説明

プロジェクタ

【課題】映像表示機器の切り替え中や映像表示機器にトラブルが発生した場合に、視聴者に快適な画像を表示することができるプロジェクタを提供することを目的とする。
【解決手段】外部データ送信機器であるコンピュータ2よりプロジェクタ3の外部通信手段32を通じて所望の画像データを受信し、その画像データをプロジェクタ3のROMまたはEEPROM等の画像記憶手段34へ格納する。プロジェクタ3の起動中は、信号入力検出手段31により、入力映像信号検出を常時行い、無信号と判別された場合には、画像記憶手段34から格納された画像データを読み出し、停止した入力映像信号を読み出した画像データに切り替えて画像投射手段33で表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを受信し投射するプロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプロジェクタは、DVD又はビデオテープ等の記録媒体を再生する再生機器と一体化され、この再生機器装置から出力される画像操作情報に応じて、他の画像データに切り替えなどされることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−109609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクタでは、一体化された再生機器からの画像操作情報のみによってしか切り替えができず、外部接続端子から入力される映像信号に対しては画像切り替えが行えない。また、複数人が複数の映像出力装置にて交代でプレゼンテーションを行う際の映像出力装置の切り替え中や再生機器のトラブルなどで映像が再生できない場合は、ブルーバックなど固定の映像のみが表示され、視聴者が不満に感じることがある。
【0005】
本発明の目的は、映像出力装置の切り替え中や映像再生機器のトラブルが発生した場合に視聴者に快適な映像を提供することができるプロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のプロジェクタは、画像投射手段を備えたプロジェクタであって、映像表示機器からの映像信号の有無を検出する信号入力検出手段と、通信機器からの画像データを受信する外部通信手段と、前記外部通信手段により受信した画像データを記録する画像記憶手段と、前記信号入力検出手段により映像信号を検出した場合は、当該映像信号を前記画像投射手段により投射し、映像信号を検出しなかった場合は、前記画像記憶手段に記録された画像を前記画像投射手段により投射する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のプロジェクタによれば、通信機器と画像データを格納する記録部とを一体とすることによって、映像出力装置の切り替え中や映像再生機器のトラブルが発生した場合に視聴者に快適な映像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態におけるプロジェクタの機能ブロック図
【図2】同プロジェクタの画像切り替え処理を示すフローチャート
【図3】同プロジェクタの画像復帰処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1はプロジェクタの機能ブロック図である。
【0011】
図1に示すように、装置本体であるプロジェクタ3は映像表示機器1より送信される映像信号情報に基づいて入力信号の有無を検出する信号入力検出手段31と、通信機器として、例えばコンピュータ2より送信される画像データを受信する外部通信手段32と、画像投射手段33と、画像記憶手段34と、制御手段35とを備える。
【0012】
信号入力検出手段31は、映像表示機器1から入力される信号情報が有効な信号であるかどうかを検出する手段であり、入力信号情報の停止情報と復帰情報を制御手段35へ伝送する。
【0013】
外部通信手段32は、コンピュータ2との通信により画像データを受信し、画像記憶手段34へと画像データを伝送する。コンピュータ2との通信は、例えば、RS−232Cケーブルによる接続や無線LANを用いて行う。
【0014】
画像投射手段33は光源から射出された光を画像情報に基づいてRGBの各色光に応じた画像信号を生成し、拡大投射して画像を表示する。前記画像情報は制御手段35によって選択された信号入力検出手段31を通して伝送された映像信号情報もしくは画像記憶手段34に保持された画像データである。
【0015】
画像記憶手段34は、コンピュータ2から伝送された画像データを保持するための記録媒体を備え、記録媒体への画像データの書き込みと削除が可能な装置を備えている。例えば、ROMやEEPROMを備え、画像データの書き込みと削除ができる。
【0016】
制御手段35は、信号入力検出手段31からの情報に基づき、映像表示機器1からの映像表示から画像記憶手段34からの映像表示へ切り替える切替画像表示部351と、画像記憶手段34の映像表示から映像表示機器1からの映像表示へ切り替える表示画像復帰部352とを備える。
【0017】
次に、切替画像表示部351の動作について図2のフローチャートを参照して説明する。
【0018】
まず、表示画像表示ステップで映像表示機器1から入力された信号情報が画像投射手段33により表示されているものとする(ST1)。
【0019】
次に信号入力検出ステップで信号入力検出手段31により映像表示機器から入力された信号情報が映像信号として有効な信号かどうかが判定される(ST2,ST3)。
【0020】
次に有効信号か否かの判断をするステップで映像表示機器1から入力された信号情報が有効な信号ならば、映像表示機器1から入力された信号情報の表示を継続する(ST3,ST1)。
【0021】
映像表示機器1から入力された信号情報が無効な場合は、切替画像表示ステップで切替画像を画像記憶手段34より取得して表示する(ST3,ST4)。
【0022】
次に、表示画像復帰部352の動作について図3のフローチャートを参照して説明する。
【0023】
まず、切替画像表示ステップで画像記憶手段34に格納された切替画像情報が画像投射手段33により表示されているものとする(ST5)。
【0024】
次に、信号入力検出ステップで信号入力検出手段31により映像表示機器1から入力された信号情報が検出される(ST6)。
【0025】
次に、有効信号か否かを判断するステップで映像信号として有効な信号かどうかが判定される(ST7)。
【0026】
映像表示機器1から入力された信号情報が無効な信号ならば、画像記憶手段34に格納された切替画像の表示を継続する(ST7,ST5)。
【0027】
映像表示機器1から入力された信号情報が有効な信号ならば、表示画像表示ステップで映像表示機器から入力された信号情報の表示に切り替える (ST7,ST8)。
【0028】
このような構成によれば、切替画像表示部351は、信号入力検出手段31により入力信号の停止が検出されたときに、表示画像から切り替えて画像記憶手段34に記録された画像データを表示する。この画像データは事前に使用者が通信機器を用いてプロジェクタ3に送信することができる。また、表示画像復帰部は、信号入力検出手段31により入力信号の復帰が検出されたときに、表示画像を復帰して表示する。前記画像データは使用者が任意のデータを設定でき、目的に応じて画像データを再設定できる。例えば、企業ロゴなどを設定しておき、複数人のプレゼンテーションの間に表示させ、宣伝効果を生むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明にかかるプロジェクタは、映像出力装置の切り替え中や映像再生機器のトラブルが発生した場合に視聴者に快適な映像を提供することができ、画像投射表示に有用である。
【符号の説明】
【0030】
1 映像表示機器
2 コンピュータ
3 プロジェクタ
31 信号入力検出手段
32 外部通信手段
33 画像投射手段
34 画像記憶手段
35 制御手段
351 切替画像表示部
352 表示画像復帰部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像投射手段を備えたプロジェクタであって、
映像表示機器からの映像信号の有無を検出する信号入力検出手段と、
通信機器からの画像データを受信する外部通信手段と、
前記外部通信手段により受信した画像データを記録する画像記憶手段と、
前記信号入力検出手段により映像信号を検出した場合は、当該映像信号を前記画像投射手段により投射し、映像信号を検出しなかった場合は、前記画像記憶手段に記録された画像を前記画像投射手段により投射する制御手段と、
を備えたことを特徴とするプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−256780(P2010−256780A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109187(P2009−109187)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】