説明

ヘアカット用ラインマーキング装置

【課題】、バリアートカットに際して、頭部にラインを下書きすることのできるヘアカット用ラインマーキング装置を提供する。
【解決手段】洗落とし可能な着色剤が充填されたエアゾール容器1の頭部から突出するバルブステム3に、押しボタン10を嵌着し、その指による操作によりバルブステム3を作動させる。押しボタン10に、長さが少なくとも10mmのパイプ状のノズル19が突設されると共に、先端開口縁がノズル19の先端領域に位置し、かつ間隔を置いてノズル19を包囲する透明性のノズルカバー17を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、坊主刈の頭部にさらにライン状に剃込みを入れて模様を形成するためのヘアカット用ラインマーキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、図4に例示するように、美容院において坊主刈りにライン状に幅狭のバリカン等で剃込みを入れて模様を描く所謂バリアートが一部の層に流行している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなライン模様に刈込む場合、予め頭にラインを下書きするのが好ましいが、特にこのような装置は存在していない。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、バリアートカットに際して、頭部にラインを下書きすることのできるヘアカット用ラインマーキング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、洗落とし可能な着色剤が充填されたエアゾール容器の頭部から突出するバルブステムに、噴射ヘッドを嵌着し、その指による操作によりバルブステムを作動させるようになったヘアカット用ラインマーキング装置であって、噴射ヘッドに、長さが少なくとも10mmのパイプ状のノズルが突設されると共に、先端開口縁がノズル先端領域に位置し、かつ間隔を置いてノズルを包囲する透明性のノズルカバーを備えたことを特徴とする。
【0006】
これにより、突出するノズル先端位置を確認しつつ噴射ヘッドを指操作して狙った位置に着色剤を噴射・付着させる。着色剤を節約して下書き精度を向上させるには、請求項2により、パイプ状ノズルの外径が2mm以下であり、内径が1mm以下である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、バリアートカットに際して、その模様の下書きラインを着色剤で指操作しつつ透明のノズルカバーを通して確認しながら頭部に容易に描くことができ、想定した模様通りに正確に剃り込むことが可能となる。頭部に付着せずに跳ね返った着色剤は、飛散することなくノズルカバーに付着する。下書きラインは、濡れタオル等で拭き取り容易に修正することができる。請求項2の発明によれば、ラインを細くして高精度に刈込みでき、着色剤も節約できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1及び図2を基に本発明の実施の形態によるヘアカット用ラインマーキング装置を説明する。エアゾール容器1の頭部には、内部に弁機構を備え、上方付勢状態でバルブステム3を突出させるマウンティングカップ2が装着されている。このマウンティングカップに装着される噴射ヘッドとしての押しボタン10は、周面部11で包囲された基端部12でバルブステム3に嵌着すると共に、周面前部には流路13を介してバルブステム3に連通する噴口部材14が嵌入されている。この噴口部材には、内径が1mmで、外径が2mm程度のパイプ状ノズル19の基端部が嵌入され、周面から長さ15mm程度に横向き突設されている。エアゾール容器1には、例えば白色、青色等の洗い落とし可能な着色剤が、噴射剤と共に充填されている。
【0009】
ノズル19は、これを中心に位置付けするように逆円錐台状の透明のノズルカバー17で囲まれ、その基端部が押しボタン10の周面に形成されたリング状の突起部16に嵌着されている。その開口縁17aは、内径が着色剤の跳ね返りを考慮して20〜30mm程度で、ノズル19の先端位置に略一致する位置を占めている。
【0010】
ヘアカットに際しては、エアゾール容器1を手で持って人差指を押しボタン10の上面に当てて押下げ操作しつつ着色剤をビーム状に噴射させて、例えば図4に示すような所望のライン模様の中心位置に沿ってノズル19を移動させて、ラインを坊主刈り頭に描く。必要により、濡れタオル等で描記したラインを消して、修正ラインを描くこともできる。所望のラインを下書きした状態で、幅狭のバリカンで剃込みを入れることにより、図示のへアカットを行う。着色剤の噴射に際して、頭部で反射した着色剤は、ノズルカバー17の内面に付着して周辺を汚すのが防止される。
【0011】
図3は別の実施の形態によるヘアカット用ラインマーキング装置を示すもので、その噴射ヘッドは、周知のように、エアゾール容器1の頭部から突出する前述のバルブステム3に下端部で嵌着する垂直噴射パイプ部21及びその先端で略水平に曲げられた水平噴射パイプ22により逆L字形に形成された噴射ヘッド本体23と、前述のマウンティングカップの巻締め部に外係合してその上方をカバーする噴射ヘッド基部としてのカバー体25とを備えると共に、このカバー体に、トリガ操作部29が付設されている。その操作レバー28をトリガ操作すると、その上面部28aがピン29aを支点として回動して、水平噴射パイプ22を介して垂直噴射パイプ部21が下方へ駆動される。
【0012】
水平噴射パイプ22の先端部には、突出する長さが20mmで、外径2mm、内径1mm程度のノズル30の基端部が嵌入されると共に、その途中位置にドーム状の透明なノズルカバー35の基端部36が嵌合されている。これにより、操作レバー28を操作してノズル30の先端から着色剤を噴射しつつラインを描くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態によるヘアカット用ラインマーキング装置の側面図である。
【図2】同ラインマーキング装置のノズル近辺の斜視図である。
【図3】別の実施の形態によるヘアカット用ラインマーキング装置の斜視図である。
【図4】バリアートカットを例示する図である。
【符号の説明】
【0014】
1 エアゾール容器
10 押しボタン
17,35 ノズルカバー
19,30 ノズル
28 操作レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗落とし可能な着色剤が充填されたエアゾール容器の頭部から突出するバルブステムに、噴射ヘッドを嵌着し、その指による操作によりバルブステムを作動させるようになったヘアカット用ラインマーキング装置であって、
前記噴射ヘッドに、長さが少なくとも10mmのパイプ状のノズルが突設されると共に、先端開口縁がノズル先端領域に位置し、かつ間隔を置いてノズルを包囲する透明性のノズルカバーを備えたことを特徴とするヘアカット用ラインマーキング装置。
【請求項2】
ノズルの外径が2mm以下であり、内径が1mm以下であることを特徴とする請求項1記載のヘアカット用ラインマーキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−20686(P2007−20686A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−204026(P2005−204026)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】