説明

ヘアケア液

【課題】髪に「ハリ」「コシ」「カール感(リッヂ感)」を与え、髪の酸化を抑えることができるヘアケア液を提供すること。
【解決手段】この発明にかかるヘアケア液は、水に、下記の(1)水溶性ケラチン及び(2)白金ナノコロイドを混合したものである。
(1)水溶性ケラチン1.5重量%ないし5.8重量%
(2)白金ナノコロイド0.035重量%ないし0.315重量%
(3)水 残量
また、この発明にかかるヘアケア液は、水に、下記の(1)水溶性ケラチン及び(2)白金ナノコロイドが、容器に無菌充填され、ヒートシールしたものである。
(1)水溶性ケラチン1.5重量%ないし5.8重量%
(2)白金ナノコロイド0.035重量%ないし0.315重量%
(3)水 残量

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヘアケア液に関し、特に、例えばコールドパーマ及びアイロンパーマに使用するパーマ液に添加する添加剤に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、ケラチンは、PPT〈ポリペプチド前処理剤再生)処理やトリートメントの主成分として、パーマやカラーを施術する前段階で使用していた。
【0003】
【特許文献1】特開2003−138296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パーマ液またはカラー液に添加する、ヘアケア製品は、短時間で溶解させる必要がある。そのため、添加するものはパーマ液またはカラー液同様の液体が好ましい。
ところが、水溶性ケラチン水溶液は、微生物により腐敗し、長時間保存することは困難である。
保存料を用いることは可能であるが、髪にダメージを与える可能性がある。
また、髪の毛が、酸化により痛むことに対しての対応は充分なされていなかった。
このように、パーマ液またはカラー液による髪の酸化に対しては、水溶性ケラチンでは解決できない状況である。
そのために、この発明の主たる目的は、髪に「ハリ」「コシ」「カール感(リッヂ感)」を与え、髪の酸化を抑えることができるヘアケア液を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の請求項1にかかるヘアケア液は、水に、下記の(1)水溶性ケラチン及び(2)白金ナノコロイドを混合してなる、ヘアケア液である。
(1)水溶性ケラチン1.5重量%ないし5.8重量%
(2)白金ナノコロイド0.035重量%ないし0.315重量%
(3)水 残量
この発明の請求項2にかかるヘアケア液は、水に、下記の(1)水溶性ケラチン及び(2)白金ナノコロイドが、容器に無菌充填され、ヒートシールした、ヘアケア液である。
(1)水溶性ケラチン1.5重量%ないし5.8重量%
(2)白金ナノコロイド0.035重量%ないし0.315重量%
(3)水 残量
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、パーマ液やカラー液による髪の酸化に対しては、ナノレベル(10億分の3m)にまで超微粒子化した抗酸化作用を有した白金ナノコロイドを配合することにより、パーマ液やカラー液による髪の酸化を抑える働きが付加される。
そして、実際にパーマ液に添加して利用したところ、従来の水溶性ケラチンと比べて「ハリ」「コシ」「カール感」がアップした。また、仔細に髪を観察すると、キューテイクルの損傷が少ないことが確認された。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明にかかるヘアケア製品は、截頭円錐状カップ型小型容器10(ポーションパック容器)に、ヘアケア液52を充填し、その後、フィルム状の蓋材を熱シールにて密着させる。
この小型容器10は、その上端に開口部12aを有するカップ状の容器本体12を含む。
容器本体12の胴部16は、底14の縁部14cから上方に延びて形成される。この胴部16は、その機械的強度を上げるために、その中央部から下部にわたる部分をひだ状に形成してもよい。
また、胴部16の上端から外側に延びて、つば部18が形成されている。このつば部18は、そこに後述する蓋22を取り付けるためのものである。
さらに、つば部18の一端から外側に延びて、つまみ部20が形成されている。また、つば部18と蓋部22との間が溶着され、容器本体12の開口部12aの上面を閉塞するように、蓋22が形成される。つまみ部20の中央から先端にかけては、段差部24が形成され、蓋22をつば部18から切り離しやすくするように構成されている。
カップ型小型容器10にヘアケア液52を無菌充填する方法としては、例えば、ヘアケア液52を130℃〜150℃に加熱し、4〜5秒間加熱状態を継続して、ヘアケア液52を充填する。
【0009】
ヘアケア液52は、下記の構成を備える。
水に、下記の(1)水溶性ケラチン及び(2)白金ナノコロイドを混合してなる。
(1)水溶性ケラチン1.5重量%ないし5.8重量%
(2)白金ナノコロイド0.035重量%ないし0.315重量%
(3)水 残量
【0010】
白金ナノコロイドが0.035重量%を下回ると白金の作用である酸化を抑える働きが極端に減少し、また、0.315重量%を超えると、効果としてはそれ以上増加することはない。
【0011】
水溶性ケラチン及びプラチナ(白金)は、食品に用いるグレードである。
水溶性ケラチンは、髪に潤いと栄養を与え、髪の保護役であるキューティクルを頑丈に作る働きがある。
プラチナ(白金)は、ナノレベル(10億分の3m)にまで超微粒子化した白金ナノコロイドであり、これは、抗酸化作用があり、パーマやカラーによる髪の酸化を抑える働きがあり、髪の毛に充分に浸透させることができる。
ケラチンは、毛髪成分の90%を占めるたんばく質であり、水には溶けないたんばく質であるが、水溶性ケラチンは、ケラチンを加水分解したもので、毛髪に近いアミノ酸で構成され、毛髪への収着力が高く、施術による強度低下を防止し、毛髪に腰を出すことができる。
液体なのでパーマ液(髪の毛にカールやしなやかさ、コシを与える)またはカラー液(髪の毛に色をつける)には容易に溶解する。
特に、軟毛やポーラス毛(ダメージが大きい毛髪)に対して、パーマ前のプレシャンプー、パーマ液またはカラー剤およびパーマ処理後のシャンプートリートメントに混合することにより、ダメージが補完され、髪に「ハリ」「コシ」「カール感(リッヂ感)」を与える働きがある。
「ハリ」「コシ」「カール感(リッヂ感)」を増強させたい普通毛や健康毛にも美しく仕上がる働きがある。
無菌充填ポーションパック包装とすれば、保存料を使用せず、液体でも腐敗の心配がなく、開封前であれば長期間衛生的である。
【実施例1】
【0012】
下記の(1)水溶性ケラチン及び(2)白金ナノコロイドが、截頭円錐状のカップ状容器に無菌充填され、蓋をヒートシールした、ヘアケア液。
(1)水溶性ケラチン2.90重量%
(2)白金ナノコロイド0.21重量%
(3)水 残量
この実施例1のヘアケア液は、無菌充填がされているので、保管状況に関係なく、長期間の保存が可能になり、腐敗の心配がなく、保存料が無添加で製造が可能となっている。
【0013】
実施例1のヘアケア液10mlを、パーマ液50mlに混ぜて使用いただき、髪へもたらす効果を検証したところ、毛先のパサツキがなくなり、毛先が落ち着き、まとまりやすくなっている。又、カラーリング時に施術材に混ぜて使用いただき、髪へもたらす効果を検証したところ、毛先のパサツキがなくなり、毛先が落ち着き、まとまりやすくなっている。
また、仔細に髪を観察すると、キューティクルの損傷が少ないことが確認された。
1回の使用量として、10mlを容器充填しているので、使いやすく、使い切るので無駄がない。
【0014】
添付の図2(写真1)及び図3(写真2)において、プラチナケラチンありとしているのが、実施例1のヘアケア液を用いた例を示す。
図2(写真1)及び図3(写真2)において示すように、プラチナを用いた本実施例の方が、プラチナを用いない比較例に比して、「ハリ」「コシ」「カール感」がアップしている。
また、プラチナを用いた本実施例の方が、プラチナを用いない比較例に比して、毛先のパサツキがなくなり、毛先が落ち着き、まとまりやすくなっている。
【0015】
電子顕微鏡による毛髪検証結果は、添付の図4(写真3)の通りである。図4においてプラチナケラチンとあるのが、実施例1のヘアケア液を用いた例を示す。
図4(写真3)において示すように、プラチナを用いていない比較例に比して、パーマ液に一定の割合(パーマ液5重量部、本実施例品1重量部)で溶解して用いた方が、キューティクルの損傷が少ない。
【実施例2】
【0016】
下記の(1)水溶性ケラチン及び(2)白金ナノコロイドが、截頭円錐状のカップ状容器に無菌充填され、蓋をヒートシールしたヘアケア液。
(1)水溶性ケラチン2.90重量%
(2)白金ナノコロイド0.035重量%
(3)水 残量
【実施例3】
【0017】
実施例1のヘアケア液10mlをパーマ液50mlに添加して、パーマを受けた人にアンケートをとったところ、表1〜表6に示すような結果が得られた。
【0018】
【表1】

【0019】
【表2】

【0020】
【表3】

【0021】
【表4】

【0022】
【表5】

【0023】
【表6】

【0024】
この発明は、前記実施の形態のヘアケア液に限らず、この発明の思想に基き種々変更することが可能である。
【0025】
カップ状小型容器10に代えて、ストリップ包装、すなわち、主として、ポリエチレンフィルム、防湿セロハン、ポリエチレン加工セロハン(いわゆるポリセロ)、アルミはくを用い、1回の使用量のヘアケア液を三方シールにより区分包装して、各区分を簡単に切り取れるようにしてもよい。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミはく、ポリアミド、ポリエチレンをラミネートしたフィルムなどを用い、1回の使用量のヘアケア液を三方シールにより区分包装して、各区分を簡単に切り取れるようにしてもよい。その他、包装容器は、例えば、130℃〜150℃に加熱し、4〜5秒間加熱状態を継続した、ヘアケア液52を充填するに適したものであれば、他の形状でもよい。また、遮光性及び密封性に優れたものがよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
この発明にかかるヘアケア液は、パーマ前のプレシャンプー、パーマ液またはカラー剤及びパーマ処理後のシャンプートリートメントに混ぜて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】この発明の一実施の形態であるポーションパックに充填されたヘアケア製品の斜視図解図である。
【図1B】この発明の一実施の形態であるポーションパックに充填されたヘアケア製品の斜視図解図である。
【図1C】この発明の一実施の形態であるポーションパックに充填されたヘアケア製品の縦断面図解図である。
【図2】実施例をパーマ剤に用いた場合と用いていない場合のパーマ後の状態を示す写真(1)である。
【図3】実施例をカラー剤に用いた場合と用いていない場合のカラー後の状態を示す写真(2)である。
【図4】電子顕微鏡による毛髪検証結果を示す写真(3)である。
【符号の説明】
【0028】
10 小型容器
12 容器本体
12a 開口部
14 底
14c 縁部
16 胴部
18 つば部
20 つまみ部
24 段差部
52 ヘアケア液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に、下記の(1)水溶性ケラチン及び(2)白金ナノコロイドを混合してなる、ヘアケア液。
(1)水溶性ケラチン1.5重量%ないし5.8重量%
(2)白金ナノコロイド0.035重量%ないし0.315重量%
(3)水 残量
【請求項2】
水に、下記の(1)水溶性ケラチン及び(2)白金ナノコロイドが、容器に無菌充填され、ヒートシールした、ヘアケア液。
(1)水溶性ケラチン1.5重量%ないし5.8重量%
(2)白金ナノコロイド0.035重量%ないし0.315重量%
(3)水 残量

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−29819(P2009−29819A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231608(P2008−231608)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【分割の表示】特願2008−155181(P2008−155181)の分割
【原出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(391009501)メロディアン株式会社 (6)
【Fターム(参考)】