説明

プリント制御方法およびプリント装置

【課題】 連続したシートを用いプリントを行なってシートを切断する際に、正確な位置でシート切断を行なう。
【解決手段】 プリントする1つの画像と次の画像との間の領域にカットマークを記録し、記録されたカットマークを検出する。カットマークが検出されたら検出結果に基づいてシートの切断位置を設定し、カットマークが検出不能であったら既に検出されているカットマークの情報に基いて検出不能であったカットマーク位置を推定して当該推定をもとにシートの切断位置を設定する。設定した切断位置でプリントが済んだシートを切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連続したシートを用いたプリント装置およびプリント制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロール状に巻かれた長尺の連続シートを用いて、インクジェット方式でシート表裏の両面プリントを行なうプリント装置が開示されている。この装置では、シート供給部から供給されたシートの先端部を撮像し、この位置情報を基準にして以降の複数の画像のプリント位置を設定し、プリント後に画像ごとにカッタでシートを切断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−126530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
連続したシートに同じサイズの単位画像を繰返しプリントする際には、完成品のカットシートを束ねた際に長さが不揃いとならないように、正確な位置でシート切断を繰り返す必要がある。特許文献1では、プリントした画像の終端を基準にして、プリント後にシートが搬送されてカッタの切断位置に来たであろうタイミングでシートを切断する。したがって、画像のプリント位置とカッタとの間のシート送りの量の誤差が、最終的なカットシートの搬送方向サイズの誤差となる。特許文献1では、搬送手段が有するエンコーダのフィードバック計測で搬送誤差がなるべく小さくなるようにしている。しかし、画像のプリント位置とカッタとの間のシート搬送経路でシートが波打ったり湾曲してループを形成したりしてシート長さが変動した場合には対応できず、正確な位置でのシート切断が困難になる。
【0005】
各画像の間にカットマークを記録して、カットマークの検出に基づいてシート切断を行なえば、上記問題は解消できる。しかし、なんらかの原因でカットマークの検出ができなかった場合には、正確な位置でのシート切断は困難となってしまう。
【0006】
本発明は上述の課題の認識に基づいてなされたものである。本発明の目的は、連続したシートを用いプリントを行なってシートを切断する際に、従来以上に正確な位置でシート切断を行なうことができるプリント制御方法およびプリント装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、連続したシートを用いプリントを行なうプリント制御方法であって、シートに複数の画像を順次プリントする; 順次プリントする1つの画像と次の画像との間の領域にカットマークを記録する; 記録された前記カットマークを検出する; 前記カットマークが検出されたら検出結果に基づいてシートの切断位置を設定し、前記カットマークが検出不能であったら既に検出されているカットマークの情報に基いて検出不能であったカットマーク位置を推定して前記推定をもとにシートの切断位置を設定する; 設定した前記切断位置でプリントが済んだシートを切断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カットマークを記録および検出してシートの切断位置を設定し、且つカットマークが検出できない場合にも推定によってシートの切断位置を設定するので、正確な位置でシート切断を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】プリント装置の内部構成を示す概略図
【図2】制御部のブロック図
【図3】片面プリントモード、両面プリントモードでの動作を説明するための図
【図4】両面プリントモードにおける複数の画像(ページ)のプリント順序を説明するための図
【図5】基準マークの形状の例を示す図
【図6】カッタによる単位画像ごとのシート切断の手法を説明するための図
【図7】裏面プリントにおける動作シーケンスを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、インクジェット方式を用いたプリント装置の実施形態を説明する。本例のプリント装置は、長尺で連続したシート(搬送方向において繰り返しのプリント単位(1ページあるいは単位画像という)の長さよりも長い連続したシート)を使用し、片面プリントおよび両面プリントの両方に対応した高速ラインプリンタである。例えば、プリントラボ等における大量の枚数のプリントの分野に適している。なお、本明細書では、1つのプリント単位(1ページ)の領域内に複数の小さな画像や文字や空白が混在していたとしても、当該領域内に含まれるものをまとめて1つの単位画像という。つまり、単位画像とは、連続したシートに複数のページを順次プリントする場合の1つのプリント単位(1ページ)を意味する。なお、単位画像といわずに単に画像という場合もある。プリントする画像サイズに応じて単位画像の長さは異なる。例えばL版サイズの写真ではシート搬送方向の長さは135mm、A4サイズではシート搬送方向の長さは297mmとなる。
【0011】
本発明はプリンタ、プリンタ複合機、複写機、ファクシミリ装置、各種デバイスの製造装置などプリント装置に広く適用可能である。プリント処理はインクジェット方式、電子写真方式、熱転写方式、ドットインパクト方式、液体現像方式など方式は問わない。また、本発明はプリント処理に限らずロールシートに種々の処理(記録、加工、塗布、照射、読取、検査など)を行なうシート処理装置にも適用可能である。
【0012】
図1はプリント装置の内部構成を示す断面の概略図である。本実施形態のプリント装置は、ロール状に巻かれたシートを用いて、シートの第1面と第1面の背面側の第2面に両面プリントすることが可能となっている。プリント装置内部には、大きくは、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、プリント部4、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、反転部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12、制御部13の各ユニットを備える。シートは、図中の実線で示したシート搬送経路に沿ってローラ対やベルトからなる搬送機構で搬送され、各ユニットで処理がなされる。なお、シート搬送経路の任意の位置において、シート供給部1に近い側を「上流」、その逆側を「下流」という。
【0013】
シート供給部1は、ロール状に巻かれた連続シートを保持して供給するためのユニットである。シート供給部1は、2つのロールR1、R2を収納することが可能であり、択一的にシートを引き出して供給する構成となっている。なお、収納可能なロールは2つであることに限定はされず、1つ、あるいは3つ以上を収納するものであってもよい。また、連続したシートであれば、ロール状に巻かれたものに限らない。例えば、単位長さごとのミシン目が付与された連続したシートがミシン目ごとに折り返されて積層され、シート供給部1に収納されるものでもよい。
【0014】
デカール部2は、シート供給部1から供給されたシートのカール(反り)を軽減させるユニットである。デカール部2では、1つの駆動ローラに対して2つのピンチローラを用いて、カールの逆向きの反りを与えるようにシートを湾曲させて通過させることでデカール力を作用させてカールを軽減させる。
【0015】
斜行矯正部3は、デカール部2を通過したシートの斜行(本来の進行方向に対する傾き)を矯正するユニットである。基準となる側のシート端部をガイド部材に押し付けることにより、シートの斜行が矯正される。
【0016】
プリント部4は、搬送されるシートに対して上方からプリントヘッド14によりシート上にプリント処理を行なって画像を形成するシート処理部である。つまり、プリント部4はシートに所定の処理を行なう処理部である。プリント部4は、シートを搬送する複数の搬送ローラも備えている。プリントヘッド14は、使用が想定されるシートの最大幅をカバーする範囲でインクジェット方式のノズル列が形成されたライン型プリントヘッドを有する。プリントヘッド14は、複数のプリントヘッドが搬送方向に沿って平行に並べられている。本例ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、G(グレー)、K(ブラック)の7色に対応した7つのプリントヘッドを有する。なお、色数およびプリントヘッドの数は7つには限定はされない。インクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。各色のインクは、インクタンクからそれぞれインクチューブを介してプリントヘッド14に供給される。
【0017】
検査部5は、プリント部4でシートにプリントされた検査パターンや画像をスキャナによって光学的に読み取って、プリントヘッドのノズルの状態、シート搬送状態、画像位置等を検査して画像が正しくプリントされたかを判定するためのユニットである。スキャナはCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを有する。
【0018】
カッタ部6は、プリント後のシートを所定長さに切断する機械的なカッタ20を備えたユニットである。カッタ部6はさらに、シート上に記録されているカットマークを光学的に検出するカットマークセンサ19とシートを次工程に送り出すための複数の搬送ローラも備えている。カッタ部6の近傍にはゴミ箱17が設けられている。ゴミ箱17は、カッタ部6で切り落とされゴミとして排出される小さなシート片を収容するものである。カッタ部6には、切断したシートをゴミ箱17に排出するか、本来の搬送経路に移行させるかの振り分け機構が設けられている。
【0019】
情報記録部7は、切断されたシートの非プリント領域にプリントのシリアル番号や日付などのプリント情報(固有の情報)を記録するユニットである。記録はインクジェット方式、熱転写方式などで文字やコードをプリントすることで行なわれる。情報記録部7の上流側且つカッタ部6の下流側には、切断されたシートの先端エッジを検知するエッジセンサ21が設けられている。つまり、エッジセンサ21はカッタ部6と情報記録部7による記録位置との間でシートの端部を検知する、エッジセンサ21の検知タイミングに基づいて情報記録部7で情報記録するタイミングが制御される。
【0020】
乾燥部8は、プリント部4でプリントされたシートを加熱して、付与されたインクを短時間に乾燥させるためのユニットである。乾燥部8の内部では通過するシートに対して少なくとも下面側から熱風を付与してインク付与面を乾燥させる。なお、乾燥方式は熱風を付与する方式に限らず、電磁波(紫外線や赤外線など)をシート表面に照射する方式であってもよい。
【0021】
以上のシート供給部1から乾燥部8までのシート搬送経路を第1経路と称する。第1経路はプリント部4から乾燥部8までの間にUターンする形状を有し、カッタ部6はUターンの形状の途中に位置している。
【0022】
反転部9は両面プリントを行う際に表面プリントが終了した連続シートを一時的に巻き取って表裏反転させるためのユニットである。反転部9は、乾燥部8を通過したシートを再びプリント部4に供給するための、乾燥部8からデカール部2を経てプリント部4に到る経路(ループパス)(第2経路と称する)の途中に設けられている。反転部9はシートを巻き取るための回転する巻取回転体(ドラム)を備えている。表面のプリントが済んで切断されていない連続シートは巻取回転体に一時的に巻き取られる。巻き取りが終わったら、巻取回転体が逆回転して巻き取り済みシートは巻き取りのときとは逆順に送り出されてデカール部2に供給され、プリント部4に送られる。このシートは表裏反転しているのでプリント部4で裏面にプリントを行うことができる。両面プリントのより具体的な動作については後述する。
【0023】
排出搬送部10は、カッタ部6で切断され乾燥部8で乾燥させられたシートを搬送して、ソータ部11までシートを受け渡すためのユニットである。排出搬送部10は、反転部9が設けられた第2経路とは異なる経路(第3経路と称する)に設けられている。第1経路を搬送されてきたシートを第2経路と第3経路のいずれか一方に選択的に導くために、経路の分岐位置には可動フラッパを有する経路切替機構が設けられている。
【0024】
ソータ部11と排出部12は、シート供給部1の側部で且つ第3経路の末端に設けられている。ソータ部11は必要に応じてプリント済みシートをグループ毎に仕分けるためのユニットである。仕分けられたシートは、複数のトレイからなる排出部12に排出される。このように、第3経路はシート供給部1の下方を通過して、シート供給部1を挟んでプリント部4や乾燥部8とは逆側にシートを排出するレイアウトとなっている。
【0025】
以上のように、シート供給部1から乾燥部8までが第1経路に順に設けられている。乾燥部8の先は第2経路と第3経路に分岐され、第2経路は途中に反転部9が設けられ反転部9の先は第1経路に合流する。第3経路の末端には排出部12が設けられている。
【0026】
制御部13は、プリント装置全体の各部の制御を司るユニットである。制御部13は、CPU、記憶装置、各種制御部を備えたコントローラ、外部インターフェース、およびユーザーが入出力を行なう操作部15を有する。プリント装置の動作は、コントローラまたはコントローラに外部インターフェースを介して接続されるホストコンピュータ等のホスト装置16からの指令に基づいて制御される。
【0027】
斜行矯正部3とプリント部4の間にはマーク読取器18が設けられている。マーク読取器18は、反転部9から搬送されるシートの第1面に記録された基準マークを、プリントする側とは反対側から光学的に読み取る反射型光学センサである。マーク読取器18は、シート面を照明する光源(例えば白色LED)と、照明されたシート面からの光をRGB成分ごとに検出するフォトダイオードあるいはイメージセンサ等の受光器を有する。受光器の信号レベルの変化あるいは撮像データの画像解析によってマークを読み取ることができる。後述するように、マーク読取器18による基準パターンの検知タイミングをトリガにして、裏面画像をプリントする位置が設定されるとともに、最終的にシートを単位画像ごとにカッタで切断するための基準となるカットマークの記録位置が設定される。
【0028】
図2は制御部13の概念を示すブロック図である。制御部13に含まれるコントローラ(破線で囲んだ範囲)は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、画像処理部207、エンジン制御部208、個別ユニット制御部209から構成される。CPU201(中央演算処理部)はプリント装置の各ユニットの動作を統合的に制御する。ROM202はCPU201が実行するためのプログラムやプリント装置の各種動作に必要な固定データを格納する。RAM203はCPU201のワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。HDD204(ハードディスク)はCPU201が実行するためのプログラム、プリントデータ、プリント装置の各種動作に必要な設定情報を記憶読出することが可能である。操作部15はユーザーとの入出力インターフェースであり、ハードキーやタッチパネルの入力部、および情報を提示するディスプレイや音声発生器などの出力部を含む。
【0029】
高速なデータ処理が要求されるユニットについては専用の処理部が設けられている。画像処理部207は、プリント装置で扱うプリントデータの画像処理を行う。入力された画像データの色空間(たとえばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(たとえばsRGB)に変換する。また、画像データに対し解像度変換、画像解析、画像補正等、様々な画像処理が必要に応じて施される。これらの画像処理によって得られたプリントデータは、RAM203またはHDD204に格納される。エンジン制御部208は、CPU201等から受信した制御コマンドに基づいてプリントデータに応じてプリント部4のプリントヘッド14の駆動制御を行なう。エンジン制御部208は更にプリント装置内の各部の搬送機構の制御も行なう。個別ユニット制御部209は、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、反転部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12の各ユニットを個別に制御するためのサブコントローラである。CPU201による指令に基づいて個別ユニット制御部209によりそれぞれのユニットの動作が制御される。外部インターフェース205は、コントローラをホスト装置16に接続するためのインターフェース(I/F)であり、ローカルI/FまたはネットワークI/Fである。以上の構成要素はシステムバス210によって接続されている。
【0030】
ホスト装置16は、プリント装置にプリントを行わせるための画像データの供給源となる装置である。ホスト装置16は、汎用または専用のコンピュータであってもよいし、画像リーダ部を有する画像キャプチャ、デジタルカメラ、フォトストレージ等の専用の画像機器であってもよい。ホスト装置16がコンピュータの場合は、コンピュータに含まれる記憶装置にOS、画像データを生成するアプリケーションソフトウェア、プリント装置用のプリンタドライバがインストールされる。なお、以上の処理の全てをソフトウェアで実現することは必須ではなく、一部または全部をハードウェアによって実現するようにしてもよい。
【0031】
次に、プリント時の基本動作について説明する。プリントは、片面プリントモードと両面プリントモードとでは動作が異なるので、それぞれについて説明する。
【0032】
図3(a)は片面プリントモードでの動作を説明するための図である。シート供給部1から供給され、デカール部2、斜行矯正部3でそれぞれ処理されたシートは、プリント部4において表面(第1面)のプリントがなされる。長尺の連続シートに対して、搬送方向における所定の単位長さの画像(単位画像)を順次プリントして複数の画像を並べて形成していく。ここで、ある画像と次の画像の間には余白領域を設けて、余白領域にはプリント部4でカットマークを記録する。プリントされたシートは検査部5を経て、カッタ部6においてカットマークセンサ19によるカットマーク検出を元にカッタ20で単位画像ごとに切断される。切断されたカットシートは、必要に応じて情報記録部7でシートの裏面にプリント情報が記録される。そして、カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され乾燥が行なわれる。その後、排出搬送部10を経由して、ソータ部11の排出部12に順次排出され積載されていく。一方、最後の単位画像の切断でプリント部4の側に残されたシートはシート供給部1に送り戻されて、シートがロールR1またはR2に巻き取られる。
【0033】
このように、片面プリントにおいては、シートは第1経路と第3経路を通過して処理され、第2経路は通過しない。以上をまとめると、片面プリントモードにおいては制御部13の制御により、以下(1)〜(6)のシーケンスが実行される。
(1)シート供給部1からシートを送り出してプリント部4に供給する;
(2)供給されたシートの第1面にプリント部4で単位画像とカットマークのプリントを繰り返す;
(3)第1面にプリントした単位画像ごとにカッタ部6でシートの切断を繰り返す;
(4)単位画像ごとに切断されたシートを1枚ずつ乾燥部8を通過させる;
(5)1枚ずつ乾燥部8を通過したシートを、第3経路を通して排出部12に排出する;
(6)最後の単位画像を切断してプリント部4の側に残されたシートをシート供給部1に送り戻す。
【0034】
図3(b)は両面プリントモードでの動作を説明するための図である。両面プリントでは、表面(第1面)プリントシーケンスに次いで裏面(第2面)プリントシーケンスを実行する。最初の表面プリントシーケンスでは、シート供給部1から検査部5までの各ユニットでの動作は上述の片面プリントの動作と同じである。カッタ部6では切断動作は行わずに、連続シートのまま乾燥部8に搬送される。乾燥部8での表面のインク乾燥の後、排出搬送部10の側の経路(第3経路)ではなく、反転部9の側の経路(第2経路)にシートが導かれる。第2経路においてシートは、順方向(図面では反時計回り方向)に回転する反転部9の巻取回転体に巻き取られていく。プリント部4において、予定された表面のプリントが全て終了すると、カッタ部6にて連続シートのプリント領域の後端が切断される。切断位置を基準に、搬送方向下流側(プリントされた側)の連続シートは乾燥部8を経て反転部9でシート後端(切断位置)まで全て巻き取られる。一方、この巻取りと同時に、切断位置よりも搬送方向上流側(プリント部4の側)に残された連続シートは、シート先端(切断位置)がデカール部2に残らないように、シート供給部1に巻き戻されて、シートがロールR1またはR2に巻き取られる。この巻き戻しによって、以下の裏面プリントシーケンスで再び供給されるシートとの衝突が避けられる。
【0035】
上述の表面プリントシーケンスの後に、裏面プリントシーケンスに切り替わる。反転部9の巻取回転体が巻き取り時とは逆方向(図面では時計回り方向)に回転する。巻き取られたシートの端部(巻き取り時のシート後端は、送り出し時にはシート先端になる)は、図の破線の経路に沿ってデカール部2に送り込まれる。デカール部2では巻取回転体で付与されたカールの矯正がなされる。つまり、デカール部2は第1経路においてシート供給部1とプリント部4の間、ならびに第2経路において反転部9とプリント部4の間に設けられて、いずれの経路においてもデカールの働きをする共通のユニットとなっている。シートの表裏が反転したシートは、斜行矯正部3を経て、プリント部4に送られて、シートの裏面に単位画像とカットマークのプリントが行なわれる。プリントされたシートは検査部5を経て、カッタ部6において予め設定されている所定の単位長さ毎に切断される。カットシートは両面にプリントされているので、情報記録部7での記録はなされない。カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され、排出搬送部10を経由して、ソータ部11の排出部12に順次排出され積載されていく。
【0036】
このように、両面プリントにおいてはシートは第1経路、第2経路、第1経路、第3経路の順に通過して処理される。以上をまとめると、両面プリントモードにおいては制御部13の制御により、以下(1)〜(11)のシーケンスが実行される。
(1)シート供給部1からシートを送り出してプリント部4に供給する;
(2)供給されたシートの第1面にプリント部4で単位画像のプリントを繰り返す;
(3)第1面にプリントされたシートを乾燥部8を通過させる;
(4)乾燥部8を通過したシートを第2経路に導いて、反転部9が有する巻取回転体に巻き取っていく;
(5)第1面への繰返しのプリントが済んだら最後にプリントした単位画像の後ろでカッタ部6でシートを切断する;
(6)切断したシートの端部が乾燥部8を通過して巻取回転体に達するまで巻取回転体に巻き取る。これと共に、切断してプリント部4の側に残されたシートをシート供給部1に送り戻す;
(7)巻取りが済んだら巻取回転体を逆回転させて、第2経路から再びプリント部4にシートを供給する;
(8)第2経路から供給されるシートの第2面にプリント部4で単位画像とカットマークのプリントを繰り返す;
(9)第2面にプリントした単位画像ごとにカッタ部6でシートの切断を繰り返す;
(10)単位画像ごとに切断されたシートを1枚ずつ乾燥部8を通過させる;
(11)1枚ずつ乾燥部8を通過したシートを、第3経路を通して排出部12に排出する。
【0037】
次に、上述の構成のプリント装置において、両面プリント時の表面と裏面のプリント位置ずれを抑制することができるプリント制御方法について、さらに詳しく説明する。
【0038】
図4は、両面プリントモードにおける複数の画像(ページ)のプリント順序を説明するための図である。制御部13での制御に従って、最初にプリント部4のプリントヘッド14でシートの表面(第1面)に複数の画像100をページ昇順且つ1枚おきに(奇数ページP1、P3、・・・P9、P11)に連続して順次プリントする。その際、ある1つの画像100と次の画像100との間の余白領域101それぞれにプリントヘッド14で基準マーク120を記録する。つまり、ここで言う複数の画像の連続の順次プリントとは、シート片面への余白領域への記録も含んだ連続の画像プリントを意味する。
【0039】
基準マーク120はマーク読取器18で明確に識別可能となるような色および形状とする。図5は基準マークの具体的な形状の一例を示す。ある1つの画像100(nページ目:nは奇数)と次の画像100(n+2ページ目)の間には余白領域101に基準マーク120が形成される。1つの基準マーク120は、シート幅の方向に沿って形成された線分120aと、線分120aの両端でシート搬送方向に沿って形成された線分120aよりも短い2つの線分120bからなる。マーク読取器18は、線分120aの検出によってシート搬送方向における位置情報を取得する。さらには、シート幅方向において複数の位置で線分120aを検出すればシートの傾き(スキュー成分)情報を取得することができる。一方、2つの線分120bの検出によって、それらの間隔および位置からシート幅方向におけるシートの伸縮や位置ずれの情報を取得することができる。なお、基準マークはシート搬送方向における位置情報を取得の主眼であるので、少なくとも線分120aがあれば、線分120bは省略してもよい。
【0040】
第1面に複数の画像をプリントしながら、プリントの済んだシート領域は反転部9に巻き取っていく。第1面にプリントすべき予定の最後の画像がプリントされたら、その後の領域にプリントヘッド14でカットマーク121を記録する。カッタ部6では、上述したように内蔵するカットマークセンサ19でカットマーク121を検出して、シートを切断する。切断されたシートはすべて反転部9に巻き取らせる。
【0041】
続いて裏面プリントを開始する。裏面プリントにおいては、表面プリントのときとは逆向きにシートがプリント部4を通過するので、第2面には複数の画像110が降順且つ1枚おき(偶数ページP12、P10、・・・P4、P2)に連続して順次プリントされる。各画像110の間には余白領域111が設けられ、この余白領域111にカットマーク122が形成される。
【0042】
図7は裏面プリントにおける動作シーケンスを示すフローチャートである。これらの動作は制御部13の制御によって実行される。ステップS10では、反転部9が逆回転してシートを送り出して再びプリント部4に供給する。ステップS11では、表裏反転したシートの第1面に記録された基準マーク120を、プリント部4のプリント位置よりも上流に配置されたマーク読取器18で読み取る。すなわち、プリントの開始よりも速いタイミングで基準マーク120が読み取られる。プリント部4におけるシートの搬送速度は一定なので、基準マーク120が読み取りタイミングから、対応するカットマークや画像プリントの開始までは所定時間となる。この所定時間内に以下のステップS12,ステップS13における演算がなされる。
【0043】
ステップS12では、ステップS11での基準マーク120の読み取りタイミングに基づいて、第2面への画像のプリント位置を演算して設定する。具体的には第1面の画像に対応した第2面の画像のプリントを開始するプリント開始位置を設定する。第1面の画像とその裏面にプリントする画像とが同じサイズであれば、第2面への画像のプリント位置は第1面の画像と表裏で正確に一致する位置である。
【0044】
ステップS13では、ステップS11での基準マークの読み取りタイミングに基づいて、第2面の1つの画像110と次の画像110との間の余白領域111に記録すべきカットマーク122の記録位置を演算して設定する。なお、ステップ12とステップS13の順番は入れ替えてもよい。カットマーク122はカットマークセンサ19で明確に識別可能となるような色および形状とする。カットマーク122の記録位置は、第1面に記録された基準マーク120とシート搬送方向において表裏で一致する位置である。なお、基準マーク120とカットマーク122を表裏で一致させることは必須ではなく、若干のズレがあってもよい。
【0045】
ステップS14では、ステップS13での画像プリントに続いて設定された記録位置にカットマーク122を記録する。ステップS15では、設定された第2面の画像プリント位置に、第1面の画像に対応した画像をプリントする。これら記録およびプリントは、プリント部4の搬送ローラに設けられたエンコーダの検出信号をもとに、シート上のカットマーク記録位置および画像プリント位置がプリントヘッド14を通過するタイミングでプリントヘッド14からインクを吐出することでなされる。
【0046】
ステップS16では、ステップS14で第2面に記録したカットマーク122をカットマークセンサ19で検出する。ステップS17では、ステップS16でカットマーク122が検出されたタイミング基づいて、単位画像ごとにシートを切断する。切断された単位画像のシート(カットシート)は乾燥部8を経て完成品として排出される。切断によって余白領域が切り落とされてシート片がゴミとして発生する。このシート片はカッタ部6の近傍に設けられたゴミ箱17に排出される。
【0047】
ここで、カッタ部6による単位画像ごとのシート切断の手法について以下説明する。図6は、裏面プリントにおいて、1つの画像110(mページ目:mは偶数))と次の画像110(m+2ページ目)の間の余白領域111に記録されるカットマーク122を示す。なお、図6では説明の便宜上、裏面プリントにおける画像の並び順序が図4とは左右逆になっている。このカットマーク122は、カッタ部6に内蔵されるカットマークセンサ19で検出され、制御部13は当該検出結果に基づいてシートの切断位置を設定して、第2面へのプリントが済んだ画像を単位画像ごとに切断するよう制御する。
【0048】
カットマーク検出(ステップS16)では、余白領域の前後にプリントされた画像の一部をカットマークと誤認する可能性を減らすため、カットマークセンサ19での検出のサーチ範囲を検出開始位置406と検出終了位置407で挟まれる範囲に限定する。検出開始位置406、検出終了位置407はそれぞれ、シート先端または直前の切断位置200からの相対距離で表される。これらはシート搬送誤差も加味して設定される。既に検出されている一つまたはそれより前のカットマークの情報とプリント済みの画像サイズから、最もカットマークが位置する可能性が高い位置を求めて、この位置をサーチ範囲の中間位置とするのが好ましい。前切断位置401、後切断位置405はカットマーク122を基準に設定されるカッタでの切断位置である。それぞれの位置はカットマーク122の位置からの相対距離(前距離408、後距離409)で表される。ふち無しプリントを行なう場合は、前切断位置401はmページ目の画像110の後端位置402よりも僅かに上流側にずれて位置し、後切断位置405はm+2ページ目の画像110の先端位置404よりも僅かに下流側にずれて位置する。以上のシート切断における各パラメータを表1にまとめる。
【0049】
【表1】

【0050】
図4のフローチャートに戻って、ステップS18では、予定されたページ数(第1面のページ数と同じ数)だけ第2面への複数の画像のプリントが完了したかを判断する。判断の結果がNOの場合はステップS11に戻って、同様の動作を繰り返す。判断の結果がYESの場合はプリントシーケンスを終了する。
【0051】
なお、本実施形態においては、カットマークの検出はカッタ部6に設けたカットマークセンサ19で行なっているが、検査部5でカットマークを検出してその検出タイミングからカッタでの切断を制御するようにしてもよい。
【0052】
ところで、以上の両面プリントの動作シーケンスにおいて、カットマークセンサ19がカットマークを検出する際に、種々の要因で検出不能になる可能性があるので、そのリカバリー手段を設けることが望ましい。カットマーク121、または複数のカットマーク122のいずれかが検出不能になる2つの可能性があるが、最初にカットマーク121が検出不能になった場合について説明する。
【0053】
検出不能になる要因の例としては、プリントヘッド14のインク切れやノズルの一時的な目詰まりによってカットマークが記録不良となるケースがある。また、シート面の部分的な傷や汚れによってカットマークが記録不良となるケースがある。また、カットマークセンサ19が電気的もしくは光学的なノイズを受けて検出不良になるケースがある。
【0054】
表面プリントの最後に記録したカットマーク121が検出できない場合は、何らかの方法でカットマーク位置を推定する必要がある。図6で説明したとおり、カットマークセンサ19では、検出開始位置から検出終了位置までの範囲に限定してカットマークをサーチする。この範囲内のサーチでカットマーク121が検出できなかった場合は、サーチ範囲内のどこかの位置(例えば、検出開始位置406から検出終了位置407の中間位置、あるいは検出終了位置407)でカットマークが検出されたものと推定する。そしてこの推定をもとに切断位置を設定して、カッタ20でシートを切断する。推定で切断するために、切断されて反転部9に巻き取られるシートの端部(表面プリントの最終画像の後の余白。裏面プリントでは先頭画像の前の余白になる。)は本来とは異なる長さになる可能性がある。しかし、もはや続くの画像のないシート端部であるので問題はない。
【0055】
カットマーク121が検出できなかった場合は、操作部15にその旨を表示してユーザに告知する。それを見てユーザは必要に応じてメンテナンスを行なう。続いて、裏面プリントを開始する。マーク読取器18によって反転部9から供給されるシートの先頭に記録されている基準マーク120が読み取られて、それをトリガにして、裏面画像のプリントおよびカットマークの記録が行なわれる。したがって、カットマーク121が検出できなかったとしても、その影響を受けることなく両面プリントを確実に行なうことができる。
【0056】
次に、図4の複数のカットマーク122の内のいずれかが検出不能になった場合のリカバリーについて説明する。検出不能になる要因の例としては、プリントヘッド14のインク切れやノズルの一時的な目詰まりによってカットマークが記録不良となるケースがある。また、シート面の部分的な傷や汚れによってカットマークが記録不良となるケースがある。また、カットマークセンサ19が電気的もしくは光学的なノイズを受けて検出不良になるケースがある。さらに、マーク読取器18が電気的もしくは光学的なノイズを受けて検出不良になるために、カットマークを記録するトリガが得られずにカットマークが記録されないケースがある。
【0057】
裏面プリント中にカットマーク122が検出できない場合は、何らかの方法でカットマークの位置を推定する必要がある。図6で説明したとおり、カットマークセンサ19では、検出開始位置から検出終了位置までの範囲に限定してカットマークをサーチする。この範囲内のサーチでカットマーク121が検出できなかった場合は、サーチ範囲の中間位置(検出開始位置406から検出終了位置407の中間位置)でカットマークが検出されたもの推定する。サーチ範囲の中間位置は、既に検出されている一つまたはそれよりも前のカットマークの情報とプリント済みの画像サイズから求めた、最もカットマークが位置する可能性が高い位置である。そのため、複数のカットマーク122が連続して検出不能となることがない限り(多くの場合は偶発的に1つあるいは少数のカットマーク122が検出できないだけ)、かなり信頼性の高い推定となる。こうして推定した後は、図6で説明したとおり前切断位置401と後切断位置405を設定してシートを切断する。
【0058】
より安全を見込むなら、前切断位置401と後切断位置405を以下のように設定する。前切断位置401は本来よりも下流側に所定距離だけ足した位置に設定し、後切断位置405は本来よりも上流側に所定距離だけ足した位置に設定する。つまり、前切断位置401と後切断位置405とで挟まれる領域(ゴミとして切り落とすシート片)を本来よりも狭くする。これにより、カットマーク122の位置の推定に誤差があったとしても、前後の画像の本来よりもカットされ過ぎて端部が欠ける可能性を減らすことができる。この場合、切断され排出部12に排出されるカットシートは、シート搬送方向のサイズが他のカットシートよりも大きくなる可能性があり、端部には余白が残る可能性がある。そこで、その旨を操作部15に表示してユーザに告知する。ユーザの視認によるチェックを容易にするため、サイズが異なる可能性のあるカットシートだけをソータ部11で分けて、他のシートとは異なトレイに出力するようにしてもよい。
【0059】
以上は両面プリントモードの裏面プリントにおける、カットマークの記録および検出について説明したが、片面プリントモードにおいても同様の動作シーケンスとなっている。すなわち、片面プリントモードにおいても、プリントする1つの画像と次の画像との間の領域にカットマークを記録して、カットマークが検出されたら検出結果に基づいてシートの切断位置を設定する。ただし、基準マークは記録せずに直接カットマークを記録する。もし、カットマークが検出不能であったら既に検出されているカットマークの情報に基いて検出不能であったカットマーク位置を推定して、推定をもとにシートの切断位置を設定する。そして、設定した前記切断位置でプリントが済んだシートを切断する。ここで、カットマークの前後2つの位置に切断位置を設定して、プリントする1つの画像と次の画像との間の領域を切り落とす。
【0060】
以上の実施形態によれば、シートの第1面に複数の画像を連続して順次プリントする際に、プリントする1つの画像と次の画像との間の余白領域に基準マークを記録する。なお、第1面のすべての画像と画像の間の余白領域に基準マークを記録する形態には限られない。所定の数(2以上)の画像ごとに1回の基準マークの記録を行なうようにしてもよい。この場合には、裏面プリントでは1回の基準マークの検出に基づいて、次の基準マークが検出されるまでの数画像分に渡り、第2面の画像プリント位置とカットマーク位置をそれぞれ推定する。
【0061】
また、以上の実施形態では、基準マークの検出に基づいて第2面に1つの画像と次の画像との間の余白領域にカットマークを記録してシートを切断する。なお、検出されたすべての基準マークに対応してカットマークを記録する形態には限られない。所定の数(2以上)の基準マークを検出するごとに一回のカットマークの記録を行なうようにしてもよい。この場合には、1回のカットマークの検出に基づいて、次のカットマークが検出されるまでの数画像分の切断位置を推定して、カッタでシートを切断する。
【0062】
以上説明したように、第1面に記録した基準マークの検出に基づいて第2面への画像のプリント位置を設定するので、第1面と第2面の表裏の画像は正確に位置が一致する。加えて、第1面に複数の画像を順次プリントしながら基準マークも複数記録するので、一度の両面プリントで使用するシートがどれだけ長くなっても、表裏の画像のプリント位置ずれは起きない。
【0063】
また、基準マークの検出に基づいて第2面に1つの画像と次の画像との間の余白領域にカットマークを記録し、カットマークの検出に基づいてシートの切断位置を設定して切断を行なう。これにより、最終的な単位画像ごとのシート切断を極めて正確に行なうことができる。
【0064】
また、カットマークを記録および検出してシートの切断位置を設定し、且つカットマークが検出できない場合にも推定によってシートの切断位置を設定するので、正確な位置でシート切断を行なうことができる。
【0065】
また、プリント位置の下流で、よりカット位置に近い位置に設けたセンサでカットマークを検出している。そのため、画像のプリント位置とカッタとの間のシート搬送経路でシートが波打ったり湾曲してループを形成したりしてシート長さが変動した場合でも、正確な位置でのシート切断が可能となる。
【符号の説明】
【0066】
1 シート供給部
4 プリント部
5 検査部
6 カッタ部
9 反転部
13 制御部
14 プリントヘッド
15 操作部
18 マーク読取器
19 カットマークセンサ
120 基準マーク
121 カットマーク
122 カットマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続したシートを用いプリントを行なうプリント制御方法であって、
シートに複数の画像を順次プリントする;
順次プリントする1つの画像と次の画像との間の領域にカットマークを記録する;
記録された前記カットマークを検出する;
前記カットマークが検出されたら検出結果に基づいてシートの切断位置を設定し、前記カットマークが検出不能であったら既に検出されているカットマークの情報に基いて検出不能であったカットマーク位置を推定して前記推定をもとにシートの切断位置を設定する;
設定した前記切断位置でプリントが済んだシートを切断する;
ことを特徴とするプリント制御方法。
【請求項2】
前記カットマークの前後2つの位置に前記切断位置を設定して、前記プリントする1つの画像と次の画像との間の領域を切り落とすことを特徴とする、請求項1記載のプリント制御方法。
【請求項3】
連続したシートを用いて両面プリントを行なうプリント制御方法であって、
シートの第1面に複数の画像を順次プリントする;
前記第1面に複数の画像をプリントしたシートを表裏反転させる;
前記第1面の背面側の第2面に、前記第1面にプリントした複数の画像にそれぞれ対応する複数の画像を順次プリントする;
前記第2面に順次プリントする1つの画像と次の画像との間の領域にカットマークを記録する;
記録された前記カットマークを検出する;
前記カットマークが検出されたら検出結果に基づいてシートの切断位置を設定し、前記カットマークが検出不能であったら既に検出されているカットマークの情報に基いて検出不能であったカットマーク位置を推定して前記推定をもとにシートの切断位置を設定する;
設定した前記切断位置で前記第2面へのプリントが済んだシートを切断する;
ことを特徴とするプリント制御方法。
【請求項4】
前記第1面に複数の画像をプリントし終わったらカットマークを記録して、当該カットマークを検出する;
前記第1面のカットマークが検出されたら検出結果に基づいてシートの切断位置を設定し、前記第1面のカットマークが検出不能であったら既に検出されているカットマークの情報に基いて検出不能であったカットマーク位置を推定して前記推定をもとにシートの切断位置を設定する;
前記設定した切断位置で前記第1面へのプリントが済んだシートを切断する;
ことを特徴とする、請求項3記載のプリント制御方法。
【請求項5】
連続したシートを用いて両面プリントを行なうプリント制御方法であって、
シートの第1面に複数の画像を順次プリントする;
前記第1面の最後にカットマークを記録して、当該カットマークを検出する;
前記第1面のカットマークが検出されたら検出結果に基づいてシートの切断位置を設定し、前記第1面のカットマークが検出不能であったら既に検出されているカットマークの情報に基いて検出不能であったカットマーク位置を推定して前記推定をもとにシートの切断位置を設定する;
前記設定した切断位置で前記第1面へのプリントが済んだシートを切断する;
前記切断したシートを表裏反転させる;
前記第1面の背面側の第2面に、前記第1面にプリントした複数の画像にそれぞれ対応する複数の画像を順次プリントする;
前記第2面へのプリントが済んだシートを画像ごとに切断する;
ことを特徴とするプリント制御方法。
【請求項6】
前記表裏反転は、プリント部で前記第1面にプリントしたシートを巻取回転体に巻き取り、次いで巻取回転体を逆回転させて巻き取ったシートを再び前記プリント部に再び供給して前記第2面にプリントすることを特徴とする、請求項3から5のいずれかに記載のプリント制御方法。
【請求項7】
インクジェット方式により前記プリントを行なうことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のプリント制御方法。
【請求項8】
連続したシートを保持して供給するためのシート供給部と、
シートにプリントを行なうプリント部と、
シートに記録されたカットマークを検出するセンサと、
シートを切断するカッタ部と、
制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記シート供給部から供給されたシートに複数の画像を前記プリント部で順次プリントする;
順次プリントする1つの画像と次の画像との間の領域に前記プリント部で前記カットマークを記録する;
記録された前記カットマークを前記センサで検出する;
前記センサで前記カットマークが検出されたら検出結果に基づいてシートの切断位置を設定し、前記センサで前記カットマークが検出不能であったら既に検出されているカットマークの情報に基いて検出不能であったカットマーク位置を推定して前記推定をもとにシートの切断位置を設定する;
設定した前記切断位置でプリントが済んだシートを前記カッタ部で切断する;
ように制御することを特徴とするプリント装置。
【請求項9】
前記プリント部でプリントされたシートを巻き取ってシートの表裏を反転させる反転部と、シートに記録された基準マークを読み取る読取器と、をさらに有し、
前記制御部は、
シートの第1面に複数の画像をプリントし終わったらカットマークを記録し、当該カットマークを前記読取器で検出する;
前記第1面のカットマークが検出されたら検出結果に基づいてシートの切断位置を設定し、前記第1面のカットマークが検出不能であったら既に検出されているカットマークの情報に基いて検出不能であったカットマーク位置を推定して前記推定をもとにシートの切断位置を設定する;
前記設定した切断位置で前記第1面へのプリントが済んだシートを切断する;
前記切断したシートを表裏反転させる;
前記第1面の背面側の第2面に、前記第1面にプリントした複数の画像にそれぞれ対応する複数の画像を順次プリントする;
前記第2面へのプリントが済んだシートを前記カッタ部で単位画像ごとに切断する
ように制御することを特徴とする、請求項8記載のプリント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−177951(P2011−177951A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42348(P2010−42348)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】