説明

プレス機械の潤滑剤回収装置

【課題】簡単かつ安価で、製造容易な構成でありながら、潤滑剤の流出を防止することができる、潤滑剤回収装置およびそれを用いたプレス機械を提供する。
【解決手段】回転駆動する偏心軸6と、その偏心軸の偏心部6bに回動自在に枢支されるコンロッド9と、そのコンロッドの大端部9aと前記偏心部との間に介在される軸受10と、その軸受に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段16とを備えるプレス機械の潤滑剤回収装置であって、前記コンロッドの嵌合穴の周縁から偏心軸のウェッブ部6aの側周を覆うように外向きに延びる筒状の導板18を備える、プレス機械の潤滑剤回収装置17。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプレス機械の潤滑剤回収装置に関する。さらに詳しくは、潤滑剤の飛散を防止し、その潤滑剤を回収する潤滑剤回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス装置の偏心軸から流出する潤滑剤の飛散をオイルフェンスにより防止するものが従来からある。図7はC型のプレスを正面から見た部分断面図である。そのプレス機械は偏心軸30と、その偏心軸30に回動自在に連結されたコンロッド31と、そのコンロッド31の下端に連結されたスライド32とを備えている。そのスライド32には筒状のオイルフェンス33が設けられる。筒状のオイルフェンス33は、下端がスライド32に固定され、内部にコンロッド31を収容し、上端がコンロッド31の中間付近まで延びる。この筒状のオイルフェンス33はスライド32と共に昇降する。一方、プレスの天面には2枚の板状のオイルフェンス34、34が取付けられる。その板状のオイルフェンス34、34は、上端がプレスの天井に吊り下げられ、偏心軸30およびコンロッド31を挟むようにそれらの両側に配置され、紙面に垂直な方向に延びている。その板状のオイルフェンス34の下端は前記筒状のオイルフェンス33の中間付近まで延びる。また左右の板状のオイルフェンス34の下端同士を連結するように、短冊状のオイルフェンス35が取り付けられる。その短冊状のオイルフェンス35はスライド32の昇降に伴いその内面で前記筒状のオイルフェンス33の前面と摺動する。これらのオイルフェンス33、34、35は飛散した潤滑剤を受け止めると共に、受け止めた潤滑剤をそれぞれのフェンスの板面を伝わせ下方に流し、スライド付近で回収するものである。一方、飛散せずに偏心軸30からコンロッド31を伝わり下方へ流出するものはスライド32付近で一緒に回収される。
【0003】
前記潤滑剤の回収を効率的に行うものとして特許文献1の装置がある。その装置は、ジャーナル軸受部に枢支されるエキセン軸と、それの偏心部に嵌合される嵌合穴を有するコネクティングロッド(以下、コンロッドという)とを備えている。コンロッドの嵌合穴の内面と偏心部の外面との間には軸受けメタルが設けられ、軸受けメタルの内面に潤滑油が供給される。コンロッドの嵌合穴の開口端には潤滑油飛散防止用リングが取り付けられる。その潤滑油防止用リング(以下、リング)の内周には環状の油溝が形成される。またリングの下端付近には切欠き溝が形成され環状の油溝の内部と外部とを連通する。このリングはエキセン軸の偏心部の側端から偏心方向に潤滑油が飛散するのを防止すると共に、潤滑油を油溝に沿って下端の切欠き溝に導き、そこから潤滑油を下方に流出させる。流出した潤滑油はコンロッドを伝って下方に流れ、スライド側で集められ、そこで回収される。
【0004】
その他の技術として、コンロッドの小端部にプランジャーを連結し、その下端にスライドを連結したものがある。このものは、プランジャーの軸方向の中間付近(スライドの上方付近)に仕切りフレームを配置し、その仕切りフレームにプランジャーの上下動をガイドするプランジャーガイドを設けている。この仕切りフレームを設けることにより、それより上方の部分、すなわち潤滑剤の流出源となるコンロッドの大端部付近は周囲をフレームで囲まれ密閉され、その囲まれた密閉領域の外部に潤滑剤が飛散するのが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−109249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記オイルフェンスを設けても、コンロッドの嵌合穴の近傍が覆われていないので、潤滑剤が広範囲に飛散し、どこからか潤滑剤が外部へ流出する傾向にある。また飛散した潤滑剤はオイルフェンスあるいはコンロッドに沿って下方に流れ(特許文献1では切欠き溝からコンロッドに沿って流れている)、下方のスライド側で一緒に回収される。このためコンロッドに付着した汚れや、スライドに溜まった汚れは潤滑剤と一緒にスライド側で回収されるため、潤滑剤が汚れる。一方、プランジャーを設けると密閉できる反面、その分だけコンロッドが高さ方向に長くなり、装置の全高が大きくなる。このため製造コストが増加する。
【0007】
そこで、本発明は簡単かつ安価で、製造容易な構成でありながら、潤滑剤の流出を防止することができる、潤滑剤回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の潤滑剤回収装置(請求項1)は、回転駆動する偏心軸と、その偏心軸の偏心部に回動自在に枢支されるコンロッドと、そのコンロッドの大端部と前記偏心部との間に介在される軸受と、その軸受に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを備えるプレス機械の潤滑剤回収装置であって、前記コンロッドの嵌合穴の周縁から偏心軸のウェッブ部の側周を覆うように外向きに延びる筒状の導板を備えることを特徴とする。
【0009】
このような潤滑剤回収装置において、前記導板が偏心部の中心軸を軸心とする円筒状であり、前記導板の中心軸に垂直な断面形状が、前記偏心軸の回転運動に基づくウェッブ部の側周と摺動する形状にされているものが好ましい(請求項2)。また前記導板の開口端の下方に設けられる潤滑剤を受ける棚板と、
前記導板の開口と対向して設けられる縦壁とを備え、その縦壁の内面が前記棚板と連続しているものが好ましい(請求項3)。
【発明の効果】
【0010】
本発明の潤滑剤回収装置およびプレス機械(請求項1)において、潤滑剤は軸受から流出し、偏心軸の回転運動による遠心力により周囲に飛散する。導板は軸受が嵌合される嵌合穴の周辺に設けられ、潤滑剤の飛散する方向を規制するので、その飛散範囲を狭めることができる。さらに導板はコンロッドと共に偏心軸の軸心を中心軸として回動するので、コンロッドの運動中に潤滑剤の流出箇所の近傍に常に導板が配置されることになる。このため潤滑剤の飛散の範囲を一層狭めることができる。また導板の開口する向きに潤滑剤の飛散方向を導くことができるので、その回収を効率的に行うことができる。また飛散する潤滑剤をコンロッドの周辺に飛散するのを防止し、潤滑剤がコンロッドに触れにくいので、潤滑滑が汚れない。
【0011】
このような潤滑剤回収装置において、前記導板が偏心部の中心軸を軸心とする円筒状であり、前記導板の中心軸に垂直な断面形状が、前記偏心軸の回転運動に基づくウェッブ部の側周と摺動する形状にされている場合は(請求項2)、導板の移動範囲を小さくすることができるので省スペースである。また導板の移動範囲が小さいので潤滑剤の飛散する範囲も小さくなる。
【0012】
前記導板の開口端の下方に設けられる潤滑剤を受ける棚板と、前記導板の開口と対向して設けられる縦壁とを備え、その縦壁の内面が前記棚板と連続している場合は(請求項3)、導板の開口端から流出した潤滑剤を効率的に回収できる。また下方のスライドなどが配置される部分と上方の偏心軸などが配置される潤滑剤が供給される場所とを仕切ることができる。そして前記対向する板状のフレームに潤滑剤が確実に付着し、他の場所に飛散するのが防止される。そして付着した潤滑剤は縦壁に沿って下方へ流れ、棚板で回収する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明の潤滑剤回収装置が用いられるプレス機械を示す正面図である。
【図2】図2は図1のI−I線断面図である。
【図3】図3は図2のII−II線断面図である。
【図4】図4は図2の偏心軸、コンロッドおよび導板を示す部分拡大断面図である。
【図5】図5はコンロッドが下死点にあるときの様子を示す部分拡大断面図である。
【図6】図6はコンロッドおよび導板が回動する様子を示す概略図である。
【図7】図7は従来の潤滑剤回収装置を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
始めに図1を用いて本発明の潤滑剤回収装置が用いられるプレス機械を説明する。図1に示すプレス機械1は、左右のサイドフレームと、そのサイドフレームの前面の上部に設けられた前フレーム2aと、前記サイドフレームの下方に固定されたベッド3とを有する。そのベッド3の上にはボルスタ4が取付けられている。サイドフレームとしてはC形のサイドフレームのほか、ストレートサイドフレームなどが用いられる。
【0015】
図2に示すように、前フレーム2aと、その後方に配置される中間フレーム2bにはジャーナル軸受5、5が設けられ、そのジャーナル軸受5、5には偏心軸(クランク軸)6の前後端が回転自在に支持される。その偏心軸6の後端にはメインギヤ7が設けられ、モータ(図1の符号8)からの駆動力が図示しないフライホイール、クラッチおよびピニオンギヤなどを介して伝達される。また前記偏心軸6の中央付近にはウェッブ部6aを介して偏心部6bが設けられ、その偏心部6bにコンロッド9が連結される。また前フレーム2aおよび中間フレーム2bの間の上方の開口は油飛散防止蓋27により塞がれている。それら前フレーム2aおよび中間フレーム2bを合わせたものは縦壁2でる。
【0016】
前記ウェッブ部6aは偏心軸6の本体(軸部)と偏心部6bとを連結する部位である。本実施形態ではウェッブ部6aの外周は本体から偏心部6bに向けて斜めに切り欠かれているが、本体から半径方向に真っ直ぐな形状でもよい。そのウェッブ部6aの側周とは、偏心部6bの軸心Pに垂直な断面形状における外縁のことである。
【0017】
前記コンロッド9の上方の大端部9aには嵌合穴9bが形成され、その嵌合穴9bの内面に滑り軸受10が嵌合される。その滑り軸受10により前記コンロッド9は偏心軸6の偏心部6bの周りに回動自在に枢支される。なお滑り軸受の代わりに転がり軸受を用いてもよい。一方、コンロッド9の下方(小端部)にはスライド11がボールジョイント11aを介して連結される。スライド11はフレームに取付けたスライドギブによって上下に移動自在にガイドされる。スライド11の下面には上型12が取り付けられる。また前記ボルスタ4の上面には下型13が取り付けられる。
【0018】
前記モータ8の回転力はメインギヤ7を介して偏心軸6を回転させる。これにより偏心部6bが偏心軸6の軸心O周りに回転する。その偏心部6bに上端を枢支されたコンロッド9は、上端の嵌合穴9bの滑り軸受10の内面で偏心部6bの周面と摺動する。一方、コンロッド9の下端は上下に運動し、スライド11を昇降運動させる。
【0019】
図4に示すように、前記コンロッド9の大端部9aの根本付近には潤滑剤の供給口14が形成されている。その供給口14はコンロッド9の内部を軸方向の上方に延び、途中で偏心軸6と平行に延びる潤滑剤の供給路15に連通する。その供給路15の偏心軸6と平行に延びる部分は途中から枝分かれし、前記滑り軸受10を貫通し、その内部に連通する
。前記偏心軸6の偏心部6bの周面や、滑り軸受10の内面には、供給口14から供給路15を介して供給される潤滑剤による油膜が形成される。これら供給口14および供給路15は潤滑剤供給手段16である。前記供給口14には図示しない潤滑剤を供給するための装置が連結される。
【0020】
本発明の潤滑剤回収装置17(図2参照)は、前記コンロッド9の嵌合穴9b付近から偏心軸6のウェッブ部6aの側周を覆うように配置される導板18を備えている。その導板18は、外向きに、すなわち偏心軸6の軸端側に延びている。その導板18は偏心軸6が回転運動すると、コンロッド9の大端部9aと共に回転軸Oを軸心として移動する(図4、5、6参照)。
【0021】
前記導板18は嵌合穴9bの周辺に取り付けられるフランジ部19と、そのフランジ部19から連続し外向きに延びるテーパ部20と、そのテーパ部20から連続して偏心軸6とほぼ平行に延びる筒部21とを備えている。その導板18の全体的な形状は、偏心軸6の偏心部6bの中心軸Pを軸心とする、いわばラッパ形状である。そして、そのラッパ形状は前記偏心軸6の回転運動により描かれる半径方向外側の包絡線に沿うような形状である。このため導板18の移動する範囲を小さくすることができるので、省スペースである。本実施形態ではコンロッド9の大端部9aに別体の導板18を取り付けているが、コンロッド9と一体に設けてもよい。なお前記導板18の材質は、鉄、ステンレスあるいはアルミ合金などの金属であり、コンロッド9の回転による遠心力に耐え得る強度を有する合成樹脂でもよい。
【0022】
前記フランジ部19はコンロッド9の大端部9aにネジなどの締結具により接合される鍔状の部材である。なおフランジ部19を設けないでテーパ部20を直接コンロッド9の嵌合穴9bの周辺に取り付けてもよい。
【0023】
前記テーパ部20はコンロッド9から偏心軸6の軸端側に向けて次第に開口径を大きくしている。本実施形態においてテーパ部20の直径は開口端に向かう軸方向の長さに正比例して大きくされている。なお拡径させる量を急激に、あるいは指数関数的に増減させ、ラッパ状にしたり、滑らかに筒部21に連続するようにしてもよい。またテーパ部20の途中に略平坦な部位、あるいは拡径する量を減少させた部分を設け、略階段状にしてもよい。
【0024】
前記筒部21は最終的に潤滑剤を飛散させる方向を決定する。そのため潤滑剤が広範囲に飛散しないように、かつ、コンロッド9側に飛散してコンロッド9やスライド11を汚さないように、偏心軸6とほぼ平行の円筒状としている。なお筒部21は偏心軸6に平行でなくとも、導板18の軸心を含む切断面において、テーパ部20に比べ偏心軸6に対する角度を小さくしたテーパ状でもよい。またテーパ部20の内径を滑らかに小さくし、筒部21としてもよい。なお筒部21を設けなくてもよい。例えば前フレーム2a、中間フレーム2bを導板18の開口端に接近させると、潤滑剤の飛散範囲を狭めることができるからである。
【0025】
前記滑り軸受け10から流出した潤滑剤は、導板18により飛散する方向が規制される。すなわち潤滑剤は筒部21の板面を延長した方向に飛散しやすいので、その方向に潤滑剤を導くことができる。前記導板18は滑り軸受10が嵌合されるコンロッド9の嵌合穴9bの周辺に設けられ、コンロッド9と共に偏心軸6の軸心Oを中心軸として回動する。このためコンロッド9の昇降運動中に、潤滑剤の流出箇所の近傍に導板18が常に配置されるので、潤滑剤の飛散する範囲を所定の範囲に限定することができる。また導板18は外向きに拡径したテーパ部20を有するので、ウェッブ部6aとの干渉を防止することができる。さらに飛散によりテーパ部20の内面に受け止められた潤滑剤は回転運動の遠心
力により開口した端部側へ移動し、そこから流出する。このため飛散する潤滑剤がコンロッド9に触れにくいので、潤滑滑が汚れるのを防止できる。
【0026】
図2に戻って、前記前フレーム2aには棚板22が取り付けられている。その棚板22にはコンロッド9を貫通させる貫通孔22aが形成される。その棚板22はコンロッド9の大端部9aとボールジョイント11aの間に配置され、スライド11側に潤滑剤が流出するのを防止している。そして棚板22により導板18の開口端から落下する潤滑剤が受け止められる。前記棚板22のメインギヤ7側には潤滑剤が溜まる貯留凹部22bが形成される。その貯留凹部22bは潤滑剤を回収するための排出部23に連通している。本実施形態では貫通孔22aは略長方形であり、偏心軸6の延びる方向が短辺である(図2、図3参照)。なお貫通孔22aの形状は円形、小判形状あるいはその他の矩形状などでもよい。
【0027】
前記貫通孔22aの内縁には筒状の潤滑剤せき止めカバー24が取り付けられ、上下に延びている。この潤滑剤せき止めカバー24は筒状で上端から少し下がった付近にフランジ24aが形成され、そのフランジ24aの部分で棚板22に連結される。このため潤滑剤せき止めカバー24は上方の部位は貫通孔22aから突出し、この突出部位により潤滑剤が貫通孔22a内へ流れるのが防止される。なお本実施形態では棚板22およびフランジ24aの下面に板材を当て、その板材をボルトなどの締結具により両者に固定している。また略長方形状の貫通孔22aに合わせて、潤滑剤せき止めカバー24も断面が略長方形状にされている。そのフランジ24aの長辺側には肉厚部24bを介してフランジ24aが突出している(図3参照)。
【0028】
前記潤滑剤せき止めカバー24とコンロッド9の間にはコンロッドカバー25が設けられる。そのコンロッドカバー25は、下端を前記スライド11の上面に接合し、内部にコンロッド9を収納した、上方に延びる筒状の部材である。そのコンロッドカバー25はスライド11と共に昇降し、前記せき止めカバー24の内面に摺接するように配置される。なお本実施形態では筒状の断面形状は長方形であるが、円形状、長穴形状あるいはその他の矩形状にしてもよい。潤滑剤せき止めカバー24も同様である。
【0029】
図3に示すように、前記棚板22の短辺側の側縁にはオイルフェンス26が取り付けられている。そのオイルフェンス26は、下端で棚板22と連続し、導板18との干渉を避けるようにコンロッドカバー25の上端付近で外向きに湾曲し、その湾曲した部位からほぼ真っ直ぐに上方に延びている。そのオイルフェンス26、前フレーム2aおよび中間フレーム2b(図2参照)とで形成される上向きの開口には油飛散防止蓋27により塞がれている。
【0030】
前記導板18の開口と対向する位置に設けられている前フレーム2a、中間フレーム2bは、導板18から飛散した潤滑剤を受け止めるように、例えば筒部21の板面の延長方向に接近して配置されるのが好ましい。それら前フレーム2a、中間フレーム2bの下端は前記棚板22と連続しており、それら前フレーム2a、中間フレーム2bに飛散して付着した潤滑剤はそれぞれの板面を伝って下方に流れ、棚板22で受けられる。前記棚板22、潤滑剤せき止めカバー24および縦壁2は潤滑剤回収装置17である。
【符号の説明】
【0031】
1 プレス機械
2 縦壁
2a 前フレーム
2b 中間フレーム
3 ベッド
4 ボルスタ
5 ジャーナル軸受
6 偏心軸
6a ウェッブ部
6b 偏心部
7 メインギヤ
8 モータ
9 コンロッド
9a 大端部
9b 嵌合穴
10 軸受
11 スライド
11a ボールジョイント
12 上型
13 下型
14 供給口
15 供給路
16 潤滑剤供給手段
17 潤滑剤回収装置
18 導板
19 フランジ部
20 テーパ部
21 筒部
22 棚板
22a 貫通孔
22b 貯留凹部
23 排出部
24 潤滑剤せき止めカバー
25 コンロッドカバー
26 オイルフェンス
27 油飛散防止蓋
O 軸心(偏心軸)
P 軸心(偏心部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動する偏心軸と、
その偏心軸の偏心部に回動自在に枢支されるコンロッドと、
そのコンロッドの大端部と前記偏心部との間に介在される軸受と、
その軸受に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段とを備えるプレス機械の潤滑剤回収装置であって、
前記コンロッドの嵌合穴の周縁から偏心軸のウェッブ部の側周を覆うように外向きに延びる筒状の導板を備える、プレス機械の潤滑剤回収装置。
【請求項2】
前記導板が偏心部の中心軸を軸心とする円筒状であり、
前記導板の中心軸に垂直な断面形状が、前記偏心軸の回転運動に基づくウェッブ部の側周と摺動する形状にされている、請求項1記載のプレス機械の潤滑剤回収装置。
【請求項3】
前記導板の開口端の下方に設けられる潤滑剤を受ける棚板と、
前記導板の開口と対向して設けられる縦壁とを備え、
その縦壁の内面が前記棚板と連続している請求項1または2記載のプレス機械の潤滑剤回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−27909(P2013−27909A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166796(P2011−166796)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000100861)アイダエンジニアリング株式会社 (153)
【Fターム(参考)】