プレキャストコンクリート製階段ユニット及び当該階段ユニットを用いた階段構造
【課題】プレキャストコンクリート製階段ユニット全体の重量を軽減して現場作業性を改善すると共に、強度的にも充分なプレキャストコンクリート製階段ユニット及び当該階段ユニットを用いた階段構造を提供する。
【解決手段】階段主体をなす段板部1、当該段板部1の上下両端部に連続するフラット部4a,4b、前記段板部1及びフラット部4a,4bの両側長手方向に繋がる桁部5とからなり、前記段板部1、フラット部4a,4b及び桁部5が内部に各種配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品とするか、又は桁部5のみを前記段板部1及びフラット部4a,4bの各種配筋6に接合した鉄骨板9とした。フラット部先端に幅桁部8を設け、この幅桁部8を建築構造体に設けた小梁部15の上面に載置する。
【解決手段】階段主体をなす段板部1、当該段板部1の上下両端部に連続するフラット部4a,4b、前記段板部1及びフラット部4a,4bの両側長手方向に繋がる桁部5とからなり、前記段板部1、フラット部4a,4b及び桁部5が内部に各種配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品とするか、又は桁部5のみを前記段板部1及びフラット部4a,4bの各種配筋6に接合した鉄骨板9とした。フラット部先端に幅桁部8を設け、この幅桁部8を建築構造体に設けた小梁部15の上面に載置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプレキャストコンクリート製の階段ユニット、特に高層集合住宅等建築構造体の内階段に用いて好適なプレキャストコンクリート製階段ユニット及び当該階段ユニットを用いた階段構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現場打設による鉄筋コンクリート構造の内階段施工には、多くの時間とコストを要することから、高層集合住宅等の建設に当たってはこれまで鉄骨製の組立て階段が用いられることが多かった。しかしながら、鉄骨構造の階段は、鉄骨部材同士をボルト締結あるいは溶接し、踏面を化粧板やモルタル、あるいはタイルで仕上げた簡易な構造となっており、歩行者が昇降するときの歩行音や落下物による衝撃音が響き易いという問題点があると共に、重量感ないし高級感に欠けるという意匠上の問題点も指摘されている。
【0003】
そのため、現場における型枠工事や、配筋工事、コンクリート打設工事等を省略できるプレキャストコンクリート製の組立階段が注目され、これまでに次に示すように様々な構造のものが提案されている。
【特許文献1】特開平5−171769号公報
【特許文献2】特開平7−207862号公報
【特許文献3】特開平8−4233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来技術のうち、特許文献1(特開平5−171769号)に係るプレキャストコンクリート階段ユニットは、階段部分とその上下の踊り場部分及び本設手摺りを含む構成が一つにユニット化されている。
【0005】
特許文献2(特開平7−207862号)に係るプレキャストコンクリート階段は、上下階のプレキャストコンクリート階段壁板を接合し、同壁板の側縁に形成した係止凹部にプレキャストコンクリート受梁を係着させ、同受梁上にプレキャストコンクリート段板の上下端部に一体に延設された踊場を支承させるようにしている。
【0006】
特許文献3(特開平8−4233号)に係る組み立て階段は、壁板を上下方向に繋ぎ合わせて形成された壁柱の両側面に段板が方向を変えて交互に取り付けられ、一方の段板の上段部と他方の段板の下段部とが壁柱の短辺側両端部に取り付けた踊り場板で接合される構造となっている。
【0007】
上記した従来のプレキャストコンクリート製階段ユニットのうち、特許文献1に示されたものは階段部分と上下の踊り場部分及び本設手摺りを含む構成が一つにユニット化されているのでPCによるメリットは得られるとしても、強度的に問題のある手摺りが一体化されているため重量のあるユニット全体の積込時、運搬時および取付施工時に手摺りに注意を払いながらの作業はきわめて非効率的となる。
【0008】
特許文献2に示されたプレキャストコンクリート階段による場合はPC受梁の断面が大きくなり重量が嵩むので寧ろ鉄骨の方が良いと共に、PC受梁とPC壁板との接合が難しく部材点数も多くなり取付け作業が煩雑になるという問題点がある。
【0009】
また、特許文献3に示された組み立て階段は構成部材が段板、踊り場板に分かれていると共に、壁柱と段板の連結を3本のボルト締め付けで行なうようになっているため調整が難しく現場作業が煩雑になるという問題点がある。
【0010】
また、前記特許文献1及び2に示されたプレキャストコンクリート階段はいずれも段板部とフラット部(踊り場部)から構成されており、階段主体の長手方向両端に桁部が設けられていないため、強度保持のためコンクリートの板厚を厚くしなければならず、そのためプレキャストコンクリート階段ユニット全体の重量が大きくなって運搬時のみならず取付施工時に困難を伴うことが多いという問題点がある。
【0011】
さらに、特許文献2及び3に示された従来のプレキャストコンクリート階段においては、階段主体の長手方向両端に配筋の施された桁部、あるいは鉄骨板からなる桁部が設けられていないため、壁柱に係合部を形成して当該係合部により踊り場部や段板部を係合させるようにしており、現場における作業工程数が増えて煩雑となり、プレキャストコンクリート製階段ユニットのメリットが半減するという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、前記した従来のプレキャストコンクリート製階段ユニットの問題点をなくし、段板部及びフラット部の長手方向両側に配筋を施した桁部、あるいは鉄骨板からなる桁部を一体形成することにより段板部及びフラット部の板厚を従来より薄くすることを可能にして全体の重量を軽減し、現場作業における煩雑さを解消したプレキャストコンクリート製階段ユニット及び当該階段ユニットを用いた階段構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明の構成を詳述すれば、請求項1に係る発明は、階段主体をなす段板部、当該段板部の上下両端部に連続するフラット部、前記段板部及びフラット部の両側に繋がる桁部とからなり、前記段板部、フラット部及び桁部が内部に配筋を施したプレキャストコンクリート一体成型品であることを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットである。
【0014】
請求項2に係る発明は、階段主体をなす段板部、当該段板部の上下両端部に連続するフラット部、前記段板部及びフラット部の両側に繋がる桁部とからなり、前記段板部及びフラット部が内部に配筋を施したプレキャストコンクリート一体成型品であると共に、前記桁部が前記段板部及びフラット部の配筋に接合された鉄骨板であることを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットである。
【0015】
請求項3に係る発明は、段板部及びフラット部の表面が、プレキャスト成型時に型枠板との当接面となっていたことを特徴とする請求項1または2記載のプレキャストコンクリート製階段ユニットである。
【0016】
また、請求項4に係る発明は、建築構造体における壁体部に小梁部を形成し、当該小梁部の上面に、前記プレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部先端に形成した幅桁部を載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部の端面に突出させた定着筋を建築構造体の現場打ちコンクリート内に埋設固定したことを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造である。
【0017】
さらに、請求項5に係る発明は、建築構造体における壁体部に小梁部を形成し、当該小梁部の上面に、前記プレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部先端に形成した幅桁部を載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部の先端にも幅桁部を形成し、当該幅桁部を建築構造体に設けた小梁部の上面に載置するようにしたことを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、段板部及びフラット部の両側長手方向に沿って内部に配筋を施したプレキャストコンクリート製の桁部または鉄骨板からなる桁部が一体的に設けられているため、当該桁部が負荷抵抗体となって荷重を支えることができ、段板部及びフラット部の板厚を従来より格段に薄くすることが可能となる。これにより同一高低差、且つ同一幅の階段ユニットであって全体の重量を約40%軽減することができる。
【0019】
前記請求項4に示すように、プレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部先端に形成した幅桁部を、建築構造体における壁体部に形成した小梁部の上面に載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部の端面に突出させた定着筋を建築構造体の現場打ちコンクリート内に埋設固定することによって従来より短期間に階段施工を完工できる。
【0020】
さらに、前記請求項5のように、プレキャストコンクリート製階段ユニットの長手方向両端部に桁部に連続して幅桁部を形成して、この両幅桁部を、建築構造体にそれぞれ設けた小梁部の上面に載置することによって階段施工を行なう場合は、階段施工に要する期間をさらに短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係るプレキャストコンクリート製階段ユニット及び当該階段ユニットを用いた階段構造の具体的構成を図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの一実施形態を示す平面図、図2は図1のA−A線に沿った断面説明図、図3は図1のB−B線に沿った断面図、図4は本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの一実施形態を示す側面図、図5は図4のC−C線に沿った断面図、図6は図4のD−D線に沿った断面図、図7は本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの配筋例を示す底面図、図8はフラット部先端に形成した桁部に連続する幅桁部を示す端面図、図9は桁部を鉄骨板構造としたときの段板部配筋又はフラット部配筋と当該鉄骨板との溶接状態を示す説明図、図10は桁部を鉄骨板構造としたときの段板部配筋又はフラット部配筋と当該鉄骨板との螺合状態を示す説明図、図11は本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造の施工例を示す平面図、図12は同側面図、図13は本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造の他の施工例を示す平面図、図14は同側面図である。
【0023】
図中1は蹴込み部2と踏み面3を連続して形成した階段主体をなす段板部、4a及び4bは当該段板部1の上下両端部に連続するフラット部である。図1及び図3における4aは上下階の中間に設けられる踊り場を形成するフラット部であり、4bは建築構造体のフロア部に連繋される側のフラット部である。5は前記段板部1及びフラット部4a,4bの両側に繋がる桁部であり、内部には段板部1及びフラット部4a,4bを含めてメッシュ状に多数の配筋6が施されている。また、建築構造体のフロア部に連繋される側のフラット部4b側の端面には多数の定着筋7を突出形成してある。
【0024】
図1乃至図8に示す実施形態のプレキャストコンクリート製階段ユニットは、段板部1、フラット部4a,4b及び桁部5が内部に各種配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品であり、建築現場とは別の工場において段板部1、フラット部4a,4b、桁部5に相当する各種配筋6及び定着筋7等を組み付け、型枠板によって囲まれた空間にコンクリートを充填し硬化させ脱型して事前に製造しておくものである。なお、成型品の型枠板との内部当接面は後加工の不要な緻密で美麗な表面となるので、段板部1及びフラット部4a,4bの表面がプレキャスト成型時に型枠板との当接面となるようにして型枠板を組み付けるようにするとよい。
【0025】
この実施形態においては、上下階の途中に設けられる踊り場を形成するためのフラット部4aの先端下面に桁部5に連続して幅桁部8を形成してある。この幅桁部8は桁部5の一部をなすものであり、肉厚は段板部1及びフラット部4a,4bの両側に設けられる桁部5の肉厚と同等か、あるいはこれより厚く形成されており、後述する建築構造体に取り付けるときに重要な役目をなす。
【0026】
前記した実施形態の階段ユニットは、段板部1、フラット部4a,4b及び桁部5が内部に各種配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品となっているが、これ以外にも、段板部1及びフラット部4a,4bのみを内部に配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品にすると共に、桁部5を段板部1及びフラット部4a,4bの各種配筋6に接合した鉄骨板9とすることもできる。
【0027】
図9は桁部5を鉄骨板9とした場合のフラット部4a,4b又は段板部1における各種配筋6との溶接による接合状態を示すもので、鉄骨板9の内側にコ字状をなす補助筋10を溶接しておき、この補助筋10とフラット部4a,4bにおける配筋6を溶接あるいは針金により緊締しておき、型枠板内にコンクリートを充填することによって鉄骨板とプレキャストコンクリートが複合された強度的にも充分な階段ユニットが得られる。
【0028】
なお、配筋6類と鉄骨板9との接合は溶接によるだけでなく、図10に示すように、鉄骨板9の所定箇所に螺子穴を形成しておくと共に、棒状の補助筋11の先端に雄螺子12を形成して、当該雄螺子12を鉄骨板9の螺子穴にきつく螺着し、補助筋11とフラット部4a,4b等における配筋6を溶接あるいは針金により緊締して、型枠板内にコンクリートを充填することによって鉄骨板とプレキャストコンクリートの複合階段ユニットを得ることができる。
【0029】
前記した鉄骨板9とプレキャストコンクリートの複合階段ユニットの場合、桁部厚をさらに薄くすることができるので比較的狭隘なスペースに内階段を施工するときに特に有効である。
【0030】
本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの現場施工においては、図11及び図12に示すように、高層集合住宅等建築構造体13における壁体部14に小梁部15を突設形成しておき、当該小梁部15の上面にプレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部4aの先端下面に形成した幅桁部8を載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部4bの端面に突出させた定着筋7を建築構造体13の現場打ちコンクリート内に埋設固定することによってプレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造が完工となる。
なお、小梁部15と幅桁部8の当接面には滑り材として有効な硬質ゴム等を介在させるようにするとよい。
【0031】
桁部5及び幅桁部8が鉄骨板9によって形成された鉄骨板とプレキャストコンクリートの複合ユニットの場合には、特に図示しないが前記小梁部15にアンカーを埋設しておき当該アンカーによって固定された金物と前記鉄骨製の桁部5あるいは幅桁部8をボルトとナットにより締結することによって固定することができる。また、建築構造体13における壁体部14が鉄骨構造の場合には、鉄骨柱に鉄骨製の小梁部を設けて、当該鉄骨製小梁部と桁部5あるいは幅桁部8をボルトとナットにより締結することによって固定を図ることができる。
【0032】
上記した実施形態においては建築構造体のフロア部に連繋される側のフラット部4bには幅桁部を設けずに、定着筋7を突出させて、この定着筋7を建築構造体13の現場打ちコンクリート内に埋設固定するようにしているが、このフロア部に連繋される側のフラット部4bの先端下面にも幅桁部8を形成し、当該幅桁部8を建築構造体13に設けた小梁部15の上面に載置するようにして、階段ユニットの長手方向両端部を共に小梁部15に載置する構造としてもよいのは勿論である。
【0033】
図13及び図14はプレキャストコンクリート製階段ユニットの長手方向両先端部にプレキャストコンクリート一体成型品としての幅桁部8、あるいは鉄骨板からなる幅桁部8を形成して、当該幅桁部8を建築構造体13としての壁体部14等に設けた小梁部15の上面に載置して完工した施工例を示すもので、階段施工に要する期間を大幅に短縮することができる。
【0034】
以上のように、本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットは、段板部1、フラット部4a,4b及び桁部5が内部に配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品となっているか、または段板部1及びフラット部4a,4bのみを内部に配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品にすると共に、桁部5を段板部1及びフラット部4a,4bの配筋6に接合した鉄骨板9となっているものであり、いずれも桁部が一体化されているため、当該桁部が負荷支承体となってユニット全体の荷重を支えることができ、段板部及びフラット部の板厚を従来より格段に薄くすることができ、1ユニット当たりの重量をこれまでより大幅に軽減することができると共に、作業性の良好なプレキャストコンクリート製階段ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面説明図である。
【図3】図1のB−B線に沿った断面図である。
【図4】本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの一実施形態を示す側面図である。
【図5】図4のC−C線に沿った断面図である。
【図6】図4のD−D線に沿った断面図である。
【図7】本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの配筋を示す底面図である。
【図8】フラット部先端に形成した幅桁部を示す端面図である。
【図9】桁部を鉄骨板構造としたときの段板部配筋又はフラット部配筋と当該鉄骨板との溶接状態を示す説明図である。
【図10】桁部を鉄骨板構造としたときの段板部配筋又はフラット部配筋と当該鉄骨板との螺合状態を示す説明図である。
【図11】本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造の施工例を示す平面図である。
【図12】同側面図である。
【図13】本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造の他の施工例を示す平面図である。
【図14】同側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1:段板部
2:蹴込み部
3:踏み面
4a,4b:フラット部
5:桁部
6:配筋
7:定着筋
8:幅桁部
9:鉄骨板
10:補助筋
11:補助筋
12:雄螺子
13:建築構造体
14:壁体部
15:子梁部
【技術分野】
【0001】
本発明はプレキャストコンクリート製の階段ユニット、特に高層集合住宅等建築構造体の内階段に用いて好適なプレキャストコンクリート製階段ユニット及び当該階段ユニットを用いた階段構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現場打設による鉄筋コンクリート構造の内階段施工には、多くの時間とコストを要することから、高層集合住宅等の建設に当たってはこれまで鉄骨製の組立て階段が用いられることが多かった。しかしながら、鉄骨構造の階段は、鉄骨部材同士をボルト締結あるいは溶接し、踏面を化粧板やモルタル、あるいはタイルで仕上げた簡易な構造となっており、歩行者が昇降するときの歩行音や落下物による衝撃音が響き易いという問題点があると共に、重量感ないし高級感に欠けるという意匠上の問題点も指摘されている。
【0003】
そのため、現場における型枠工事や、配筋工事、コンクリート打設工事等を省略できるプレキャストコンクリート製の組立階段が注目され、これまでに次に示すように様々な構造のものが提案されている。
【特許文献1】特開平5−171769号公報
【特許文献2】特開平7−207862号公報
【特許文献3】特開平8−4233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来技術のうち、特許文献1(特開平5−171769号)に係るプレキャストコンクリート階段ユニットは、階段部分とその上下の踊り場部分及び本設手摺りを含む構成が一つにユニット化されている。
【0005】
特許文献2(特開平7−207862号)に係るプレキャストコンクリート階段は、上下階のプレキャストコンクリート階段壁板を接合し、同壁板の側縁に形成した係止凹部にプレキャストコンクリート受梁を係着させ、同受梁上にプレキャストコンクリート段板の上下端部に一体に延設された踊場を支承させるようにしている。
【0006】
特許文献3(特開平8−4233号)に係る組み立て階段は、壁板を上下方向に繋ぎ合わせて形成された壁柱の両側面に段板が方向を変えて交互に取り付けられ、一方の段板の上段部と他方の段板の下段部とが壁柱の短辺側両端部に取り付けた踊り場板で接合される構造となっている。
【0007】
上記した従来のプレキャストコンクリート製階段ユニットのうち、特許文献1に示されたものは階段部分と上下の踊り場部分及び本設手摺りを含む構成が一つにユニット化されているのでPCによるメリットは得られるとしても、強度的に問題のある手摺りが一体化されているため重量のあるユニット全体の積込時、運搬時および取付施工時に手摺りに注意を払いながらの作業はきわめて非効率的となる。
【0008】
特許文献2に示されたプレキャストコンクリート階段による場合はPC受梁の断面が大きくなり重量が嵩むので寧ろ鉄骨の方が良いと共に、PC受梁とPC壁板との接合が難しく部材点数も多くなり取付け作業が煩雑になるという問題点がある。
【0009】
また、特許文献3に示された組み立て階段は構成部材が段板、踊り場板に分かれていると共に、壁柱と段板の連結を3本のボルト締め付けで行なうようになっているため調整が難しく現場作業が煩雑になるという問題点がある。
【0010】
また、前記特許文献1及び2に示されたプレキャストコンクリート階段はいずれも段板部とフラット部(踊り場部)から構成されており、階段主体の長手方向両端に桁部が設けられていないため、強度保持のためコンクリートの板厚を厚くしなければならず、そのためプレキャストコンクリート階段ユニット全体の重量が大きくなって運搬時のみならず取付施工時に困難を伴うことが多いという問題点がある。
【0011】
さらに、特許文献2及び3に示された従来のプレキャストコンクリート階段においては、階段主体の長手方向両端に配筋の施された桁部、あるいは鉄骨板からなる桁部が設けられていないため、壁柱に係合部を形成して当該係合部により踊り場部や段板部を係合させるようにしており、現場における作業工程数が増えて煩雑となり、プレキャストコンクリート製階段ユニットのメリットが半減するという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、前記した従来のプレキャストコンクリート製階段ユニットの問題点をなくし、段板部及びフラット部の長手方向両側に配筋を施した桁部、あるいは鉄骨板からなる桁部を一体形成することにより段板部及びフラット部の板厚を従来より薄くすることを可能にして全体の重量を軽減し、現場作業における煩雑さを解消したプレキャストコンクリート製階段ユニット及び当該階段ユニットを用いた階段構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明の構成を詳述すれば、請求項1に係る発明は、階段主体をなす段板部、当該段板部の上下両端部に連続するフラット部、前記段板部及びフラット部の両側に繋がる桁部とからなり、前記段板部、フラット部及び桁部が内部に配筋を施したプレキャストコンクリート一体成型品であることを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットである。
【0014】
請求項2に係る発明は、階段主体をなす段板部、当該段板部の上下両端部に連続するフラット部、前記段板部及びフラット部の両側に繋がる桁部とからなり、前記段板部及びフラット部が内部に配筋を施したプレキャストコンクリート一体成型品であると共に、前記桁部が前記段板部及びフラット部の配筋に接合された鉄骨板であることを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットである。
【0015】
請求項3に係る発明は、段板部及びフラット部の表面が、プレキャスト成型時に型枠板との当接面となっていたことを特徴とする請求項1または2記載のプレキャストコンクリート製階段ユニットである。
【0016】
また、請求項4に係る発明は、建築構造体における壁体部に小梁部を形成し、当該小梁部の上面に、前記プレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部先端に形成した幅桁部を載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部の端面に突出させた定着筋を建築構造体の現場打ちコンクリート内に埋設固定したことを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造である。
【0017】
さらに、請求項5に係る発明は、建築構造体における壁体部に小梁部を形成し、当該小梁部の上面に、前記プレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部先端に形成した幅桁部を載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部の先端にも幅桁部を形成し、当該幅桁部を建築構造体に設けた小梁部の上面に載置するようにしたことを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、段板部及びフラット部の両側長手方向に沿って内部に配筋を施したプレキャストコンクリート製の桁部または鉄骨板からなる桁部が一体的に設けられているため、当該桁部が負荷抵抗体となって荷重を支えることができ、段板部及びフラット部の板厚を従来より格段に薄くすることが可能となる。これにより同一高低差、且つ同一幅の階段ユニットであって全体の重量を約40%軽減することができる。
【0019】
前記請求項4に示すように、プレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部先端に形成した幅桁部を、建築構造体における壁体部に形成した小梁部の上面に載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部の端面に突出させた定着筋を建築構造体の現場打ちコンクリート内に埋設固定することによって従来より短期間に階段施工を完工できる。
【0020】
さらに、前記請求項5のように、プレキャストコンクリート製階段ユニットの長手方向両端部に桁部に連続して幅桁部を形成して、この両幅桁部を、建築構造体にそれぞれ設けた小梁部の上面に載置することによって階段施工を行なう場合は、階段施工に要する期間をさらに短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係るプレキャストコンクリート製階段ユニット及び当該階段ユニットを用いた階段構造の具体的構成を図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの一実施形態を示す平面図、図2は図1のA−A線に沿った断面説明図、図3は図1のB−B線に沿った断面図、図4は本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの一実施形態を示す側面図、図5は図4のC−C線に沿った断面図、図6は図4のD−D線に沿った断面図、図7は本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの配筋例を示す底面図、図8はフラット部先端に形成した桁部に連続する幅桁部を示す端面図、図9は桁部を鉄骨板構造としたときの段板部配筋又はフラット部配筋と当該鉄骨板との溶接状態を示す説明図、図10は桁部を鉄骨板構造としたときの段板部配筋又はフラット部配筋と当該鉄骨板との螺合状態を示す説明図、図11は本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造の施工例を示す平面図、図12は同側面図、図13は本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造の他の施工例を示す平面図、図14は同側面図である。
【0023】
図中1は蹴込み部2と踏み面3を連続して形成した階段主体をなす段板部、4a及び4bは当該段板部1の上下両端部に連続するフラット部である。図1及び図3における4aは上下階の中間に設けられる踊り場を形成するフラット部であり、4bは建築構造体のフロア部に連繋される側のフラット部である。5は前記段板部1及びフラット部4a,4bの両側に繋がる桁部であり、内部には段板部1及びフラット部4a,4bを含めてメッシュ状に多数の配筋6が施されている。また、建築構造体のフロア部に連繋される側のフラット部4b側の端面には多数の定着筋7を突出形成してある。
【0024】
図1乃至図8に示す実施形態のプレキャストコンクリート製階段ユニットは、段板部1、フラット部4a,4b及び桁部5が内部に各種配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品であり、建築現場とは別の工場において段板部1、フラット部4a,4b、桁部5に相当する各種配筋6及び定着筋7等を組み付け、型枠板によって囲まれた空間にコンクリートを充填し硬化させ脱型して事前に製造しておくものである。なお、成型品の型枠板との内部当接面は後加工の不要な緻密で美麗な表面となるので、段板部1及びフラット部4a,4bの表面がプレキャスト成型時に型枠板との当接面となるようにして型枠板を組み付けるようにするとよい。
【0025】
この実施形態においては、上下階の途中に設けられる踊り場を形成するためのフラット部4aの先端下面に桁部5に連続して幅桁部8を形成してある。この幅桁部8は桁部5の一部をなすものであり、肉厚は段板部1及びフラット部4a,4bの両側に設けられる桁部5の肉厚と同等か、あるいはこれより厚く形成されており、後述する建築構造体に取り付けるときに重要な役目をなす。
【0026】
前記した実施形態の階段ユニットは、段板部1、フラット部4a,4b及び桁部5が内部に各種配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品となっているが、これ以外にも、段板部1及びフラット部4a,4bのみを内部に配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品にすると共に、桁部5を段板部1及びフラット部4a,4bの各種配筋6に接合した鉄骨板9とすることもできる。
【0027】
図9は桁部5を鉄骨板9とした場合のフラット部4a,4b又は段板部1における各種配筋6との溶接による接合状態を示すもので、鉄骨板9の内側にコ字状をなす補助筋10を溶接しておき、この補助筋10とフラット部4a,4bにおける配筋6を溶接あるいは針金により緊締しておき、型枠板内にコンクリートを充填することによって鉄骨板とプレキャストコンクリートが複合された強度的にも充分な階段ユニットが得られる。
【0028】
なお、配筋6類と鉄骨板9との接合は溶接によるだけでなく、図10に示すように、鉄骨板9の所定箇所に螺子穴を形成しておくと共に、棒状の補助筋11の先端に雄螺子12を形成して、当該雄螺子12を鉄骨板9の螺子穴にきつく螺着し、補助筋11とフラット部4a,4b等における配筋6を溶接あるいは針金により緊締して、型枠板内にコンクリートを充填することによって鉄骨板とプレキャストコンクリートの複合階段ユニットを得ることができる。
【0029】
前記した鉄骨板9とプレキャストコンクリートの複合階段ユニットの場合、桁部厚をさらに薄くすることができるので比較的狭隘なスペースに内階段を施工するときに特に有効である。
【0030】
本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの現場施工においては、図11及び図12に示すように、高層集合住宅等建築構造体13における壁体部14に小梁部15を突設形成しておき、当該小梁部15の上面にプレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部4aの先端下面に形成した幅桁部8を載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部4bの端面に突出させた定着筋7を建築構造体13の現場打ちコンクリート内に埋設固定することによってプレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造が完工となる。
なお、小梁部15と幅桁部8の当接面には滑り材として有効な硬質ゴム等を介在させるようにするとよい。
【0031】
桁部5及び幅桁部8が鉄骨板9によって形成された鉄骨板とプレキャストコンクリートの複合ユニットの場合には、特に図示しないが前記小梁部15にアンカーを埋設しておき当該アンカーによって固定された金物と前記鉄骨製の桁部5あるいは幅桁部8をボルトとナットにより締結することによって固定することができる。また、建築構造体13における壁体部14が鉄骨構造の場合には、鉄骨柱に鉄骨製の小梁部を設けて、当該鉄骨製小梁部と桁部5あるいは幅桁部8をボルトとナットにより締結することによって固定を図ることができる。
【0032】
上記した実施形態においては建築構造体のフロア部に連繋される側のフラット部4bには幅桁部を設けずに、定着筋7を突出させて、この定着筋7を建築構造体13の現場打ちコンクリート内に埋設固定するようにしているが、このフロア部に連繋される側のフラット部4bの先端下面にも幅桁部8を形成し、当該幅桁部8を建築構造体13に設けた小梁部15の上面に載置するようにして、階段ユニットの長手方向両端部を共に小梁部15に載置する構造としてもよいのは勿論である。
【0033】
図13及び図14はプレキャストコンクリート製階段ユニットの長手方向両先端部にプレキャストコンクリート一体成型品としての幅桁部8、あるいは鉄骨板からなる幅桁部8を形成して、当該幅桁部8を建築構造体13としての壁体部14等に設けた小梁部15の上面に載置して完工した施工例を示すもので、階段施工に要する期間を大幅に短縮することができる。
【0034】
以上のように、本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットは、段板部1、フラット部4a,4b及び桁部5が内部に配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品となっているか、または段板部1及びフラット部4a,4bのみを内部に配筋6を施したプレキャストコンクリート一体成型品にすると共に、桁部5を段板部1及びフラット部4a,4bの配筋6に接合した鉄骨板9となっているものであり、いずれも桁部が一体化されているため、当該桁部が負荷支承体となってユニット全体の荷重を支えることができ、段板部及びフラット部の板厚を従来より格段に薄くすることができ、1ユニット当たりの重量をこれまでより大幅に軽減することができると共に、作業性の良好なプレキャストコンクリート製階段ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面説明図である。
【図3】図1のB−B線に沿った断面図である。
【図4】本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの一実施形態を示す側面図である。
【図5】図4のC−C線に沿った断面図である。
【図6】図4のD−D線に沿った断面図である。
【図7】本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットの配筋を示す底面図である。
【図8】フラット部先端に形成した幅桁部を示す端面図である。
【図9】桁部を鉄骨板構造としたときの段板部配筋又はフラット部配筋と当該鉄骨板との溶接状態を示す説明図である。
【図10】桁部を鉄骨板構造としたときの段板部配筋又はフラット部配筋と当該鉄骨板との螺合状態を示す説明図である。
【図11】本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造の施工例を示す平面図である。
【図12】同側面図である。
【図13】本発明プレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造の他の施工例を示す平面図である。
【図14】同側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1:段板部
2:蹴込み部
3:踏み面
4a,4b:フラット部
5:桁部
6:配筋
7:定着筋
8:幅桁部
9:鉄骨板
10:補助筋
11:補助筋
12:雄螺子
13:建築構造体
14:壁体部
15:子梁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
階段主体をなす段板部、当該段板部の上下両端部に連続するフラット部、前記段板部及びフラット部の両側に繋がる桁部とからなり、前記段板部、フラット部及び桁部が内部に配筋を施したプレキャストコンクリート一体成型品であることを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニット。
【請求項2】
階段主体をなす段板部、当該段板部の上下両端部に連続するフラット部、前記段板部及びフラット部の両側に繋がる桁部とからなり、前記段板部及びフラット部が内部に配筋を施したプレキャストコンクリート一体成型品であると共に、前記桁部が前記段板部及びフラット部の配筋に接合された鉄骨板であることを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニット。
【請求項3】
段板部及びフラット部の表面が、プレキャスト成型時に型枠板との当接面となっていたことを特徴とする請求項1または2記載のプレキャストコンクリート製階段ユニット。
【請求項4】
建築構造体における壁体部に小梁部を形成し、当該小梁部の上面に、前記プレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部先端に形成した幅桁部を載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部の端面に突出させた定着筋を建築構造体の現場打ちコンクリート内に埋設固定したことを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造。
【請求項5】
建築構造体における壁体部に小梁部を形成し、当該小梁部の上面に、前記プレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部先端に形成した幅桁部を載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部の先端にも幅桁部を形成し、当該幅桁部を建築構造体に設けた小梁部の上面に載置するようにしたことを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造。
【請求項1】
階段主体をなす段板部、当該段板部の上下両端部に連続するフラット部、前記段板部及びフラット部の両側に繋がる桁部とからなり、前記段板部、フラット部及び桁部が内部に配筋を施したプレキャストコンクリート一体成型品であることを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニット。
【請求項2】
階段主体をなす段板部、当該段板部の上下両端部に連続するフラット部、前記段板部及びフラット部の両側に繋がる桁部とからなり、前記段板部及びフラット部が内部に配筋を施したプレキャストコンクリート一体成型品であると共に、前記桁部が前記段板部及びフラット部の配筋に接合された鉄骨板であることを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニット。
【請求項3】
段板部及びフラット部の表面が、プレキャスト成型時に型枠板との当接面となっていたことを特徴とする請求項1または2記載のプレキャストコンクリート製階段ユニット。
【請求項4】
建築構造体における壁体部に小梁部を形成し、当該小梁部の上面に、前記プレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部先端に形成した幅桁部を載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部の端面に突出させた定着筋を建築構造体の現場打ちコンクリート内に埋設固定したことを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造。
【請求項5】
建築構造体における壁体部に小梁部を形成し、当該小梁部の上面に、前記プレキャストコンクリート製階段ユニットにおける踊り場となるフラット部先端に形成した幅桁部を載置すると共に、プレキャストコンクリート製階段ユニットのフロア部に連繋される側のフラット部の先端にも幅桁部を形成し、当該幅桁部を建築構造体に設けた小梁部の上面に載置するようにしたことを特徴とするプレキャストコンクリート製階段ユニットを用いた階段構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−13747(P2009−13747A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−179905(P2007−179905)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(592041753)シーエフ工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(592041753)シーエフ工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]