説明

プレフィルドシリンジ及びその製造方法

【課題】キャップの開封が容易且つ確実に遂行されるとともに、包装時にシリンジ本体内の液状製剤が熱に曝されることを阻止することを可能にする。
【解決手段】シリンジ外筒12に対してロックアダプタ26及びキャップ30が組み付けられるとともに、前記シリンジ外筒12内に液状製剤が充填される。シリンジ外筒12にガスケット16及びプランジャ18が装着された後、前記シリンジ外筒12が回転された状態で、予め加熱処理された感熱接着性フイルム42を、前記ロックアダプタ26及び前記キャップ30の側面に押し付けることにより、前記感熱接着性フイルム42が貼り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジ本体側部材に対して着脱自在なキャップを備えるプレフィルドシリンジ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、滅菌されたシリンジ(注射筒)内に無菌状態の液状製剤(薬液)が予め充填されたプレフィルドシリンジが使用されている。薬液をシリンジに移し変える必要がなく、異物混入の可能性を低減できるとともに、開封後即時に使用することが可能である等の利点を有するからである。
【0003】
この種のプレフィルドシリンジでは、シリンジ外筒の液体排出部(口部)にキャップを被せ、このキャップを覆って感熱接着性フイルムにより外装している。ところが、外装を開封した後には、異物混入のおそれがあり、特に開封後に再度キャップが取り付けられた(リキャップされた)ものであるか否かを確実に見分ける必要がある。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1に開示されている薬液既充填注射器が知られている。この薬液既充填注射器は、シリンジ先端部にルアーロックアダプタ及びティップキャップが装着されるとともに、前記ルアーロックアダプタの側面から前記ティップキャップの天面の一部までを熱収縮性樹脂フイルムで被覆することにより封印し、該熱収縮性樹脂フイルムに円周に沿ってミシン目を設けることを特徴としている。
【0005】
図6には、上記の薬液既充填注射器を製造するための設備が開示されている。この設備は、薬液(図示せず)が予め充填されているシリンジ1を搬送する搬送コンベア2、3を備えており、前記搬送コンベア2、3の移動速度を違えることによって、前記シリンジ1に回転運動が付与されている。
【0006】
シリンジ1の搬送方向に沿って加熱装置4、5が配置されており、前記加熱装置4、5は、シリンジ1に設けられた熱収縮性樹脂フイルム6の収縮させたい部位の両側から熱線又は熱風を当てるように構成されている。
【0007】
そこで、シリンジ1の回転数が3回転以下に設定されるとともに、熱線又は熱風を当てるときの前記シリンジ1の回転速度が0〜120回転/分に設定されることにより、前記シリンジ1内の薬剤に対して物理的ストレス及び熱ストレス等の影響を与えない、としている。
【0008】
【特許文献1】特開2002−315827号公報(図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記の従来技術では、シリンジ1が熱源に曝される間の移動距離を抑えることができるものの、その雰囲気温度は、200℃程度と高温となっている。このため、シリンジ1内に充填されている薬液が熱により劣化し易いという問題がある。
【0010】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、キャップの開封が容易且つ確実に遂行されるとともに、包装時にシリンジ本体内の液状製剤が熱に曝されることを阻止することが可能なプレフィルドシリンジ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、シリンジ本体側部材に対して着脱自在なキャップを備えるプレフィルドシリンジに関するものである。このプレフィルドシリンジは、シリンジ本体側部材とキャップの側面とを被覆する感熱接着性フイルムを設け、前記感熱接着性フイルムは、前記シリンジ本体側部材と前記キャップとの境界部位近傍に周方向に沿って複数の切れ目が所定間隔ずつ離間して設けられている。
【0012】
また、感熱接着性フイルムの裏面には、切れ目を含まない部分に対応して熱活性型樹脂層が設けられるとともに、前記切れ目を含む部分に対応して前記熱活性型樹脂層を設けない又は活性化抑制手段が施されることが好ましい。
【0013】
さらに、感熱接着性フイルムは、キャップの先端面よりシリンジ本体側部材側に1mm以上離間した位置から前記キャップを被覆することが好ましい。
【0014】
さらにまた、本発明は、シリンジ本体側部材に対して着脱自在なキャップを備えるプレフィルドシリンジの製造方法に関するものである。この製造方法は、シリンジ本体側部材及びキャップを組み付ける工程と、シリンジ本体内に液状製剤を充填する工程と、前記シリンジ本体にプランジャを装着する工程と、前記シリンジ本体を回転させながら、予め加熱処理された感熱接着性フイルムを、前記シリンジ本体側部材及び前記キャップの側面に押し付けることにより、前記感熱接着性フイルムを貼り付ける工程とを有している。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、感熱接着性フイルムは、加熱されることにより活性化(粘着化)された後、シリンジ本体側部材及びキャップの側面に貼り付けられている。このため、感熱接着性フイルムを貼り付ける際に、シリンジ本体を加熱する必要がなく、前記シリンジ本体内の液状製剤が熱に曝されることを確実に阻止することが可能になる。
【0016】
しかも、感熱接着性フイルムが使用されるため、熱収縮性フイルムに比べて接着力が有効に向上する。従って、感熱接着性フイルムの一部を破損せずにキャップのみが取り外されることがない。
【0017】
ここで、感熱接着性フイルムには、シリンジ本体側部材とキャップとの境界部位近傍に周方向に沿って複数の切れ目が設けられており、前記キャップを回転させる際、前記感熱接着性フイルムが前記切れ目から確実に破損することができる。これにより、キャップの開封処理が容易且つ確実に遂行される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るプレフィルドシリンジ10の概略構成説明図である。
【0019】
プレフィルドシリンジ10は、シリンジ外筒(シリンジ本体)12を備え、このシリンジ外筒12の開口部14を形成する内周面14aには、ガスケット16が矢印L方向に摺動自在に配置される。このガスケット16は、プランジャ18の先端部に設けられており、前記プランジャ18を介して摺動操作される。開口部14には、薬液等の液状製剤(図示せず)が充填される。
【0020】
図2に示すように、シリンジ外筒12の先端側には、外周直径を縮径して矢印L方向に突出する口部20が一体形成される。口部20には、開口部14に連通して外部に開放可能な流路22が形成される。口部20の外周部には、ストッパ部24が外方に膨出して設けられるとともに、前記口部20の外周部には、前記ストッパ部24を介して矢印L方向に所定の距離だけ移動可能なロックアダプタ(シリンジ本体側部材)26が設けられる。
【0021】
ロックアダプタ26は、断面略六角形状を有するとともに、その内周面には、雌ねじ部28が形成される。シリンジ外筒12の口部20には、ロックアダプタ26を介してキャップ30が装着される。
【0022】
キャップ30の外周部には、ロックアダプタ26の雌ねじ部28に螺合する雄ねじ部32が、軸方向(矢印L方向)に所定の長さにわたって形成される。このキャップ30の外周部には、断面略六角形状の凸部34が形成され、この凸部34の外周面には、軸方向に複数の溝部36が所定の長さにわたって形成される。凸部34に溝部36を形成することにより、操作者の指先によって容易に把持可能な把持部が構成される。キャップ30内には、開口部38が形成され、この開口部38の底部側にパッキン40が配置される。
【0023】
図1に示すように、ロックアダプタ26の雌ねじ部28にキャップ30の雄ねじ部32が螺合した状態で、前記ロックアダプタ26と前記キャップ30の側面とを被覆する帯状に切断された感熱接着性フイルム42が設けられる。
【0024】
感熱接着性フイルム42は、具体的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)又はPVC(塩化ビニル樹脂)等の材質から選択される他、熱収縮性を有する他の材質も使用可能である。
【0025】
感熱接着性フイルム42には、キャップ30の回転方向(矢印R方向)に沿って複数の切れ目(ミシン目)44が所定間隔ずつ離間して設けられる。図3に示すように、感熱接着性フイルム42の裏面(貼り付け面)には、切れ目44を含まない部分に対応して熱活性型の樹脂が塗布される接着層46aと、前記切れ目44を含む部分に対応して前記熱活性型の樹脂が設けられない又は活性化抑制手段が施される非接着面46bとが形成される。この非接着面46bとは、非接着力〜弱接着力に設定された面をいう。
【0026】
熱活性型の樹脂は、具体的には、PE(ポリエチレン)、PVA(ポバール)、EVA(エチレン酢ビコポリマー)、EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体)、アイオノマー樹脂又はこれらの混合樹脂が使用される。この熱活性型の樹脂の融点は、70℃〜140℃、より好ましくは、80℃〜130℃に設定される。
【0027】
キャップ30の材質は、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等の樹脂、金属又はゴム等から選択されるが、感熱接着性フイルム42が接着可能であれば、他の材質も選択可能である。
【0028】
図1に示すように、感熱接着性フイルム42がロックアダプタ26及びキャップ30を被覆して装着された際、切れ目44は、前記ロックアダプタ26と前記キャップ30との境界部位近傍(境界部位〜周囲を含む)に周方向に沿って間欠的に設けられる。感熱接着性フイルム42の端面42aは、キャップ30の天面(先端面)30aから距離M(M≧1mm)だけ内方に離間した位置に配置されており、前記感熱接着性フイルム42は、この位置から前記キャップ30を被覆する。
【0029】
次に、本発明に係るプレフィルドシリンジ10の製造方法について、図4に示す処理フローに沿って説明する。
【0030】
先ず、シリンジ外筒12の内周面14aにシリコーンオイルが塗布された後、このシリンジ外筒12の口部20に設けられているロックアダプタ26に対してキャップ30が取り付けられる。具体的には、キャップ30をロックアダプタ26に対して所定の方向に回転させることにより、このキャップ30の外周部に形成されている雄ねじ部32が、前記ロックアダプタ26の雌ねじ部28に螺合してシリンジ組立処理が行われる(ステップS1)。
【0031】
次いで、ステップS2に進んで、シリンジ外筒12及びキャップ30に滅菌処理が施される。滅菌処理には、種々の方法が採用されるが、例えば、オートクレープ滅菌が行われる。このオートクレープ滅菌では、キャップ30が装着されたシリンジ外筒12は、図示しないオートクレープ滅菌装置内に搬入され、このオートクレープ滅菌装置内に高圧蒸気が供給されることにより、前記キャップ30及びシリンジ外筒12が滅菌される。なお、上記のオートクレープ滅菌の他、滅菌ガスを用いたガス滅菌や放射線滅菌等を採用することができる。
【0032】
さらに、無菌環境下で、予め滅菌処理が施された液状製剤(薬液)がシリンジ外筒12の基端から開口部14に充填される(ステップS3)。その後、シリンジ外筒12の開口部14にガスケット16及びプランジャ18が装着される(ステップS4)。
【0033】
次に、シリンジ外筒12は、キャップ30及びプランジャ18が装着された状態で、後述するように、所定のフイルム貼り付け位置で一定速度で回転されながら、感熱接着性フイルム42の貼り付け処理が施される(ステップS5)。
【0034】
このステップS5の作業は、実質的に図5に示す設備50により行われる。この設備50は、例えば、特許第3681857号公報に開示されている感熱ラベラーの感熱糊活性化装置を用いることができ、以下に概略的に説明する。
【0035】
設備50は、図5に示すように、ロール状感熱接着性フイルム52を繰り出すフイルム繰り出し部54と、前記ロール状感熱接着性フイルム52を定寸カットして感熱接着性フイルム42を形成するカッター部56と、前記感熱接着性フイルム42の接着層(糊面)46a側を吸着保持して矢印A方向に回転する吸着ドラム58と、前記吸着ドラム58から前記感熱接着性フイルム42を受け取り、前記接着層46aを外側に向けて前記感熱接着性フイルム42を吸着し、矢印B方向に回転する貼り付けドラム60と、前記貼り付けドラム60の外周側の所定の角度範囲にわたって配置され、前記感熱接着性フイルム42の前記接着層46a側を加熱する感熱糊活性化部62と、前記接着層46aが加熱されて活性化された前記感熱接着性フイルム42を、キャップ30の側面及びロックアダプタ26に巻き付けるために、シリンジ外筒12を矢印C方向に定速回転させる回転治具64とを備える。
【0036】
吸着ドラム58及び貼り付けドラム60は、それぞれの外周部に複数の吸引口66a、66bが設けられており、前記吸引口66a、66bから吸引を行うことによって、前記吸着ドラム58及び前記貼り付けドラム60の外周部に感熱接着性フイルム42が吸着保持される。感熱糊活性化部62は、例えば、熱風を感熱接着性フイルム42の接着層46aに吹き付けたり、セラミックヒータによって前記接着層46aの雰囲気温度を加熱させたりすることができる。接着層46aの温度は、70℃〜140℃、より好ましくは、80℃〜130℃になるように設定される。
【0037】
このように構成される設備50では、ロール状感熱接着性フイルム52がフイルム繰り出し部54から繰り出されると(図4中、ステップS6)、このロール状感熱接着性フイルム52が、カッター部56で定寸カットされて感熱接着性フイルム42が形成される(ステップS7)。
【0038】
感熱接着性フイルム42は、吸着ドラム58の外周面に接着層46a側が吸着されて、この吸着ドラム58の回転作用下に、貼り付けドラム60に送られる。感熱接着性フイルム42は、接着層46a側を外にして貼り付けドラム60の外周面に吸着保持され、感熱糊活性化部62を通過することによって前記接着層46aが所定温度である70℃〜140℃、より好ましくは、80℃〜130℃に加温される(ステップS8)。
【0039】
このため、感熱接着性フイルム42の接着層46aに塗布されている熱活性型の樹脂は、活性化温度に加温されて所望の粘着性を発揮することができる。従って、感熱接着性フイルム42は、上記の加熱直後に、回転治具64に保持されて定速度で回転されているシリンジ外筒12側に供給される。
【0040】
シリンジ外筒12では、矢印C方向に定速回転されながら、キャップ30の側面とロックアダプタ26に沿って感熱接着性フイルム42が一定圧力で押し付けされる。これにより、感熱接着性フイルム42は、キャップ30の側面からロックアダプタ26の外周面に貼り付けられ(ステップS5)、プレフィルドシリンジ10が完成される(ステップS9)。
【0041】
その際、感熱接着性フイルム42の切れ目44は、キャップ30とロックアダプタ26との境界部位近傍に周方向に沿って配置される。さらに、感熱接着性フイルム42は、キャップ30の天面30aよりロックアダプタ26側に1mm以上に離間した位置から前記キャップ30を被覆している。
【0042】
この場合、本実施形態では、感熱接着性フイルム42は、感熱糊活性化部62で加熱されることにより接着層46aが活性化された後、キャップ30の側面及びロックアダプタ26の外周面に貼り付けられている。このため、感熱接着性フイルム42を貼り付ける際に、シリンジ外筒12を加熱する必要がなく、前記シリンジ外筒12内に充填されている液状製剤が熱に曝されることを確実に阻止することが可能になる。
【0043】
ここで、感熱接着性フイルム42は、予め所定の活性化温度まで加温され、この加温直後にキャップ30とロックアダプタ26との被覆部位に押し付けられることにより、接着層46aが活性化温度以下になる前に貼り付け作業が行われている。その際、接着層46aは、数μm程度の薄肉状に構成されており、熱容量が極めて小さい。このため、感熱接着性フイルム42をシリンジ外筒12側に貼り付けても、前記シリンジ外筒12の温度上昇を惹起させることがない。従って、シリンジ外筒12内に充填されている液状製剤への熱影響は全くない。
【0044】
また、接着層46aが活性化された状態では、感熱接着性フイルム42がキャップ30及びロックアダプタ26に接する程度の小さな圧力で十分に接着するこができる。これにより、シリンジ外筒12内の液状製剤への物理的ストレスの影響を回避することができる。
【0045】
このように製造されるプレフィルドシリンジ10の動作について、以下に説明する。
【0046】
図1に示す状態で、操作者がキャップ30を感熱接着性フイルム42の先端側と一体に把持し、このキャップ30を矢印R方向一方に回転させる。このため、キャップ30がロックアダプタ26に対して回転し、前記キャップ30及び前記ロックアダプタ26を被覆している感熱接着性フイルム42が破断して開封される。
【0047】
その際、切れ目44は、キャップ30とロックアダプタ26の境界部位近傍に周方向に沿って間欠的に設けられている。従って、キャップ30を開封する際に必要とされる回転トルクを、可及的に低減することができ、開封処理が有効に簡素化されるという利点がある。
【0048】
さらに、キャップ30の天面30aと感熱接着性フイルム42の端面42aとの距離Mは、1mm以上に設定されている。これにより、操作者が感熱接着性フイルム42と共にキャップ30を把持する際、該操作者の指先でこのキャップ30の凸部34を直接把持することができる。このため、キャップ30の回転操作が容易且つ確実に遂行され、開封性の向上が遂行可能になる。
【0049】
また、感熱接着性フイルム42が使用されるため、熱収縮性フイルムが使用される場合に比べて接着力が有効に向上する。従って、感熱接着性フイルム42の一部を破損せずにキャップ30のみが取り外されることがなく、前記キャップ30の開封が容易且つ確実に視認可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係るプレフィルドシリンジの概略構成説明図である。
【図2】前記プレフィルドシリンジの要部分解説明図である。
【図3】前記プレフィルドシリンジを構成する感熱接着性フイルムの展開状態説明図である。
【図4】本発明の製造方法を説明する処理フローである。
【図5】前記製造方法に使用される設備の概略説明図である。
【図6】特許文献1に開示されている薬液既充填注射器の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10…プレフィルドシリンジ 12…シリンジ外筒
14、38…開口部 16…ガスケット
18…プランジャ 20…口部
22…流路 24…ストッパ部
26…ロックアダプタ 28…雌ねじ部
30…キャップ 32…雄ねじ部
34…凸部 42…感熱接着性フイルム
44…切れ目 50…設備
54…フイルム繰り出し部 56…カッター部
58…吸着ドラム 60…貼り付けドラム
62…感熱糊活性化部 64…回転治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジ本体側部材に対して着脱自在なキャップを備えるプレフィルドシリンジであって、
前記シリンジ本体側部材と前記キャップの側面とを被覆する感熱接着性フイルムを設け、
前記感熱接着性フイルムは、前記シリンジ本体側部材と前記キャップとの境界部位近傍に周方向に沿って複数の切れ目が所定間隔ずつ離間して設けられることを特徴とするプレフィルドシリンジ。
【請求項2】
請求項1記載のプレフィルドシリンジにおいて、前記感熱接着性フイルムの裏面には、前記切れ目を含まない部分に対応して熱活性型樹脂層が設けられるとともに、
前記切れ目を含む部分に対応して前記熱活性型樹脂層を設けない又は活性化抑制手段が施されることを特徴とするプレフィルドシリンジ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のプレフィルドシリンジにおいて、前記感熱接着性フイルムは、前記キャップの先端面より前記シリンジ本体側部材側に1mm以上離間した位置から前記キャップを被覆することを特徴とするプレフィルドシリンジ。
【請求項4】
シリンジ本体側部材に対して着脱自在なキャップを備えるプレフィルドシリンジの製造方法であって、
前記シリンジ本体側部材及び前記キャップを組み付ける工程と、
シリンジ本体内に液状製剤を充填する工程と、
前記シリンジ本体にプランジャを装着する工程と、
前記シリンジ本体を回転させながら、予め加熱処理された感熱接着性フイルムを、前記シリンジ本体側部材及び前記キャップの側面に押し付けることにより、前記感熱接着性フイルムを貼り付ける工程と、
を有することを特徴とするプレフィルドシリンジの製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の製造方法において、前記感熱接着性フイルムは、前記キャップの先端面より前記シリンジ本体側部材側に1mm以上離間した位置から前記キャップを被覆することを特徴とするプレフィルドシリンジの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−35913(P2008−35913A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210169(P2006−210169)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】