説明

プリンタードライバー、印刷方法および印刷システム

【課題】文書束の中から所望の文書を容易に摘出できる合い紙を印刷する。
【解決手段】プリンタードライバー50は、画像を用紙上に印刷する第1の印刷ジョブを生成して出力する第1の機能と、第1の印刷ジョブを出力した後に、第1の印刷ジョブに関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷する第2の印刷ジョブを生成して出力する第2の機能と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタードライバー、印刷方法および印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一人のユーザーが複数の文書をプリンターで印刷する場合や、ネットワークに接続されたプリンターに対して複数のユーザーがそれぞれの文書をプリンターで印刷する場合、ユーザーが印刷を指示した文書は、用紙に順次印刷されて排出部から排出される。ところが、1つの文書が複数のページで構成される場合、排出部には印刷された文書の束が積層されるため、文書の束の中から所望の文書のみを摘出するのは容易ではなかった。下記特許文献1には、このような問題を解決すべく、文書の非印刷面の側に文書の情報を印刷した合い紙を作成し、作成した合い紙を文書と文書の切れ目の位置に排出することで、所望の文書を容易に摘出できるような印刷装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−143017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、文書の情報は合い紙上に一定の方向で印刷されているため、文書の束の一方を捲って所望の文書の合い紙を探す場合、捲る場所によっては文書の情報を斜め方向や反対方向から読み取る必要があった。従って、所望の文書を探すのが容易ではなく、文書束の中から所望の文書を摘出するのに手間と時間を要した。
そこで本発明は、前記した課題に鑑みてなされたものであり、文書束の中から所望の文書を容易に見つけ出して摘出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]
本適用例にかかるプリンタードライバーは、画像を用紙上に印刷する第1の印刷ジョブを生成して出力する第1の機能と、前記第1の印刷ジョブを出力した後に、前記第1の印刷ジョブに関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷する第2の印刷ジョブを生成して出力する第2の機能と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このような機能によれば、画像を印刷するための第1の印刷ジョブが生成されて出力された後、第1の印刷ジョブに関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷するための第2の印刷ジョブが生成されて出力される。従って、出力された印刷ジョブを入力した印刷装置は、第1の印刷ジョブを用紙に印刷して排出した後に、第1の印刷ジョブに関する情報を四隅に印刷した用紙を排出するため、印刷装置に積層された用紙束を何れの側から捲った場合でも、用紙の区切りを抽出し、用紙に印刷された第1の印刷ジョブに関する情報を視認できることから、用紙束の中から第1の印刷ジョブが印刷された用紙を容易に摘出できる。
【0008】
[適用例2]
上記適用例にかかるプリンタードライバーにおいて、前記第2の印刷ジョブは、前記第1の印刷ジョブが印刷された前記用紙と対向する前記1枚の用紙の対向面および前記対向面の裏面の何れか一方に印刷することが好ましい。
【0009】
このような機能によれば、第1の印刷ジョブが印刷された用紙と対向する面および裏面の何れかに情報を印刷できる。
【0010】
[適用例3]
上記適用例にかかるプリンタードライバーにおいて、前記第2の印刷ジョブは、前記用紙の2つの短辺側、2つの長辺側および2つの短辺と2つの長辺がそれぞれ交差する側の何れか1つからそれぞれ視読可能に印刷することが好ましい。
【0011】
このような機能によれば、用紙の束を捲った場合、第1の印刷ジョブに関する情報を容易に視読できる。
【0012】
[適用例4]
上記適用例にかかるプリンタードライバーにおいて、前記第2の印刷ジョブは、前記第1の印刷ジョブが印刷される印刷方向に基づき、前記四隅に印刷する文字の大きさを変えて印刷することが好ましい。
【0013】
このような機能によれば、用紙の束を捲った場合、第1の印刷ジョブの印刷方向に応じて第1の印刷ジョブに関する情報を容易に視読できる。
【0014】
[適用例5]
上記適用例にかかるプリンタードライバーにおいて、前記第2の印刷ジョブは、所定の色または所定の図形を印刷しても良い。
【0015】
[適用例6]
上記適用例にかかるプリンタードライバーにおいて、前記第2の印刷ジョブを生成して出力するか、否かを決定するための区切りページ設定機能を備えることが好ましい。
【0016】
このような機能によれば、第2の印刷ジョブを生成して出力するか、否かを決定できる。
【0017】
[適用例7]
本適用例にかかるプリンタードライバーは、画像を用紙上に印刷する第1の印刷コマンドを生成する機能と、前記第1の印刷コマンドによる印刷に関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷する第2の印刷コマンドを生成する機能と、前記第1の印刷コマンドに続いて、前記第2の印刷コマンドが実行される印刷ジョブを生成して出力する機能と、を備えることを特徴とする。
【0018】
このような機能によれば、画像を印刷するための第1の印刷コマンドと、第1の印刷コマンドによる印刷に関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷するための第2の印刷コマンドとが生成され、第1の印刷コマンドに続いて、第2の印刷コマンドが実行される印刷ジョブが生成されて出力される。従って、出力された印刷ジョブを入力した印刷装置は、第1の印刷ジョブを用紙に印刷して排出した後に、第1の印刷ジョブに関する情報を四隅に印刷した用紙を排出するため、印刷装置に積層された用紙束を何れの側から捲った場合でも、用紙の区切りを抽出し、用紙に印刷された第1の印刷ジョブに関する情報を視認できることから、用紙束の中から第1の印刷ジョブが印刷された用紙を容易に摘出できる。
【0019】
[適用例8]
本適用例にかかる印刷方法は、画像を用紙上に印刷する第1の印刷ジョブを生成して出力する工程と、前記第1の印刷ジョブを出力した後に、前記第1の印刷ジョブに関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷する第2の印刷ジョブを生成して出力する工程と、を有することを特徴とする。
【0020】
このような方法によれば、画像を印刷するための第1の印刷ジョブが生成されて出力された後、第1の印刷ジョブに関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷するための第2の印刷ジョブが生成されて出力される。従って、出力された印刷ジョブを入力した印刷装置は、第1の印刷ジョブを用紙に印刷して排出した後に、第1の印刷ジョブに関する情報を四隅に印刷した用紙を排出するため、印刷装置に積層された用紙束を何れの側から捲った場合でも、用紙の区切りを抽出し、用紙に印刷された第1の印刷ジョブに関する情報を視認できることから、用紙束の中から第1の印刷ジョブが印刷された用紙を容易に摘出できる。
【0021】
[適用例9]
本適用例にかかる印刷システムは、画像を用紙上に印刷して排出した後、前記画像の印刷に関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷して排出することを特徴とする。
【0022】
このような構成によれば、画像を用紙に印刷した後に、画像の印刷に関する情報を四隅に印刷した用紙を排出するため、排出口に積層された用紙束を何れの側から捲った場合でも、用紙の区切りを抽出し、用紙に印刷された画像に関する情報を視認できることから、用紙束の中から画像が印刷された用紙を容易に摘出できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る印刷システムの構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態に係るプリンタードライバーの機能構成を示すブロック図。
【図3】印刷設定のユーザーインターフェイスの一例を示す図。
【図4】区切りページ印刷の処理の流れを示すフローチャート。
【図5】排出された区切りページの一例を示す図。
【図6】区切りページの印刷例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、区切りページを生成して排出する印刷システムについて図面を参照して説明する。
【0025】
(実施形態)
図1は、印刷システム5の構成を示す図である。印刷システム5は、ホスト装置としてのコンピューター10と、印刷装置としてのプリンター30とが通信可能に接続されて構成される。
コンピューター10は、ハードウェアとして演算処理の中枢をなすCPU(Central Processing Unit)12を備えており、このCPU12は、システムバス26を介してROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリー14にアクセス可能となっている。また、システムバス26には入出力I/F18とデータ入出力I/F16が接続されている。
【0026】
入出力I/F18には、外部記憶装置としてのHDD20が接続されており、HDD20には、ソフトウェアとしてオペレーティングシステム(図示は略す。)や、プリンター30の機能を制御し、プリンター30の機能に応じた印刷データを生成するプリンタードライバー50(図2)、および文書情報や画像情報を作成可能なアプリケーション80(図2)等が格納されている。これらのソフトウェアは、実行時にCPU12によって適宜メモリー14のRAMに転送される。CPU12は、RAMに適宜アクセスしてソフトウェアを実行する。即ち、RAMは一時的なワークエリアとして利用されることにより、種々のプログラムが実行される。
【0027】
また、入出力I/F18には、画像や文字情報を表示する表示装置22、および、キーボードやマウスのように、ユーザーが操作することで指示情報が入力される入力装置24が接続されている。
データ入出力I/F16は、例えば、USB(Universal Serial Bus)による接続を想定し、プリンタードライバー50が生成する印刷ジョブのデータをプリンター30に出力したり、プリンター30からステータスに関する情報を入力したりする。尚、プリンター30との接続は、ネットワークにより接続された様態も想定できる。
プリンター30は、コントローラー32、搬送ユニット42、キャリッジユニット44およびヘッドユニット46を備える。本実施形態では、プリンター30の印刷方式は、インクジェット方式を想定し、コンピューター10から印刷ジョブのデータを受信した場合、コントローラー32が搬送ユニット42、キャリッジユニット44、およびヘッドユニット46を制御し、何れも図示を略した印刷ヘッドのノズルからインク滴を吐出することで、印刷用紙に画像を形成する。
【0028】
コントローラー32は、プリンター30の制御を行うための制御ユニットである。データ入出力I/F38は、コンピューター10との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU34は、プリンター30全体の制御を行う。また、メモリー36は、CPU34のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU34は、ユニット制御回路40を介して各ユニットを制御する。これらはバス48を介して接続されている。
搬送ユニット42は、印刷用紙を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に搬送方向に所定の搬送量で印刷用紙を搬送する。キャリッジユニット44は、印刷ヘッドを搬送方向と交差する方向に移動させる。ヘッドユニット46は、印刷ヘッドを有し、ノズルに対応するピエゾ素子を駆動することで、印刷用紙にインク滴を吐出する。
【0029】
図2は、プリンタードライバー50の機能構成を示すブロック図である。プリンタードライバー50は、ユーザーが印刷設定を行うための印刷設定UI(User Interface)55と、印刷ジョブを生成する印刷処理モジュール60とを有する。
印刷設定UI55は、ユーザーがプリンタードライバー50に対して印刷設定するためのユーザーインターフェイスであり、本実施形態では、図3に示すようなユーザーインターフェイスを想定する。この印刷設定UI55は、区切りページ設定機能を有する区切りページ設定部58を備える。区切りページとは、合い紙やジョブセパレーターとも呼ばれ、印刷ジョブの最終ページに続いて印刷用紙を出力することで、印刷ジョブの区切りを示すためのものである。図3においては、区切りページを挿入するか、否かをチェックボックスで選択できる。
尚、本実施形態では、プリンタードライバー50には、区切りページ挿入以外に、種々の機能も実装されているが、これら機能については記載せず、区切りページの機能についてのみ記載する。
【0030】
印刷設定UI55で決定された区切りページ挿入の可否に関する情報は、オペレーティングシステムに応じて、DevModeやプリントチケットと呼ばれる所定の記憶領域に記憶され、所定の記憶領域の情報はアプリケーション80から必要に応じて参照される。
【0031】
アプリケーション80は、文書や画像等のコンテンツ画像を作成する機能を備える。ユーザーは、アプリケーション80で所望のコンテンツ画像を作成し、印刷を指示することができる。アプリケーション80は、ユーザーからの印刷指示を受けて、所定の記憶領域を参照し、この記憶領域に記憶されている印刷設定情報を取得すると共に、印刷設定情報に基づいて所定の大きさのコンテンツ画像のベクター画像データを作成し、作成したベクター画像データおよび印刷設定データを印刷処理モジュール60に送る。
【0032】
印刷処理モジュール60は、画像処理部65、区切りページ印刷指示部70および印刷ジョブ生成部75を有する。また、画像処理部65は、コンテンツ画像処理部66と区切りページ画像処理部68を備える。
コンテンツ画像処理部66は、アプリケーション80から送られるコンテンツ画像のベクター画像データを取得し、取得したベクター画像データが示すベクターイメージに対して画像処理を行い、RGB(Red Green Blue)のラスターイメージに変換する機能を有する。更に、コンテンツ画像処理部66は、RGBのラスターイメージに対して、3次元の変換テーブル(Look Up Table)や補間演算法を適用し、CMYK(Cyan Magenta Yellow Black)のラスターイメージに変換する。変換されたコンテンツのラスターイメージのデータ(ラスター画像データ)は、印刷ジョブ生成部75に送られる。
【0033】
区切りページ画像処理部68は、区切りページ印刷指示部70から送られる区切りページ画像の生成指示に基づき、コンテンツ画像処理部66が直近に処理したコンテンツ画像の印刷設定データ等を参照して予め決められたジョブ情報(印刷ジョブに関する情報)を取得し、取得したジョブ情報を含むラスターイメージを生成する。
本実施形態では、ジョブ情報として、印刷ジョブ名、ユーザー名および印刷する日時に関する情報等を想定する。更に、区切りページ画像処理部68は、印刷用紙の四隅にジョブ情報がそれぞれ印刷されるようなラスターイメージのデータを生成する。
尚、プリンタードライバー50内部で文字列データからラスターイメージを生成する処理は、スタンプマーク印刷機能において、予め決定されたテキスト文字列のラスターイメージを生成する処理と同様の処理を適用できる。このようにして生成されたジョブ情報のラスターイメージのデータ(ラスター画像データ)は、印刷ジョブ生成部75に送られる。
【0034】
区切りページ印刷指示部70は、印刷設定データを解析し、区切りページを挿入すると判断した場合、コンテンツ画像の印刷に続いて一枚の区切りページを印刷すべく、区切りページ画像処理部68に対して区切りページ画像の生成指示を送ると共に、印刷設定データに基づいて区切りページを印刷するための制御データを生成し、生成した区切りページの制御データを印刷ジョブ生成部75に送る。
印刷ジョブ生成部75は、画像処理部65からコンテンツのラスター画像データが送られた場合、印刷設定データに基づいて制御データを生成し、生成した制御データとラスター画像データとを組み合わせてプリンター30が認識可能なコマンド群(第1の印刷コマンド)に変換し、変換したコマンド群をページ単位で記述した印刷ジョブ(第1の印刷ジョブ)を作成する。作成された印刷ジョブはプリンター30に送信され、プリンター30は印刷ジョブに基づいてページ単位でコンテンツ画像を印刷する(第1の機能)。
【0035】
また、印刷ジョブ生成部75は、画像処理部65からジョブ情報のラスター画像データが送られた場合、区切りページ印刷指示部70から送られる制御データと、生成した制御データおよびラスター画像データと、を組み合わせてプリンター30が認識可能なコマンド群(第2の印刷コマンド)に変換し、変換したコマンド群をページ単位で記述した印刷ジョブ(第2の印刷ジョブ)を作成する。作成された印刷ジョブはプリンター30に送信され、プリンター30は印刷ジョブに基づいて、ジョブ情報を一枚の区切りページとして印刷する(第2の機能)。この場合、ジョブ情報は、コンテンツ画像が印刷された印刷面と対向する対向面、および対向面の裏面の何れかに印刷される。
尚、本実施形態では、上述の2つのコマンド群をそれぞれ異なる印刷ジョブで出力したが、最初に第1の印刷コマンドが実行され、続いて第2の印刷コマンドが実行されるように1つの印刷ジョブを生成して出力しても良い。
【0036】
図4は、プリンタードライバー50による区切りページ印刷の処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、オペレーティングシステムにより所定の時間間隔で実行される。
この処理が実行されると、最初に、コンピューター10のCPU12は、プリンター30で印刷すべきコンテンツが存在するか、否かを判定する(ステップS100)。
ここで、CPU12が印刷すべきコンテンツは存在しないと判定した場合(ステップS100でNo)、一連の処理を終了する。
他方で、CPU12が印刷すべきコンテンツは存在すると判定した場合(ステップS100でYes)、CPU12はコンテンツのラスター画像データを生成する(ステップS102)。
次に、CPU12は、印刷設定情報に基づいて、生成したコンテンツのラスター画像データの印刷ジョブを生成する(ステップS104)。続いて、CPU12は、生成した印刷ジョブをプリンター30に送る(ステップS106)。
【0037】
次に、CPU12は、印刷設定情報に基づいて区切りページを印刷するか、否か判定する(ステップS108)。
ここで、CPU12が区切りページを印刷しないと判定した場合(ステップS108でNo)、一連の処理を終了する。
他方で、CPU12が区切りページを印刷すると判定した場合(ステップS108でYes)、CPU12は、印刷設定情報から区切りページで印刷する情報を取得する(ステップS110)。
次に、CPU12は、印刷する情報を印刷用紙の四隅に配置したラスターデータを生成する(ステップS112)。
次に、CPU12は、印刷設定情報に基づく区切りページの制御データと、生成したラスター画像データとを含む印刷ジョブを生成する(ステップS114)。続いて、CPU12は、生成した印刷ジョブをプリンター30に送り(ステップS116)、一連の処理を終了する。
【0038】
図5は、上述の処理により印刷された区切りページPの一例を示す。この図5に示す区切りページPは、第1のコンテンツ画像を印刷するJOB1が印刷された後に印刷され、この区切りページPが印刷された後、第2のコンテンツ画像を印刷するJOB2が印刷される。上記の順で印刷されたJOB1、区切りページP、JOB2を、JOB1が上側になるように取り出した状態を示している。
区切りページPの印刷面、即ち、第1のコンテンツ画像が印刷された最終ページの印刷用紙と対向する面の四隅にはJOB1に関する情報がそれぞれ印刷される。本実施形態では、JOB1に関する同一の文字情報が四隅に印刷されるが、これには限定されず、四隅の少なくとも1つは他の隅の文字情報と異なっても良い。
JOB1の印刷用紙、区切りページPおよびJOB2の印刷用紙を1つの束として保持した人物は、JOB1の1ページからパラパラと用紙を捲りJOB1とJOB2の区切りを探す場合、用紙の何れの領域を捲っても区切りページPの四隅に印刷された文字情報の何れかを視認できるため、印刷用紙の束からJOB1とJOB2とを容易に分離できる。
【0039】
尚、JOB1に関する文字情報は同一の印刷方向に統一された書式には限定されない。例えば、印刷用紙の2つの短辺側、2つの長辺側および2つの短辺と2つの長辺がそれぞれ交差する側の何れか1つからそれぞれ視読可能に印刷しても良い。即ち、図6に示すように、印刷用紙の2つの短辺側からそれぞれ読むための印刷方向、即ち、短辺側に対して外向きの印刷方向でも良い。この場合、長辺側に対して外向きの印刷方向でも良い。また、印刷用紙の短辺と長辺が交差するそれぞれの斜め方向から読むための印刷方向、即ち、斜め外向きの印刷方向でも良い。更に、JOB1の印刷方向に基づいて、ユーザーが読む側に近い領域のフォントと、遠い領域のフォントとを変えることで文字の大きさを変えても良い。例えば、フォントのサイズ、スタイルおよび色の濃度等を変化させても良い。これらにより、JOB1に関する文字情報を視認し易くなる。
また、区切りページPに印刷される情報は文字情報には限定されず、所定の色による所定の領域の塗りつぶしや、所定の図形やシンボルマークの描画であっても良い。また、区切りページPに記載するジョブ情報は、印刷ジョブ名、ユーザー名および印刷する日時に限定されず、印刷設定情報やオペレーティングシステム等から取得できる他の情報でも良い。これにより、印刷ジョブの区切りを見つけ易くなる。
【0040】
尚、本実施形態では、印刷システム5として、コンピューター10にプリンタードライバー50が設定され、プリンタードライバー50が生成した印刷ジョブを通信可能に接続されたプリンター30に送る様態を採用したが、このような様態には限定されず、複合機のようなスタンドアロンタイプのプリンター30も想定できる。この場合、メモリーカード等に記録された画像データを読み取り、プリンター30に組み込まれたプリンタードライバー50が印刷ジョブを生成して印刷する様態でも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0041】
5…印刷システム、10…コンピューター、12…CPU、14…メモリー、16…データ入出力I/F、18…入出力I/F、20…HDD、22…表示装置、24…入力装置、26…システムバス、30…プリンター、32…コントローラー、34…CPU、36…メモリー、38…データ入出力I/F、40…ユニット制御回路、42…搬送ユニット、44…キャリッジユニット、46…ヘッドユニット、48…バス、50…プリンタードライバー、55…印刷設定UI、58…区切りページ設定部、60…印刷処理モジュール、65…画像処理部、66…コンテンツ画像処理部、68…区切りページ画像処理部、70…区切りページ印刷指示部、75…印刷ジョブ生成部、80…アプリケーション。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を用紙上に印刷する第1の印刷ジョブを生成して出力する第1の機能と、
前記第1の印刷ジョブを出力した後に、前記第1の印刷ジョブに関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷する第2の印刷ジョブを生成して出力する第2の機能と、を備えることを特徴とするプリンタードライバー。
【請求項2】
請求項1に記載のプリンタードライバーにおいて、
前記第2の印刷ジョブは、前記第1の印刷ジョブが印刷された前記用紙と対向する前記1枚の用紙の対向面および前記対向面の裏面の何れか一方に印刷することを特徴とするプリンタードライバー。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載のプリンタードライバーにおいて、
前記第2の印刷ジョブは、前記用紙の2つの短辺側、2つの長辺側および2つの短辺と2つの長辺がそれぞれ交差する側の何れか1つからそれぞれ視読可能に印刷することを特徴とするプリンタードライバー。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに1項に記載のプリンタードライバーにおいて、
前記第2の印刷ジョブは、前記第1の印刷ジョブが印刷される印刷方向に基づき、前記四隅に印刷する文字の大きさを変えて印刷することを特徴とするプリンタードライバー。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに1項に記載のプリンタードライバーにおいて、
前記第2の印刷ジョブは、所定の色または所定の図形を印刷することを特徴とするプリンタードライバー。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに1項に記載のプリンタードライバーにおいて、
前記第2の印刷ジョブを生成して出力するか、否かを決定するための区切りページ設定機能を備えることを特徴とするプリンタードライバー。
【請求項7】
画像を用紙上に印刷する第1の印刷コマンドを生成する機能と、
前記第1の印刷コマンドによる印刷に関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷する第2の印刷コマンドを生成する機能と、
前記第1の印刷コマンドに続いて、前記第2の印刷コマンドが実行される印刷ジョブを生成して出力する機能と、を備えることを特徴とするプリンタードライバー。
【請求項8】
画像を用紙上に印刷する第1の印刷ジョブを生成して出力する工程と、
前記第1の印刷ジョブを出力した後に、前記第1の印刷ジョブに関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷する第2の印刷ジョブを生成して出力する工程と、を有することを特徴とする印刷方法。
【請求項9】
画像を用紙上に印刷して排出した後、前記画像の印刷に関する情報を1枚の用紙の四隅にそれぞれ印刷して排出することを特徴とする印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−108633(P2012−108633A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255597(P2010−255597)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】