説明

ヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミド及びペンタリレンテトラカルボン酸ジイミド

一般式(I)で示され、式中、置換基は以下の意味を有する:Rは、同一又は異なる基を意味する:水素、所望であれば置換されたアルキル、シクロアルキル、アリール又はヘタリールを意味し;R′は、同一又は異なる基を意味する:水素;所望であれば置換されたアリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオを意味し;nは、1又は2を意味する、リレンテトラカルボン酸ジイミド並びに前記リレンテトラカルボン酸ジイミドを、高分子の有機及び無機材料の着色のために、電磁スペクトルの近赤外領域に吸収を示す水性ポリマー分散液の製造のために、ヒトの眼には視認できない赤外光を吸収する標識及びマーキングの作製のために、熱管理のための赤外吸収体として、プラスチック部材の溶接処理に際してのIRレーザ放射線吸収性材料として、並びに光電池中の活性成分として用いる使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式I
【化1】

[式中、置換基は以下の意味を有する:
Rは、同一又は異なる基:
水素;
1〜C30−アルキルであって、その炭素鎖が、1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつシアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合される5員ないし7員の複素環式の基(これは更なるヘテロ原子を有し、かつ芳香族であってよい)によって一置換もしくは多置換されていてよいもの;
5〜C8−シクロアルキルであって、その炭素骨格が1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR1−によって中断され、かつ/又はC1〜C18−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよいもの;
アリールもしくはヘタリールであって、それぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−NR23、−CONR23、−SO22及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(これはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシもしくはシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよく、かつ前記アリールにそれぞれ更なる5員ないし7員の飽和もしくは不飽和の環(これは−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−を環員として有してよく、かつ/又は1もしくは複数の同一もしくは異なる基R2によって置換されていてよい)が縮合されていてよいもの;
を意味し、
R′は、同一又は異なる基:
水素;
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシもしくはヘタリールチオであって、それぞれアルキル基R、アリール基R、C1〜C12−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、−COOR1、−CONR23及び/又は−NHCOR2によって一置換もしくは多置換されていてよいもの;
を意味し、
1は、水素もしくはC1〜C18−アルキル;
を意味し、
2、R3は、互いに無関係に、水素;
1〜C18−アルキルであって、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノによって置換されていてよいもの;アリールもしくはヘタリールであって、それぞれアルキルについて上述した基並びにC1〜C6−アルキルによって置換されていてよいもの;
を意味し、
nは、1又は2を意味する]で示される新規のリレンテトラカルボン酸ジイミド、並びにその製造及びそれを高分子の有機及び無機材料の着色のために、電磁スペクトルの近赤外領域に吸収を示す水性ポリマー分散液の製造のために、ヒトの眼には視認できない赤外光を吸収する標識及びマーキングの作製のために、熱管理のための赤外吸収体として、プラスチック部材の溶接処理に際してのIRレーザ放射線吸収性材料として、並びに光電池中の活性成分として用いる使用に関する。
【0002】
更に、本発明は、リレンテトラカルボン酸ジイミドI(R及びR′は、以下の式において、特に記載がない限り、それぞれ上述の意味を有する)のための中間生成物としての:
一般式VII
【化2】

で示される新規のビステリレン誘導体、
一般式VIII
【化3】

で示される新規の11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、
一般式VI
【化4】

[式中、
Zは、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ又は基
を意味し、
4は、同一又は異なる基:
【化5】

水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、アリール又はヘタリールを意味し、その際、両方の基R4は、互いに結合されて、両方の酸素原子並びにホウ素原子を含む5員環であって、炭素原子上で4個までのC1〜C30−アルキル基、C5〜C8−シクロアルキル基、アリール基もしくはヘテロアリール基によって置換されていてよいものを形成し;
R′は、水素を意味しない]で示される新規のテリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、
一般式V
【化6】

[式中、基R′は、水素を意味しない]で示される新規の9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、
一般式XI
【化7】

で示される新規の13−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)クアテリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、
一般式Xa
【化8】

で示される新規のペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)、
一般式Xb
【化9】

で示される新規のペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)、
一般式IXb
【化10】

で示される新規のビス(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン、
一般式XIIa
【化11】

で示されるナフタリン−1,5−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)、及び
一般式XIIb
【化12】

で示される新規のナフタリン−1,4−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)
に関する。
【0003】
より高級のリレンテトラカルボン酸ジイミドは、公知のように、電磁スペクトルの近赤外領域におけるその強力な吸収に基づき、応用技術で特に関心が持たれている。ここで、例えばWO−A−02/77081号において、クアテリレンテトラカルボン酸ジイミドを、ガラス積層体中での熱保護のための赤外吸収体として使用することが記載されている。
【0004】
クアテリレンテトラカルボン酸ジイミドは、今までに知られているうちで最も大きな縮合環系を有する。
【0005】
本発明の課題は、今までに知られるリレンテトラカルボン酸ジイミドで達成される領域よりもさらに長波長の電磁スペクトル領域において吸収を示す化合物を提供することであった。
【0006】
それにより、冒頭に定義された式Iのリレンテトラカルボン酸ジイミド、すなわち式Ia
【化13】

で示されるヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミド及び式Ib
【化14】

で示されるペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドが見出された。好ましいリレンイミドIは、従属請求項からうかがえる。
【0007】
更に、式Iaで示され、その式中、基R′が水素を意味しないヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造方法(以下で、"方法A1−ヘキサリレン"と呼称する)において、
a)一般式II
【化15】

[式中、基R4は、上述の意味を有する]で示されるジボランを、非プロトン性有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で、
a1)一般式IIIa
【化16】

で示される9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、又は
a2)一般式IIIb
【化17】

[式中、Xは、ハロゲン、C1〜C12−アルキルスルホニルであって、そのアルキル基がハロゲンによって一置換もしくは多置換されていてよいもの又はC6〜C18−アリールスルホニルを意味する]で示されるナフタリン誘導体と反応させ、
b1)工程a1)で形成された一般式IVa
【化18】

で示される9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、ナフタリン誘導体IIIbによってスズキカップリング反応に供するか、又は
b2)工程a2)で形成された一般式IVb
【化19】

で示される1−(ジオキサボロラン−2−イル)−5−ニトロナフタリンを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaによってスズキカップリング反応に供し、
c)工程b1)あるいはb2)で形成された一般式V
【化20】

で示される9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、脱水素環化に供し、
d)工程c)で形成された一般式VIa
【化21】

で示される11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、発生期水素で還元させ、
e)工程d)で形成された一般式VIb
【化22】

で示される11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、脱アゾ化し、そして形成されたジアゾニウム塩を、金属臭化物もしくは金属ヨウ化物と反応させ、
f)工程e)で形成された一般式VIc
【化23】

[式中、Halは、臭素もしくはヨウ素を意味する]で示される11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、
f1)触媒としての有機的な遷移金属錯体、遊離の配位子分子及び非プロトン性希釈剤の存在下で、カップリングさせて、一般式VII
【化24】

で示されるビステリレン誘導体を得るか、又は
f2)11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcに対して30〜70モル%のジボランII、遷移金属触媒、塩基及び非プロトン性溶剤の存在下で、一般式VId
【化25】

で示されるその場で形成される11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを中間的に単離せずに、スズキカップリング反応に従って反応させて、ビステリレン誘導体VIIを得て、そして
g)ビステリレン誘導体VIIを、脱水環化によって、
g1)ヒドロキシ官能基及びアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
g2)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、
変換させて、ヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得る
ことを特徴とする方法が見出された。
【0008】
更に、式Iaで示され、その式中、基R′が水素を意味しないヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造方法(以下で、"方法A2−ヘキサリレン"と呼称する)において、
a)一般式II
【化26】

[式中、基R4は、上述の意味を有する]で示されるジボランを、非プロトン性の有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で、一般式VIc
【化27】

[式中、Halは、臭素もしくはヨウ素を意味する]で示される11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドと反応させ、
b)工程a)で形成された式VId
【化28】

で示される11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドによってスズキカップリング反応に供し、そして
c)工程b)で形成された一般式VII
【化29】

で示されるビステリレン誘導体を、脱水素環化によって、
c1)ヒドロキシ官能基及びアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
c2)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、
変換させて、ヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得る
ことを特徴とする方法が見出された。
【0009】
更に、式Ibで示され、その式中、基R′が水素を意味しないペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造方法(以下で、"方法A1−ペンタリレン"と呼称する)において、
a)式VIc
【化30】

で示される11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、式IVa
【化31】

で示される9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドによってスズキカップリング反応に供し、そして
b)工程a)で形成された一般式VIII
【化32】

で示される11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、脱水素環化によって、
b1)ヒドロキシ官能基及びアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
b2)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、
変換させて、ペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得る
ことを特徴とする方法が見出された。
【0010】
更に、式Ibで示され、その式中、基R′が水素を意味しないペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造方法(以下で、"方法A2−ペンタリレン"と呼称する)において、
a)式VId
【化33】

で示される11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、式IIIa
【化34】

で示される9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドによってスズキカップリング反応に供し、そして
b)工程a)で形成された一般式VIII
【化35】

で示される11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、脱水素環化によって、
b1)ヒドロキシ官能基及びアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
b2)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、
変換させて、ペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得る
ことを特徴とする方法が見出された。
【0011】
更に、方法Aに際して中間生成物として生ずる、冒頭に定義された式VII
【化36】

で示されるビステリレン誘導体、冒頭に定義された式VIII
【化37】

で示される11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、冒頭に定義された式VI
【化38】

で示されるテリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、及び冒頭に定義された式V
【化39】

で示される9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド
が見出された。
【0012】
最後に、ヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaの更なる製造方法(以下で、"方法B−ヘキサリレン"と呼称する)において、
a)式II
【化40】

で示されるジボランを、非プロトン性の有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で、
a1)式IIIa
【化41】

で示される9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、又は
a2)一般式IXa
【化42】

[式中、Hal′は、塩素もしくは臭素を表し、かつ両方の基X1もしくはX2の一方は、同様にHal′を意味し、他の基は水素を意味する]で示されるジハロゲンペリレン
と反応させ、
b1)工程a1)で形成された式IVa
【化43】

で示される9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、ジハロゲンペリレンIXaによって、モル比2:1〜6:1においてスズキカップリング反応に供するか、又は
b2)工程a2)で形成された式IXb
【化44】

[式中、両方の基Y1又はY2の一方は、同様に基
【化45】

を意味し、かつ他の基は、水素を意味する]で示されるビス(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレンを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaによって、モル比1:2〜1:6においてスズキカップリング反応に供し、そして
c)工程b1)あるいはb2)で形成された一般式Xa
【化46】

で示されるペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)、又は一般式Xb
【化47】

で示されるペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)を、
c1)強いルイス酸及び不活性有機溶剤の存在下で一段階の脱水素環化に供して、直接的にヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得るか、又は
c2a)第一段階において室温で、不活性有機溶剤の存在下に、弱いルイス酸と接触させ、そして
c2b)その際に形成された一般式XI
【化48】

で示される13−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)クアテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、次いで第二段階において中間的に単離した後に、
c2bα)ヒドロキシ官能基及びアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
c2bβ)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、
更に脱水素環化させて、ヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得る
ことを特徴とする方法が見出された。
【0013】
更に、ペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbの更なる製造方法(以下で、"方法B−ペンタリレン"と呼称する)において、
a)式II
【化49】

で示されるジボランを、非プロトン性の有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で、
a1)式IIIa
【化50】

で示される9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、又は
a2)一般式IXc
【化51】

[式中、Hal′′は、塩素、臭素もしくはヨウ素を表し、かつ両方の基X1′もしくはX2′の一方は、同様にHal′′を意味し、他の基は水素を意味する]で示されるジハロゲンナフタリン
と反応させ、
b1)工程a1)で形成された式IVa
【化52】

で示される9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、ジハロゲンナフタリンIXcによって、モル比2:1〜6:1においてスズキカップリング反応に供するか、又は
b2)工程a2)で形成された式IXd
【化53】

[式中、両方の基Y1又はY2の一方は、同様に基
【化54】

を意味し、かつ他の基は、水素を意味する]で示されるビス(ジオキサボロラン−2−イル)ナフタリンを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaによって、モル比1:2〜1:6においてスズキカップリング反応に供し、そして
c)工程b1)あるいはb2)で形成された一般式XIIa
【化55】

で示されるナフタリン−1,5−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)、又は一般式XIIb
【化56】

で示されるナフタリン−1,4−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)を、
c1)強いルイス酸及び不活性有機溶剤の存在下で一段階の脱水素環化に供して、直接的にペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得るか、又は
c2a)第一段階において加熱をせずに室温で、不活性有機溶剤の存在下に、弱いルイス酸と接触させ、そして
c2b)その際に形成された一般式VIII
【化57】

で示される11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、次いで第二段階において中間的に単離した後に、
c2bα)ヒドロキシ官能基及びアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
c2bβ)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、
更に脱水素環化させて、ペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得る
ことを特徴とする方法が見出された。
【0014】
更に、方法Bに際して中間生成物として生ずる、冒頭で定義された式XI
【化58】

で示される13−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)クアテリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、冒頭で定義された式Xa
【化59】

で示されるペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)、冒頭に定義された式Xb
【化60】

で示されるペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)、冒頭で定義された式IXb
【化61】

で示されるビス(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン、冒頭で定義された式XIIa
【化62】

で示されるナフタリン−1,5−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)、及び冒頭で定義された式XIIb
【化63】

で示されるナフタリン−1,4−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)
が見出された。
【0015】
とりわけ、リレンテトラカルボン酸ジイミドIを、高分子の有機及び無機材料の着色のために、電磁スペクトルの近赤外領域に吸収を示す水性ポリマー分散液の製造のために、ヒトの眼には視認できない赤外光を吸収する標識及びマーキングの作製のために、熱管理のための赤外吸収体として、プラスチック部材の溶接処理に際してのIRレーザ放射線吸収性材料として、並びに光電池中の活性成分として用いる使用が見出された。
【0016】
式中に挙げられる基R、R′、R1〜R5並びにそれらの置換基の例として、以下に詳細に挙げる:
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシル(前記の名称のイソオクチル、イソノニル、イソデシル及びイソトリデシルは、慣用名であり、オキソ合成により得られるアルコールに由来する);
2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−及び3−メトキシプロピル、2−及び3−エトキシプロピル、2−及び3−プロポキシプロピル、2−及び3−ブトキシプロピル、2−及び4−メトキシブチル、2−及び4−エトキシブチル、2−及び4−プロポキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、2−及び4−ブトキシブチル、4,8−ジオキサデシル、3,6,9−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9−トリオキサドデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル及び3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル;
2−メチルチオエチル、2−エチルチオエチル、2−プロピルチオエチル、2−イソプロピルチオエチル、2−ブチルチオエチル、2−及び3−エチルチオプロピル、2−及び3−エチルチオプロピル、2−及び3−プロピルチオプロピル、2−及び3−ブチルチオプロピル、2−及び3−エチルチオプロピル、2−及び3−プロピルチオプロピル、2−及び3−ブチルチオプロピル、2−及び4−メチルチオブチル、2−及び4−エチルチオブチル、2−及び4−プロピルチオブチル、3,6−ジチアヘプチル、3,6−ジチアオクチル、4,8−ジチアノニル、3,7−ジチアオクチル、3,7−ジチアノニル、2−及び4−ブチルチオブチル、4,8−ジチアデシル、3,6,9−トリチアデシル、3,6,9−トリチアウンデシル、3,6,9−トリチアドデシル、3,6,9,12−テトラチアトリデシル及び3,6,9,12−テトラチアテトラデシル;
2−モノメチル−及び2−モノエチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル、2−及び3−ジメチルアミノプロピル、3−モノイソプロピルアミノプロピル、2−及び4−モノプロピルアミノブチル、2−及び4−ジメチルアミノブチル、6−メチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジアザオクチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザオクチル、9−メチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリアザウンデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザウンデシル、12−メチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル及び3,6,9,12−テトラメチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル;
プロパン−2−オン−1−イル、ブタン−3−オン−1−イル、ブタン−3−オン−2−イル及び2−エチルペンタン−3−オン−1−イル;
2−メチルスルホニルエチル、2−エチルスルホニルエチル、2−プロピルスルホニルエチル、2−イソプロピルスルホニルエチル、2−ブチルスルホニルエチル、2−及び3−メチルスルホニルプロピル、2−及び3−エチルスルホニルプロピル、2−及び3−プロピルスルホニルプロピル、2−及び3−ブチルスルホニルプロピル、2−及び4−メチルスルホニルブチル、2−及び4−エチルスルホニルブチル、2−及び4−プロピルスルホニルブチル及び4−ブチルスルホニルブチル;
カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、5−カルボキシペンチル、6−カルボキシヘキシル、8−カルボキシオクチル、10−カルボキシデシル、12−カルボキシドデシル及び14−カルボキシテトラデシル;
スルホメチル、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、5−スルホペンチル、6−スルホヘキシル、8−スルホオクチル、10−スルホデシル、12−スルホドデシル及び14−スルホテトラデシル;
2−ヒドロキシエチル、2−及び3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピ−2−イル、3−及び4−ヒドロキシブチル、1−ヒドロキシブチ−2−イル及び8−ヒドロキシ−4−オキサオクチル;
2−シアノエチル、3−シアノプロピル、3−及び4−シアノブチル、2−メチル−3−エチル−3−シアノプロピル、7−シアノ−7−エチルヘプチル及び4−メチル−7−メチル−7−シアノヘプチル;
2−クロロエチル、2−及び3−クロロプロピル、2−、3−及び4−クロロブチル、2−ブロモエチル、2−及び3−ブロモプロピル及び2−、3−及び4−ブロモブチル;
2−ニトロエチル、2−及び3−ニトロプロピル及び2−、3−及び4−ニトロブチル;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、t−ペントキシ及びヘキソキシ;
メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ、ジフェニルアミノ及びジベンジルアミノ;
カルバモイル、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ブチルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、ヘキシルアミノカルボニル、ヘプチルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、ノニルアミノカルボニル、デシルアミノカルボニル及びフェニルアミノカルボニル;
ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ及びベンゾイルアミノ;
塩素、臭素及びヨウ素;
フェニルアゾ、2−ナフチルアゾ、2−ピリジルアゾ及び2−ピリミジルアゾ;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、2−及び3−メチルシクロペンチル、2−及び3−エチルシクロペンチル、シクロヘキシル、2−、3−及び4−メチルシクロヘキシル、2−、3−及び4−エチルシクロヘキシル、3−及び4−プロピルシクロヘキシル、3−及び4−イソプロピルシクロヘキシル、3−及び4−ブチルシクロヘキシル、3−及び4−s−ブチルシクロヘキシル、3−及び4−t−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、2−、3−及び4−メチルシクロヘプチル、2−、3−及び4−エチルシクロヘプチル、3−及び4−プロピルシクロヘプチル、3−及び4−イソプロピルシクロヘプチル、3−及び4−ブチルシクロヘプチル、3−及び4−s−ブチルシクロヘプチル、3−及び4−t−ブチルシクロヘプチル、シクロオクチル、2−、3−、4−及び5−メチルシクロオクチル、2−、3−、4−及び5−エチルシクロオクチル及び3−、4−及び5−プロピルシクロオクチル;3−及び4−ヒドロキシシクロヘキシル、3−及び4−ニトロシクロヘキシル及び3−及び4−クロロシクロヘキシル;
2−ジオキサニル、1−モルホリニル、1−チオモルホリニル、2−及び3−テトラヒドロフリル、1−、2−及び3−ピロリジニル、1−ピペラジル、1−ジケトピペラジル及び1−、2−、3−及び4−ピペリジル;
フェニル、2−ナフチル、2−及び3−ピリル、2−、3−及び4−ピリジル、2−、4−及び5−ピリミジル、3−、4−及び5−ピラゾリル、2−、4−及び5−イミダゾリル、2−、4−及び5−チアゾリル、3−(1,2,4−トリアジル)、2−(1,3,5−トリアジル)、6−キナルジル、3−、5−、6−及び8−キノリニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアジアゾリル、2−及び5−ベンゾイミダゾリル及び1−及び5−イソキノリル;
2−、3−及び4−メチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−、3−及び4−エチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジエチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、2−、3−及び4−プロピルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジプロピルフェニル、2,4,6−トリプロピルフェニル、2−、3−及び4−イソプロピルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2−、3−及び4−ブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジブチルフェニル、2,4,6−トリブチルフェニル、2−、3−及び4−イソブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジイソブチルフェニル、2,4,6−トリイソブチルフェニル、2−、3−及び4−s−ブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジ−s−ブチルフェニル及び2,4,6−トリ−s−ブチルフェニル;2−、3−及び4−メトキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−、3−及び4−エトキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジエトキシフェニル、2,4,6−トリエトキシフェニル、2−、3−及び4−プロポキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジプロポキシフェニル、2−、3−及び4−イソプロポキシフェニル、2,4−及び2,6−ジイソプロポキシフェニル及び2−、3−及び4−ブトキシフェニル;2−、3−及び4−クロロフェニル及び2,4−、3,5−及び2,6−ジクロロフェニル;2−、3−及び4−ヒドロキシフェニル及び2,4−、3,5−及び2,6−ジヒドロフェニル;2−、3−及び4−シアノフェニル;3−及び4−カルボキシフェニル;3−及び4−カルボキサミドフェニル、3−及び4−N−メチルカルボキサミドフェニル及び3−及び4−N−エチルカルボキサミドフェニル;3−及び4−アセチルアミノフェニル、3−及び4−プロピオニルアミノフェニル及び3−及び4−ブチリルアミノフェニル;3−及び4−N−フェニルアミノフェニル、3−及び4−N−(o−トリル)アミノフェニル、3−及び4−(m−トリル)アミノフェニル及び3−及び4−(p−トリル)アミノフェニル;3−及び4−(2−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(3−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(4−ピリジル)アミノフェニル、3−及び4−(2−ピリミジル)アミノフェニル及び4−(4−ピリミジル)アミノフェニル;
4−フェニルアゾフェニル、4−(1−ナフチルアゾ)フェニル、4−(2−ナフチルアゾ)フェニル、4−(4−ナフチルアゾ)フェニル、4−(2−ピリイルアゾ)フェニル、4−(3−ピリジルアゾ)フェニル、4−(4−ピリジルアゾ)フェニル、4−(2−ピリミジルアゾ)フェニル、4−(4−ピリミジルアゾ)フェニル及び4−(5−ピリミジルアゾ)フェニル;
フェノキシ、フェニルチオ、2−ナフトキシ、2−ナフチルチオ、2−、3−及び4−ピリジルオキシ、2−、3−及び4−ピリジルチオ、2−、4−及び5−ピリミジルオキシ及び2−、4−及び5−ピリミジルチオ。
【0017】
以下で、本発明による製造方法をより詳細に説明する。
【0018】
方法A1−ヘキサリレン
工程a) 方法A1−ヘキサリレン
リレン核において(ヘテロ)アリールオキシ置換並びに(ヘテロ)アリールチオ置換されたヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaの製造のための本発明による方法A1では、工程a)において、ジボランIIを、a1)9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIa又はa2)1,5−二置換されたナフタリン誘導体IIIbと反応させる。ナフタリン誘導体IIIbは、ジボランIIと反応しうる基X(ハロゲン原子又はアルキルスルホニル基もしくはアリールスルホニル基)と、工程d)で形成されるテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドの後続反応を可能にするニトロ基とを有する。
【0019】
以下で、9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIa及びナフタリン誘導体IIIbをまとめて"出発物質III"と呼称する。
【0020】
ジボランIIと出発物質IIIとの反応は、非プロトン性の有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われる。
【0021】
ジボランIIと出発物質IIIとのモル比は、その際、一般に、0.8:1〜3:1、特に1.5:1〜2:1である。
【0022】
溶剤としては、工程a)については基本的に、反応条件下で塩基に対して安定で、選択される反応温度より高い沸点を有する全ての非プロトン性溶剤であって、出発物質IIIが反応温度で完全に溶解し、かつ使用される触媒及び塩基が少なくとも部分的に溶解ことで、十分に均質な反応条件が存在するものである。非極性非プロトン性溶剤も極性非プロトン性溶剤も使用でき、その際、非極性非プロトン性溶剤が好ましい。
【0023】
好ましい非極性非プロトン性溶剤のための例は、100℃より高い沸点の以下の群:
脂肪族化合物(特にC8〜C18−アルカン)、非置換の、アルキル置換された、並びに縮合された脂環式化合物(特に非置換のC7〜C10−シクロアルカン、1ないし3個のC1〜C6−アルキル基によって置換されたC6〜C8−シクロアルカン、10〜18個の炭素原子を有する単環式の飽和の炭化水素)、アルキル置換並びにシクロアルキル置換された芳香族化合物(特に1ないし3個のC1〜C6−アルキル基もしくはC5〜C8−シクロアルキル基によって置換されたベンゼン)並びにアルキル置換及び/又は部分水素化されていてよい縮合された芳香族化合物(特に1〜4個のC1〜C6−アルキル基によって置換されたナフタリン)からの溶剤並びにこれらの溶剤の混合物である。
【0024】
特に好ましい溶剤のための例として、以下に詳細に挙げる:オクタン、イソオクタン、ノナン、イソノナン、デカン、イソデカン、ウンデカン、ドデカン、ヘキサデカン及びオクタデカン;シクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、ジプロピルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、メチルシクロヘプタン及びメチルシクロオクタン;トルエン、o−、m−及びp−キシレン、1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)、1,2,4−及び1,2,3−トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン及びシクロヘキシルベンゼン;ナフタリン、デカヒドロナフタリン(デカリン)、1−及び2−メチルナフタリン及び1−及び2−エチルナフタリン;上述の溶剤からなる組合せ物、例えば原油加工もしくはナフサ加工に際しての熱的分解プロセス並びに触媒的分解プロセスの高沸点で部分水素化もしくは完全水素化された留分から得ることができるもの、例えばExxsol(登録商標)型の混合物並びにSolvesso(登録商標)型のアルキルベンゼン混合物。
【0025】
ことに好ましい溶剤は、キシレン(全ての異性体)、メシチレン及び、とりわけトルエンである。
【0026】
好適な極性非プロトン性溶剤のための例は、N,N−二置換された脂肪族カルボン酸アミド(特にN,N−ジ−C1〜C4−アルキル−C1〜C4−カルボン酸アミド)、窒素含有の複素環式化合物並びに非プロトン性のエーテル(特にモノマー並びにオリゴマーのC2〜C3−アルキレングリコールの環状エーテル、ジアリールエーテル並びにジ−C1〜C6−アルキルエーテルであって、6個までのアルキレンオキシド単位を含みうるもの、とりわけジエチレングリコールジ−C1〜C4−アルキルエーテル)である。
【0027】
特に適した溶剤のための例として、以下に詳細に挙げる:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN,N−ジメチルブチルアミド;N−メチル−2−ピロリドン、キノリン、イソキノリン、キナルジン、ピリミジン、N−メチルピペリジン及びピリジン;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジ−メチル−、−ジエチル−、−ジプロピル−、−ジイソプロピル−、−ジ−n−ブチル−、−ジ−s−ブチル−及び−ジ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチル−及び−ジエチルエーテル及びトリエチレングリコールメチルエチルエーテル。
【0028】
出発物質IIIaの場合に、非極性非プロトン性溶剤、とりわけトルエンが特に好ましく、出発物質IIIbの場合に、極性非プロトン性溶剤、特にジオキサンが特に好ましい。
【0029】
溶剤量は、一般に、出発物質IIIを1gあたりに、10〜1000ml、有利には20〜300mlである。
【0030】
遷移金属触媒としては、特にパラジウム錯体、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリス−o−トリルホスフィン)パラジウム(0)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)クロリド、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド、ビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)アセテート、(2,2′−ビピリジル)パラジウム(II)クロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、1,5−シクロオクタジエンパラジウム(II)クロリド、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)クロリド及びビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)クロリドが適しており、その際、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド並びにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が好ましい。
【0031】
通常は、遷移金属触媒は、出発物質IIIに対して、1〜20モル%、とりわけ2〜10モル%の量で使用される。
【0032】
塩基としては、弱い有機酸並びに無機酸の、有利にはアルカリ金属塩、特にナトリウム塩、とりわけカリウム塩、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムが使用される。好ましい塩基は、酢酸塩、とりわけ酢酸カリウムである。
【0033】
一般に、出発物質IIIを1モルあたりに、1〜5モルの、有利には2〜4モルの塩基が使用される。
【0034】
反応温度は、通常は、20〜180℃、とりわけ60〜120℃である。
【0035】
反応時間は、一般に、0.5〜30時間、特に1〜20時間である。
【0036】
プロセス技術的には、工程a)において、適宜、以下のような措置がとられる:
出発物質III及び溶剤を初充填し、ジボランII、遷移金属触媒及び塩基を続けて添加し、そして該混合物を保護ガス下で所望の反応温度に0.5〜30時間にわたり加熱する。室温にまで冷却した後に、固体成分を反応混合物から濾別し、そして低減された圧力下で溶剤を留去する。
【0037】
こうして製造された9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaあるいは1−(ジオキサボロラン−2−イル)−5−ニトロナフタリンIVb(以下で、まとめて"ジオキサボロラニル誘導体IV"と短く呼称する)の純度は、一般に更なる処理のために十分である。場合により、その粗生成物を、不純物を溶解する溶剤、例えば水で洗浄することによって、又はシリカゲル上で溶出剤として塩化メチレン及びヘキサンもしくはペンタンを用いた又はトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーをすることによって更に精製することができる。
【0038】
工程a)における収率は、通常は、80〜100%である。
【0039】
工程b)−方法A1−ヘキサリレン
工程a)で得られたジオキサボロラニル誘導体IVを、工程b)において出発物質IIIによってスズキカップリング反応に供する。その際に、工程a1)で得られた9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaをナフタリン誘導体IIIbと反応させる(工程b1))か、工程a2)で得られた1−(ジオキサボロラン−2−イル)−5−ニトロナフタリンIVbを9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaと反応させる(工程b2))かのいずれかを行う。
【0040】
ジオキサボラニル誘導体IVと出発物質IIIとの反応は、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属及び塩基の存在下で実施される。
【0041】
9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaとナフタリン誘導体IIIbとのモル比は、その際一般に、0.8:1〜3:1、有利には0.9:1〜2:1である。1−(ジオキサボロラン−2−イル)−5−ニトロナフタリンIVbと9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaとのモル比は、一般に、0.8:1〜3:1、有利には1.5:1〜2.5:1である。
【0042】
溶剤としては、工程b)については、ジオキサボロラニル誘導体IV及び出発物質IIIが反応温度で完全に溶解し、かつ使用される触媒及び塩基が少なくとも部分的に溶解することで、十分に均質な反応条件が存在する全ての溶剤が適している。特に、工程a)について既に挙げた溶剤が適しており、その際、ここでも、アルキル置換されたベンゼンが好ましい。溶剤は、通常は、ジオキサボロラニル誘導体IVを1gあたりに、10〜1000ml、有利には20〜100mlである。
【0043】
好ましくは、工程b)において、水が付加的な溶剤として使用される。この場合に、一般に、有機溶剤を1lあたりに、10〜1000ml、特に250〜500mlの水が使用される。
【0044】
遷移金属触媒としては、工程b)でも同様に好ましいパラジウム錯体が使用され、その際、ここでも工程a)と同じ好ましいものが当てはまる。触媒の使用量は、通常は、ジオキサボロラニル誘導体IVに対して、1〜20モル%、特に1.5〜5モル%である。
【0045】
塩基としては、工程b)では、工程a)と同様に、弱い酸のアルカリ金属塩が好ましく、その際、炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、とりわけ炭酸カリウムが特に好ましい。一般に、塩基量は、ジオキサボロラニル誘導体IVを1モルあたりに、0.1〜10モル、特に0.2〜5モルである。
【0046】
反応温度は、一般に、20〜180℃、有利には60〜120℃である。工程b)において水を使用するのであれば、その反応は、100℃を超える温度で実施しないことが推奨される。それというのも、それをもとに圧力下で作業せねばならないからである。
【0047】
反応は、通常は、0.5〜48時間、特に5〜20時間で完了する。プロセス技術的には、工程b)において、適宜、以下のような措置がとられる:
ジオキサボロラニル誘導体IV及び出発物質III並びに溶剤を初充填し、遷移金属触媒及び水もしくは水/アルコール混合物中に溶解されていることが好ましい塩基を添加し、そして該混合物を保護ガス下で所望の反応温度にまで0.5〜48時間にわたり加熱する。室温にまで冷却した後に、有機相を反応混合物から分離し、そして低減された圧力下で溶剤を留去する。
【0048】
こうして製造された9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVの純度は、一般に、更なる処理のために十分である。場合により、その粗生成物を、水と所望であれば好適な有機溶剤、特に塩素化された脂肪族炭化水素並びに芳香族炭化水素で洗浄することによって、又はシリカゲル上で溶出剤として塩化メチレンとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を用いた又はトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーをすることによって更に精製することができる。
【0049】
工程b)における収率は、通常は、90〜95%である。
【0050】
工程c) 方法A1−ヘキサリレン
工程b)で得られた9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVを、次いで工程c)において、脱水素環化によって変換させて、11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIaを得る。
【0051】
テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIaへの脱水素環化は、塩基安定で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で実施される。
【0052】
溶剤としては、基本的に、工程a)について挙げられた非極性非プロトン性溶剤並びに極性非プロトン性溶剤が適している。
【0053】
好ましい非極性非プロトン性溶剤は、キシレン(全ての異性体)、メシチレン及び、とりわけトルエン及びデカリンであり、好ましい極性非プロトン性溶剤は、モノマー並びにオリゴマーのエチレングリコールのジフェニルエーテル並びにジアルキルエーテル、特にジエチレングリコールジメチルエーテル及びジエチレングリコールジエチルエーテルである。
【0054】
特に好ましい溶剤は、ジエチレングリコールジメチルエーテルである。
【0055】
非プロトン性の有機溶剤の他に、アミノ官能基並びにヒドロキシ官能基を有するプロトン性溶剤を使用することもできる。ここで好適な例は、アルコールアミン、特にモノ−、ジ−並びにトリ−C2〜C4−アルコールアミン、例えばモノ−、ジ−及びトリエタノールアミンであり、その際、エタノールアミンが特に好ましい。
【0056】
溶剤量は、一般に、9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVを1gあたりに、50〜250mlの非極性非プロトン性溶剤、10〜50mlの極性非プロトン性溶剤あるいは3〜50mlのプロトン性溶剤である。
【0057】
塩基としては、強い有機並びに無機のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基が適しており、その際、アルカリ金属含有の塩基が特に適している。好ましい無機塩基は、アルカリ金属並びにアルカリ土類金属の水酸化物及びアミドであり、好ましい有機塩基は、アルカリ金属並びにアルカリ土類金属のアルコレート(特にC1〜C10−アルコレート、とりわけt−C4〜C6−アルコレート)、アルカリ金属並びにアルカリ土類金属の(フェニル)アルキルアミド(特にビス(C1〜C4−アルキル)アミド)及びトリフェニルメチルメタレートである。特に、アルカリ金属アルコレートが好ましい。好ましいアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム及びカリウムであり、その際、カリウムが殊に好ましい。特に適したアルカリ土類金属は、マグネシウム及びカルシウムである。もちろん、種々の塩基の混合物を使用することもできる。
【0058】
特に好ましい塩基のための例として、以下に詳細に挙げる:水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム;リチウムアミド、ナトリウムアミド及びカリウムアミド;リチウムメチレート、ナトリウムメチレート、カリウムメチレート、リチウムメチレート、ナトリウムエチレート、カリウムエチレート、ナトリウムイソプロピレート、カリウムイソプロピレート、ナトリウム−t−ブチレート、カリウム−t−ブチレート、リチウム(1,1−ジメチル)オクチレート、ナトリウム(1,1−ジメチル)オクチレート及びカリウム(1,1−ジメチル)オクチレート;リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミド、トリフェニルメチルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム及びトリフェニルメチルカリウム。
【0059】
殊に好ましい塩基は、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメチレート、ナトリウム−t−ブチレート、とりわけカリウムメチレート及び水酸化カリウム、特にナトリウム−並びにカリウム−t−ブチレートである。
【0060】
特に、アルキレート及び水酸化物が使用される場合に、反応性を高めるために、求核作用が低い窒素含有の補助塩基を添加する。好適な塩基は、反応温度で液状のアルキルアミン、特にトリ(C3〜C6−アルキル)アミン、例えばトリプロピルアミン及びトリブチルアミン、アルコールアミン、特にモノ−、ジ−及びトリ(C2〜C4−アルコール)アミン、例えばモノ−、ジ−及びトリエタノールアミン及び、特に複素環式の塩基、例えばピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピペリドン、N−メチルモルホリン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、キナルジン及び、とりわけジアザビシクロノネン(DBN)及びジアザビシクロウンデセン(DBU)である。もちろん、これらの補助塩基の混合物を使用することもできる。
【0061】
補助塩基について好適な使用量は、一般に、9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVを1gあたりに、1〜60g、有利には5〜30gである。アルカリ金属塩基からは、9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVを1モルあたりに、2〜20モル、有利には8〜20モルが使用される。
【0062】
アルカリ金属塩基は、固体形又は溶解された形で使用することができる。アルカリ金属塩基を、十分に可溶性でない非極性非プロトン性反応溶剤と組み合わせて使用する場合に、前記塩基は、アルカリ金属塩基より高い塩基強度を有するアルコール中に溶解させることができる。とりわけ、アリール置換基を有してよく、かつ全体で4ないし12個のC原子を有する第三級の脂肪族アルコール、例えばt−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール(t−アミルアルコール)、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2−フェニル−2−ペンタノール、2,3−ジ−メチル−3−ペンタノール、2,4,4−トリメチル−2−ペンタノール及び2,2,3,4,4−ペンタメチル−3−ペンタノールが適している。
【0063】
反応温度は、通常は、50〜210℃、有利には20〜100℃である。
【0064】
反応時間は、一般に、0.5〜24時間、特に0.5〜4時間である。
【0065】
プロセス技術的には、適宜、以下のように、9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドV及び塩基を初充填し、溶剤及び補助塩基を保護ガス下で添加し、該混合物を撹拌しつつかつ保護ガス下で所望の反応温度にまで所望の時間にわたり加熱し、そして形成された11−ニトロテリレン−3,4:11,12−テトラカルボン酸ジイミドVIaを、室温に冷却した後に、他の成分を溶解するプロトン性溶剤、例えばC1〜C3−アルコール、特に1種のアルコールで希釈することによって洗浄し、そして引き続き真空中で乾燥させるという措置がとられる。
【0066】
時として、適宜、反応生成物を酸化させてよい。これは、まだ温かい反応混合物中に空気酸素を発泡導入することによって最も容易に行うことができる。しかしながら、酸化剤、例えば好ましくは過酸化水素を添加してもよいが、またアルデヒド基含有の糖類、例えばグルコースを、特に反応後に添加することも可能である。
【0067】
こうして製造された11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIaの純度は、一般に、更なる処理のために十分である。場合により、その粗生成物を、ハロゲン化された溶剤、例えばクロロホルム及び塩化メチレンと、アルコール、例えばメタノール、エタノール及びイソプロパノールとの混合物から、又はカルボン酸アミド、例えばN−メチルピロリドンから再結晶化させることができる。選択的に、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーは、溶出剤として、塩化メチレン又はヘキサンもしくはペンタンを使用して、又はトルエンを用いて行うこともできる。
【0068】
工程c)における収率は、通常は、25〜75%である。
【0069】
工程d) 方法A1−ヘキサリレン
工程c)で得られた11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIaを、工程d)において、発生期水素によって還元させて、相応の11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIbを得る。
【0070】
該反応は、有利には金属性還元剤を含む酸性のアルコール性−水性媒体中で行われる。
【0071】
好適な金属性還元剤のための例は、できる限り微細形で使用される卑金属、例えば鉄粉及びスズ、並びに低い酸化段階の金属の塩、例えば塩化スズ(II)である。好ましい還元剤は、鉄である。
【0072】
還元は、酸、特に無機酸、とりわけ塩酸の存在下で行われる。
【0073】
一般に、11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIaを1gあたりに、0.2〜1.5g、特に0.8〜1.5gの金属性還元剤を、かつ40〜80ml、とりわけ20〜40mlの濃縮された無機酸が使用される。
【0074】
アルコール性の溶剤としては、例えばC1〜C4−アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びブタノールが適しており、その際、エタノールが好ましい。
【0075】
通常は、11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIaを1gあたりに、100〜500ml、とりわけ100〜200mlのアルコールが使用される。
【0076】
反応温度は、一般に、25〜90℃、有利には75〜85℃である。
【0077】
反応時間は、通常は、0.5〜24時間、有利には1〜10時間である。
【0078】
プロセス技術的には、工程d)において、適宜、以下のように、11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIa、金属、酸及びアルコールの混合物を、所望の反応温度で0.5〜24時間にわたり撹拌し、次いで室温にまで冷却し、そして未溶解の金属を溶解された11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIbから濾過によって分離し、そしてハロゲン化された脂肪族の炭化水素、例えば塩化メチレンで複数回洗浄するという措置が採られる。引き続き、有機相を濾液から離別し、そして溶剤を留去する。
【0079】
こうして製造された11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIbの純度は、通常は、更なる処理のために十分である。
【0080】
工程d)における収率は、一般に、75〜95%である。
【0081】
金属/酸による好ましい還元の代わりに、11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIaを、パラジウム/活性炭上で触媒的に水素化させてよい。
【0082】
この水素化は、好ましくは極性非プロトン性反応媒体中で、特にハロゲン化された脂肪族の炭化水素とアルコールとの混合物中で、例えばクロロホルムとエタノールとの2:1混合物中で行われる。
【0083】
一般に、11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIaを1gあたりに、10〜150ml、とりわけ20〜80mlの反応媒体が使用される。
【0084】
触媒量は、通常は、11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIaを1gあたりに、2〜20g、有利には2〜5gである。
【0085】
その接触水素化は、通常は、室温で行われ、そして一般に2〜24時間、特に10〜16時間の時間をかける。
【0086】
製造された11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIbの単離は、前記のように行うことができる。
【0087】
工程e) 方法A1−ヘキサリレン
工程d)で得られた11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIbを、工程e)において変換して、相応の11−ヨード−もしくは11−ブロモテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcを得る。
【0088】
そのために、11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIbを、まずジアゾニウム塩中で変換させて、それを次いで金属ヨウ化物もしくは金属臭化物と反応させる。
【0089】
ジアゾ化は、通常のように、アルカリ金属亜硝酸塩、特に亜硝酸ナトリウムと、水性鉱酸、とりわけ塩酸とを組み合わせて、極性非プロトン性の有機溶剤の存在下で実施される。
【0090】
一般に、11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIbを1gあたりに、1〜20g、有利には5〜10gのアルカリ金属亜硝酸塩が、かつ10〜100ml、有利には30〜60mlの塩酸が使用される。
【0091】
極性非プロトン性の有機溶剤としては、特に、工程a)で挙げたプロトン性のエーテルが適しており、その際、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフランが特に適しており、かつニトリル、例えばアセトニトリル及びプロピオニトリルが適しており、その際、アセトニトリルが特に適している。好ましくは、前記の溶剤の混合物が使用される。
【0092】
一般に、11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIbを1gあたりに、10〜80ml、特に20〜40mlの有機溶剤が使用される。
【0093】
ジアゾ化は、一般に、−20℃〜0℃で、特に−10℃〜−5℃で行われる。
【0094】
ジアゾニウム基は、引き続き、生じた反応混合物中で、反応媒体中に可溶性の金属ヨウ化物もしくは金属臭化物との反応によって置換される。
【0095】
金属ハロゲン化物としては、とりわけアルカリ金属ハロゲン化物、有利にはナトリウム並びにカリウムのハロゲン化物が適しており、その際、ヨウ化ナトリウム並びにヨウ化カリウムが好ましい。
【0096】
一般に、ジアゾニウム塩を1gあたりに、1〜100g、とりわけ5〜30gの金属ハロゲン化物が使用される。
【0097】
前記置換は、通常は、−10〜20℃で、有利には−5〜5℃で行われる。
【0098】
プロセス技術的には、工程e)において、適宜、以下のような措置がとられる:
11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIbを有機溶剤中に溶かした溶液を初充填し、そしてまずゆっくりと無機酸を滴加し、次いで冷却しながら、ニトリルを水性の有機媒体中に溶かした溶液、特に水とアセトニトリルとの混合物を、温度が−5℃を超過しないようにゆっくりと滴加する。前記の温度で約0.25〜0.5時間の引き続いての撹拌時間後に、反応溶液を、金属ハロゲン化物と水性の有機媒体との、特に水とアセトニトリルとの冷却された混合物中に添加し、約0℃で約0.5〜2時間にわたり撹拌し、そして該混合物を次いでゆっくりと室温に加温する。反応生成物を、ハロゲン化された脂肪族の炭化水素、例えば塩化メチレンでの抽出によって単離し、その抽出物を水で洗浄し、そして溶剤を留去する。
【0099】
精製のために、得られた11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcを、反応媒体の水溶液で、有利には亜硫酸ナトリウム溶液で、引き続き水で洗浄し、そして引き続き真空中で乾燥させる。所望であれば、付加的に、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーは、溶出剤として、塩化メチレンとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を用いて、又はトルエンを用いて行うこともできる。しかしながら、一般に、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcは、精製を行わずに、後続工程f)のために使用することもできる。
【0100】
工程e)における収率は、一般に、20〜25%である。
【0101】
工程f) 方法A1−ヘキサリレン
工程e)で得られた11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcを、工程f)においてカップリングさせて、ビステリレン誘導体VIIを得る。
【0102】
カップリングは、その際、f1)触媒としての有機的な遷移金属錯体、遊離の配位子分子及び非プロトン性溶剤の存在下でホモカップリングの範囲において、又はf2)11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcに対して30〜70モル%のジボランII、遷移金属触媒、塩基及び非プロトン性溶剤の存在下で、スズキカップリング反応に従って行うことができ、その際、その場で形成される11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIdは、中間単離せずに、直接的に残留している11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcと反応する。
【0103】
もちろん、11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIdを、また11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcとは別個に製造してもよく、中間単離して、引き続き更なる反応段階において、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcとカップリングさせてもよい。この方法様式は、方法A2−ヘキサリレンの対象であり、特に非対称的に置換されている(両方のイミド窒素原子上の種々の基R及び/又は両方のテリレン構成単位中の種々の基R′′)ヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaの製造のために適している。
【0104】
変法f1)について特に適した不活性希釈剤は、例えば脂肪族カルボン酸アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド、脂肪族並びに脂環式のエーテル、例えば1,2−ジメトキシエタン及びテトラヒドロフラン並びに芳香族化合物、例えばベンゼン、トルエン及びキシレンであり、その際、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
【0105】
希釈剤量は、一般に、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcを1gあたりに、20〜100g、有利には25〜45gである。
【0106】
触媒として用いられる有機的な遷移金属錯体の場合に、既に工程a)で挙げたパラジウム錯体(そのうちテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が好ましい)の他に、特にニッケル錯体、例えばビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)クロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)クロリド、好ましくはビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)が該当する。
【0107】
触媒は、その場で、遷移金属塩又は遷移金属化合物、遊離の配位子、例えばシクロオクタジエン、ビピリジル、トリフェニルホスフィン、トリフルオロホスフィン、η結合、δ結合及びπ結合されるオレフィン、シクロオレフィン、芳香族化合物並びに反芳香族化合物、カルボニル類、水素及びハロゲン並びにそれらの混合物と、必要であれば酸化剤もしくは還元剤を添加することによって作製されることもある。
【0108】
一般に、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcに対して、40〜150モル%、有利には50〜100モル%の有機的な遷移金属錯体が使用される。
【0109】
一般に、常に、遊離の配位子分子、例えば特にシクロオクタジエンとビピリジルとのモル比1:1〜8:1における混合物が同時に存在することが推奨される。この場合に、通常は、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcに対して80〜900モル%、有利には80〜200モル%の量が好適である。
【0110】
カップリング温度は、一般に、40〜80℃、有利には60〜70℃である。
【0111】
反応時間は、一般に、24〜48時間、特に36〜48時間である。
【0112】
プロセス技術的には、工程f1)において、適宜、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIc、有機金属触媒並びに遊離の配位子を、不活性溶剤中で初充填し、そして場合により保護ガス下で、所望の反応温度にまで24〜48時間にわたり加熱するという措置が採られる。冷却した後に、反応混合物を、場合によりメタノールを含有してよい水中に導入し、希釈された無機酸、例えば希釈された塩酸を添加し、そして形成された沈殿物を濾別し、水で洗浄し、そして真空中で乾燥させる。
【0113】
こうして製造されるビステリレン誘導体VIIの純度は、一般に後続の脱水素環化のために十分である。場合により、該生成物を、さらに付加的に、シリカゲル上での塩化メチレンとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を溶出剤として用いたカラムクロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0114】
工程f1)における収率は、一般に、70〜90%である。
【0115】
変法f2)においては、工程a)及びb)と同様に実施するが、その際、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcに対して30〜70モル%だけのジボランIIが、11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIdのその場での形成のために使用される。
【0116】
一般に、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcを1モルあたりに、1〜20モル%、有利には5〜10モル%の遷移金属触媒が、かつ1〜5モル、有利には2〜3モルの塩基が使用される。非プロトン性の有機溶剤は、通常は、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcを1gあたりに、10〜100ml、特に20〜50mlの量で使用される。
【0117】
反応温度は、一般に、20〜100℃、有利には60〜80℃であり、かつ反応時間は、12〜72時間、有利には24〜48時間である。
【0118】
プロセス技術的には、工程f2)において、適宜、以下のような措置がとられる:
11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIc及び溶剤をを初充填し、ジボランII、遷移金属触媒及び塩基を続けて添加し、そして該混合物を所望の反応温度に12〜72時間にわたり加熱する。室温にまで冷却した後に、有機相を反応混合物から分離し、そして低減された圧力下で溶剤を留去する。
【0119】
ここでもまた、得られるビステリレン誘導体VIIの純度は、一般に後続の脱水素環化のために十分である。しかしながら、工程f1)でのように、カラムクロマトグラフィーによる更なる精製が可能である。
【0120】
工程f2)における収率は、通常は、80〜95%である。
【0121】
工程g) 方法A1−ヘキサリレン
工程f)で得られたビステリレン誘導体VIIを、工程g)において脱水素環化させて、ヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得る。
【0122】
脱水素環化は、g1)ヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又はg2)工程c)と同様に、塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で行うことができる。
【0123】
変法g1)が好ましく、それを以下でより詳細に説明する。
【0124】
その場合に、有機反応媒体としては、とりわけ2〜20個の、有利には2〜10個の炭素原子を有するアミノアルコールが適している。前記のアルコールの炭素鎖は、エーテル官能中で酸素原子によって中断されていてよい。特に適した溶剤のための例は、エタノールアミン、トリエタノールアミン及びジエタノールアミンであり、その際、エタノールアミンが好ましい。また、アルコールとアミンとの混合物であって、それぞれ少なくとも70℃の沸点を有し、かつ反応温度において液状である混合物を使用することも可能である。
【0125】
通常は、ビステリレン誘導体VIIを1gにあたり、1.5〜150ml、有利には5〜50mlの反応媒体が使用される。
【0126】
反応媒体中で実質的に未溶解の塩基としては、弱い有機酸、好ましくは弱い無機酸のアルカリ金属塩、特にナトリウム塩、とりわけカリウム塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、炭酸水素塩、特に好ましくは炭酸塩、特に炭酸ナトリウム、とりわけ炭酸カリウムが適している。
【0127】
一般に、塩基量は、ビステリレン誘導体VIIを1モルあたりに、1〜10モル、有利には2〜5モルである。
【0128】
反応温度は、一般に、40〜200℃、特に80〜160℃である。
【0129】
反応時間は、通常は、0.5〜24時間、有利には1〜12時間である。
【0130】
プロセス技術的には、工程g)において、適宜、以下のように、ビステリレン誘導体VII、溶剤及び塩基の混合物を、保護ガス下で所望の反応温度で0.5〜24時間にわたり撹拌し、そして形成されたヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを、室温に冷却した後に、アルコール、例えばエタノール又は水を添加することによって反応混合物から沈殿させ、濾別し、そして水で洗浄するという措置が採られる。
【0131】
得られたヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaの精製は、以下のようにして行うことができる:触媒残留物は、ハロゲン化された脂肪族炭化水素、例えば塩化メチレンで洗浄しつつシリカゲルを介して迅速に濾過することによって除去することができる。ペリレン並びにテリレンを基礎とする未反応の出発物質の残留物は、シリカゲル上で塩化メチレンを溶出剤として用いたカラムクロマトグラフィーによって、又はヘキサンもしくはペンタンでの繰り返しの洗浄によって除去することができる。
【0132】
工程d)における収率は、一般に、75〜95%である。変法g2)では、工程c)と同様に行われる。
【0133】
得られたヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaの単離と精製は、工程g1)と同様に実施することができる。
【0134】
工程g2)における収率は、通常は、90〜95%である。
【0135】
方法A2−ヘキサリレン
工程a) 方法A2−ヘキサリレン
リレン核において(ヘテロ)アリールオキシ置換並びに(ヘテロ)アリールチオ置換されたヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaの製造のための本発明による方法A2の場合に、工程a)において、ジボランIIを、方法A1−ヘキサリレンで記載したように製造される11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcと、方法A1−ヘキサリレンの工程a)と同様に、非プロトン性有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で反応させる。
【0136】
プロセス技術的には、適宜、方法A1−ヘキサリレンの工程a)に記載されるのと同様にして行われる。ここでも固体の成分の濾別と溶剤の留去とによって単離される11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIdの更なる精製は、通常は、改めて必要とはならないが、同様にシリカゲル上で、溶出剤として塩化メチルとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を用いて又はトルエンを用いてカラムクロマトグラフィーによって行うことができる。
【0137】
工程a)における収率は、通常は、80〜100%である。
【0138】
工程b) 方法A2−ヘキサリレン
工程a)で得られた11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIdを、工程b)において、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcによってスズキカップリング反応に供する。
【0139】
この場合に、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcを使用でき、前記イミドは、11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIdの製造のために使用される11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcと同一であっても、又はそれとは異なっていてもよい(他の基R及び/又はR′を有する)。第一の場合に、対称的なヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドが得られるが、第二の場合には、非対称のヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドが得られる。
【0140】
その反応は、方法A1−ヘキサリレンの工程b)に記載されるように、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属及び塩基の存在下で実施される。
【0141】
プロセス技術的には、適宜、方法A1−ヘキサリレンの工程b)に記載されるのと同様にして行われる。ここでも有機相の分離と溶剤の留去とによって単離されたビステリレン誘導体VIIの更なる精製は、通常は、改めて必要とはならないが、同様に、不純物を溶解する溶剤、例えば水による洗浄によって、又はシリカゲル上で、溶出剤として塩化メチレンとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を用いて又はトルエンを用いてカラムクロマトグラフィーによって行うこともできる。
【0142】
工程b)における収率は、通常は、80〜95%である。
【0143】
工程c) 方法A2−ヘキサリレン
工程b)で得られるビステリレン誘導体VIIを工程c)で脱水素環化させてヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得ることは、方法A1−ヘキサリレンの工程g)に相当する。ここでも、方法A1−ヘキサリレンの工程g1)と類似した方法様式c1)が好ましい。
【0144】
この方法でも、対称のヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaも非対称のヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaも得られる(両方のイミド窒素原子上の種々の基R及び/又は両方のテリレン構成単位中の種々の基R′)。
【0145】
方法A1−ペンタリレン
方法A1−ヘキサリレンと同様にして、リレン核において(ヘテロ)アリールオキシ置換並びに(ヘテロ)アリールチオ置換されたペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbの製造のための本発明による方法A1の場合に、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIc及び9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaをスズキカップリング反応に供し、そして形成された11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIIIを脱水素環化させる。
【0146】
工程a) 方法A1−ペンタリレン
11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIc(これは方法A1−ヘキサリレンで記載したように製造される)と9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaとの間の工程a)におけるスズキカップリング反応は、方法A1−ヘキサリレンの工程b)と同様に、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われる。
【0147】
プロセス技術的には、適宜、方法A1−ヘキサリレンの工程b)と同様にして行われる。有機相の分離と溶剤の留去とによって単離された11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIIIの更なる精製は、通常は、改めて必要とはならないが、同様に、不純物を溶解する溶剤、例えば水による洗浄によって、又はシリカゲル上で、溶出剤として塩化メチレンとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を用いて又はトルエンを用いてカラムクロマトグラフィーによって行うこともできる。
【0148】
工程a)における収率は、通常は、90〜95%である。
【0149】
工程b) 方法A1−ペンタリレン
工程a)で得られた11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIIIのペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbへの脱水素環化は、b1)方法A1−ヘキサリレンの工程g1)と同様に、ヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又はb2)方法A1−ヘキサリレンの工程g2)と同様に、塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基の存在下で行われる。ここでも、変法b1)(及びそれと変法a1)も)が好ましい。
【0150】
プロセス技術的には、適宜、方法A1−ヘキサリレンの工程g1)あるいはg2)と同様にして行われる。
【0151】
得られたペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbの精製のために、同様に、極性並びに非極性の非プロトン性溶剤の混合物、例えば塩化メチレン/ヘキサンもしくはペンタンで洗浄しつつシリカゲルを介して迅速に濾過を行ってよく、かつ溶出剤として塩化メチルを用いてシリカゲル上でカラムクロマトグラフィー又はヘキサンもしくはペンタンでの繰り返しの洗浄を行ってよい。
【0152】
工程b1)での収率は、一般に、90〜100%であり、工程b2)での収率は、通常は、90〜100%である。
【0153】
本発明による方法A1−ペンタリレンを用いて、対称的なペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIaも非対称的なペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIaも得られる(両方のイミド窒素原子上の種々の基R及び/又はテリレン並びにペリレン構成単位中での種々の基R′)。
【0154】
方法A2−ペンタリレン
方法A2−ヘキサリレンと同様にして、リレン核において(ヘテロ)アリールオキシ置換並びに(ヘテロ)アリールチオ置換されたペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbの製造のための本発明による方法A2の場合に、11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVId及び9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaをスズキカップリング反応に供し、そして形成された11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIIIを脱水素環化させる。
【0155】
工程a) 方法A2−ペンタリレン
11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVId(方法A2−ヘキサリレンの工程a)に記載されるように製造される)と9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaとの間の工程a)におけるスズキカップリング反応は、方法A1−ヘキサリレンの工程b)と同様にして、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われる。
【0156】
プロセス技術的には、適宜、方法A1−ヘキサリレンの工程b)と同様にして行われる。有機相の分離と溶剤の留去とによって単離された11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIIIの更なる精製は、通常は、改めて必要とはならないが、同様に、不純物を溶解する溶剤、例えば水による洗浄によって、又はシリカゲル上で、溶出剤として塩化メチレンとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を用いて又はトルエンを用いてカラムクロマトグラフィーによって行うこともできる。
【0157】
工程a)における収率は、通常は、90〜95%である。
【0158】
工程b) 方法A2−ペンタリレン
工程a)で得られた11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIIIを脱水素環化させてペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得ることは、方法A1−ペンタリレンの工程b)に相当する。
【0159】
本発明による方法A2−ペンタリレンを用いて、対称的なペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIaも非対称的なペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIaも得られる(両方のイミド窒素原子上の種々の基R及び/又はテリレン並びにペリレン構成単位中での種々の基R′)。
【0160】
方法B−ヘキサリレン
本発明による方法B−ヘキサリレンによって、リレン核において(ヘテロ)アリールオキシ置換並びに(ヘテロ)アリールチオ置換されたヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaもリレン核において非置換のヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaも得ることができる。
【0161】
工程a) 方法B−ヘキサリレン
この方法の工程a)において、ジボランIIを、a1)9−ブロムペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaと、又は3,9−もしくは3,10−ジハロゲンペリレンIXaと反応させる。
【0162】
ジハロゲンペリレンIXaは、通常は、3,9−並びに3,10−異性体の混合物である。それに相応して、前記混合物から工程a)で製造されたビス(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレンIXbも、3,9−並びに3,10−異性体の混合物として生ずる。これは、相応して、二置換されたペリレンIXaもしくはIXbから形成されたカップリング生成物Xa及びXbにも該当する。簡素化のため、それぞれの異性体は、発明の詳細な説明並びに特許請求の範囲において個別のものとして挙げられる。しかしながら本発明によれば、それとともに異性体混合物も含むことが望ましい。
【0163】
その反応は、方法A1−ヘキサリレンの工程a)と同様に、非プロトン性の有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われる。
【0164】
工程a2)において、ジハロゲンペリレンIXaの両方のハロゲン原子は、ジオキサボロラン−2−イル基によって交換されるので、ここでは、二倍量のジボランIIが必要である、すなわち通常は、ジハロゲンペリレンIXaを1モルあたりに、2〜4モル、特に2〜3モルのジボランIIが使用される。
【0165】
同様に、遷移金属触媒及び塩基の量を二倍にするべきであり、溶剤量と他の反応条件は、方法A1−ヘキサリレンの工程a)に相当する。
【0166】
プロセス技術的には、適宜、方法A1−ヘキサリレンの工程a)に記載されるのと同様にして行われる。ここでも固体成分の濾別と溶剤の留去とによって単離された9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaあるいは3,9−もしくは3,10−ビス(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレンIXbの更なる精製は、通常は、改めて必要とはならないが、同様に、不純物を溶解する溶剤、例えば水による洗浄によって、又はシリカゲル上で、溶出剤として塩化メチレンとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を用いて又はトルエンを用いてカラムクロマトグラフィーによって行うこともできる。
【0167】
工程a)における収率は、通常は、75〜95%である。
【0168】
工程b) 方法B−ヘキサリレン
工程a)で得られたジオキサボロラニル誘導体を、工程b)においてハロゲン化されたペリレン出発物質によって二回のスズキカップリング反応に供する。その際に、工程a1)で得られた9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaを3,9−もしくは3,10−ジハロゲンペリレンIXaと反応させる(工程b1))か、工程a2)で得られた3,9−あるいは3,10−ビス(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレンIXbを9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaと反応させる(工程b2))かのいずれかを行う。
【0169】
2回のカップリング反応の実施のために適したペリレン誘導体IXaあるいはIXbは、その際、主要部を形成し、そしてペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaあるいはIIIaは、得られたカップリング生成物の末端部を形成する。
【0170】
9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaとジハロゲンペリレンIXaとのモル比あるいは9−ブロモペリレンジカルボン酸イミドIIIaとビス(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレンIXbとのモル比は、それに相応して、通常は、2:1〜4:1、有利には1:2〜3:1である。
【0171】
2つの異なる9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaあるいは9−ブロモペリレンジカルボン酸イミドIIIaの使用によって、ここでも非対称的なヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを製造する可能性がある。
【0172】
そのカップリングは、方法A1−ヘキサリレンの工程b)と同様に、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属及び塩基の存在下で実施される。
【0173】
しかしながら、ここでも二倍量の遷移金属触媒及び塩基が使用される。溶剤量と他の反応条件は、方法A1−ヘキサリレンの工程b)に相当する。
【0174】
プロセス技術的には、適宜、方法A1−ヘキサリレンの工程b)に記載されるのと同様にして行われる。ここでも有機相の分離と溶剤の留去とによって単離されたペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xaあるいはペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xbの更なる精製は、通常は、改めて必要とはならないが、同様に、不純物を溶解する溶剤、例えば水による洗浄によって、又はシリカゲル上で、溶出剤として塩化メチレンとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を用いて又はトルエンを用いてカラムクロマトグラフィーによって行うこともできる。
【0175】
工程b)における収率は、通常は、70〜90%である。
【0176】
工程c) 方法B−ヘキサリレン
工程b)で得られたペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xaあるいはペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xbを脱水素環化させてヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得ることは、一段階でも(変法c1)、又は二段階でも(変法c2)いずれでも行うことができる。
【0177】
一段階の方法様式c1)の場合に、ペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xaあるいはペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xbを、不活性有機溶剤中で、強いルイス酸と接触させる。
【0178】
溶剤としては、ここでは基本的に、反応条件下で不活性な全ての有機溶剤が適しており、その際、極性非プロトン性溶剤が好ましい。
【0179】
特に適した溶剤のための例は、ハロゲン化された並びにニトロ化された芳香族の炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びトリクロロベンゼン並びにニトロベンゼンである。
【0180】
溶剤量は、ペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xaあるいはペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xbを1gあたりに、10〜100ml、有利には20〜40mlである。
【0181】
強いルイス酸としては、とりわけアルミニウムトリハロゲン化物、例えば三塩化アルミニウム及び三臭化アルミニウムが適しており、その際、三塩化アルミニウムが好ましい。
【0182】
通常は、ペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xaあるいはペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xbを1モルあたりに、2〜10モル、有利には6〜8モルのルイス酸が使用される。
【0183】
反応温度は、一般に、20〜120℃、有利には45〜80℃である。
【0184】
反応時間は、一般に、0.25〜48時間、特に0.25〜8時間である。
【0185】
プロセス技術的には、適宜、ペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xaあるいはペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xb、溶剤及びルイス酸の混合物を、所望の反応温度で0.25〜48時間にわたり撹拌し、溶剤を室温に冷却した後に留去し、そして形成されたヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを、まず希釈された無機酸、例えば希釈された塩酸で、次いで水で洗浄し、そして濾別するという措置が採られる。
【0186】
更なる精製のために、(ヘテロ)アリールオキシ置換又は(ヘテロ)アリールチオ置換されたヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを、ヘキサンもしくはペンタンで繰り返し洗浄し、ハロゲン化された脂肪族の炭化水素、例えば塩化メチルで洗浄しつつシリカゲルを介して迅速に濾過するか、又はシリカゲル上で、溶出剤として塩化メチレンを用いてカラムクロマトグラフィーを行うことができる。非置換のヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIa(R′=H)は、アセトンでの洗浄と、引き続き塩化メチルでの洗浄によって精製することができる。
【0187】
一段階の脱水素環化c1)での収率は、一般に20〜30%である。
【0188】
二段階の方法様式c2)の場合に、ペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xaあるいはペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xbを、第一の工程c2a)において、室温で不活性有機溶剤中で、弱いルイス酸と接触させる。
【0189】
その際に形成された13−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)クアテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドXIを、次いで、中間単離をすることなく、第二の工程c2b)において、方法A1−ヘキサリレンの工程g)と同様に、更に脱水素環化させて、ヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得る。脱水素環化は、c2bα)ヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で(方法A1−ヘキサリレンの工程g1)と同様に)、又はc2bβ)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で(方法A1−ヘキサリレンの工程g2)と同様に)行うことができる。ここでも、変法c2a)が好ましい。
【0190】
二段階の方法様式c2)は、第一の脱水素環化段階c2a)における穏やかな反応条件に基づき、芳香族基R又はR′上のアルキル置換基の不所望な開裂の危険性が低いという利点を有する。
【0191】
工程c2a)において、一段階の方法様式c1)の場合と同じ溶剤を同じ量で使用でき、その際、同じ好ましいものが該当する。
【0192】
弱いルイス酸としては、とりわけ鉄(III)ハロゲン化物、例えば塩化鉄(III)及び臭化鉄(III)が適しており、その際、塩化鉄(III)が好ましい。弱いルイス酸は、一段階の方法様式c1)での強いルイス酸と同じ量で使用することができる。
【0193】
しかしながら、その反応は、工程c2a)において、室温付近の温度で実施される、すなわち反応混合物の加熱は、一般的に必要ない。
【0194】
反応時間は、通常は、約4〜48時間、特に8〜24時間である。
【0195】
プロセス技術的には、適宜、ペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xaあるいはペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)Xb、溶剤及びルイス酸を、保護ガス下で、好適な反応温度にまで4〜48時間にわたり加熱し、そして形成された13−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)クアテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドXIを、溶剤の留去と、引き続き希釈された無機酸、例えば希釈された塩酸で先ず洗浄し、そして次いで水で洗浄することによって単離するという措置が採られる。
【0196】
こうして製造された13−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)クアテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドXIの純度は、一般に、第二の脱水素環化c2b)のために十分である。場合により、粗生成物を、シリカゲル上で、溶出剤として塩化メチレンを用いてカラムクロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0197】
工程c2a)における収率は、一般に、30〜40%である。
【0198】
第二の脱水素環化段階c2b)によりヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得ることは、方法A1−ヘキサリレンの工程g1)と同様に、有利にはヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で実施される(工程c2bα))が、また方法A1−ヘキサリレンの工程g2)と同様に、塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で実施することもできる(工程c2bβ))。
【0199】
プロセス技術的には、適宜、方法A1−ヘキサリレンの工程g)に記載されるのと同様にして行われる。
【0200】
得られたヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaの更なる精製は、一段階の方法様式c1)の場合と同様に行うことができる。
【0201】
工程c2bα)での収率は、一般に、80〜100%であり、工程c2bβ)での収率は、通常は、80〜95%である。
【0202】
本発明による方法B−ヘキサリレンを用いて、対称的なペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIaも非対称的なペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIaも得られる(両方のイミド窒素原子上の種々の基R及び/又は両方の外側のペリレン構成単位中での種々の基R′)。
【0203】
方法B−ペンタリレン
方法B−ヘキサリレンに類似の本発明による方法B−ペンタリレンによって、リレン核において(ヘテロ)アリールオキシ置換並びに(ヘテロ)アリールチオ置換されたペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbもリレン核において非置換のペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbも得ることができる。
【0204】
工程a) 方法B−ペンタリレン
この方法の工程a)において、ジボランIIを、a1)9−ブロムペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaと、又はa2)1,5−もしくは1,4−ジハロゲンナフタリンIXcと反応させる。
【0205】
前記の反応は、方法A1−ヘキサリレンの工程a)と同様に、非プロトン性の有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われる。
【0206】
工程a2)において、ジハロゲンナフタリンIXcの両方のハロゲン原子は、ジオキサボロラン−2−イル基によって交換されるので、ここでは、二倍量のジボランIIが必要である、すなわち通常は、ジハロゲンナフタリンIXcを1モルあたりに、2〜4モル、特に2〜3モルのジボランIIが使用される。
【0207】
方法B−ヘキサリレンと類似に、遷移金属触媒及び塩基の量を同様に二倍にするべきであり、溶剤量と他の反応条件は、方法A1−ヘキサリレンの工程a)に相当する。
【0208】
プロセス技術的には、適宜、方法A1−ヘキサリレンの工程a)と同様にして行われる。ここでも固体成分の濾別と溶剤の留去とによって単離された9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaあるいは1,5−もしくは1,4−ビス(ジオキサボロラン−2−イル)ナフタリンIXdの更なる精製は、通常は、改めて必要とはならないが、同様に、不純物を溶解する溶剤、例えば水による洗浄によって、又はシリカゲル上で、溶出剤として塩化メチレンとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を用いてカラムクロマトグラフィーによって行うこともできる。
【0209】
工程a)における収率は、通常は、80〜95%である。
【0210】
工程b) 方法B−ペンタリレン
工程a)で得られたジオキサボロラニル誘導体を、工程b)においてハロゲン化されたナフタリン出発物質もしくはペリレン出発物質によって二回のスズキカップリング反応に供する。その際に、工程a1)で得られた9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaを1,5−もしくは1,4−ジハロゲンナフタリンIXcと反応させる(工程b1))か、又は工程a2)で得られた1,5−あるいは1,4−ビス(ジオキサボロラン−2−イル)ナフタリンIXdを9−ブロモペリレンジカルボン酸イミドIIIaと反応させる(工程b2))かのいずれかを行う。
【0211】
2回のカップリング反応の実施のために適したナフタリン誘導体IXcあるいはIXdは、その際、主要部を形成し、そしてペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaあるいはIIIaは、得られたカップリング生成物の末端部を形成する。
【0212】
9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaとジハロゲンナフタリンIXcとのモル比あるいは9−ブロモペリレンジカルボン酸イミドIIIaとビス(ジオキサボロラン−2−イル)ナフタリンIXdとのモル比は、それに相応して、通常は、2:1〜4:1、有利には1:2〜3:1である。
【0213】
2つの異なる9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVaあるいは9−ブロモペリレンジカルボン酸イミドIIIaの使用によって、ここでも非対称的なペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを製造する可能性がある。
【0214】
そのカップリングは、方法A1−ヘキサリレンの工程b)と同様に、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属及び塩基の存在下で実施される。
【0215】
しかしながら、ここでも二倍量の遷移金属触媒及び塩基が使用される。溶剤量と他の反応条件は、方法A1−ヘキサリレンの工程b)に相当する。
【0216】
プロセス技術的には、適宜、方法A1−ヘキサリレンの工程b)と同様にして行われる。ここでも有機相の分離と溶剤の留去とによって単離されたナフタリン−1,5−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)XIIaあるいはナフタリン−1,4−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)XIIbの更なる精製は、通常は、改めて必要とはならないが、同様に、不純物を溶解する溶剤、例えば水による洗浄によって、又はシリカゲル上で、溶出剤として塩化メチレンとヘキサンもしくはペンタンとの混合物を用いてカラムクロマトグラフィーによって行うこともできる。
【0217】
工程b)における収率は、通常は、80〜90%である。
【0218】
工程c) 方法B−ペンタリレン
工程b)で得られたナフタリン−1,5−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)XIIaあるいはナフタリン−1,4−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)XIIbを脱水素環化させてペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得ることは、方法B−ヘキサリレンの工程c)と類似に、同様にして一段階でも(変法c1))又は二段階でも(変法c2))行うことができる。
【0219】
一段階の方法様式c1)の場合に、ナフタリン−1,5−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)XIIaあるいはナフタリン−1,4−−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)XIIbを、方法B−ヘキサリレンの工程c)の一段階の方法様式と類似に、不活性有機溶剤中で、強いルイス酸と接触させる。
【0220】
プロセス技術的には、適宜、方法B−ヘキサリレンの工程c1)と同様にして行われる。ここでも溶剤の留去によって単離されたペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbの精製は、(ヘテロ)アリールオキシ置換もしくは(ヘテロ)アリールチオ置換されたペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbの場合に、同様に、ヘキサンもしくはペンタンで繰り返し洗浄することによって、ハロゲン化された脂肪族の炭化水素、例えば塩化メチレンで洗浄しつつシリカゲルを介して迅速に濾過することによって、又はシリカゲル上で溶出剤として塩化メチレンを用いてカラムクロマトグラフィーをすることによって行うことができる。非置換のペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIb(R′=H)は、アセトンでの洗浄と、引き続き塩化メチルでの洗浄によって精製することができる。
【0221】
一段階の脱水素環化c)の場合の収率は、通常は、20〜35%である。
【0222】
二段階の方法様式c2)の場合に、ナフタリン−1,5−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)XIIaあるいはナフタリン−1,4−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)XIIbを、第一の工程c2a)において、室温で不活性有機溶剤中で、弱いルイス酸と接触させる。
【0223】
その際に形成された11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIIIを、次いで中間単離後に、第二段階においてc2b)更に脱水素環化させて、ペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得る。脱水素環化は、c2bα)ヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で(方法A1−ヘキサリレンの工程g1)と同様に)、又はc2bβ)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で(方法A1−ヘキサリレンの工程g2)と同様に)行うことができる。ここでも、変法c2bα)が好ましい。
【0224】
二段階の方法様式c2)は、方法B−ヘキサリレンの場合と同様に、第一の脱水素環化段階における穏やかな反応条件に基づき、芳香族基R又はR′上のアルキル置換基の不所望な開裂の危険性が低いという利点を有する。
【0225】
第一の脱水素環化(工程c2a))は、方法B−ヘキサリレンの工程c2a)と類似に行われる。
【0226】
プロセス技術的には、適宜、方法B−ヘキサリレンの工程c2a)と同様にして行われる。
【0227】
工程c2a)における収率は、一般に、30〜40%である。
【0228】
第二の脱水素環化段階c2b)によりペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得ることは、有利には方法B−ヘキサリレンの工程c2b)と同様にして、方法A1−ヘキサリレンの工程g1)と再び同様に行って実施される(工程c2bα))。しかしながら、もちろん、ここでも方法A1−ヘキサリレンの工程g1)と同様の変法c2bβ)を選択することもできる。
【0229】
プロセス技術的には、適宜、同様に類似の措置が採られる。
【0230】
得られたペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbの精製は、一段階の変法c1)の場合と同様にして行うことができる。
【0231】
工程c2bα)での収率は、一般に、80〜100%であり、工程c2bβ)での収率は、通常は、80〜95%である。
【0232】
本発明による方法B−ペンタリレンを用いて、対称的なペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbも非対称的なペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbも得られる(両方のイミド窒素原子上の種々の基R及び/又は両方の外側のペリレン構成単位中での種々の基R′)。
【0233】
本発明によるリレンテトラカルボン酸ジイミドIは、830〜975nmの波長での近赤外領域において強い吸収を示し、そして今までに知られたリレン化合物を用いて得られるスペクトル領域を好ましく補っている。
【0234】
前記化合物は、多くの用途に、例えば高分子の有機及び無機材料、例えば塗料、印刷インキ及びプラスチックの着色のために、電磁スペクトルの近赤外領域に吸収を示す水性ポリマー分散液の製造のために、ヒトの眼には視認できない赤外光を吸収する標識及びマーキングの作製のために、熱管理のための赤外吸収体として、プラスチック部材の溶接処理に際してのIRレーザ放射線吸収性材料として、並びに光電池中の活性成分として適している。
【0235】
実施例
実施例1:N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,15,20−テトラ[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]ヘキサリレン−3,4:17,18−テトラカルボン酸ジイミドIa′
a)1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)−5−ニトロナフタリンIVb′の製造
6.0g(23.8ミリモル)の1−ブロモ−5−ニトロナフタリンを100mlのジオキサン中に溶かした溶液を、アルゴンですすいだ。次いで、14.0g(61.6ミリモル)の酢酸カリウム、12.0g(47.3ミリモル)のビス(ピナコラト)ジボラン及び0.8g(0.97ミリモル)の[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−パラジウム(II)クロリドを添加した。もう一度アルゴンですすいだ後に、その混合物を70℃に加熱し、そしてこの温度で16時間撹拌した。室温に冷却した後に、反応混合物を塩化メチレンで抽出した。有機相を、水で2回洗浄し、そして硫酸マグネシウム上で乾燥させた。次いで、溶剤を真空下で留去した。引き続き、粗生成物をシリカゲル上で溶出剤として塩化メチレンを用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0236】
6.9gの化合物IVb′が淡黄色の固体の形で得られ、これは収率97%に相当した。
【0237】

【0238】
b)N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVの製造
1.05g(1.09ミリモル)のN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIa′、1.03g(3.44ミリモル)の1−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)−5−ニトロナフタリンIVb′及び40mlのトルエンのアルゴン下で撹拌された混合物に、まず、0.69g(5.0ミリモル)の炭酸カリウムを20mlの水及び2mlのエタノール中に溶かした溶液を、そしてついで0.06g(0.051ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を添加した。引き続き、該混合物をアルゴン下で80℃に加熱し、そしてこの温度で16時間撹拌した。室温に冷却した後に、有機相を分離し、そして溶剤を真空中で除去した。粗生成物を、シリカゲル上でトルエンとヘキサンとの1:1混合物を溶出剤として用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0239】
1.15gの化合物Vが赤色の固体の形で得られ、これは収率100%に相当した。
【0240】

【0241】
c)N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIa′の製造
1.0g(0.94ミリモル)の化合物V、1.17g(9.42ミリモル)の1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネ−5−エン及び0.45g(4.7ミリモル)のナトリウム−t−ブチレートを7mlのジエチレングリコールジメチルエーテル中に溶かした溶液を、25mlのシュレンク管中でアルゴンですすぎ、70℃に加熱し、そしてこの温度で2時間にわたり撹拌した。40℃に冷却した後に、該反応生成物を100mlの水で沈殿させ、濾別し、水で洗浄して、乾燥させた。粗生成物を、直接的に更なる精製をせずに後続工程で使用できる場合にも、分析目的のために、シリカゲル上で、塩化メチレンとヘキサンとの4:1混合物を溶出剤として用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0242】
0.35gの化合物VIa′が青色の固体の形で得られ、これは収率35%に相当した。
【0243】

【0244】
d)N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIb′の製造
2.0g(0.95ミリモル)の化合物VIa′を300mlのエタノール中に溶かした溶液に、700mg(12.5ミリモル)の鉄粉を添加した。20mlの濃塩酸を滴加した後に、該混合物を還流温度にまで加熱し、そしてこの温度で1時間撹拌した。室温に冷却した後に、該反応溶液を、未溶解の鉄粉の分離のために濾過ヌッチェを介して添加した。鉄粉を、塩化メチレンで複数回洗浄した。有機相を、濾液から分離し、そして溶剤を真空下で除去した。
【0245】
0.80gの化合物VIb′が暗青色の固体の形で得られ、これは収率92%に相当した。
【0246】

【0247】
e)N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−11−ヨードテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIc′の製造
0.65g(0.63ミリモル)の化合物VIb′を8mlのジエチルエーテルと6mlのテトラヒドロフランと1mlのアセトニトリルとの混合物中に溶かした溶液に、29mlの4.5mの塩酸をゆっくりと滴加した。−5℃ないし−10℃に冷却した後に、4.0g(58.0ミリモル)の亜硝酸ナトリウムを8mlのアセトニトリル及び12mlの水中に溶かした溶液を、15分の時間をかけて滴加させて、温度を−5℃を超えないようにした。前記の温度で30分間更に撹拌した後に、その反応溶液を、10.0g(66.7ミリモル)のヨウ化ナトリウム、66mlのアセトニトリル、及び33mlの水の冷却された混合物中に添加し、更に0℃で2時間撹拌し、そして次いでゆっくりと室温に加温した。塩化メチレンで抽出することによって得られた有機相を、まず亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、そして次いで水で洗浄し、次に塩化メチレンを真空中で除去した。粗生成物を、簡単にシリカゲルを介して濾過し、塩化メチレンで洗浄し、真空中で乾燥させ、そしてそれを更に精製せずに工程f)で使用した。
【0248】
0.12gの化合物VIc′が青色の固体の形で得られ、これは収率17%に相当した。
【0249】

【0250】
f)ビス[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]テリレン−3,4−ジカルボン酸イミド]VII′の製造
まず、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−11−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVId′を以下のように製造した:
100mg(0.09ミリモル)の化合物VIc′を10mlのトルエン中に50mlのシュレンク管中で溶かした溶液に、連続して34mg(0.15ミリモル)のビス(ピナコラト)ジボラン、34mg(0.30ミリモル)の酢酸カリウム及び10mg(0.03ミリモル)の[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドを添加した。得られた混合物を次いで、アルゴン下で60℃に加熱し、そしてこの温度で一晩保持した。室温に冷却した後に、溶剤を留去した。固体の残留物を、シリカゲル上で溶出剤として塩化メチレンを用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0251】
0.08gの化合物VId′が暗青色の固体の形で得られ、これは収率78%に相当した。
【0252】
得られた化合物VId′を、更なる精製をせずに、ビス[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]テリレン−3,4−ジカルボン酸イミド]VII′の製造のために使用した。
【0253】
0.04g(0.035ミリモル)の化合物VIc′及び0.04g(0.035ミリモル)のVId′を2mlのジオキサン中に溶かしてアルゴン中で撹拌した溶液に、まず、0.027g(0.20ミリモル)の炭酸カリウムを0.9mlの水と0.1mlのエタノールとの混合物中に溶かした溶液を添加し、そして引き続き0.010g(0.009ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を添加した。もう一度アルゴンですすいだ後に、該混合物を70℃で24時間撹拌した。真空中で溶剤を留去することによって得られた粗生成物を、シリカゲル上で、塩化メチレンとヘキサンとの1:1混合物を溶出剤として用いたカラム濾過に供し、そして更なる精製をせずに工程g)で使用した。
【0254】
0.06gの化合物VII′が青色の固体の形で得られ、これは収率85%に相当した。
【0255】
g)N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,15,20−テトラ[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]ヘキサリレン−3,4:17,18−テトラカルボン酸ジイミドIa′への脱水素環化
0.050g(0.025ミリモル)の化合物VII′、0.105g(0.76ミリモル)の炭酸カリウム及び53mlのエタノールアミンの混合物をアルゴンですすぎ、135℃に加熱し、そしてこの温度で20時間撹拌した。40℃に冷却した後に反応溶液の沈殿によって水に沈殿した反応生成物を濾別し、ヘキサンで洗浄し、そして真空中で乾燥させた。
【0256】
0.42gの化合物Ia′が緑色の固体の形で得られ、これは収率84%に相当した。
【0257】

【0258】
実施例2:N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,13,18−テトラ[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]ペンタリレン−3,4:15,16−テトラカルボン酸ジイミドIb′
a)N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−9−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVa′の製造
0.97g(1.0ミリモル)の化合物IIIaを100mlのトルエン中に溶かした溶液を、アルゴンですすいだ。引き続き、0.33g(3.0ミリモル)の酢酸カリウム、0.34g(1.5ミリモル)のビス(ピナコラト)ジボラン及び0.04g(0.1ミリモル)の[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−パラジウム(II)クロリドを添加した。もう一度アルゴンですすいだ後に、その混合物を80℃に加熱し、そしてこの温度で16時間撹拌した。室温に冷却した後に、溶剤を除去した。粗生成物をシリカゲル上で溶出剤として塩化メチレンを用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0259】
0.67gの化合物IVa′が赤色の固体の形で得られ、これは収率65%に相当した。
【0260】

【0261】
b)N−(2,6−ジイソプロピルフェニル−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−11−(9−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)]−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノキシ]ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIII′の製造
0.09g(0.92ミリモル)の化合物IVa′及び0.06g(0.05ミリモル)のN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−11−ヨードテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIc′を3mlのトルエン中に溶かしてアルゴン中で撹拌した混合物に、まず、0.03g(0.2ミリモル)の炭酸カリウムを0.9mlの水及び0.1mlのエタノール中に溶かした溶液を添加し、そして次いで0.01g(0.01ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を添加した。該混合物をアルゴン下で70℃にまで加熱し、そしてこの温度で72時間撹拌した。室温に冷却した後に、有機相を分離し、そして溶剤を真空中で除去した。粗生成物を、シリカゲル上で塩化メチレンとヘキサンとの1:1混合物を溶出剤として用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0262】
16mgの化合物VIII′が赤色の固体の形で得られ、これは収率17%に相当した。
【0263】

【0264】
c)N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,13,18−テトラ[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]ペンタリレン−3,4:15,16−テトラカルボン酸ジイミドIb′への脱水素環化
0.016g(0.008ミリモル)の化合物VIII′、0.053g(0.38ミリモル)の炭酸カリウム及び2mlのエタノールアミンの混合物を、アルゴンですすぎ、135℃に加熱し、そしてこの温度で16時間撹拌した。40℃に冷却した後に反応溶液の沈殿によって100mlの水に沈殿した反応生成物を濾別し、水で洗浄し、そして乾燥させた。粗生成物を、シリカゲル上で塩化メチレンとヘキサンとの3:2混合物を溶出剤として用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0265】
15mgの化合物Ib′が黒緑色の固体の形で得られ、これは収率94%に相当した。
【0266】

【0267】
実施例3:N,N′−ビス(1−ヘプチルオクチル)ペンタリレン−3,4:15,16−テトラカルボン酸ジイミドIb′′
a)N−(1−ヘプチルオクチル)−9−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVa′の製造
1.2g(2ミリモル)のN−(1−ヘプチルオクチル)−9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIa′′を20mlのジオキサン中に50mlのシュレンク管中で溶かした溶液に、連続的に558mg(2.5ミリモル)のビス(ピナコラト)ジボラン、558mg(5.3ミリモル)の酢酸カリウム及び44mg(0.1ミリモル)の[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドを添加した。得られた混合物を次いで、アルゴン下で70℃に加熱し、そしてこの温度で一晩保持した。室温に冷却した後に、該生成物を塩化メチレンで抽出し、そして水で洗浄した。次いで、溶剤を留去した。固体の残留物を、シリカゲル上で溶出剤として塩化メチレンを用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0268】
1.0gの化合物IVa′が赤色の固体の形で得られ、これは収率78%に相当した。
【0269】

【0270】
b)ナフタリン−1,4−ビス[N−(1−ヘプチルオクチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド]XIIa′の製造
1.00g(1.52ミリモル)の化合物IVa′及び0.22g(0.76ミリモル)の1,4−ジブロモナフタリンIXc′を40mlのトルエン中に溶かしてアルゴン中で撹拌した混合物に、まず、0.63g(4.6ミリモル)の炭酸カリウムを20mlの水及び2mlのエタノール中に溶かした溶液を添加し、そして次いで0.09g(0.076ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を添加した。引き続き、該混合物をアルゴン下で80℃に加熱し、そしてこの温度で16時間撹拌した。室温に冷却した後に、有機相を分離し、そして溶剤を真空中で除去した。粗生成物をシリカゲル上で溶出剤としてトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0271】
0.45gの化合物XIIa′が赤色の固体の形で得られ、これは収率72%に相当した。
【0272】

【0273】
c)N,N′−ビス(1−ヘプチルオクチル)ペンタリレン−3,4:15,16−テトラカルボン酸ジイミドIb′′への脱水素環化
0.10g(0.084ミリモル)の化合物XIIa′、0.09g(0.67ミリモル)の無水の塩化アルミニウム及び2mlのクロロベンゼンの混合物を、75℃で20分間撹拌した。溶剤容量を低減された圧力下で濃縮した後に、残留する液体を、ジエチルエーテルで希釈し、そして沈殿物を濾別した。残留している固体を、引き続き希釈された塩酸で加水分解し、まず水で、次いでアセトンで、引き続き塩化メチレンで洗浄した。
【0274】
24mgの化合物Ib′′が黒緑色の固体の形で得られ、これは収率24%に相当した。
【0275】

【0276】
実施例4:N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,15,20−テトラ[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]ヘキサリレン−3,4:17,18−テトラカルボン酸ジイミドIa′
a)ペリレン−3,9−並びに−3,10−ビス[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ジ[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド]X′の製造
1.0g(0.98ミリモル)のN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−9−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIVa′及び0.2g(0.49ミリモル)の3,9−並びに3,10−ジブロモペリレンIXa′の混合物を40mlのトルエン中に溶かした溶液に、連続的に、0.415g(3.0ミリモル)の炭酸カリウムを20mlの水及び2mlのエタノール中に溶かした溶液と、0.057g(0.049ミリモル)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を添加した。該混合物をアルゴン下で80℃にまで加熱し、そしてこの温度で16時間撹拌した。室温に冷却した後に、有機相を分離し、そして溶剤を低減された圧力下で留去した。粗生成物を、シリカゲル上でトルエンとヘキサンとの1:1混合物を溶出剤として用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0277】
0.99gの化合物X′′が赤色の固体の形で得られ、これは収率79%に相当した。
【0278】

【0279】
b)N−(2,6−ジイソプロピルフェニル−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]−13−(9−[N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)]−1,6−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノキシ]ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)クアテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドXI′の製造
1.3g(0.64ミリモル)の化合物X′を20mlの塩化メチレン中に溶かした溶液に、0.83g(5.14ミリモル)の塩化鉄(III)を4mlのニトロメタン中に溶かした溶液をアルゴン下で滴加した。室温で24時間の反応時間後に、溶剤を除去し、その反応混合物を水性塩酸と混合し、濾過し、そして水で中性になるまで洗浄した。乾燥させた粗生成物を、直接的に更なる精製をせずに後続段階のために使用した。
【0280】
0.28gの化合物XI′が褐色の固体の形で得られ、これは収率22%に相当した。
【0281】
c)N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,6,15,20−テトラ[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ]ヘキサリレン−3,4:17,18−テトラカルボン酸ジイミドIa′への脱水素環化
0.2g(0.1ミリモル)の化合物XI′、0.11g(0.8ミリモル)の炭酸カリウム及び4mlのエタノールアミンの混合物を、アルゴン下で130℃に加熱し、そしてこの温度で16時間撹拌した。室温に冷却した後に、該反応混合物を20mlの水と混合した。形成された沈殿物を濾別し、水で洗浄し、そして乾燥させた。粗生成物をシリカゲル上で溶出剤として塩化メチレンを用いたカラムクロマトグラフィーに供した。
【0282】
0.17gの化合物Ia′が緑色の固体の形で得られ、これは収率87%に相当した。
【0283】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中、置換基は以下の意味を有する:
Rは、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
1〜C30−アルキルであって、その炭素鎖は1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつシアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合され、更なるヘテロ原子を有し、かつ芳香族性であってよい5員ないし7員の複素環式の基によって一置換もしくは多置換されていてよく;
5〜C8−シクロアルキルであって、その炭素骨格は1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR1−によって中断され、かつ/又はC1〜C18−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよい;
アリールもしくはヘタリールであって、それぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−NR23、−CONR23、−SO22及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(これはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシもしくはシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよく、かつ前記アリールもしくはヘタリールにそれぞれ他の5員ないし7員の飽和もしくは不飽和の環が縮合されていてよく、前記他の環は、−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−を環員として有してよく、かつ/又は1もしくは複数の同一もしくは異なる基R2によって置換されていてよく;
R′は、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素、
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであって、それぞれアルキル基R、アリール基R、C1〜C12−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、−COOR1、−CONR23及び/又は−NHCOR2によって一置換もしくは多置換されていてよく;
1は、水素又はC1〜C18−アルキルを意味する;
2、R3は、互いに無関係に、水素;C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノによって置換されていてよいC1〜C18−アルキル;それぞれアルキルについて上述した基並びにC1〜C6−アルキルによって置換されていてよいアリールもしくはヘタリールを意味する;
nは、1又は2を意味する]で示されるリレンテトラカルボン酸ジイミド。
【請求項2】
請求項1に記載の一般式Iのリレンテトラカルボン酸ジイミドであって、式中の置換基が以下の意味:
Rは、以下の同一の基を意味する:
水素;
1〜C30−アルキルであって、その炭素鎖は1もしくは複数の基−O−及び/又は−CO−によって中断されていてよく、かつシアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合され、更なるヘテロ原子を有し、かつ芳香族性であってよい5員ないし7員の複素環式の基によって一置換もしくは多置換されていてよく;
5〜C8−シクロアルキルであって、C1〜C6−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよく;
フェニル、ナフチル、ピリジルもしくはピリミジルであって、それぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−CONR23、−SO22及び/又はフェニルアゾもしくはナフチルアゾ(これはそれぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシもしくはシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよく;
R′は、以下の同一の基を意味する:
水素;臭素;
フェノキシ、フェニルチオ、ピリジルオキシ、ピリミジルオキシ、ピリジルチオもしくはピリミジルチオ(これはそれぞれC1〜C12−アルキルもしくはC1〜C12−アルコキシによって一置換もしくは多置換されていてよい);
1は、水素もしくはC1〜C6−アルキルを意味する;
2、R3は、互いに無関係に、水素;C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノによって置換されていてよいC1〜C18−アルキル;それぞれアルキルについて上述した基並びにC1〜C6−アルキルによって置換されていてよいアリールもしくはヘタリールを意味する;
nは、1又は2を意味する、リレンテトラカルボン酸ジイミド。
【請求項3】
一般式Ia
【化2】

[式中、置換基は、請求項1に挙げた意味を有するが、R′は、水素を意味しない]で示されるヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造方法において、
a)一般式II
【化3】

[式中、基R4は、同一又は異なって、互いに無関係に、水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、アリール又はヘタリールを意味し、その際、それぞれ1つのホウ素原子上に存在する基R4は、両方の酸素原子並びにホウ素原子を含む五員環であってそれらの炭素原子上で4個までのC1〜C30−アルキル基、C5〜C8−シクロアルキル基、アリール基もしくはヘタリール基によって置換されていてよい環を形成して互いに結合することができる]で示されるジボランを、非プロトン性有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で、
a1)一般式IIIa
【化4】

で示される9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、又は
a2)一般式IIIb
【化5】

[式中、Xは、ハロゲン、C1〜C12−アルキルスルホニル(そのアルキル基はハロゲンによって一置換もしくは多置換されていてよい)又はC6〜C18−アリールスルホニルを意味する]で示されるナフタリン誘導体
と反応させ、
b1)工程a1)で形成された一般式IVa
【化6】

で示される9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、ナフタリン誘導体IIIbによってスズキカップリング反応に供するか、又は
b2)工程a2)で形成された一般式IVb
【化7】

で示される1−(ジオキサボロラン−2−イル)−5−ニトロナフタリンを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaによってスズキカップリング反応に供し、
c)工程b1)あるいは工程b2)で形成された一般式V
【化8】

で示される9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、脱水素環化に供し、
d)工程c)で形成された一般式VIa
【化9】

で示される11−ニトロテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、発生期水素で還元し、
e)工程d)で形成された一般式VIb
【化10】

で示される11−アミノテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、ジアゾ化し、そして形成されたジアゾニウム塩を金属臭化物もしくは金属ヨウ化物と反応させ、
f)工程e)で形成された一般式VIc
【化11】

[式中、Halは、臭素もしくはヨウ素を意味する]で示される11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、
f1)触媒としての有機的な遷移金属錯体、遊離の配位子分子及び非プロトン性溶剤の存在下で、カップリングさせて、一般式VII
【化12】

で示されるビステリレン誘導体を得るか、又は
f2)11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcに対して30〜70モル%のジボランII、遷移金属触媒、塩基及び非プロトン性有機溶剤の存在下で、その場で形成された一般式VId
【化13】

で示される11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを中間単離せずに、スズキカップリング反応に従って反応させて、ビステリレン誘導体VIIを得て、そして
g)ビステリレン誘導体VIIを、脱水素環化によって、
g1)ヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
g2)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で変換させて、ヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得ることを特徴とする製造方法。
【請求項4】
一般式Ia
【化14】

[式中、置換基は、請求項1で挙げられた意味を有するが、R′は、水素を意味しない]で示されるヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造方法において、
a)一般式II
【化15】

[式中、基R4は、同一又は異なって、互いに無関係に、水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、アリール又はヘタリールを意味し、その際、それぞれ1つのホウ素原子上に存在する基R4は、両方の酸素原子並びにホウ素原子を含む五員環であってそれらの炭素原子上で4個までのC1〜C30−アルキル基、C5〜C8−シクロアルキル基、アリール基もしくはヘタリール基によって置換されていてよい環を形成して互いに結合することができる]で示されるジボランを、非プロトン性有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で、一般式VIc
【化16】

[式中、Halは臭素もしくはヨウ素を意味する]で示される11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドと反応させ、
b)工程a)で形成された一般式VId
【化17】

で示される11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドVIcによってスズキカップリング反応に供し、そして
c)工程b)で形成された一般式VII
【化18】

で示されるビステリレン誘導体を、脱水素環化によって、
c1)ヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
c2)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で変換させて、ヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得ることを特徴とする方法。
【請求項5】
一般式Ib
【化19】

[式中、置換基は、請求項1に挙げられる意味を有するが、R′は、水素を意味しない]で示されるペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造方法において、
a)一般式VIc
【化20】

[式中、Halは臭素もしくはヨウ素を意味する]で示される11−ハロゲンテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、一般式IVa
【化21】

[式中、基R4は、同一又は異なって、互いに無関係に、水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、アリール又はヘタリールを意味し、その際、両方の基R4は、両方の酸素原子並びにホウ素原子を含む5員環であってその炭素原子上で4個までのC1〜C30−アルキル基、C5〜C8−シクロアルキル基、アリール基もしくはヘタリール基によって置換されていてよい環を形成して、互いに結合することができる]で示される9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドによってスズキカップリング反応に供し、そして
b)工程a)で形成された一般式VIII
【化22】

で示される11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、脱水素環化によって、
b1)ヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
b2)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、
変換して、ペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得ることを特徴とする方法。
【請求項6】
一般式Ib
【化23】

[式中、置換基は、請求項1に挙げられる意味を有するが、R′は、水素を意味しない]で示されるペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造方法において、
a)一般式VId
【化24】

[式中、基R4は、同一又は異なって、互いに無関係に、水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、アリール又はヘタリールを意味し、その際、両方の基R4は、両方の酸素原子並びにホウ素原子を含む5員環であってそれらの炭素原子上で4個までのC1〜C30−アルキル基、C5〜C8−シクロアルキル基、アリール基もしくはヘタリール基によって置換されていてよい環を形成して互いに結合することができる]で示される11−(ジオキサボロラン−2−イル)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、一般式IIIa
【化25】

で示される9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドによってスズキカップリング反応に供し、そして
b)工程a)で形成された一般式VIII
【化26】

で示される11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、脱水素環化によって、
b1)ヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
b2)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、
変換して、ペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得ることを特徴とする方法。
【請求項7】
一般式VII
【化27】

[式中、置換基は以下の意味を有する:
Rは、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
1〜C30−アルキルであって、その炭素鎖は1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつシアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合され、更なるヘテロ原子を有し、かつ芳香族性であってよい5員ないし7員の複素環式の基によって一置換もしくは多置換されていてよく;
5〜C8−シクロアルキルであって、その炭素骨格は1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR1−によって中断され、かつ/又はC1〜C18−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよい;
アリールもしくはヘタリールであって、それぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−NR23、−CONR23、−SO22及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(これはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシもしくはシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよく、かつ前記アリールもしくはヘタリールにそれぞれ他の5員ないし7員の飽和もしくは不飽和の環が縮合されていてよく、前記他の環は、−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−を環員として有してよく、かつ/又は1もしくは複数の同一もしくは異なる基R2によって置換されていてよく;
R′は、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素、
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであって、それぞれアルキル基R、アリール基R、C1〜C12−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、−COOR1、−CONR23及び/又は−NHCOR2によって一置換もしくは多置換されていてよく;
1は、水素又はC1〜C18−アルキルを意味する;
2、R3は、互いに無関係に、水素;C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノによって置換されていてよいC1〜C18−アルキル;それぞれアルキルについて上述した基並びにC1〜C6−アルキルによって置換されていてよいアリールもしくはヘタリールを意味する]で示されるビステリレン誘導体。
【請求項8】
一般式VIII
【化28】

[式中、置換基は以下の意味を有する:
Rは、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
1〜C30−アルキルであって、その炭素鎖は1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつシアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合され、更なるヘテロ原子を含み、かつ芳香族性であってよい5員ないし7員の複素環式の基によって一置換もしくは多置換されていてよく;
5〜C8−シクロアルキルであって、その炭素骨格は1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR1−によって中断され、かつ/又はC1〜C18−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよく;
アリールもしくはヘタリールであって、それぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−NR23、−CONR23、−SO22及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(これはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシもしくはシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよく、かつ前記アリールもしくはヘタリールにそれぞれ他の5員ないし7員の飽和もしくは不飽和の環が縮合されていてよく、前記他の環は、−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−を環員として有してよく、かつ/又は1もしくは複数の同一もしくは異なる基R2によって置換されていてよく;
R′は、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであって、それぞれアルキル基R、アリール基R、C1〜C12−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、−COOR1、−CONR23及び/又は−NHCOR2によって一置換もしくは多置換されていてよく;
1は、水素もしくはC1〜C18−アルキルを意味する;
2、R3は、互いに無関係に、水素;C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノによって置換されていてよいC1〜C18−アルキル;それぞれアルキルについて上述した基並びにC1〜C6−アルキルによって置換されていてよいアリールもしくはヘタリールを意味する]で示される11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミド。
【請求項9】
一般式VI
【化29】

[式中、置換基は以下の意味を有する:
Rは、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
1〜C30−アルキルであって、その炭素鎖は1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつシアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合され、更なるヘテロ原子を含み、かつ芳香族性であってよい5員ないし7員の複素環式の基によって一置換もしくは多置換されていてよく;
5〜C8−シクロアルキルであって、その炭素骨格は1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR1−によって中断され、かつ/又はC1〜C18−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよく;
アリールもしくはヘタリールであって、それぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−NR23、−CONR23、−SO22及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(これはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシもしくはシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよく、かつ前記アリールもしくはヘタリールにそれぞれ他の5員ないし7員の飽和もしくは不飽和の環が縮合されていてよく、前記他の環は、−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−を環員として有してよく、かつ/又は1もしくは複数の同一もしくは異なる基R2によって置換されていてよく;
R′は、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであって、それぞれアルキル基R、アリール基R、C1〜C12−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、−COOR1、−CONR23及び/又は−NHCOR2によって一置換もしくは多置換されていてよく;
Zは、臭素、ヨウ素、アミノ、ニトロ又は基
【化30】

を意味する;
1は、水素もしくはC1〜C18−アルキルを意味する;
2、R3は、互いに無関係に、水素;C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノによって置換されていてよいC1〜C18−アルキル;それぞれアルキルについて上述した基並びにC1〜C6−アルキルによって置換されていてよいアリールもしくはヘタリールを意味する;
R4は、同一又は異なる意味を有する:
水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、アリール又はヘタリールを意味し、その際、両方の基R4は、両方の酸素原子並びにホウ素原子を含む5員環であってそれらの炭素原子上で4個までのC1〜C30−アルキル基、C5〜C8−シクロアルキル基、アリール基もしくはヘタリール基によって置換されていてよい環を形成して互いに結合することができる]で示されるテリレン−3,4−ジカルボン酸イミド。
【請求項10】
一般式V
【化31】

[式中、置換基は以下の意味を有する:
Rは、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
1〜C30−アルキルであって、その炭素鎖は1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつシアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合され、更なるヘテロ原子を含み、かつ芳香族性であってよい5員ないし7員の複素環式の基によって一置換もしくは多置換されていてよく;
5〜C8−シクロアルキルであって、その炭素骨格は1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR1−によって中断され、かつ/又はC1〜C18−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよく;
アリールもしくはヘタリールであって、それぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−NR23、−CONR23、−SO22及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(これはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシもしくはシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよく、かつ前記アリールもしくはヘタリールにそれぞれ他の5員ないし7員の飽和もしくは不飽和の環が縮合されていてよく、前記他の環は、−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−を環員として有してよく、かつ/又は1もしくは複数の同一もしくは異なる基R2によって置換されていてよく;
R′は、以下の同一又は異なる基を意味する:
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであって、それぞれアルキル基R、アリール基R、C1〜C12−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、−COOR1、−CONR23及び/又は−NHCOR2によって一置換もしくは多置換されていてよく;
1は、水素もしくはC1〜C18−アルキルを意味する;
2、R3は、互いに無関係に、水素;C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノによって置換されていてよいC1〜C18−アルキル;それぞれアルキルについて上述した基並びにC1〜C6−アルキルによって置換されていてよいアリールもしくはヘタリールを意味する]で示される9−(5−ニトロナフチル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド。
【請求項11】
一般式Ia
【化32】

[式中、置換基は、請求項1に挙げられる意味を有する]で示されるヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造方法において、
a)一般式II
【化33】

[式中、基R4は、同一又は異なって、互いに無関係に、水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、アリール又はヘタリールを意味し、その際、それぞれ1つのホウ素原子上に存在する基R4は、両方の酸素原子並びにホウ素原子を含む五員環であってそれらの炭素原子上で4個までのC1〜C30−アルキル基、C5〜C8−シクロアルキル基、アリール基もしくはヘタリール基によって置換されていてよい環を形成して互いに結合することができる]で示されるジボランを、非プロトン性有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で、
a1)一般式IIIa
【化34】

で示される9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、又は
a2)一般式IXa
【化35】

[式中、Hal′は、塩素もしくは臭素を表し、かつ両方の基X1又はX2の一方は、同様にHal′を意味し、かつ他の基は水素を意味する]で示されるジハロゲンペリレン
と反応させ、
b1)工程a1)で形成された一般式IVa
【化36】

で示される9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、ジハロゲンペリレンIXaによって、モル比2:1〜6:1でスズキカップリング反応に供するか、又は
b2)工程a2)で形成された一般式IXb
【化37】

[式中、両方の基Y1又はY2の一方が、同様に基
【化38】

を意味し、かつ他の基は水素を意味する]で示されるビス(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレンを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaによって、モル比1:2〜1:6においてスズキカップリング反応に供し、そして
c)工程b1)あるいは工程b2)で形成された一般式Xa
【化39】

で示されるペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)、又は一般式Xb
【化40】

で示されるペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)を、
c1)強いルイス酸と不活性有機溶剤の存在下で一段階の脱水素環化に供して、直接的にヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得るか、又は
c2a)第一段階において、室温で、不活性有機溶剤の存在下で弱いルイス酸と接触させ、そして
c2b)その際に形成された一般式XI
【化41】

で示される13−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)クアテリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、次いで中間単離をした後に、第二段階において、
c2bα)ヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
c2bβ)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、
脱水素環化させて、更にヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIaを得ることを特徴とする方法。
【請求項12】
一般式Ib
【化42】

[式中、置換基は、請求項1に挙げられる意味を有する]で示されるペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドの製造方法において、
a)一般式II
【化43】

[式中、基R4は、同一又は異なって、互いに無関係に、水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、アリール又はヘタリールを意味し、その際、それぞれ1つのホウ素原子上に存在する基R4は、両方の酸素原子並びにホウ素原子を含む五員環であってそれらの炭素原子上で4個までのC1〜C30−アルキル基、C5〜C8−シクロアルキル基、アリール基もしくはヘタリール基によって置換されていてよい環を形成して互いに結合することができる]で示されるジボランを、非プロトン性有機溶剤、遷移金属触媒及び塩基の存在下で、
a1)一般式IIIa
【化44】

で示される9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド、又は
a2)一般式IXc
【化45】

[式中、Hal′′は、塩素、臭素もしくはヨウ素を表し、かつ両方の基X1′又はX2′の一方は、同様にHal′′を意味し、かつ他の基は水素を意味する]で示されるジハロゲンナフタリン
と反応させ、
b1)工程a1)で形成された一般式IVa
【化46】

で示される9−(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、ジハロゲンナフタリンIXcによって、モル比2:1〜6:1でスズキカップリング反応に供するか、又は
b2)工程a2)で形成された一般式IXd
【化47】

[式中、両方の基Y1又はY2の一方が、同様に基
【化48】

を意味し、かつ他の基は水素を意味する]で示されるビス(ジオキサボロラン−2−イル)ナフタリンを、有機溶剤(所望であれば、水との混合物において)並びに遷移金属触媒及び塩基の存在下で、9−ブロモペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIIIaによって、モル比1:2〜1:6においてスズキカップリング反応に供し、そして
c)工程b1)あるいは工程b2)で形成された一般式XIIa
【化49】

で示されるナフタリン−1,5−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)、又は一般式XIIb
【化50】

で示されるナフタリン−1,4−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)を、
c1)ルイス酸と不活性有機溶剤の存在下で一段階の脱水素環化に供して、直接的にヘキサリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得るか、又は
c2a)第一段階において、室温で、不活性有機溶剤の存在下で弱いルイス酸と接触させ、そして
c2b)その際に形成された一般式VIII
【化51】

で示される11−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)テリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを、次いで中間単離をした後に、第二段階において、
c2bα)ヒドロキシ官能基並びにアミノ官能基を有し、かつ実質的に未溶解の塩基を含有する有機反応媒体中で、又は
c2bβ)塩基安定性で高沸点の有機溶剤並びにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属含有の塩基及び窒素含有の補助塩基の存在下で、
脱水素環化させて、更にペンタリレンテトラカルボン酸ジイミドIbを得ることを特徴とする方法。
【請求項13】
一般式XI
【化52】

[式中、置換基は以下の意味を有する:
Rは、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
1〜C30−アルキルであって、その炭素鎖は1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつシアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合され、更なるヘテロ原子を有し、かつ芳香族性であってよい5員ないし7員の複素環式の基によって一置換もしくは多置換されていてよく;
5〜C8−シクロアルキルであって、その炭素骨格は1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR1−によって中断され、かつ/又はC1〜C18−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよい;
アリールもしくはヘタリールであって、それぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−NR23、−CONR23、−SO22及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(これはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシもしくはシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよく、かつ前記アリールもしくはヘタリールにそれぞれ他の5員ないし7員の飽和もしくは不飽和の環が縮合されていてよく、前記他の環は、−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−を環員として有してよく、かつ/又は1もしくは複数の同一もしくは異なる基R2によって置換されていてよく;
R′は、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであって、それぞれアルキル基R、アリール基R、C1〜C12−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、−COOR1、−CONR23及び/又は−NHCOR2によって一置換もしくは多置換されていてよく;
1は、水素又はC1〜C18−アルキルを意味する;
2、R3は、互いに無関係に、水素;C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノによって置換されていてよいC1〜C18−アルキル;それぞれアルキルについて上述した基並びにC1〜C6−アルキルによって置換されていてよいアリールもしくはヘタリールを意味する]で示される13−(9−ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)クアテリレン−3,4−ジカルボン酸イミド。
【請求項14】
一般式Xa
【化53】

又は一般式Xb
【化54】

[式中、置換基は以下の意味を有する:
Rは、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
1〜C30−アルキルであって、その炭素鎖は1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつシアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合され、更なるヘテロ原子を含み、かつ芳香族性であってよい5員ないし7員の複素環式の基によって一置換もしくは多置換されていてよく;
5〜C8−シクロアルキルであって、その炭素骨格は1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR1−によって中断され、かつ/又はC1〜C18−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよく;
アリールもしくはヘタリールであって、それぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−NR23、−CONR23、−SO22及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(これはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシもしくはシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよく、かつ前記アリールもしくはヘタリールにそれぞれ他の5員ないし7員の飽和もしくは不飽和の環が縮合されていてよく、前記他の環は、−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−を環員として有してよく、かつ/又は1もしくは複数の同一もしくは異なる基R2によって置換されていてよく;
R′は、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであって、それぞれアルキル基R、アリール基R、C1〜C12−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、−COOR1、−CONR23及び/又は−NHCOR2によって一置換もしくは多置換されていてよく;
1は、水素もしくはC1〜C18−アルキルを意味する;
2、R3は、互いに無関係に、水素;C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノによって置換されていてよいC1〜C18−アルキル;それぞれアルキルについて上述した基並びにC1〜C6−アルキルによって置換されていてよいアリールもしくはヘタリールを意味する]で示されるペリレン−3,9−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)又はペリレン−3,10−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)。
【請求項15】
一般式IXb
【化55】

[式中、置換基は、以下の意味を有する:
4は、同一又は異なる基を意味する:
水素、C1〜C30−アルキル、C5〜C8−シクロアルキル、アリール又はヘタリールを意味し、その際、両方の基R4は、両方の酸素原子並びにホウ素原子を含む5員環であってその炭素原子上で4個までのC1〜C30−アルキル基、C5〜C8−シクロアルキル基、アリール基もしくはヘタリール基によって置換されていてよい環を形成して、互いに結合することができる;
両方の基Y1又はY2の一方は、同様に基
【化56】

を意味し、かつ他の基は水素を意味する]で示されるビス(ジオキサボロラン−2−イル)ペリレン。
【請求項16】
一般式XIIa
【化57】

又は一般式XIIb
【化58】

[式中、置換基は以下の意味を有する:
Rは、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
1〜C30−アルキルであって、その炭素鎖は1もしくは複数の基−O−、−S−、−NR1−、−CO−及び/又は−SO2−によって中断されていてよく、かつシアノ、C1〜C6−アルコキシ、アリール(これはC1〜C18−アルキルもしくはC1〜C6−アルコキシによって置換されていてよい)及び/又は窒素原子を介して結合され、更なるヘテロ原子を含み、かつ芳香族性であってよい5員ないし7員の複素環式の基によって一置換もしくは多置換されていてよく;
5〜C8−シクロアルキルであって、その炭素骨格は1もしくは複数の基−O−、−S−及び/又は−NR1−によって中断され、かつ/又はC1〜C18−アルキルによって一置換もしくは多置換されていてよく;
アリールもしくはヘタリールであって、それぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロゲン、−NR23、−CONR23、−SO22及び/又はアリールアゾもしくはヘタリールアゾ(これはそれぞれC1〜C18−アルキル、C1〜C18−アルコキシもしくはシアノによって置換されていてよい)によって一置換もしくは多置換されていてよく;
R′は、以下の同一又は異なる基を意味する:
水素;
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオであって、それぞれアルキル基R、アリール基R、C1〜C12−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、−COOR1、−CONR23及び/又は−NHCOR2によって一置換もしくは多置換されていてよく;
1は、水素もしくはC1〜C18−アルキルを意味する;
2、R3は、互いに無関係に、水素;C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ及び/又はシアノによって置換されていてよいC1〜C18−アルキル;それぞれアルキルについて上述した基並びにC1〜C6−アルキルによって置換されていてよいアリールもしくはヘタリールを意味する]で示されるナフタリン−1,5−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)又はナフタリン−1,4−ビス(ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド)。
【請求項17】
請求項1又は2に記載の式Iで示されるリレンテトラカルボン酸ジイミドを、高分子の有機並びに無機の材料の着色のために用いる使用。
【請求項18】
請求項17に記載の使用であって、高分子材料が塗料、印刷インキ又はプラスチックであることを特徴とする使用。
【請求項19】
請求項1又は2に記載の式Iで示されるリレンテトラカルボン酸ジイミドを、電磁スペクトルの近赤外領域に吸収を示す水性ポリマー分散液の製造のために用いる使用。
【請求項20】
請求項1又は2に記載の式Iで示されるリレンテトラカルボン酸ジイミドを、ヒトの眼に視認できない赤外光を吸収する標識及びマーキングの作製のために用いる使用。
【請求項21】
請求項1又は2に記載の式Iで示されるリレンテトラカルボン酸ジイミドを、熱管理のための赤外線吸収体として用いる使用。
【請求項22】
請求項1又は2に記載の式Iで示されるリレンテトラカルボン酸ジイミドを、プラスチック部材の溶接処理に際してのIRレーザ放射線吸収性材料として用いる使用。
【請求項23】
請求項1又は2に記載の式Iで示されるリレンテトラカルボン酸ジイミドを、光電池中の活性成分として用いる使用。

【公表番号】特表2008−538757(P2008−538757A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507064(P2008−507064)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061603
【国際公開番号】WO2006/111511
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【出願人】(390040420)マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ (54)
【氏名又は名称原語表記】Max−Planck−Gesellschaft zur Foerderung der Wissenschaften e.V.
【Fターム(参考)】