説明

プリント配線板の製造装置及びプリント配線板の製造方法

【課題】多くの製造工程を必要とすることなく基板上への回路パターンの形成を容易に実現する。
【解決手段】プリント配線板の製造装置1は、基板2を載置する載置台18と、有機銅化合物3を超臨界二酸化炭素7aに溶解した混合流体3aが生成される混合容器8と、載置台18上の基板2に対して対向配置され、混合流体3aを基板2の表面に向けて噴出するヘッド部5と、載置台18上の基板2に対し、形成すべき回路パターン3cの配線経路に対応させてヘッド部5を移動する搬送機構14と、移動中のヘッド部5より噴出された混合流体3aが基板2の表面に到達する手前でこの混合流体3aにレーザ光を照射してこれを加熱し、混合流体3a中の銅成分を基板表面に融着して回路パターン3cを形成するレーザ光源9とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気・電子機器等に搭載されるプリント配線板を製造するためのプリント配線板の製造装置及びプリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線基板を製造する場合においては、例えば銅張基板等の銅箔表面に感光性のレジストを被覆し、このレジストを所定のパターンで露光して現像した後、エッチング処理を施すことで、所望の回路パターンの配線を実現するプリント配線板の製造方法やその製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の製法では、主に、レジストの被覆、露光、現像、現像液の洗浄及び乾燥、エッチング、レジストの剥離といった複数の製造工程が必要であることに加え、形成すべき回路パターンに対応するマスクフィルムを作製する必要や、さらにはエッチングによる廃液の処分等を配慮する必要性もある。
【特許文献1】特開平5−267822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
つまり、上述した従来の製法では、マスクフィルム等の専用部品の作製や各工程毎に異なる多数の専用装置の設置等、多大な費用が必要であるとともに、廃液処理等を含む多数の工程毎の製造環境を一定以上に確保すること等が必要であり、コスト面や工程の管理面等で課題を抱えている。そこで、このような製法に代えて、全く新たな手法でプリント配線板を製造する方法やその製造装置を開発することへの要請がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、多くの製造工程を必要とすることなく基板上への回路パターンの形成を容易に実現するプリント配線板の製造装置及びプリント配線板の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るプリント配線板の製造装置は、基板を載置する載置台と、有機金属化合物が超臨界流体に溶解された混合流体を生成する混合流体生成機構と、前記載置台上の前記基板と対向配置されたヘッド部を備え、前記混合流体生成機構により生成された前記混合流体を前記基板の表面に向けて該ヘッド部より噴出する噴出機構と、前記載置台上の前記基板と前記ヘッド部との該基板表面に沿った方向の相対的な位置を、形成すべき回路パターンの配線経路に対応させて移動する搬送機構と、前記搬送機構の駆動により前記ヘッド部との相対位置が移動する前記基板の表面に、前記ヘッド部より噴出された前記混合流体が到達する手前でこの混合流体を加熱し、当該混合流体中の金属成分を前記基板表面に融着して前記回路パターンを形成する加熱機構とを具備することを特徴とする。
【0007】
すなわち、本発明は、ヘッド部から噴出される有機金属化合物を超臨界流体に溶解したかたちの混合流体が基板表面に到達する前に、この混合流体を加熱することで、有機成分を燃焼させつつ金属成分を溶融し、この金属成分を基板表面に融着して回路を形成するものである。さらに、本発明によれば、形成すべき回路パターンの配線経路に対応するように、上記ヘッド部及び/又は基板が、相対的に移動するので、所望の回路パターンを基板上に容易に形成することができる。ここで、ヘッド部と基板との相対位置の移動制御は、例えば電気CAD(Computer Aided Design)等で作図された回路パターンの座標情報等を基に直接的に行うことが可能である。また、本発明では、例えばレジストの被覆及び剥離、露光及び現像、並びにエッチング等といった工程を経ることなくパターン形成を行えるので、現像液やエッチング液等の廃液処理を懸念することなく、しかも少ない製造ステップでプリント配線板を安価に製造することができる。
【0008】
また、上記したヘッド部と基板との相対位置を変位させる機構は、載置台上に載せられた(停止している)基板に対し、例えばヘッド部を移動させるものであってもよいし、固定支持されたヘッド部に対し、基板を搭載した載置台を移動させるものでもよいし、さらには、ヘッド部及び基板の双方を互いに異なる方向に移動させる機構とし、回路パターンの配線時間の短縮化を図ってもよい。また、ヘッド部から噴出される混合流体を加熱する加熱機構は、ヘッド部が移動する構造を採用する場合、例えばヘッド部に連動して同方向に移動する機構を設けることが望ましい。
【0009】
ここで、超臨界流体に溶解させる対象の有機金属化合物とは、いわゆる金属錯体を含み、具体的には、金属銅錯体等を含む有機銅化合物が例示される。この有機銅化合物としては、特に常温で比較的安定な物性を示すフェニル銅等を選択することが好ましい。超臨界流体としては、常温に近い温度で超臨界状態となり、しかも良好な溶媒特性を発揮する超臨界二酸化炭素を適用することが望ましい。また、超臨界流体として、超臨界二酸化炭素を適用することで、混合流体が加熱されて有機成分が分解され且つ金属成分が溶融される際に、これらの処理が実質的に二酸化炭素雰囲気中で行われることになる。これにより、基板上へ金属成分が融着されて回路パターンが形成される場合に、この回路部分の酸化を防止することができる。
【0010】
また、有機銅化合物等の金属錯体の溶解性を向上させるために、超臨界流体と有機金属化合物との混合流体中に有機溶媒であるアセトンを添加するようにしてもよい。また、本発明においては、混合流体中の金属成分を溶融させるための加熱機構にレーザ光源を設けるようにしてもよい。この場合、噴出される混合流体(の中の金属成分)が基板に到達する直前の領域、つまり、基板直上の局部的な範囲を選択して加熱できるとともに、金属成分を十分に溶融させるための高い加熱効果を付与することができるので、金属成分の基板上へ融着を好適に行うことができる。
【0011】
また、本発明に係るプリント配線板の製造方法は、有機金属化合物を超臨界流体により溶解して混合流体を生成する工程と、前記生成された混合流体を、基板と対向配置されるヘッド部から該基板の表面に向けて噴出する工程と、前記基板と前記ヘッド部との該基板表面に沿った方向の相対的な位置を、形成すべき配線パターンの配線経路に対応させて移動させる工程と、前記ヘッド部との相対位置が移動する前記基板の表面に、前記ヘッド部より噴出された前記混合流体が到達する手前でこの混合流体を加熱し、当該混合流体中の金属成分を前記基板表面に溶着して前記配線パターンを形成する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このように、本発明によれば、多くの製造工程を必要とすることなく基板上への回路パターンの形成を容易に実現可能なプリント配線板の製造装置及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るプリント配線板の製造装置の構成を概略的に示す図、図2は、このプリント配線板の製造装置の平面図、図3は、このプリント配線板の製造装置が備えるヘッド部の構造を説明するための図である。
これらの図に示すように、本実施形態のプリント配線板の製造装置1は、基板2を載置する載置台18と、有機銅化合物3が超臨界二酸化炭素7aに溶解された混合流体3aを生成するための各種機構と、混合流体3aを基板2の表(ひょう)面にヘッド部5を通じて噴出させる機構と、ヘッド部5を移動させる搬送機構14と、ヘッド部5から噴出された混合流体3aにレーザ光を照射して基板2の直上で加熱することで、銅成分を基板表面に融着して回路パターン3cを形成するレーザ光源9を含む加熱機構と、から主に構成される。
【0014】
混合流体3aを生成するための機構は、耐圧容器である混合容器8と、CO2ボンベ7と、混合容器8内にCO2ボンベ7から二酸化炭素を送る送液ポンプ6と、ヘッド部5に分岐接続される配管11を通じて混合容器8内の圧力を少なくともCO2の臨界圧力以上の70気圧(約7.38MPa)以上に調整する圧力調整器10とからなる。また、混合容器8内は、CO2ボンベ7から取り込まれた二酸化炭素を超臨界二酸化炭素7aとするために、上記したように圧力調整がなされるとともに、所定の加温機構により、少なくともCO2の臨界温度以上の31℃以上に加温される。また、有機銅化合物は、混合容器8内に過剰に収容されており、この混合容器8内で超臨界二酸化炭素7aにより溶解されて飽和流体(混合流体3a)としてヘッド部5の噴射口5aから排出される。
【0015】
この有機銅化合物としては、常温で比較的安定な物性を示すフェニル銅や、またメチル銅等のアルキル銅が適用されている。また、本実施形態での有機銅化合物とは、いわゆる金属銅錯体を含み、具体的には、メチルアセトアセテート、ベンジルアセトアセテート等のβ−ケトエステル基に銅原子が配位結合された銅錯体や、1,5−シルクオクタジエン、トリメチルホスフィン等のルイス塩基に銅原子が配位結合された銅錯体等が例示される。なお、超臨界二酸化炭素7aに溶解させる対象の有機金属化合物として例えば有機アルミニウム化合物や有機アルミニウム錯体を適用してもよい。
【0016】
また、混合流体3aを噴出する上記ヘッド部5は、そのの噴射口5aを、載置台18上の基板2表面側に向け、さらに、基板2との間に所定の離間距離おいて対向するように配置されている。つまり、混合容器8内で生成された混合流体3aは、配管11及び噴射口5aを通じて載置台18上の基板表面に向けて噴出される。ここで、図3に示すように、噴射口5aは、混合流体3aが放射状に広がって噴出されないようにするために二重構造を有している。すなわち、噴射口5aは、ヘッド部5の基端部側に設けられた内側噴射口5bと、この内側噴射口5bを筒状の噴射ガイド15で包囲するとともにその先端部側の開口を外側噴射口5cとしたものである。したがって、同軸的に設けられた内側噴射口5b及び外側噴射口5cを各々通過する混合流体3aは、実質的に噴射径を制御されつつ外部に放出される。ここで、内側噴射口5bから外周方向に広がって噴射された混合流体3aは、噴射ガイド15の内壁面や先端部のテーパ部分を通じて集められ、さらに、この噴射ガイド15先端の外縁部分に形成された排出孔16から外部に吐出し、ドレイン受17により回収される。
【0017】
また、ヘッド部5を移動させる搬送機構14は、図1及び図2に示すように、載置台18上の基板2とヘッド部5との基板表面に沿った方向の相対的な位置を、形成すべき回路パターン3cの配線経路に対応させて移動するものである。詳細には、搬送機構14は、載置台18上に載せられた基板2に対し、ガイドシャフト12等を通じて(図1、図2中の)X1方向、X2方向、Y1方向にヘッド部5を移動させる機構である。搬送機構14は、さらに、例えばこのヘッド部5の移動に同期させてヘッド部5と同方向にレーザ光源9を動作させる連動機構を備える。ここで、レーザ光を導光するレンズやミラー等の光学系を適宜配置することで、少なくともレーザスポット位置が、ヘッド部5の移動に連動して移動する機構としてもよい。なお、ヘッド部5やレーザ光源9を移動させる搬送機構14に代えて、固定された固定支持されたヘッド部5に対し、基板2を搭載した載置台18を移動させる機構を採用すること等も可能である。
【0018】
上記レーザ光源9を備える加熱機構は、搬送機構14の駆動時において、ヘッド部5とともに例えば連動して基板表面に沿った方向X1、X2、Y1に移動しつつ、ヘッド部5から載置台18上の基板表面に噴出された混合流体3aに対して、当該混合流体3aの噴出方向と直交する(水平)方向からレーザ光を照射し、基板2の直上で混合流体3aを加熱する。すなわち、この加熱機構は、ヘッド部5より噴出された混合流体3aが、基板2の表面に到達する手前でこの混合流体3aを加熱することで、当該混合流体3a中の有機成分を分解するとともに、銅(溶融状態の銅成分)3bを基板表面に融着して回路パターン3cを形成(プリント)する。ここで、混合流体3aが加熱されて有機成分が分解され且つ銅成分が溶融される際に、これらの処理が実質的に二酸化炭素雰囲気中で行われることになるため、基板上に形成される回路パターンが酸化すること等を防止することができる。なお、この二酸化炭素雰囲気を確保するために、載置台18、ヘッド部5、及びレーザ光源9等が設置される領域を例えば密閉空間として形成してもよい。
【0019】
ここで、レーザ光源9より混合流体3aに照射されるレーザ光のパワーは、このレーザ照射により加熱される混合流体3a中の銅成分の温度が、銅の融点である1085℃以上で、且つ銅の沸点である2580℃以下になるように設定されている。また、レンズ等を利用してレーザ光を集光しエネルギ密度を向上させるようにしてもよい。また、ヘッド部5の位置を例えば変更することや、また光学系を適宜追加すること等で、基板2の表面に対し直交する方向からレーザ光を照射するようにしてもよいし、基板2の表面に対し斜め方向からレーザ光を照射するようにしてもよい。さらに、噴射口5aと基板2との離間距離は、レーザ光の照射された銅(溶融状態)3bが基板2に到達する前に固化しないようにするために、ヘッド部5及びレーザ光源9が適宜設置され、その距離が少なくとも5mm以下になるように設定されている。
【0020】
したがって、このように構成された製造装置1を用いプリント配線板を製造する場合には、有機銅化合物3を超臨界二酸化炭素7aにより溶解して混合流体(飽和流体)3aを生成するとともに、この混合流体3aを、基板2と対向配置されるヘッド部5から基板表面に向けて噴出し、さらに、基板2に対しての当該基板表面に沿った方向のヘッド部5の位置を、形成すべき回路パターン3cの配線経路に対応させて移動させ、この基板表面に、混合流体3aが到達する手前でこの混合流体3aを加熱し、当該混合流体3a中の銅(溶融状態)3bを基板表面に溶着して回路パターン3cを形成する。
【0021】
したがって、本実施形態によれば、電気CAD等で作図された配線基板の座標情報等に基づいて、直接的に回路パターン3cを基板2上に形成することができる。また、本実施形態によれば、例えばレジストの被覆及び剥離、露光及び現像、並びにエッチング等といった工程を経ることなく回路パターン3cを形成できるので、エッチング液等の廃液処理を懸念することなく、また、少ない製造工程でプリント配線板を製造することができる。
【0022】
以上、本発明を実施の形態により具体的に説明したが、本発明は前記実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明は、プリント配線板の製造にのみならず、ICやLSI等の、あらゆる電子デバイスの回路パターンの形成等にも応用することができる。また、ヘッド部5に改良を加え、例えば、上記混合流体の噴射用の噴射口を複数設けるとともに絶縁樹脂の噴射用の噴射口を例えば複数設けて、これらをヘッド部5上に並設し、さらに、各噴射口の開閉のタイミングやヘッド部を適宜移動制御すること等で、例えば多層構造のプリント配線板を形成することが可能となる。
【0023】
(実施例)
次に、本発明を実施例により説明する。
この実施例では、上記したプリント配線板の製造装置1を用い、特に、基板上に回路パターンを形成する方法を例示する。ここで、基板としては、エポキシ樹脂基板を用い、超臨界二酸化炭素に溶解させるべき対象の有機銅化合物としてはフェニル銅を適用した。
まず、Φ60mm×60mmHのサイズで作製された円柱形状のハステロイ(登録商標)製の混合容器(耐圧容器)8内にフェニル銅を100g入れ密閉状態とした。さらに、常圧の状態でCO2ガスをフローし、混合容器8内及び配管11内をCO2ガスで置換した。この置換後、系内の圧力を10Maまで上昇させ、圧力が安定してから混合容器8内の温度を100℃まで昇温した。
【0024】
さらに、混合容器8内の温度が安定した後、光径Φ0.5mmのエキシマレーザ光の出射を開始した。また、ヘッド部5の噴射口5a(外側噴射口5c)の径は、Φ0.3mmとし、噴射口5aの先端面と基板2との離間距離は2mmに設定した。次に、レーザの照射光が安定した後、ヘッド部5の噴射口5aから、(フェニル銅を超臨界二酸化炭素に溶解させた)混合流体3aの噴射を開始した。このような混合流体(飽和流体)3aの噴射及びヘッド部5(及びレーザ光源9)の基板面に沿ったX1、X2、Y1方向への水平移動を開始させ、2分後に、これら噴射及び水平移動を終了させた。
これらの工程を経た後、基板2上の銅配線(回路パターン3c)の状態を確認したところ、基板2上に形成された120mmの銅配線は、線幅が約0.3mmで且つ均一な厚さに配線され、また、基板2との密着状態も良好であった。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係るプリント配線板の製造装置の構成を示す図。
【図2】図1のプリント配線板の製造装置の平面図。
【図3】図1のプリント配線板の製造装置のヘッド部の構造を示す図。
【符号の説明】
【0026】
1…プリント配線板の製造装置、2…基板、3…有機銅化合物、3a…混合流体、3b…銅(溶融状態)、3c…回路パターン、5…ヘッド部、5a…噴射口、6…送液ポンプ、7…CO2ボンベ、7a…超臨界二酸化炭素、8…混合容器、9…レーザ光源、11…配管、12…ガイドシャフト、14…搬送機構、15…噴射ガイド、16…排出孔、18…載置台。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を載置する載置台と、
有機金属化合物が超臨界流体に溶解された混合流体を生成する混合流体生成機構と、
前記載置台上の前記基板と対向配置されたヘッド部を備え、前記混合流体生成機構により生成された前記混合流体を前記基板の表面に向けて該ヘッド部より噴出する噴出機構と、
前記載置台上の前記基板と前記ヘッド部との該基板表面に沿った方向の相対的な位置を、形成すべき回路パターンの配線経路に対応させて移動する搬送機構と、
前記搬送機構の駆動により前記ヘッド部との相対位置が移動する前記基板の表面に、前記ヘッド部より噴出された前記混合流体が到達する手前でこの混合流体を加熱し、当該混合流体中の金属成分を前記基板表面に融着して前記回路パターンを形成する加熱機構と
を具備することを特徴とするプリント配線板の製造装置。
【請求項2】
前記有機金属化合物が、有機銅化合物であることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板の製造装置。
【請求項3】
前記有機銅化合物が、フェニル銅であることを特徴とする請求項2記載のプリント配線板の製造装置。
【請求項4】
前記超臨界流体が、超臨界二酸化炭素であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造装置。
【請求項5】
前記加熱機構が、レーザ光源を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造装置。
【請求項6】
有機金属化合物を超臨界流体により溶解して混合流体を生成する工程と、
前記生成された混合流体を、基板と対向配置されるヘッド部から該基板の表面に向けて噴出する工程と、
前記基板と前記ヘッド部との該基板表面に沿った方向の相対的な位置を、形成すべき回路パターンの配線経路に対応させて移動させる工程と、
前記ヘッド部との相対位置が移動する前記基板の表面に、前記ヘッド部より噴出された前記混合流体が到達する手前でこの混合流体を加熱し、当該混合流体中の金属成分を前記基板表面に溶着して前記回路パターンを形成する工程と
を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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