説明

プロペラの圧力変動推定装置及び方法並びにプログラム

【課題】プロペラの回転に付随して周囲に発生する圧力変動を十分な精度をもって推定すること。
【解決手段】過去における実機計測で取得したプロペラの圧力変動データと過去における模型試験で取得したプロペラの圧力変動データとに基づいて作成された実機計測と模型試験とのデータ相関情報を用いて、模型試験で取得したプロペラの圧力変動データに対応する実機におけるプロペラの圧力変動を推定する推定部23を備えるプロペラの圧力変動推定装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、舶用プロペラ等の回転翼の回転に付随して周囲に発生する圧力変動を推定するプロペラの圧力変動推定装置及び方法並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、舶用プロペラの設計時に留意すべき性能として、プロペラ変動圧を小さくすることが挙げられる。プロペラ変動圧とは、プロペラ翼の通過やキャビテーションの発生により、通常プロペラ上方に設置される船体表面に作用する圧力変動をいう。
プロペラ変動圧の推定は、例えば、30分の1程度の縮小模型を用いた水槽試験による直接的な計測に基づいて行われる。
【特許文献1】特開平11−30551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、水槽試験による測定値は、水槽中の水の特性(例えば、溶存空気や縮小気泡の量、水温等)や、模型プロペラの各翼の製作精度、翼の表面の状態等により、実機の場合に比較して、圧力変動が発生したりしなかったりすることから、圧力変動の発生が不安定となり、圧力変動の振幅を小さく見積もってしまうおそれがあった。このため、単に、水槽試験(模型試験)の計測結果をそのまま実機における圧力変動として取り扱うのでは、十分な精度が得られないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、プロペラの回転に付随して周囲に発生する圧力変動を十分な精度をもって推定することのできるプロペラの圧力変動推定装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、過去における実機計測で取得したプロペラの圧力変動データと過去における模型試験で取得したプロペラの圧力変動データとに基づいて作成された実機計測と模型試験とのデータ相関情報を用いて、模型試験で取得したプロペラの圧力変動データに対応する実機におけるプロペラの圧力変動を推定する推定手段を備えるプロペラの圧力変動推定装置を提供する。
【0006】
このような構成によれば、実機計測において実際に取得されたプロペラの圧力変動データと模型試験において実際に取得されたプロペラの圧力変動データとを統計的に処理して求められた実機計測と模型計測とのデータ相関情報を用いて、実機におけるプロペラの圧力変動を推定するので、実際に実機計測にて取得された過去の圧力変動の挙動を反映させて、プロペラの圧力変動の推定を行うことが可能となる。これにより、推定精度を向上させることができる。
【0007】
上記プロペラの圧力変動推定装置において、前記データ相関情報は、模型試験における圧力変動の振幅と実機における圧力変動の振幅との相関特性が、プロペラの圧力変動の挙動に関する解析値に関連付けられた情報であってもよい。
【0008】
このように、プロペラの圧力変動の挙動に関する解析値と、模型試験及び実機における圧力変動の振幅の両面から、実機におけるプロペラの圧力変動を推定するので、より詳細な情報に基づいてプロペラの圧力変動を推定することが可能となる。これにより、プロペラの圧力変動の推定精度を更に向上させることができる。
【0009】
上記プロペラの圧力変動推定装置において、前記データ相関情報は、前記プロペラが搭載された物体の移動状況に対応して複数設けられており、前記推定手段は、模型試験で用いた物体の移動状況に該当するデータ相関情報を用いて前記実機におけるプロペラの圧力変動を推定することとしてもよい。
【0010】
このように、プロペラが搭載された物体の移動状況が一致するデータ相関情報を用いるので、より信頼性の高いデータ相関情報を用いて実機における圧力変動を推定することが可能となる。
【0011】
上記プロペラの圧力変動推定装置は、模型試験で取得したプロペラの圧力変動時系列データからプロペラ翼毎の圧力変動データを作成するデータ作成手段と、プロペラ翼毎の圧力変動データから圧力変動の平均値及び圧力変動の挙動に関する解析値を求め、該圧力変動の平均値及び解析値が所定の条件を充足するプロペラ翼を検出し、検出した該プロペラ翼の圧力変動データを抽出するデータ抽出手段とを備え、前記推定手段は、前記データ抽出手段によって抽出された該プロペラ翼の圧力変動データを用いて、該実機におけるプロペラの圧力変動を推定することとしてもよい。
【0012】
このような構成によれば、模型試験で取得されたプロペラの圧力変動時系列データからプロペラ翼毎の圧力変動データが作成され、更に、プロペラ翼毎に圧力変動の平均値及び解析値が求め、この平均値及び解析値が所定の条件を充足するプロペラ翼が検出される。そして、検出されたプロペラ翼の圧力変動データに基づいて、実機におけるプロペラの圧力変動が推定される。
このように、模型試験で得られた全ての圧力変動データを用いるのではなく、所定の条件を充足する信頼性の高い圧力変動データのみを用いて実機における圧力変動を推定するので、安定した、かつ、信頼性の高い推定結果を得ることが可能となる。
上記圧力変動の挙動に関する解析値には、例えば、圧力変動の振幅の標準偏差、圧力変動の振幅変動率、振幅尖度、及び歪度等の少なくとも一つを採用することが可能である。
【0013】
上記プロペラの圧力変動推定装置において、前記データ抽出手段は、前記圧力変動の平均値がプロペラ翼全体の圧力変動の平均値に基づいて決定される所定の閾値以上であり、かつ、該解析値の平均値がプロペラ翼全体の解析値の平均値に基づいて決定される所定の閾値以下であるプロペラ翼の圧力変動データを抽出することとしてもよい。
【0014】
このような条件を満たす圧力変動の平均値及び解析値を有するプロペラ翼の圧力変動データのみを用いて実機におけるプロペラの圧力変動を推定するので、信頼性の高い推定結果を得ることができる。
【0015】
本発明は、実機計測で取得したプロペラの圧力変動データと模型試験で取得したプロペラの圧力変動データとに基づいて作成された実機計測と模型試験とのデータ相関情報を用いて、模型試験で取得したプロペラの圧力変動データに対応する実機におけるプロペラの圧力変動を推定するプロペラの圧力変動推定方法を提供する。
【0016】
本発明は、実機計測で取得したプロペラの圧力変動データと模型試験で取得したプロペラの圧力変動データとに基づいて作成された実機計測と模型試験とのデータ相関情報を用いて、模型試験で取得したプロペラの圧力変動データに対応する実機におけるプロペラの圧力変動を推定する処理をコンピュータに実行させるためのプロペラの圧力変動推定プログラムを提供する。
【0017】
本発明は、実機計測で取得した回転翼の回転に付随して発生する所定の物理量の変動データと模型試験で取得した回転翼の回転に付随して発生する該物理量の変動データとに基づいて作成された実機計測と模型試験とのデータ相関情報を用いて、模型試験で取得した該物理量の変動データに対応する実機における該物理量の変動量を推定する推定手段を備える回転翼の物理量変動推定装置を提供する。
【0018】
このような構成によれば、実機計測において実際に取得された変動データと模型試験において実際に取得された変動データとを統計的に処理して求められた実機計測と模型計測とのデータ相関情報を用いて、実機における所定の物理量の変動量を推定するので、実機における該物理量を推定する際に、実際の物理量の変動の挙動を反映させることが可能となる。
これにより、実機における物理量の変動量の推定精度を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、プロペラの回転に付随して周囲に発生する圧力変動を十分な精度をもって推定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明に係るプロペラの圧力変動推定装置及び方法並びにプログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、舶用プロペラの回転に起因して、プロペラ上方に設置される船体表面に作用する圧力変動を推定する場合を例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係るプロペラの圧力変動推定装置の概略構成を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るプロペラの圧力変動推定装置1は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、CPU(中央演算処理装置)11、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置12、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置13、キーボードやマウスなどの入力装置14、及びモニタやプリンタなどの出力装置15、外部の機器と通信を行うことにより情報の授受を行う通信装置16などで構成されている。
補助記憶装置13には、各種プログラム(例えば、圧力変動推定プログラム)が格納されており、CPU11が補助記憶装置13から主記憶装置12にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
【0021】
図2は、プロペラの圧力変動推定装置1が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図2に示されるように、プロペラの圧力変動推定装置1は、データ作成部(データ作成手段)21と、データ抽出部(データ抽出手段)22と、推定部(推定手段)23とを備えている。
【0022】
上記データ作成部21は、模型試験で取得したプロペラの圧力変動時系列データからプロペラ翼毎の圧力変動データを作成する。具体的には、模型試験においては、プロペラの上方に位置する船体表面に発生した圧力変動が計測され、この時系列計測データがデータ作成部21に入力されるとともに、該プロペラの回転に同期して発生する回転同期信号が入力される。例えば、回転同期信号は、プロペラが1回転する度に出力される。なお、これらデータは、一旦図示しない記憶装置に蓄積された後、データ作成部21に入力されるような構成とされていてもよい。
【0023】
データ作成部21は、上記時系列計測データ及び回転同期信号を取得すると、回転同期信号に基づいて時系列計測データを時分割することにより、プロペラ翼毎、かつ、回転回数毎に時系列計測データを作成する。例えば、3枚のプロペラ翼が設けられていた場合、図3に示すように、該時系列計測データを回転同期信号に基づいて3分割することにより、各プロペラ翼に関する圧力変動データを作成するとともに、分割した時系列計測データを1回転目、2回転目、3回転目・・・等のように時系列で並べることにより、回転回数毎に時系列計測データを区分する。
【0024】
続いて、データ作成部21は、分割した各時系列計測データをFFT解析することにより、プロペラ翼毎、かつ、回転回数毎に圧力変動の振幅及び位相を求め、これらを圧力変動データとしてデータ抽出部22に出力する。
【0025】
データ抽出部22は、プロペラ翼毎、回転回数毎に得られた圧力変動データから圧力変動の平均値及び圧力変動の挙動に関する解析値(例えば、圧力変動の振幅の標準偏差、振幅の変動率(=標準偏差/平均値)等のいずれか一つ)を求め、該圧力変動の平均値及び解析値が所定の条件を充足するプロペラ翼を検出し、検出した該プロペラ翼の圧力変動データを抽出する。
本実施形態においては、データ抽出部22は、まず、プロペラ翼毎に、圧力変動の振幅の平均値を求め、更に、圧力変動の挙動に関する解析値として、圧力変動の標準偏差を算出する。図4に、各プロペラ翼における圧力変動の振幅の平均値及び標準偏差の一例を示したグラフを示す。図4では、5枚(A〜E)のプロペラ翼を有する場合を一例として示している。
【0026】
データ抽出部22は、各プロペラ翼について、圧力変動の振幅の平均値及びその標準偏差を求めると、続いて、これらの値に基づいて閾値を算出する。例えば、データ抽出部22は、プロペラ翼全体の圧力変動の平均値に基づいて圧力変動の平均値の閾値を決定するとともに、プロペラ翼全体の標準偏差に基づいて標準偏差の閾値を決定する。例えば、閾値として、プロペラ翼全体の平均値または標準偏差に所定の係数を乗じた値を設定する。所定の係数については、適宜設定、変更することが可能である。
このようにして、それぞれの閾値を決定すると、データ抽出部22は、圧力変動の平均値が該閾値以上であり、かつ、標準偏差の平均値が該閾値以下であるプロペラ翼を検出する。この結果、図4においては、翼A,B,Eが上記条件を充足するプロペラ翼として検出される。
データ抽出部22は、上記条件を充足するプロペラ翼を検出すると、検出したプロペラ翼の圧力変動データを推定部23に出力する。
なお、本実施形態では、標準偏差を用いることとしたが、標準偏差に変えて、例えば、変動率等のように、圧力変動の挙動に関する他の解析値を用いることとしてもよい。
【0027】
推定部23は、実機計測で取得したプロペラの圧力変動データと模型試験で取得したプロペラの圧力変動データとに基づいて作成された、実機計測と模型試験とのデータ相関情報を用いて、データ抽出部22により抽出されたプロペラ翼の圧力変動データに対応する実機におけるプロペラの圧力変動を推定する。
推定部23は、例えば、図5に示すように、実機計測で過去に取得された圧力変動データと、過去の模型試験において取得された圧力変動データとを統計処理することにより作成された、実機計測の圧力変動の振幅と模型試験の圧力変動の振動との相関特性を示すグラフを保有している。図5において、横軸は、実機計測の圧力変動の平均振幅、縦軸は模型試験の圧力変動の平均振幅を示している。また、各相関特性は、変動率毎に設定されている。ここでは、変動率が10%、30%、及び60%の場合の相関特性がそれぞれ示されている。
【0028】
推定部23は、データ抽出部22によって抽出された圧力変動データから圧力変動の平均振幅を算出するとともに、変動率を算出する。そして、算出した変動率における相関特性において、該平均振幅に対応する実機の平均振幅を取得する。例えば、図5に示すように、計算結果として変動率が10%、平均振幅として値αが算出された場合には、これらの値に対応する実機の平均振幅として値βを得る。そして、この平均振幅βを実機における圧力変動の平均振幅の推定値として出力する。
なお、本実施形態では、各変動率に対応付けてデータ相関特性を示したが、変動率に代えて、振幅の標準偏差や尖度、歪度等のように、プロペラの圧力変動の挙動に関する他の解析値を採用することも可能である。
【0029】
次に、上記構成を備える本実施形態に係るプロペラの圧力変動推定装置1の作用について説明する。
まず、模型試験において計測された圧力変動の時系列計測データ及び回転同期信号がデータ作成部21に入力されると、これらの計測データに基づいてプロペラ翼毎、かつ、回転回数毎に圧力変動データが作成され、この圧力変動データがデータ抽出部22に出力される。
【0030】
続いて、データ抽出部22において、各プロペラ翼に関する圧力変動データが所定の条件を充足するか否かが判定され、該条件を充足するプロペラ翼の圧力変動データのみが抽出されて、推定部23に出力される。推定部23においては、データ抽出部22によって抽出された各プロペラ翼の圧力変動データから模型試験における圧力変動の平均振幅及び変動率が算出され、これらの値に該当する実機における圧力変動の平均振幅が図5に示したデータ相関情報に基づいて取得される。そして、取得された圧力変動の平均振幅が推定結果として出力される。
【0031】
以上、説明してきたように、本実施形態に係るプロペラの圧力変動推定装置及び方法並びにプログラムによれば、実機計測において実際に取得されたプロペラの圧力変動データと模型試験において実際に取得されたプロペラの圧力変動データとを関連付けるデータ相関情報を用いて、実機におけるプロペラの圧力変動を推定するので、実際に実機計測にて取得された過去の圧力変動の挙動を反映させて、プロペラの圧力変動の推定を行うことが可能となる。これにより、推定精度を向上させることができる。
【0032】
また、本実施形態によれば、模型試験で得られた全ての圧力変動データを用いるのではなく、所定の条件を充足する信頼性の高い圧力変動データのみを用いて実機における圧力変動を推定するので、安定した、かつ、信頼性の高い推定結果を得ることができる。
【0033】
なお、上述した実施形態において、上記データ相関情報をプロペラが搭載された船舶の移動状況に対応して複数設けておき、推定部23が、模型試験で用いた模型船舶の移動状況に相当するデータ相関情報を用いて、実機におけるプロペラの圧力変動を推定することとしてもよい。
このように、プロペラが搭載された船舶の移動状況が一致するデータ相関情報を用いるので、より信頼性の高いデータ相関情報を用いて実機における圧力変動を推定することが可能となる。
また、上記実施形態においては、船舶に設けられたプロペラの回転によって発生する圧力変動を推定する場合について述べたが、本発明は、このような場合に限定されるものではなく、回転翼の回転によって周囲の状況が変化するような事象、例えば、回転翼の回転に付随して発生する所定の物理量(例えば、圧力、振動等)の挙動を模型試験の計測結果から推定するような場合に広く適用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロペラの圧力変動推定装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るプロペラの圧力変動推定装置の機能ブロック図である。
【図3】時系列計測データを各プロペラ翼毎、かつ、回転回数毎に分離するときの処理内容を説明するための図である。
【図4】各プロペラ翼の圧力変動の平均値及び標準偏差の一例を示した図である。
【図5】データ相関情報の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0035】
1 プロペラの圧力変動推定装置
11 CPU
12 主記憶装置
13 補助記憶装置
14 入力装置
15 出力装置
16 通信装置
21 データ作成部
22 データ抽出部
23 推定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去における実機計測で取得したプロペラの圧力変動データと過去における模型試験で取得したプロペラの圧力変動データとに基づいて作成された実機計測と模型試験とのデータ相関情報を用いて、模型試験で取得したプロペラの圧力変動データに対応する実機におけるプロペラの圧力変動を推定する推定手段を備えるプロペラの圧力変動推定装置。
【請求項2】
前記データ相関情報は、模型試験における圧力変動の振幅と実機における圧力変動の振幅との相関特性が、プロペラの圧力変動の挙動に関する解析値に関連付けられた情報である請求項1に記載のプロペラの圧力変動推定装置。
【請求項3】
前記データ相関情報は、前記プロペラが搭載された物体の移動状況に対応して複数設けられており、
前記推定手段は、模型試験で用いた物体の移動状況に該当するデータ相関情報を用いて前記実機におけるプロペラの圧力変動を推定する請求項1または請求項2に記載のプロペラの圧力変動推定装置。
【請求項4】
模型試験で取得したプロペラの圧力変動時系列データからプロペラ翼毎の圧力変動データを作成するデータ作成手段と、
プロペラ翼毎の圧力変動データから圧力変動の平均値及び圧力変動の挙動に関する解析値を求め、該圧力変動の平均値及び解析値が所定の条件を充足するプロペラ翼を検出し、検出した該プロペラ翼の圧力変動データを抽出するデータ抽出手段と
を備え、
前記推定手段は、前記データ抽出手段によって抽出された該プロペラ翼の圧力変動データを用いて、該実機におけるプロペラの圧力変動を推定する請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロペラの圧力変動推定装置。
【請求項5】
前記データ抽出手段は、前記圧力変動の平均値がプロペラ翼全体の圧力変動の平均値に基づいて決定される所定の閾値以上であり、かつ、該解析値の平均値がプロペラ翼全体の解析値の平均値に基づいて決定される所定の閾値以下であるプロペラ翼の圧力変動データを抽出する請求項4に記載のプロペラの圧力変動推定装置。
【請求項6】
実機計測で取得したプロペラの圧力変動データと模型試験で取得したプロペラの圧力変動データとに基づいて作成された実機計測と模型試験とのデータ相関情報を用いて、模型試験で取得したプロペラの圧力変動データに対応する実機におけるプロペラの圧力変動を推定するプロペラの圧力変動推定方法。
【請求項7】
実機計測で取得したプロペラの圧力変動データと模型試験で取得したプロペラの圧力変動データとに基づいて作成された実機計測と模型試験とのデータ相関情報を用いて、模型試験で取得したプロペラの圧力変動データに対応する実機におけるプロペラの圧力変動を推定する処理をコンピュータに実行させるためのプロペラの圧力変動推定プログラム。
【請求項8】
実機計測で取得した回転翼の回転に付随して発生する所定の物理量の変動データと模型試験で取得した回転翼の回転に付随して発生する該物理量の変動データとに基づいて作成された実機計測と模型試験とのデータ相関情報を用いて、模型試験で取得した該物理量の変動データに対応する実機における該物理量の変動量を推定する推定手段を備える回転翼の物理量変動推定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−38556(P2010−38556A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198258(P2008−198258)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】