説明

プリント装置

【課題】 消去および記録を行う用紙の属性を管理できるようにし、たとえば画像消去または画像記録の許諾されていない用紙に対して誤って消去または記録を行ってしまうという問題、使用回数が許容限界に達した用紙に対して消去/記録を行ってしまうという問題、後に消去/記録を行うことのない用紙とその他の通常の用紙とが混在状態になるという問題を解消したプリント装置を提供する。
【解決手段】 用紙が非接触ICタグ読み書き部5の位置に到達したとき用紙を停止させ、用紙の非接触ICタグのデータを読み取り、その処理種別が画像の消去/記録が許諾されている状態であり、且つその用紙の使用回数が許容限界に達していないとき、使用回数をインクリメントして書き込み、所定の画像を用紙に記録する。もし消去/記録が禁止状態である場合や使用回数が許容限界に達していれば、その用紙を異常用紙排出部50へ排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、非接触ICタグを内装し可逆記録材料を用いた用紙に対して消去記録制御を行うプリント装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
感熱記録材料に対しサーマルヘッドを接触させて画像記録を行うサーマルプリンタについては多数の提案がなされているが、ある種のタイプのサーマルプリンタ、たとえば、ロイコ染料と可逆顕色剤を用いた発色型可逆感熱記録材料(例えば、特許文献1参照)を使用して画像記録を行うサーマルプリンタでは、サーマルヘッドにより画像記録を行うとともに、消去ローラを使用して画像を消去できるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−106308公報
【特許文献2】特開2002−331697公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記のようなプリント装置においては、既に画像が記録されている用紙をプリント装置の給紙部にセットして画像の消去記録処理を行えば、当然に、用紙の記録面上の画像が先ず消去され、その消去された記録面上に新たな画像が記録されることになり、次のような問題が生じる。
【0004】
(1)消去してはならない画像が記録されている用紙が誤ってプリント装置の給紙部にセットされてしまうと、その画像が消去され別の画像に書き換えられてしまう。
【0005】
(2)前記発色型可逆感熱記録材料を用いた所謂リライタブルプリンタ用の用紙は、その発色型可逆感熱記録材料の物性により、消去/記録を繰返す毎に発色特性または消色特性が劣化し、自ずと寿命がある。ところが使用回数を直接確認する手だてが無いので、運用上で使用回数を計数する必要があり、煩雑であった。また、使用可能な回数を超えた用紙が誤ってセットされて、消去不良や発色不良が生じてしまうおそれがあった。
【0006】
(3)以上のような消去/記録の処理を行うべきでない用紙(通常でない用紙または異常な用紙)がその他の通常の用紙と混在していた場合に、それらを区別して扱うことができず、通常の用紙に通常でない用紙または異常な用紙が後々まで混在したままとなってしまう。
【0007】
そこで、この発明の目的は、消去および記録を行う用紙の属性を管理できるようにして上述の問題を解消したプリント装置を提供することにある。
【0008】
また、この発明の目的は、画像消去または画像記録の許諾されていない用紙に対して誤って消去または記録を行ってしまうという問題を解消したプリント装置を提供することにある。
【0009】
また、この発明の目的は、使用回数が許容限界に達していない用紙に対して消去/記録を行うようにして正常な記録を可能としたプリント装置を提供することにある。
【0010】
さらに、この発明の目的は、後に消去/記録を行うことのない用紙とその他の通常の用紙とを区分できるようにしたプリント装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)この発明のプリント装置は、非接触ICタグを内装する用紙を搬送する用紙搬送手段と、この用紙搬送手段により搬送される用紙の記録面の画像を画像消去部で消去する画像消去手段と、用紙搬送手段により搬送される用紙の記録面に画像を画像記録部で記録する画像記録手段と、用紙が画像消去部および画像記録部に搬送されるまでに非接触ICタグのデータを読み取るデータ読み取り手段と、非接触ICタグのデータ内に含まれる当該用紙の属性データに応じて当該用紙に対する画像消去手段による画像の消去または画像記録手段による画像の記録を制御する消去記録制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
(2)前記非接触ICタグのデータ内に含まれる属性データは、たとえば画像消去または画像記録の許諾データであり、前記消去記録制御手段は当該用紙に対する画像消去または画像記録が許諾状態であるときに当該用紙を通常用紙とみなして、該通常用紙に対する前記画像消去手段による画像の消去または前記画像記録手段による画像の記録を行うものとする。
【0013】
(3)前記非接触ICタグのデータ内に含まれる属性データは、たとえば使用回数のデータであり、前記画像消去手段または前記画像記録手段による画像の消去または記録の回数を前記非接触ICタグに書き込む使用回数書込み手段を備え、前記消去記録制御手段が、前記回数データが許容限界に達していない時に当該用紙を通常用紙とみなし、該通常用紙に対する前記画像消去手段による画像の消去または前記画像記録手段による画像の記録を行うものとする。
【0014】
(4)前記消去記録制御手段は、前記回数データが許容限界に達したときに当該用紙を異常用紙とみなし、該異常用紙に対してその旨を示す画像を記録するように前記画像消去手段および前記画像記録手段を制御するものとする。
【0015】
(5)また、この発明のプリント装置は、前記画像記録手段により画像記録された前記通常用紙を排出する通常用紙排出部と、前記通常用紙以外の用紙または前記異常用紙を排出する異常用紙排出部とを備え、前記消去記録制御手段は、前記通常用紙を前記通常用紙排出部へ排出し、前記通常用紙以外の用紙または前記異常用紙を前記異常時排出部に排出するものとする。
【発明の効果】
【0016】
(1)非接触ICタグのデータ内に含まれる用紙の属性データに応じてその用紙に対する画像消去または記録を制御することにより、個々の用紙に内装されている非接触ICタグのデータに応じて適切な消去または記録処理が自動的に実行できるようになる。
【0017】
このような非接触ICタグによる識別技術であるRFID(Radio Frequency Identification)は産業界(特に流通業界)において商品識別や管理技術として注目されている。本発明によれば、例えばこのような商品の識別用や管理用の票を印刷するに際して適切な消去または記録処理を行うことができる。
【0018】
(2)画像消去または画像記録の許諾が与えられていない用紙に対する画像消去または画像記録が誤ってなされることが無く重要な画像が記録された用紙を確実に保存できる。
【0019】
(3)非接触ICタグのデータ内に含まれる回数データが許容限界に達している用紙に不適正な画像が記録されることが防止できる。
【0020】
(4)前記回数データが許容限界に達したとき、その用紙に許容限界に達した旨の画像を記録することによって、当該用紙の使用回数が許容限界に達した旨を利用者は容易に確認できるようになる。
【0021】
(5)用紙に対して通常に消去または記録が行われた通常用紙を通常用紙排出部に排出し、通常用紙以外の用紙または前記異常用紙が異常用紙排出部に排出されるように構成することによって、多数の用紙のうち後に消去または記録を行わない用紙を分別することができ異常用紙排出部に排出された用紙を、後に装置の給紙部に載置するといったミスも防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図2はこの発明の実施形態であるプリント装置100の内部の構成を示す上面図である。図1は図2におけるA−A部分の断面図である。プリント装置100の図1・図2における右側には大量の用紙を載置する昇降テーブル14と、それとは別の給紙トレイ16を設けている。昇降テーブル14に載置された用紙は、昇降テーブル14が上昇することによって、最も上部の用紙の図における左端部がピックアップローラ9に当接する。このピックアップローラ9の駆動軸にはクラッチ19を設けていて、そのクラッチ19のオン状態でこのピックアップローラ9が図1における右方向に回転する。このことによって、用紙は、図における左方向に搬送される。給紙ローラ6は図における右方向に回転しているので、給紙された用紙は左方向にそのまま搬送される。
【0023】
レジストローラ21の駆動軸にはクラッチを設けていて、このクラッチのオフ状態で、給紙されてきた用紙の先端(図1における左端)がレジストローラ21に当接する。その後、上記クラッチのオンによりレジストローラ21が左方向に回転して用紙は図における左方向に搬送されていく。
【0024】
同様に、給紙トレイ16に載置された用紙の最上面の用紙の先端(図における左端)はピックアップローラ8に当接する。ピックアップローラ8の駆動軸にはクラッチ18を設けていて、そのクラッチ18のオン状態でピックアップローラ8が図1における右方向に回転し、用紙は図における左方向に搬送される。給紙ローラ7は図における右方向に回転しているので、給紙された用紙は左方向に搬送される。レジストローラ20の駆動軸にはクラッチを設けていて、このクラッチのオフ状態で、給紙されてきた用紙の先端がレジストローラ20に当接する。その後、上記クラッチのオンによりレジストローラ20が左方向に回転して用紙は図における左方向に搬送されていく。
【0025】
用紙搬送路上で、搬送ローラ13と搬送ローラ22との間には非接触ICタグ読み書き部5を配置している。搬送ローラ13の駆動軸にはクラッチ15を設けていて、搬送途中の用紙に内装されている非接触ICタグに対して非接触ICタグ読み書き部5が読み書きできる位置に達したとき、搬送ローラ13のクラッチ15をオフすることによって、その状態で用紙を停止させる。この用紙の停止状態で非接触ICタグ読み書き部5がその非接触ICタグに対するデータの読み書きを行う。その後、搬送ローラ13のクラッチ15をオンすることによって用紙を搬送させる。搬送ローラ22は、その用紙を前方(図における左方向)へ搬送する。
【0026】
この搬送ローラ22の前方にはクリーニングローラ4と駆動ローラであるプラテンローラ12とを設けていて、このクリーニングローラ4とプラテンローラ12との間を用紙が通過する際、クリーニングローラ4は用紙の上面(記録面)に付着している塵埃を取り除く。
【0027】
上記クリーニングローラ4よりさらに前方にはヒートローラ3と、それに対向する駆動ローラであるプラテンローラ11を配置して画像消去部を構成している。このヒートローラ3とプラテンローラ11との間を用紙が通過する際に用紙を所定温度にまで上昇させる。
【0028】
ヒートローラ3よりさらに前方には、用紙搬送路の上下に、用紙の表裏面に対して空気を吹き付ける冷却ファン2,2を配置して冷却部を構成している。この上下の冷却ファン2,2によってその間を搬送される用紙の温度を徐々に下げる。これによって用紙に記録されていた画像を消去する。
【0029】
冷却ファン2,2による冷却部よりさらに下流には、サーマルヘッド1とこのサーマルヘッド1との間で用紙を挟むプラテンローラ10を配置して画像記録部を構成している。用紙の先端がサーマルヘッド1の下部に到達した時、サーマルヘッド1は下降し、用紙の記録面に当接し、用紙の搬送と共にサーマルヘッドの駆動によって画像を記録する。
【0030】
上記サーマルヘッド1の位置よりさらに下流には搬送ローラ24,25および通常用紙排出部40を設けていて、画像記録済みの用紙を通常用紙排出部40にまで搬送・排出する。
【0031】
また、搬送ローラ22とプラテンローラ12との間には、後述する機構により異常用紙を下方へ落下させて排出する異常用紙排出部50を設けている。
【0032】
図3は上記非接触ICタグ読み書き部5付近の構成を示す図である。この図3に示すように、搬送ローラ13と搬送ローラ22との間に非接触ICタグ読み書き部5を配置している。用紙60の中央部には非接触ICタグが内装されていて、この用紙の中央部が非接触ICタグ読み書き部5に近接する状態、すなわち非接触ICタグ読み書き部5が非接触ICタグの読み書きができる位置で、搬送ローラ13の駆動軸のクラッチを切ることによって用紙60を図3に示す状態で停止させる。この時、搬送ローラ22は図中矢印方向に回転しているが、用紙60の先端が搬送ローラ22に達していないので、用紙60は停止したままである。
【0033】
図4は上記異常用紙排出部50付近の構成を示す図である。搬送ローラ22の下流側の直近には、そこを通過する用紙を後方へ通過させるか下方へ落下させるかを切り変えるフラッパ52を設けている。そして、このフラッパ52の下部に異常用紙排出トレイ51を設けている。フラッパ52が実線で示す状態にあるとき、用紙は矢印N方向へ通過し、フラッパ52が破線で示す状態にあるとき、用紙は矢印Aで示すように異常用紙排出トレイ51へ落下する。後述するように、画像の消去/記録を行わない用紙は、この異常用紙排出トレイ51へ落下させ堆積させる。
【0034】
図5は画像の消去/記録を行う用紙の例を示す図であり、(A)はその内部の構造、(B)はその記録面への画像の記録例を示している。この用紙60は表面にはロイコ染料と可逆顕色剤を用いた発色型可逆感熱層を有するシートと樹脂製の基材シートとを積層してなり、その2つのシートの間に非接触ICタグ61を挟み込んでいる。この非接触ICタグ61は、アンテナパターン62等の導体パターンを形成したPETフィルムにICチップ63を実装したインレットである。この非接触ICタグ61は、図3に示した非接触ICタグ読み書き部5のアンテナと結合して電力供給を受けるとともにICチップ63内のデータの送信または書き換えを行う。
図5の(B)に示すように、用紙60の記録面にはたとえば文字、表、コードなどからなる画像を記録する。この用紙60は或る装置や部品の製造に際して工程進捗票などとして用いる。
【0035】
図6はこのプリント装置100の制御部のブロック図である。制御回路70は次の各制御を行う。
・昇降テーブル14のモータ17に対して駆動部75を介して駆動信号を出力する。
・ピックアップローラのクラッチ18,19に対して駆動部77,78を介してそれぞれ駆動信号を出力する。
・フラッパ52に対して駆動部76を介して駆動信号を出力する。
・非接触ICタグ読み書き部のクラッチ15に対して駆動部74を介して駆動信号を出力する。
・非接触ICタグ読み書き部5によって、用紙に内装されている非接触ICタグ61に対するデータの読み書きを行う。
・ヒートローラ3のヒータの制御を、駆動部73を介して行う。
・サーマルヘッド昇降モータ26に対し駆動部72を介して駆動信号を出力する。
・サーマルヘッド1に対して駆動部71を介して駆動信号を出力する。
・キースイッチなどの操作部79の操作内容を読み取る。
・用紙搬送路上の複数の位置で用紙の有無を検出するセンサやヒートローラ3の温度を検出するセンサなど、各種センサ80の検出信号を読み取る。
・インターフェース90を介してホストコンピュータ101との間でデータの入出力を行う。
【0036】
次に、図6に示した制御回路70の処理手順を、図7を参照して説明する。
図7は、用紙を給紙してから排出するまでの、制御回路70の制御による一連の流れを示すフローチャートである。まずピックアップローラ8または9のクラッチ18または19の一方をオンして用紙を給紙するとともに搬送を開始する(S1)。用紙搬送路上の用紙の位置を検出するセンサの読み取り結果に応じて、用紙が非接触ICタグ読み書き部5に到達したことを検出すれば、非接触ICタグ読み書き部5の搬送ローラ13のクラッチ15をオフする(S2→S3)。
【0037】
この状態で用紙60の非接触ICタグ61は非接触ICタグ読み書き部5に近接し、非接触ICタグ読み書き部5は非接触ICタグ61からデータを読み取る(S4)。
【0038】
非接触ICタグ61からデータが正しく読み取れたか否かの状態(リードステータス)をチェックし(S5)、正常であれば、読み取った複数バイトのデータのうち画像の消去/記録が許諾状態であるか否かを判定する(S6)。消去/記録が許諾状態であれば、上記非接触ICタグ61から読み取ったデータのうち、その用紙の使用回数のデータが、あらかじめ定めた許容限界に達していなければ、その使用回数をインクリメントして非接触ICタグ61に書きこむ(S7→S8)。
【0039】
消去/記録が許諾されている用紙であれば、非接触ICタグ読み書き部5のクラッチ15をオンすることによって用紙を再び搬送させる(S9)。この時、フラッパ52は図4の実線で示すように水平状態にある。これにより、用紙はクリーニングローラ4を通過して、その記録面がクリーニングされる(S10)。
【0040】
その後、用紙はヒートローラ3を通過することにより、用紙の記録面が所定温度(概ね150℃〜200℃の所定温度)まで加熱され、続く除冷によって、すでに記録されていた画像が消去される(S11)。なお、冷却ファン2を駆動することによって用紙搬送路および用紙の蓄熱を抑え、後のサーマルヘッドによる画像記録の際に用紙の記録面を所定温度範囲に保つ。
【0041】
用紙の先端がサーマルヘッド1のヘッド位置の直前に到達した時、サーマルヘッド昇降モータ26を駆動してサーマルヘッド1のヘッド部を用紙に当接させ、その後サーマルヘッド1を駆動して新たな画像を記録する(S12)。
さらにそのまま用紙を搬送し、通常用紙排出部40へ排出する(S13)。
【0042】
もし、非接触ICタグ61からデータが読み取れなければ、または読み取ったデータが異常であれば、フラッパ52を図4に示した破線のように立ち上げて、非接触ICタグ読み書き部のクラッチ15をオンすることによって用紙を異常用紙排出部50へ排出する(S5→S14→S15→S16)。
【0043】
また、読み取ったデータが画像の消去/記録の許諾状態でなければ、同様にフラッパ52を図4に示した破線のように立ち上げて、非接触ICタグ読み書き部のクラッチ15をオンすることによって用紙を異常用紙排出部50へ排出する(S6→S14→S15→S16)。
【0044】
使用回数が許容限界に達した時も同様に、その用紙を異常用紙排出部50へ排出する(S7→S14→S15→S16)。
【0045】
次に第2の実施形態に係るプリント装置について図8を参照して説明する。
第1の実施形態では、用紙の使用回数が許容限界に達した時、そのままその用紙を異常用紙排出部50へ排出するようにしたが、この第2の実施形態では、使用回数が許容限界に達した時、その用紙に対して使用回数が限界に達したことを示す画像を記録する。図8は制御部の処理手順を示すフローチャートである。第1の実施形態で説明に用いた図7に示した処理と異なるのはステップS17の処理である。この第2の実施形態では、非接触ICタグから読み取ったデータのうち用紙の使用回数(消去/記録回数)があらかじめ定めた許容限界に達している時、その用紙に対して、この用紙の使用回数が許容限界に達している旨のメッセージ、たとえば「この用紙は所定の使用回数(1000回)に達しましたのでこれ以上使用できません。」といった画像、を記録するためのデータを設定する(S7→S17)。その他の処理は第1の実施形態の場合と同様である。
【0046】
したがって、その後、上記画像を記録して通常用紙排出部40へ排出する(S9→S10→S11→S12→S13)。その他の処理は第1の実施形態の場合と同様である。これにより、用紙の記録面に上記メッセージの記録を行う。
【0047】
なお、このような使用回数が限界に達した用紙に上記記録を行った後、通常用紙排出部とは別の異常用紙排出部へ排出するようにしてもよい。
【0048】
以上に示した第1・第2の実施形態では、画像の消去と画像の記録を一連の処理として行うようにしたが、非接触ICタグのデータ内に含まれる属性データに応じてその用紙に対する画像の消去または画像の記録を個別に制御するようにしてもよい。たとえば、画像の消去は許諾するが、画像の記録は禁止するといった設定や、逆に画像の消去は禁止するが、画像の記録は許諾するといった設定も可能である。
【0049】
画像の消去のみを許諾し画像の記録を禁止する設定の場合に、ホストコンピュータ101から「画像の消去」のみが指示されればそれを実行するが、「画像の消去記録」が指示されれば、該当の用紙を異常用紙排出部へ排出するとともに、その用紙に対する「画像の消去記録」が実行不能である旨ホストコンピュータ101へ応答する。
【0050】
また、画像の記録のみを許諾し画像の消去を禁止する設定の場合に、ホストコンピュータ101から「画像の追加書き込み」が指示されれば、画像消去部で用紙を加熱せず、画像記録部で用紙に画像を追加書き込み(重ね書き)する。「画像の消去」が指示されれば、該当の用紙を異常用紙排出部へ排出するとともに、その用紙に対する「画像の消去」が実行不能である旨ホストコンピュータ101へ応答する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明の実施形態に係るプリント装置内部の構成を示す図であり、図2のA−A部分の断面図である。
【図2】同プリント装置内部の構成を示す上面図である。
【図3】同プリント装置の非接触ICタグ読み書き部付近の構成を示す図である。
【図4】同プリント装置の異常用紙排出部付近の構成を示す図
【図5】同プリント装置に適用する用紙の構成を示す図である。
【図6】同プリント装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】同制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態に係るプリント装置の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1−サーマルヘッド
2−冷却ファン
3−ヒートローラ
4−クリーニングローラ
5−非接触ICタグ読み書き部
6,7−給紙ローラ
8,9−ピックアップローラ
10,11,12−プラテンローラ
13−搬送ローラ
14−昇降テーブル
15−クラッチ
16−給紙トレイ
18,19−クラッチ
20,21−レジストローラ
22〜25−搬送ローラ
40−通常用紙排出部
50−異常用紙排出部
51−異常用紙排出トレイ
52−フラッパ
60−用紙
61−非接触ICタグ
100−プリント装置
101−ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触ICタグを内装する用紙を搬送する用紙搬送手段と、
前記用紙搬送手段により搬送される用紙の記録面の画像を画像消去部で消去する画像消去手段と、
前記用紙搬送手段により搬送される用紙の記録面に画像を画像記録部で記録する画像記録手段と、
前記用紙が前記画像消去部および前記画像記録部に搬送されるまでに前記非接触ICタグのデータを読み取るデータ読み取り手段と、
前記非接触ICタグのデータ内に含まれる当該用紙の属性データに応じて当該用紙に対する前記画像消去手段による画像の消去または前記画像記録手段による画像の記録を制御する消去記録制御手段と、
を備えたプリント装置。
【請求項2】
前記属性データは、前記用紙に対する画像消去または画像記録の許諾データであり、前記消去記録制御手段は当該用紙に対する画像消去または画像記録が許諾状態であるときに当該用紙を通常用紙とみなして、該通常用紙に対する前記画像消去手段による画像の消去または前記画像記録手段による画像の記録を行う請求項1に記載のプリント装置。
【請求項3】
前記画像消去手段または前記画像記録手段による画像の消去または記録の回数を前記非接触ICタグに書き込む使用回数書き込み手段を備え、
前記属性データは前記使用回数書き込み手段によって書き込まれた画像消去または画像記録の回数データであり、前記消去記録制御手段は前記回数データが許容限界に達していないときに当該用紙を通常用紙とみなし、該通常用紙に対する前記画像消去手段による画像の消去または前記画像記録手段による画像の記録を行う請求項1に記載のプリント装置。
【請求項4】
前記消去記録制御手段は前記回数データが許容限界に達したときに当該用紙を異常用紙とみなし、該異常用紙に対して前記回数データが許容限界に達した旨を示す画像を記録するように前記画像消去手段および前記画像記録手段を制御する請求項3に記載のプリント装置。
【請求項5】
前記画像記録手段により画像記録された前記通常用紙を排出する通常用紙排出部と、前記通常用紙以外の用紙または前記異常用紙を排出する異常用紙排出部とを備え、
前記消去記録制御手段は、前記通常用紙を前記通常用紙排出部へ排出し、前記通常用紙以外の用紙または前記異常用紙を前記異常時排出部に排出する請求項1〜4のいずれかに記載のプリント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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