説明

プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法

【課題】プロジェクターの認証操作を第三者に見せずに行い、使用可能にできるプロジェクターを提供する。
【解決手段】認証手段201による認証が成功した後、認証済フラグ21aをセットして、計時部32による計時を開始し、電源オン操作時に、認証済フラグ21aがセットされ、かつ計時部32による計時が使用待機時間T1を経過していた場合に画像投写手段10による入力画像の投写を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターの不正使用を防止するため、使用開始時に暗証番号を入力し、認証を行うものが知られている。このようなプロジェクターによれば、暗証番号を知らない第三者に不正に使用されるのを防止することができる。また、特許文献1には電源オン時に所定のキー操作によって認証を行うプロジェクターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−338604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらプロジェクターを、使用者以外の聴衆がいる環境で使う場合、認証のための暗証番号の入力操作や、特許文献1のプロジェクターにあるような、認証のための所定のキー操作である認証操作を、使用者以外の第三者に見られてしまい、認証のための暗証番号や、所定のキー操作を知られてしまう虞があった。認証操作を見られないために、使用開始する少し前、聴衆が集まる前に使用者のみがいるときにプロジェクターを起動して認証しておく方法もあるが、実際にプロジェクターを使用開始するまでの間にプロジェクターを投写状態にしておく必要があるので、プロジェクターの光源が消耗してしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写するプロジェクターであって、ユーザーの入力操作を受け付ける入力操作手段と、前記入力操作手段が受け付けた認証操作に基づいて当該プロジェクターの認証を行う認証手段と、当該プロジェクターを使用開始するまでの使用待機時間を設定する、使用予約手段と、前記認証手段による前記認証が成功した後、前記使用予約手段によって設定された前記使用待機時間を経過してから、当該プロジェクターを使用可能にする制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、プロジェクターの認証が成功した後、実際にプロジェクターを使用開始するまでの使用待機時間を予め設定し、設定された使用待機時間が経過した後でプロジェクターが使用可能になる。つまり、プロジェクターを使用開始する少し前、他に聴衆がいないときに予め認証を行っておくことにより、使用開始前の認証操作を見られずに済み、第三者に認証操作が漏れるのを防止することが可能となる。また、認証成功後、使用待機時間が経過するまでの間に第三者にプロジェクターを使用されるのを防止することが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御手段は、前記認証手段による前記認証が成功した後、前記使用予約手段によって設定された前記使用待機時間が経過するまで、当該プロジェクターの電源をオフすることを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、プロジェクターの認証が成功した後、予め設定された使用待機時間が経過するまで、電源がオフされるので、使用開始前に光源が消耗するのを防止することが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記認証手段による前記認証が成功した後、前記使用予約手段によって設定された前記使用待機時間が経過したか否かを報知する報知手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、プロジェクターの認証が成功した後、使用待機時間が経過して、プロジェクターが使用可能になったか、または使用待機時間が経過しておらず、まだ使用できないかを、電源操作する前にユーザーが報知手段により確認することが可能となる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御手段は、前記認証手段による前記認証が成功した後、前記使用予約手段によって設定された前記使用待機時間が経過する前に、再度、前記認証手段による前記認証を行うことで、当該プロジェクターを使用可能にすることを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、プロジェクターの認証成功後、使用待機時間が経過する前に予定が変わって使用したくなった場合でも再度認証を行うことで、プロジェクターを使用することが可能となる。
【0014】
[適用例5]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写するプロジェクターの制御方法であって、当該プロジェクターの使用許可を得るための認証情報の入力を受け付ける認証情報入力ステップと、前記認証情報入力ステップが受け付けた操作に基づいて前記プロジェクターの認証を行う認証ステップと、当該プロジェクターを使用開始するまでの使用待機時間を設定する、使用予約ステップと、前記認証ステップによる前記認証が成功した後、前記使用予約ステップによって設定された前記使用待機時間を経過したか否かを判断する判断ステップと、前記判断ステップにより、前記使用待機時間を経過したと判断した場合に当該プロジェクターを使用可能にする制御ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、プロジェクターの認証が成功した後、実際にプロジェクターを使用開始するまでの使用待機時間を予め設定し、設定された使用待機時間が経過した後でプロジェクターが使用可能になる。つまり、プロジェクターを使用開始する少し前、他に聴衆がいないときに予め認証を行っておくことにより、使用開始前の認証操作を見られずに済み、第三者に認証操作が漏れるのを防止することが可能となる。また、認証成功後、使用待機時間が経過するまでの間に第三者にプロジェクターを使用されるのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プロジェクター1の回路構成を示すブロック図。
【図2】プロジェクター1が電源オン操作を受け付けた時の動作を示すフローチャート。
【図3】プロジェクター1がスタンバイ中に使用待機時間T1が経過したときの動作を示すフローチャート。
【図4】プロジェクター1が認証に成功したときの確認メッセージM1の一例を示す図。
【図5】プロジェクター1に使用待機時間を設定するときの画面P1の一例を示す図。
【図6】プロジェクター1が認証に失敗したときの警告メッセージM2の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクターの回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、画像投写手段10、報知手段15、OSD処理手段16、画像信号処理手段17、画像信号入力手段18、制御手段20、記憶手段21、入力操作手段23、光源制御手段25、電源端子30、電源部31、計時部32等で構成されており、これらは図示しない筐体の内部に収容されている。
【0019】
画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動手段14等を含んでいる。画像投写手段10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調し、投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0020】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。
光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0021】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
液晶駆動手段14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0022】
上記実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は、光源としてLED(Light emitting diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、本実施形態では、画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0023】
制御手段20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶手段21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御手段20は、記憶手段21とともにコンピューターとして機能する。
【0024】
また、制御手段20は、認証手段201と使用予約手段202を含んで構成される。
認証手段201は入力操手段23が受け付けた認証操作(例えば、暗証番号の入力)に基づいてプロジェクター1の認証を行う。
使用予約手段202はプロジェクター1が認証成功後に実際に使用開始するまでの使用待機時間T1を設定する。
【0025】
記憶手段21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶手段21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
本実施形態では設定データとして、プロジェクター1が認証手段201による認証に成功したことを示す、認証済フラグ21aが保存される。
【0026】
入力操作手段23は、図示は省略するが、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。入力操作手段23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、画像信号入力手段18の複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー、数字キー等がある。
【0027】
ユーザーが入力操作手段23の各種操作キーを操作すると、入力操作手段23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御手段20に出力する。なお、入力操作手段23は、リモートコントローラー(リモコン)信号受信手段(図示せず)と遠隔操作が可能なリモートコントローラー(図示せず)を有した構成としてもよい。この場合、リモートコントローラーは、使用者の操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発し、リモコン信号受信手段がこれを受信して制御情報として制御手段20に伝達する。
また、入力操作手段23は上述したキーにより、プロジェクター1の使用許可を得るための認証操作を行い、認証手段201に入力する。
【0028】
画像信号入力手段18は、上述したように複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0029】
画像信号処理手段17は、画像信号入力手段18から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0030】
OSD処理手段16は、制御手段20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理手段16は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御手段20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理手段16は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理手段17から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動手段14に出力される。なお、制御手段20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理手段16は、画像信号処理手段17から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動手段14に出力する。
【0031】
液晶駆動手段14は、OSD処理手段16から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0032】
報知手段15は、LED等で構成され、プロジェクター1の各種状態を報知する。本実施形態では、プロジェクター1が認証手段201による認証成功後、使用待機時間T1が経過する前の使用待機状態か、または認証手段201による認証成功後、使用待機時間T1が経過した使用可能状態かをユーザーに報知する。
【0033】
光源制御手段25は、制御手段20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯、及び消灯を切り替える。
【0034】
電源部31には、電源端子30を介してAC100V等の電力が外部から供給される。電源部31は、入力した電力(交流電力)を所定の直流電力に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部31は、制御手段20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源のオン操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0035】
計時部32はリアルタイムクロック等で構成される時間計測部であり、バックアップ電源(図示せず)により、電源オフ時でも計時動作を行う。
【0036】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を図2、および図3のフローチャートを用いて説明する。
【0037】
〔電源オン操作を受け付けたときの動作〕
図2はプロジェクター1が電源オン操作を受け付けたときの動作を示すフローチャートである。
図2に示すように、プロジェクター1が、入力操作手段23より電源オン操作を受け付けると(ステップS101)、制御手段20は、認証済フラグ21aがセットされているか否かを調べる(ステップS102)。認証済フラグ21aがセットされている場合(ステップS102:Y)、ステップS111に遷移する。認証済フラグ21aがセットされていない場合(ステップS102:N)、ステップS103に遷移する。
【0038】
ステップS103において、認証手段201により認証を行い(実行)、ステップS104に遷移する。
【0039】
ステップS104において認証手段201は、ステップS103での認証が成功したか否かを調べる。認証が成功した場合(ステップS104:Y)、ステップS105に遷移する。認証が成功しなかった(失敗した)場合(ステップS104:N)、ステップS106に遷移する。
【0040】
ステップS105において制御手段20は、確認メッセージM1(図4参照)を画像投写手段10に投写させ、プロジェクター1を直ちに使用するか、使用待機時間T1の経過後に使用するかをユーザーに選択させる。
この確認メッセージM1を基にユーザーが、「直ちに使用する」を選択した場合(ステップS105:Y)、ステップS112に遷移する。また、ユーザーが「使用待機時間T1を経過後に使用する」を選択した場合(ステップS105:N)、ステップS107に遷移する。
【0041】
ステップS106において制御手段20は、警告メッセージM2(図6参照)を画像投写手段10に所定時間、投写させ、ステップS110に遷移する。
【0042】
ステップS107において使用予約手段202は、使用待機時間T1を設定する画面P1(図5参照)を画像投写手段10に投写させ、プロジェクター1を使用待機状態にする使用待機時間T1を設定し、ステップS108に遷移する。
【0043】
ステップS108において制御手段20は、認証済フラグ21aをセットし、ステップS109に遷移する。
【0044】
ステップS109において制御手段20は、計時部32による計時を開始し、報知手段15により、使用待機状態であることを報知する。次に、ステップS110に遷移する。
【0045】
ステップS110において制御手段20はプロジェクター1の電源をオフし、スタンバイ状態に移行させ、本動作フローを終了する。
このスタンバイ状態において、計時部32は使用待機時間T1を経過すると、割り込み処理(図3で後述する)が発生するものとする。
【0046】
ステップS111において制御手段20は計時部32による計時が使用待機時間T1を経過しているか否かを調べる。使用待機時間T1を経過している場合(ステップS111:Y)、ステップS112に遷移する。使用待機時間T1を経過していない場合、ステップS103に遷移する。
【0047】
ステップS112において制御手段20は、認証済フラグ21をクリアし、ステップS113に遷移する。
【0048】
ステップS113において制御手段20は、報知手段15による報知を終了し、ステップS114に遷移する。
【0049】
ステップS114において、制御手段20は、画像信号入力手段18から入力画像を画像投写手段10に投写開始し、本動作フローを終了する。
【0050】
〔スタンバイ中に使用待機時間T1が経過したときの動作〕
図3はプロジェクター1がスタンバイ状態において、計時部32が使用待機時間T1を経過し、割り込み処理が発生した場合の動作を示すフローチャートである。
図3に示すように、プロジェクター1がスタンバイ中に、計時部32が使用待機時間T1を経過すると(ステップS201)、制御手段20は、プロジェクター1が使用可能状態であることを報知手段15により報知し(ステップS202)、ステップS203に遷移する。
【0051】
ステップS203において制御手段20は、計時部32による計時を終了し、ステップS204に遷移する。
【0052】
ステップS204において制御手段20は、本動作フローを終了し、スタンバイ状態に戻る。
【0053】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、認証手段201による認証が成功した後、使用待機時間T1を経過した後でプロジェクター1が使用可能になる。これにより、プロジェクター1の使用開始時に、事前に認証を行っておくことにより、認証操作を第三者に見られずに済み、第三者に認証操作が漏れるのを防止できる。また、認証成功後、所定の使用待機時間T1が経過しないとプロジェクター1が使用可能とならないので、使用待機時間T1を経過する前に第三者によるプロジェクター1の使用を防止できる。
【0054】
また、認証手段201による認証が成功した後、使用待機時間T1が経過するまでは、ユーザーが操作しなくても、プロジェクター1の電源をオフするので、プロジェクター1の光源11が消耗するのを防止できる。
【0055】
また、認証手段201による認証が成功した後、使用待機時間T1を経過して、プロジェクター1が使用可能な状態であるか、または使用待機時間T1を経過しておらず、まだプロジェクター1が使用できない状態かを電源操作する前にユーザーが報知手段15による報知で確認することが可能となる。
【0056】
なお、認証手段201による認証が成功した後、使用待機時間T1が経過する前に予定が変わってプロジェクター1を使用する場合、再度、認証手段201による認証を行うことで、プロジェクター1は使用可能となる。
【0057】
(変形例1)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
上述した実施形態においては認証手段201によって認証が成功した後、使用待機時間T1を経過してからプロジェクター1が使用可能となるが、プロジェクター1が使用可能になった後、さらに所定の時間を経過する前に電源オン操作がなければ、認証済フラグをクリアし、再度の認証操作が必要な状態にするようにしてもよい。
これにより、認証が成功し、使用待機時間T1が経過した後で電源オン操作を忘れて放置してしまった場合、他の第三者にプロジェクター1が使用されるのを防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
1…プロジェクター、10…画像投写手段、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動手段、15…報知手段、16…OSD処理手段、17…画像信号処理手段、18…画像信号入力手段、20…制御手段、201…認証手段、202…使用予約手段、21…記憶手段、21a…認証済フラグ、23…入力操作手段、25…光源制御手段、30…電源端子、31…電源部、32…計時部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写するプロジェクターであって、
ユーザーの入力操作を受け付ける入力操作手段と、
前記入力操作手段が受け付けた認証操作に基づいて当該プロジェクターの認証を行う認証手段と、
当該プロジェクターを使用開始するまでの使用待機時間を設定する、使用予約手段と、
前記認証手段による前記認証が成功した後、前記使用予約手段によって設定された前記使用待機時間を経過してから、当該プロジェクターを使用可能にする制御手段と、
を備えたことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御手段は、前記認証手段による前記認証が成功した後、前記使用予約手段によって設定された、前記使用待機時間が経過するまで、当該プロジェクターの電源をオフすることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載のプロジェクターにおいて、
前記認証手段による前記認証が成功した後、前記使用予約手段によって設定された前記使用待機時間が経過したか否かを報知する報知手段をさらに備えたことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御手段は、前記認証手段による前記認証が成功した後、前記使用予約手段によって設定された前記使用待機時間が経過する前に、再度、前記認証手段による前記認証を行うことで、当該プロジェクターを使用可能にすることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項5】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写するプロジェクターの制御方法であって、
当該プロジェクターの使用許可を得るための認証情報の入力を受け付ける認証情報入力ステップと、
前記認証情報入力ステップが受け付けた操作に基づいて前記プロジェクターの認証を行う認証ステップと、
当該プロジェクターを使用開始するまでの使用待機時間を設定する、使用予約ステップと、
前記認証ステップによる前記認証が成功した後、前記使用予約ステップによって設定された前記使用待機時間を経過したか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより、前記使用待機時間を経過したと判断した場合に当該プロジェクターを使用可能にする制御ステップと、
を有することを特徴とするプロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−20058(P2013−20058A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152742(P2011−152742)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】