説明

プレロータスエリンギの品種識別用マーカーの製造方法

【課題】プレロータス属きのこの品種を識別をする種識別用マーカー製造方法の提供。
【解決手段】 試料とするプレロータスエリンギの全DNAから制限酵素によって遺伝子を切り出し、その全断片の内からCTマイクロサテライト領域を含む断片を単離し、その外側にアダプターをつけてプラスミドベクターに挿入し、大腸菌に形質転換してプラスミドを増幅させ、コロニーハイブリダイゼーションによってCTマイクロサテライト領域を含むプラスミドをもつコロニーを特定し、該コロニーからDNA断片を取り出し、該DNA断片でT7プライマーとSP6プライマーを使用してCTマイクロサテライト領域を含むDNA断片を増幅し、CTマイクロサテライト領域の両側のDNAの塩基配列をシークエンスして得た後に、その塩基配列からCTマイクロサテライト領域を特異的に増幅できるプライマーをデザインする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレロータスエリンギの品種識別のために特定のマイクロサテライト領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマーからなるマーカーを製造するプレロータスエリンギの品種識別用マーカーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DNAの塩基配列の違いによって植物の品種を識別する方法が多く開発されている(例えば特許文献1,2)。これらの方法は、必要とする品種を特定するために、必要とする品種の遺伝子の配列の例えば指紋領域といわれる識別部分を予め特定し、この部分の領域を増幅させるプライマーを開発し、開発されたプライマーを使用して多数の対象種の遺伝子の増幅行い、所定の遺伝子の増幅がなされているか否かによって、目的とする品種か否かの判別を行っている。
【0003】
一方、プレロータス属きのこの品種識別に関しては、従来遺伝子を利用する方法は殆ど開発されてなく、試験栽培による判別や対峙培養による反応を調べることによってなされていた。
【0004】
また、近年エリンギの生産量が急速に増加し、単価も他のきのこ類に比べて高値で推移していることから、多くのきのこ栽培業者から注目されている。しかし、エリンギ栽培が日本国内に導入されてから日が浅く、また国内に自生していないことから、種菌の入手が困難であるため、市販品から分離して利用する場合が多い。
【0005】
このような市販品からの菌を使用する場合、種苗法によって保護されている新品種か否かの判別が必要となる。
【特許文献1】特開平8−89298号公報
【特許文献2】特許第2697783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の試験栽培や対峙培養による識別方法では、栽培又は培養中における外的要因によって影響を受けやすく正確な識別ができない。また、これらの方法では栽培又は菌の培養に長時間を要するという問題があった。
【0007】
本発明はこのような従来の問題に鑑み、迅速かつ正確にプレロータス属きのこの品種識別を可能とする遺伝子増幅用プライマーからなるマーカーを製造するプレロータスエリンギの品種識別用マーカーの製造方法の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の如き従従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載された発明の特徴は、試料とするプレロータスエリンギの全DNAから制限酵素Eco RI/Mse Iによって遺伝子を切り出し、その全断片の内からCTマイクロサテライト領域を含む断片を単離し、その外側にアダプターをつけてpGEM−T Easy Vectorからなるプラスミドベクターに挿入し、大腸菌に形質転換してプラスミドを増幅させ、コロニーハイブリダイゼーションによってCTマイクロサテライト領域を含むプラスミドをもつコロニーを特定し、該コロニーからDNA断片を取り出し、該DNA断片でT7プライマーとSP6プライマーを使用してCTマイクロサテライト領域を含むDNA断片を増幅し、CTマイクロサテライト領域の両側のDNAの塩基配列をシークエンスして得た後に、その塩基配列からCTマイクロサテライト領域を特異的に増幅できるプライマーをデザインすることによって作成することを特徴としてなるプレロータスエリンギの品種識別用マーカーの製造方法にある。
請求項2に記載された発明の特徴は、請求項1の構成に加え、別添の配列表における配列番号1と2のプライマーからなる第1マーカー、同3と4のプライマーからなる第2マーカー、同5と6のプライマーからなる第3マーカー、同7と8のプライマーからなる第4マーカー、同9と10のプライマーからなる第5マーカー、同11と12のプライマーからなる第6マーカー及び同13と14からなる第7マーカーから選択されるマーカーからなるプレロータスエリンギの品種識別用マーカーを製造することにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、上述した方法によって製造した第1〜第7のマーカーの内の複数又は全部を使用してPCRによる識別対象品種の遺伝子の増幅を行うことで現存する殆ど全てのエリンギの品種識別が可能となり、従来の試験栽培や対峙培養に比べて外的要因によって影響を受けることが無くなり、正確な品種識別が可能となり、またこれらの従来の方法に比べて短時間で識別判定結果を得ることができる。また、エリンギの栽培に際し、優良品種の識別データーを保存しておき、これと比較することによって優良品種のみの栽培に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0011】
本発明に係るプレロータ属きのこの遺伝子増幅用プライマーは、後述の配列表における配列番号1と2からなる第1マーカー、同3と4からなる第2マーカー、同5と6からなる第3マーカー、同7と8からなる第4マーカー、同9と10からなる第5マーカー、同11と12からなる第6マーカー及び同13と14からなる第7マーカーの7種類であり、これらの複数マーカーを使用し、対象となるエリンギの菌についてPCR分析を行うことで品種を識別する。
【0012】
上記遺伝子増幅用プライマーの作成は、先ず特定のエリンギの全DNAから制限酵素によって遺伝子を切り出し、その全断片の内からストレプトアビジーンマグネティクビーズ法により、図1に示すようにマイクロサテライト領域Aを含む断片、即ちマイクロサテライト領域に外側に各種の遺伝子配列Bを有する断片Cを単離するとともに、その外側すなわち断片Cの両側の遺伝子配列Bの外側にアダプターDをつける(図1(1))。これをベクターに挿入し、大腸菌を使用してプラスミド増幅させる。次いでコロニーハイブリダイゼーションを行い、目的のベクターを含むものだけを集める。
【0013】
次いでたくさん集められたマイクロサテライト領域を含む配列C+Dの外側にプライマーEをつけて増幅させる(図1(2))。これによって増幅された配列C+Dの内、配列AとBについてシーケンスをして配列を決定し、反復のCTマイクロサテライト領域両側の配列Bの領域の配列を用いて該マイクロサテライト領域を特異的に増幅できるプライマーをデザインする。
【0014】
このようにして得られた多種類のプライマーをマーカーとして多種のエリンギに対して特定のマイクロサテライト領域の遺伝子の増幅を行い、それらのエリンギの品種識別に利用ができるもののみを選定して前記第1〜第7のマーカーを決定した。
【0015】
次に上記各工程の具体的な実施例について説明する。
【0016】
マーカーの作成
1.資料からのDNA抽出
試料としてホクト株式会社製の「エリンギ菌株」(工業技術院生命工学工業技術研究所寄託 7生寄文第1776号(FERM P−15292))を使用した。
【0017】
このエリンギの凍結乾燥試料5mgに対してTE溶液(10mM トリス/塩酸、pH8.0、0.1mM EDTA)1mLと10%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を加えて懸濁し65℃で30分間なじませる。プロテナーゼK 1mg/mLを加え37℃で4時間反応させた。
【0018】
反応終了後、遠心機で遠心分離(10000×G、4℃、20分間)を行って上清を採取し、1/5量の5M NaClと10%CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)を加え65℃で10分間抽出し、等量のクロロホルム/イソアミルアルコール(クロロホルム:イソアミルアルコール=24:1)を加えて転倒混和した。
【0019】
次いで、遠心分離(10000×G、4℃、10分間)を行って上清を採取した。上清に等量のクロロホルム/イソアミルアルコールを加えて転倒混和を3回繰り返して得た上清に1/10量の7.5M酢酸アンモニウムを加え、さらに冷却したエタノール2.5倍量を加えた。遠心分離して得た沈殿を70%エタノールで洗浄し、最終沈殿物をTE溶液500μLに溶解した。
【0020】
溶解後、RNase 1mgを加え37℃で2時間反応させた。反応後、遠心分離(10000×G、4℃、10分間)を行って上清を採取した。上清に等量のクロロホルム/イソアミルアルコールを加えて転倒混和を3回繰り返し繰り返して得た上清に1/10量の7.5M酢酸アンモニウムを加え、さらに冷却したエタノール2.5倍量を加えた。遠心分離して得た沈殿を70%エタノールで洗浄し、最終沈殿物をTE溶液250μLに溶解してDNA試料とした。
2.DNA断片へのアダプターの修飾
市販のアダプター修飾キット(インビトロジェン社製)を用いて、DNA試料(1μg/10μL)に対し制限酵素Eco RI/Mse Iを1μL加え、37℃で2時間反応させた。反応後、等量のアダプターとT4リガーゼ1U/μLを加え、4℃で一晩反応させDNAを断片化させた。反応後、断片化されたDNA溶液2.5μLにEco RIプライマー(50pmol/1μL)1μ、Mse Iプライマー(10pmol/1μL)1μ、2.5ユニットのEX Tagポリメラーゼ(宝酒造株式会社製)100ΜのdNTP(デオキシリボヌクレオチド3リン酸混合液)溶液(宝酒造株式会社製)2μL、PCR用10倍希釈緩衝液(宝酒造株式会社製)2.5μL、滅菌水15.5μLを加えた反応液を調製した。
【0021】
調製した反応液の増幅は、94℃で30秒間、56℃で1分間、72℃で1分間の条件で20サイクル行い、アダプターを修飾したDNA断片を獲得した。
3.マグネティクビーズを利用したモチーフ配列を持つDNA断片の濃縮
獲得したアダプターを修飾したDNA断片の濃縮法は、Kijasら(1994. Circle Reader Service No.193.P657-662)の方法を参考にして行った。モチーフ配列にビオチンを修飾した標識物3μL(1μg/μL)をマグネティクビーズに結合させた溶液と、アダプターを修飾したDNA断片を熱変性させた溶液とを混合し、モチーフ配列を持ちアダプターを修飾したDNA断片をマグネティクビーズに結合している標識物に結合させた。マグネティクビーズの洗浄後、結合しているDNA断片を回収し濃縮DNA断片とした。
4.DNA断片のプラスミドベクターへの挿入
濃縮DNA断片5μL、Eco RIプライマー(50pmol/1μL)0.5μL、Mse Iプライマー(10pmol/1μL)0.5μL、2.5ユニットのEX Tag ポリメラーゼ(宝酒造株式会社製)100ΜのdNTP(デオキシリボヌクレオチド3リン酸混合液)溶液(宝酒造株式会社製)1.2μL、PCR用10倍希釈緩衝液(宝酒造株式会社製)1.5μL、滅菌水5.8μLを加えた反応液を調製した。
【0022】
調製した反応液の増幅は、94℃で30秒間、56℃で1分間、72℃で1分間の条件で20サイクル行い、増幅した濃縮DNA断片を得た。増幅した濃縮DNA断片5μL、ライゲイション緩衝液(プロメガ社製)10μL、プラスミドベクター(pGEM−T Easy Vector)2μL、T4リガーゼ2μL(1U/μL)、滅菌水1μLを加えた反応液を調製し、一晩反応させて濃縮DNA断片をプラスミドベクター(pGEM−T Easy Vector)に挿入させた。
5.形質転換とゲノムライブラリー
濃縮DNA断片を挿入したプラスミドベクター(pGEM−T Easy Vector)とコンピテントセル(E.coli DH5α(東洋紡績株式会社製))を氷中で40分間反応させた後、42℃で45秒の反応を行い、プラスミドベクターをコンピテントセルへ形質転換させた。
【0023】
形質転換した細胞は、SOC培地(東洋紡績株式会社製)900μL加え37℃で1時間培養し、X−gal 40mL(40mg/ml)を染み込ませたLB(1% Bacto Tripton、0.5% Yeast Extract、1% NaCl、1.5% 寒天、アンピシリン(50μg/ml))平面培地に塗布して37℃で一晩培養し、挿入断片を含む白色コロニーをLB寒天培地に単離した。
6.ハイブリダイゼイションと検出
単離したコロニーからモチーフ配列を持ったプラスミドベクター(pGEM−T Easy Vector)が存在するコロニーを検出する。単離したコロニーをメンブレン(Hybond−N+)に付着させ、アルカリ変性液(0.5N NaOH、1.5M NaCl)で反応させ、さらに中和液(1.5M NaCl、0.5M トリス/塩酸、pH7.4)処理を行った後、メンブレンをオーブンで80℃、2時間の処理でプラスミドをメンブレンの表面に固定する。
【0024】
固定したメンブレンに、モチーフ配列を持つDIG(ジゴキシゲニン)化標識物3μL(1μg/μL)をプラスミドとハイブリダイゼイションさせた。DIG化標識物の検出は、DIG発光検出キット(ロシュ社)を使用した。結合しなかったDIG化標識物を洗浄し、結合しているDIG化標識物にアルカリ性フォスファターゼを結合した特異的抗DIG抗体を結合させた後、発光検出試薬と反応させた。反応させたメンブレンをX線フィルムに露光させ、モチーフ配列を持つコロニーを特定した。
7.シークエンスとプライマーの設計および確認
特定したコロニーに挿入されているDNA断片の塩基配列を解読する。まず特定したコロニーを一晩、LB(1% Bacto Tripton、0.5% Veast Extract、1% NaCl)液体培地で培養し、挿入されたDNA断片をPCRで増幅した。
【0025】
増幅は、培養体を3μL、T7プライマー(20pmol)1μL、SP6プライマー(20pmol)1μL、2.5ユニットのHot Star Tag ポリメラーゼ(キアゲン社製)、100ΜのdNTP(デオキシリボヌクレオチド3リン酸混合液)溶液(宝酒造株式会社製)8μL、PCR用10倍希釈緩衝液(宝酒造株式会社製)10μL、滅菌水76μLの反応液を、94℃で1分間、55℃で2分間、72℃で3分間の条件で25サイクル行った。増幅産物は、一部を1.0%アガロースゲル電気泳動で増幅を確認し、残りを精製した。
【0026】
精製した産物は、Dye−terminaterキット(アプライドバイオシステム社製)を用いてシークエンスサンプルを調製した。シークエンスは、ABI Prism Model 310(アプライドバイオシステム社製)を用いて断片の塩基配列を解読した。
【0027】
解読した塩基配列からモチーフ配列のマイクロサテライト領域を見いだし、モチーフ配列のマイクロサテライト領域を確実に増幅できる一組のプライマー(F側/R側)を定法に従って設計した。
【0028】
設計したプライマーは、数品種のエリンギから抽出したDNAを用いてPCRによる増幅を行い、多型を確認した。反応溶液は、数品種のエリンギから抽出したDNA(10ng/μL)2μL、F側プライマー(10pmol/μL)1μL、R側プライマー(10pmol/μL)1μL、2.5ユニットのHot Star Tag ポリメラーゼ(キアゲン社製)、100ΜのdNTP(デオキシリボヌクレオチド3リン酸混合液)溶液(宝酒造株式会社製)1μL、PCR用10倍希釈緩衝液(宝酒造株式会社製)2μL、滅菌水14.5μLを加えた反応液を調製し、92℃で1分間、使用するプライマーのアニール温度により46〜60℃で1分間、72℃で1分間の条件で33サイクル行った。
【0029】
増幅産物は、13%非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離した。DNAの染色と撮影は、常法に従って行った。分離の結果、品種間で多型が得られるプライマーを選択し、増幅される領域を識別マーカーとし第1マーカー〜第7マーカーと記した。
【0030】
このようにして第1表のF側及びR側のプライマーを1組とした第1〜第7マーカーを作成した。
【0031】

マーカーを使用したエリンギの品種識別
数品種のエリンギから抽出したDNAを用いてPCRによる増幅を行い、多型を確認する。反応溶液は、数品種のエリンギから抽出したDNA(10ng/μL)2μL、F側プライマー(10pmol/μL)1μL、R側プライマー(10pmol/μL)1μL、2.5ユニットのHot Star Tag ポリメラーゼ(キアゲン社製)、100ΜのdNTP(デオキシリボヌクレオチド3リン酸混合液)溶液(宝酒造株式会社製)1μL、PCR用10倍希釈緩衝液(宝酒造株式会社製)2μL、滅菌水14.5μLを加えた反応液を調製し、92℃で1分間、使用するプライマーのアニール温度により46〜60℃で1分間、72℃で1分間の条件で33サイクル行った。プライマーは2組以上の組み合わせを使用し、増幅を行う。増幅産物は、13%非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離した。DNAの染色と撮影は、常法に従って行い、DNAの多型を確認することでエリンギの品種を識別する。
【0032】
第1〜第7のマーカーを使用して8種類のエリンギサンプルの品種識別を行った結果、第2表の如くであった。
【0033】

第2表は、第1〜第7の各マーカー1〜7を、各識別対象エリンギサンプルに使用して増幅を行った結果が同じであった場合には同じアルファベットを記入し、異なっている場合には異なったアルファベットを記入している。
【0034】
即ち、マーカー1を使用した品種識別では、識別対象エリンギサンプルNo.1とNo.5〜7は識別、即ち異なるものであるとの判別ができず、また、No.2〜4及びNo.8は識別ができないが、No.1、とNo.2とは識別ができたことを意味している。
【0035】
また、マーカー2を使用した品種識別では、No.1、No.3及びNo.5は識別できず、No.2、No.6及びNo.7は識別できず、N.4及びNo.8は識別できないが、No.1、No.2及びNo.4は識別できた。
【0036】
このように、例えばエリンギサンプルNo.2とNo.3は、マーカー1では識別ができないが、マーカー2では識別ができ、両エリンギサンプルは異なった品種であることが分かる。
【0037】
実験によれば、上述した第1〜第7マーカーを全て使用することによって、現存する品種の異なる15種類のエリンギ全てについて判別が可能であった。
【0038】
尚、上述の実施例においては、識別対象としてプレロータスエリンギの品種識別について説明しているが、上述した第1マーカー〜第7マーカーの1又は2以上を使用し、上記15種類以外のプレロータスエリンギ及びその近縁種の識別も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明におけるマーカーの製造工程における遺伝子断片の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0040】
A マイクロサテライト領域
B マイクロサテライト領域両側の塩基配列
C 断片
D アダプター
E プライマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料とするプレロータスエリンギの全DNAから制限酵素Eco RI/Mse Iによって遺伝子を切り出し、その全断片の内からCTマイクロサテライト領域を含む断片を単離し、その外側にアダプターをつけてpGEM−T Easy Vectorからなるプラスミドベクターに挿入し、大腸菌に形質転換してプラスミドを増幅させ、コロニーハイブリダイゼーションによってCTマイクロサテライト領域を含むプラスミドをもつコロニーを特定し、該コロニーからDNA断片を取り出し、該DNA断片でT7プライマーとSP6プライマーを使用してCTマイクロサテライト領域を含むDNA断片を増幅し、CTマイクロサテライト領域の両側のDNAの塩基配列をシークエンスして得た後に、その塩基配列からCTマイクロサテライト領域を特異的に増幅できるプライマーをデザインすることによって作成することを特徴としてなるプレロータスエリンギの品種識別用マーカーの製造方法。
【請求項2】
別添の配列表における配列番号1と2のプライマーからなる第1マーカー、同3と4のプライマーからなる第2マーカー、同5と6のプライマーからなる第3マーカー、同7と8のプライマーからなる第4マーカー、同9と10のプライマーからなる第5マーカー、同11と12のプライマーからなる第6マーカー及び同13と14からなる第7マーカーから選択されるマーカーからなるプレロータスエリンギの品種識別用マーカーを製造する請求項1に記載のプレロータスエリンギの品種識別用マーカーの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2008−167761(P2008−167761A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34251(P2008−34251)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【分割の表示】特願2004−75085(P2004−75085)の分割
【原出願日】平成16年3月16日(2004.3.16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2003年9月19日 日本育種学会発行の「育種学研究 第5巻 別冊2号 2003年9月 日本育種学会第104回講演要旨集」に発表
【出願人】(390034142)ホクト株式会社 (14)
【Fターム(参考)】