外部コンピューター73は、アプリケーションソフトと連携して動作するプリンタドライバ70Bを備えており、各種アプリケーションから印刷の実行が指示されると、プリンタドライバ70Bは印刷条件などを設定するためのUIを表示装置(ディスプレイ)74に表示し、印刷条件の設定などのユーザーの指示を受け付ける。
【0058】
このプリンタドライバ70Bは、UI情報編集部71Bと表示制御部72Bとを備えているが、これらのプリンタドライバ70B、UI情報編集部71B、表示制御部72Bの基本的な機能は、上述したプリンタドライバ70A、UI情報編集部71A、表示制御部72Aと同様であるので、以下ではその説明は省略する。但し、各プリンタドライバ70A、70Bは、それぞれに対応する表示手段(情報表示部66、表示装置74)に適したUIを、各表示手段に表示させる。
【0059】
尚、外部コンピューター73で動作するプリンタドライバ70Bは、プリンター1と外部コンピューター73との間のインタフェースを介して、プリンター1内部の情報(例えば、上段側トレイ検出手段69による上段側トレイ60の状態検出情報)を取得でき、この様な点においてプリンタドライバ70Aと同様である。
【0060】
次いで、プリンタドライバ70A或いは70Bの処理によるUI表示例を、図6及び図7を用いて説明する。尚、図6及び図7に示すUI表示例は、プリンタドライバ70A、70Bのうちいずれか一方のものを特に示すものではないが、一例として、外部コンピューター73に接続された表示装置74に表示されるものとして説明する。
【0061】
図6及び図7に示す印刷設定ウィンドウ100は、例えば印刷実行時にプリンターのプロパティを選択した際に表示されるウィンドウであり、各種印刷設定をユーザーに選択させるためのウィンドウである。
【0062】
印刷設定ウィンドウ100には、基本設定、ページ設定、ユーティリティ、の各タブが設けられており、基本設定タブには、図示するように印刷種類、品質等を設定するプリント設定グループ101や、給紙方法、用紙サイズを設定する給紙設定グループ102が表示される。
【0063】
このうち、給紙設定グループ102に属する「給紙方法」のドロップダウンリスト103が本発明に関連する部分であり、このドロップダウンリスト103は、図6に示すように「上トレイ」と、図7に示すように「下トレイ」のいずれかをユーザーに選択させるものである。尚、「上トレイ」とは上段側トレイ60を意味し、「下トレイ」とは下段側トレイ50を意味するものである。
【0064】
ここで、このドロップダウンリスト103の表示は、上段側トレイ検出手段69による上段側トレイ60の状態検出情報に応じて、以下の様にして設定される。プリンタドライバ70BのUI情報編集部71Bは、上段側トレイ検出手段69による上段側トレイ60の状態検出情報が、上段側トレイ60が給送可能位置Y1(図1、図3)にあることを示すとき、ドロップダウンリスト103の表示を図6に示すように「上トレイ」に設定する。
【0065】
また逆に、上段側トレイ検出手段69による上段側トレイ60の状態検出情報が、上段側トレイ60が退避領域A3(図2、図4)にあること、即ち下段側トレイ50から用紙の給送が可能な状態にあることを示すとき、ドロップダウンリスト103の表示を図7に示すように「下トレイ」に設定する。
【0066】
以上により、例えばユーザーが上段側トレイ60を給送可能位置(図1、図3)にセッティングしたにも関わらず、ドロップダウンリスト103の表示が「下トレイ」に表示されることが防止され、即ちユーザーによる用紙セッティング状態に対応してドロップダウンリスト103が表示されることとなり、ユーザビリティのより一層の向上を図ることができる。
【0067】
尚、上段側トレイ60が中途半端な位置にあり、上段側トレイ60及び下段側トレイ50のいずれからも給紙が不可能な状態、即ち上段側トレイ60が給送可能位置Y1から所定量後退した位置にあるものの、ピックアップローラー16が下段側トレイ50に収容された用紙に当接可能な位置にまで後退していない状態(上段側トレイ60が図3及び図4の領域A1或いはA2にあるとき)にある場合の、ドロップダウンリスト103の表示は、例えば以下の様にすることができる。
【0068】
例えば、上段側トレイ60が、図3及び図4に示す位置Y1と領域A3との間の中間地点Y2より位置Y1寄りに在る場合(領域A1にある場合)には、ユーザーが上段側トレイ60からの給紙を予定していたと考えられる為、ドロップダウンリスト103の表示を「上トレイ」に設定する。
【0069】
逆に、上段側トレイ60が、位置Y1と領域A3との間の中間地点Y2より領域A3寄りに在る場合(領域A2にある場合)には、ユーザーが下段側トレイ50からの給紙を予定していたと考えられる為、ドロップダウンリスト103の表示を「下トレイ」に設定する。
【0070】
但し、上記いずれの場合でも、下段側トレイ50及び上段側トレイ60のいずれからも用紙の給送はできないので、ドロップダウンリスト103の表示を「上トレイ」に設定した場合には、必要な第1の処理を行い、ドロップダウンリスト103の表示を「下トレイ」に設定した場合には、必要な第2の処理を行う。
【0071】
上記第1の処理及び第2の処理としては、種々考えられるが、例えば第1の処理として、上段側トレイ60の動力源であるモーターを駆動制御して上段側トレイ60を給送可能位置にまで移動させる。同様に、第2の処理として、上段側トレイ60の動力源であるモーターを駆動制御して上段側トレイ60を退避領域にまで移動させる。この様な処理により、上段側トレイ60が中途半端な位置にあっても、最終的にドロップダウンリスト103の表示と、実際の上段側トレイ60の状態とを一致させることができる。
【0072】
尚、上記の様に上段側トレイ60の位置に応じた最適処理を行ったにも拘わらず、例えばドロップダウンリスト103の表示が「上トレイ」の状態から、ユーザーによって「下トレイ」に切り換えられた場合には、モーターを駆動制御して上段側トレイ60を退避領域にまで移動させることもできるし、或いは上段側トレイ60の位置が適切でない旨を示すエラーメッセージを表示装置74に表示させることもできる。またその逆の場合も、同様である。
【0073】
但しこれは一例であり、例えば上記第1の処理の他の実施例として、ユーザーに上段側トレイ60の給送可能位置へのセットを促す表示を表示装置74に表示させることもできる。同様に、上記第2の処理の他の実施例として、ユーザーに上段側トレイ60の退避領域へのセットを促す表示を表示装置74に表示させることもできる。或いは、第1の及び第2の処理として、単に「上トレイの位置を確認して下さい」などの警告メッセージを表示装置74に表示させることもできる。
【0074】
その他にも例えば、上段側トレイ60が中途半端な位置にある場合には、予め定められた初期値に従うこともできるし(上トレイ、下トレイのいずれかを表示)、上トレイ、下トレイのいずれかを表示するのではなく、一例として「−」などの非選択表示とすることもできる。更に、この様に「−」などの非選択表示された状態から、ユーザーが「上トレイ」「下トレイ」のいずれかを選択した際、「上トレイを適正位置にセットしてください」などの警告表示を出すこともできる。
【0075】
上述の様に、制御部65は、上段側トレイ検出手段69の検出情報に基づき、上段側トレイ60が中途半端な位置(領域A1、A2)にあるときには、その位置に応じて適切な処理を行うので、ユーザビリティのより一層の向上を図ることができる。
【0076】
次に、図8を参照しながら本実施形態に係るプリンター1の他の特徴について説明する。図8は、用紙の給送開始時に実行される処理のフローチャートであり、プログラムとして制御部65が備える記憶手段に格納され、実行可能となっている。用紙の給送が開始されると、制御部65は、上段側トレイ検出手段69による上段側トレイ60の状態検出情報を再度取得する。
【0077】
その結果、上段側トレイ60がドライバ設定通りに位置Y1(給送可能位置)にある場合には(ステップS101においてYes)、上段側トレイ給紙モード(上段側トレイ60からの給紙に適した条件に設定された給紙方法)に移行し、給紙を実行する(ステップS105、S108)。尚、上段側トレイ60が位置Y1(給送可能位置)にあるが、ドライバ設定が「下トレイ」になっている場合には、「トレイの位置を確認してください」等の警告メッセージを出しても良い。
【0078】
次に、上段側トレイ60がドライバ設定通りに領域A3(退避領域)にある場合、即ち下段側トレイ50から用紙給送が可能な場合には(ステップS102においてYes)、下段側トレイ給紙モード(下段側トレイ50からの給紙に適した条件に設定された給紙方法)に移行し、給紙を実行する(ステップS107、S108)。尚、上段側トレイ60が領域A3にあるが、ドライバ設定が「上トレイ」になっている場合には、「トレイの位置を確認してください」等の警告メッセージを出しても良い。
【0079】
次に、上段側トレイ60が位置Y1、領域A3、のいずれにも属さない場合(ステップS102においてNo)、上段側トレイ60の領域によって処理を変える(ステップS103)。具体的には、印刷実行指令が出される前のUI表示の際に行ったのと同様に、上段側トレイ60が、位置Y1と領域A3との間の中間地点Y2より位置Y1寄りに在る場合(領域A1にある場合)には、ユーザーが上段側トレイ60からの給紙を予定していたと考えられる為、制御部65はモーターを駆動して上段側トレイ60を位置Y1へ移動させる(ステップS104)。そしてその後、上段側トレイ給紙モードに移行し、給紙を実行する(ステップS105、S108)。
【0080】
逆に上段側トレイ60が、位置Y1と領域A3との間の中間地点Y2より領域A3寄りに在る場合(領域A2にある場合)には、ユーザーが下段側トレイ50からの給紙を予定していたと考えられる為、制御部65はモーターを駆動して上段側トレイ60を位置Y4、即ち退避領域へ移動させる(ステップS106)。そしてその後、下段側トレイ給紙モードに移行し、給紙を実行する(ステップS107、S108)。
【0081】
尚、ステップS103に進んだ場合、即ち上段側トレイ60が中途半端な位置にある場合には、上段側トレイ60を自動で変位させずに、「トレイの位置を確認してください」等の警告メッセージを出し、以降の処理を中止しても良い。また、ステップS104実行時に、ドライバ上のトレイ選択が「下トレイ」になっている場合には、上段側トレイ60を位置Y1へ移動させる前に、念の為確認のメッセージを出しても良い。同様に、ステップS106実行時に、ドライバ上のトレイ選択が「上トレイ」になっている場合には、上段側トレイ60を位置Y4へ移動させる前に、念の為確認のメッセージを出しても良い。
【0082】
尚、ステップS105に示す上段側トレイ給紙モードと、ステップS107に示す下段側トレイ給紙モードと、の間における違いの一つとして、給送ローラーとしてのピックアップローラー16の総回転量が挙げられる。即ち、本実施形態では、上段側トレイ60の用紙収容空間が、下段側トレイ50のそれよりも小さいので、下段側トレイ50から用紙を送り出す際のピックアップローラー16の総回転量をそのまま上段側トレイ60に適用すると、次位の用紙まで送り出してしまう虞がある。
【0083】
従ってステップS105に示す上段側トレイ給紙モードでは、ピックアップローラー16の総回転量を、ステップS107に示す下段側トレイ給紙モードにおけるピックアップローラー16の総回転量より少なく設定している。これにより、上述のようなダブルフィードの問題の発生を防止することができる。
【0084】
以上説明した実施例は一例であり、本発明が上記実施例に限定されるものではなく、その他に種々の実施例が存在することは言うまでもない。例えば、上記実施例では、プリンター1及び外部コンピューター73で動作する双方のプリンタドライバに本発明が適用されているが、いずれか一方であっても構わない。
【符号の説明】
【0085】
1 インクジェットプリンター、2 給送装置、3 プリント機構部、4 記録手段、5 搬送手段、6 排出手段、10 用紙カセット、16 ピックアップローラー、17 揺動部材、18 揺動軸、20 従動ローラー、21 分離手段、22 分離ローラー、23 駆動ローラー、25 第1中間送り部、26 駆動ローラー、27 アシストローラー、29 従動ローラー、31 第2中間送り部、32 駆動ローラー、33 アシストローラー、35 搬送駆動ローラー、36 搬送従動ローラー、37 上部紙案内、39 下部紙案内、40 キャリッジ、41 キャリッジガイド軸、42 記録ヘッド、44 排出駆動ローラー、45 排出従動ローラー、50 下段側トレイ、50a 底面、51、52 エッジガイド、53 高摩擦材、54 分離斜面、60 上段側トレイ、60a 底面、61、62 エッジガイド、63 高摩擦材、65 制御部、66 情報表示部、67 操作設定部、68 記憶媒体装着部、69 トレイ位置検出センサー、70A、70B プリンタドライバ、71A、71B UI情報編集部、72A、72B 表示制御部、73 外部コンピューター、74 表示装置、P、P1、P2 記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録条件を設定するためのユーザインタフェースの表示に関するユーザインタフェース情報を管理するユーザインタフェース情報管理機能を備え、
前記ユーザインタフェース情報管理機能が、記録装置に設けられた、被記録媒体を収容する下段側トレイ、および当該下段側トレイの上部において給送可能位置と退避領域との間を変位可能に設けられた、被記録媒体を収容する上段側トレイを備えて構成された被記録媒体カセットのうち、上下いずれのトレイから被記録媒体を給送するかを選択するトレイ選択項目の表示を、前記上段側トレイの状態を検出するトレイ検出手段の検出情報に基づき、使用可能な上下いずれかのトレイに設定する、
ことを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項2】
請求項1に記載のプリンタドライバにおいて、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、前記上段側トレイが前記給送可能位置と前記退避領域との間の領域であって前記給送可能位置寄りに位置する場合には、前記トレイ選択項目の表示を前記上段側トレイに設定し、且つ前記上段側トレイから被記録媒体を給送する為の、予め定められた第1の処理を行い、
前記上段側トレイが前記給送可能位置と前記退避領域との間の領域であって前記退避領域寄りに位置する場合には、前記トレイ選択項目の表示を前記下段側トレイに設定し、且つ前記下段側トレイから被記録媒体を給送する為の、予め定められた第2の処理を行う、
ことを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項3】
請求項2に記載のプリンタドライバにおいて、前記第1の処理は、前記記録装置において前記上段側トレイを変位させるモーターを駆動制御する制御部に対し、前記上段側トレイを前記給送可能位置へと変位させる指示を出す処理であり、
前記第2の処理は、前記制御部に対し、前記上段側トレイを前記退避領域へと変位させる指示を出す処理である、
ことを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のプリンタドライバにおいて、被記録媒体を給送する際の被記録媒体給送条件について、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、前記トレイ選択項目の表示を前記上段側トレイに設定する場合には当該上段側トレイ用に設定された被記録媒体給送条件を選択するよう前記記録装置へ指示し、
前記トレイ選択項目の表示を前記下段側トレイに設定する場合には当該下段側トレイ用に設定された被記録媒体給送条件を選択するよう前記記録装置へ指示する、
ことを特徴とするプリンタドライバ。
【請求項5】
被記録媒体に記録を行う記録機構部と、
被記録媒体を収容する下段側トレイ、および当該下段側トレイの上部において給送可能位置と退避領域との間を変位可能に設けられた、被記録媒体を収容する上段側トレイを備えて構成された被記録媒体カセットと、
前記上段側トレイの状態を検出するトレイ検出手段と、
記録条件を設定するためのユーザインタフェースの表示が可能なユーザインタフェース表示部と、
前記被記録媒体カセットに設けられた上下トレイのうちいずれから被記録媒体を給送するかを選択するトレイ選択項目の表示を、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、使用可能な上下いずれかのトレイに設定する、前記ユーザインタフェース表示部の表示情報を管理するユーザインタフェース情報管理手段を備えた制御部と、
を備えたことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記録装置において、前記制御部は、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、前記上段側トレイが前記給送可能位置と前記退避領域との間の領域であって前記給送可能位置寄りに位置する場合には、前記トレイ選択項目の表示を前記上段側トレイに設定し、且つ前記上段側トレイから被記録媒体を給送する為の、予め定められた第1の処理を行い、
前記上段側トレイが前記給送可能位置と前記退避領域との間の領域であって前記退避領域寄りに位置する場合には、前記トレイ選択項目の表示を前記下段側トレイに設定し、且つ前記下段側トレイから被記録媒体を給送する為の、予め定められた第2の処理を行う、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項6に記載の記録装置において、前記制御部により駆動制御されるモーターにより前記上段側トレイを変位させる構成を備え、
前記第1の処理は、前記モーターを駆動制御して前記上段側トレイを前記給送可能位置へと変位させる処理であり、
前記第2の処理は、前記モーターを駆動制御して前記上段側トレイを前記退避領域へと変位させる処理である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか1項に記載の記録装置において、被記録媒体を給送する際の被記録媒体給送条件を、前記トレイ検出手段の検出情報に基づき、前記トレイ選択項目の表示を前記上段側トレイに設定する場合には当該上段側トレイ用に設定された被記録媒体給送条件を選択し、前記トレイ選択項目の表示を前記下段側トレイに設定する場合には当該下段側トレイ用に設定された被記録媒体給送条件を選択する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項8に記載の記録装置において、前記上段側トレイ及び前記下段側トレイから被記録媒体を送り出す、前記制御部により駆動制御される給送ローラーを備え、
前記被記録媒体給送条件は、被記録媒体給送時における前記給送ローラーの総回転量が、前記上段側トレイと前記下段側トレイとで異なる、
ことを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−133706(P2012−133706A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287074(P2010−287074)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】