説明

プロテイン含有飲料物及びその製造方法

【課題】
健康に良いプロテイン粉末入りの飲料物を製造するに当たって、粉末が完全に溶けないために溶けずに残った粒粒によりプロテイン独特の粉臭さが原因で飲みにくいという問題があった。
【解決手段】

青森県の特産品でもあるりんごジュースに健康に良いプロテイン粉末を入れ、攪拌し、プロテイン粉末が完全に溶けたのを目視で確認した後、飲料することで、プロテイン独特な粉臭さを残さずに美味で且つ飲み易い飲料物が得られ、さらにその製造方法についても新規な方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプロテイン含有飲料物及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、りんごジュースにプロテイン粉末を入れてなるプロテイン含有飲料物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロテインを摂取する目的で、水、牛乳等をプロテインシェーカー、コップ等の容器に入れ攪拌してみたが完全に溶解することはできなかった。また、味に関しても美味ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4539520号
【特許文献1】特許第4545193号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プロテインを溶解する食品または飲料は特に限定されておらず、牛乳、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、清涼飲料、乳酸飲料等の嗜好飲料や、粉末ジュースを含む乾燥食品、あるいはスープ等の液体食品にも適用可能である旨が記載されているが、ジュース類、とりわけりんごジュースについては明確な言及がなく、実施例等における具体的な記載もされていない。
【0005】
青森県を中心とする東北地方はりんごの産地として有名であるが、近年りんごの消費量が落ち込んでいることに鑑み、プロテイン粉末がりんごジュースに溶解しやすく、溶解後の飲料も美味で飲みやすいものであることから考案したものである。
【0006】
プロテインは大豆プロテイン、ホエイプロテインである。
【0007】
従来大豆プロテイン、ホエイプロテイン入りの飲料は独特な臭いが残り、また粉末がよく溶けず固形化するという問題があった。飲料後の容器の底には小さな粒状のプロテイン粉末がまだ僅かに溶けずに残っていた。なお、ここでプロテインの粒径は特に問わない。
【0008】
そこで、りんごジュースにプロテイン粉末を入れてスプーンで攪拌し、目視で粉末が溶けたのを確認した後に、さらに10回以上攪拌したところ、粉末は完全に溶けており、プロテインの臭みも、溶解しきれない固まりも確認できなかった。
【0009】
本発明はプロテイン粉末入りのジュースを製造するに当たって、粉末を完全に溶かし且つプロテインの独特な臭いを残さずに飲みやすいジュースを製造することのできる新規な飲料物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
より具体的には、本発明は、りんごジュースの入っている容器にプロテイン粉末を入れて攪拌することで得られる美味な、且つプロテイン粉末が溶解しやすくなる効果による飲み易い飲料物及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、りんごジュースにプロテイン粉末入れて攪拌し、プロテイン粉末を完全に溶かした飲料物である。ここで、りんごジュースとしては、市販のビン入り又は缶入りのジュースものを用いることができる。酸化防止剤としてビタミンCが添加されているものがあるが、添加されていてもされていなくても、また、りんごをミキサーにかけて製造したりんごジュースでも同様の効果が得られる。りんごをミキサーにかけて製造する場合、皮や芯は除去したものが好ましい。
【0012】
プロテインは市販品を用いることができ、例えば、明治製菓社製の「サバス」を用いたが、これはホエイプロテインである。またオリヒロ株式会社製の「アクティブプロテイン100」を用いたが、これは大豆プロテインである。
【0013】
請求項2に係る発明はりんごジュースの純度は90wt%以上である請求項1に記載の飲料物である。
【0014】
請求項3に係る発明はりんごジュース100ccに対してプロテイン40g以下を含む請求項1又は2に記載の飲料物である。
【0015】
請求項4に係る発明は不純物を実質含まないりんごジュースである請求項1ないし3のいずれか記載の飲料物である。但し不純物とはりんごジュースの成分以外のものであり、水、その他化学成分をさす。
【0016】
請求項5に係る発明は、プロテインは大豆及びホエイプロテインであり、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の飲料物である。
【0017】
請求項6に係る発明は、りんごジュースにプロテイン粉末を入れて攪拌し、プロテイン粉末を完全に溶かすことを特徴とするプロテイン含有飲料物の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、健康に良いプロテイン粉末入りのジュースを製造するに当たってプロテイン特有の不快な臭さみを完全に消し、且つ、プロテイン粉末を完全に溶かすことができる。プロテインの粒径は特に問わない。
【実施例1】
【0019】
300ccのりんごジュースにプロテイン粉末50gを入れスプーンで攪拌したところプロテイン粉末は完全に溶けていた。ここで用いたりんごジュースは、明治乳業株式会社の「ミニッツメイド・朝の健康果実100%RED&GREEN APPLE」であり、その成分は、りんご、香料であった。また、同じく株式会社シージーシージャパンの「100%アップルジュース」を用いたがその成分は、りんご、香料であった。
【0020】
一方、プロテインは、明治製菓社製の「サバス」を用いた。これはホエイプロテインである。表示成分はホエイプロテイン、マルトデキストリン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、パントテン酸、ビタミンC、カルシウム、鉄、マグネシウムであった。
【0021】
また、オリヒロ株式会社製の「アクティブプロテイン100」を用いたが、これは大豆プロテインであり、表示成分は大豆分離たん白、大豆レシチンであった。溶けたかどうかは目視で判断したが、プロテインはりんごジュースに溶かす前は粉末状であったが、攪拌後消失していた。なお、他の実施例においても粉末は消失していた。
【実施例2】
【0022】
ここで、りんごジュースとしては、市販品を用いることができる。例えば伊藤園社製の「GREEN&REDアップルティー」を用いた。これは果汁1.5wt%である。この際、攪拌後プロテイン粉末が消失するまで30回攪拌し、その後飲料を行ったが溶けずに残った粒粒が多少あり、味も純度90wt%以上のものに比して美味ではなかった。原材料名は、砂糖・果糖の糖類、りんご果汁、紅茶、香料、調味料、調味料、ビタミンC、甘味料のアセスルファムK、ネオチームである。
【0023】
続いて、株式会社日本サンガリアベバレッジカンパニーの「たのしいアップルりんごジュース」を用いた。これは果汁20wt%である。この際の攪拌後粉末が消失するまでは前者に比して粉末が消失するまでの時間が短縮され、20回の攪拌後に飲料を行ったが溶けずに残った粒粒が多少あり、味も純度90wt%以上のものに比して美味ではなかった。原材料名は、りんご、果糖ぶどう糖、DHA含有精製魚油、酸味料、香料、ビタミンCである。
【0024】
続いて、サントリーフーズ株式会社のりんごジュース「なっちゃん」を用いた。これは果汁40wt%である。この際の攪拌後に粉末が消失するまでは前者に比して粉末が消失するまでの時間が短縮され、10回の攪拌後に飲料を行ったが溶けずに残った粒粒は多少残り、味も純度90wt%以上のものに比して美味ではなかった。原材料名は、りんご、糖類の果糖ぶどう糖、砂糖、果糖、香料、酸味料である。
【0025】
続いて、明治乳業株式会社の「ミニッツメイド・朝の健康果実100%RED&GREEN APPLE」を使用した。その成分は、りんご、香料であった。100ccの蒸留水に150ccの当該りんごジュースを加え、果汁量を75wt%に調整し、この際の攪拌後粉末が消失するまでは前者に比して粉末が消失するまで時間が短縮され、10回の攪拌後飲料を行ったが溶けずに残った粒粒は多少残り、味も純度90wt%以上のものに比して劣っていた。
【0026】
続いて、上記製品を用い、125ccの蒸留水に100ccの前者のりんごジュースを加え、果汁量を80wt%に調整し、この際の攪拌後に粉末が消失するまでは前者に比して粉末が消失するまでの時間が短縮され、10回攪拌を行ったが溶けずに残った粒粒は多少残り、味も純度90wt%以上のものに比して劣っていた。
【0027】
最後に、明治乳業株式会社の「ミニッツメイド・朝の健康果実100%RED&GREEN APPLE」のりんごジュースを用いたが、その成分は、りんご、香料であった。この果汁量は100wt%であり、この際の攪拌後に粉末が消失するまでは前者に比して粉末が消失するまで時間が短縮され、10回の攪拌後に飲料を行ったが粉末は完全に消失し、味も純度90wt%以下のものに比して美味であった。
【0028】
また、同じく株式会社シージーシージャパンの「100%アップルジュース」を用いたが、その成分は、りんご、香料であった。これに際しても同様の効果が得られた。
【0029】
このプロテイン粉末入りりんごジュースには、プロテインの独特な臭いが残っておらず、りんごの風味が損なわれずにおいしく飲めるものであった。また、プロテイン特有の粉臭さが感じられず、健康飲料としての特徴が感じられて好ましいものであった。
【実施例3】
【0030】
300ccのトマトジュースに50gのプロテイン粉末を入れたところプロテイン粉末は完全に溶けず固形化して残っていた。
【実施例4】
【0031】
300ccのオレンジジュースに50gのプロテイン粉末を入れたところプロテイン粉末は完全に溶けず固形化して残っていた。
【実施例5】
【0032】
300ccのウーロン茶に50gのプロテイン粉末を入れたところプロテイン粉末は完全に溶けず固形化して残っていた。
【実施例6】
【0033】
10ccのりんごジュースに50gのプロテイン粉末を入れたところプロテイン粉末は完全には溶けず固形化して残っていた。これはトマトジュースの例よりは美味であったが、実施例1の場合よりは味は多少劣っていた。
【実施例7】
【0034】
100ccのりんごジュースに50gのプロテイン粉末を入れたところプロテイン粉末は完全には溶けず固形化して粒粒が残っていた。
【実施例8】
【0035】
200ccのりんごジュースに50gのプロテイン粉末を入れたところプロテイン粉末は完全に溶けていた。
【実施例9】
【0036】
300ccのりんごジュースに120gのプロテイン粉末を入れたところプロテイン粉末は完全に溶けていた。
【0037】
本発明は以上の経緯および試作を経て完成したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
りんごジュースにプロテイン粉末を入れて攪拌し、プロテイン粉末を完全に溶かしたプロテイン含有飲料物。
【請求項2】
りんごジュースは純度90wt%以上である請求項1に記載のプロテイン含有飲料物。
【請求項3】
りんごジュース100ccに対してプロテイン40g以下を含む請求項1又は2に記載のプロテイン含有飲料物。
【請求項4】
りんごジュースの成分以外のもので、水、その他化学成分をさす不純物を実質含まないりんごジュースである請求項1ないし3のいずれかに記載のプロテイン含有飲料物。
【請求項5】
プロテインは、大豆プロテイン又はホエイプロテインである請求項1ないし4のいずれかに記載のプロテイン含有飲料物。
【請求項6】
りんごジュースにプロテイン粉末を入れて攪拌し、プロテイン粉末を完全に溶かすことを特徴とするプロテイン含有飲料物の製造方法。

【公開番号】特開2012−170410(P2012−170410A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36465(P2011−36465)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(711001000)
【Fターム(参考)】