説明

プローブ用カバー、超音波プローブ及び超音波画像表示装置

【課題】超音波プローブにおいて、右手でも左手でも操作しやすい位置にスイッチがあり、なおかつ意図せずにスイッチが押されることを防止する。
【解決手段】複数のスイッチ111が表面に設けられた超音波プローブ101に着脱自在に取り付けられて前記スイッチ111を覆うプローブ用カバー1であって、前記超音波プローブ101に取り付けられた状態において操作者が前記スイッチ111を押下可能な押下部5を有することを特徴とする。前記プローブ用カバー1は、前記押下部5が設けられた第一部材2と第二部材3とからなる。前記第一部材2は、使用したいスイッチ111の上に押下部5が位置するように前記超音波プローブ110に取り付けられる。一方、前記第二部材3は、使用しないスイッチ111の上に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブに取り付けられるプローブ用カバー、超音波プローブ及び超音波画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像表示装置は、被検体に対して超音波のスキャン(scan)を行なって得られたエコー信号に基づく超音波画像を表示する装置である。このような超音波画像表示装置において、超音波のスキャンは、プローブケーブルを介して装置本体と接続された超音波プローブによって行われる。
【0003】
ところで、例えばBモード画像等の超音波画像を表示して診断を行なう超音波診断装置においては、超音波画像のフリーズ(freeze)操作や超音波画像の記録操作などをスキャン中に行なう場合がある。この場合、一方の手で超音波プローブを持ちながら、他方の手で装置本体の操作部を操作する。しかし、他方の手で操作することが困難な場合もある。そこで、例えば、特許文献1には、スイッチが設けられた超音波プローブが開示されている。この超音波プローブによれば、超音波プローブを持っている方の手でスイッチを押して操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−301075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、超音波プローブを持つ手は、検査部位や検査目的などによって変わることがある。超音波プローブを右手で持つ場合と左手で持つ場合とでは、押しやすいスイッチの位置が異なる。そこで、右手で持った場合に操作しやすい位置と左手で持った場合に操作しやすい位置の両方の位置にスイッチが設けられた超音波プローブが考えられる。しかし、このような位置にスイッチが設けられていると、超音波プローブを持っている方の手では使用しないスイッチが、意図せずに押されるおそれがある。従って、超音波プローブにおいて、右手でも左手でも操作しやすい位置にスイッチがあり、なおかつ意図せずにスイッチが押されることを防止することができることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するためになされた一の観点の発明は、複数のスイッチが表面に設けられた超音波プローブに着脱自在に取り付けられて前記スイッチを覆うプローブ用カバーであって、前記超音波プローブに取り付けられた状態において操作者が前記スイッチを押下可能な押下部を有することを特徴とするプローブ用カバーである。
【0007】
また、他の観点の発明は、複数のスイッチが表面に設けられた超音波プローブに着脱自在に取り付けられて前記スイッチを覆うプローブ用カバーであって、前記複数のスイッチのうち一部を露出させる開口部を有することを特徴とするプローブ用カバーである。
【0008】
さらに、他の観点の発明は、スイッチと、該スイッチが押下されると信号を無線送信する送信部とを有し、超音波プローブに着脱自在に取り付けられることを特徴とするプローブ用カバーである。
【発明の効果】
【0009】
上記観点の発明によれば、前記押下部を有する前記プローブ用カバーが取り付けられた超音波プローブにおいては、前記押下部を押下することによりスイッチが押される。操作者は、使用するスイッチの上に前記押下部が位置するように前記プローブ用カバーを前記超音波プローブに取り付ける。従って、前記プローブ用カバーの取り付け方によって、使用できるスイッチの位置を変えることができ、右手で操作しやすい位置と左手で操作しやすい位置の両方に、使用できるスイッチを位置させることができる。一方で、前記プローブ用カバーによって、使用しないスイッチは覆われているので、意図せずにスイッチが押されることを防止することができる。
【0010】
上記他の観点の発明によれば、前記開口部を有する前記プローブ用カバーが取り付けられた超音波プローブにおいては、開口部から露出するスイッチを押すことができる。操作者は、使用するスイッチの位置に開口部が位置するように前記プローブ用カバーを前記超音波プローブに取り付ける。従って、前記プローブ用カバーの取り付け方によって、使用できるスイッチの位置を変えることができ、右手で操作しやすい位置と左手で操作しやすい位置の両方に、使用できるスイッチを位置させることができる。一方で、前記プローブ用カバーによって、使用しないスイッチは覆われているので、意図せずにスイッチが押されることを防止することができる。
【0011】
上記他の観点の発明によれば、操作者は、前記スイッチを有するプローブ用カバーを、前記スイッチが所望の位置になるように前記超音波プローブに取り付ける。従って、前記プローブ用カバーの取り付け方によって、使用できるスイッチの位置を変えることができ、右手で操作しやすい位置と左手で操作しやすい位置の両方に、使用できるスイッチを位置させることができる。一方で、前記プローブ用カバーには、使用されるスイッチのみが設けられているので、意図せずにスイッチが押されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の実施の形態の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す超音波診断装置における超音波プローブとプローブ用カバーを示す斜視図である。
【図3】図1に示す超音波診断装置における超音波プローブとプローブ用カバーの分解斜視図である。
【図4】超音波プローブに設けられたスイッチの一部拡大断面図である。
【図5】図4の状態から凸部によって弾性板が押圧されて弾性変形し、ボタンが押された状態を示す断面図である。
【図6】プローブ用カバーを示す斜視図である。
【図7】プローブ用カバーが取り付けられた超音波プローブを示す斜視図である。
【図8】図7に示された超音波プローブを反対側から見た斜視図である。
【図9】第一実施形態の変形例におけるプローブ用カバーを示す斜視図である。
【図10】図9に示すプローブ用カバーが取り付けられた超音波プローブを示す斜視図である。
【図11】図10に示す状態からプローブ用カバーの押下部を移動させた超音波プローブを示す斜視図である。
【図12】第二実施形態における超音波プローブとプローブ用カバーを示す斜視図である。
【図13】プローブ用カバーが取り付けられた超音波プローブを示す斜視図である。
【図14】図13に示された超音波プローブを反対側から見た斜視図である。
【図15】プローブ用カバーが取り付けられた超音波プローブを示す斜視図である。
【図16】第三実施形態における超音波プローブとプローブ用カバーを示す斜視図である。
【図17】図16に示された超音波プローブにプローブ用カバーが取り付けられた状態を示す図である。
【図18】プローブ用カバーが取り付けられた超音波プローブを示す斜視図である。
【図19】第三実施形態における超音波プローブの他例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について図1〜図8に基づいて説明する。図1に示す超音波診断装置100は、本発明における超音波画像表示装置の一例であり、超音波プローブ101、送受信部102、エコーデータ処理部103、表示制御部104、表示部105、操作部106、制御部107を備える。前記送受信部102、前記エコーデータ処理部103、前記表示制御部104、前記表示部105、前記操作部106、前記制御部107は、装置本体100aに設けられている。前記超音波プローブ101は、前記装置本体100aにプローブケーブル108(図2等参照)を介して接続される。また、前記超音波プローブ101には、プローブ用カバー1(図1では図示省略)が着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0014】
前記超音波プローブ101は、複数の超音波振動子(図示省略)から被検体に対して超音波のスキャンを行なう。また、前記超音波プローブ101は、超音波のエコー信号を受信する。
【0015】
前記プローブ101には、図2に示すように、断面略四角形形状に形成されており、四つの面D1,D2,D3,D4の全面にわたって所定幅の凹部110が設けられている。この凹部110は、前記プローブ用カバー1が取り付けられるようになっている。また、前記凹部110には、スイッチ111と磁石112とが設けられている。
【0016】
なお、前記面D1,D3は、前記超音波プローブ101において幅広の面、前記面D2,D4は、前記超音波プローブ101において幅狭の面である。
【0017】
前記スイッチ111は、前記各面D1〜D4に、二つずつ設けられている。このように、各面D1〜D4に前記スイッチ111が設けられているので、前記超音波プローブ101を右手で持っても左手で持っても操作しやすい。
【0018】
前記スイッチ111が押下されることにより、前記超音波プローブ101から前記プローブケーブル108を介して前記制御部107に信号が入力されるようになっている。前記スイッチ111は、操作者による指示を入力する操作スイッチである。前記スイッチ111を押下することにより、例えば、超音波画像のフリーズ操作や超音波画像の記録操作が行われる。
【0019】
前記スイッチ111は、図3及び図4に示すように、ボタン113と弾性板114とを有して構成されている。前記ボタン113は、前記凹部110に形成された孔115内に設けられている。また、前記孔115の周囲には円形凹部116が形成されている。この円形凹部116は、前記弾性板114と同一の径を有しており、この円形凹部116に前記弾性板114が設けられるようになっている。前記弾性板114は接着剤などによって前記円形凹部116に液密に固定され、前記弾性板114により、前記孔115への液体の浸入が防止されている。
【0020】
前記円形凹部116に設けられた前記弾性板114は、図5に示すように、前記プローブ用カバー1の後述する突起部10によって押圧されると弾性変形して前記ボタン113を押すようになっている。このボタン113が押されることにより、前記制御部107へ信号が出力される。
【0021】
前記磁石112は、前記凹部110の表面に設けられている。前記磁石112は、前記凹部110に前記プローブ用カバー1が取り付けられた状態において、このプローブ用カバー1に設けられた磁石4の直下に位置するように設けられている。
【0022】
ちなみに、符号117は、穿刺針を前記超音波プローブ101に取り付ける穿刺アダプタ(図示省略)を係止させるための被係止部である。操作者は、前記超音波プローブ101において、被係止部117が設けられた側118が、操作者に対して常に一定の方向を向くように超音波のスキャンを行なう。従って、操作者が前記超音波プローブ101を右手で持った場合と左手で持った場合とで、前記超音波プローブ101の向きが異なることはない。
【0023】
前記送受信部102は、前記超音波プローブ101から所定のスキャン条件で超音波を送信するための電気信号を、前記制御部107からの制御信号に基づいて前記超音波プローブ2に供給する。また、前記送受信部102は、前記超音波プローブ101で受信したエコー信号について、A/D変換、整相加算処理等の信号処理を行なう。
【0024】
前記エコーデータ処理部103は、前記送受信部102から出力されたエコーデータに対し、超音波画像を作成するための処理を行なう。例えば、前記エコーデータ処理部103は、対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理を行ってBモードデータを作成する。
【0025】
前記表示制御部104は、前記エコーデータ処理部103から入力されたデータをスキャンコンバータ(Scan Converter)によって走査変換して超音波画像データを作成し、この超音波画像データに基づく超音波画像を前記表示部105に表示させる。前記表示制御部104は、例えばBモードデータに基づいてBモード画像データを作成し、Bモード画像を前記表示部105に表示させる。
【0026】
前記表示部105は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などで構成される。前記操作部106は、操作者が指示や情報を入力するためのスイッチ、キーボード及びポインティングデバイス(図示省略)などを含んで構成されている。
【0027】
前記制御部107は、特に図示しないがCPU(Central Processing Unit)を有して構成される。この制御部107は、図示しない記憶部に記憶された制御プログラムを読み出し、前記超音波診断装置100における各部の機能を実行させる。
【0028】
前記プローブ用カバー1について、図2、図3及び図6に基づいて説明する。このプローブ用カバー1は、前記超音波プローブ101の前記凹部110に取り付けられて、前記スイッチ111を覆う。詳しく説明すると、前記プローブ用カバー1は、例えば硬質のプラスチック(plastic)で形成されている。本例では、前記プローブ用カバー1は、第一部材2と第二部材3とで構成されている。これら第一部材2及び第二部材3は、前記凹部110に嵌合可能な略L字形状に形成されている。
【0029】
前記第一部材2及び前記第二部材3の幅方向端部には磁石4が二つずつ設けられている(一部図示省略)。この磁石4と前記超音波プローブ101に設けられた磁石112とにより、前記第一部材2及び前記第二部材3が前記超音波プローブ101に着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0030】
ちなみに、図6では、前記第一部材2及び前記第二部材3の幅方向の端部同士を合わせた状態が図示されている。前記第一部材2及び前記第二部材3は、図6に示された状態で前記超音波プローブ101に取り付けられる。
【0031】
前記第一部材2には、押下部5が複数設けられている。本例では、前記押下部5は二か所に設けられている。前記押下部5は、前記第一部材2が前記超音波プローブ101に取り付けられた状態において、前記スイッチ111の直上に位置することができる位置に設けられている。前記押下部5は、本発明における押下部の実施の形態の一例である。
【0032】
前記押下部5についてさらに詳しく説明する。前記第一部材2の押下部5には、貫通穴6,6が設けられているとともに、この貫通穴6,6の周囲に凹部7が形成されている。この凹部7には、接着剤などによって押下板8が設けられている。この押下板8は、表面側に凸部9,9が形成されており、裏面側に図6に示すように突起部10,10が形成されている。前記突起部10は、前記裏面側において前記凸部9に対応する位置に設けられている。前記凸部9及び前記突起部10は、前記押下板8を前記凹部7に設けた状態で前記貫通穴6に位置する。
【0033】
前記押下板8は弾性変形可能な材質で形成されており、前記凸部9を押下することにより前記押下板8が弾性変形して前記突起部10が移動する。従って、前記凸部9を押下することにより、前記スイッチ111が押下されるようになっている。
【0034】
本例の超音波プローブ101を用いて超音波のスキャンを行なう場合、図7及び図8に示すように、操作者は、前記超音波プローブ101を持つ手によって押しやすい位置のスイッチ111(図7及び図8では不図示)の上に前記押下部5が位置するように、前記第一部材2を前記超音波プローブ101に取り付ける。また、使用しないスイッチ111の上に前記第二部材3を取り付ける。
【0035】
図7及び図8では、操作者が前記超音波プローブ101における幅広の面D1,D3を左手で持った状態が示されている。より詳細には、操作者は、親指が前記面D1側、その他の指が前記面D3側になるように、前記超音波プローブ101を左手で持っている。この場合、操作者は、例えば、面D3に設けられた押下部5を中指や薬指等によって押下しスイッチ111を押す。
【0036】
図7及び図8に示された状態で前記プローブ用カバー1が取り付けられている場合において、操作者が前記超音波プローブ101における幅狭の面D2,D4を左手で持った場合、面D2に設けられた押下部5を中指や薬指等によって押下しスイッチ111を押す。
【0037】
以上説明した第一実施形態によれば、前記超音波プローブ101に対して前記第一部材2及び前記第二部材3を取り付ける位置を変えることによって、使用できるスイッチ111(前記押下部5で押下することができるスイッチ111)の位置を変えることができるので、右手で操作しやすい位置と左手で操作しやすい位置の両方に、使用できるスイッチ111を位置させることができる。一方で、前記プローブ用カバー1の第二部材3によって、使用しないスイッチ111は覆われているので、意図せずにスイッチ111が押されることを防止することができる。
【0038】
次に、第一実施形態の変形例について説明する。図9に示すプローブ用カバー1′は、前記第一部材2及び前記第二部材3を有さず、弾性変形する材質(例えばエラストマー(elastomer))でリング状に形成されている。前記プローブ用カバー1′において、前記押下板8はカバー本体と一体成型されている。前記押下部5は一か所のみに設けられており、図10に示すように、使用するスイッチ111(図10では図示省略)の直上に前記押下部5が位置するように前記プローブ用カバー1′を取り付ける。このプローブ用カバー1は、弾性変形させて開口部11(図9参照)から前記超音波プローブ101を挿通し、前記凹部110(図10では不図示)に取り付ける。
【0039】
本例では、前記超音波プローブ101には前記磁石112は設けられておらず、前記プローブ用カバー1′は弾性によって前記超音波プローブ101の凹部110に保持される。
【0040】
図10では、幅広の面D1に設けられたスイッチ111(図10では不図示)の直上に前記押下部5が位置している。例えば、幅狭の面D4に設けられたスイッチ111を使用したい場合、前記プローブ用カバー1′を弾性変形させながら、図11に示すように矢印の方向へ前記押下部5を移動させ、前記幅狭の面D4に位置させる。
【0041】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。ただし、第一実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
図12に示すように、前記超音波プローブ101の面D1〜D4に設けられたスイッチ111′は、前記超音波プローブ101の表面に突出するボタン120を有している。このボタン120は、凹部121内に設けられている。このように、ボタン120が凹部121内にあるので、前記超音波プローブ101に、後述するプローブカバー20が取り付けられた状態において、このプローブ用カバー20によって覆われるボタン120は、前記プローブ用カバー20によって押圧されないようになっている。
【0043】
ちなみに、本例の超音波プローブ101においては、前記凹部110及び前記磁石112は設けられていない。
【0044】
本例のプローブ用カバー20は、略コの字状に形成されており、幅広部21とこの幅広部21の両端部に形成された幅狭部22,23とを有している。前記幅狭部22には、一部がくり抜かれることによって露出窓24が形成されている。また、前記プローブ用カバー20において、前記幅広部21と対抗する側にあって前記幅狭部22,23の間には、開口部25が形成されている。
【0045】
前記プローブ用カバー20は、例えば硬質のプラスチックで形成され、図13及び図14に示すように、前記超音波プローブ101に嵌合して取り付けられるようになっている。本例においても、前記プローブ用カバー20は、前記超音波プローブ101に対して着脱自在である。前記プローブ用カバー20が前記超音波プローブ101に取り付けられた状態において、前記幅広部21は、前記超音波プローブ101の幅広の面D1又は面D3に位置して前記スイッチ111′を覆う。また、前記幅狭部23は、前記超音波プローブ101の幅狭の面D2又は面D4に位置して前記スイッチ111′を覆う。
【0046】
また、前記幅狭部22は、前記超音波プローブ101の幅狭の面D2又は面D4に位置する。前記プローブ用カバー20が取り付けられた超音波プローブ101においては、前記幅狭部22が位置する前記面D2又は前記面D4に設けられたスイッチ111′が、前記露出窓24において露出する。前記露出窓24は、本発明における開口部の実施の形態の一例である。
【0047】
さらに、前記超音波プローブ101に取り付けられた前記プローブ用カバー20の前記開口部25は、前記幅広の面D1又は面D3に位置する。この状態において、前記開口部25が位置する前記面D2又は前記面D4に設けられたスイッチ111′が、前記開口部25において露出する。前記開口部25は、本発明における開口部の実施の形態の一例である。
【0048】
本例の超音波プローブ101を用いて超音波のスキャンを行なう場合、図13、図14及び図15に示すように、前記超音波プローブ101に前記プローブ用カバー20が取り付けられる。例えば、図13及び図14は左手で前記超音波プローブ101を持つ場合の図、図15は右手で前記超音波プローブ101を持つ場合の図である。
【0049】
具体的には、図13及び図14では、前記プローブ用カバー20は、前記超音波プローブ101の前記面D1,D2,D4に取り付けられている。これにより、前記面D1,D2に設けられたスイッチ111′が前記プローブ用カバー20の幅広部21及び幅狭部23によって覆われ、前記面D3,D4に設けられたスイッチ111′が前記開口部25及び前記露出窓24(図13及び図14では不図示)において露出している。
【0050】
また、図15では、前記プローブ用カバー20は、前記超音波プローブ101の前記面D2,D3,D4に取り付けられている。これにより、前記面D1,D2に設けられたスイッチ111′が前記プローブ用カバー20の開口部25及び露出窓24において露出し、前記面D3,D4に設けられたスイッチ111′が前記幅広部21及び前記幅狭部23によって覆われている。
【0051】
以上説明した本例では、前記超音波プローブ101を持つ手によって押しやすい位置のスイッチ111′が、前記露出窓24及び前記開口部25において露出するように、前記プローブ用カバー20を前記超音波プローブ101に取り付ける。本例によれば、前記プローブ用カバー20を取り付ける位置を変えることによって、使用できるスイッチ111′の位置を変えることができるので、右手で操作しやすい位置と左手で操作しやすい位置の両方に、使用できるスイッチ111′を位置させることができる。一方で、前記プローブ用カバー20によって、使用しないスイッチ111′は覆われているので、意図せずにスイッチ111が押されることを防止することができる。
【0052】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態について説明する。ただし、第一、第二実施形態と同一構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
本例においては、図16に示すように、前記超音波プローブ101に設けられた前記凹部110にプローブ用カバー30が着脱自在に取り付けられるようになっている。前記超音波プローブ101にはスイッチ111が設けられておらず、図17に示すように、前記プローブ用カバー30に設けられた後述のスイッチ31が操作されたことを検出する検出部130が設けられている。なお、図17では、前記超音波プローブ101は単純化して図示されている。
【0054】
検出部130は、前記超音波プローブ101内であって、前記各面D1〜D4の近傍に四つ設けられている(図17では三つのみ図示)。前記検出部130は、例えばコイルで構成されている。前記検出部130は、本発明における検出部の実施の形態の一例である。
【0055】
前記プローブ用カバー30は、第一実施形態の変形例と同様に弾性変形する材質でリング状に形成されている。また、前記プローブ用カバー30は、スイッチ31を有している。スイッチ31は、前記超音波プローブ101に対して操作者による指示を入力するためのものである。前記スイッチ31は、一か所のみ設けられており、前記プローブ用カバー30の表面に突出するボタン32を有している。操作者は、前記ボタン32を押下することによって指示を入力するための操作を行なう。前記スイッチ31は、本発明におけるスイッチの実施の形態の一例である。
【0056】
また、前記プローブ用カバー30内には永久磁石33が設けられている(図17)。この永久磁石33は、前記ボタン32の直下に設けられている。前記ボタン32が押されることにより、前記永久磁石33が移動し、前記検出部130を構成するコイルに磁界の変化による誘導電流が流れる。これにより、前記スイッチ31が押下されたことが検出される。
【0057】
本例の超音波プローブ101を用いて超音波のスキャンを行なう場合、図18に示すように、前記プローブ用カバー30を弾性変形させて開口部34から前記超音波プローブ101を挿通し、前記凹部110に取り付ける。本例でも、前記面D1〜前記D4のうち、前記超音波プローブ101を持つ手によって押しやすい面において、前記検出部130の直上に前記スイッチ31が位置するように前記プローブ用カバー30が取り付けられる。このように前記プローブ用カバー30を取り付けることにより、前記永久磁石33が前記検出部130の直上に位置するので、前記ボタン32を押下することにより、前記永久磁石33の移動による誘導電流を前記検出部130において生じさせることができる。ちなみに、上述の図17では前記面D4における検出部130の直上に前記スイッチ31が位置している。
【0058】
以上説明した第三実施形態によれば、前記スイッチ31が所望の位置になるように、前記プローブ用カバー30を前記超音波プローブ101に取り付けることができる。従って、右手で操作しやすい位置と左手で操作しやすい位置の両方に前記スイッチ31を位置させることができる。一方で、前記プローブ用カバー30には、使用されるスイッチのみが設けられているので、意図せずにスイッチが押されることはない。
【0059】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、第三実施形態において、前記超音波プローブ101には、図19に示すように、コイルで構成される前記検出部130が複数個全周にわたって設けられていてもよい。この場合には、前記スイッチ31の位置が前記検出部130の位置によって制限されることなく前記プローブ用カバー30を取り付けることができる。
【0060】
また、第三実施形態において、前記プローブ用カバー30に、前記永久磁石33の代わりにコイルを設け、前記スイッチ31が押下されることによって前記検出部130に誘導電流を生じさせるようにしてもよい。この場合には、前記プローブ用カバー30に電池等の電源を設けて前記プローブ用カバー30に設けられたコイルに電流を流す。また、前記プローブ用カバー30に、前記永久磁石33やコイルの代わりに、前記スイッチ31が押下されたことを示す信号を生成して、この信号を前記超音波プローブ101へ無線送信する送信回路が設けられていてもよい。この場合、前記検出部130として、前記送信回路から送信された信号を受信する受信回路を前記超音波プローブ101に設ける。
【符号の説明】
【0061】
1,20,30 プローブ用カバー
5 押下部
24 露出窓(開口部)
25 開口部
31 スイッチ
33 送信部
100 超音波診断装置
101 超音波プローブ
111,111′ スイッチ
130 検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチが表面に設けられた超音波プローブに着脱自在に取り付けられて前記スイッチを覆うプローブ用カバーであって、前記超音波プローブに取り付けられた状態において操作者が前記スイッチを押下可能な押下部を有することを特徴とするプローブ用カバー。
【請求項2】
前記押下部は、弾性変形して前記スイッチを押下することを特徴とする請求項1に記載のプローブ用カバー。
【請求項3】
複数のスイッチが表面に設けられた超音波プローブに着脱自在に取り付けられて前記スイッチを覆うプローブ用カバーであって、前記複数のスイッチのうち一部を露出させる開口部を有することを特徴とするプローブ用カバー。
【請求項4】
超音波プローブに着脱自在に取り付けられることを特徴とするプローブ用カバーであって、前記超音波プローブに対して操作者による指示を入力するためのスイッチを有することを特徴とするプローブ用カバー。
【請求項5】
前記スイッチは、操作者による指示を入力する操作スイッチであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプローブ用カバー。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のプローブ用カバーが取り付けられ、表面に複数のスイッチが設けられたことを特徴とする超音波プローブ。
【請求項7】
前記スイッチは、右手で操作しやすい位置と左手で操作しやすい位置とに設けられていることを特徴とする請求項6に記載の超音波プローブ。
【請求項8】
請求項4に記載のプローブ用カバーが取り付けられ、前記スイッチが操作されたことを検出する検出部が設けられたことを特徴とする超音波プローブ。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項に記載の超音波プローブを備えることを特徴とする超音波画像表示装置。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図17】
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【図19】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−70939(P2013−70939A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214191(P2011−214191)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】