説明

プログラムの自動修正方法及び自動化システム

【課題】自動化システムのプログラムを自動修正する際、自動化システムのサーバ上のアプリケーションやユーザ行動に依存することなく修正が可能な改善された方法を提供する
【解決手段】自動化システム10に属する識別手段20を用い、修正すべきプログラム12のプログラム構成要素16a、16bに関連づけられた第1のデータ18a、18bを確定し、選択手段30を用い、第1のデータ18a、18bに基いて、データベース26に格納された又は保存可能な1つのプログラムコードオブジェクト28a、28bを選択し、その選択されたプログラムコードオブジェクト28a、28bをプログラム12に統合することにより、そのプログラムコードオブジェクト28a、28bを用いてプログラム12を修正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動化システムのプログラムを自動的に修正するための方法に関する。本発明はさらに自動的に修正可能なプログラムを有する自動化システム、並びに自動化システムのプログラムを自動的に修正するための方法をインプリメントするためのプログラムコード指示を有するコンピュータプログラム及びそのようなコンピュータプログラムを有するコンピュータプログラム媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動化システムのファームウェア及びソフトウェアの少なくともいずれかを修正するための方法は一般に知られている。ここで自動化システムの概念には、全機器又は装置を含み、したがって例えばプログラム記憶式制御部のような制御部、プロセス計算機、(工業用)コンピュータなどのほかに、操作制御部、周波数変換器等々を含み、それらは工業技術的プロセスの制御、調節及び監視の少なくともいずれかのために、例えば材料、エネルギー又は情報などの変換又は輸送に使用されるか使用可能であり、その際特に適当な、例えばセンサ又はアクチュエータのような技術的装置を介してエネルギーが消費されるか又は変えられる。
【0003】
そのような修正の受け入れにおいては、したがって例えばアプデート又はアプグレードにおいては、通例自動化システムのユーザがアクティブとされる。ユーザはその際ハードウェア又はソフトウェア「手段」を使用し、この手段によってユーザは自動化システムのファームウェア及びプログラムの少なくともいずれかを自動化システムへ、特にファームウェア及びソフトウェアの少なくともいずれかへ伝送する。加えて、従来のソフトウェア/ファームウェアと最新のものにされたソフトウェア/ファームウェアとの間の再度ユーザによって作動せしめられる有効接続、したがって例えばインストールが必要である。
【0004】
このような修正に対する自動化された選択肢においては、自動化システムから離れて置かれたサーバにあるアプリケーションが自動化システムに対する伝達接続を確立する。アプリケーションは自動化システムのファームウェア及びソフトウェアの少なくともいずれかを調べ、場合によってはより有効なファームウェア及びソフトウェアの少なくともいずれかを自動化システムへ伝送する。この伝送されたウェアはアプリケーションからの伝送後自動化システム上に有効に接続される。
【0005】
しかしながらこの一般的に知られる方法には、修正のための「外部から」の能動化が必要であり、したがって例えばユーザが行動を起すか、又は離れて置かれたサーバ上のアプリケーションが行動を起さなければならない。その際したがって自動化システムないしそのファームウェア及びソフトウェアの少なくともいずれかは、ユーザないし特有のサーバに依存する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ本発明の課題は、自動化システムのプログラム、例えばファームウェア構成要素を含むプログラム、特に制御プログラム等の自動修正のための改善された方法であって、自動化システムがサーバ上のアプリケーション及びユーザ行動の少なくともいずれかに依存しない方法を提供することにある。本発明の別の課題は、自動化システムのプログラムがその作動時間中に修正されることを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は本発明に従えば、請求項1に明確に記述されるような、自動化システムのプログラムの自動修正のための方法によって解決される。そのため、自動化システムに属する識別手段を用いて、例えば不揮発性メモリ、例えばEPROM、EEPROM、バッファRAM、メモリカード、ハードディスク等に格納された又は保存可能なプログラム構成要素に関連づけられた第1のデータが確定される。例えば選択プログラム、選択ルーチン、サブルーチン等のような例えばソフトウェア選択手段及びハードウェア選択手段の少なくともいずれかといった選択手段を用いて、第1のデータに基き、少なくとも1つのデータベースに格納された又は保存可能なデータオブジェクト、特にプログラムコードデータを有するデータオブジェクト(以下プログラムコードオブジェクトという)が選択され、自動化システムのプログラムがプログラムコードオブジェクトを用いて、プログラムコードオブジェクトがプログラムに統合されることによって少なくとも部分的に修正される。これによって、修正は自動化システムそのものによって自動的に初期化され実行されることが保証される。識別手段は例えばソフトウェアとして実現することができる。
【0008】
本発明の別の課題は、方法を実施するための特に適した自動化システムを提供することにある。この課題は請求項11に明確に記述されたような自動化システムによって解決される。
【0009】
本発明の有利な構成は従属請求項に記載したとおりである。そこに使用される引用は、各従属請求項の特徴によって主請求項の対象が別様に構成されることを示すものである。即ち、それらの引用は、引用された従属請求項の特徴の組み合わせに対する独立した対象の保護の獲得を放棄するものと解されるべきではない。さらに請求項の解釈を顧慮して、後続の請求項において特徴が詳細に具体化されている場合には、そのような限定はそれぞれ先行する請求項には存在しないことに由来している。
【0010】
プログラムが少なくともファームウェア構成要素を含むと有利であり、その際自動化システムに属する識別手段を用いて、プログラム構成要素としてのファームウェア構成要素に関連づけられた第1のデータが確定され、その際プログラムがプログラムコードオブジェクトを用いて、プログラムコードオブジェクトがファームウェア構成要素としてプログラムに統合されることによって少なくとも部分的に修正される。これによって、プログラムの簡単な修正及び更新の少なくともいずれかが、特にファームウェア構成要素を用いて、保証される。
【0011】
有利な実施形態においては、データベースは少なくとも1つのサーバに属し、その際サーバは自動化システムから離れて置かれているか、又はその自動化システム又は別の自動化システムの統合された構成要素であり得る。
【0012】
自動化システムから離れて置かれたサーバの場合、例えばプログラムコードオブジェクトの格納は簡易化される。加えて、データベースは簡単な仕方で拡張、補完、増大、移動等が可能である。即ち、交換可能なサブデータベースからデータベースのモジュラー構造も可能である。データベースはその際サーバの統合された構成要素であることが可能であり、又はデータベースはサーバと導線接続、又は無線式に伝達可能に結合されることが可能である。その際この導線接続はここで又以下において例えばケーブル、導体等に関係し、無線式は例えば無線中継方式、W-LAN(無線ラン)、ブルートゥース、赤外線、レーザ、無線Firewire(IEEE1394インタフェース)等が関係する。サーバ及び自動化システムはその際同様に導線接続で又は無線式に伝達可能に相互に接続されるか接続可能であり得る。さらに、サーバ及び自動化システムは例えば直接又は間接に、例えばインタネットを用いて接続されるようにすることができる。さらに、複数の自動化システムが1つのサーバにアクセスすることができ、例えばネットワークが星型構成を作ることができ、或はリング構成、線状構成又は星型、リング及び線状構成の任意の組み合わせを備えることができ、それは整備や更新等を簡単化し、したがってコストの低減に寄与する。
【0013】
選択手段、識別手段又は選択及び識別手段がプログラム構成要素として、したがって自動化システムの必要に応じて更新すべきプログラムの構成要素として実施されると特に有利である。これによって高いフレキシビリティが、例えば簡単な変更可能性、例えばアップデート及びアップグレード可能性の少なくともいずれかが保証される。それに代えて、これらの手段の少なくとも1つを、少なくとも1つの外部の、したがってプログラムに属さない構成要素として実施することができ、その構成要素はプログラムへのアクセス又は少なくともプログラムの構成要素へのアクセスを持つ。それに加えて又はそれに代えて、選択手段及び識別手段の少なくともいずれかはハードウェアとして実行することができる。
【0014】
プログラム構成要素したがって例えばファームウェア構成要素に関連づけられた少なくとも1つの第2のデータと選択されたプログラムコードオブジェクトに関連づけられた少なくとも1つの第3のデータが、例えば比較器を用いて比較され、プログラムがその比較の結果に依存して少なくとも部分的に修正されるのが有利である。その際、例えば第2及び第3のデータはバージョン番号、設定日付、変更日付、参照番号、これらの組み合わせ等であってよい。これによって、選択されたプログラムコードオブジェクトが、プログラムの更新、改善、拡張、変更またはその他の望ましい修正を保証することが確保される。したがって、プログラム構成要素、特にプログラムコードオブジェクトがプログラム中に統合されるものとしてのファームウェア構成要素が、既に自動化システム中に存在する対応したプログラム構成要素より最新の度合いが高く、したがって例えばアップデート/アップグレード又はダウングレードが実行されることが保証される。
【0015】
第2のデータはプログラムから取り出し可能か又は確定可能であるのが特に有利である。さらに、第3のデータがプログラムコードオブジェクトから取出し可能か又は確定可能であり得る。第2、第3又は両データはその場合バージョン番号、設定日付、変更日付、参照番号、プログラム名、ロットサイズ、ロット識別等、又はそれらの任意の組み合わせを対象とすることができる。この場合及び以下において、例えば少なくとも1つのデータはプログラム(第2のデータ)又はプログラムコードオブジェクト(第3のデータ)から直接使用可能か又は例えばアルゴリズム等に基いてプログラムから又はプログラムの少なくとも一部分から確定可能であることを意味することが察知される。それに加えて又はそれに代えて、少なくとも1つのデータは外部に(したがってプログラム中ではなく)、格納されるか又は保存可能であり、直接第2の又は第3のデータとして、又は間接にアルゴリズムに対する入力値として使用することができる。これによって、第2及び第3のデータの少なくともいずれかの良好な変更可能性が保証され、そのことから自動化システム又は自動化技術の発展に本方法の改善された適応可能性をもたらす。
【0016】
それに加えて又はそれに代えて、第1のデータはバージョン番号、設定日付、変更日付、参照番号、プログラム名、ロット識別(例えばロット名等)、ロットサイズ、ハードウェア識別、例えばボード識別、プロセッサ識別、及びMAC(Media Access Control)アドレス等の少なくともいずれかであってよく、さらに第1のデータは第2のデータと対応可能、したがって第2のデータは例えば第1のデータから確定可能又は第1のデータと同一であり得る。
【0017】
本方法は、例えばソフトウェア構成要素及びハードウェア構成要素の少なくともいずれかとして構成されていてよい初期化手段を用いて、プログラムの初期化、プログラム終了、プログラム中断、プログラム休止等と関連して呼び出されたり実行されるのが有利である。プログラムの初期化とは、ここでは例えば自動化システムなどの「加速」中のプログラムの能動化をいう。さらに初期化手段はこの際、方法が自動変更のために実行され得るか、したがってプログラムコードオブジェクトがプログラム中に統合され得るかをテストすることができる。それに代えて、そのようなテストが初期化手段により初期化可能及び制御可能の少なくともいずれかであり得る。それによって、例えばプログラムの作動時間中そのようなプログラム構成要素、特にファームウェア構成要素のみが変更されることが保証され、その構成要素の交換によって、プログラムにより制御される自動化プロセスが妨害されたり、阻止されたり、中断されたり、又はほかのなんらかのやり方で害されることがない。更新されたプログラム構成要素、特にファームウェア構成要素のプログラム中へのその統合による有効接続は、インストール又はアップグレードから即ち伝送から時間的に外すことができる。その際プログラムコードオブジェクトは、自動化システムの運転に影響を及ぼすことなく有効接続が実行され得ることをテストが初期化手段を用いて明らかにするまで、データベース中に保持することができる。
【0018】
プログラムはもっぱら、不揮発性メモリ、したがって例えばEPROM、EEPROM、バッファRAM、メモリカード、ハードディスク等に格納されるか保存可能なファームウェア構成要素を含むことができる。これによって、プログラム、特にファームウェア及びファームウェア構成要素の少なくともいずれかの簡単、快適で費用のかからない変更可能性、例えばアップデート又はアップグレード、が保証される。
【0019】
自動化システムに関して、自動化システム及びサーバが自動化システムをサーバと伝達接続のための少なくとも1つの一般に知られたインタフェースを含むようにするのが有利である。
【0020】
第1の又は各第1のデータに対して、データベース中に少なくとも1つのプログラムコードオブジェクトが格納されるか保存可能とすることができ、その結果第1のデータに基いて1つ又は1つより多い格納されたプログラムコードオブジェクトが選択され、自動化システムへ伝送され、そこでそのプログラムコードオブジェクトが現代に即して又は伝送から外されて有効接続される。
【0021】
第1のデータベース中の1つの又は各プログラムコードオブジェクトには、その際例えば参照テーブルにおいて、1つ又は複数の付加のプログラムコードオブジェクトが所属されているようにすることができ、その付加のプログラムコードオブジェクトは例えば、プログラムコードオブジェクトがプログラム中に統合された後の正確な実行可能性のために、又はプログラムの全体としての実行可能性のために、必要又は望まれるものであり、又はその付加のプログラムコードオブジェクトは統合すべきプログラムコードオブジェクトのための付加の機能を含む。これによって例えば、付加の機能性を要求するプログラムコードオブジェクトの統合の際に、この機能性が統合プロセスによって同時に共に把握されることが達成される。
【0022】
選択手段及び初期化手段の少なくともいずれかは、例えば、自動化システムに属するか又は自動化システムの統合構成要素である第2のデータベースに保存されているか保存可能であるようにすることができる。これによって、選択手段及び初期化手段の少なくともいずれかの簡単な変更可能性又は交換可能性が第2のデータベースを別の第2のデータベースにより置換することにより保証される。
【0023】
第2のデータと第3のデータとは、例えばハードウェア又はソフトウェアで実行される比較手段により比較することができる。この比較手段はその比較の結果に依存して、プログラムの修正を作動させる信号を発生する。その際その修正はまた時間的にその作動から外されることも可能である。例えば、第1のデータ及び第2のデータの少なくともいずれかはプログラムから、並びに第3のデータはプログラムコードオブジェクトからの少なくともいずれかが、プログラムの少なくとも1つの第1の決定構成要素、したがって例えばプログラムのサブプログラムを用いて、プログラムそのものから、又はプログラムのために預けられているデータから取り出され確定されることの少なくともいずれかが可能である。
【0024】
したがって本発明の利点及びその実施形態は、特に、自動化システムにおいて更新すべきプログラム(特に少なくとも1つのファームウェア構成要素を含むプログラム)の自動修正に関する能動性、例えば自動修正の受け入れ及び実行の少なくともいずれか、が自動化システム又はプログラムそのものから出発することにある。それ故特に「外部からの」したがって例えばユーザやアプリケーションソフトウェアを持った外部サーバからの能動性は必要としない。サーバのアプリケーションソフトウェアはここではサーバから出発して自動化システムに対する結合の構築のためには必要となる。そのアプリケーションソフトウェアはファームウェア構成要素、プログラム等々のテストを達成し、例えばより有効なファームウェア構成要素又はより有効なプログラムを自動化機器へ伝送することになる。さらに、サーバのアプリケーションソフトウェアは伝送されたファームウェア又は伝送されたプログラムを自動化システム内で有効になるように接続することになる。
【0025】
本発明の別の利点及びその実施形態はさらに、例えば1つ又は複数の自動化システムを持った機械によってさまざまな製造が可能なことである。例えば製造に必要なデータを含むプログラムコードオブジェクトはその際例えば自動的に又はユーザによって、製造が行われるべき時点と関係してサーバ(及びサーバに属するデータベースの少なくともいずれか)に格納される。自動化システムは持続的に又は時間的な間隔をおいて「適切な」プログラムコードオブジェクトを「探し求め」、そのオブジェクトを自動的にサーバから、又はデータベースからロードする。このプログラムコードオブジェクトはさらに自動的に能動化することができる。
【0026】
その際データベースに格納された少なくとも1つのデータオブジェクトは製造プロセスに関連づけられたデータ又はデータセットを表わすことができ、又はその特徴においてプログラムコードオブジェクトとしてそのようなデータを含むことができる。データ又はデータセットはその場合例えばロットサイズ、ロット識別、除くべきプログラムの識別、工具識別、温度、速度等々である。それゆえ、自動化システム又は自動化システムの群に対する「中央の場所」には、製造プロセス上重要なデータが簡単で費用のかからない仕方で格納されることが可能となり、その場所でデータは「呼び出し」に対し自動化システムに待機している。自動化システムは持続的に又は時間的な間隔をおいて、データ又はデータセットがそのために保存されているかどうかを調べるので、それぞれ使用すべきデータが迅速に自動化システムの自由な使用に任せられ、そのことは製造制御の際のフレキシビリティ、変化する製造条件、抽出物、製品、製造すべき量、工具、製造経過等々への迅速な適応性を生み出す。そのように、例えば、製造ステップが温度T1で自動化システムを用いて実行されることが可能であるとする。しかしその製造ステップが変更された温度T2で実行されることにより製造ステップの効率が高まり得る場合には、簡単且つ迅速にこの温度(T2)を含むデータ又はプログラムコードオブジェクトがサーバに属するデータバンクに格納され得る。このデータ又はプログラムコードオブジェクトはそこで、データベースに保存されたデータ/データセットの自動化システムにより実行される調べに基いて自動化システムにより「見出され」、ダウンロードされ、プログラム中に統合され、その結果製造ステップは今や変更された温度T2で実行される。
【0027】
さらに、本発明及びその実施形態によって、例えばファームウェア/ファームウェア構成要素、プロジェクト、プログラム等々の他のバージョンの簡単なインストール又はアップデートも可能となる。さらに、例えば2つの製造コンフィギュレーション間で少なくとも1つの整備コンフィギュレーションをインストール又はアップグレード可能かつ能動化可能にすることができる。
【0028】
本発明においては、自動化機器がプログラムを含み、そのプログラムが第1のデータベースと結び付けられたサーバに対する伝達結合を構築するか又はその構築を初期化するか制御するので、自動化機器を悪意のあるアクセスから保護する例えばファイアウォールのような例えば電子式の保護措置の機能を投入する必要はない。さらに例えば、「外部から」アクセスするユーザ、サーバにおけるアプリケーションソフトウェア、ソフトウェア又はハードウェア「手段」の認証及び権限付与の少なくともいずれかは必要とせず、それによってとりわけ自動化システムの操作の快適性が高まる。
【0029】
加えて、第1のデータベースの簡単な拡張が、例えば別のメモリ構成要素に関して、簡単かつ割安に可能であるので、多数のプログラムコードオブジェクトが中央の場所に保持され、そのことがさらなる簡略化及び費用低減を必然的に伴う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(実施例)
以下に本発明の実施例を図面について詳細に説明する。相互に対応する対象物又は要素にはすべての図において同符号が付されている。
【0031】
いずれの実施例も、本発明を限定するものとして理解すべきではない。むしろ本開示の枠組みにおいて多数の変更及び修正が可能であり、特に、例えば一般に又は特殊な記述部分と関連して記載され、また請求項や図面に含まれる個々の特徴ないし要素又は方法ステップの組み合わせ又は変化させたものによって当業者にとって課題を顧慮して読み取ることができ、さらに組み合わせ可能な特徴によって新しい対象又は新しい方法ステップないし連続する方法ステップに導くような変形及び組み合わせが可能である。
【0032】
図1は自動修正可能なプログラム12を有する自動化システム10を図解したものである。そのプログラム12は少なくとも1つのファームウェア構成要素14aを含む。またその必要があれば別のファームウェア構成要素14b及び少なくとも1つのプログラム構成要素16aの少なくともいずれかを含んでいてもよい。第1のデータ18a、18bはその際ファムウェア構成要素14a、14bに関連づけられている、及び例えばファームウェア構成要素14a、14bのため図示されないデータバンク内に保存可能である、の少なくともいずれかであってよい。自動化システム10に属される識別手段20は、ファームウェア構成要素14a、14bに属する第1のデータ18a、18bを確定する。自動化システム10及びそれから離れて置かれたサーバ22は、導線接続又は無線式に、情報伝達接続23を介して例えば既知のインタフェース24a、24bの使用のもとに情報伝達を行う。その際サーバ22を介してデータベース26にアクセスされ、そのデータベースにはプログラムコードオブジェクト28a、28bが保存されている。このアクセスは自動化システム10に属する選択手段30によって行われ、この選択手段はハードウェア又はソフトウェア又はそれらの組み合わせとして構成されていてよい。識別手段20を用いて確定される第1のデータ18a、18bに基づいて、選択手段30により1つのプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cが選択される。各プログラムコードオブジェクト28a、28b、28cに対し、第1のデータ18a、18bに対応するか又はこの第1のデータ18a、18bに一致するデータの、第4のデータ32a、32bが確定可能又は保存されている。選択手段30を用いて選択されたプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cは自動化システム10へ伝送される。自動化システム10の統合手段34は選択されたプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cをプログラム12に統合する。その際選択されたプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cは特にファームウェア構成要素14a、14bとしてプログラム12に統合される。他のプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cはまたプログラム構成要素16a、16bとしてプログラム12に統合されることもできる。プログラムコードオブジェクト28a、28b、28cのプログラム12への統合はその際プログラム12の修正に用いられ、例えばプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cの自動化システムへの伝送中に、又は伝送に引き続いて行うことができる。その際、伝送に引続いて自動化システム10への統合が行われる場合には、統合は例えばプログラム12の初期化、終了、中断、休止、経過等々と関連して行うことができる。その際統合手段34は、自動修正がプログラム経過の阻害なしに実行され得るかどうかを調べる。それに代えて、統合手段34は例えばプログラム12、自動化システム10を用いて、又はプログラム12又は自動化システムと結び付ける初期化手段34aによって発生される信号(図示せず)を用いて制御される、したがって例えばトリガされる、中断される、終了される等々のことができる。
【0033】
識別手段20、選択手段30及び統合手段の少なくともいずれかはソフトウェア及びハードウェアの少なくともいずれかとして構成されていてよく、例えば自動化システム10の統合構成要素であってよく、ここでは例えば特にプログラム12に属する、例えばサブプログラム、プログラム構成要素等々のような構成要素であってよい。
【0034】
図2はプログラムの自動修正のための本発明による方法を図解した説明図である。この方法においては先ずファームウェア構成要素14a、14bに関連づけられるか、又はこの構成要素のために格納されるかの少なくともいずれかにより第1のデータ18aが識別手段20により確定される。この第1のデータ18aに基いて、データベース26(図1参照)に保存されたプログラムコードオブジェクト28aが選択手段30を用いて選択される。プログラム12から確定されるか又はこのプログラム12のために保存されるかの少なくともいずれかによる第2のデータ36が、プログラムコードオブジェクト28aから確定されるか又はこのプログラムコードオブジェクトのために保存されるかの少なくともいずれかによる第3のデータ38と、例えば比較器40を用いて比較される。この比較器はソフトウェア及びハードウェアの少なくともいずれかとして構成されていてよい。その場合第2のデータ36は例えば第1のデータ18aと一致しているか、又はこの第1のデータから例えばアルゴリズムを用いて確定可能であってよい。プログラムコードオブジェクト28aに対する選択基準42が満たされている、したがって例えばプログラムコードオブジェクト28aがファームウェア構成要素14a、14b(図1参照)より有効である、という比較結果である場合には、プログラムコードオブジェクト28aのプログラム12への統合が行われる。そのためまずプログラムコードオブジェクト28aが自動化システム10へ伝送される。自動化システム10に対する伝送と共同してプログラミング12の修正が行われ、この修正は例えば統合手段34(図1に示されるようなもの)を用いて達成される。
【0035】
図3は、図2に示されるような方法と共同する情報伝達ネット44を図解したものである。自動化システム10において第1のデータ18aが確定される。自動化システム10はサーバ22との情報伝達接続23を作り上げる。それに続いて選択手段30(図1に示される)を用いて、ある数のプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cから1つのプログラムコードオブジェクト28bが選択され、サーバ22及び情報伝達接続23、ここでは通信ネット44を介して自動化システム10へ伝送される。プログラムコードオブジェクト28bの選択の際又は伝送と共同して、プログラムコードオブジェクト28bがプログラム構成要素16a、16bより有効であるかが検査される。検査の結果プログラムコードオブジェクト28bがより有効であることが判明したときには、検査に引続き、このプログラムコードオブジェクトがプログラム12に統合され、それによってプログラム12は修正される。この際、プログラムコードオブジェクト28bは特にファームウェア構成要素14a、14b(図1に示される)として統合される。その際プログラム12は作動時間の間、その前又は後に修正され得る。その際初期化手段34aを用いて、プログラム12、プログラム12の部分又はその経過が、プログラムコードオブジェクト28a、28b,28cのプログラム12への統合時点に阻害されないことが確保され、その結果例えば自動化システム10により又は自動化システム10の構成要素により実行される自動化プロセスが妨害されたり中断されたりすることがない。
【0036】
したがって本発明は要約すれば次のように表現することができる。すなわち、自動化システム10のプログラム12の自動修正のための方法が提供され、その方法においては自動化システム10に属する識別手段20を用いてプログラム12のプログラム構成要素16a、16bに関連づけられた第1のデータ18a、18bが確定され、その際選択手段30を用いて第1のデータ18a、18bに基づき少なくとも1つのデータベース26に格納された又は保存可能な1つのプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cが選択され、その際プログラムコードオブジェクト28a、28b、28cがプログラム12に統合されることによって、プログラム12がプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cを用いて少なくとも部分的に修正される。また自動化システム10が提供され、この自動化システムは、特に少なくともファームウェア構成要素14a、14bを含み本方法に従い自動的に修正可能なプログラム12、プログラム構成要素16a、16b特にファームウェア構成要素14a、14bに関連づけられる第1のデータ18a、18bを確定するための所属の識別手段20、少なくとも1つのデータベース26に格納された又は保存可能な1つのプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cを第1のデータ18a、18bに基づいて選択するための選択手段30、及びプログラムコードオブジェクト28a、28b、28cを特にファームウェア構成要素14a、14bとしてプログラム12に統合するための統合手段34を有する。最後にコンピュータプログラムが提供され、このコンピュータプログラムは、本方法をインプリメントするためコンピュータにより実行可能なプログラムコード指示、及びこのようなコンピュータプログラムを有するコンピュータプログラム媒体特にメモリ媒体を有する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】自動修正可能なプログラムを有する本発明による自動化システムの構成配置図である。
【図2】自動化システムのプログラムを自動修正するための本発明による方法の説明図である。
【図3】プログラムコードオブジェクトの選択、伝送及び有効接続による、図2に示されるような方法と共同する伝達網の説明図である。
【符号の説明】
【0038】
10 自動化システム
12 プログラム
14a、14b ファームウェア構成要素
16as、16b プログラム構成要素
18a、18b 第1のデータ
20 識別手段
22 サーバ
23 情報伝達接続
24a、24b インタフェース
26 データベース
28a、28b、28c プログラムコードオブジェクト
30 選択手段
32a、32b
34 統合手段
34a 初期化手段
36 第2のデータ
38 第3のデータ
40 比較器
42 選択基準
44 情報伝達ネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化システム(10)のプログラム(12)を自動修正するための方法において、
前記自動化システム(10)に属する識別手段(20)を用い、前記プログラム(12)のプログラム構成要素(16a、16b)に関連づけられた第1のデータ(18a、18b)が確定され、
選択手段(30)を用い、前記第1のデータ(18a、18b)に基いて、少なくとも1つのデータベース(26)に格納された又は保存可能なプログラムコードオブジェクト(28a、28b、28c)が選択され、
前記プログラムコードオブジェクト(28a、28b、28c)が前記プログラム(12)に統合されることにより、前記プログラム(12)が前記プログラムコードオブジェクト(28a、28b、28c)を用いて少なくとも部分的に修正される
自動化システムのプログラム自動修正方法。
【請求項2】
前記プログラムが少なくともファームウェア構成要素(14a、14b)を含み、
前記自動化システム(10)に属する識別手段(20)を用い、プログラム構成要素(16a、16b)としてのファームウェア構成要素(14a、14b)に関連づけられた第1のデータ(18a、18b)が確定され、
前記プログラムコードオブジェクト(28a、28b、28c)がファームウェア構成要素(14a、14b)として前記プログラム(12)に統合されることにより、前記プログラム(12)が前記プログラムコードオブジェクト(28a、28b、28c)を用いて少なくとも部分的に修正される
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記データベース(26)が前記自動化システム(10)から離れて置かれたサーバ(22)に属している請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記選択手段(30)及び前記識別手段(20)の少なくともいずれかが前記プログラム(12)のプログラム構成要素(16a、16b)である請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記プログラム(12)の前記プログラム構成要素(16a、16b)に関連づけられた少なくとも1つの第2のデータ(36)と選択された前記プログラムコードオブジェクト(28a、28b、28c)に関連づけられた少なくとも1つの第3のデータ(38)とが比較され、前記プログラム(12)が前記比較の結果に依存して少なくとも部分的に修正される請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記第2のデータ(36)が前記プログラム(12)から、及び前記第3のデータ(38)が前記プログラムコードオブジェクト(28a、28b、28c)から、の少なくともいずれかにより取出し可能又は確定可能である請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第2のデータ(36)及び前記第3のデータ(36、38)の少なくともいずれかが、バージョン番号、設定日付、変更日付及び参照番号の少なくともいずれかである請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
前記第1のデータ(18a、18b)がバージョン番号、設定日付、変更日付、参照番号及びハードウェア識別の少なくともいずれかである請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
初期化手段(34a)を用い、前記プログラム(12)の初期化、プログラム終了、プログラム中断及びプログラム休止の少なくともいずれかと関連して自動変更が呼び出されること、及び自動修正が実行可能かどうかを前記初期化手段(34a)が調べること、の少なくともいずれかが行われる請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記プログラム(12)がもっぱら、不揮発性メモリに格納された又は保存可能なファームウェア構成要素(14a、14b)を含む請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
特に少なくともファームウェア構成要素(14a、14b)を含み、請求項1〜10のいずれか1つにより修正可能なプログラム(12)を有する自動化システム(10)であって、
前記自動化システム(10)に属し、プログラム構成要素(12)特にファームウェア構成要素(14a、14b)に関連づけられた第1のデータ(18a、18b)を確定するための識別手段(20)を有し、
少なくとも1つのデータベース(26)に格納された又は保存可能なプログラムコードオブジェクト(28a、28b、28c)を前記第1のデータ(18a、18b)に基いて選択するための選択手段(30)、及び前記プログラムコードオブジェクト(28a、28b、28c)を前記プログラム(12)に特にファームウェア構成要素(14a、14b)として統合し、プログラムを修正するための統合手段(34)を有する
自動化システム。
【請求項12】
コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるとき請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法をインプリメントするためコンピュータにより実行可能なプログラムコード指示を有するコンピュータプログラム。
【請求項13】
コンピュータにより実行可能な請求項12記載のコンピュータプログラムを有する特にメモリ媒体であるコンピュータプログラム媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−99150(P2009−99150A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265393(P2008−265393)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】