プリント装置およびその制御プログラム
【課題】一方のプリント部の連続ラベル用紙を他方のプリント部に導いてプリントする場合のラベルの剥がれを防ぐことができるプリント装置およびその制御プログラムを提供する。
【解決手段】第1プリント部の第1用紙を第3搬送路により第2プリント部の第2搬送路に導いてその第1用紙に対するプリントを第2プリント部で代行する場合、そのプリントの実行を第1用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する。第2プリント部の第2用紙を第4搬送路により第1プリント部の第1搬送路に導いてその第2用紙に対するプリントを第1プリント部で代行する場合、そのプリントの実行を第2用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する。
【解決手段】第1プリント部の第1用紙を第3搬送路により第2プリント部の第2搬送路に導いてその第1用紙に対するプリントを第2プリント部で代行する場合、そのプリントの実行を第1用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する。第2プリント部の第2用紙を第4搬送路により第1プリント部の第1搬送路に導いてその第2用紙に対するプリントを第1プリント部で代行する場合、そのプリントの実行を第2用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、2つのプリント部を備えたプリント装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2つのプリント部を備えるプリント装置では、一方のプリント部に連続ラベル用紙をセットし、他方のプリント部に通常のサーマル用紙をセットすることにより、一方のプリント部でチケットや切手をプリントしながら、そのチケットや切手の販売に関わるレシートを他方のプリント部でプリントすることができる。
【0003】
このような2つのプリント部を有するプリント装置では、例えば一方のプリント部が故障した場合、あるいは節電を目的に、一方のプリント部の連続ラベル用紙を他方のプリント部に導き、サーマル用紙および連続ラベル用紙へのプリントを他方のプリント部だけで行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−123625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方のプリント部の連続ラベル用紙を他方のプリント部に導く場合、搬送路における連続ラベル用紙の曲がりの頻度や方向によっては、搬送中の連続ラベル用紙にラベルの剥がれが生じることがある。
【0006】
本発明の実施形態の目的は、一方のプリント部の連続ラベル用紙を他方のプリント部に導いてプリントする場合のラベルの剥がれを防ぐことができるプリント装置およびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態のプリント装置は、ロール状に巻かれた第1用紙を引き出して搬送する第1搬送路およびこの第1搬送路上の用紙に情報をプリントする第1ヘッドを有する第1プリント部と、ロール状に巻かれた第2用紙を引き出して搬送する第2搬送路およびこの第2搬送路上の用紙に情報をプリントする第2ヘッドを有する第2プリント部と、前記第1用紙を必要に応じて前記第2搬送路へ搬送する第3搬送路と、前記第2用紙を必要に応じて前記第1搬送路へ搬送する第4搬送路と、前記第1用紙を前記第3搬送路により前記第2搬送路に導き、その第1用紙に対する前記第2ヘッドによるプリントを実行する第1制御手段と、前記第2用紙を前記第4搬送路により前記第1搬送路に導き、その第1用紙に対する前記第1ヘッドによるプリントを実行する第2制御手段と、前記第1制御手段によるプリントの実行を前記第1用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する第3制御手段と、前記第2制御手段によるプリントの実行を前記第2用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する第4制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態の構成を示す図。
【図2】一実施形態における通常の用紙搬送を示す図。
【図3】一実施形態における第1プリント部の用紙が第2プリント部へ搬送される様子を示す図。
【図4】一実施形態における第2プリント部の用紙が第1プリント部へ搬送される様子を示す図。
【図5】一実施形態における連続ラベル用紙の一例を示す図。
【図6】図5の連続ラベル用紙の裏側を示す図。
【図7】一実施形態の制御回路の構成を示すブロック図。
【図8】一実施形態の制御を示すフローチャート。
【図9】図5の連続ラベル用紙が第1プリント部から第2プリント部へ搬送される様子を示す図。
【図10】図5とは異なる仕様の連続ラベル用紙が第1プリント部から第2プリント部へ搬送される様子を示す図。
【図11】図5の連続ラベル用紙が第2プリント部から第1プリント部へ搬送される様子を示す図。
【図12】図5とは異なる仕様の連続ラベル用紙が第2プリント部から第1プリント部へ搬送される様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、プリント装置1は、前面に2つの排出口2,3を有するとともに、その排出口2に対応する上段位置に第1プリント部10を有し、排出口3に対応する下段位置に第2プリント部20を有する。
【0010】
第1プリント部10は、ロール状に巻かれた第1用紙11の先端を繰り出す給紙ローラ12,13、この給紙ローラ12,13により繰り出される第1用紙11を引き出して上記排出口2に向け搬送する第1搬送路14、この第1搬送路14上の第1用紙11または後述の第2用紙21の一方の面(上面)に情報をプリントするサーマルヘッド15、このサーマルヘッド15に用紙を押し当てるプラテンローラ16、サーマルヘッド15を経た用紙をカットするカッタ17、上記給紙ローラ12,13により繰り出される第1用紙11の他方の面(下面)におけるブラックマークの有無を検知する第1マークセンサ18、およびサーマルヘッド15への用紙の進入を光学的に検知する用紙センサ19を備える。上記第1用紙11は、一方の面(上面)が外周側となり、他方の面(下面)が内周側となる状態に巻かれている。
【0011】
第2プリント部20は、ロール状に巻かれた第2用紙21の先端を繰り出す給紙ローラ22,23、この給紙ローラ22,23により繰り出される第2用紙21を引き出して上記排出口3に向け搬送する第2搬送路24、この第2搬送路24上の第2用紙21または上記第1用紙11の一方の面(上面)に情報をプリントするサーマルヘッド25、このサーマルヘッド25に用紙を押し当てるプラテンローラ26、サーマルヘッド25を経た用紙をカットするカッタ27、上記給紙ローラ22,23により引き出される第2用紙21の他方の面(下面)におけるブラックマークの有無を検知する第2マークセンサ28、およびサーマルヘッド25への用紙の進入を光学的に検知する用紙センサ29を備える。上記第2用紙21は、一方の面(上面)が外周側となり、他方の面(下面)が内周側となる状態に巻かれている。
【0012】
通常は、図2に示すように、第1プリント部10の第1用紙11が第1搬送路14によってサーマルヘッド15へ送られ、第2プリント部20の第2用紙21が第2搬送路24によってサーマルヘッド25へ送られる。
【0013】
一方、第1プリント部10の第1搬送路14から第2プリント部20の第2搬送路24にかけて、第1用紙11を必要に応じて第2搬送路24へ搬送する第3搬送路31が配設される。具体的には、図3に示すように、第1用紙11を、その第1用紙11の一方の面(上面)が外側となって他方の面(下面)が内側となる状態に曲げながら下方へと搬送し、続いて第1用紙11の一方の面(上面)が内側となって他方の面(下面)が外側となる状態に曲げながら第2搬送路24へ導く。
【0014】
第2プリント部20の第2搬送路24から第1プリント部10の第1搬送路14にかけて、第2用紙21を必要に応じて第1搬送路14へ搬送する第4搬送路32が配設される。具体的には、図4に示すように、第2用紙21を、その第2用紙21の一方の面(上面)が内側となって他方の面(下面)が外側となる状態に曲げながら上方へと搬送し、続いて第2用紙21の一方の面(上面)が外側となって他方の面(下面)が内側となる状態に曲げながら第1搬送路14へ導く。
【0015】
上記第1用紙11は、表面に感熱層を有する通常のサーマル用紙、あるいは感熱層を有する多数のラベルを帯状台紙に順に貼付した連続ラベル用紙である。この連続ラベル用紙の一例を図5に示す。すなわち、感熱層を有する多数のラベル41が帯状台紙40の一方の面40aに順に貼付されている。帯状台紙40の他方の面40bには、図6に示すように、例えばカット位置の基準となるブラックマーク42が順にプリントされている。この連続ラベル用紙には、帯状台紙40の一方の面40aがロールの外周側となり他方の面40bがロールの内周側となる状態に巻かれる仕様のものと、反対に、帯状台紙40の他方の面40bがロールの外周側となり一方の面40aがロールの内周側となる状態に巻かれる仕様のものとがある。
【0016】
制御回路を図7に示す。
第1プリント部10は、CPU40、制御プログラム記憶用のROM41、データ記憶用のRAM42、上記給紙ローラ12,13と第1搬送路14および第3搬送路31を含む用紙搬送機構43、上記サーマルヘッド15、上記プラテンローラ16を駆動するプラテン駆動機構44、上記カッタ17、上記マークセンサ18、上記用紙センサ19、操作部45、表示部46、第2プリント部20とのデータ送受信を行うインタフェース47、上位のホスト装置60とのデータ送受信を行う通信インタフェース48を備える。上記CPU40、ROM41、RAM42により、第1プリント部10を制御するマイクロコンピュータが構成される。
【0017】
第2プリント部20は、CPU50、制御プログラム記憶用のROM51、データ記憶用のRAM52、上記給紙ローラ22,23と第2搬送路24および第4搬送路32を含む用紙搬送機構53、上記サーマルヘッド25、上記プラテンローラ26を駆動するプラテン駆動機構54、上記カッタ27、上記マークセンサ28、上記用紙センサ29を備える。上記CPU50、ROM51、RAM52により、第2プリント部20を制御するマイクロコンピュータが構成される。
【0018】
この第1プリント部10のマイクロコンピュータおよび第2プリント部20のマイクロコンピュータは、ROM41,51内の制御プログラムに基づく主要な機能として、次の(1)〜(6)の手段を有する。
(1)第1用紙11を第3搬送路31により第2搬送路24に導き、その第1用紙11に対する第2ヘッド25によるプリントを実行する第1制御手段。
【0019】
(2)第2用紙21を第4搬送路32により第1搬送路14に導き、その第2用紙21に対する第1ヘッド15によるプリントを実行する第2制御手段。
【0020】
(3)第1用紙11が、ロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙であるか否かを判定する第1判定手段。具体的には、第1マークセンサ18がブラックマーク42を検知した場合は、第1用紙11がロールの外周側となる一方の面(上面)にラベル41が貼付された連続ラベル用紙であると判定し、第1マークセンサ18がブラックマーク42を検知しない場合は、第1用紙11がロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙ではないと判定する。
【0021】
(4)第2用紙21が、ロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙であるか否かを判定する第2判定手段。具体的には、第2マークセンサ28がブラックマーク42を検知した場合は、第2用紙21がロールの外周側となる一方の面(上面)にラベル41が貼付された連続ラベル用紙であると判定し、第2マークセンサ28がブラックマーク42を検知しない場合は、第2用紙21がロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙ではないと判定する。
【0022】
(5)上記第1制御手段によるプリントの実行を第1用紙11の種類および仕様に応じて許容または禁止する第3制御手段。具体的には、第1制御手段によるプリントの実行を、プリント対象が連続ラベル用紙でなければ許容し、プリント対象が連続ラベル用紙であれば上記第1判定手段の判定結果が肯定の場合に許容しかつ否定の場合に禁止する。
【0023】
(6)上記第2制御手段によるプリントの実行を第2用紙21の種類および仕様に応じて許容または禁止する第4制御手段。具体的には、第2制御手段によるプリントの実行を、プリント対象が連続ラベル用紙でなければ許容し、プリント対象が連続ラベル用紙であれば禁止する。
【0024】
つぎに、図8のフローチャートを参照しながら制御について説明する。
ロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙が第1用紙11として第1プリント部10にセットされ、通常のサーマル用紙が第2用紙21として第2プリント部20にセットされている場合を例に説明する。
【0025】
例えば第1プリント部10の故障時あるいは節電を目的とした第1プリント部10の稼働停止時、第1用紙11を第3搬送路31により第2プリント部20に送ってその第1用紙11に対するラベルプリントを第2プリント部20で代行する動作モードが操作部45で設定されると(ステップ101のYES、ステップ102のYES)、第1用紙11の他方の面(下面)におけるブラックマーク42の有無を第1マークセンサ18により検知する(ステップ103)。
【0026】
ブラックマーク42があれば(ステップ103のYES)、第1用紙11が、ロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙であるとの判定の下に、第2プリント部20によるラベルプリントの代行を許容する(ステップ105)。この場合、第1用紙11は、図9に示すように、帯状台紙40の一方の面(上面)40aが外側となって他方の面(下面)40bが内側となる状態に曲がりながら下方へ送られ、続いて一方の面(上面)40aが内側となって他方の面(下面)40bが外側となる状態に曲がりながら第2搬送路24へ導かれる。
【0027】
第1用紙11が第1搬送路14から第3搬送路31へと至る最初のコーナーでは、帯状台紙40がラベル41から離れる方向に曲がるが、曲がり頻度が少ないためラベル41にはロールの曲がり方向と同方向への曲がり癖が残っているので、ラベル41が帯状台紙40から剥がれる心配はない。続いて、第1用紙11が第3搬送路31から第2搬送路24へと至る2番目のコーナーでは、帯状台紙40がラベル41側に曲がるので、ここでもラベル41は剥がれない。したがって、ラベル41の剥がれを生じることなく、第2プリント部20によるラベルプリントを適正に行うことができる。
【0028】
ただし、ブラックマーク42がなければ(ステップ103のNO)、第1用紙11が、ロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙でないとの判定の下に、第2プリント部20によるラベルプリントの代行を禁止するとともに(ステップ106)。そして、この禁止の旨を表示部46の表示により報知する(ステップ107)。
【0029】
この場合、第1用紙11は、図10に示すように、帯状台紙40の他方の面(下面)にラベル41が貼付された仕様の連続ラベル用紙であり、最初のコーナーでは帯状台紙40がラベル41側に曲がるのに対し、続く2番目のコーナーでは帯状台紙40がラベル41から離れる方向に曲がり、しかもこの2番目のコーナーではラベル41にはロールの曲がり方向と同方向への曲がり癖が残っていることもあってラベル41が帯状台紙40から剥がれる可能性がある。これだけでなく、そもそも第2プリント部20の第2サーマルヘッド25の側にラベル41が存しないので、ラベルプリントそのものが不可能である。よって、この場合は、ラベルプリントの代行を禁止することになる。
【0030】
なお、第1用紙11が通常のサーマル用紙で、その第1用紙11を第3搬送路31により第2プリント部20に送ってその第1用紙11に対するレシートプリントを第2プリント部20で代行する動作モードが操作部45で設定された場合には(ステップ101のYES、ステップ102のNO)、第2プリント部20によるレシートプリントの代行を許容する(ステップ105)。
【0031】
一方、例えば第2プリント部20の故障時あるいは節電を目的とした第2プリント部20の稼働停止時、第2用紙21を第4搬送路32により第1プリント部10に送ってその第2用紙21に対するラベルプリントを第1プリント部10で代行する動作モードが操作部45で設定された場合は(ステップ101のNO、ステップ108のYES、ステップ109のYES)、第2プリント部20によるラベルプリントの代行を無条件に禁止する(ステップ110)。そして、この禁止の旨を表示部46の表示により報知する(ステップ111)。
【0032】
この場合、第2用紙21は、図11に示すように、帯状台紙40の一方の面(上面)40aが内側となって他方の面(下面)40bが外側となる状態に曲がりながら上方へ送られ、続いて一方の面(上面)40aが外側となって他方の面(下面)40bが内側となる状態に曲がりながら第1搬送路14へ導かれる。第2用紙21が第2搬送路24から第4搬送路32へと至る最初のコーナーでは、帯状台紙40がラベル41側に曲がるので、ラベル41の剥がれは生じない。ただし、第1用紙11が第4搬送路32から第1搬送路14へと至る2番目のコーナーでは、帯状台紙40がラベル41から離れる方向に曲がるため、しかもラベル41にとっては曲がり頻度が2度目でロールの曲がり方向と同方向への曲がり癖がなくなっているため、ラベル41が帯状台紙40から剥がれる心配がある。よって、この場合は、ラベルプリントの代行を禁止することになる。
【0033】
図12に示すように、第2用紙11が、帯状台紙40の他方の面(下面)にラベル41が貼付された仕様の連続ラベル用紙である場合、最初のコーナーで帯状台紙40がラベル41から離れる方向に曲がるが、最初の曲がりであることから、ラベル41が帯状台紙40から剥がれる心配はない。続いて、第2用紙21が第4搬送路32から第1搬送路14へと至る2番目のコーナーでは、帯状台紙40がラベル41側に曲がるので、ここでもラベル41は剥がれない。ただし、ラベル41が剥がれる心配はなくても、そもそも第1プリント部10の第1サーマルヘッド15の側にラベル41が存しないので、ラベルプリントそのものが不可能である。よって、この場合は、ラベルプリントの代行を禁止することになる。
【0034】
なお、第2用紙21が通常のサーマル用紙で、その第2用紙21を第4搬送路32により第1プリント部10に送ってその第2用紙21に対するレシートプリントを第1プリント部10で代行する動作モードが操作部45で設定された場合には(ステップ101のNO、ステップ108のYES、ステップ109のNO)、第1プリント部10によるレシートプリントの代行を許容する(ステップ112)。
【0035】
以上のように、一方のプリント部の連続ラベル用紙を他方のプリント部に導くラベルプリントの代行を、ラベルの剥がれを生じることなく、適正に行うことができる。
【0036】
なお、上記実施形態の制御では、第2プリント部20のマークセンサ28が不要となるが、第2プリント部20を上段位置、第1プリント部10を下段位置に入れ替えて使用する場合には、マークセンサ28が必要となる。
【0037】
その他、上記実施形態および各変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1…プリント装置、2,3…排出口、10…第1プリント部、11…第1用紙、12…搬送ローラ、14…サーマルヘッド、15…プラテンローラ、16…カッタ、20…第2プリント部、21…第2用紙、22…搬送ローラ、24…サーマルヘッド、25…プラテンローラ、26…カッタ、30…CPU、40…CPU、51…ホスト装置
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、2つのプリント部を備えたプリント装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
2つのプリント部を備えるプリント装置では、一方のプリント部に連続ラベル用紙をセットし、他方のプリント部に通常のサーマル用紙をセットすることにより、一方のプリント部でチケットや切手をプリントしながら、そのチケットや切手の販売に関わるレシートを他方のプリント部でプリントすることができる。
【0003】
このような2つのプリント部を有するプリント装置では、例えば一方のプリント部が故障した場合、あるいは節電を目的に、一方のプリント部の連続ラベル用紙を他方のプリント部に導き、サーマル用紙および連続ラベル用紙へのプリントを他方のプリント部だけで行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−123625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方のプリント部の連続ラベル用紙を他方のプリント部に導く場合、搬送路における連続ラベル用紙の曲がりの頻度や方向によっては、搬送中の連続ラベル用紙にラベルの剥がれが生じることがある。
【0006】
本発明の実施形態の目的は、一方のプリント部の連続ラベル用紙を他方のプリント部に導いてプリントする場合のラベルの剥がれを防ぐことができるプリント装置およびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態のプリント装置は、ロール状に巻かれた第1用紙を引き出して搬送する第1搬送路およびこの第1搬送路上の用紙に情報をプリントする第1ヘッドを有する第1プリント部と、ロール状に巻かれた第2用紙を引き出して搬送する第2搬送路およびこの第2搬送路上の用紙に情報をプリントする第2ヘッドを有する第2プリント部と、前記第1用紙を必要に応じて前記第2搬送路へ搬送する第3搬送路と、前記第2用紙を必要に応じて前記第1搬送路へ搬送する第4搬送路と、前記第1用紙を前記第3搬送路により前記第2搬送路に導き、その第1用紙に対する前記第2ヘッドによるプリントを実行する第1制御手段と、前記第2用紙を前記第4搬送路により前記第1搬送路に導き、その第1用紙に対する前記第1ヘッドによるプリントを実行する第2制御手段と、前記第1制御手段によるプリントの実行を前記第1用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する第3制御手段と、前記第2制御手段によるプリントの実行を前記第2用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する第4制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態の構成を示す図。
【図2】一実施形態における通常の用紙搬送を示す図。
【図3】一実施形態における第1プリント部の用紙が第2プリント部へ搬送される様子を示す図。
【図4】一実施形態における第2プリント部の用紙が第1プリント部へ搬送される様子を示す図。
【図5】一実施形態における連続ラベル用紙の一例を示す図。
【図6】図5の連続ラベル用紙の裏側を示す図。
【図7】一実施形態の制御回路の構成を示すブロック図。
【図8】一実施形態の制御を示すフローチャート。
【図9】図5の連続ラベル用紙が第1プリント部から第2プリント部へ搬送される様子を示す図。
【図10】図5とは異なる仕様の連続ラベル用紙が第1プリント部から第2プリント部へ搬送される様子を示す図。
【図11】図5の連続ラベル用紙が第2プリント部から第1プリント部へ搬送される様子を示す図。
【図12】図5とは異なる仕様の連続ラベル用紙が第2プリント部から第1プリント部へ搬送される様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、プリント装置1は、前面に2つの排出口2,3を有するとともに、その排出口2に対応する上段位置に第1プリント部10を有し、排出口3に対応する下段位置に第2プリント部20を有する。
【0010】
第1プリント部10は、ロール状に巻かれた第1用紙11の先端を繰り出す給紙ローラ12,13、この給紙ローラ12,13により繰り出される第1用紙11を引き出して上記排出口2に向け搬送する第1搬送路14、この第1搬送路14上の第1用紙11または後述の第2用紙21の一方の面(上面)に情報をプリントするサーマルヘッド15、このサーマルヘッド15に用紙を押し当てるプラテンローラ16、サーマルヘッド15を経た用紙をカットするカッタ17、上記給紙ローラ12,13により繰り出される第1用紙11の他方の面(下面)におけるブラックマークの有無を検知する第1マークセンサ18、およびサーマルヘッド15への用紙の進入を光学的に検知する用紙センサ19を備える。上記第1用紙11は、一方の面(上面)が外周側となり、他方の面(下面)が内周側となる状態に巻かれている。
【0011】
第2プリント部20は、ロール状に巻かれた第2用紙21の先端を繰り出す給紙ローラ22,23、この給紙ローラ22,23により繰り出される第2用紙21を引き出して上記排出口3に向け搬送する第2搬送路24、この第2搬送路24上の第2用紙21または上記第1用紙11の一方の面(上面)に情報をプリントするサーマルヘッド25、このサーマルヘッド25に用紙を押し当てるプラテンローラ26、サーマルヘッド25を経た用紙をカットするカッタ27、上記給紙ローラ22,23により引き出される第2用紙21の他方の面(下面)におけるブラックマークの有無を検知する第2マークセンサ28、およびサーマルヘッド25への用紙の進入を光学的に検知する用紙センサ29を備える。上記第2用紙21は、一方の面(上面)が外周側となり、他方の面(下面)が内周側となる状態に巻かれている。
【0012】
通常は、図2に示すように、第1プリント部10の第1用紙11が第1搬送路14によってサーマルヘッド15へ送られ、第2プリント部20の第2用紙21が第2搬送路24によってサーマルヘッド25へ送られる。
【0013】
一方、第1プリント部10の第1搬送路14から第2プリント部20の第2搬送路24にかけて、第1用紙11を必要に応じて第2搬送路24へ搬送する第3搬送路31が配設される。具体的には、図3に示すように、第1用紙11を、その第1用紙11の一方の面(上面)が外側となって他方の面(下面)が内側となる状態に曲げながら下方へと搬送し、続いて第1用紙11の一方の面(上面)が内側となって他方の面(下面)が外側となる状態に曲げながら第2搬送路24へ導く。
【0014】
第2プリント部20の第2搬送路24から第1プリント部10の第1搬送路14にかけて、第2用紙21を必要に応じて第1搬送路14へ搬送する第4搬送路32が配設される。具体的には、図4に示すように、第2用紙21を、その第2用紙21の一方の面(上面)が内側となって他方の面(下面)が外側となる状態に曲げながら上方へと搬送し、続いて第2用紙21の一方の面(上面)が外側となって他方の面(下面)が内側となる状態に曲げながら第1搬送路14へ導く。
【0015】
上記第1用紙11は、表面に感熱層を有する通常のサーマル用紙、あるいは感熱層を有する多数のラベルを帯状台紙に順に貼付した連続ラベル用紙である。この連続ラベル用紙の一例を図5に示す。すなわち、感熱層を有する多数のラベル41が帯状台紙40の一方の面40aに順に貼付されている。帯状台紙40の他方の面40bには、図6に示すように、例えばカット位置の基準となるブラックマーク42が順にプリントされている。この連続ラベル用紙には、帯状台紙40の一方の面40aがロールの外周側となり他方の面40bがロールの内周側となる状態に巻かれる仕様のものと、反対に、帯状台紙40の他方の面40bがロールの外周側となり一方の面40aがロールの内周側となる状態に巻かれる仕様のものとがある。
【0016】
制御回路を図7に示す。
第1プリント部10は、CPU40、制御プログラム記憶用のROM41、データ記憶用のRAM42、上記給紙ローラ12,13と第1搬送路14および第3搬送路31を含む用紙搬送機構43、上記サーマルヘッド15、上記プラテンローラ16を駆動するプラテン駆動機構44、上記カッタ17、上記マークセンサ18、上記用紙センサ19、操作部45、表示部46、第2プリント部20とのデータ送受信を行うインタフェース47、上位のホスト装置60とのデータ送受信を行う通信インタフェース48を備える。上記CPU40、ROM41、RAM42により、第1プリント部10を制御するマイクロコンピュータが構成される。
【0017】
第2プリント部20は、CPU50、制御プログラム記憶用のROM51、データ記憶用のRAM52、上記給紙ローラ22,23と第2搬送路24および第4搬送路32を含む用紙搬送機構53、上記サーマルヘッド25、上記プラテンローラ26を駆動するプラテン駆動機構54、上記カッタ27、上記マークセンサ28、上記用紙センサ29を備える。上記CPU50、ROM51、RAM52により、第2プリント部20を制御するマイクロコンピュータが構成される。
【0018】
この第1プリント部10のマイクロコンピュータおよび第2プリント部20のマイクロコンピュータは、ROM41,51内の制御プログラムに基づく主要な機能として、次の(1)〜(6)の手段を有する。
(1)第1用紙11を第3搬送路31により第2搬送路24に導き、その第1用紙11に対する第2ヘッド25によるプリントを実行する第1制御手段。
【0019】
(2)第2用紙21を第4搬送路32により第1搬送路14に導き、その第2用紙21に対する第1ヘッド15によるプリントを実行する第2制御手段。
【0020】
(3)第1用紙11が、ロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙であるか否かを判定する第1判定手段。具体的には、第1マークセンサ18がブラックマーク42を検知した場合は、第1用紙11がロールの外周側となる一方の面(上面)にラベル41が貼付された連続ラベル用紙であると判定し、第1マークセンサ18がブラックマーク42を検知しない場合は、第1用紙11がロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙ではないと判定する。
【0021】
(4)第2用紙21が、ロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙であるか否かを判定する第2判定手段。具体的には、第2マークセンサ28がブラックマーク42を検知した場合は、第2用紙21がロールの外周側となる一方の面(上面)にラベル41が貼付された連続ラベル用紙であると判定し、第2マークセンサ28がブラックマーク42を検知しない場合は、第2用紙21がロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙ではないと判定する。
【0022】
(5)上記第1制御手段によるプリントの実行を第1用紙11の種類および仕様に応じて許容または禁止する第3制御手段。具体的には、第1制御手段によるプリントの実行を、プリント対象が連続ラベル用紙でなければ許容し、プリント対象が連続ラベル用紙であれば上記第1判定手段の判定結果が肯定の場合に許容しかつ否定の場合に禁止する。
【0023】
(6)上記第2制御手段によるプリントの実行を第2用紙21の種類および仕様に応じて許容または禁止する第4制御手段。具体的には、第2制御手段によるプリントの実行を、プリント対象が連続ラベル用紙でなければ許容し、プリント対象が連続ラベル用紙であれば禁止する。
【0024】
つぎに、図8のフローチャートを参照しながら制御について説明する。
ロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙が第1用紙11として第1プリント部10にセットされ、通常のサーマル用紙が第2用紙21として第2プリント部20にセットされている場合を例に説明する。
【0025】
例えば第1プリント部10の故障時あるいは節電を目的とした第1プリント部10の稼働停止時、第1用紙11を第3搬送路31により第2プリント部20に送ってその第1用紙11に対するラベルプリントを第2プリント部20で代行する動作モードが操作部45で設定されると(ステップ101のYES、ステップ102のYES)、第1用紙11の他方の面(下面)におけるブラックマーク42の有無を第1マークセンサ18により検知する(ステップ103)。
【0026】
ブラックマーク42があれば(ステップ103のYES)、第1用紙11が、ロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙であるとの判定の下に、第2プリント部20によるラベルプリントの代行を許容する(ステップ105)。この場合、第1用紙11は、図9に示すように、帯状台紙40の一方の面(上面)40aが外側となって他方の面(下面)40bが内側となる状態に曲がりながら下方へ送られ、続いて一方の面(上面)40aが内側となって他方の面(下面)40bが外側となる状態に曲がりながら第2搬送路24へ導かれる。
【0027】
第1用紙11が第1搬送路14から第3搬送路31へと至る最初のコーナーでは、帯状台紙40がラベル41から離れる方向に曲がるが、曲がり頻度が少ないためラベル41にはロールの曲がり方向と同方向への曲がり癖が残っているので、ラベル41が帯状台紙40から剥がれる心配はない。続いて、第1用紙11が第3搬送路31から第2搬送路24へと至る2番目のコーナーでは、帯状台紙40がラベル41側に曲がるので、ここでもラベル41は剥がれない。したがって、ラベル41の剥がれを生じることなく、第2プリント部20によるラベルプリントを適正に行うことができる。
【0028】
ただし、ブラックマーク42がなければ(ステップ103のNO)、第1用紙11が、ロールの外周側となる一方の面(上面)にラベルが貼付された連続ラベル用紙でないとの判定の下に、第2プリント部20によるラベルプリントの代行を禁止するとともに(ステップ106)。そして、この禁止の旨を表示部46の表示により報知する(ステップ107)。
【0029】
この場合、第1用紙11は、図10に示すように、帯状台紙40の他方の面(下面)にラベル41が貼付された仕様の連続ラベル用紙であり、最初のコーナーでは帯状台紙40がラベル41側に曲がるのに対し、続く2番目のコーナーでは帯状台紙40がラベル41から離れる方向に曲がり、しかもこの2番目のコーナーではラベル41にはロールの曲がり方向と同方向への曲がり癖が残っていることもあってラベル41が帯状台紙40から剥がれる可能性がある。これだけでなく、そもそも第2プリント部20の第2サーマルヘッド25の側にラベル41が存しないので、ラベルプリントそのものが不可能である。よって、この場合は、ラベルプリントの代行を禁止することになる。
【0030】
なお、第1用紙11が通常のサーマル用紙で、その第1用紙11を第3搬送路31により第2プリント部20に送ってその第1用紙11に対するレシートプリントを第2プリント部20で代行する動作モードが操作部45で設定された場合には(ステップ101のYES、ステップ102のNO)、第2プリント部20によるレシートプリントの代行を許容する(ステップ105)。
【0031】
一方、例えば第2プリント部20の故障時あるいは節電を目的とした第2プリント部20の稼働停止時、第2用紙21を第4搬送路32により第1プリント部10に送ってその第2用紙21に対するラベルプリントを第1プリント部10で代行する動作モードが操作部45で設定された場合は(ステップ101のNO、ステップ108のYES、ステップ109のYES)、第2プリント部20によるラベルプリントの代行を無条件に禁止する(ステップ110)。そして、この禁止の旨を表示部46の表示により報知する(ステップ111)。
【0032】
この場合、第2用紙21は、図11に示すように、帯状台紙40の一方の面(上面)40aが内側となって他方の面(下面)40bが外側となる状態に曲がりながら上方へ送られ、続いて一方の面(上面)40aが外側となって他方の面(下面)40bが内側となる状態に曲がりながら第1搬送路14へ導かれる。第2用紙21が第2搬送路24から第4搬送路32へと至る最初のコーナーでは、帯状台紙40がラベル41側に曲がるので、ラベル41の剥がれは生じない。ただし、第1用紙11が第4搬送路32から第1搬送路14へと至る2番目のコーナーでは、帯状台紙40がラベル41から離れる方向に曲がるため、しかもラベル41にとっては曲がり頻度が2度目でロールの曲がり方向と同方向への曲がり癖がなくなっているため、ラベル41が帯状台紙40から剥がれる心配がある。よって、この場合は、ラベルプリントの代行を禁止することになる。
【0033】
図12に示すように、第2用紙11が、帯状台紙40の他方の面(下面)にラベル41が貼付された仕様の連続ラベル用紙である場合、最初のコーナーで帯状台紙40がラベル41から離れる方向に曲がるが、最初の曲がりであることから、ラベル41が帯状台紙40から剥がれる心配はない。続いて、第2用紙21が第4搬送路32から第1搬送路14へと至る2番目のコーナーでは、帯状台紙40がラベル41側に曲がるので、ここでもラベル41は剥がれない。ただし、ラベル41が剥がれる心配はなくても、そもそも第1プリント部10の第1サーマルヘッド15の側にラベル41が存しないので、ラベルプリントそのものが不可能である。よって、この場合は、ラベルプリントの代行を禁止することになる。
【0034】
なお、第2用紙21が通常のサーマル用紙で、その第2用紙21を第4搬送路32により第1プリント部10に送ってその第2用紙21に対するレシートプリントを第1プリント部10で代行する動作モードが操作部45で設定された場合には(ステップ101のNO、ステップ108のYES、ステップ109のNO)、第1プリント部10によるレシートプリントの代行を許容する(ステップ112)。
【0035】
以上のように、一方のプリント部の連続ラベル用紙を他方のプリント部に導くラベルプリントの代行を、ラベルの剥がれを生じることなく、適正に行うことができる。
【0036】
なお、上記実施形態の制御では、第2プリント部20のマークセンサ28が不要となるが、第2プリント部20を上段位置、第1プリント部10を下段位置に入れ替えて使用する場合には、マークセンサ28が必要となる。
【0037】
その他、上記実施形態および各変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0038】
1…プリント装置、2,3…排出口、10…第1プリント部、11…第1用紙、12…搬送ローラ、14…サーマルヘッド、15…プラテンローラ、16…カッタ、20…第2プリント部、21…第2用紙、22…搬送ローラ、24…サーマルヘッド、25…プラテンローラ、26…カッタ、30…CPU、40…CPU、51…ホスト装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻かれた第1用紙を引き出して搬送する第1搬送路およびこの第1搬送路上の用紙に情報をプリントする第1ヘッドを有する第1プリント部と、
ロール状に巻かれた第2用紙を引き出して搬送する第2搬送路およびこの第2搬送路上の用紙に情報をプリントする第2ヘッドを有する第2プリント部と、
前記第1用紙を必要に応じて前記第2搬送路へ搬送する第3搬送路と、
前記第2用紙を必要に応じて前記第1搬送路へ搬送する第4搬送路と、
前記第1用紙を前記第3搬送路により前記第2搬送路に導き、その第1用紙に対する前記第2ヘッドによるプリントを実行する第1制御手段と、
前記第2用紙を前記第4搬送路により前記第1搬送路に導き、その第2用紙に対する前記第1ヘッドによるプリントを実行する第2制御手段と、
前記第1制御手段によるプリントの実行を前記第1用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する第3制御手段と、
前記第2制御手段によるプリントの実行を前記第2用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する第4制御手段と、
を備えることを特徴とするプリント装置。
【請求項2】
前記第1ヘッドは、前記第1搬送路上の用紙の一方の面に情報をプリントする、
前記第2ヘッドは、前記第2搬送路上の用紙の一方の面に情報をプリントする、
ことを特徴とする請求項1記載のプリント装置。
【請求項3】
前記第1および第2プリント部は、互いに上段と下段の位置関係に配置される、
前記第3搬送路は、前記第1用紙を、その第1用紙の一方の面が外側となって他方の面が内側となる状態に曲げながら下方へと搬送し、続いて同第1用紙の一方の面が内側となって他方の面が外側となる状態に曲げながら前記第2搬送路へ導く、
前記第4搬送路は、前記第2用紙を、その第2用紙の一方の面が内側となって他方の面が外側となる状態に曲げながら上方へと搬送し、続いて同第2用紙の一方の面が外側となって他方の面が内側となる状態に曲げながら前記第1搬送路へ導く、
ことを特徴とする請求項1記載のプリント装置。
【請求項4】
前記第1用紙が、ロールの外周側となる一方の面にラベルが貼付された連続ラベル用紙であるか否かを判定する第1判定手段と、
前記第2用紙が、ロールの外周側となる一方面にラベルが貼付された連続ラベル用紙であるか否かを判定する第2判定手段と、
をさらに備え、
前記第3制御手段は、前記第1制御手段によるプリントの実行を、プリント対象が連続ラベル用紙でなければ許容し、プリント対象が連続ラベル用紙であれば前記第1判定手段の判定結果が肯定の場合に許容して否定の場合に禁止する、
前記第4制御手段は、前記第2制御手段によるプリントの実行を、プリント対象が連続ラベル用紙でなければ許容し、プリント対象が連続ラベル用紙であれば禁止する、
ことを特徴とする請求項3記載のプリント装置。
【請求項5】
前記第1用紙のロールの内周側となる他方の面におけるマークを検知する第1マークセンサと、
前記第2用紙のロールの内周側となる他方の面におけるマークを検知する第2マークセンサと、
をさらに備え、
前記第1判定手段は、前記第1マークセンサがマークを検知した場合は、前記第1用紙がロールの外周側となる一方の面にラベルが貼付された連続ラベル用紙であると判定し、前記第1マークセンサがマークを検知しない場合は、前記第1用紙がロールの外周側となる一方の面にラベルが貼付された連続ラベル用紙ではないと判定する、
前記第2判定手段は、前記第2マークセンサがマークを検知した場合は、前記第2用紙がロールの外周側となる一方の面にラベルが貼付された連続ラベル用紙であると判定し、前記第2マークセンサがマークを検知しない場合は、前記第2用紙がロールの外周側となる一方の面にラベルが貼付された連続ラベル用紙ではないと判定する、
ことを特徴とする請求項4記載のプリント装置。
【請求項6】
ロール状に巻かれた第1用紙を引き出して搬送する第1搬送路およびこの第1搬送路上の用紙に情報をプリントする第1ヘッドを有する第1プリント部と、
ロール状に巻かれた第2用紙を引き出して搬送する第2搬送路およびこの第2搬送路上の用紙に情報をプリントする第2ヘッドを有する第2プリント部と、
前記第1用紙を必要に応じて前記第2搬送路へ搬送する第3搬送路と、
前記第2用紙を必要に応じて前記第1搬送路へ搬送する第4搬送路と、
コンピュータと、
を備えるプリント装置において、
前記コンピュータに、
前記第1用紙を前記第3搬送路により前記第2搬送路に導き、その第1用紙に対する前記第2ヘッドによるプリントを実行する機能と、
このプリントの実行を前記第1用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する機能と、
前記第2用紙を前記第4搬送路により前記第1搬送路に導き、その第2用紙に対する前記第1ヘッドによるプリントを実行する機能と、
このプリントの実行を前記第2用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する機能と、
を実現させることを特徴とするプリント装置の制御プログラム。
【請求項1】
ロール状に巻かれた第1用紙を引き出して搬送する第1搬送路およびこの第1搬送路上の用紙に情報をプリントする第1ヘッドを有する第1プリント部と、
ロール状に巻かれた第2用紙を引き出して搬送する第2搬送路およびこの第2搬送路上の用紙に情報をプリントする第2ヘッドを有する第2プリント部と、
前記第1用紙を必要に応じて前記第2搬送路へ搬送する第3搬送路と、
前記第2用紙を必要に応じて前記第1搬送路へ搬送する第4搬送路と、
前記第1用紙を前記第3搬送路により前記第2搬送路に導き、その第1用紙に対する前記第2ヘッドによるプリントを実行する第1制御手段と、
前記第2用紙を前記第4搬送路により前記第1搬送路に導き、その第2用紙に対する前記第1ヘッドによるプリントを実行する第2制御手段と、
前記第1制御手段によるプリントの実行を前記第1用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する第3制御手段と、
前記第2制御手段によるプリントの実行を前記第2用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する第4制御手段と、
を備えることを特徴とするプリント装置。
【請求項2】
前記第1ヘッドは、前記第1搬送路上の用紙の一方の面に情報をプリントする、
前記第2ヘッドは、前記第2搬送路上の用紙の一方の面に情報をプリントする、
ことを特徴とする請求項1記載のプリント装置。
【請求項3】
前記第1および第2プリント部は、互いに上段と下段の位置関係に配置される、
前記第3搬送路は、前記第1用紙を、その第1用紙の一方の面が外側となって他方の面が内側となる状態に曲げながら下方へと搬送し、続いて同第1用紙の一方の面が内側となって他方の面が外側となる状態に曲げながら前記第2搬送路へ導く、
前記第4搬送路は、前記第2用紙を、その第2用紙の一方の面が内側となって他方の面が外側となる状態に曲げながら上方へと搬送し、続いて同第2用紙の一方の面が外側となって他方の面が内側となる状態に曲げながら前記第1搬送路へ導く、
ことを特徴とする請求項1記載のプリント装置。
【請求項4】
前記第1用紙が、ロールの外周側となる一方の面にラベルが貼付された連続ラベル用紙であるか否かを判定する第1判定手段と、
前記第2用紙が、ロールの外周側となる一方面にラベルが貼付された連続ラベル用紙であるか否かを判定する第2判定手段と、
をさらに備え、
前記第3制御手段は、前記第1制御手段によるプリントの実行を、プリント対象が連続ラベル用紙でなければ許容し、プリント対象が連続ラベル用紙であれば前記第1判定手段の判定結果が肯定の場合に許容して否定の場合に禁止する、
前記第4制御手段は、前記第2制御手段によるプリントの実行を、プリント対象が連続ラベル用紙でなければ許容し、プリント対象が連続ラベル用紙であれば禁止する、
ことを特徴とする請求項3記載のプリント装置。
【請求項5】
前記第1用紙のロールの内周側となる他方の面におけるマークを検知する第1マークセンサと、
前記第2用紙のロールの内周側となる他方の面におけるマークを検知する第2マークセンサと、
をさらに備え、
前記第1判定手段は、前記第1マークセンサがマークを検知した場合は、前記第1用紙がロールの外周側となる一方の面にラベルが貼付された連続ラベル用紙であると判定し、前記第1マークセンサがマークを検知しない場合は、前記第1用紙がロールの外周側となる一方の面にラベルが貼付された連続ラベル用紙ではないと判定する、
前記第2判定手段は、前記第2マークセンサがマークを検知した場合は、前記第2用紙がロールの外周側となる一方の面にラベルが貼付された連続ラベル用紙であると判定し、前記第2マークセンサがマークを検知しない場合は、前記第2用紙がロールの外周側となる一方の面にラベルが貼付された連続ラベル用紙ではないと判定する、
ことを特徴とする請求項4記載のプリント装置。
【請求項6】
ロール状に巻かれた第1用紙を引き出して搬送する第1搬送路およびこの第1搬送路上の用紙に情報をプリントする第1ヘッドを有する第1プリント部と、
ロール状に巻かれた第2用紙を引き出して搬送する第2搬送路およびこの第2搬送路上の用紙に情報をプリントする第2ヘッドを有する第2プリント部と、
前記第1用紙を必要に応じて前記第2搬送路へ搬送する第3搬送路と、
前記第2用紙を必要に応じて前記第1搬送路へ搬送する第4搬送路と、
コンピュータと、
を備えるプリント装置において、
前記コンピュータに、
前記第1用紙を前記第3搬送路により前記第2搬送路に導き、その第1用紙に対する前記第2ヘッドによるプリントを実行する機能と、
このプリントの実行を前記第1用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する機能と、
前記第2用紙を前記第4搬送路により前記第1搬送路に導き、その第2用紙に対する前記第1ヘッドによるプリントを実行する機能と、
このプリントの実行を前記第2用紙の種類および仕様に応じて許容または禁止する機能と、
を実現させることを特徴とするプリント装置の制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−56435(P2013−56435A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195141(P2011−195141)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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