説明

プリンタ装置

【課題】記録紙ガイドとダンパーとが一体化したプリンタ装置を提供する。
【解決手段】ロール状の記録紙に印字するプリンタ装置において、前記記録紙に印字をするためのプリンタメカユニットと、前記プリンタメカユニットに前記記録紙を導くための記録紙ガイドユニットと、を有し、前記記録紙ガイドユニットは、上部ガイド部と下部ガイド部とを有しており、前記上部ガイド部には、前記下部ガイド部が設けられている方向に力が加わるバネが設けられており、前記下部ガイド部には、前記上部ガイド部が設けられている方向に力が加わるバネが設けられており、前記記録紙は、前記上部ガイド部と前記下部ガイド部との間を通り前記プリンタメカユニットに導かれるものであることを特徴とするプリンタ装置を提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レシート等を発行するプリンタは、商店等のレジスタ、銀行等におけるATM(Automated Teller Machine)やCD(Cash dispenser)等の用途に幅広く用いられている。
【0003】
このようなレシート等を発行するプリンタは、記録紙となる感熱紙がロール状に巻かれており、記録紙を搬送しながらサーマルヘッド等により記録紙に印字等を行ない、所定の長さまで記録紙を搬送した後、カッターで所定の長さで記録紙を切断するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−19845号公報
【特許文献2】特開2007−130842号公報
【特許文献3】特開2006−56032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなプリンタは、ロール状に巻かれた記録紙が終了してしまうと、次の記録紙を装着するまで印字を行なうことができず、印字することができない時間が生じてしまい、印字する際に不都合が生じていた。
【0006】
また、記録紙は比較的大きな体積を有しており、プリンタ装置の用途によって、記録紙の設置場所を変える必要があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、記録紙が終了した場合においても、印字することができない時間が発生することなく印字可能なプリンタ装置を提供することを目的とするものであり、また、記録紙が設置される位置を容易に変更することが可能なプリンタ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ロール状の記録紙に印字するプリンタ装置において、前記記録紙に印字をするためのプリンタメカユニットと、前記プリンタメカユニットに前記記録紙を導くための記録紙ガイドユニットと、を有し、前記記録紙ガイドユニットは、上部ガイド部と下部ガイド部とを有しており、前記上部ガイド部には、前記下部ガイド部が設けられている方向に力が加わるバネが設けられており、前記下部ガイド部には、前記上部ガイド部が設けられている方向に力が加わるバネが設けられており、前記記録紙は、前記上部ガイド部と前記下部ガイド部との間を通り前記プリンタメカユニットに導かれるものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、ロール状の記録紙に印字するプリンタ装置において、前記記録紙に印字をするためのプリンタメカユニットと、前記プリンタメカユニットに前記記録紙を導くための記録紙ガイドユニットと、を有し、前記記録紙ガイドユニットは、ガイド上部とガイド下部とを有しており、前記ガイド上部と前記ガイド下部は一体に形成されているものであって、前記ガイド上部が設けられている側には、前記ガイド下部が設けられている方向に力が加わるバネが設けられており、前記ガイド下部が設けられている側には、前記ガイド上部が設けられている方向に力が加わるバネが設けられており、前記記録紙は、前記ガイド上部と前記ガイド上部との間を通り前記プリンタメカユニットに導かれるものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記バネは、コイルバネまたは板バネであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、ロール状の記録紙に印字するプリンタ装置において、前記記録紙に印字をするためのプリンタメカユニットと、前記プリンタメカユニットに前記記録紙を導くための記録紙ガイドユニットと、を有し、前記記録紙ガイドユニットは、上部板バネ部と下部板バネ部とを有しており、前記上部板バネ部は、前記下部板バネ部が設けられている方向に力が加わるものであり、前記下部板バネ部は、前記上部板バネ部が設けられている方向に力が加わるものであり、前記記録紙は、前記上部板バネ部と前記下部板バネ部との間を通り前記プリンタメカユニットに導かれるものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記記録紙ガイドユニットには、前記記録紙と接する側に、ピンチローラが設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記記録紙が通る開口部が設けられた正面部を有するメインフレームと、前記メインフレームに接続されるアームユニットと、前記アームユニットに接続される2つの給紙軸ユニットと、を有し、前記正面部の一方の面の側において、前記記録紙ガイドユニットは前記メインフレームと接続されており、前記正面部の他方の面の側において、前記プリンタメカユニットは前記メインフレームと接続されており、前記記録紙は前記給紙軸ユニットにより保持されるものであって、2つの前記給紙軸ユニットには、各々記録紙が装着されるものであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記記録紙が通る開口部が設けられた正面部を有するメインフレームと、前記メインフレームに接続されるアームユニットと、前記アームユニットに接続される給紙軸ユニットと、を有し、前記正面部の一方の面の側において、前記記録紙ガイドユニットは前記メインフレームと接続されており、前記正面部の他方の面の側において、前記プリンタメカユニットは前記メインフレームと接続されており、前記記録紙は前記給紙軸ユニットにより保持されるものであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、ロール状の記録紙に印字するプリンタ装置において、前記記録紙に印字をするためのプリンタメカユニットと、前記プリンタメカユニットに前記記録紙を導くための記録紙ガイドユニットと、前記記録紙を保持するための2つの給紙軸ユニットと、を有し、前記記録紙は、2つの前記給紙軸ユニットの各々に設置されるものであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記記録紙は感熱紙であって、前記プリンタユニットはサーマルヘッドを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、記録紙が終了した場合においても、印字することができない時間が発生することなく印字可能なプリンタ装置を提供することができる。また、記録紙が設置される位置を容易に変更することが可能なプリンタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態におけるプリンタ装置を構成するユニットの説明図
【図2】メインフレームの斜視図
【図3】メインフレームに記録紙ガイドユニットが接続されているものの斜視図
【図4】メインフレームに記録紙ガイドユニット及び制御基板ユニットが接続されているものの斜視図
【図5】記録紙ガイドユニットにおける制御基板ユニットが接続される部分の拡大図
【図6】メインフレームに記録紙ガイドユニット及び制御基板ユニットが接続されているものの上面図
【図7】メインフレームに記録紙ガイドユニット及び制御基板ユニットが接続されているものの上面斜視図
【図8】第1の実施の形態におけるプリンタ装置の構造図
【図9】第1の実施の形態におけるプリンタ装置の斜視図(1)
【図10】第1の実施の形態におけるプリンタ装置の斜視図(2)
【図11】第1の実施の形態におけるプリンタ装置において2つの記録紙が設置された状態の構造図
【図12】第1の実施の形態におけるプリンタ装置において2つの記録紙が設置された状態の斜視図
【図13】第1の実施の形態におけるプリンタ装置において1つの記録紙が設置された状態の斜視図(1)
【図14】第1の実施の形態におけるプリンタ装置において1つの記録紙が設置された状態の斜視図(2)
【図15】図14に示す1つの記録紙が設置されたプリンタ装置の構成図
【図16】記録紙ガイドの説明図
【図17】第1の実施の形態における記録紙ガイドユニットの構造図
【図18】第1の実施の形態における記録紙ガイドユニットの説明図(1)
【図19】第1の実施の形態における記録紙ガイドユニットの説明図(2)
【図20】第1の実施の形態における記録紙ガイドユニットの説明図(3)
【図21】第1の実施の形態における他の記録紙ガイドユニットの構造図(1)
【図22】第1の実施の形態における他の記録紙ガイドユニットの構造図(2)
【図23】第2の実施の形態における記録紙ガイドユニットの構造図
【図24】第2の実施の形態における他の記録紙ガイドユニットの構造図
【図25】第3の実施の形態における記録紙ガイドユニットの構造図
【図26】第3の実施の形態における記録紙ガイドユニットの説明図(1)
【図27】第3の実施の形態における記録紙ガイドユニットの説明図(2)
【図28】第3の実施の形態における他の記録紙ガイドユニットの構造図(1)
【図29】第3の実施の形態における他の記録紙ガイドユニットの構造図(2)
【図30】第4の実施の形態における記録紙ガイドユニットの説明図
【図31】第4の実施の形態における他の記録紙ガイドユニットの説明図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0020】
〔第1の実施の形態〕
(プリンタ装置の構造)
第1の実施の形態におけるプリンタ装置について説明する。本実施の形態におけるプリンタ装置は、プリンタ装置を複数のユニットにより構成したものであり、各々のユニットを交換等することにより、所望の用途に容易に作りかえることができる構造のものである。即ち、通常、プリンタ装置は、複数の部品により構成されているが、用途によって必要な部品が異なるため、プリンタ装置を作り分けることは、製造工程が複雑なものとなり、製造の際に混乱を招きやすい。
【0021】
本実施の形態におけるプリンタ装置は、機能ごとにユニット化されており、これらのユニットを組み合わせ組み立てることにより、所望のプリンタ装置を作製することができる。即ち、用途に応じて必要となるユニットを取り付けることにより、用途に応じたプリンタ装置を容易に作り分けることができる。また、このように複数のユニットを組み合わせることによりプリンタ装置が構成されているため、故障等が生じた場合においても、故障等の生じているユニットをユニットごと交換することにより、修理等のメンテナンス時間を短くすることができる。これにより、故障等によりプリンタ装置が使用のできない時間を短くすることができ、プリンタ装置の稼働率の低下をできるだけ抑えることができる。
【0022】
図1に基づき、本実施の形態におけるプリンタ装置について説明する。本実施の形態におけるプリンタ装置は、メインフレーム10、プリンタメカユニット20、記録紙ガイドユニット30、制御基板ユニット40、アームユニット50、ニアエンド検出ユニット60、給紙軸ユニット70、カバー80を有している。
【0023】
メインフレーム10は、金属等の強度を有する材料により形成されており、記録紙が排紙される正面部11と、正面部11に対し略垂直に曲げられることにより形成された側面部12とを有している。正面部11には、排出される記録紙が通ることのできる開口部13が設けられており、記録紙が排紙される際には、正面部11の一方の面の側から他方の面の側に向かって記録紙が開口部13内を通る。
【0024】
プリンタメカユニット20は、プリンタユニット21とカッターユニット22を有しており、カッターユニット22とプリンタユニット21とを分離し、容易に取り外すことができる。本実施の形態におけるプリンタ装置では、記録紙としてロール状に巻かれた感熱紙が用いられており、プリンタユニット21は、記録紙に印字等するための不図示のサーマルヘッド、記録紙を搬送するモータ及びプラテンローラ等を有している。また、カッターユニット22は、プリンタユニット21において印字等された記録紙を所定の長さに切断するものであり、不図示の固定刃と可動刃を有しており、可動刃が可動することにより記録紙が切断される。
【0025】
記録紙ガイドユニット30は、ロール状の記録紙を挟み込み、メインフレーム10の開口部13を通し、プリンタメカユニット20の印刷ユニット21に導くためのものである。
【0026】
制御基板40は、プリント基板等に電子部品が搭載されているものであり、プリンタメカユニット20等における記録紙への印字、記録紙の搬送、記録紙の切断等の制御を行なう。
【0027】
アームユニット50は、後述する給紙軸ユニット70に取り付けられたロール状の記録紙を保持するためのものであり、一方向に長く形成されている。長く形成されたアームユニット50の一方は、メインフレーム10の側面部12に接続されており、他方には給紙軸ユニット70が接続されている。
【0028】
ニアエンド検出ユニット60は、ロール状の記録紙の残量を検出するためのものであり、アームユニット50と給紙軸ユニット70の間、または、アームユニット50において、給紙軸ユニット70と接続される側に接続されている。
【0029】
給紙軸ユニット70は、記録紙を保持するためのものであり、ロール状に巻かれた記録紙の中央の開口部分に給紙軸ユニット70を貫通させて記録紙を保持する。給紙軸ユニット70は、アームユニット50に面に対し、給紙軸ユニット70が略垂直となるように接続されている。
【0030】
カバー80は、メインフレーム10の上部を覆うように設置されるものである。
【0031】
(メインフレーム)
次に、図2に基づき本実施の形態におけるプリンタ装置のメインフレーム10について説明する。本実施の形態におけるメインフレーム10は、上述したように、開口部13が設けられた正面部11、側面部12、側面部14、底面部15を有している。側面部14は正面部11と接しており、側面部12が設けられている側とは反対側に設けられており、正面部11に対し略垂直に曲げることにより形成されている。従って、側面部12と側面部14とは略平行となる。底面部15は、側面部12、14及び正面部11と接している。本実施の形態では、底面部15と正面部11とは略垂直となっており、底面部15と側面部12、14とは、各々略垂直となっている。このようにして、側面部12、14及び底面部15は、正面部11の一方の面の側に設けられている。
【0032】
このようなメインフレーム10では、直方体の形状を構成している6面のうち4面に、正面部11、側面部12及び14、底面部15が形成されているため、残りの2面より各々ユニットをメインフレーム10等に接続することができる。このため、正面部11、側面部12、14及び底面部15には、他のユニットを接続するためのネジ穴等が設けられている。
【0033】
(製造方法)
本実施の形態におけるプリンタ装置は、メインフレーム10に各々のユニットを接続することにより製造することができる。
【0034】
最初に、図3に示すように、メインフレーム10の底面部15に記録紙ガイドユニット30を接続する。記録紙ガイドユニット30は、底面部15にネジ留めすることにより接続されており、記録紙が記録紙ガイドユニット30の上部ガイド部31と下部ガイド部36との間より入り、更には、メインフレーム10の一方の面の側の開口部13に入るように接続される。
【0035】
次に、図4に示すように、制御基板ユニット40を記録紙ガイドユニット30に接続する。具体的には、図5に示すように、記録紙ガイドユニット30の上部には、制御基板ユニット40を設置するための凹状の制御基板固定部47a、47bと凸状の制御基板押え部47cが設けられている。従って、制御基板ユニット40を取り付ける際には、制御基板ユニット40を凹状の制御基板固定部47a、47bに嵌め込み、制御基板押え部47cにより制御基板ユニット40の傾きを押えて、ネジ48aによりメインフレーム10の側面部14に設けられた接続部48bに固定し接続する。尚、接続部48bは、側面部14に対し略直角に曲げられており、ネジ48aに対応する形状のネジ穴48cが設けられている。
【0036】
このように形成されたものの上面図を図6に示し、上方向から見た斜視図を図7に示す。図6に示されるように、記録紙ガイドユニット30は、メインフレーム10の底面部15にネジ19a及び19bによりネジ留めされることにより接続されている。
【0037】
次に、図8に示すように、メインフレーム10の側面部12にアームユニット50を接続する。アームユニット50は、図1等に示されるように、メインフレーム10の側面部12に、アームユニット50の一方の側をネジ58a及び58bによりネジ留めすることにより固定され接続される。また、アームユニット50の他方の側には、給紙軸ユニット70がネジ58cにより、回転可能な状態で接続される。尚、アームユニット50と給紙軸ユニット70との間には、ニアエンド検出ユニット60が設置されている。
【0038】
更に、メインフレーム10の正面部11の他方の面の側に、プリンタメカユニット20を接続する。プリンタメカユニット20は、メインフレーム10の正面部11の他方の側に、図1等に示されるネジ28a及び28bによりネジ留めすることにより固定され接続される。
【0039】
このように各々のユニットを接続することにより製造された本実施の形態におけるプリンタ装置の斜視図を図9及び図10に示す。尚、図9及び図10は、給紙軸ユニット70に記録紙90が設置されている状態を示すものであり、図9は、前面方向から見た斜視図であり、図10は、背面方向から見た斜視図である。本実施の形態におけるプリンタ装置では、アームユニット50が1つであり、給紙軸ユニット70の両端のうち片方のみがアームユニット50と接続されているものであり、片持ちタイプのプリンタ装置と称されるものである。
【0040】
(アームユニット)
ところで、本実施の形態におけるプリンタ装置は、1つのプリンタ装置に2つの給紙軸ユニットを取り付けることができ、これにより2つのロール状の記録紙を設置することが可能である。
【0041】
具体的には、図11及び図12に示すように、メインフレーム10には、2つの給紙軸ユニット70及び77が接続することができるようにアームユニット50及び51が接続されている。給紙軸ユニット70には、ロール状に巻かれた記録紙90が装着されており、給紙軸ユニット77には、ロール状に巻かれた記録紙91が装着されている。本実施の形態では、1つのプリンタ装置に2つの記録紙90及び91を設置することができるため、記録紙90が終了した場合には、特許文献3等に示される切替部を実装することにより、すぐに記録紙91に印字をすることができる。これにより、プリンタ装置において、記録紙がなくなってから次の記録紙を取り付けるまで、記録紙に印字することができないといった不都合を解消することができる。
【0042】
尚、記録紙90の補充は、記録紙90が終了した後であって、記録紙91に印字動作をしていない状態のときに、新しい記録紙90を装着する。これにより、記録紙への印字動作を妨げることなく、記録紙90の装着を行なうことができる。また、記録紙91が終了した場合においても、同様に、記録紙90に印字動作をしていない状態のときに、新しい記録紙91を装着する。
【0043】
このように、本実施の形態では、1つの記録紙がなくなっても、次の記録紙に印字を行なうことができるため、印字することのできない時間を短縮し、記録紙への印字を円滑に行なうことができる。
【0044】
また、本実施の形態におけるプリンタ装置では、メインフレーム10に、形状の異なるアームユニットを付け替えることにより、図13に示すように記録紙90が取り付けられている状態から、図14に示すように記録紙91が取り付けられている状態へと、容易に変更することも可能である。具体的には、図15に示すように、メインフレーム10に、アームユニット50に代えてアームユニット51を接続し、アームユニット51に給紙軸ユニット77を回転可能な状態で接続する。これにより、図13に示すようにプリンタ装置の横方向に記録紙90が設置される構造のものから、図14に示すようにプリンタ装置の下方向に記録紙91が設置される構造のものへと、容易に変更することができ、用途等に応じて容易に作り分けることができる。
【0045】
(記録紙ガイドユニット)
次に、本実施の形態におけるプリンタ措置の記録紙ガイドユニット30について説明する。通常、ロール状の記録紙を用いたプリンタ装置では、図16に示されるように、プリンタメカユニット520に記録紙を導くための記録紙ガイド531及び532が設けられており、記録紙の弛み等を防ぐためダンパー539等が設けられている。本実施の形態におけるプリンタ装置では、2つの記録紙を設置するものであるため、ダンパーも複数設置する必要があり、コストアップにつながるとともに、設置されるダンパーが邪魔となり、記録紙の取り付けに時間を要してしまう。また、図13及び図14に示す構造のものに作り分ける場合においても、使用しない方の記録紙用のダンパーが邪魔となり、小型化が困難となる場合がある。
【0046】
本実施の形態におけるプリンタ装置では、記録紙ガイドユニット30は、記録紙ガイドとしての機能とダンパーとしての機能の双方の機能を有するものであり、また、は、横方向より入れられる記録紙及び下方向より入れられる記録紙の双方に対応しているものである。具体的には、図17に示されるように、記録紙ガイドユニット30は、上部ガイド部31と下部ガイド部36とを有している。
【0047】
上部ガイド部31は、図11に示される記録紙90に対応するものである。上部ガイド部31は、軸31aを中心に可動することができるように設置されており、記録紙の撓み具合等により、上部ガイド部31は矢印Aに示す方向と矢印Bに示す方向に可動する。また、上部ガイド部31の内部には、コイルバネ32が設けられており、コイルバネ32の復元力により、記録紙90と接する上部ガイド部31の先端部分に、矢印Aに示す方向に力が加わるように設置されている。これにより、上部ガイド部31は、記録紙ガイドとしての機能とダンパーとしての機能を有している。
【0048】
また、下部ガイド部36は、図11に示される記録紙91に対応するものである。下部ガイド部36は、軸36aを中心に可動することができるように設置されており、記録紙の撓み具合等により、下部ガイド部36は矢印Cに示す方向と矢印Dに示す方向に可動する。また、下部ガイド部36の内部には、コイルバネ37が設けられており、コイルバネ37の復元力により、記録紙91と接する下部ガイド部36の先端部分部に矢印Cに示す方向に力が加わるように設置されている。これにより、下部ガイド部36は、記録紙ガイドとしての機能とダンパーとしての機能を有している。
【0049】
本実施の形態におけるプリンタ装置において、記録紙ガイドユニット30が接続されている状態を図18に示す。また、記録紙90が用いられる場合であって、記録紙ガイドユニット30のうち上部ガイド部31が用いられている状態を図19に示し、記録紙91が用いられる場合であって、記録紙ガイドユニット30のうち下部ガイド部36が用いられている状態を図20に示す。このように、記録紙ガイドユニット30は、プリンタ装置に記録紙を2つ設置した場合においても、各々の記録紙について記録紙ガイドとしての機能とダンパーとしての機能とを有するものである。
【0050】
また、本実施の形態における記録紙ガイドユニット30は、図21に示すように、上部ガイド部31に記録紙90と接するピンチローラ33を設け、下部ガイド部36に記録紙91と接するピンチローラ38を設けた構造のものであってもよい。
【0051】
また、本実施の形態における記録紙ガイドユニット30は、図22に示すように、上部ガイド部31には、コイルバネ32に代えて、板バネ34を設け、下部ガイド部36には、コイルバネ37に代えて、板バネ39を設けた構造のものであってもよい。
【0052】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるプリンタ装置は、第1の実施の形態とは、異なる記録紙ガイドユニットを有するプリンタ装置である。
【0053】
本実施の形態におけるプリンタ装置に用いられる記録紙ガイドユニット130について、図23に基づき説明する。本実施の形態において、記録紙ガイドユニット130は、上部板バネ部131と下部板バネ部136とを有している。
【0054】
上部板バネ部131の先端部分近傍は、滑らかに曲げられており接触部131aを形成しており、記録紙90は、接触部131aに接している。上部板バネ部131はバネ性を有しており、記録紙90の弛み具合等に応じて形状が変化し、接触部131aが矢印Aに示す方向、または、矢印Bに示す方向に動く。尚、上部板バネ部131のバネ性により、記録紙90と接する接触部131aには、矢印Aに示す方向に力が加わるように設置されている。このように、上部板バネ部131は、記録紙ガイドとしての機能とダンパーとしての機能を単一の部材で兼ね備えたものである。
【0055】
また、下部板バネ部136の先端部分近傍は、滑らかに曲げられており接触部136aを形成しており、記録紙91は、接触部136aに接している。下部板バネ部136はバネ性を有しており、記録紙91の弛み具合等に応じて形状が変化し、接触部136aが矢印Cに示す方向、または、矢印Dに示す方向に動く。尚、下部板バネ部136のバネ性により、記録紙91と接する接触部136aには、矢印Cに示す方向に力が加わるように設置されている。このように、下部板バネ部136は、記録紙ガイドとしての機能とダンパーとしての機能を単一の部材で兼ね備えたものである。
【0056】
また、本実施の形態における記録紙ガイドユニット130は、図24に示すように、上部板バネ部131には記録紙90と接するピンチローラ133を設け、下部板バネ部136には記録紙91と接するピンチローラ138を設けた構造のものであってもよい。
【0057】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0058】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態におけるプリンタ装置は、第1及び第2の実施の形態とは、異なる記録紙ガイドユニットを有するプリンタ装置である。
【0059】
本実施の形態におけるプリンタ装置に用いられる記録紙ガイドユニット230について、図25に基づき説明する。本実施の形態において、記録紙ガイドユニット230は、記録紙90及び91が入る部分がV字状に形成されている。V字状に形成されている部分のうち、記録紙90と接する部分はガイド上部231、記録紙91と接する部分はガイド下部236となっている。尚、本実施の形態における記録ガイドユニット230は、ガイド上部231とガイド下部236とが一体に形成されているものである。記録紙ガイドユニット230は、軸230aを中心に可動することができ、記録紙ガイドユニット230の両側には、コイルバネ232及び237が設けられている。このためコイルバネ232の復元力により、ガイド上部231の先端部分には、矢印Eに示す方向に向く力が加わっており、コイルバネ237の復元力により、ガイド下部236の先端部分には、矢印Fに示す方向に向く力が加わっている。
【0060】
このように、記録紙ガイドユニット230は、記録紙ガイドとしての機能とダンパーとしての機能と双方の機能を有している。尚、記録紙90を用いた場合において、記録紙ガイドユニット230のガイド上部231が用いられている状態を図26に示し、記録紙91を用いた場合において、記録紙ガイドユニット230のガイド下部236が用いられている状態を図27に示す。
【0061】
また、記録紙ガイドユニット230は、図28に示すように、ガイド上部231には記録紙90と接するピンチローラ233を設け、ガイド上部236には記録紙91と接するピンチローラ238を設けた構造のものであってもよい。
【0062】
また、図29に示すように、コイルバネ232に代えて、板バネ234を設け、コイルバネ237に代えて、板バネ239を設けた構造のものであってもよい。
【0063】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0064】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、記録紙を記録紙ガイドユニットに、容易に挿入することのできる構造のプリンタ装置である。
【0065】
図30に基づき本実施の形態について説明する。本実施の形態におけるプリンタ装置において、記録紙ガイドユニット300は、上部ガイド部310、下部ガイド部36を有している。上部ガイド部310には、開口部311が形成されており、開口部311に入り込むシャフト312及びシャフト312に接続されたバネ313が設けられている。本実施の形態では、バネ313に接続されたシャフト312が上部ガイド部310の開口部311に入り込むことにより、上部ガイド部310が固定され、これにより、記録紙ガイドユニット300全体が固定され、上部ガイド部310と下部ガイド部36との間に、記録紙90、91を入れやすくすることができる。
【0066】
最初に、図30(a)に示す状態から、図30(b)に示すように、シャフト312を矢印Gに示す方向に引っ張る。この際、バネ313は伸び、元に戻す方向に復元力が生じる。
【0067】
この後、図30(c)に示すように、上部ガイド部310の先端部分を矢印Hに示す方向、即ち、上方向に持ち上げる。
【0068】
この後、図30(d)に示すように、バネ313の復元力により、シャフト312が上部ガイド部310の開口部311に入り固定される。これにより、上部ガイド部310と下部ガイド部36の位置は固定され、上部ガイド部310と下部ガイド部36との間に記録紙を入れやすくすることができる。具体的には、図30(a)に示す上部ガイド部310と下部ガイド部36とにより形成される記録紙の入口の角度θよりも、図30(d)に示す上部ガイド部310と下部ガイド部36とにより形成される記録紙の入口の角度θが広くなるため、上部ガイド部310と下部ガイド部36との間に記録紙が入れやすくなる。図30(d)における矢印Jに示す方向は、一例として、記録紙を下方向より入れる場合を示すものであるが、記録紙を横方向より入れることも可能である。尚、記録紙を上部ガイド部310と下部ガイド部36との間に入れた後は、シャフト312を開口部311より外すことにより、上部ガイド部310が固定されている状態から解除することができる。
【0069】
また、図31は、上部ガイド部31と下部ガイド部360を有する記録紙ガイドユニット350を用い、記録紙ガイドユニット350に記録紙を入れる際には、下部ガイド部360を固定する方法であってもよい。下部ガイド部360には、突起部361が設けられており、メインフレーム10の底面部15、または、記録紙ガイドユニット350の底面等には、突起部361に対応する開口部362と開口部362より突起部361を出すためのロック部363が設けられている。尚、本実施の形態では、ロック部363の端部が、開口部362の縁の一部となっている。
【0070】
具体的には、図31(a)に示すように、下部ガイド部360の突起部361を開口部362に入れることにより固定する。これにより、上部ガイド部31と下部ガイド部360の位置は固定され、上部ガイド部31と下部ガイド部360との間に記録紙を入れやすくなる。図31(a)における矢印Kに示す方向は、一例として、記録紙を横方向より入れる場合を示すものであるが、記録紙を下方向より入れることも可能である。
【0071】
図31(b)に示すように、開口部362より突起部361を出す場合には、ロック部363を矢印Lに示す方向に押し、ロック部363の形状を変形させて、開口部362の形状を変形させることにより、開口部362より突起部361を出すことができる。これにより、下部ガイド部360が固定されている状態から解除することができる。
【0072】
本実施の形態において、記録紙ガイドユニット300、または、記録紙ガイドユニット350は、第1の実施の形態における記録紙ガイドユニット30を変形した構造のものであるが、本実施の形態における構造は、第2または第3の実施の形態における記録紙ガイドユニットにも、同様に適用することができる。
【0073】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0074】
10 メインフレーム
11 正面部
12 側面部
13 開口部
14 側面部
15 底面部
20 プリンタメカユニット
21 プリンタユニット
22 カッターユニット
30 記録紙ガイドユニット
31 上部ガイド部
31a 軸
32 コイルバネ
33 ピンチローラ
34 板バネ
36 上部ガイド部
36a 軸
37 コイルバネ
38 ピンチローラ
39 板バネ
40 制御基板ユニット
50 アームユニット
51 アームユニット
60 ニアエンド検出ユニット
70 給紙軸ユニット
77 給紙軸ユニット
80 カバー
90 記録紙
91 記録紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状の記録紙に印字するプリンタ装置において、
前記記録紙に印字をするためのプリンタメカユニットと、
前記プリンタメカユニットに前記記録紙を導くための記録紙ガイドユニットと、
を有し、
前記記録紙ガイドユニットは、上部ガイド部と下部ガイド部とを有しており、
前記上部ガイド部には、前記下部ガイド部が設けられている方向に力が加わるバネが設けられており、
前記下部ガイド部には、前記上部ガイド部が設けられている方向に力が加わるバネが設けられており、
前記記録紙は、前記上部ガイド部と前記下部ガイド部との間を通り前記プリンタメカユニットに導かれるものであることを特徴とするプリンタ装置。
【請求項2】
ロール状の記録紙に印字するプリンタ装置において、
前記記録紙に印字をするためのプリンタメカユニットと、
前記プリンタメカユニットに前記記録紙を導くための記録紙ガイドユニットと、
を有し、
前記記録紙ガイドユニットは、ガイド上部とガイド下部とを有しており、
前記ガイド上部と前記ガイド下部は一体に形成されているものであって、
前記ガイド上部が設けられている側には、前記ガイド下部が設けられている方向に力が加わるバネが設けられており、
前記ガイド下部が設けられている側には、前記ガイド上部が設けられている方向に力が加わるバネが設けられており、
前記記録紙は、前記ガイド上部と前記ガイド上部との間を通り前記プリンタメカユニットに導かれるものであることを特徴とするプリンタ装置。
【請求項3】
前記バネは、コイルバネまたは板バネであることを特徴とする請求項1または2に記載のプリンタ装置。
【請求項4】
ロール状の記録紙に印字するプリンタ装置において、
前記記録紙に印字をするためのプリンタメカユニットと、
前記プリンタメカユニットに前記記録紙を導くための記録紙ガイドユニットと、
を有し、
前記記録紙ガイドユニットは、上部板バネ部と下部板バネ部とを有しており、
前記上部板バネ部は、前記下部板バネ部が設けられている方向に力が加わるものであり、
前記下部板バネ部は、前記上部板バネ部が設けられている方向に力が加わるものであり、
前記記録紙は、前記上部板バネ部と前記下部板バネ部との間を通り前記プリンタメカユニットに導かれるものであることを特徴とするプリンタ装置。
【請求項5】
前記記録紙ガイドユニットには、前記記録紙と接する側に、ピンチローラが設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプリンタ装置。
【請求項6】
前記記録紙が通る開口部が設けられた正面部を有するメインフレームと、
前記メインフレームに接続されるアームユニットと、
前記アームユニットに接続される2つの給紙軸ユニットと、
を有し、
前記正面部の一方の面の側において、前記記録紙ガイドユニットは前記メインフレームと接続されており、
前記正面部の他方の面の側において、前記プリンタメカユニットは前記メインフレームと接続されており、
前記記録紙は前記給紙軸ユニットにより保持されるものであって、
2つの前記給紙軸ユニットには、各々記録紙が装着されるものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプリンタ装置。
【請求項7】
前記記録紙が通る開口部が設けられた正面部を有するメインフレームと、
前記メインフレームに接続されるアームユニットと、
前記アームユニットに接続される給紙軸ユニットと、
を有し、
前記正面部の一方の面の側において、前記記録紙ガイドユニットは前記メインフレームと接続されており、
前記正面部の他方の面の側において、前記プリンタメカユニットは前記メインフレームと接続されており、
前記記録紙は前記給紙軸ユニットにより保持されるものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプリンタ装置。
【請求項8】
ロール状の記録紙に印字するプリンタ装置において、
前記記録紙に印字をするためのプリンタメカユニットと、
前記プリンタメカユニットに前記記録紙を導くための記録紙ガイドユニットと、
前記記録紙を保持するための2つの給紙軸ユニットと、
を有し、
前記記録紙は、2つの前記給紙軸ユニットの各々に設置されるものであることを特徴とするプリンタ装置。
【請求項9】
前記記録紙は感熱紙であって、前記プリンタユニットはサーマルヘッドを有していることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のプリンタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−10268(P2013−10268A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144948(P2011−144948)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】