説明

プロセスカートリッジ及び電子写真装置

【課題】 高速高画質電子写真装置における高寿命プロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、導電層が結着樹脂および導電性粒子を含有する電子写真感光体において、導電性粒子が酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子であり、平均粒径が0.2μm超0.6μm未満であることと、導電性支持体上に導電性弾性層、表面層をこの順に設けてなる帯電部材であって、表面層が少なくとも結着樹脂および導電性粒子と有機高分子粒子と無機粒子を含有する帯電部材において、帯電部材の表面粗さRzが4.0μm超30.0μm未満であることを特徴とするプロセスカートリッジとすることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に電子写真感光体、帯電部材を搭載するプロセスカートリッジ、及びプロセスカートリッジを搭載した電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置では、その本体内部に画像形成部が設置され、画像がクリーニング、帯電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段、定着プロセスを経て形成される。画像形成部は、電子写真感光体、クリーニング部、帯電部、潜像形成部、現像部及び転写部を備えている。この画像形成部で形成された電子写真感光体上の画像は転写部で、記録材に転写され、定着部に搬送された後に定着部にて加熱及び加圧され、記録材に定着された記録画像として出力される。
【0003】
クリーニング、帯電部、潜像形成部、現像部、転写部、定着プロセスについて説明する。帯電部では、帯電部材により電子写真感光体の表面に対して、所定の極性で、電位が一様になるように一次帯電を行う。次に、目的画像情報の露光を受けることで、感光ドラム表面に目的画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像部にて現像部材よりトナー画像として可視化される。可視化されたトナー画像は、転写部において転写部材よって感光ドラム表面から記録材に転写される。転写された未定着のトナー画像は、定着部に搬送されて、定着部で定着されて記録画像として出力される。
【0004】
プロセスカートリッジとは、電子写真感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段、現像剤(トナー)を一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とする物である。
【0005】
電子写真装置に用いられる電子写真感光体は、基本的には、支持体と該支持体上に形成された感光層とから構成されている。しかしながら、現状は、支持体表面の欠陥の被覆、感光層の塗工性向上、支持体と感光層との接着性向上、感光層の電気的破壊に対する保護、帯電性の向上、支持体から感光層への電荷注入性の改良などのために、支持体と感光層との間に各種層を設けることが多い。したがって、支持体と感光層との間に設けられる層には、被覆性、接着性、機械的強度、導電性、電気的バリア性などの多くの機能が要求される。
【0006】
支持体と感光層との間に設けられる層としては、従来、以下のタイプのものが知られている。
【0007】
(i)導電性材料を含有しない樹脂層。
【0008】
(ii)導電性材料を含有した樹脂層。
【0009】
(iii)上記(ii)の層の上に、上記(i)の層を積層したもの。
【0010】
上記(i)の層は、導電性材料を含有しないため、層の抵抗が高い。しかも、表面平滑化処理が施されていない支持体表面の欠陥を被覆するためには、その厚さ(膜厚)を厚くしなければならない。しかしながら、抵抗が高い上記(i)の層の膜厚を厚くすると、初期および繰り返し使用時の残留電位が高くなるという問題が生じる。したがって、上記(i)の層の実用化のためには、支持体表面の欠陥を少なくし、かつ、その膜厚を薄くする必要がある。
【0011】
一方、上記(ii)の層は、導電性粒子などの導電性材料を樹脂中に分散した層であり、層の抵抗を小さくすることが可能であるため、層の膜厚を厚くして、導電性の支持体や非導電性の支持体(樹脂製の支持体など)の表面の欠陥を被覆することが可能である。しかしながら、上記(ii)の層の膜厚を厚くする場合は、薄くする上記(i)の層に比べて、層に十分な導電性を付与する必要があるため、上記(ii)の層は体積抵抗率の低い層となり、そのため、低温低湿から高温高湿の幅広い環境条件において、画像欠陥の原因となる支持体、上記(ii)の層から感光層への電荷注入を阻止するためには、電気的バリア性を有する層を上記(ii)の層と感光層との間に別途設けることが好ましい。電気的バリア性を有する層とは、上記(i)の層のように、導電性粒子を含有しない樹脂層である。
【0012】
つまり、支持体と感光層との間に設けられる層は、上記(i)の層と上記(ii)の層とを積層した上記(iii)の構成であることが好ましい。上記(iii)の構成は、複数の層を形成する必要があるため、それだけ工程が増えるが、支持体表面の欠陥の許容範囲が大きくなるため、支持体の使用許容範囲が大幅に広がり、生産性の向上が図れるという利点がある。一般的に、上記(ii)の層は導電層と呼ばれ、上記(i)の層は中間層(下引き層、バリア層)と呼ばれる。導電層に用いる導電性材料としては、各種の金属、金属酸化物、導電性ポリマーなどがある。その中でも、抵抗特性に優れる酸化スズには、通常の粉体抵抗率10〜10Ω・cmのものから、酸化スズの導電性材料の製造時に、酸化アンチモンなどのスズとは異なる価数の金属の化合物や非金属元素などを混合して(ドープして)、粉体抵抗率を1/1000〜1/100000に小さくしたものや、構成元素を増やさずにノンドープで酸化スズの抵抗をアンチモンドープと同程度に小さくした酸素欠損型酸化スズの導電性材料がある。
【0013】
酸素欠損型酸化スズに関連する先行技術として、特許文献1には、酸素欠損型酸化スズを導電層に用いる技術が開示されており、特許文献2には、硫酸バリウム粒子に酸素欠損型酸化スズを被覆して、酸化スズだけを用いる場合よりも分散性を向上させる技術が開示されており、特許文献3には、酸素欠損型酸化スズの実施形態までは開示されていないものの、分散性を向上させるために、硫酸バリウム粒子を用いて、その上に白色度を向上させるために、酸化チタンを被覆し、さらにその上に導電性を付与するために、酸化スズを被覆する技術が開示されている。
【0014】
電子写真装置に用いられる電子写真感光体の帯電方式として、DC接触帯電方式がある。この方式は、金属支持体の外周に導電性の樹脂またはゴム層を形成した部材(帯電部材)を直接電子写真感光体に当接して、感光体表面を所定の電位に帯電させる方法である。この方式を採用する利点として、コロナ放電方式に比べて発生するオゾンの量が少なく、近接(非接触)帯電方式に比べて、電子写真感光体との放電現象を生じ得る僅少な空気間隙を作るため機構や清掃部材を設置する必要ないことが挙げられる。また、AC/DC接触帯電方式と比べて、高圧の交流電源が必要のないことや、交流電圧の周波数による帯電音が発生しないことが挙げられる。
【0015】
電子写真装置におけるDC接触帯電方式の実行手段として、一般的には、ローラ形状の導電性弾性体(導電性ローラ)を用いる帯電方式が多数報告されている。導電性ローラの構成としては、金属の導電性支持体、中抵抗のゴム材等を主成分とする導電性弾性層、弾性層からの移行物を遮るために設ける中間層、導電性材料等を分散させた分散液を被覆した抵抗調整層、これら中間層を保護する表面層などの多層構成を取ることが知られている。この中でも、表面層と導電性弾性層の二層構成が生産性や性能面を共に満たす構成として知られている。
【0016】
しかしながら、DC接触帯電方式を採用した電子写真装置は、AC/DC接触帯電方式を採用した電子写真装置に比べて、帯電時の電子写真感光体表面電位の均一性(帯電均一性)が劣るため、ハーフトーン画像などで感光体表面電位の不均一性に起因する電子写真感光体の長手方向(周方向に直交する方向)のスジ状の濃度ムラ画像(帯電横スジ)が問題となりやすい。特許文献4には、600dpiの中間調画質の画像において、このなるプロセススピード(100mm/secと30mm/sec)で良好な帯電均一性を示す帯電部材の材料指針について提案している。特許文献5には、600dpi・90mm/secというプロセス条件の電子写真装置において、DC帯電とAC/DC帯電の双方で良好な帯電均一性を示す帯電部材の材料指針について提案している。
【特許文献1】特開平07−295245号公報
【特許文献2】特開平06−208238号公報
【特許文献3】特開平10−186702号公報
【特許文献4】特開2003−316112号公報
【特許文献5】特開2005−215177号公報
【特許文献6】特開平04−154621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明では、高画質(1000dpi以上)高プロセス速度(150mm/sec以上)条件でDC接触帯電方式を採用した電子写真装置において、長時間にわたり良好な均一帯電性を持続させるためのプロセスカートリッジ設計指針を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
特許文献4、特許文献5に見られるように、従来帯電均一性という課題は、帯電部材の視点から性能の向上のために検討が行われてきた。しかし、高画質(1000dpi以上)高プロセス速度(150mm/sec以上)の超高性能な電子写真装置のニーズが高まっている現在では、帯電部材だけで帯電均一性が良好で高寿命なプロセスカートリッジを提供することが困難である。そこで本発明では、電子写真感光体と帯電部材の双方の設計指針と共に規定することにより、超高性能の電子写真装置に対応する高寿命なプロセスカートリッジを提供する。
【0019】
具体的には、少なくとも電子写真感光体と帯電部材を備え、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂および導電性粒子を含有する電子写真感光体において、該導電性粒子が酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子であり、該導電性粒子の平均粒径が0.2μm以上0.6μm以下であることを特徴とする電子写真感光体であって、かつ該帯電部材が導電性支持体上に導電性弾性層、表面層をこの順に設けてなる帯電部材であって、該表面層が少なくとも結着樹脂および導電性粒子を含有する帯電部材において、該帯電部材の表面粗さ(Rz)が4.0μm超30.0μm未満であることを特徴とする。また、帯電部材の表面層中の導電性粒子が酸化スズであることを特徴とする。また、帯電部材の表面層中の導電性粒子がカーボンブラックを被覆した複合粒子であることを特徴とする。また、帯電部材の表面層中の導電性粒子がシリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子から選ばれる粒子群にカーボンブラックを被覆した複合粒子であることを特徴とする。また、帯電部材の表面層中に導電性粒子と有機高分子粒子を含有し、さらに酸化チタン粒子、シリカ粒子の何れか一方を含有することを特徴とする。また、電子写真感光体における導電層の体積抵抗率が8.0×10Ω・cm超1.0×1011Ω・cm以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のプロセスカートリッジを用いることにより、高画質(1000dpi以上)高プロセス速度(150mm/sec以上)条件でDC接触帯電方式を採用した電子写真装置において、長期間にわたり良好な均一帯電性を持続させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明では、電子写真感光体、帯電部材、現像部材、清掃部材、現像剤を備えるプロセスカートリッジにおいて、電子写真感光体と帯電部材を規定することにより、上記課題を解決することを見出した。
【0022】
電子写真感光体については、支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体である。そして、該導電層は結着樹脂および導電性粒子を含有する。導電性粒子としては、酸素を欠損させることにより低抵抗化を図った酸化スズを被覆した酸化チタン粒子を用いた。酸素欠損型酸化スズは低湿環境下での抵抗率の上昇や高湿下での抵抗率の低下が少なく、環境安定性にも優れている。また、酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子を用いた理由としては、導電層における導電性粒子の分散性向上を図るためである。導電性粒子として酸素欠損型酸化スズのみを用いて導電層用塗布液を作成した場合、特に酸素欠損型酸化スズの含有率が高くなると、酸素欠損型酸化スズの凝集が発生しやすい。また、芯材として酸化チタン粒子を用いたのは、酸素欠損型酸化スズの酸素欠損部位と酸化チタン粒子表面の酸化部位の親和力により、酸素欠損型酸化スズの被覆層と芯材の結合が強化されるからであり、また、酸素欠損型酸化スズの酸素欠損部位が保護されるからである。酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の製造方法(酸素欠損型酸化スズを作製する方法や酸化チタン粒子に酸素欠損型酸化スズを被覆する方法)は、特許文献1と特許文献6に開示されている。
【0023】
また、酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子を該導電層の導電性粒子として用いた場合、帯電横スジの発生を抑えるためには、該導電層の体積抵抗率が5.0×10Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であることが必要である。より好ましくは8.0×10Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であることが必要である。導電層の体積抵抗率については、基本的には低いことが望ましいが、本発明の帯電ローラとの組み合わせにおいて、低温低湿環境下で帯電横スジの発生を抑えるためには、導電層の体積抵抗率が1×1011Ω・cm以下である必要であることが判明した。その一方、導電層の抵抗が低すぎると、高温高湿環境下での感光層への電荷注入によるポチ、かぶりが発生する。よって8×10Ω・cmより高い方がより好ましい。また、該導電性粒子の平均粒径は0.2μm以上0.6μm以下であることが必要である。この理由は、該導電性粒子の平均粒径が0.2μm未満となると、酸素欠損型酸化スズが酸化チタンから遊離してしまい、分散不良、低抵抗化、凝集物となって電子写真感光体由来の画像不良の原因となる。また、0.6μm超では、酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の純粋な分散不良となり、高抵抗化、凝集物となって電子写真感光体由来の画像不良の原因となる。
【0024】
導電性粒子の平均粒径は導電性粒子のみの組成の導電層用塗工液を液相沈降法にて測定した。具体的には、導電層用塗工液をそれに用いた溶剤で透過率が0.8〜1.0の間になるように希釈して、(株)堀場製作所製の超遠心式自動粒度分布測定装置(CAPA700)を用いて、平均粒径(体積標準D50)を測定した。
【0025】
本発明における導電層の体積抵抗率の測定方法は以下のとおりである。まず、アルミニウムシート上に測定対象の導電層を10〜15μm程度の膜厚で形成し、さらに、この導電層上に金の薄膜を蒸着により形成して、アルミニウムシートと金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定した。測定環境は23℃、60RH%であり、印加電圧は0.1Vである。電流値測定開始1分後の安定した値を読み取り、導電層の体積抵抗率を導き出した。導電層の体積抵抗率を上記範囲に収めるためには、導電性粒子である酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子の粉体抵抗率は、1〜500Ω・cmであることが好ましく、特には1〜250Ω・cmであることがより好ましい。粉体抵抗率が高すぎると導電層の体積抵抗率を上記範囲の収めることが難しくなり、一方、粉体抵抗率が低すぎると帯電能が低下する場合がある。粉体抵抗率が上記範囲にある酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子を安定して得るためには、該粒子を製造する際の原材料配合比率を制御すればよい。例えば、スズ原材料から100%の酸化スズが得られると計算して、酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタンに対して30〜60質量%の酸化スズを生成するのに必要なスズ原材料を該粒子製造時に配合すればよい。換言すれば、酸化チタンへの酸素欠損型酸化スズの被覆率は30〜60質量%が好ましい。
【0026】
本発明において、導電層は、平均粒径が0.2μm以上0.6μm以下の酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる導電層用塗布液を支持体上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
【0027】
導電層の結着樹脂としては、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリビニールアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは、1種または2種以上用いることができる。また、各種樹脂の中でも、他層へのマグレーション(溶け込み)の抑制、支持体への密着性、導電性粒子の分散性・分散安定性、成膜後の耐溶剤性などの観点から、導電層の結着樹脂は硬化性樹脂が好ましく、特には熱硬化性樹脂がより好ましい。具体的には、熱硬化性フェノール樹脂が好ましい。
【0028】
中間層としては、導電層から感光層への電荷注入を阻止するために、中間層の体積抵抗率を1×10〜1×1013Ω・cmに設定することが好ましい。中間層の体積抵抗率が小さすぎると、電気的なバリア性が乏しくなり、導電層からの電荷注入に起因するポチやカブリの発生が顕著になる傾向にある。一方、中間層の体積抵抗率が大きすぎると、画像形成時に電荷(キャリア)の流れが滞り、残留電位の上昇(電位安定性の欠如)が顕著になる傾向にある。
【0029】
中間層は結着樹脂を含有する中間層用塗布液を導電層上に塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
【0030】
中間層の結着樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸類、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリグルタミン酸、カゼイン、でんぷんなどの水溶性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリグルタミン酸、エステル樹脂などが挙げられる。電気的バリア性を効果的に発現させるためには、塗工性、密着性、耐溶剤性の観点から、中間層の結着樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、熱可塑性ポリアミド樹脂などが好ましい。ポリアミド樹脂としては、溶液状態で塗布できるような低結晶性または非結晶性の共重合性ナイロンなどが好ましい。中間層の膜厚は0.1〜2μmであることが好ましい。
【0031】
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型感光層であってもよい。電子写真特性の観点から積層型感光層の方が好ましい。また、積層型感光層には支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点から順層型感光層が好ましい。また感光層の上に、保護層を設けてもよい。
【0032】
電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム色素およびチアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質、キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、キサンテン色素、キノンイミン色素、スチリル色素、硫化カドミウム、酸化亜鉛などが挙げられる。この中でも特にオキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニンが好ましい。
【0033】
また、感光層が積層型感光層である場合には、電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニールアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられる。これら単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることが可能である。
【0034】
電荷発生層は、上記電荷発生物質と結着樹脂と溶剤を分散して得られる電荷発生層分散液を、中間層の上に塗布することで形成することができる。分散方法としてはホモシナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。電荷発生層分散液の塗布方法としては、浸漬塗布方法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。また電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmであることがこの好ましい。また、電荷発生層には、増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤や電子輸送物質などを必要に応じて含有させてもよい。
【0035】
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。
【0036】
また、感光層が積層型感光層である場合には、電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和樹脂などが挙げられる。特には、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが好ましい。これら単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
【0037】
電荷輸送層は、上記電荷輸送物質と結着樹脂と溶剤を分散して得られる電荷輸送層分散液を、電荷発生層の上に塗布することで形成することができる。分散方法としてはホモシナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどを用いた方法が挙げられる。電荷輸送層分散液の塗布方法としては、浸漬塗布方法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。また電荷輸送層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特に10〜20μmであることがこの好ましい。また、電荷発生層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて含有させてもよい。
【0038】
また、感光層上には該感光層を保護する目的とした保護層を設けてもよい。保護層は上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解して得られた樹脂溶液を塗布して、これを乾燥させることにより形成することができる。保護層の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特に1〜5μmであること望ましい。
【0039】
最後に支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属製支持体を用いることができる。導電層の電荷(キャリア)をアースするためには、導電性支持体の体積抵抗率は、1×1010Ω・cm以下であることがこの好ましく、特には1×10Ω・cmであることが望ましい。
【0040】
次に、帯電部材としては導電性支持体上に導電性弾性層、表面層をこの順に設けてなる帯電部材である。該表面層が少なくとも結着樹脂および導電性粒子を含有する帯電部材において、該帯電部材の表面粗さ(Rz)が4μm超30μm未満であることが必須である。
【0041】
表面層としては、導電性粒子としてアルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀等の金属系の粉体や繊維、カーボンブラック、金属粉や酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、硫化銅、硫化亜鉛等の金属化合物粉、又は適当な粒子の表面に、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウムを電解処理、スプレー塗工、混合振とうにより付着させて得られた粉体、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、PAN(ポリアクリロニトリル)系カーボン、ピッチ系カーボン等のカーボン粉が挙げられる。また、特には、導電性酸化スズ、カーボンブラックを被覆した複合粒子を用いることが望ましい。導電性酸化スズとしては、酸素欠損型酸化スズ、アンチモンドープ型酸化スズ、インジウムドープ型酸化スズなどが挙げられる。この中で、帯電部材の帯電均一性と寿命の観点から、アンチモンドープ型酸化スズが好適である。理由は、酸化スズにアンチモンをドープした導電性酸化スズは、導電性粒子自体の体積抵抗率が比較的大きく(粉体で1×10〜1×10Ω・cm)、導電性粒子を分散する樹脂の体積抵抗率との差が他の導電性粒子に比較して小さいので、導電性粒子を分散して中抵抗(1×10〜1×10Ω)の表面層とした時に、導電性粒子の分布の僅かな差が表面層の抵抗の差を生じさせにくく、抵抗の位置によるばらつきを抑制することが可能であるからである。
【0042】
また、カーボンブラックを被覆した複合粒子としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子から選ばれる粒子群にカーボンブラックを被覆した複合粒子であることが望ましい。この理由は、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子は、表面層の結着樹脂中の分散性が良好で、カーボンブラックの欠点である凝集性を補い、表面層中に導電性粒子を均一に分散させるための補助剤となる。また、カーボンブラックを被覆した複合粒子は体積抵抗率が小さい(粉体で1×101〜1×102Ω・cm)が、これは複合粒子の表面抵抗が支配的であるため抵抗率が低くなっている。したがって、単なるカーボンブラックを用いるよりも、添加量に対する抵抗率の変化が緩やかで、かつ実質的な導電パスは単なるカーボンブラックよりも効率的に形成される。よってカーボンブラックを被覆した複合粒子をもちいることにより、表面層に均一で緻密な導電パスを形成させることが可能であり、均一帯電性と高寿命をともに達成することが可能である。
【0043】
芯粒子として用いるシリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子の粒子群については、シリカ粒子としては、乾式シリカ、湿式シリカ、ゾルゲルシリカ等が挙げられる。アルミナ粒子としては、高活性アルミナ、活性アルミナ、低活性アルミナ等が挙げられる。酸化チタン粒子としては、ルチル、アナタ−ゼ、ブルカイトという結晶構造の酸化チタンが挙げられる。これらの中で、湿式シリカ、ルチル型酸化チタン、活性アルミナを用いるのがより望ましい。この理由としては、湿式シリカは表面や結晶内部にシラノール基を豊富に有している。カーボンブラックを被覆する際にシリカ粒子表面に糊剤としてシリコーンオイルを処理するが、表面にシラノール基が豊富にあることでカーボンブラックとシリカ粒子の接着性が高まるからである。また、湿式シリカは内部にもシラノール基を持つことから、カーボンブラック被覆前に、粉砕することによりシラノール基を表面に出すことが可能である。ルチル型酸化チタンや活性アルミナは一次粒子径が小さくかつカーボンブラックの被覆安定化が得られるので好ましい。
【0044】
また、帯電部材の表面粗さ(Rz)については4μm超30μm未満であることが望ましい。特には4μm以上15μm以下であると尚一層好ましい。表面粗さは、帯電部材の表面形状を規定する物性値である。Rzは十点平均粗さであり、粗さ曲線の平均線から最も高い山頂5番目までの絶対値と最も深い谷5番目までの絶対値の10点平均値である。すなわち、Rzが示す特性は、帯電部材の表面起伏の平均値である。Rzが4μm超30μm未満、より好ましくは4μm以上15μm以下であることで、帯電部材から電子写真感光体への放電可能空隙を効率的に確保することが可能であり、優れた帯電均一性を発揮することができる。
【0045】
表面粗さ(Rz)の制御手段については、帯電部材の表面を研磨等により所望の表面粗さに仕上げる方法や、表面層中に、所望の表面粗さと同粒径の粗し剤を添加することにより達成できる。
【0046】
また、表面層中に導電性粒子と有機高分子粒子を含有し、さらに酸化チタン粒子、シリカ粒子のいずれか一方を含有することが望ましい。
【0047】
有機高分子粒子としては、架橋した樹脂微粒子を用いることが好ましい。架橋した樹脂微粒子を作るモノマーとしては、特には限定しないが、重合の容易さ等から、ビニル系のモノマーが好適に用いられる。ビニル系モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸へキシル等のメタクリル酸エステル、スチレン、pーメチルスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族系ビニル単量体、酢酸ビニル、アクリロニトリル等が挙げられる。形状については、より真球形状に近いことがより好ましい。ただし、場合によっては楕円形、球形粒子が破砕した異形粒子など適宜に使用可能である。粒子径については、平均粒子径で4〜30μmであることが好ましい。特には5〜10μmであることが好ましい。有機高分子粒子を用いる目的は、帯電部材の表面粗さ(Rz)を制御するためである。
【0048】
酸化チタン粒子としては、ルチル、アナタ−ゼ、ブルカイトという結晶構造の酸化チタンが挙げられるが、ルチル型酸化チタンを用いるのが望ましい。なぜなら、ルチル型酸化チタンは比誘電率が約120と高く、表面層中に均一に分散することで表面層の静電容量が大きくなる。これによって、放電効率が向上する。粒子径は一次粒子径で約1〜100nmが好ましい。また、酸化チタン粒子と結着樹脂との相溶性の観点から、酸化チタン粒子の表面処理をするのが望ましい。表面処理剤として使用されるシランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン及び1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル又はフッ素変性シリコーンオイルを用いることが好ましい。
【0049】
シリカ粒子としては、乾式シリカ、湿式シリカ、ゾルゲルシリカ等が挙げられる。特には、表面及び内部にあるシラノール基が少ない乾式シリカを用いるのが望ましい。また、粒子径は一次粒子径で1〜100nmであることが望ましい。表面層中にシリカ粒子を分散させることにより、帯電部材による電子写真感光体の表面帯電時に電子写真感光体上の表面電位が、分散させてないものよりも優れることが検討結果から明らかになっている。シリカ粒子と結着樹脂との相溶性の観点から、シリカ粒子の表面処理をするのが望ましい。表面処理剤として使用されるシランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン及び1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル又はフッ素変性シリコーンオイルを用いることが好ましい。
【0050】
次に、表面層を形成する結着樹脂について言及する。結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂または、アクリル樹脂をポリオール変性させて、イソシアネートでポリウレタン化させたアクリル−ポリウレタン樹脂がより一層好ましい。
【0051】
その他、表面層中には、消泡剤、分散剤、レベリング剤等を適宜含有させることができる。
【0052】
本発明の帯電部材の構成について説明する。導電性支持体上に導電性弾性層と前述の表面層をこの順に設けてなる帯電部材である。導電性支持体については、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、メッキ(ニッケル、銀、亜鉛、金)などの金属製支持体を用いることができる。しかし、帯電部材を電子写真感光体に当接させるため、支持体には適当な剛性が必要であり、そのためステンレスもしくはメッキなどが好ましい。
【0053】
導電性弾性層としては、ゴム等の弾性材料中にカーボンブラック、グラファイトおよび導電性金属酸化物等の電子導電機構を有する導電剤、またはアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン導電機構を有する導電剤を適宜添加することにより1010Ω・cm未満に調整されるのがよい。導電性弾性層を形成する材料としては、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコンーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)およびクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂およびシリコーン樹脂等も挙げられる。イオン導電機構を有する導電剤を用いる場合には、エピクロルヒドリンゴムを用いるのが好ましい。電子導電機構を有する導電剤を用いる場合には、エピクロルヒドリンゴムもしくはニトリルブタジエンゴム(NBR)を用いるのが好ましい。その他、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、老化防止剤等、適宜に用いることができる。
【0054】
導電性弾性層の形成方法としては、ニーダー、インターミキサー、オープンロール等混練機を用いた混練工程、一軸押出し機等の成形機を用いた成形工程、加硫缶、熱風炉等を用いた加硫工程、研磨機、旋盤機等を用いた切削工程を経て完成する。また、導電性支持体については、所望の形状や寸法に切削して導電性弾性層の成形工程にて直接導電性弾性層を支持体に形成させるか、もしくはあらかじめ導電性弾性層のチューブを成形工程で作製して、導電性支持体に圧入する方法が挙げられる。
【0055】
表面層の形成方法としては、結着樹脂、上記導電性粒子、酸化チタン粒子、シリカ粒子、有機高分子粒子から選ばれる粒子群、その他添加剤を含む導電性塗料を作製して、導電性支持体上の切削工程を経た導電性弾性層上に、ディピング法、スプレー塗工法等を用いて形成する方法が挙げられる。導電性塗料の作製方法は、ペイントシェーカー、ビーズミル、サンドミル等の塗料分散機により、結着樹脂、導電性粒子、その他の粒子、添加剤を展色剤中に分散させる方法である。
【0056】
本発明におけるプロセスカートリッジは上記に示した電子写真感光体と帯電部材を具備していることが必須である。その他現像剤、現像部、露光部、クリーニング部については公知の材料、部材、冶具等を任意に用いることが可能である(特許文献6参照)。
【0057】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0058】
<電子写真感光体>
(製造例1)
押出し・引き抜き工程により製造された長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体とした。
【0059】
次に導電性粒子としての酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子(粉体抵抗率100Ω・cm、酸化スズの被覆率(質量比率)は40%)59.4部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(樹脂固形分60%)17.4部、溶剤としてのメトキシプロパノール35部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散して、分散液を調整した。
【0060】
この分散液における酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の平均粒径は0.36μmであった。
【0061】
この分散液に、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール(登録商標)120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)3.9部、レベリング剤としてのシリコーンオイル(表品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.001部を添加して攪拌し、塗布液Aを調整した。
【0062】
この導電層用塗布液を、23℃、60%RH環境下で、支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
【0063】
また、別途、この導電層用塗布液をマイヤーバーでアルミニウムシート上に膜厚15μmの厚さに塗布し、これを乾燥させることによって、導電層体積抵抗率測定用サンプルを作製した。この導電層上に金の薄膜を蒸着により形成して、導電層の体積抵抗率を測定したところ、1.5×1010Ω・cmであった。
【0064】
次に、導電層上に、N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジン(トレジンはナガセケムテックスの登録商標)EF−30T、帝国化学産業(株)製)4.5部および共重合ナイロン樹脂(商品名:アミラン(登録商標)CM8000、東レ(株)製)1.5部を、メタノール65部/n−ブタノール30部の混合溶媒に溶解して得られた中間層用塗布液を浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
【0065】
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレック(登録商標)BX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分散し、次に、酢酸エチル250部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。
【0066】
この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
【0067】
次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物10部、および、
【0068】
【化1】

【0069】
ポリカーボネート樹脂(商品名:Z400、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)10部を、ジメトキシメタン30部/クロロベンゼン70部の混合溶媒に溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。
【0070】
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、これを30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が18μmの電荷輸送層を形成した。
【0071】
このようにして、電荷輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。電子写真感光体の構成は図2に示す。結果を図4に示す。
【0072】
(製造例2)
製造例1において、以下の点を変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を図4に示す。
【0073】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の使用量を58.5部に、導電層の結着樹脂としてのフェノール樹脂の使用量を30.5部に変更した。その結果、導電層の体積抵抗率は1.5×10Ω・cmとなった。
【0074】
(製造例3)
製造例1において、以下の点を変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を図4に示す。
【0075】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子(粉体抵抗率7.5Ω・cm、酸化スズの被覆率(質量比率)は60%)の使用量を55部に変更した。この酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の平均粒径0.57μmであった。その結果、導電層の体積抵抗率は1.0×10Ω・cmとなった。
【0076】
(製造例4)
製造例1において、以下の点を変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を図4に示す。
【0077】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子(粉体抵抗率500Ω・cm、酸化スズの被覆率(質量比率)は30%)の使用量を55部に変更した。この酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の平均粒径0.23μmであった。その結果、導電層の体積抵抗率は1.0×1011Ω・cmとなった。
【0078】
(製造例5)
製造例1において、以下の点を変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を図4に示す。
【0079】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子(粉体抵抗率5.0Ω・cm、酸化スズの被覆率(質量比率)は60%)の使用量を58.8部に変更した。この酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の平均粒径0.2μmであった。その結果、導電層の体積抵抗率は5.0×10Ω・cmとなった。
【0080】
(製造例6)
製造例1において、以下の点を変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を図4に示す。
【0081】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子(粉体抵抗率5.0Ω・cm、酸化スズの被覆率(質量比率)は60%)の使用量を50.2部に変更した。この酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の平均粒径0.65μmであった。その結果、導電層の体積抵抗率は3.0×10Ω・cmとなった。
【0082】
(製造例7)
製造例1において、以下の点を変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を図4に示す。
【0083】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子(粉体抵抗率120Ω・cm、酸化スズの被覆率(質量比率)は40%)の使用量を51.2部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてフェノール樹脂の使用量を42.6部に変更した。この酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の平均粒径0.35μmであった。その結果、導電層の体積抵抗率は2.0×1011Ω・cmとなった。
【0084】
(製造例8)
製造例1において、以下の点を変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を図4に示す。
【0085】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子(粉体抵抗率0.8Ω・cm、酸化スズの被覆率(質量比率)は70%)の使用量を57.6部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてフェノール樹脂の使用量を32部に変更した。この酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の平均粒径0.65μmであった。その結果、導電層の体積抵抗率は6.0×10Ω・cmとなった。
【0086】
(製造例9)
製造例1において、以下の点を変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を図4に示す。
【0087】
導電層の導電性粒子としての酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子(粉体抵抗率1200Ω・cm、酸化スズの被覆率(質量比率)は20%)の使用量を58.9部に変更し、また、導電層の結着樹脂としてフェノール樹脂の使用量を29.8部に変更した。この酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の平均粒径0.19μmであった。その結果、導電層の体積抵抗率は7.0×1010Ω・cmとなった。
【0088】
(製造例10)
製造例1において、以下の点を変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を図4に示す。
【0089】
導電層の導電性粒子について酸素欠損型酸化スズを被覆したシリカ粒子(粉体抵抗率950Ω・cm、酸化スズの被覆率(質量比率)は30%)の使用量を55部に変更した。この酸素欠損型酸化スズを被覆した硫酸バリウム粒子の平均粒径0.18μmであった。その結果、導電層の体積抵抗率は3.0×1011Ω・cmとなった。
【0090】
(製造例11)
製造例1において、以下の点を変更した以外は、製造例1と同様にして電子写真感光体を作製した。結果を図4に示す。
【0091】
導電層の導電性粒子について酸素欠損型酸化スズ(粉体抵抗率0.5Ω・cm)の使用量を55部に変更した。この酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子の平均粒径0.05μmであった。その結果、導電層の体積抵抗率は7.0×1011Ω・cmとなった。
【0092】
<帯電部材>
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0093】
(製造例12)
導電性弾性層としては、エピクロルヒドリンゴム100部、充填剤としての炭酸カルシウム30部、研磨性改善のための補強材としての着色グレードカーボン(一次粒子径43nm、DBP吸油量115ml/100g、pH6.6)2部、酸化亜鉛5部、可塑剤としてのDOP10部、老化防止剤としての2−メルカプトベンズイミダゾール0.5部、過塩素酸4級アンモニウム塩4部を、加圧ニーダーで30分混練した。更に、加硫促進剤としてのノクセラーDM1部、加硫促進剤としてノクセラーTS1.0部、加硫剤としての硫黄1.2部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。前記ゴム混合物をゴム押し出し機で、円筒形に押し出し、裁断して加硫缶中を使用して、160℃の水蒸気中で50分間一次加硫し、導電性弾性層の一次加硫チューブを得た。長さ252.5mm、直径6mmの円柱形の導電性支持体(鋼製、表面はニッケルメッキ)に熱硬化性接着剤を塗布し、この導電性支持体に、前記導電性弾性層の一次加硫チューブに挿入し、その後、電気オーブンで160℃2時間の二次加硫と接着剤の硬化を行い、未研磨品を得た。この未研磨品のゴム部分を長さ232mmに切断した後、ゴム部分を回転砥石で研磨し、導電性支持体上に導電性弾性層が形成された基層を得た。
【0094】
表面層としては、アクリルポリオール溶液100重量部(希釈溶剤:MEK、固形分20重量%、OH価50)に対して、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)をOH/NCO=1.0になるように添加し、導電性複合粒子としてアンチモンドープ型酸化スズを120重量部、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)を30部、アクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)35部、シリコーンオイルを0.07質量部添加した後、アクリルポリオールの濃度が24重量%になるようにMEKを添加して濃度調整を行った。この混合液をガラスビーズ(平均粒径1mm)を分散メディアとして、横型サンドミルを3回通して分散した。ビーズを瀘過分離した分散液にて、導電性塗料を得た。
【0095】
前記導電性塗料をディッピンク法により前記基層表面に塗工した。導電性塗料は、ダイアグラムポンプを使用した循環機に循環させながら塗工した。導電性塗料の流速は、300ml/minである。基層のディピング時の引き上げ速度はゴム部分の上端から初速30mm/sとして、下端が1mm/sとなるように調速して塗工した。塗工後30分間風乾した後、硬化温度160℃で60分間加熱した。このように硬化することで、アクリルポリオールとイソシアネートが脱水縮合して、ポリウレタン樹脂となる。
【0096】
このようにして、導電性弾性層と表面層の二層構成の帯電部材を作製した。帯電部材の構成は図3に示す。また、この帯電部材の表面粗さ(Rz)を以下の方法で測定した。
【0097】
表面粗さ(Rz)の測定方法としては、JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE3400にて、軸方向3点×周方向2点の計6点について各々測定し、その平均をとる。本発明においては、接触針は先端半径2μmのダイアモンドとし、測定スピード0.5mm/S、カットオフλc0.8mm、基準長さ0.8mm、評価長さ8.0mmとした。
【0098】
このようにして、表面粗さ(Rz)を測定した結果、4.5μmとなった。結果は図5に示す。
【0099】
(製造例13)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例12と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0100】
表面層のアクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:MBX−20、積水化学工業(株)、平均粒径20μm)に変更し、添加量は10部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が25μmになった。
【0101】
(製造例14)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例12と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0102】
表面層の導電性粒子を酸素欠損型酸化スズ(粉体抵抗率0.5Ω・cm)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が5.2μmになった。
【0103】
(製造例15)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例10と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0104】
表面層の導電性粒子を酸素欠損型酸化スズ(粉体抵抗率0.5Ω・cm)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:MBX−20、積水化学工業(株)、平均粒径20μm)に変更し、添加量は10部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が22μmになった。
【0105】
(製造例16)
導電性弾性層としては、エピクロルヒドリンゴム100部、充填剤としての炭酸カルシウム30部、研磨性改善のための補強材としての着色グレードカーボン(一次粒子径43nm、DBP吸油量115ml/100g、pH6.6)2部、酸化亜鉛5部、可塑剤としてのDOP10部、老化防止剤としての2−メルカプトベンズイミダゾール0.5部、過塩素酸4級アンモニウム塩4部を、加圧ニーダーで30分混練した。更に、加硫促進剤としてのノクセラーDM1部、加硫促進剤としてノクセラーTS1.0部、加硫剤としての硫黄1.2部を加えて更に15分間オープンロールで混練した。前記ゴム混合物をゴム押し出し機で、円筒形に押し出し、裁断して加硫缶中を使用して、160℃の水蒸気中で50分間一次加硫し、導電性弾性層の一次加硫チューブを得た。長さ252.5mm、直径6mmの円柱形の導電性支持体(鋼製、表面はニッケルメッキ)に熱硬化性接着剤を塗布し、この導電性支持体に、前記導電性弾性層の一次加硫チューブに挿入し、その後、電気オーブンで160℃2時間の二次加硫と接着剤の硬化を行い、未研磨品を得た。この未研磨品のゴム部分を長さ232mmに切断した後、ゴム部分を回転砥石で研磨し、導電性支持体上に導電性弾性層が形成された基層を得た。
【0106】
表面層としては、最初にカーボンブラックを被覆した複合粒子を作製した。3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(商品名: KBE-402、信越化学)140gを、サンドミルを稼動させながら芯粒子としてシリカ粒子(BET200m2/g、水分率7.0%)10.0kgに添加し、500N/cmの線荷重で30分間混合攪拌を行った。次に、カーボンブラック(BET100m/g、DBP吸油量110ml/100g、pH3.0)7.5kgを、サンドミルを稼動させながら添加し、更に500N/cmの線荷重で60分間混合攪拌を行い、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、カーボンブラックを被覆した複合粒子を得た。
【0107】
アクリルポリオール溶液100重量部(希釈溶剤:MEK、固形分20重量%、OH価50)に対して、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)をOH/NCO=1.0になるように添加し、導電性複合粒子として前記カーボンブラックを被覆した複合粒子を30重量部、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)を25部、アクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、平均粒径8μm)20部、シリコーンオイルを0.07質量部添加した後、アクリルポリオールの濃度が24重量%になるようにMEKを添加して濃度調整を行った。この混合液をガラスビーズ(平均粒径1mm)を分散メディアとして、横型サンドミルを3回通して分散した。ビーズを瀘過分離した分散液にて、導電性塗料を得た。
【0108】
前記導電性塗料をディッピンク法により前記基層表面に塗工した。導電性塗料は、ダイアグラムポンプを使用した循環機に循環させながら塗工した。導電性塗料の流速は、300ml/minである。基層のディピング時の引き上げ速度はゴム部分の上端から初速30mm/sとして、下端が1mm/sとなるように調速して塗工した。塗工後30分間風乾した後、硬化温度160℃で60分間加熱した。このように硬化することで、アクリルポリオールとイソシアネートが脱水縮合して、ポリウレタン樹脂となる。
【0109】
このようにして、導電性弾性層と表面層の二層構成の帯電部材を作製した。帯電部材の構成は図3に示す。また、この帯電部材の表面粗さ(Rz)を以下の方法で測定した。
【0110】
表面粗さ(Rz)の測定方法としては、JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE3400にて、軸方向3点×周方向2点の計6点について各々測定し、その平均をとる。本発明においては、接触針は先端半径2μmのダイアモンドとし、測定スピード0.5mm/S、カットオフλc0.8mm、基準長さ0.8mm、評価長さ8.0mmとした。
【0111】
このようにして、表面粗さ(Rz)を測定した結果、8.5μmとなった。結果は図5に示す。
【0112】
(製造例17)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0113】
表面層のアクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)、平均粒径8μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:MBX−15、平均粒径15μm)に変更し、添加量を15部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が16.2μmになった。
【0114】
(製造例18)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0115】
表面層の酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)、平均粒径8μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:MBX−12、平均粒径12μm)に変更し、添加量を15部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が13.3μmになった。
【0116】
(製造例19)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0117】
表面層の酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)、平均粒径8μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:MBX−20、平均粒径20μm)に変更し、添加量を40部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が29.2μmになった。
【0118】
(製造例20)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0119】
表面層のカーボンブラックを被覆した複合粒子の芯粒子をシリカ粒子(BET200m/g、水分率7.0%)から酸化チタン粒子(一次粒子径10nm、未処理品)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)、平均粒径8μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)に変更し、添加量を35部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が6.5μmになった。
【0120】
(製造例21)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0121】
表面層のカーボンブラックを被覆した複合粒子の芯粒子をシリカ粒子(BET200m/g、水分率7.0%)から酸化チタン粒子(一次粒子径10nm、未処理品)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)、平均粒径8μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:MBX−20、積水化学工業(株)、平均粒径20μm)に変更し、添加量を10部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が19.5μmになった。
【0122】
(製造例22)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0123】
表面層のカーボンブラックを被覆した複合粒子の芯粒子をシリカ粒子(BET200m2/g、水分率7.0%)から酸化チタン粒子(一次粒子径10nm、未処理品)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)、平均粒径8μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−12、積水化学工業(株)、平均粒径12μm)に変更し、添加量を10部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が12.8μmになった。
【0124】
(製造例23)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0125】
表面層のカーボンブラックを被覆した複合粒子の芯粒子をシリカ粒子(BET200m/g、水分率7.0%)から酸化チタン粒子(一次粒子径10nm、未処理品)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)、平均粒径8μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−15、積水化学工業(株)、平均粒径15μm)に変更し、添加量を10部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が14.6μmになった。
【0126】
(製造例24)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0127】
表面層のカーボンブラックを被覆した複合粒子の芯粒子をシリカ粒子(BET200m/g、水分率7.0%)からアルミナ粒子(一次粒子径40nm、BET48m2/g、純度99.99%以上)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)、平均粒径8μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)に変更し、添加量を50部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が8.9μmになった。
【0128】
(製造例25)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0129】
表面層のカーボンブラックを被覆した複合粒子の芯粒子をシリカ粒子(BET200m/g、水分率7.0%)からアルミナ粒子(一次粒子径40nm、BET48m/g、純度99.99%以上)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)、平均粒径8μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:MBX−12、積水化学工業(株)、平均粒径12μm)に変更し、添加量を8部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が12.9μmになった。
【0130】
(製造例26)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0131】
表面層のカーボンブラックを被覆した複合粒子の芯粒子をシリカ粒子(BET200m/g、水分率7.0%)からアルミナ粒子(一次粒子径40nm、BET48m/g、純度99.99%以上)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が9.6μmになった。
【0132】
(製造例27)
製造例16において、以下の点を変更した以外は、製造例16と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0133】
表面層のカーボンブラックを被覆した複合粒子の芯粒子をシリカ粒子(BET200m/g、水分率7.0%)からアルミナ粒子(一次粒子径40nm、BET48m/g、純度99.99%以上)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:MBX−8、積水化学工業(株)、平均粒径8μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:MBX−15、積水化学工業(株)、平均粒径15μm)に変更し、添加量を5部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が14.6μmになった。
【0134】
(製造例28)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例12と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0135】
表面層の導電性粒子を導電性酸化亜鉛(粉体抵抗率1.0×10Ω・cm、BET40m/g、DBP吸油量50ml/100g)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:MXシリーズ、綜研化学(株)、平均粒径3μm)に変更し、添加量は60部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が3.5μmになった。
【0136】
(製造例29)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例12と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0137】
表面層の導電性粒子を導電性酸化亜鉛(粉体抵抗率1.0×10Ω・cm、BET40m/g、DBP吸油量50ml/100g)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)をアクリル樹脂粒子商品名:MBX−30、積水化学工業(株)、平均粒径30μm)に変更し、添加量は15部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が32.5μmになった。
(製造例30)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例12と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0138】
表面層の導電性粒子を導電性酸化亜鉛(粉体抵抗率1.0×10Ω・cm、BET40m/g、DBP吸油量50ml/100g)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)を添加しなかった。その結果、表面粗さ(Rz)が1.5μmになった。
【0139】
(製造例31)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例12と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0140】
表面層の導電性粒子を導電性酸化亜鉛(粉体抵抗率1.0×10Ω・cm、BET40m/g、DBP吸油量50ml/100g)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)を添加しなかった。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)をアクリル樹脂粒子商品名:MBX−15、積水化学工業(株)、平均粒径15μm)に変更し、添加量は10部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が16.5μmになった。
【0141】
(製造例32)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例12と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0142】
表面層の導電性粒子をカーボンブラック(粉体抵抗率0.2Ω・cm、BET200m/g、DBP吸油量300ml/100g)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)をアクリル樹脂粒子(商品名:MXシリーズ、綜研化学(株)、平均粒径3μm)に変更し、添加量は60部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が3.2μmになった。
【0143】
(製造例33)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例12と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0144】
表面層の導電性粒子をカーボンブラック(粉体抵抗率0.2Ω・cm、BET200m/g、DBP吸油量300ml/100g)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)をアクリル樹脂粒子商品名:MBX−12、積水化学工業(株)、平均粒径12μm)に変更し、添加量は20部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が12.8μmになった。
【0145】
(製造例34)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例12と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0146】
表面層の導電性粒子をカーボンブラック(粉体抵抗率0.2Ω・cm、BET200m/g、DBP吸油量300ml/100g)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)をシリカ粒子(BET140、一次粒子の平均粒子径12nm)に変更した。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)を添加しなかった。その結果、表面粗さ(Rz)が1.6μmになった。
【0147】
(製造例35)
製造例12において、以下の点を変更した以外は、製造例12と同様にして帯電部材を作製した。結果を図5に示す。
【0148】
表面層の導電性粒子をカーボンブラック(粉体抵抗率0.2Ω・cm、BET200m/g、DBP吸油量300ml/100g)に変更した。また、酸化チタン粒子(平均粒径20nm、シランカップリング処理品)を添加しなかった。さらに、アクリル樹脂粒子(商品名:BM30X−5、積水化学工業(株)、平均粒径5μm)をアクリル樹脂粒子商品名:MBX−12、積水化学工業(株)、平均粒径12μm)に変更し、添加量は10部に変更した。その結果、表面粗さ(Rz)が13.5μmになった。
【実施例1】
【0149】
本発明の評価試験で使用した電子写真式レーザープリンターについて示す。出力スピードは180mm/sec、画像の解像度は1200dpiである。装置の概略は図1に示す。1は電子写真感光体である。電子写真感光体は製造例1記載の電子写真感光体を搭載した。2は電子写真感光体を固定する軸である。3は帯電部材である。帯電部材は製造例12記載した帯電部材を搭載した。4および4'は電源である。5は露光光源である。露光光源はダイオードレーザーを採用している。6は現像器である。現像器については現像部材、トナー供給部材、トナー層厚規制部材を搭載した接触現像方式を採用した。現像部材はシリコーンゴム基層にウレタン系の導電性塗料を塗工した現像ローラを用いた。トナー供給部材については、ウレタンゴムを発泡させた発泡ゴムローラを用いた。7は転写手段である。転写手段としては、転写ローラを用いた。転写ローラはヒドリン−NBR系ゴムを基材とした発泡単層ローラを用いた。トナーは、ワックスを中心に荷電制御剤と色素等を含むスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更に表面にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子等を外添した、ガラス転移温度63℃、質量平均粒径5μmの重合トナーである。
【0150】
図1に示す電子写真方式の画像形成装置で、低温低湿環境(L/L:15℃/10%RH)の環境下において、印字率4%のA4画像連続40000枚の画出しを行い、初期と40000枚後のハーフトーン画像について、電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良の目視評価を行った。電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良とは、ハーフトーン画像の印字方向に対して水平な方向な電子写真感光体もしくは帯電部材周期に適合するスジ状の濃度ムラ画像が発生するものである。濃度ムラ画像の評価基準は以下の通りである。
【0151】
A:未発生。
【0152】
B:一部に軽微な濃度ムラが発生するものの、品質上問題なし。
【0153】
C:全面に軽微な濃度ムラが発生するものの、品質上問題なし。
【0154】
D:一部に実用上問題があるレベルの濃度ムラが発生し、品質を維持できない。
【0155】
E:全面に実用上問題があるレベルの濃度ムラが発生し、品質を維持できない。
【0156】
画像評価した結果、製造例1記載の電子写真感光体と製造例12記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例2】
【0157】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例2、帯電部材は製造例13を搭載した。
【0158】
画像評価した結果、製造例2記載の電子写真感光体と製造例13記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例3】
【0159】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例3、帯電部材は製造例14を搭載した。
【0160】
画像評価した結果、製造例3記載の電子写真感光体と製造例14記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例4】
【0161】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例4、帯電部材は製造例15を搭載した。
【0162】
画像評価した結果、製造例4記載の電子写真感光体と製造例15記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例5】
【0163】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例5、帯電部材は製造例16を搭載した。
【0164】
画像評価した結果、製造例5記載の電子写真感光体と製造例16記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例6】
【0165】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例6、帯電部材は製造例17を搭載した。
【0166】
画像評価した結果、製造例6記載の電子写真感光体と製造例17記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はB基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例7】
【0167】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例1、帯電部材は製造例18を搭載した。
【0168】
画像評価した結果、製造例1記載の電子写真感光体と製造例18記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例8】
【0169】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例2、帯電部材は製造例19を搭載した。
【0170】
画像評価した結果、製造例2記載の電子写真感光体と製造例19記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例9】
【0171】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例3、帯電部材は製造例20を搭載した。
【0172】
画像評価した結果、製造例3記載の電子写真感光体と製造例20記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例10】
【0173】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例4、帯電部材は製造例21を搭載した。
【0174】
画像評価した結果、製造例4記載の電子写真感光体と製造例21記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例11】
【0175】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例5、帯電部材は製造例22を搭載した。
【0176】
画像評価した結果、製造例5記載の電子写真感光体と製造例22記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はB基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例12】
【0177】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例6、帯電部材は製造例23を搭載した。
【0178】
画像評価した結果、製造例6記載の電子写真感光体と製造例23記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はB基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例13】
【0179】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例1、帯電部材は製造例24を搭載した。
【0180】
画像評価した結果、製造例1記載の電子写真感光体と製造例24記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例14】
【0181】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例2、帯電部材は製造例25を搭載した。
【0182】
画像評価した結果、製造例2記載の電子写真感光体と製造例25記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例15】
【0183】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例3、帯電部材は製造例26を搭載した。
【0184】
画像評価した結果、製造例3記載の電子写真感光体と製造例26記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例16】
【0185】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例4、帯電部材は製造例27を搭載した。
【0186】
画像評価した結果、製造例4記載の電子写真感光体と製造例27記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して非常に良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例17】
【0187】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例5、帯電部材は製造例12を搭載した。
【0188】
画像評価した結果、製造例4記載の電子写真感光体と製造例27記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【実施例18】
【0189】
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例6、帯電部材は製造例13を搭載した。
【0190】
画像評価した結果、製造例4記載の電子写真感光体と製造例27記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件においても、初期画像はA基準、40000枚後の画像はA基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して良好な結果が得られた。結果は図6に示す。
【0191】
(比較例1)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例7、帯電部材は製造例28を搭載した。
【0192】
画像評価した結果、製造例7記載の電子写真感光体と製造例28記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はB基準、40000枚後の画像はD基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0193】
(比較例2)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例8、帯電部材は製造例29を搭載した。
【0194】
画像評価した結果、製造例8記載の電子写真感光体と製造例29記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はB基準、40000枚後の画像はD基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0195】
(比較例3)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例9、帯電部材は製造例32を搭載した。
【0196】
画像評価した結果、製造例9記載の電子写真感光体と製造例32記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はB基準、40000枚後の画像はD基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0197】
(比較例4)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例7、帯電部材は製造例33を搭載した。
【0198】
画像評価した結果、製造例7記載の電子写真感光体と製造例33記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はB基準、40000枚後の画像はD基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0199】
(比較例5)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例8、帯電部材は製造例28を搭載した。
【0200】
画像評価した結果、製造例8記載の電子写真感光体と製造例28記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はB基準、40000枚後の画像はD基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0201】
(比較例6)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例9、帯電部材は製造例32を搭載した。
【0202】
画像評価した結果、製造例9記載の電子写真感光体と製造例32記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はB基準、40000枚後の画像はD基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0203】
(比較例7)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例10、帯電部材は製造例28を搭載した。
【0204】
画像評価した結果、製造例10記載の電子写真感光体と製造例28記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はC基準、40000枚後の画像はE基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0205】
(比較例8)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例11、帯電部材は製造例32を搭載した。
【0206】
画像評価した結果、製造例11記載の電子写真感光体と製造例32記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はC基準、40000枚後の画像はE基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0207】
(比較例9)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例10、帯電部材は製造例30を搭載した。
【0208】
画像評価した結果、製造例10記載の電子写真感光体と製造例30記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はD基準、40000枚後の画像はE基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0209】
(比較例10)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例11、帯電部材は製造例31を搭載した。
【0210】
画像評価した結果、製造例11記載の電子写真感光体と製造例31記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はD基準、40000枚後の画像はE基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0211】
(比較例11)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例10、帯電部材は製造例34を搭載した。
【0212】
画像評価した結果、製造例10記載の電子写真感光体と製造例34記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はD基準、40000枚後の画像はE基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【0213】
(比較例12)
実施例1と同様の評価を、電子写真感光体と帯電部材を変更して行った。電子写真感光体は製造例11、帯電部材は製造例35を搭載した。
【0214】
画像評価した結果、製造例11記載の電子写真感光体と製造例35記載した帯電部材の組み合わせでは、低温低湿環境で高速高画質プロセス条件において、初期画像はD基準、40000枚後の画像はE基準と電子感光体上の帯電不均一性に起因する画像不良に対して実用に耐えられる画像を得ることができなかった。結果は図7に示す。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】本発明の画像形成装置における一実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の感光体の一例を示す概略構成図である。
【図3】発明の帯電部材の例を示す概略構成図である。
【図4】感光体の構成を示す表である。
【図5】発帯電部材の構成を示す表である。
【図6】プロセスカートリッジの濃度ムラ画像の評価を示す表である。
【図7】プロセスカートリッジの濃度ムラ画像の評価を示す表である。
【符号の説明】
【0216】
1 電子写真感光体
101 支持体
102 導電層
103 中間層
104 感光層
1041 電荷発生層
1042 電荷輸送層
105 保護層
2 軸
3 帯電部材
301 導電性支持体
302 導電性弾性層
303 表面層
4 電源
5 露光光源
6 現像器
7 転写手段
8 クリーニング手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも電子写真感光体と帯電部材を備え、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、該電子写真感光体が支持体上に導電層、中間層、感光層をこの順に設けてなる電子写真感光体であって、該導電層が結着樹脂および導電性粒子を含有する電子写真感光体において、該導電性粒子が酸素欠損型酸化スズを被覆した酸化チタン粒子であり、該導電性粒子の平均粒径が0.2μm以上0.6μm以下であることを特徴とする電子写真感光体であって、かつ該帯電部材が導電性支持体上に導電性弾性層、表面層をこの順に設けてなる帯電部材であって、該表面層が少なくとも結着樹脂および導電性粒子を含有する帯電部材において、該帯電部材の表面粗さ(Rz)が4.0μm超30.0μm未満であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
該帯電部材の表面層中の導電性粒子が酸化スズであることを特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
該帯電部材の表面層中の導電性粒子がカーボンブラックを被覆した複合粒子であることを特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
該帯電部材の表面層中の導電性粒子がシリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子から選ばれる粒子群にカーボンブラックを被覆した複合粒子であることを特徴とする請求項3記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
該帯電部材の表面層中に導電性粒子と有機高分子粒子を含有し、さらに酸化チタン粒子、シリカ粒子のいずれか一方を含有することを特徴とする請求項1乃至4何れか記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
該電子写真感光体における導電層の体積抵抗率が8.0×10Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至5何れか記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1乃至6何れか記載のプロセスカートリッジを搭載していることを特徴とする電子写真装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−203529(P2008−203529A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39516(P2007−39516)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】