説明

プロピレン系樹脂発泡積層平板

【課題】発泡倍率が高発泡であり、箱等の素材等に用いる、軽く加工性にも優れる、ポリプロピレン発泡板を提供する。
【解決手段】プロピレン系樹脂押出発泡体よりなる芯層2の両面に、無延伸プロピレン系樹脂フィルムよりなる表面層3が共押出発泡により積層一体化されてなるプロピレン系樹脂発泡積層平板1であって、該発泡積層平板は、芯層を構成するプロピレン系樹脂押出発泡体の密度が0.045〜0.30g/cm、独立気泡率が50%以上、表面層3を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルム層の坪量が60〜300g/m、発泡積層平板全体の密度が0.10〜0.35g/cm、且つ発泡積層平板の曲げ強度:F(kgf)と、発泡積層平板の坪量:Y(g/m)の間に以下の(1)式が成り立つことを特徴とするプロピレン系樹脂発泡積層平板。F≧2.5×10−3×Y−0.15・・(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種芯材、仕切り材、折材、通函用素材等として用いることのできるポリプロピレン系樹脂発泡積層平板に関する。
【背景技術】
【0002】
会社や工場等において、製品や中間製品を一つの部署から他の部署へ移送したり、一時的に保管しておくために、従来より通い箱と呼ばれる簡易的な包装箱が使用されている。この種の通い箱としては、これまで段ボール製のものが広く用いられていたが、段ボール製の通い箱は、素材から紙の粉が出て製品を汚染するという問題があった。また製菓工場等において、お菓子等の食品を通い箱に収納する場合があるが、紙製段ボールの通い箱は耐水性がないため洗浄できず、不衛生であるとともに、長期間に亘っての繰り返し使用ができないという問題があった。
【0003】
通い箱の素材として合成樹脂を用いれば、段ボール製通い箱の上記課題を解決できる。紙製の段ボールのような軽量性、形状保持性を持ち、紙製の段ボールに代えての利用が可能な合成樹脂製の素材としては、例えばプラスチック製の段ボールや、Tダイから押出発泡して得た密度0.5〜0.3g/cm程度(発泡倍率2〜3倍程度)の低発泡のプロピレン系樹脂発泡板等が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プラスチック製の段ボールは耐水性があり洗浄が可能である。しかしながらプラスチック製の段ボールも紙製の段ボールと同様に、表面材と裏面材との間に波板材を介在させた中空状構造を有するものであるため、洗浄すると段ボールの中空部内に水が浸透して残留してしまうため好ましくない。またプラスチック製段ボールは、非発泡の表面材と裏面材との間に非発泡の波板材を介在させたものであるため、紙製段ボールに比べて重く、また縁部が紙製の段ボールよりも更に固く鋭利であるために作業者が手を切りやすいという問題もある。
【0005】
一方、低発泡のプロピレン系樹脂発泡板も紙製の段ボールに比べて重く、また製造プロセス上、厚い表皮を有するものとなるため剛性、特に10%圧縮強さが高過ぎるために加工性が悪く、靱性に劣るため、例えば通常の段ボール箱の形態を採用した場合、段ボール箱の上面及び/又は下面をガムテープを使用せずに封止する際、交互に舌片を仕組むことができない等の問題があった。また特開平4−363227号公報に記載されている環状ダイスから押出発泡して得たプロピレン系樹脂発泡シートは、Tダイから押出発泡して得た上記プロピレン系樹脂発泡板より高発泡倍率とすることができるが、剛性が不充分で反りがあり、表面の平坦性も不充分であるという問題があった。
【0006】
一方、特開平8−231745号公報に記載されているプロピレン系樹脂板状発泡体は、発泡体の内層部の気泡を特定の形状としたことにより、密度が0.06〜0.3g/cmと軽量で、緩衝性、抜き加工性にも優れているが、表面平滑性に劣るため外観や印刷性が低下し、また剛性も不充分であるという問題があった。これに対して本願出願人が先に提案した、密度0.07〜0.25g/cmの板状プロピレン系樹脂発泡体の少なくとも片面に引張強度10kg/mm以上合成樹脂フィルムを積層してなるプロピレン系樹脂発泡積層板(特開平10−748号公報)は、緩衝性、抜き加工性に優れ、剛性も比較的高いという優れた物性を有するものである。しかしながら、発泡体に積層する引張強度が10kg/mm以上の合成樹脂フィルムとして延伸フィルムを用いる必要があり、このためコスト高となるとともに、発泡体に延伸フィルム等を積層するために製造効率が低くなり、この結果、製造コストが高くつくという問題もあった。
【0007】
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意研究した結果、プロピレン系樹脂発泡体からなる芯層と、プロピレン系樹脂フィルム又はプロピレン系樹脂低発泡体からなる表面層とが積層一体化されたプロピレン系樹脂発泡積層平板を製造するに際し、共押出法によって筒状に押出して芯層と表面層とが積層一体化した筒状発泡体を得、次いでこの筒状発泡体を切り開いて板状とした後、特定の温度に加熱処理してロール等にて引き取る方法を採用すると、延伸フィルム等の高い引張強度を有するフィルムを積層しなくとも、軽量でありながら剛性、表面平滑性、印刷性、外観、緩衝性に優れ、また抜き加工性に優れたプロピレン系樹脂発泡積層平板が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のプロピレン系樹脂発泡積層平板は、
プロピレン系樹脂押出発泡体よりなる芯層の両面に、無延伸プロピレン系樹脂フィルムよりなる表面層が積層一体化されてなるプロピレン系樹脂発泡積層平板であって、
該発泡積層平板は、芯層を構成するプロピレン系樹脂発泡性溶融物と、両表面層を構成するプロピレン系樹脂非発泡性溶融物とを共押出発泡させて芯層と表面層とを積層一体化する積層方法により成形されたものであり、
該発泡積層平板は、芯層を構成するプロピレン系樹脂押出発泡体の密度が0.045〜0.30g/cmであると共に独立気泡率が50%以上、表面層を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルム層の坪量が60〜300g/m、発泡積層平板全体の密度が0.10〜0.35g/cm、全体の厚みが2〜10mmであり、
且つ該発泡積層平板の表面の中心線平均粗さが5μm以下であるとともに、発泡積層平板の曲げ強度:F(kgf)と、発泡積層平板の坪量:Y(g/m)の間に下記(1)式が成り立つことを特徴とするプロピレン系樹脂発泡積層平板。
F ≧ 2.5×10−3×Y−0.15 ・・・(1)
【0009】
本発明のプロピレン系樹脂発泡積層平板は、表面層を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルムの引張強度:E(kgf/cm)と、当該フィルムの坪量:X(g/m)との間に、下記(2)式が成り立つことが好ましい。
E < 0.07X ・・・(2)
【0010】
また本発明のプロピレン系樹脂発泡積層平板は、表面層を構成するプロピレン系樹脂に5〜30重量%の無機充填材が含有されているものが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明のプロピレン系樹脂発泡積層平板は、芯層を構成するプロピレン系樹脂押出発泡体の密度が0.045〜0.30g/cmであると共に独立気泡率が50%以上、発泡積層平板全体の密度が0.10〜0.35g/cm、全体の厚みが2〜10mmであるとともに、表面層を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルム層の坪量が60〜300g/mのものにあっては、表面層が積層された側の表面の中心線平均粗さが5μm以下であるとともに、発泡積層平板の曲げ強度:F(kgf)と、発泡積層平板の坪量:Y(g/m)の間に前記(1)式で示す関係が成り立つことにより剛性、二次加工性、軽量性、印刷適性、洗浄性に優れるという利点がある。
【0012】
また、表面層を構成す無延伸プロピレン系樹脂フィルム芯層の両面へ積層されており反りの発生がなく良好な平板となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のプロピレン系樹脂発泡積層平板の構造を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明のプロピレン系樹脂発泡積層平板1の一例を示し、この発泡積層平板1は、プロピレン系樹脂発泡体からなる芯層2の両面に、無延伸プロピレ系樹脂フィルムからなる表面層3が積層一体化されてなる構造を有する。表面層3は芯層2の片面側のみに積層されているよりも更に高い剛性を得る上で両面側に積層されている
【0015】
本発明において上記発泡積層平板1は、プロピレン系樹脂発泡性溶融物と、プロピレン系樹脂非発泡性溶融物とを、押出機先端の環状共押出用ダイスに供給し、両者を合流させた後、環状共押出用ダイスより押出して得た筒状発泡体を押出方向に切り開いて板状とする等の共押出法によって製造できる。また上記図1に示す如き芯層2の両面に表面層3を有する発泡積層平板1を得るには、筒状発泡体の発泡層の両面側に非発泡層が形成されるように、環状共押出用ダイスによってプロピレン系樹脂発泡性溶融物と、プロピレン系樹脂非発泡性溶融物とを合流させるようにすれば良い。
【0016】
本発明のプロピレン系樹脂発泡積層平板1を製造する際に、上記筒状発泡体を押出方向に沿って切り開いて発泡積層板とし、しかる後、該発泡積層板の表裏両面を、表面層3を構成するプロピレン系樹脂の(熱変形温度−20℃)以上に加熱してロール等にて引き取る方法を採用することができる。尚、上記、『しかる後』とは、発泡積層板をオンラインで加熱しても、また発泡積層板を一度ロール状に巻き取り、後程、ロールを巻き出して加熱しても良いことを意味する。また芯層2の両面及び/又は多層の表面層3を有し、各々の表面層3の基材樹脂の熱変形温度が異なる場合は、より高温の熱変形温度を基準として(熱変形温度−20℃)以上にするものとする。発泡積層板の表裏両面を加熱する温度は、好ましくは120〜165℃、更に好ましくは123℃〜155℃である。発泡積層板を加熱する方法としては、加熱炉を使用し遠赤外線、近赤外線等による輻射加熱による方法や、熱ロールによる接触加熱による方法が挙げられる。尚、上記表面層3を構成するプロピレン系樹脂の(熱変形温度−20℃)以上に加熱するとは、加熱炉等の加熱手段により加熱されて加熱手段から出て来た直後の発泡積層板の表面層3の表面温度を、遅滞なく赤外線による温度測定により求め、その温度が(熱変形温度−20℃)以上であることを意味する。また上記熱変形温度とは、JIS K7207(曲げ応力4.6kgf/cm)により測定される温度である。尚、表面層3に無機充填材を含有するプロピレン系樹脂を使用した場合は無機充填材を含有したプロピレン系樹脂の熱変形温度を熱変形温度とする。
また、上記発泡積層板の表裏両面の加熱温度の上限は、発泡積層板を構成するプロピレン系樹脂の耐熱性等により変動する値である為、発泡積層板の表面状態が悪化しない範囲、おおむね該発泡積層板の表裏両面を構成するプロピレン系樹脂の融点以下に調整される。
【0017】
上記したように共押出法により押出発泡して得た筒状発泡体を切り開いて形成した発泡積層板の両面を、表面層を形成するプロピレン系樹脂の(熱変形温度−20℃)以上に加熱して引き取る方法を採用することにより、発泡積層板の幅方向両端に発生する波うちや、該積層板の巻きぐせを解消することができ、更に該積層板の機械的強度、表面平滑性が良好となる。尚、発泡積層板を加熱して引き取る方法としては、該積層板を加熱炉により加熱した後、ロールやコンベアにより引き取る方法や、熱ロールにより加熱と引き取りを同時に行なう方法等、加熱手段と引き取り手段との多種多様の組合せが考えられる。特に加熱された、若しくは加熱されている発泡積層板表面を挟圧できるロールを引き取り手段として採用することが表面平滑性等の面で好ましい。
【0018】
芯層2の表裏両面に表面層3が設けられた図1に示す構造の発泡積層平板1を得る場合、筒状発泡体を押出方向に沿って切り開いて得た発泡積層板の両面を加熱する工程において、加熱温度が表面層3を形成するプロピレン系樹脂の(熱変形温度−20℃)以上で、且つ筒状発泡体の外側(外周面側)に位置していた側の面の加熱温度が筒状発泡体の内側(内周面側)に位置していた側の面の加熱温度よりも5℃以上高い温度であることが好ましい。特に芯層2の両面に表面層3が積層された発泡積層板の両面を、表面層3を構成する樹脂の(熱変形温度−20℃)以上の温度とし、且つ上記したように表裏面で5℃以上の加熱温度差を設けて加熱することにより、効率的に該発泡板の表裏面の残留歪みをバランス良く緩和させることができるため、外観良好な平板を得ることができる。
【0019】
プロピレン系樹脂発泡積層平板1における芯層2の基材樹脂としては、無架橋のプロピレン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体であるプロピレン系ブロック共重合体やプロピレン系ランダム共重合体等が挙げられる。プロピレン系共重合体を構成するオレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。これらは2種以上をプロピレンと共重合せしめても良い。プロピレン系共重合体における上記オレフィン含有率は、0.5〜30重量%、特に1〜10重量%が好ましい。また更に基材樹脂に、エチレン−プロピレンラバー等のゴム成分を3〜20重量%混合することができる。
【0020】
また、基材樹脂にクロム酸塩、フェロシアン化物、硫化物、リン酸塩、炭素、ケイ酸塩等の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系等の有機顔料やその他の染料からなる着色剤を0.01〜5重量%、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)−N−アルキルアミン、アルキルスルホン酸等の帯電防止剤を0.1〜2重量%、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等の耐候剤を0.01〜2重量%、カーボンブラック、銀粉、ニッケル粉、グラファイト、アルミフレーク等の導電性付与剤を1〜20重量%、その他、難燃剤、気泡調整剤、流動性向上剤、熱安定剤、無機充填材等を必要に応じて適宜配合することが好ましい。
【0021】
また上記プロピレン系樹脂は、ドローダウン性が60m/分以下、特に30m/分以下のものが好ましい。ドローダウン性が60m/分を超えるものは、押出発泡によって密度0.045〜0.30g/cmの発泡体を得ようとするとコルゲートを生じ易く、表面凹凸の多いものとなり易い。プロピレン系樹脂のドローダウン性は、長鎖分岐の数や長さにより調整することができる。一般に、長鎖分岐の数が多い程、また分岐の長さが長い程、ドローダウン性は低くなる傾向にある。
【0022】
ドローダウン性が60m/分以下のプロピレン系樹脂は、アタクチック分又は/及びアイソタクチックではあるが結晶していない成分を含む通常の結晶性線状プロピレン系樹脂に、低温分解型(分解温度が室温から120℃程度のもの)の過酸化物を添加して120℃以下に加熱し、プロピレン系樹脂の主鎖にアタクチック分又は/及び結晶していないアイソタクチック成分を分岐鎖として結合させる等の方法で得られる。
【0023】
上記、低温分解型の過酸化物としては、例えば、ジ(s−ブチル)ペルオキシジカーボネート、ビス(2−エトキシ)ペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオデカノアート、t−アミルペルオキシネオデカノアート、t−ブチルペルオキシピバラート等が挙げられる。
【0024】
上記プロピレン系樹脂のドローダウン性は、溶融した230℃の樹脂をメルトインデクサーのノズル(口径2.095mm、長さ8mm)からピストン押圧速度10mm/min.にて紐状に押出し、巻き取りロールの巻き取り速度を徐々に増加させて巻き取る際に、紐状樹脂が切断した時の巻き取り速度である。また発泡体を構成するプロピレン系樹脂は、溶融張力が10g以上であるものが好ましい。溶融張力は、230℃の樹脂をメルトインデクサーのノズル(口径2.095mm、長さ8mm)からピストン押圧速度10mm/min.にて紐状に押出し、押出された紐状の樹脂が、最初に掛けられる可動式プーリーに接続されたロードセルによって検出される値であり、紐状樹脂の巻き取り速度を徐々に増加させロードセル検出値が安定した時の値とする。
【0025】
本発明において、プロピレン系樹脂発泡体としては、主に上記ドローダウン性、溶融張力の条件を満足するプロピレン系樹脂を基材とする無架橋のものが好ましい。また無架橋発泡体が、リサイクル性、生産性等に優れているため好ましい。本発明において無架橋とは、溶融特性改善のために微架橋したものも含む。具体的にはゲル分率で5重量%未満のものまで本発明で言う無架橋の範囲に含む。尚、ゲル分率は、沸騰キシレン中で15時間抽出を行い、JIS Z8801(1995)のふるいの目開き75μmの金網で濾過し、不溶分を24時間減圧乾燥し抽出残量(g)を求め、樹脂の抽出残量(g)の抽出前重量(g)に対する百分率として求められる。
【0026】
上記したプロピレン系樹脂には、必要により他の樹脂を混合して発泡体の基材樹脂として用いることができるが、混合物のドローダウン性が60m/分を超えないようにすることが好ましい。混合して用いることができる樹脂としては例えば、ドローダウン性が60m/分を超えるプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等のポリエチレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。
【0027】
上記プロピレン系樹脂発泡体よりなる芯層2に積層される表面層3を構成するプロピレン系樹脂としては、上述のドローダウン性、溶融張力を有するプロピレン系樹脂を使用しても良いが、コストの面からそれ以外のプロピレン系樹脂を使用することが好ましい。また本発明の発泡積層平板の剛性、表面平滑性を、より優れたものとするために、5〜30重量%の無機充填材を表面層3を構成するプロピレン系樹脂に含有させることが好ましい。尚、表面層が多層のものの場合、最も外側の層を構成する基材樹脂に無機充填材を含有させることが表面平滑性の面で好ましい。上記無機充填材としては、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、シリカ、クレー、ゼオライト、アルミナ、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0028】
また、表面層3を構成する基材樹脂にクロム酸塩、フェロシアン化物、硫化物、リン酸塩、炭素、ケイ酸塩等の無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系等の有機顔料やその他の染料からなる着色剤を0.01〜5重量%、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)−N−アルキルアミン、アルキルスルホン酸等の帯電防止剤を0.1〜2重量%、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等の耐候剤を0.01〜2重量%、カーボンブラック、銀粉、ニッケル粉、グラファイト、アルミフレーク等の導電性付与剤を1〜20重量%、その他、難燃剤、気泡調整剤、流動性向上剤、熱安定剤等を必要に応じて適宜配合することが好ましい。
また、導電性の表面層として酸化インジウムが成膜されたフィルムを使用することもできる。
また、表面層3は単層のものに限らず、更にタルク等の無機充填材を含有させたポリプロピレン系樹脂等を積層した多層のポリプロピレン系樹脂からなるものでもよい。
【0029】
本発明の最も好ましい具体例として、プロピレン系樹脂発泡体よりなる芯層に非発泡プロピレン系樹脂フィルムからなる表面層を積層する場合について上記の如く説明したが、表面層は密度が0.3g/cmを超えるプロピレン系樹脂低発泡体、好ましくは0.45g/cm以上のプロピレン系樹脂低発泡体であっても本発明における所期の目的を達成することができる。尚、本発明において表面層はプロピレン系樹脂フィルム又はプロピレン系樹脂低発泡体からなるものであるため、特殊な添加剤を加えない限り、基材であるプロピレン系樹脂自体の密度が表面層の密度の上限値になる。
低発泡体からなる表面層は、アゾジカルボンアミド等の加熱分解型の発泡剤、揮発性発泡剤等を適宜基材樹脂に添加して芯層を構成する樹脂と共押出しすることにより得ることができる。
【0030】
本発明のプロピレン系樹脂発泡積層平板1は、芯層2を構成するプロピレン系樹脂押出発泡体の密度が0.045〜0.30g/cmであると共に独立気泡率が50%以上、表面層3を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルム層の坪量が60〜300g/m、発泡積層平板1全体の密度が0.10〜0.35g/cm、全体の厚みが2〜10mmの範囲にあるものであるが、
更に該発泡積層平板の表面の中心線平均粗さが5μm以下で、且つ発泡積層平板1の曲げ強度:F(kgf)と発泡積層平板1の坪量:Y(g/m)との間に下記
F ≧ 2.5×10−3×Y−0.15 ・・・(1)
なる関係が成り立つことが必要である。
【0031】
本発明の発泡積層板1において、芯層2の密度が0.045g/cm未満の場合には剛性において不十分なものとなり、密度が0.30g/cmを超える場合には軽量性、二次加工性、緩衝性が不十分なものとなる。尚、芯層2の密度は成形性、軽量性、加工性の面から0.07〜0.18g/cmのものが特に好ましい。また発泡積層平板1全体の密度が0.10g/cm未満の場合、剛性において不十分なものとなり、0.35g/cmを超える場合には、軽量性、二次加工性、緩衝性が不十分なものとなる。更に発泡積層板1の厚みが2mm未満の場合には、剛性が不十分なものとなり、10mmを超える場合には二次加工性が不十分なものとなる。
【0032】
本発明におい中心線平均粗さの値は、JIS B0601の中心線平均粗さ測定により求められる。尚、本発明の発泡積層平板1の中心線平均粗さは芯層2に積層されている表面層3について測定するものとし、両面に表面層3を有するので各面の測定値が本発明で特定する値を満足するものでなければならない。
【0033】
尚、発泡積層平板1の芯層2を構成するプロピレン系樹脂押出発泡体の密度、表面層3を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルムの坪量は以下のようにして測定することができる。
【0034】
まず発泡積層平板1を任意の位置で縦10cm×横10cmの正方形に切り取ったサンプルより、発泡積層平板1の全体の坪量を求める。ついで、発泡積層平板1の厚み方向の切断面を顕微鏡で拡大して芯層2、表面層3の各々任意の10ケ所の厚みを測定し、その測定値の平均値を芯層2、表面層3の厚みとし、表面層3を構成するプロピレン系樹脂の原料密度と表面層3の厚みから表面層3の坪量を求める。また発泡積層平板1の全体の坪量から、表面層3の坪量を引いた値を芯層2の坪量として求めることができる。
【0035】
面層3を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルムの坪量が60〜300g/mの場合には、上記の如く表面層3が積層されてい表面の中心線平均粗さが5μm以下、好ましくは3μm以下で、且つ発泡積層平板1の曲げ強度:F(kgf)と発泡積層平板1の坪量:Y(g/m)との間に、前記(1)式が成立する必要がある。フィルムの坪量が60g/m未満の場合は剛性面で不十分なものとなる可能性があり、一方、フィルムの坪量が300g/mを超える場合は二次加工性、軽量性において不具合がある。また曲げ強度と坪量との関係が前記(1)式を満足しない場合は、剛性面においての改善効果が期待できない。尚、中心線平均粗さを限定したことにより、前述の低坪量のフィルムを積層した平板の場合と同様の効果が得られる。
【0036】
本発明において発泡積層平板1の曲げ強度は、JIS K7203に準拠し、試験片幅を25mm、試験片厚みを発泡積層平板の全厚みとし、支点間距離を50mm、試験速度10mm/min.にて平板の押出方向と幅方向の曲げ強度を測定し、それらの算術平均値を曲げ強度とし、該平板の表面と裏面のそれぞれの曲げ強度を求め、値の大きい方の曲げ強度を発泡積層板の曲げ強度とする。
【0037】
上記した芯層2を構成するプロピレン系樹脂発泡体の密度が0.045〜0.30g/cmであると共に独立気泡率が50%以上、発泡積層平板1全体の密度が0.10〜0.35g/cm、全体の厚みが2〜10mmであり、且つ表面層3を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルムの坪量が60〜300g/mであって、発泡積層平板の表面の中心線平均粗さが5μm以下、発泡積層平板1の曲げ強度:F(kgf)と発泡積層平板1の坪量:Y(g/m)の間に前記(1)式の関係が成立する発泡積層平板1は、共押出法によって得られ、共押出法によって製造する場合は平板の両面に表面層3を同時に積層することができ、また十分な厚みを有するものが得られる
【0038】
本発明の発泡積層平板1において、芯層2を構成するプロピレン系樹脂発泡体は、独立気泡率が50%以上であり、特に65%以上であることが好ましい。芯層2を構成するプロピレン系樹脂発泡体の独立気泡率が50%以上の場合、芯層2の剛性、靱性が向上するため、得られる発泡積層平板の剛性等の物性が向上する。独立気泡率50%以上のプロピレン系樹脂発泡体は、上記した共押出法によって容易に得ることができる。尚、発泡の独立気泡率は、ASTM D2856に準拠して空気比較式比重計を使用し、下記(3)式により求めた。
【0039】
独立気泡率(%)=
{〔Vx−Va(ρf/ρs)〕/〔Va−Va(ρf/ρs)〕}×100 ・・・(3)
但し、上記(3)式において、Vxは発泡サンプルの実容積(発泡サンプルを構成する樹脂の容積と、発泡サンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和)(cm)、Vaは発泡サンプルの見掛けの容積(cm)、ρfは発泡サンプルの見掛けの密度(g/cm)、ρsは樹脂の密度(g/cm)である。
【0040】
また、本発明の発泡積層平板1は10%圧縮強さが10kg/cm未満であるものが緩衝性の面で特に好ましい。尚、上記10%圧縮強さは、縦50mm、横50mm、厚み約25mmとなるように積層して調製した試験片を、万能試験機(株式会社オリエンテック社製:テンシロン等)にて、厚み方向に10mm/min.で10%圧縮し、その時の応力値を採用する。
【0041】
尚、本発明において表面層3を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルムの「無延伸」という用語は、本発明における表面層3を構成するフィルムと延伸フィルムとを差別化するために用いたものである。本発明における「無延伸」の1つの指標としては、該フィルムの坪量をX(g/m)と、当該フィルムの引張強度:E(kgf/cm)との間に、下記(2)式が成り立つフィルムであることが好ましい。
E < 0.07X ・・・(2)
【0042】
表面層3を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルムの坪量と引張強さとの間に、上記(2)式の関係が成り立つようにするには共押出法により、表面層3を形成すれば良い。尚、フィルムの引張強度は、縦50mm×幅10mm×フィルム厚みの大きさの試験片を、引張試験機にてチャック間30mm、引張速度200mm/min.の条件で引張って、押出方向と幅方向について破断強度を求め、フィルムの押出方向及び幅方向の破断強度の算術平均値をフィルムの引張強度とした。
【0043】
本発明の発泡積層平板1は、表面平滑性、外観、軽量性、加工性、洗浄性、靱性、表面層の坪量によっては十分な剛性に優れるものであり、特に通い箱の素材として好適なものであるが、通い箱の素材としての利用に限らず、カバン、バッグ、ランドセル等の芯材等としても使用でき、また、板状のままで使用するのみならず、所望の形状に熱成形して使用することができる。例えばペン等を収納するホルダー部を熱成形によって形成し、カバンやバッグ内の仕切り板等として利用することができる。また、発泡積層平板1に、ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂層やアルミ箔層等を更に積層接着することもできる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例
芯層を構成するためのプロピレン系樹脂として、モンテル社製のプロピレン単独重合体(PF814)を用い、表面層を構成するためのプロピレン系樹脂として表1に示す熱変形温度のプロピレン系樹脂を用いた。押出機内において、芯層を構成するプロピレン系樹脂中に表に示す量のイソブタンとノルマルブタンとの混合(重量比1:2)発泡剤を添加して発泡性溶融物を形成し、一方他の押出機内において表面層を構成するプロピレン系樹脂中に表1に示すタルクを含有したプロピレン系樹脂からなる非発泡性溶融物を形成し、発泡性溶融物の両面に非発泡性溶融物が積層されるように両者を共押出用環状ダイス内部で合流させた後、該環状ダイスから筒状に押出して筒状発泡体とし、次いでこの筒状発泡体を押出方向に沿って切り開いた積層発泡体の両面を加熱炉にて加熱し、これをロールにて引き取った。尚、加熱炉を通って出てきた直後の積層発泡平板の表面温度を加熱炉出口に取付けた遠赤外線温度計にて測定し、この温度を積層発泡体表面の加熱温度として表に示した。このようにして、芯層の両面に表面層を有する積層発泡平板を得た。得られた積層発泡平板の性状を表示す。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

※1:筒状発泡体の外側に位置していた側の面
※2:筒状発泡体の内側に位置していた側の面
※3:発泡平板表面の中心線平均粗さ(μm)
【0047】
比較例1
芯層及び表面層を構成するためのプロピレン系樹脂として実施例と同様の樹脂を用いた。押出機内において、芯層を構成するプロピレン系樹脂中に表に示す量の実施例1と同様の発泡剤を添加して発泡性溶融物を形成し、環状ダイスから筒状に押出した。他の押出機内において、表1に示すタルクを含有した表面層を構成するためのプロピレン系樹脂を溶融して非発泡性溶融物を形成し、これを上記押出発泡された筒状発泡体を切り開いた発泡体の片面にTダイより押出して積層し、次いでこの積層発泡体の両面を加熱炉にて加熱し、これをロールにて引き取った。このようにして芯層の片面に表面層を有する積層発泡平板を得た。得られた積層発泡平板の性状を表に示す。
【0048】
比較例
芯層を構成するためのプロピレン系樹脂としてモンテル社製のプロピレン単独重合体(PF814)を用い、押出機内において芯層を構成するプロピレン系樹脂中に表2に示す量の実施例1と同様の発泡剤を添加して発泡性溶融物を得、環状ダイスより筒状に押出した後、切り開くことによりシート状のポリプロピレン系樹脂発泡体とし、これをロール状に巻き取った。次にロール状の発泡体を加熱延伸して発泡平板とした。尚、比較例では発泡平板にフィルムを積層しなかった。
得られた発泡平板の性状等を表に示す。
【0049】
比較例
芯層を構成するためのプロピレン系樹脂として、モンテル社製のプロピレン単独重合体(PF814)を用い、押出機内において芯層を構成するプロピレン系樹脂中に表に示す量の実施例1と同様の発泡剤を添加して発泡性溶融物を得、環状ダイスより筒状に押出した後、切り開くことにより発泡シートを得た。得られた発泡シートの性状等を表に示す。
【0050】
実施例
芯層を構成するためのプロピレン樹脂として、モンテル社製のプロピレン系樹脂SD632を用い、表面層を構成するためのプロピレン系樹脂として表に示す熱変形温度のプロピレン系樹脂を用い、表面層を構成する樹脂に下記A、Bの添加剤を表に示す量添加した以外は、実施例と同様に積層発泡平板を得た。得られた積層発泡平板の性状を表に併せて示す。
【0051】
【表3】

添加剤A:着色剤;フタロシアニンブルー30重量%マスターバッチ
添加剤B:帯電防止剤;グリセリンモノステアレートとジエタノールアミンとの重量比(1:1)混合物の15重量%マスターバッチ
【0052】
実施例では、芯層発泡体は着色しなくても、表面層にだけ着色剤を入れるだけで、きれいに着色された積層発泡平板が得られた。したがって、着色剤の使用量を減らすことができ、コストダウンが可能となる。また、着色剤による発泡への悪影響もなくなる。
実施例で得られた積層発泡平板を23℃、50%RHの恒温恒湿室に保存し、積層発泡平板の表面固有抵抗をTR8601型 HIGH MEGOHM METER(タケダ理研工業製)を使用し測定したところ、1週間後で5×1011Ω、また2ケ月後で7×1011Ωであった。したがって、帯電防止剤を表面層に入れるだけで帯電防止処理された積層発泡平板が得られるため、帯電防止剤の使用量を減らすことができ、コストダウンが可能となるとともに、帯電防止剤による発泡への悪影響もなくなる。
【0053】
実施例
芯層を構成するためのプロピレン樹脂として、モンテル社製プロピレン単独重合体PF814とモンテル社製のプロピレン系樹脂SD632との(重量比1:1)混合物を用い、表面層を構成するためのプロピレン系樹脂として表に示す熱変形温度のプロピレン系樹脂を用い、表面層を構成する樹脂に下記Cの添加剤を表に示す量添加した以外は、実施例と同様に積層発泡平板を得た。得られた積層発泡平板の性状を表に併せて示す。
添加剤C:耐候剤;サノールLS770、ヒンダードアミン系光安定剤(ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート)三共社製
【0054】
実施例で得られた積層発泡平板、および比較として耐候剤を添加しない以外は実施例と同じ坪量、密度、厚みの比較用積層発泡平板を以下に示す条件で耐候試験機(島津キセノンテスターXW150、島津製作所製)に10日間入れ、引張強度低下を測定した。
条件:40℃、50%RH、60分間照射中に12分間水噴射、ランプレンジ2(10倍促進)
サンプルサイズ:45(幅方向)×130(押出方向)mm
引張強度の測定は、JISK6767に準拠し、ダンベル形状の試験片にて引張速度500mm/minで行った。その結果、実施例の耐候剤を添加した積層発泡平板の耐候試験後の引張強度は、46kgf/cmであり、耐候試験機に入れない積層発泡平板に対する強度保持率は82%であった。
一方、比較用積層発泡平板の耐候試験後の引張強度は、24kgf/cmであり、耐候試験機に入れない積層発泡平板に対する強度保持率は43%であった。したがって、耐候剤を表面層に入れるだけで耐候性に優れる積層発泡平板が得られるため、耐候剤の使用量を減らすことができ、コストダウンが可能となるとともに、耐候剤による発泡への悪影響もなくなる。
【0055】
【表4】

※1:筒状発泡体の外側に位置していた側の面
※2:筒状発泡体の内側に位置していた側の面
【0056】
尚、中心線平均粗さの測定は積層発泡平板又は発泡平板の各測定面において、押出方向及び幅方向について測定を行ない、押出方向と幅方向の中心線平均粗さの算術平均値を測定面の中心線平均粗さとした。
また、発泡体表面の加熱温度の測定は、OPTEX社製 THRMO−HUNTER MODEL PT−3LF を使用して測定した。
【符号の説明】
【0057】
1 プロピレン系樹脂発泡積層平板
2 芯層
3 表面層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピレン系樹脂押出発泡体よりなる芯層の両面に、無延伸プロピレン系樹脂フィルムよりなる表面層が積層一体化されてなるプロピレン系樹脂発泡積層平板であって、
該発泡積層平板は、芯層を構成するプロピレン系樹脂発泡性溶融物と、両表面層を構成するプロピレン系樹脂非発泡性溶融物とを共押出発泡させて芯層と表面層とを積層一体化する積層方法により成形されたものであり、
該発泡積層平板は、芯層を構成するプロピレン系樹脂押出発泡体の密度が0.045〜0.30g/cmであると共に独立気泡率が50%以上、表面層を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルム層の坪量が60〜300g/m、発泡積層平板全体の密度が0.10〜0.35g/cm、全体の厚みが2〜10mmであり、
且つ該発泡積層平板の表面の中心線平均粗さが5μm以下であるとともに、発泡積層平板の曲げ強度:F(kgf)と、発泡積層平板の坪量:Y(g/m)の間に下記(1)式が成り立つことを特徴とするプロピレン系樹脂発泡積層平板。
F ≧ 2.5×10−3×Y−0.15 ・・・(1)
【請求項2】
表面層を構成する無延伸プロピレン系樹脂フィルムの引張強度:E(kgf/cm)と、当該フィルムの坪量:X(g/m)との間に、下記(2)式が成り立つことを特徴とする請求項記載のプロピレン系樹脂発泡積層平板。
E < 0.07X ・・・(2)
【請求項3】
表面層を構成するプロピレン系樹脂に5〜30重量%の無機充填材が含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロピレン系樹脂発泡積層平板。

【図1】
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【公開番号】特開2009−196368(P2009−196368A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110800(P2009−110800)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【分割の表示】特願2008−119485(P2008−119485)の分割
【原出願日】平成10年11月19日(1998.11.19)
【出願人】(000131810)株式会社ジェイエスピー (245)
【Fターム(参考)】