説明

プレゼンティティに関連する端末から、オーディオ信号を解析することによる、プレゼンティティに関するプレゼンス情報の決定

本発明は、少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報を決定する方法に関するものである。本発明は特に、少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報を決定する方法であって、前記少なくとも1つのプレゼンティティに関連する端末から、オーディオ信号にアクセスすることと、前記オーディオ信号を解析して、前記少なくとも1つのプレゼンティティのプレゼンスに関する情報を決定することと、前記プレゼンス情報を、プレゼンスサービスとして、サードパーティに提供することとを含む方法に関する。本発明は更に、本発明の方法を実行するよう動作可能なプレゼンス・サービス・システムと、本発明の方法を実行するよう動作可能な手段を備えるユーザー端末と、端末を含み、前記プレゼンス・サービス・システムが、本発明の方法を実行するよう動作可能な通信ネットワークと、コンピュータ上で実行された場合に、本発明の方法を実行するよう前記コンピュータを制御するプログラム、を格納しているコンピュータ読取可能な記憶媒体とに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報を決定する方法、及びプレゼンス・サービス・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレゼンスサービスをユーザーに提供するシステムが知られている。プレゼンスサービスにより、ユーザーは、互いにサブスクライブすることや、互いのプレゼンスの通知又はその他の通知を受け取ることが可能となる。プレゼンスサービスは、エンティティのプレゼンスに関する情報であるプレゼンス情報を決定し提供する。プレゼンスサービスは一般に、異なる2組のクライアントを有する。本技術分野では、一方の組のクライアントはプレゼンティティ(presentities)と呼ばれる。プレゼンティティは、プレゼンス情報が、決定され、一般には記憶されたエンティティである。他方の組のクライアントは、本技術分野ではウォッチャー(watchers)と呼ばれ、プレゼンスサービスからプレゼンス情報を受け取る。一般に、ウォッチャーはサードパーティである。
【0003】
従来のプレゼンスサービスは、そのプレゼンス情報を、限られたデータに基づいて決定する。例えば、従来のプレゼンス・サービス・システムは、どれだけの期間コンピュータのキーボードが触れられていないかを検出すると共に、手動によるプレゼンスステータス設定を受け入れる、ようなインスタント・メッセージング・プログラムに基づいて、プレゼンス情報を決定することができる。
【0004】
電話の技術分野では、従来のプレゼンス・サービス・システムは、ネットワーク内の呼ステータス(call status)に基づいて、プレゼンス情報を決定することができる。例えば、回線が、使用中かどうか、アイドル状態かどうか、5分を超えてアイドル状態であるかどうか、、、等に基づく。
【0005】
従来のプレゼンスサービスは、限られた情報しか提供しないことが分かっている。例えば、従来のプレゼンスサービスは、プレゼンティティが存在しているかどうかに関するプレゼンス情報しか提供しない場合もある。従来のプレゼンスサービスは、プレゼンティティのプレゼンスステータスに関するプレゼンス情報は提供しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のプレゼンスサービスが遭遇するこれらの問題に対処することを目的とする。特に、サードパーティ(ウォッチャー)が動作の基盤とし得る正確なプレゼンス情報を提供することにより、通信を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報を決定する方法であって、前記少なくとも1つのプレゼンティティに関連する端末から、オーディオ信号にアクセスすることと、前記オーディオ信号を解析して、前記少なくとも1つのプレゼンティティのプレゼンスに関する情報を決定することと、前記プレゼンス情報を、プレゼンスサービスとして、サードパーティに提供することとを含む方法が提供される。
【0008】
端末からオーディオ信号にアクセスし、オーディオ信号を解析することにより、プレゼンス情報の正確さが向上することが分かっている。オーディオ信号等の可変ソースを解析することにより、プレゼンス情報の正確さが高められる。更に、オーディオ信号から決定可能なプレゼンス情報は、プレゼンティティの多くの態様に関し、従来のプレゼンス情報と比べてより詳細である。このようにして、プレゼンス情報の品質が改善され、よって、その結果、プレゼンティティとサードパーティとの間の通信が改善される。特に、プレゼンティティが存在するかどうかに加えて、プレゼンスサービスは、プレゼンスステータスに関する情報を提供することができる。
【0009】
一の実施形態は、前記オーディオ信号に自動的にアクセスすることを含む。このようにして、プレゼンスが検出されている人又はエンティティは、何の動作を講じる必要もなくなる。特に、プレゼンス情報を決定するために解析されるデータに自動的にアクセスして収集することにより、データ収集に関するユーザーの労力を増やすことなく、プレゼンス情報の品質が改善される。
【0010】
一の実施形態では、前記プレゼンス情報は、前記プレゼンティティが存在するかどうかに関する情報、及び前記プレゼンティティのプレゼンスステータスに関する情報、のうちの少なくとも1つを含む。更なる一の実施形態では、前記プレゼンスステータスは、前記プレゼンティティの位置、前記プレゼンティティが位置する環境、前記プレゼンティティに関連する個人の気分(mood)、前記プレゼンティティの前記個人により行われる動作に関する情報、のうちの少なくとも1つを含む。このようにして、プレゼンスサービスは、プレゼンティティ、及びプレゼンティティに関連する個人、のうちの少なくとも一方に関するより詳細なプレゼンス情報を提供し、よって、プレゼンティティ、及びプレゼンティティに関連する個人、のうちの少なくとも一方とサードパーティとの間の通信が、更に改善される。
【0011】
更なる一の実施形態は、前記オーディオ信号の雑音レベルを解析して、前記プレゼンティティのプレゼンス及びプレゼンスステータス、のうちの少なくとも1つを決定することを含む。更なる一の実施形態は、前記オーディオ信号の暗雑音レベル(background noise level)を解析して、前記プレゼンティティのプレゼンス及びプレゼンスステータス、のうちの少なくとも1つを決定することを含む。このようにして、プレゼンティティの位置に関するプレゼンス情報が、更に決定できるようになる。例えば、プレゼンティティに関連する個人が、車中にいる、会議中である、等の場合、このプレゼンス情報は、暗雑音を解析することにより決定することができる。
【0012】
また、更なる一の実施形態は、前記オーディオ信号の音響スペクトルを解析して、前記プレゼンティティのプレゼンス及びプレゼンスステータス、のうちの少なくとも1つを決定することを含む。また、更なる一の実施形態は、音声認識を利用して前記オーディオ信号を解析し、前記プレゼンティティのプレゼンス及びプレゼンスステータス、のうちの少なくとも1つを決定することを含む。このようにして、プレゼンティティに関連する個人の気分が、決定できるようになる。更には、当該個人が特定のソースに関連するプレゼンティティであるかどうかが、決定できるようになる。
【0013】
更なる一の実施形態は、前記プレゼンス情報を、前記プレゼンスサービスにサブスクライブされている前記サードパーティに伝達することを含む。
【0014】
更なる一の実施形態は、一定経過時間(an elapsed time)後に、更新されたプレゼンス情報を提供することを含む。このようにして、サードパーティは、プレゼンス情報に関して最新の状態に保たれる。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報を、前記プレゼンス情報に基づいて動作可能なサードパーティに提供するプレゼンス・サービス・システムであって、前記システムは、前記プレゼンティティに関連する端末からオーディオ信号にアクセスするよう構成され、前記プレゼンス・サービス・システムは、前記オーディオ信号を解析するオーディオ・アナライザを備え、前記プレゼンス・サービス・システムは、前記オーディオ・アナライザにより出力される前記解析されたオーディオ信号に基づいて、前記少なくとも1つのプレゼンティティのプレゼンスに関する前記プレゼンス情報を決定するプレゼンス・サービス・システムが提供される。このようにして、プレゼンス・サービス・システムによりサードパーティに提供される情報の品質が改善される。
【0016】
一の実施形態では、前記システムは、前記端末から前記オーディオ信号に自動的にアクセスするよう構成されている。プレゼンス情報を決定するために解析されるデータに自動的にアクセスして収集することにより、データ収集に関するオーバーヘッドを増大することなく、プレゼンス情報の品質が改善される。
【0017】
更なる一の実施形態では、前記システムは、前記オーディオ信号を解釈し、前記オーディオ信号に基づいてプレゼンス情報を出力する、音響プレゼンス検出アプリケーションと、前記プレゼンス情報を収集して分配する、プレゼンス情報収集及び分配アプリケーションとを備える。
【0018】
また、更なる一の実施形態では、前記音響プレゼンス検出アプリケーションは、プレゼンスソースである。音響プレゼンス検出アプリケーションを端末上でローカル実行することにより、通信ネットワーク内のシステムの必要帯域幅が削減される。
【0019】
更なる一の実施形態では、前記プレゼンス情報収集及び分配アプリケーションは、前記端末のネットワーク接続先であるネットワーク構成要素(network element)上で実行される。このようにして、例えば位置を含むプレゼンス情報が決定できるようになる。
【0020】
一の実施形態では、前記システムは、音を検出し、前記音を前記オーディオ信号に変換する、ために前記端末に備えられたマイクから前記オーディオ信号にアクセスするよう構成されている。このようにして、オーディオ信号が電話技術により容易に利用できるようになる。なぜならば、電話機は全てマイクを有しているからである。
【0021】
一の実施形態では、前記プレゼンス・サービス・システムは、電気通信サービスに含まれ、前記端末は、電話機(telephony device)を備える。このようにして、電気通信の品質が改善され、存在していないプレゼンティティ、又は、最適な通信を妨げるプレゼンスステータスを有するプレゼンティティ、と通信しようとして無駄に費やされる時間が短縮される。
【0022】
更なる一の実施形態では、前記プレゼンス・サービス・システムは、放送サービスに含まれ、前記プレゼンティティは、前記オーディオ信号を放送する放送局である。このようにして、サードパーティは、特定の放送番組の視聴(linten or watch)を希望するかどうかを判断するのに役立ち得るようなプレゼンス情報を受け取る。
【0023】
更なる一の実施形態では、前記プレゼンス・サービス・システムは、前記プレゼンス情報を、前記プレゼンスサービスにサブスクライブされている前記サードパーティに送信するよう構成されている。このようにして、サードパーティは、自身が直接関与することなくプレゼンス情報の提供を受ける。
【0024】
本発明の第3の態様によれば、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法を実行するよう動作可能な手段を備えるユーザー端末が提供される。
【0025】
本発明の第4の態様によれば、端末を含む通信ネットワークであって、プレゼンス・サービス・システムが請求項1から10のいずれか1項に記載の方法を実行するよう動作可能な通信ネットワークが提供される。
【0026】
本発明の第5の態様によれば、コンピュータ上で実行された場合に、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法を実行するよう前記コンピュータを制御するプログラム、を格納しているコンピュータ読取可能な記憶媒体が提供される。
【0027】
以下、本発明がより完全に理解されるよう、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ専ら例として説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の一の実施形態によるシステムを概略的に示す。当該システムは、物理的エンティティ7、14と、機能的エンティティ16、19、20、71を備える。物理的エンティティは、限定はしないが、端末(例えば、電話機7、14のようなユーザー端末や、ネットワーク内のサーバー)等を含む。機能的エンティティは、限定はしないが、プレゼンスソース19やアプリケーション等を含む。機能的エンティティは、1つ又は複数の物理的エンティティの内部に置くことができる。例えば、プレゼンスソース19は、ユーザー端末を含み得る端末7内に置くこともできるし、代わりに、ネットワーク内のサーバーのような端末内に置くこともできる。図1は特に、本発明の一の実施形態によるプレゼンス・サービス・システム2を含む移動体通信システム1を示している。プレゼンティティ3は、プレゼンスに関する特定の基準に基づいたエンティティである。当該実施形態では、プレゼンティティは、ユーザーidとアベイラビリティ(availability)の組み合わせに基づく。図に示す実施形態では、ユーザーidを有する個人が、プレゼンティティに関連付けられている。ウォッチャー5、14は、サードパーティである。プレゼンティティ3、7とウォッチャー5、14は、プレゼンスサービスにサブスクライブされる。プレゼンティティ3、7は、プレゼンス・サービス・システム2によりプレゼンスが決定されるエンティティである。ウォッチャー5、14は、プレゼンス・サービス・システム2からプレゼンス情報を受け取るエンティティである。図に示す実施形態では、プレゼンティティ7とウォッチャー14は、人3、5に関連付けられる。ただし、プレゼンティティは、この点については限定されない。別の実施形態では、プレゼンティティは、オーディオ信号を放送する放送局、例えば、ラジオ局又はテレビ局に関連付けられていてもよい。実際、本出願は、オーディオ出力を有するプレゼンティティ、例えば、固定電気通信システムやインターネットシステム等に適用し得る。プレゼンティティ3には、端末7が関連付けられている。図に示す実施形態では、端末7は、携帯電話機に実装されたグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を備える。端末7は、この点については限定されてなく、グラフィカルユーザーインターフェイスを備える電話機又はその他のデバイス、例えば、パーソナル・デジタル・アシスタント、コンピュータ、モバイル・デジタル・アシスタント等に実装されていてもよい。代わりに、端末は、限定はしないが、ネットワーク構成要素を含んでいてもよい。このような実施形態では、ネットワーク構成要素は、現在どのネットワークオペレータが提供されているかを示すホーム・ロケーション・レジストリ等の携帯電話サービスや、ユーザーがどの基地局に位置しているかを示すロケーションサーバーや、移動交換局でもよい。また、端末7は、サーバー(例えば、現在ユーザーがどのインターネットにログインしているかを示すサーバー)でもよい。プレゼンス情報は、プレゼンスソースが提供してもよい。プレゼンスソースは、後により詳細に説明するような、音響プレゼンス検出アプリケーション19を含む。また、プレゼンスソースは、他のアプリケーション(例えば、ユーザーのコンピュータ上に用意された企業カレンダー又はその他のカレンダーアプリケーション)を含んでいてもよい。端末7は、オーディオ信号を出力する。オーディオ信号は、端末7自体が生成してもよい。代替的には、オーディオ信号は、音を検出し、その出力としてオーディオ信号を提供する、ような検出器の出力とする。音は、プレゼンティティ、例えば、1人又は複数の人から発せられてもよい。オーディオ信号は、端末7が位置する環境からの音、例えば、暗雑音に由来するものでもよい。当該実施形態では、図1に示すように、検出器は、端末7に配置されているマイク9である。マイク9は、端末7内に配置されている必要はない。また、マイク9は、端末7の付近、又はプレゼンティティが位置する可能性のある場所に配置されていてもよい。マイク9は、音を検出し、その出力としてオーディオ信号10を提供する。オーディオ信号10は、電気的であり、デジタルでもアナログでもよい。図1に示す実施形態では、オーディオ信号は、デジタル信号である。オーディオ信号は、プレゼンス・サービス・システム2によりアクセスされる。オーディオ信号は、自動的にアクセスされてもよい。プレゼンス・サービス・システム2は、端末7でローカルにオーディオ信号にアクセスし解析してもよい。代わりに、プレゼンス・サービス・システムは、端末7からリモートでオーディオ信号にアクセスし解析してもよい。プレゼンス・サービス・システムは、端末7上で実行可能な音響プレゼンス検出アプリケーション19を備えており、端末7は、上述のように、ネットワーク内の構成要素を含んでいてもよい。音響プレゼンス検出アプリケーションは、ユーザー端末又はネットワーク内のサーバーのような端末上で実行可能なプレゼンスソースである。その他のプレゼンスソースは例えば、ネットワーク内のサーバー上で実行されるビジー状態検出アプリケーション、又は端末上で実行される手動設定検出アプリケーションを含む。音響プレゼンス検出アプリケーション19は、オーディオ信号にアクセスし解釈する。オーディオ信号のリモート解析の場合や、音響プレゼンス検出アプリケーションが端末上で実行される場合には、オーディオ信号や、音響プレゼンス検出アプリケーションにより出力される信号はそれぞれ、通信ネットワーク1を介して送信される。移動体通信ネットワークの場合、オーディオ信号は、当該ネットワークの少なくとも一部分上で、電磁信号として送信される。固定通信ネットワークの場合、オーディオ信号は、電気信号として送信してもよく、且つ/又は、伝送媒体によっては光信号として送信してもよい。一の実施形態では、オーディオ信号は、プレゼンス・サービス・システム2に直接送信される。プレゼンス・サービス・システム2は、プレゼンス情報12をサードパーティ5に提供するよう構成されている。サードパーティは一般に、プレゼンス・サービス・システム2へのサブスクライバである。プレゼンス情報をサードパーティ5に提示するデバイスは、本技術分野では、ウォッチャー14と呼ばれることもある。端末と同様に、ウォッチャー14は、GUI、ネットワーク構成要素、サーバー、又はアプリケーション等を含むデバイスでもよい。当該実施形態では、ウォッチャー14は、携帯電話機である。プレゼンス情報は、GUI上の表示の一部として、オーディオ信号として、音声又はテキストメッセージとして、ウォッチャー14に伝達してもよい。一般的なウォッチャーは、限定はしないが、電話機、コンピュータ、ハンドヘルド電子デバイス、PDA、電子カレンダー等を含む。
【0029】
図に示す実施形態では、プレゼンス・サービス・システム2は、分散システムとして表されている。プレゼンス・サービス・システム2は、オーディオ信号を解釈し、当該オーディオ信号に基づいてプレゼンス情報を出力する、音響プレゼンス検出アプリケーション19と、当該プレゼンス情報を収集して分配する、プレゼンス情報収集及び分配アプリケーション20とを備える。音響プレゼンス検出アプリケーション19は、マイク9からオーディオ信号にアクセスする。音響プレゼンス検出アプリケーション19は、オーディオ信号を解析するオーディオ・アナライザ16を含んでいてもよいし、当該オーディオ・アナライザ16とインタラクト(interact)してもよい。これらのアプリケーションは、オペレーティングシステム上で実行される複数のソフトウェアである。例えば、音響プレゼンス検出アプリケーションは、端末7のオペレーティングシステム上で実行してもよい。同様に、電話アプリケーション71は、電話機7上で実行される。図1では、システム2の一部は、ネットワーク1とは別のエンティティとして表されている。しかしながら、別の実施形態では、プレゼンス・サービス・システム2は、ネットワーク1に含まれる。図1では、当該システムの一部と、オーディオ・アナライザ16と、音響プレゼンス検出アプリケーション19は、端末7に備えられていてもよい。プレゼンス・サービス・システム2は一般に、コンピュータを備え、当該コンピュータは、データ記憶デバイスと、プレゼンス情報を計算するための処理デバイスとを備える。上述のように、プレゼンス・サービス・システムは更に、オーディオ・アナライザ16を備えていてもよい。これにより、要求されるプレゼンス情報の種類に応じて、オーディオ解析が実行される。例えば、オーディオ・アナライザ16は、雑音レベルアナライザ、音響スペクトルアナライザ、及び音声認識アナライザ、のうちの少なくとも1つであってもよい。一の実施形態では、プレゼンス情報は、プレゼンティティ3に関連する個人の識別情報(identity)をサブスクライバ5に示すものである。これは、音声解析により実行されてもよい。また、プレゼンティティに関連する個人の気分(mood)又は気質(temperament)を識別するために、信号について音声解析が実行されてもよい。プレゼンティティに関連する個人の気分が良くないと検出された場合、サブスクライバはその後、プレゼンティティ3に関連する個人の呼び出しを遅らせることを決定してもよい。このような気分関係データは更に、処理モジュール18においてプレゼンス・サービス・システム2により処理され、プレゼンティティに関連する個人の関心レベルを会話(conversation)中に決定することができる。なぜならば、このような情報は、人の発話パターンを解析することにより決定可能であることが分かっているからである。雑音レベルアナライザは、例えば、プレゼンティティ3が位置する環境を決定するために使用可能である。また、暗雑音レベルアナライザは、プレゼンティティが位置する場所を決定する。例えば、プレゼンティティが、車内にいる、外にいる、会議の場にいる、等の場合に、その位置は、暗雑音を解析することにより決定可能である。プレゼンティティ3が会議の場にいると判定された場合、サブスクライバは、会議が終了するまで、プレゼンティティ3に関連する個人の呼び出しを遅らせることを望むことがある。実行される解析に応じて、帯域幅リミッタが備えられていてもよい。この解析は、暗雑音のラウドネスを決定する単純なオーバーオール・ラウドネス検出解析を含んでいてもよい。暗雑音の種類(例えば、自動車、鉄道等)を識別するために、記録されたスペクトル及びいくつかの基準スペクトルの、単一スペクトル解析及び相関チェックが実行されてもよい。また、周囲の音に関するより多くのプレゼンス情報を識別するために、(短い)一定期間に、複数のスペクトル解析が組み合わされても行われてもよい。また、例えば、熱意又はその他の気分に関する挙動を検出するために、特定のオーディオ解析が実行されてもよい。また、単語、言語、特定の話者等を認識するために、音声認識解析が実行されてもよい。また、完全オーディオ解析が実行されてもよく、この場合、特定の状況同士(例えば、二者対話と会議との違い)を認識して区別するよう、解析がチューニングされていてもよい。
【0030】
図2は、本発明の一の実施形態による方法を示す。図2は特に、プレゼンス・サービス・システム2により実行される処理ステップを示している。プレゼンス・サービス・システム2は、プレゼンティティに関連する端末7からオーディオ信号にアクセスし(ステップ30)、当該オーディオ信号を解析して、上記プレゼンティティのプレゼンスに関するプレゼンス情報を決定し(ステップ32)、その後、当該プレゼンス情報を、プレゼンスサービスとして、サードパーティに提供する(ステップ34)。プレゼンス・サービス・システム2は、更新手段(update facility)を備えていてもよく、この場合、所定の経過時間の後(ステップ36)、プレゼンス・サービス・システムは、サードパーティにも提供する更新されたプレゼンス情報を決定する。このようにして、サードパーティは、最新のプレゼンス情報を提供される。サードパーティが、経過時間を決定してもよい。代わりに、経過時間は、プレゼンス・サービス・プロバイダにより設定されてもよい。アプリケーション及びサブスクライバに応じて、経過時間は、数分から数時間にわたって変化させてもよい。経過時間は、一定でなくてもよく、例えば、一日の時刻に応じて異なっていてもよい。
【0031】
以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明は、説明した以外の方法で実施してもよいことが理解されよう、この説明は、本発明を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一の実施形態によるシステムを概略的に示す図である。
【図2】本発明の一の実施形態による方法を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報を決定する方法であって、
前記少なくとも1つのプレゼンティティに関連する端末から、オーディオ信号にアクセスすることと、
前記オーディオ信号を解析して、前記少なくとも1つのプレゼンティティのプレゼンスに関する情報を決定することと、
前記プレゼンス情報を、プレゼンスサービスとして、サードパーティに提供することとを含む方法。
【請求項2】
前記オーディオ信号に自動的にアクセスすることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プレゼンス情報は、前記プレゼンティティが存在するかどうかに関する情報、及び前記プレゼンティティのプレゼンスステータスに関する情報、のうちの少なくとも1つを含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記プレゼンスステータスは、前記プレゼンティティの位置、前記プレゼンティティが位置する環境、前記プレゼンティティに関連する個人の気分、前記プレゼンティティの前記個人により行われる動作に関する情報、のうちの少なくとも1つを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記オーディオ信号の雑音レベルを解析して、前記プレゼンティティのプレゼンス及びプレゼンスステータス、のうちの少なくとも1つを決定することを含む請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記オーディオ信号の暗雑音レベルを解析して、前記プレゼンティティのプレゼンス及びプレゼンスステータス、のうちの少なくとも1つを決定することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記オーディオ信号の音響スペクトルを解析して、前記プレゼンティティのプレゼンス及びプレゼンスステータス、のうちの少なくとも1つを決定することを含む請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
音声認識を利用して前記オーディオ信号を解析し、前記プレゼンティティのプレゼンス及びプレゼンスステータス、のうちの少なくとも1つを決定することを含む請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記プレゼンス情報を、前記プレゼンスサービスにサブスクライブされている前記サードパーティに伝達することを含む請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
一定経過時間後に、更新されたプレゼンス情報を提供することを含む請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報を、前記プレゼンス情報に基づいて動作可能なサードパーティに提供するプレゼンス・サービス・システムであって、前記システムは、前記プレゼンティティに関連する端末からオーディオ信号にアクセスするよう構成され、前記プレゼンス・サービス・システムは、前記オーディオ信号を解析するオーディオ・アナライザを備え、前記プレゼンス・サービス・システムは、前記オーディオ・アナライザにより出力される前記解析されたオーディオ信号に基づいて、前記少なくとも1つのプレゼンティティのプレゼンスに関する前記プレゼンス情報を決定するプレゼンス・サービス・システム。
【請求項12】
前記プレゼンス・サービス・システムは、前記端末から前記オーディオ信号に自動的にアクセスするよう構成されている請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プレゼンス・サービス・システムは、前記オーディオ信号を解釈し、前記オーディオ信号に基づいてプレゼンス情報を出力する、プレゼンスアプリケーションと、少なくとも1つのプレゼンスソースから前記プレゼンス情報を収集して分配する、プレゼンス情報収集及び分配アプリケーションとを備える請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記音響プレゼンス検出アプリケーションは、プレゼンスソースである請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記プレゼンス情報収集及び分配アプリケーションは、前記端末のネットワーク接続先であるネットワーク構成要素上で実行される請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記プレゼンス情報は、前記プレゼンティティが存在するかどうかに関する情報、及び前記プレゼンティティのプレゼンスステータスに関する情報、のうちの少なくとも1つを含む請求項11から15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムは、音を検出し、前記音を前記オーディオ信号に変換する、ために前記端末に備えられたマイクから前記オーディオ信号にアクセスするよう構成されている請求項11から16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記オーディオ・アナライザは、雑音レベルアナライザであり、前記雑音レベルアナライザの出力は、前記プレゼンティティのプレゼンスステータスを決定するために使用される請求項11から17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記オーディオ・アナライザは、暗雑音レベルアナライザであり、前記暗雑音レベルアナライザの出力は、前記プレゼンティティのプレゼンスステータスを決定するために使用される請求項11から18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記オーディオ・アナライザは、音響スペクトルアナライザであり、前記音響スペクトルアナライザの出力は、前記プレゼンティティのプレゼンスステータスを決定するために使用される請求項11から19のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
前記オーディオ・アナライザは、音声認識アナライザであり、前記音声認識アナライザの出力は、前記プレゼンティティのプレゼンスステータスを決定するために使用される請求項11から20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記プレゼンス・サービス・システムは、電気通信サービスに含まれ、前記端末は、電話機を備える請求項11から21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記プレゼンス・サービス・システムは、放送サービスに含まれ、前記端末は、前記オーディオ信号を放送する放送局である請求項11から22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記プレゼンス・サービス・システムは、前記プレゼンス情報を、前記プレゼンスサービスにサブスクライブされているサードパーティに送信するよう構成されている請求項11から23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
請求項1から10のいずれか1項に記載の方法を実行するよう動作可能な手段を備えるユーザー端末。
【請求項26】
端末を含む通信ネットワークであって、プレゼンス・サービス・システムが、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法を実行するよう動作可能な通信ネットワーク。
【請求項27】
コンピュータ上で実行された場合に、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法を実行するよう前記コンピュータを制御するプログラム、を格納しているコンピュータ読取可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2009−510896(P2009−510896A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533268(P2008−533268)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/NL2006/000477
【国際公開番号】WO2007/037679
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(501259662)ネイダーランゼ、オルガニザティー、ボー、トゥーゲパストナトゥールウェテンシャッペルーク、オンダーツォーク、ティーエヌオー (28)
【氏名又は名称原語表記】NEDERLANDSE ORGANISATIE VOOR TOEGEPASTNATUURWETENSCHAPPELIJK ONDERZOEK TNO
【Fターム(参考)】