プリントシステム
【課題】 無線接続された印刷画像データ送信手段と印刷画像データ受信手段間の伝送失敗による印刷消耗材の無駄を防ぎ、且つ高速印刷を実現する。
【解決手段】 印刷画像情報送信手段と印刷画像情報受信手段、印刷画像転送手段、印刷可否判定手段、第一の印刷手段、及び第二の印刷手段から構成され、第一の印刷手段の印刷可否判定により第二の印刷手段による印刷を行う。
【解決手段】 印刷画像情報送信手段と印刷画像情報受信手段、印刷画像転送手段、印刷可否判定手段、第一の印刷手段、及び第二の印刷手段から構成され、第一の印刷手段の印刷可否判定により第二の印刷手段による印刷を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は熱転写式プリンターと印刷情報出力を接続して印刷を行うプリントシステムに関し、より具体的には静止画を記録するスチルカメラやビデオカメラなどによって撮像された電子情報を、印刷出力するのに好適なプリントシステムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から印画用紙に感熱型の用紙を用い、主走査方向に配列された複数個の発熱体を選択的に駆動して、用紙を副走査方向に搬送することで、用紙にドットライン状に印画を行うライン熱転写方式のプリンターがある。
【０００３】
近年、入力側としてのデジタルカメラやデジタルビデオカメラ、またはスキャナなどの画像を扱う入力機器の進歩に伴い、プリント手段として、熱転写方式のプリンター装置も注目されている。
【０００４】
それはインクジェットプリンターが、液滴を飛ばすか飛ばさないか、という2値の選択しかないために、小さな液滴を用紙へ着弾させて、誤差拡散等の手法でみかけの解像度と階調性を得ようとするのに対して、熱転写方式のプリンターの場合には、一つの画素において、制御可能な熱の値を容易に変更できるため、一つの画素に対する階調性が多く取る事が可能になるので、インクジェットプリンターに比べて滑らかで高画質な画像を得ることができるという点が上げられる。またサーマルヘッドの性能や用紙材料の性能も向上したために、仕上がり品位で銀塩写真にも見劣りしない画像プリントを得る事が可能になっており、近年のデジタルカメラの進歩に歩調を合わせるように特に自然画像用のプリンターとして注目されている。
【０００５】
また一方インクジェット式プリンターも液滴の小ドット化などの技術が進み、より高画質なものも登場している。
【０００６】
そこでこうしたプリンター装置とデジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮影機器を直接的に接続したり、または一体的に構成して、撮影された画像情報をコンピューターなどの画像情報を処理する機器を介すことなくプリントするシステムも登場している。
【０００７】
こうしたシステムによれば、デジタルカメラやデジタルビデオからの画像情報を簡単に写真的なプリントアウトを行うことが可能になり、大変便利である。
【０００８】
これらの一例として、特開平10-191226号公報では画像プリントシステムについて提案されている。
【特許文献１】特開平10-191226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、上記従来例ではプリンター装置や、デジタルカメラなどの画像入力機器とのシステムを構成したときに十分な小型化や、低コスト、高速化等に十分な解決方法を与えるものではなかった。例えばプリンタとデジタルカメラ等の画像入力機器を接続して印刷を行っている場合、印刷処理中に印刷用紙、印刷用インクリボン、若しくはその両方を消費し尽くしてしまうと、それらの補充を行わなければ使用者からの印刷要求に答えることが出来なくなってしまう。印刷途中で印刷用紙が詰まってしまったり、印刷用インクリボンが印刷機構に絡まってしまい印刷が行えない状況が発生すると、その復旧に使用者が介在しなければならず、使い勝手の良いものではなかった。また、使用者から複数枚の印刷を指示された場合、印刷時間の短縮を図る為には複数のプリンタを用いて使用者からの印刷要求を平行して処理していく事が有効であるが、単独のプリンタでは並列して印画処理を行う事は出来ないといった問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
印刷画像情報送信手段と印刷画像情報受信手段、印刷画像転送手段、印刷可否判定手段、第一の印刷手段、及び第二の印刷手段から構成され、第一の印刷手段の印刷可否判定により第二の印刷手段による印刷を行うプリントシステム。
【発明の効果】
【００１１】
接続されているプリンタが印刷不能状態、若しくは印刷中であっても代行印刷を実現し使用者の要求に対して高速に印刷動作を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
（実施例１）
図１から図４に示す図を用いて本発明の実施例について説明する。本プリントシステムは、プリンター部に昇華型の熱転写記録方式を採用し、電子的な画像の情報を任意なプリント枚数分プリントアウトすることが出来るものである。本発明に係わる通常の熱転写記録装置の一実施形態について、以下、図面を参照して具体的に説明する。図１は実施形態に係わる記録装置の側面の構成模式図である。まず、記録装置の全体構成について説明すると、装置本体１に記録紙Ｐを積載した用紙カセット２から給紙ローラ３で一枚ずつ分離給送する。この際記録紙Pはバネ２０によって付勢された押上げ板２１によって給紙ローラ３に当接している。そして、給紙ローラ３によって搬送された記録紙Pは搬送ローラ対４で挟持搬送されて記録部を往復可能にしている。搬送ローラ対４はピンチローラ４２とグリップローラ４１で構成されている。
【００１３】
記録部においては記録紙搬送経路を挟んでプラテンローラ５と記録情報に応じて発熱するサーマルヘッド６が対向しており、インクカセット７に収納される、熱溶融性または熱昇華性インクを塗布したインク層と印画面を保護するために印画面上にオーバーコートされるオーバーコート層をもつインクシート８をサーマルヘッド６によって記録紙Ｐに押圧するとともに、選択的に加熱することにより、該記録紙Ｐに所定画像を転写記録し、保護層をオーバーコートする。上記インクシートは、記録紙Ｐの印画領域を覆ってそのサイズと略等しいサイズでイエロー(Ｙ)、マゼンタ(Ｍ)、シアン(Ｃ)の各インク層とオーバーコート(ＯＰ)層が並べて設けられたものであり、各層ずつ熱転写しては、記録紙Pを記録開始位置P1に戻し、記録紙上に、順次重ねて転写される。このように、記録紙Ｐは搬送ローラ対4により、各色インク及びオーバーコート層の数だけ往復される。この際、各インク層の印画後の記録紙Pは装置本体１前方で反転され、用紙カセット前方部及び下部のガイド部を介して装置本体１の後方へ導紙される。装置前方で反転されるために印画途中の記録紙Pが外部に出ることによるスペースの無駄や意図せずに触ってしまったという様なことが無く、設置場所の省スペース化などを可能にしている。しかも用紙カセット２の下部を紙ガイドとして直接利用していることによって装置本体１の厚さを薄くすることが可能になっていると共に、記録紙Pをインクカセット７と用紙カセット２にはさまれた空間を通すことで装置本体１の全高を最小限にとどめることが可能であり小型化を可能にしている。２５は用紙カセット２の用紙搬送ガイド部である。装置本体１前方から反転されてきた記録紙Pを装置本体後方に反転させるガイド部であり、この用紙カセット２に具備することで装置本体１全体の小型化に大きく寄与している。また２６は用紙カセット２の上面は印画されて排紙された記録紙Pのトレイ部分を兼用しており、これも装置本体１の小型化に寄与している。各インク層の印画終了後に記録紙Pは排紙ローラ１、9−1排出ローラ２、9−2へ案内され装置本体１後方から前方に向かって排出され記録動作が終了する。排出ローラ１ ９−１は記録紙Pの排出動作時のみ圧接する様に構成され、印画中にはストレスがかからないように構成されている。なお装置本体１には記録紙Pのガイド部１５が構成されていて、記録紙Pを導紙している。１６は搬送路切り替えシートであり、記録紙Pが給紙された後は記録紙Pは排出側の経路に導紙されるようになっている。また印画用のサーマルヘッド６はヘッドアーム２２に一体的に具備されており、インクカセット７を交換する場合にはインクカセット７の抜き差しに支障ない位置まで退避する。この退避動作はインクカセット７の交換は用紙カセット２を引き抜くと可能になり、この際用紙カセット２の着脱動作に連動してヘッドアーム２２はカム部２２−１によって押さえられている状態から用紙カセット２のカム部２−１が退避していくことで上下する様に構成されている。通常の熱転写記録装置ではYMC３色を３回面順次で記録する為、各色の記録先端を正確に合致させる制御が必要となる。このためには、図１に示す搬送ローラ対４で記録紙Ｐを離さずしっかり挟持し搬送を行う必要がある。この為、記録紙Ｐの送り方向の端部には記録不可能な余白部が必要となる。これを鑑み、最終的に、容易に、縁のない印画物を得るために、図３に示す様に、記録紙Ｐには、記録開始時搬送ローラ対４でしっかり挟持され記録できない余白部分を後で容易に手で切取り可能な様にミシン目12が設けられる。本発明は、上記説明したミシン目をもつ記録紙Ｐと熱転写記録装置をもちいて実施され、上記の記録紙に設けられたミシン目領域にはオーバーコートするものとする。また左下がり斜線で示す領域は印画の領域であり、ミシン目を含む領域を印画する様に制御される。オーバーコートは略印画される領域であり且つ印画される領域よりやや大きく印画される領域を含むように印画する様に制御される。更に以下に装置に関わる詳しい説明をする。
【００１４】
図１に示す、記録装置１において、搬送ローラ対４は、ピンチローラ42とグリップローラ41からなり、このグリップローラ41は、図示しないステッピングモータの出力軸が減速機構を介してして直結され、このステッピングモータの回転制御により、正逆自在に駆動される。記録紙Ｐは、搬送ローラ対４によりしっかりと挟持され、往復搬送されるもであるから、記録紙Ｐもまた、ステッピングモータの回転制御により、正確に位置制御され、搬送駆動される。いま、一例としてサーマルヘッド６による１ライン分の記録ピッチを85μmとし、記録紙Ｐを１ライン分搬送するためのステッピングモータのステップ数を４ステップとするならば、記録紙Ｐは、ステッピングモータを４ステップで回転制御することにより、１ライン（すなわち85μm）搬送することができる。図3に示した、印画範囲は、搬送方向において144mmであるとすると、1694ライン印画可能であり、記録紙をこの分搬送するためには、ステッピングモータを6776ステップ分回転させればよい。
【００１５】
図１に示す、記録装置１において、給紙ローラ３から給紙ローラ対４を見て、給紙ローラ対４の近傍の位置に、記録紙先端検出センサー10が置かれ、これにより記録紙の先端を検出し、検出後、搬送ローラ対４で挟持できる範囲で所定ラインを送り停止させる。この位置が前述の記録開始時の位置となる。ここからまず最初のYイエローからサーマルヘッドを記録情報に応じて発熱駆動し、各色インクの所定画像を記録し、またはオーバーコート層を転写する。１色が終わると次にこの位置から記録紙を排紙ローラ９のある方向に戻して搬送し、再び所定のライン数を戻し送り、YMC各色及びオーバーコート層転写を４回繰返す。
【００１６】
図１に示す記録装置１において、記録紙先端検出センサー10と、プラテンローラ５とサーマルヘッド６により記録紙Ｐを押圧する位置の距離は、装置内部品配置を考慮し、記録紙上の距離で20mmに設定したがこれに限られるものでは無い。
この時、図３に示す印画物は、下記の様に各色インクを転写記録し、またオーバーコート層を転写することにより得られる。
【００１７】
図２のフローチャートにおいて色インク転写及びオーバーコートシーケンスを説明する。
【００１８】
Ｓ1：使用者は不図示のプリントボタンもしくはデジタルカメラやデジタルビデオカメラからの印画指示などによってプリント動作を指示する。
【００１９】
Ｓ2：装置本体１装置本体１内部の処理回路１８はプリント指示を実行した機器との通信を開始し、処理回路１８ではプリント指示を実行した機器との間でプリントに必要な諸条件の確認や必要であれば画像情報の印画情報への画像処理を行う。
【００２０】
Ｓ3：印画準備が出来たら制御手段１９は給紙ローラ３に連結されたモータを駆動して記録紙Pを給紙開始する。
【００２１】
Ｓ4：記録紙先端検出後、ステッピングモータを所定ステップ分回転させ、印画を開始する。このとき、印画開始位置は、記録紙先端を基準として、12.465mmとした。
【００２２】
Ｓ5：引き続き、ステッピングモータを４ステップ分回転しながら、サーマルヘッドを発熱駆動し１ライン分の印画を行う。全部で6776ステップ分（1694ライン分）回転させ、印画を終了する。この時の印画終了位置は、記録紙先端を基準として、156.455mmとなる。
【００２３】
Ｓ6：ついで、停止にいたるまでの減速のため、ステッピングモータを10ライン分（40ステップ分）程回転させ、停止させる。
【００２４】
S7：この状態から、ステッピングモータを逆転駆動し、記録紙Ｐを印画時と逆方向に搬送し、所定のステップ数(6776ステップ-減速分)だけ戻して、更に減速のため、所定のライン数の10ライン分（40ステップ分）程回転させ、停止させる。
【００２５】
S8：上記をYMC３色分、３回程繰返し、所望の印画像を記録紙Ｐに転写記録する。
【００２６】
S9：その後、そして、更に一回印画面保護の為のオーバーコート層を転写する。
【００２７】
S10：その後ステッピングモータを逆転駆動してそのまま排出ローラー２ ９−２へ導き、排出ローラー２ ９−２の駆動で用紙を排出して一連の動作を終了させる。
【００２８】
また、上記において、制御手段１９は記録紙Ｐの給紙時に、最初に記録紙先端検出センサ１０で検知した記録紙の先端検出信号をもとに、ステッピングモータのステップ数と記録紙Ｐの搬送時における位置関係をもとに、ステッピングモータの回転駆動のステップ数を、全印画記録時において管理することにより、記録位置管理を行うとしたが、これにかぎらす、各ＹＭＣ色及びオーバーコート層の転写記録時において、記録紙先端部に検出センサーを設けて記録紙の先端検出を行い、その信号を基準として、ステッピングモータの回転駆動のステップ数を管理することにより、記録位置管理を行う構成としても良い。
【００２９】
また、上記において、オーバーコート層の転写は、サーマルヘッドの発熱駆動のON/OFFのみで行う様に記述したが、オーバーコートの転写開始時では、徐々に発熱量を増加させ、また、オーバーコートの転写終了時には、徐々に発熱量を減少させることにより得る様な制御を加える事も可能である。ここで前述のS2のプリント指示を実行する機器と、該プリンター装置の通信について更に詳述する。一例として、プリント指示を実行するのはデジタルカメラDCとして説明する。図４はデジタルカメラDCとプリンター装置本体１が有線もしくは802.11b、Bluetooth（登録商標）、IrDAなどに代表される無線接続がなされ、プリンター本体装置１とプリンター本体装置２は無線接続が行われ互いに通信可能な状態にあるシステムの模式図である。
【００３０】
デジタルカメラDCは撮影後に該デジタルカメラDC内部のメモリに画像情報が保持されているものとする。メモリはメモリカードといった着脱自由なものが便利である。デジタルカメラDCの再生モードを設定して、任意の画像を再生させるものとする。画像情報の再生はデジタルカメラDCの具備する液晶表示装置によって随時確認できるので使用者は撮影された好きな画像情報を任意に呼び出すことが可能である。ここで、プリンター装置本体１と通信可能な状態であると、所定のプリント実行ボタン（図不示）によってデジタルカメラDCからプリンター装置へ必要な情報が通信され、プリンター装置本体１からプリント出力が得られる。上記必要な情報としては、デジタルカメラDCとのネゴシエーションの情報や、デジタルカメラDCからのプリントすべき画像の情報や画像情報に記録時または記録後から付加された情報、等である。プリンター本体装置１には印刷用紙、印刷用インクリボン等の印刷消耗材が装備され印刷毎にその消耗材を消費する。印刷を重ねていくと、印刷用紙、印刷用インクリボン、若しくはその両方が無くなり、使用者は印刷消耗材の補充を行わなければならない。また、何らかの要因でプリンター本体装置１内に印刷用紙が詰まってしまった場合、印刷用インクリボンが正常に巻き取れなかった場合等、プリンター本体装置１に事故が発生した場合には、使用者が介在して事故要因を取り除き印刷可能な状態に復旧させる必要がある。この様にプリンター本体装置１が印刷不能の状態に陥った場合にはプリンター本体装置１に内蔵された印刷情報転送手段によりプリンター本体装置１にかわる第二の印刷装置としてプリンター本体装置２に印刷画像情報を転送して代行印刷を行わせる事によって使用者の介在を無くす様に動作させる。第二の印刷手段であるプリンター本体装置２は印刷画像情報受信手段として無線通信装置を内蔵もしくは外部にを装着した無線接続可能なプリンターである。以下、図５に示すフローチャートを用いて説明を行う。プリンター本体装置１は５−１に示すように通常は印刷待ちの状態にあるが、使用者がデジタルカメラDCのプリント実行ボタン（不図示）により印刷を実行すると５−２に示すプリンター本体装置１に内蔵された印刷可否判定手段はプリンター本体装置１が印刷出来る状態であるかどうかを判定し印刷可能な状態にあれば５−６で印刷画像データを作成し、５−７で印刷動作を開始し５−８で印刷が完了を待つ。印刷が完了すると５−８で印刷完了を示すメッセージと印刷結果をデジタルカメラDCの液晶表示装置上に表示する。５−２でプリンター本体装置１が印刷不能の状態にあった場合は５−３で印刷画像情報を印刷画像情報転送手段によって第二の印刷装置であるプリンター本体装置２に転送して印刷を実行する。プリンター本体装置１は５−４でプリンター本体装置２での印刷完了を待つ。印刷完了後５−５でデジタルカメラDCの液晶表示装置上にはプリンター本体装置２で印刷を代行したことを示すメッセージと印刷結果を表示する。
【００３１】
（実施例２）
無線接続の手段としては802.11b、Bluetooth（登録商標）等が広く普及している。また無線接続の手段として802.11b、Bluetooth（登録商標）等は無線機能だけをモジュール化した着脱可能な無線機器として流通し、この無線モジュールを装着したプリンター装置とコンピュータ間のワイヤレスプリントは広く普及している。以下に図６を用いて無線モジュールが着脱可能な第二実施例について説明する。無線モジュールWMとプリンター本体装置１とはUSB等の汎用インターフェースで接続される。第二の印刷手段にあたるプリンター装置本体２は無線モジュールを内蔵もしくは外部装着された無線接続可能なプリンターである。プリンター本体装置２はプリンター本体装置１に装着された無線モジュールWMと無線接続される。以下に図７のフローチャートを用いて説明する。７−１で印刷待ち状態にあるプリンター本体装置１は使用者からの印刷要求があると７−２で印刷可否判定手段はプリンター本体装置１で印刷が出来る状態であるかどうかを判定する。印刷可能状態であれば、７−１０で印刷画像データを作成し７−１１で印刷を開始して７−１２で印刷の完了を待つ。印刷完了後には７−１３で印刷結果を示すメッセージをデジタルカメラDCの液晶表示装置上に表示する。７−２で印刷が出来ない状態であった場合は７−３で印刷画像情報転送手段である無線モジュールの装着の有無を判定する。無線モジュールが装着されていれば、７−４で第二の印刷装置であるプリンター本体装置２と通信できる状態にあるかを判定する。この判定では通信が出来る状態でもエラーレートが高く伝送経路が不安定な場合も含まれる。通信可能と判定されると７−５で無線モジュールにより印刷画像情報を第二の印刷手段であるプリンター本体装置２転送し７−６で印刷を開始する。７−７で印刷完了を待ち７−８でデジタルカメラDCの液晶表示装置上には第二の印刷手段であるプリンター本体装置２で印刷を代行したことを示すメッセージと印刷結果を表示する。７−３で無線モジュールが装着されていない場合は７−９でデジタルカメラDCの液晶表示装置上に印刷が行えないことを示すメッセージを表示する。以上説明して来た通り第一の印刷手段の状況により印刷手段の選択が行われる。プリンター本体装置１の印刷可能、不可能の判定について図５の５−２、図７の７−２では印刷消耗材の消費、プリンター本体装置１の印刷動作時の事故を判定要因として述べて来たが、プリンター本体装置１が印刷中である事を判定要因に加える事も可能であり、使用者からの印刷要求時にプリンター本体装置１が印刷中の場合、プリンター装置１の印刷可否判定手段は印刷手段として第二の印刷装置であるプリンター装置２を印刷手段として選択して印刷画像情報を転送し、印刷をプリンター本体装置１とプリンター本体装置２で並列処理を行い高速印刷を実現する事が出来る。プリンター装置本体１が電池駆動されていた場合、印刷を実行するだけの電池残量が確保できなくなった場合に印刷可否判定手段は印刷手段として第二の印刷装置を選択してプリンター本体装置２で印刷を実行する事も可能である。以上のような操作により使用者に対してより便利な印刷環境を提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】第一実施例の構成模式図。
【図２】第一実施例のフローチャート１。
【図３】第一実施例の用紙の図。
【図４】第一実施例の接続図。
【図５】第一実施例のフローチャート２。
【図６】第二実施例の接続図。
【図７】第二実施例のフローチャート。
【符号の説明】
【００３３】
１ 装置本体
２ 用紙カセット
３ 給紙ローラ
４ 搬送ローラ対
４２ ピンチローラ
４１ グリップローラ
５ プラテンローラ
６ サーマルヘッド
７ インクカセット
８ インクシート
９−１ 排紙ローラ1
９−２ 排紙ローラ2
１０ 記録紙先端検出センサー
１１ ＳＷ２信号
１２ ミシン目
１３ 一時保存画像メモリ手段
１４ 印字情報メモリ手段
１５ ガイド部
１６ 余白部
１７ 印画領域
１８ 処理回路
１９ 制御手段
２０ バネ
２１ 押上げ板
２２ ヘッドアーム
２３ ヘッドカバーA
２４ ヘッドカバーB
２５ 用紙搬送ガイド部
２６ 排紙トレイ部
ＤＣ デジタルカメラ
ＷＭ 無線モジュール
【技術分野】
【０００１】
本発明は熱転写式プリンターと印刷情報出力を接続して印刷を行うプリントシステムに関し、より具体的には静止画を記録するスチルカメラやビデオカメラなどによって撮像された電子情報を、印刷出力するのに好適なプリントシステムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から印画用紙に感熱型の用紙を用い、主走査方向に配列された複数個の発熱体を選択的に駆動して、用紙を副走査方向に搬送することで、用紙にドットライン状に印画を行うライン熱転写方式のプリンターがある。
【０００３】
近年、入力側としてのデジタルカメラやデジタルビデオカメラ、またはスキャナなどの画像を扱う入力機器の進歩に伴い、プリント手段として、熱転写方式のプリンター装置も注目されている。
【０００４】
それはインクジェットプリンターが、液滴を飛ばすか飛ばさないか、という2値の選択しかないために、小さな液滴を用紙へ着弾させて、誤差拡散等の手法でみかけの解像度と階調性を得ようとするのに対して、熱転写方式のプリンターの場合には、一つの画素において、制御可能な熱の値を容易に変更できるため、一つの画素に対する階調性が多く取る事が可能になるので、インクジェットプリンターに比べて滑らかで高画質な画像を得ることができるという点が上げられる。またサーマルヘッドの性能や用紙材料の性能も向上したために、仕上がり品位で銀塩写真にも見劣りしない画像プリントを得る事が可能になっており、近年のデジタルカメラの進歩に歩調を合わせるように特に自然画像用のプリンターとして注目されている。
【０００５】
また一方インクジェット式プリンターも液滴の小ドット化などの技術が進み、より高画質なものも登場している。
【０００６】
そこでこうしたプリンター装置とデジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮影機器を直接的に接続したり、または一体的に構成して、撮影された画像情報をコンピューターなどの画像情報を処理する機器を介すことなくプリントするシステムも登場している。
【０００７】
こうしたシステムによれば、デジタルカメラやデジタルビデオからの画像情報を簡単に写真的なプリントアウトを行うことが可能になり、大変便利である。
【０００８】
これらの一例として、特開平10-191226号公報では画像プリントシステムについて提案されている。
【特許文献１】特開平10-191226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、上記従来例ではプリンター装置や、デジタルカメラなどの画像入力機器とのシステムを構成したときに十分な小型化や、低コスト、高速化等に十分な解決方法を与えるものではなかった。例えばプリンタとデジタルカメラ等の画像入力機器を接続して印刷を行っている場合、印刷処理中に印刷用紙、印刷用インクリボン、若しくはその両方を消費し尽くしてしまうと、それらの補充を行わなければ使用者からの印刷要求に答えることが出来なくなってしまう。印刷途中で印刷用紙が詰まってしまったり、印刷用インクリボンが印刷機構に絡まってしまい印刷が行えない状況が発生すると、その復旧に使用者が介在しなければならず、使い勝手の良いものではなかった。また、使用者から複数枚の印刷を指示された場合、印刷時間の短縮を図る為には複数のプリンタを用いて使用者からの印刷要求を平行して処理していく事が有効であるが、単独のプリンタでは並列して印画処理を行う事は出来ないといった問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
印刷画像情報送信手段と印刷画像情報受信手段、印刷画像転送手段、印刷可否判定手段、第一の印刷手段、及び第二の印刷手段から構成され、第一の印刷手段の印刷可否判定により第二の印刷手段による印刷を行うプリントシステム。
【発明の効果】
【００１１】
接続されているプリンタが印刷不能状態、若しくは印刷中であっても代行印刷を実現し使用者の要求に対して高速に印刷動作を実現する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
（実施例１）
図１から図４に示す図を用いて本発明の実施例について説明する。本プリントシステムは、プリンター部に昇華型の熱転写記録方式を採用し、電子的な画像の情報を任意なプリント枚数分プリントアウトすることが出来るものである。本発明に係わる通常の熱転写記録装置の一実施形態について、以下、図面を参照して具体的に説明する。図１は実施形態に係わる記録装置の側面の構成模式図である。まず、記録装置の全体構成について説明すると、装置本体１に記録紙Ｐを積載した用紙カセット２から給紙ローラ３で一枚ずつ分離給送する。この際記録紙Pはバネ２０によって付勢された押上げ板２１によって給紙ローラ３に当接している。そして、給紙ローラ３によって搬送された記録紙Pは搬送ローラ対４で挟持搬送されて記録部を往復可能にしている。搬送ローラ対４はピンチローラ４２とグリップローラ４１で構成されている。
【００１３】
記録部においては記録紙搬送経路を挟んでプラテンローラ５と記録情報に応じて発熱するサーマルヘッド６が対向しており、インクカセット７に収納される、熱溶融性または熱昇華性インクを塗布したインク層と印画面を保護するために印画面上にオーバーコートされるオーバーコート層をもつインクシート８をサーマルヘッド６によって記録紙Ｐに押圧するとともに、選択的に加熱することにより、該記録紙Ｐに所定画像を転写記録し、保護層をオーバーコートする。上記インクシートは、記録紙Ｐの印画領域を覆ってそのサイズと略等しいサイズでイエロー(Ｙ)、マゼンタ(Ｍ)、シアン(Ｃ)の各インク層とオーバーコート(ＯＰ)層が並べて設けられたものであり、各層ずつ熱転写しては、記録紙Pを記録開始位置P1に戻し、記録紙上に、順次重ねて転写される。このように、記録紙Ｐは搬送ローラ対4により、各色インク及びオーバーコート層の数だけ往復される。この際、各インク層の印画後の記録紙Pは装置本体１前方で反転され、用紙カセット前方部及び下部のガイド部を介して装置本体１の後方へ導紙される。装置前方で反転されるために印画途中の記録紙Pが外部に出ることによるスペースの無駄や意図せずに触ってしまったという様なことが無く、設置場所の省スペース化などを可能にしている。しかも用紙カセット２の下部を紙ガイドとして直接利用していることによって装置本体１の厚さを薄くすることが可能になっていると共に、記録紙Pをインクカセット７と用紙カセット２にはさまれた空間を通すことで装置本体１の全高を最小限にとどめることが可能であり小型化を可能にしている。２５は用紙カセット２の用紙搬送ガイド部である。装置本体１前方から反転されてきた記録紙Pを装置本体後方に反転させるガイド部であり、この用紙カセット２に具備することで装置本体１全体の小型化に大きく寄与している。また２６は用紙カセット２の上面は印画されて排紙された記録紙Pのトレイ部分を兼用しており、これも装置本体１の小型化に寄与している。各インク層の印画終了後に記録紙Pは排紙ローラ１、9−1排出ローラ２、9−2へ案内され装置本体１後方から前方に向かって排出され記録動作が終了する。排出ローラ１ ９−１は記録紙Pの排出動作時のみ圧接する様に構成され、印画中にはストレスがかからないように構成されている。なお装置本体１には記録紙Pのガイド部１５が構成されていて、記録紙Pを導紙している。１６は搬送路切り替えシートであり、記録紙Pが給紙された後は記録紙Pは排出側の経路に導紙されるようになっている。また印画用のサーマルヘッド６はヘッドアーム２２に一体的に具備されており、インクカセット７を交換する場合にはインクカセット７の抜き差しに支障ない位置まで退避する。この退避動作はインクカセット７の交換は用紙カセット２を引き抜くと可能になり、この際用紙カセット２の着脱動作に連動してヘッドアーム２２はカム部２２−１によって押さえられている状態から用紙カセット２のカム部２−１が退避していくことで上下する様に構成されている。通常の熱転写記録装置ではYMC３色を３回面順次で記録する為、各色の記録先端を正確に合致させる制御が必要となる。このためには、図１に示す搬送ローラ対４で記録紙Ｐを離さずしっかり挟持し搬送を行う必要がある。この為、記録紙Ｐの送り方向の端部には記録不可能な余白部が必要となる。これを鑑み、最終的に、容易に、縁のない印画物を得るために、図３に示す様に、記録紙Ｐには、記録開始時搬送ローラ対４でしっかり挟持され記録できない余白部分を後で容易に手で切取り可能な様にミシン目12が設けられる。本発明は、上記説明したミシン目をもつ記録紙Ｐと熱転写記録装置をもちいて実施され、上記の記録紙に設けられたミシン目領域にはオーバーコートするものとする。また左下がり斜線で示す領域は印画の領域であり、ミシン目を含む領域を印画する様に制御される。オーバーコートは略印画される領域であり且つ印画される領域よりやや大きく印画される領域を含むように印画する様に制御される。更に以下に装置に関わる詳しい説明をする。
【００１４】
図１に示す、記録装置１において、搬送ローラ対４は、ピンチローラ42とグリップローラ41からなり、このグリップローラ41は、図示しないステッピングモータの出力軸が減速機構を介してして直結され、このステッピングモータの回転制御により、正逆自在に駆動される。記録紙Ｐは、搬送ローラ対４によりしっかりと挟持され、往復搬送されるもであるから、記録紙Ｐもまた、ステッピングモータの回転制御により、正確に位置制御され、搬送駆動される。いま、一例としてサーマルヘッド６による１ライン分の記録ピッチを85μmとし、記録紙Ｐを１ライン分搬送するためのステッピングモータのステップ数を４ステップとするならば、記録紙Ｐは、ステッピングモータを４ステップで回転制御することにより、１ライン（すなわち85μm）搬送することができる。図3に示した、印画範囲は、搬送方向において144mmであるとすると、1694ライン印画可能であり、記録紙をこの分搬送するためには、ステッピングモータを6776ステップ分回転させればよい。
【００１５】
図１に示す、記録装置１において、給紙ローラ３から給紙ローラ対４を見て、給紙ローラ対４の近傍の位置に、記録紙先端検出センサー10が置かれ、これにより記録紙の先端を検出し、検出後、搬送ローラ対４で挟持できる範囲で所定ラインを送り停止させる。この位置が前述の記録開始時の位置となる。ここからまず最初のYイエローからサーマルヘッドを記録情報に応じて発熱駆動し、各色インクの所定画像を記録し、またはオーバーコート層を転写する。１色が終わると次にこの位置から記録紙を排紙ローラ９のある方向に戻して搬送し、再び所定のライン数を戻し送り、YMC各色及びオーバーコート層転写を４回繰返す。
【００１６】
図１に示す記録装置１において、記録紙先端検出センサー10と、プラテンローラ５とサーマルヘッド６により記録紙Ｐを押圧する位置の距離は、装置内部品配置を考慮し、記録紙上の距離で20mmに設定したがこれに限られるものでは無い。
この時、図３に示す印画物は、下記の様に各色インクを転写記録し、またオーバーコート層を転写することにより得られる。
【００１７】
図２のフローチャートにおいて色インク転写及びオーバーコートシーケンスを説明する。
【００１８】
Ｓ1：使用者は不図示のプリントボタンもしくはデジタルカメラやデジタルビデオカメラからの印画指示などによってプリント動作を指示する。
【００１９】
Ｓ2：装置本体１装置本体１内部の処理回路１８はプリント指示を実行した機器との通信を開始し、処理回路１８ではプリント指示を実行した機器との間でプリントに必要な諸条件の確認や必要であれば画像情報の印画情報への画像処理を行う。
【００２０】
Ｓ3：印画準備が出来たら制御手段１９は給紙ローラ３に連結されたモータを駆動して記録紙Pを給紙開始する。
【００２１】
Ｓ4：記録紙先端検出後、ステッピングモータを所定ステップ分回転させ、印画を開始する。このとき、印画開始位置は、記録紙先端を基準として、12.465mmとした。
【００２２】
Ｓ5：引き続き、ステッピングモータを４ステップ分回転しながら、サーマルヘッドを発熱駆動し１ライン分の印画を行う。全部で6776ステップ分（1694ライン分）回転させ、印画を終了する。この時の印画終了位置は、記録紙先端を基準として、156.455mmとなる。
【００２３】
Ｓ6：ついで、停止にいたるまでの減速のため、ステッピングモータを10ライン分（40ステップ分）程回転させ、停止させる。
【００２４】
S7：この状態から、ステッピングモータを逆転駆動し、記録紙Ｐを印画時と逆方向に搬送し、所定のステップ数(6776ステップ-減速分)だけ戻して、更に減速のため、所定のライン数の10ライン分（40ステップ分）程回転させ、停止させる。
【００２５】
S8：上記をYMC３色分、３回程繰返し、所望の印画像を記録紙Ｐに転写記録する。
【００２６】
S9：その後、そして、更に一回印画面保護の為のオーバーコート層を転写する。
【００２７】
S10：その後ステッピングモータを逆転駆動してそのまま排出ローラー２ ９−２へ導き、排出ローラー２ ９−２の駆動で用紙を排出して一連の動作を終了させる。
【００２８】
また、上記において、制御手段１９は記録紙Ｐの給紙時に、最初に記録紙先端検出センサ１０で検知した記録紙の先端検出信号をもとに、ステッピングモータのステップ数と記録紙Ｐの搬送時における位置関係をもとに、ステッピングモータの回転駆動のステップ数を、全印画記録時において管理することにより、記録位置管理を行うとしたが、これにかぎらす、各ＹＭＣ色及びオーバーコート層の転写記録時において、記録紙先端部に検出センサーを設けて記録紙の先端検出を行い、その信号を基準として、ステッピングモータの回転駆動のステップ数を管理することにより、記録位置管理を行う構成としても良い。
【００２９】
また、上記において、オーバーコート層の転写は、サーマルヘッドの発熱駆動のON/OFFのみで行う様に記述したが、オーバーコートの転写開始時では、徐々に発熱量を増加させ、また、オーバーコートの転写終了時には、徐々に発熱量を減少させることにより得る様な制御を加える事も可能である。ここで前述のS2のプリント指示を実行する機器と、該プリンター装置の通信について更に詳述する。一例として、プリント指示を実行するのはデジタルカメラDCとして説明する。図４はデジタルカメラDCとプリンター装置本体１が有線もしくは802.11b、Bluetooth（登録商標）、IrDAなどに代表される無線接続がなされ、プリンター本体装置１とプリンター本体装置２は無線接続が行われ互いに通信可能な状態にあるシステムの模式図である。
【００３０】
デジタルカメラDCは撮影後に該デジタルカメラDC内部のメモリに画像情報が保持されているものとする。メモリはメモリカードといった着脱自由なものが便利である。デジタルカメラDCの再生モードを設定して、任意の画像を再生させるものとする。画像情報の再生はデジタルカメラDCの具備する液晶表示装置によって随時確認できるので使用者は撮影された好きな画像情報を任意に呼び出すことが可能である。ここで、プリンター装置本体１と通信可能な状態であると、所定のプリント実行ボタン（図不示）によってデジタルカメラDCからプリンター装置へ必要な情報が通信され、プリンター装置本体１からプリント出力が得られる。上記必要な情報としては、デジタルカメラDCとのネゴシエーションの情報や、デジタルカメラDCからのプリントすべき画像の情報や画像情報に記録時または記録後から付加された情報、等である。プリンター本体装置１には印刷用紙、印刷用インクリボン等の印刷消耗材が装備され印刷毎にその消耗材を消費する。印刷を重ねていくと、印刷用紙、印刷用インクリボン、若しくはその両方が無くなり、使用者は印刷消耗材の補充を行わなければならない。また、何らかの要因でプリンター本体装置１内に印刷用紙が詰まってしまった場合、印刷用インクリボンが正常に巻き取れなかった場合等、プリンター本体装置１に事故が発生した場合には、使用者が介在して事故要因を取り除き印刷可能な状態に復旧させる必要がある。この様にプリンター本体装置１が印刷不能の状態に陥った場合にはプリンター本体装置１に内蔵された印刷情報転送手段によりプリンター本体装置１にかわる第二の印刷装置としてプリンター本体装置２に印刷画像情報を転送して代行印刷を行わせる事によって使用者の介在を無くす様に動作させる。第二の印刷手段であるプリンター本体装置２は印刷画像情報受信手段として無線通信装置を内蔵もしくは外部にを装着した無線接続可能なプリンターである。以下、図５に示すフローチャートを用いて説明を行う。プリンター本体装置１は５−１に示すように通常は印刷待ちの状態にあるが、使用者がデジタルカメラDCのプリント実行ボタン（不図示）により印刷を実行すると５−２に示すプリンター本体装置１に内蔵された印刷可否判定手段はプリンター本体装置１が印刷出来る状態であるかどうかを判定し印刷可能な状態にあれば５−６で印刷画像データを作成し、５−７で印刷動作を開始し５−８で印刷が完了を待つ。印刷が完了すると５−８で印刷完了を示すメッセージと印刷結果をデジタルカメラDCの液晶表示装置上に表示する。５−２でプリンター本体装置１が印刷不能の状態にあった場合は５−３で印刷画像情報を印刷画像情報転送手段によって第二の印刷装置であるプリンター本体装置２に転送して印刷を実行する。プリンター本体装置１は５−４でプリンター本体装置２での印刷完了を待つ。印刷完了後５−５でデジタルカメラDCの液晶表示装置上にはプリンター本体装置２で印刷を代行したことを示すメッセージと印刷結果を表示する。
【００３１】
（実施例２）
無線接続の手段としては802.11b、Bluetooth（登録商標）等が広く普及している。また無線接続の手段として802.11b、Bluetooth（登録商標）等は無線機能だけをモジュール化した着脱可能な無線機器として流通し、この無線モジュールを装着したプリンター装置とコンピュータ間のワイヤレスプリントは広く普及している。以下に図６を用いて無線モジュールが着脱可能な第二実施例について説明する。無線モジュールWMとプリンター本体装置１とはUSB等の汎用インターフェースで接続される。第二の印刷手段にあたるプリンター装置本体２は無線モジュールを内蔵もしくは外部装着された無線接続可能なプリンターである。プリンター本体装置２はプリンター本体装置１に装着された無線モジュールWMと無線接続される。以下に図７のフローチャートを用いて説明する。７−１で印刷待ち状態にあるプリンター本体装置１は使用者からの印刷要求があると７−２で印刷可否判定手段はプリンター本体装置１で印刷が出来る状態であるかどうかを判定する。印刷可能状態であれば、７−１０で印刷画像データを作成し７−１１で印刷を開始して７−１２で印刷の完了を待つ。印刷完了後には７−１３で印刷結果を示すメッセージをデジタルカメラDCの液晶表示装置上に表示する。７−２で印刷が出来ない状態であった場合は７−３で印刷画像情報転送手段である無線モジュールの装着の有無を判定する。無線モジュールが装着されていれば、７−４で第二の印刷装置であるプリンター本体装置２と通信できる状態にあるかを判定する。この判定では通信が出来る状態でもエラーレートが高く伝送経路が不安定な場合も含まれる。通信可能と判定されると７−５で無線モジュールにより印刷画像情報を第二の印刷手段であるプリンター本体装置２転送し７−６で印刷を開始する。７−７で印刷完了を待ち７−８でデジタルカメラDCの液晶表示装置上には第二の印刷手段であるプリンター本体装置２で印刷を代行したことを示すメッセージと印刷結果を表示する。７−３で無線モジュールが装着されていない場合は７−９でデジタルカメラDCの液晶表示装置上に印刷が行えないことを示すメッセージを表示する。以上説明して来た通り第一の印刷手段の状況により印刷手段の選択が行われる。プリンター本体装置１の印刷可能、不可能の判定について図５の５−２、図７の７−２では印刷消耗材の消費、プリンター本体装置１の印刷動作時の事故を判定要因として述べて来たが、プリンター本体装置１が印刷中である事を判定要因に加える事も可能であり、使用者からの印刷要求時にプリンター本体装置１が印刷中の場合、プリンター装置１の印刷可否判定手段は印刷手段として第二の印刷装置であるプリンター装置２を印刷手段として選択して印刷画像情報を転送し、印刷をプリンター本体装置１とプリンター本体装置２で並列処理を行い高速印刷を実現する事が出来る。プリンター装置本体１が電池駆動されていた場合、印刷を実行するだけの電池残量が確保できなくなった場合に印刷可否判定手段は印刷手段として第二の印刷装置を選択してプリンター本体装置２で印刷を実行する事も可能である。以上のような操作により使用者に対してより便利な印刷環境を提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】第一実施例の構成模式図。
【図２】第一実施例のフローチャート１。
【図３】第一実施例の用紙の図。
【図４】第一実施例の接続図。
【図５】第一実施例のフローチャート２。
【図６】第二実施例の接続図。
【図７】第二実施例のフローチャート。
【符号の説明】
【００３３】
１ 装置本体
２ 用紙カセット
３ 給紙ローラ
４ 搬送ローラ対
４２ ピンチローラ
４１ グリップローラ
５ プラテンローラ
６ サーマルヘッド
７ インクカセット
８ インクシート
９−１ 排紙ローラ1
９−２ 排紙ローラ2
１０ 記録紙先端検出センサー
１１ ＳＷ２信号
１２ ミシン目
１３ 一時保存画像メモリ手段
１４ 印字情報メモリ手段
１５ ガイド部
１６ 余白部
１７ 印画領域
１８ 処理回路
１９ 制御手段
２０ バネ
２１ 押上げ板
２２ ヘッドアーム
２３ ヘッドカバーA
２４ ヘッドカバーB
２５ 用紙搬送ガイド部
２６ 排紙トレイ部
ＤＣ デジタルカメラ
ＷＭ 無線モジュール
【特許請求の範囲】
【請求項１】
印刷画像情報を受信する印刷画像情報受信手段、印刷の可否を判定する印刷可否判定手段、受信した印刷画像情報より印刷を行う第一の印刷手段、受信した印刷画像情報を第二の印刷装置に転送する印刷画像情報転送手段から構成された第一の印刷装置と印刷画像情報を受信する印刷画像情報受信手段、受信した印刷画像情報より印刷を行う第二の印刷手段から構成された第二の印刷装置からなるプリとシステムにおいて、印刷画像情報送信手段から受信した印刷画像情報を第一の印刷装置経由で第二の印刷装置に転送し、印刷を行う事を特徴とするプリントシステム。
【請求項２】
前記プリントシステムは該第一の印刷装置の状態により該第二の印刷装置により印刷を行う事を特徴とする請求項１に記載のプリントシステム。
【請求項３】
前記プリントシステムは第一の印刷装置の印刷画像情報転送手段が着脱可能であり、その装着の有無を判定する判定手段をもつ事を特徴とする請求項１に記載のプリントシステム。
【請求項４】
前記プリントシステムは第一の印刷装置の印刷画像情報転送手段の着脱の状態によって該印刷装置の選択を行うことを特徴とする請求項１に記載のプリントシステム。
【請求項５】
前記プリントシステムは印刷画像情報送信手段、印刷画像情報受信手段、若しくは両手段が電池で駆動されていた場合にその電池残量により該印刷手段を選択する事を特徴とする請求項１に記載のプリントシステム。
【請求項６】
前記プリントシステムは無線の電波強度によって印刷手段を選択する事を特徴とする請求項１に記載のプリントシステム。
【請求項１】
印刷画像情報を受信する印刷画像情報受信手段、印刷の可否を判定する印刷可否判定手段、受信した印刷画像情報より印刷を行う第一の印刷手段、受信した印刷画像情報を第二の印刷装置に転送する印刷画像情報転送手段から構成された第一の印刷装置と印刷画像情報を受信する印刷画像情報受信手段、受信した印刷画像情報より印刷を行う第二の印刷手段から構成された第二の印刷装置からなるプリとシステムにおいて、印刷画像情報送信手段から受信した印刷画像情報を第一の印刷装置経由で第二の印刷装置に転送し、印刷を行う事を特徴とするプリントシステム。
【請求項２】
前記プリントシステムは該第一の印刷装置の状態により該第二の印刷装置により印刷を行う事を特徴とする請求項１に記載のプリントシステム。
【請求項３】
前記プリントシステムは第一の印刷装置の印刷画像情報転送手段が着脱可能であり、その装着の有無を判定する判定手段をもつ事を特徴とする請求項１に記載のプリントシステム。
【請求項４】
前記プリントシステムは第一の印刷装置の印刷画像情報転送手段の着脱の状態によって該印刷装置の選択を行うことを特徴とする請求項１に記載のプリントシステム。
【請求項５】
前記プリントシステムは印刷画像情報送信手段、印刷画像情報受信手段、若しくは両手段が電池で駆動されていた場合にその電池残量により該印刷手段を選択する事を特徴とする請求項１に記載のプリントシステム。
【請求項６】
前記プリントシステムは無線の電波強度によって印刷手段を選択する事を特徴とする請求項１に記載のプリントシステム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００８−９３９８８（Ｐ２００８−９３９８８Ａ）
【公開日】平成２０年４月２４日（２００８．４．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２７８９３３（Ｐ２００６−２７８９３３）
【出願日】平成１８年１０月１２日（２００６．１０．１２）
【出願人】（０００００１００７）キヤノン株式会社 (59,756)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年４月２４日（２００８．４．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１０月１２日（２００６．１０．１２）
【出願人】（０００００１００７）キヤノン株式会社 (59,756)
【Ｆターム（参考）】
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