説明

ヘッダー付き包装袋

【課題】ステープラを用いることなく簡単にヘッダーを袋本体に取り付けることができるヘッダー付き包装袋を提供する。
【解決手段】上方に開口する袋部11と該袋部11から上方に延設されると共に袋部11の開口部を上方から覆うように下方に折り返されて袋部11の外面に接着される延設片13とを有する袋本体1と、該袋本体1とは別体に形成されたヘッダー2とを備えたヘッダー付き包装袋において、ヘッダー2にはフック部15が形成され、袋本体1には、前記フック部15を引っかけることによってヘッダー2を袋本体1の内面側に吊り下げ保持する保持片30が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋本体とは別体に形成されたヘッダーを備えたヘッダー付き包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヘッダー付き包装袋としては、袋本体にヘッダーがステープラで取り付けられたものが公知である。しかしながら、包装袋を開封した後にステープラの針を処理することが面倒である。そこで、下記特許文献1記載のようにステープラを用いずに袋本体にヘッダーを取り付ける構成も提案されている。しかしながら、この構成の場合には、袋本体の上部をヘッダーの一部と共に折り返すという作業が必要であるうえに、更に、その折り返した状態を維持しながら、二つ折り状態のヘッダーの内面同士を接着剤で強固に貼り合わせるという作業も必要になる。このヘッダーの内面同士を貼り合わせている接着剤が仮に剥がれると、ヘッダーから袋本体が簡単に分離することになる。特に、ヘッダーにおいて包装袋を吊り下げる構成となっているため、接着剤が剥がれた場合には、商品を収容した袋本体のみがヘッダーから分離して落下するという不具合が生じる。従って、ヘッダーの内面同士を接着剤で強固に行う必要があるが、この作業が容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−180744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、ステープラを用いることなく簡単にヘッダーを袋本体に取り付けることができるヘッダー付き包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係るヘッダー付き包装袋は、上方に開口する袋部と該袋部から上方に延設されると共に袋部の開口部を上方から覆うように下方に折り返されて袋部の外面に接着される延設片とを有する袋本体と、該袋本体とは別体に形成されたヘッダーとを備えたヘッダー付き包装袋において、ヘッダーにはフック部が形成され、袋本体には、前記フック部を引っかけることによってヘッダーを袋本体の内面側に吊り下げ保持するヘッダー保持部が設けられていることを特徴とする。尚、ヘッダーを袋本体の内面側に吊り下げ保持することには、ヘッダーの一部が袋部の外側に位置しそのヘッダーの一部の外側に延設片が覆うように位置している場合も含まれる。
【0006】
該構成のヘッダー付き包装袋にあっては、ヘッダーのフック部を袋本体のヘッダー保持部に引っかけることで袋本体の内面側にヘッダーを吊り下げ保持することができる。また、延設片が袋部の開口部を上方から覆っているので、袋本体の内面側に吊り下げ保持されたヘッダーが袋部の開口部から上方に外れるということも防止される。
【0007】
特に、ヘッダーの上端部を折り返し点として延設片が下方に折り返されていることが好ましい。ヘッダーをヘッダー保持部に吊り下げ保持した後に、延設片を下方に折り返す際において、ヘッダーの上端部を折り返し点とすることで延設片を容易に折り返すことができ、しかも、折り返し点が定まるので、包装袋毎に延設片の折り返し点がばらつくということもない。更に、ヘッダーの上端部よりも上方の位置を折り返し点とする場合に比して、ヘッダーの上下動が延設片によって抑制され、ヘッダーが安定する。
【0008】
また、上側に折り返し部が形成されるようにヘッダーの一部を下方に折り返すことにより前記フック部が形成されていることが好ましい。別部材を接着等してフック部を構成してもよいが、ヘッダーの一部を下方に折り返してフック部を形成することにより、ヘッダーの構成を簡単なものとすることができてそれ自体の製造も容易になる。尚、ヘッダーの折り返し部の位置は、ヘッダーの上下方向の中途部であっても、ヘッダーの上端部であってもよい。
【0009】
また、袋本体の内面に少なくとも両側部が固着されて上端部にフック部を引っかけるように構成された保持片がヘッダー保持部として設けられ、該保持片の上端部は袋部の開口部よりも上方に位置し、ヘッダーの下端部は袋部内に位置することが好ましい。保持片の上端部が袋部内ではなく袋部の開口部よりも上方に位置するので、保持片にヘッダーのフック部を容易に引っかけることができる。しかも、ヘッダーの下端部は袋部内に位置するので、保持片にヘッダーを吊り下げた後に商品等の被包装物を袋部に収容する際においてヘッダーが被包装物のガイドとなり、スムーズに被包装物を袋部に挿入できる。更に、ヘッダーによって袋部の開口部周辺の剛性が大きくなるので、袋部の開口部を確実に開口させることができて、袋部に被包装物を容易に収容できる。
【0010】
更に、保持片の下端部が袋部内に位置すれば、ヘッダーの下端部を袋部に差し込む際に、保持片がそのガイドなるので、容易にヘッダーの下端部を袋部に差し込むことができる。
【0011】
また、袋本体の内面に少なくとも両側部が固着されて上端部にフック部を引っかけるようにフィルムから構成された保持片がヘッダー保持部として設けられ、保持片の上端部はフィルムを下方に折り返した折り返し部となっていることが好ましい。保持片の上端部を折り返し部とすることにより、保持片の上端部の剛性が大きくなると共に滑りが良くなるので、ヘッダーのフック部を保持片の上端部に引っかける際の作業をスムーズに行うことができ、しかも、保持片の上端部に皺が入りにくくなる。特に、包装袋を吊り下げるための吊り下げ孔等の孔や切欠をヘッダーに形成している場合には、その孔や切欠に保持片の上端部が引っかかりにくくなるので、効果が大きい。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、ヘッダーを袋本体の内面側に吊り下げ保持する構成であるので、ステープラを用いることなく簡単にヘッダーを袋本体に装着することができる。また、ヘッダーが袋本体とは別体に設けられているので、例えば、包装する商品毎に印刷の異なるヘッダーを準備しておき、それらを共通の袋本体に取り付けることで多品種小ロット生産に容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す正面図。
【図2】図1のP−P線断面図。
【図3】同実施形態におけるヘッダー付き包装袋の組み立て途中の状態を示す斜視図。
【図4】同実施形態におけるヘッダー付き包装袋の組み立て途中の状態を示す断面図。
【図5】同実施形態におけるヘッダー付き包装袋の要部(袋本体)の一製造工程を示す斜視図。
【図6】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋の組み立て途中の状態を示す断面図。
【図7】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す断面図。
【図8】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す断面図。
【図9】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す断面図。
【図10】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す断面図。
【図11】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す断面図。
【図12】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す断面図。
【図13】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す断面図。
【図14】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す断面図。
【図15】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す断面図。
【図16】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す断面図。
【図17】本発明の他の実施形態におけるヘッダー付き包装袋を示す正面図。
【図18】同実施形態におけるヘッダー付き包装袋の組み立て途中の状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態にかかるヘッダー付き包装袋について図1乃至図5を参酌しつつ説明する。本実施形態におけるヘッダー付き包装袋は、フィルムから形成された袋本体1と、該袋本体1とは別体にて形成されて袋本体1に装着されたヘッダー2とを備えている。
【0015】
袋本体1は、フィルムから縦長の長方形状に形成されており、底部にガセット部10を有して上方に開口する袋部11と、該袋部11の開口部より上方に延設されて開口部を上方から覆うように下方に折り返されて袋部11の外面に接着された延設片13とを備えている。袋部11を構成する表裏一対のフィルム片21,22は、その下部同士がガセット部10を介して連続すると共に、左右両側部において互いに溶着され、これにより、内部に商品等の被包装物を収容可能な収容空間が形成される。そして、表裏一対のフィルム片21,22のうち裏側のフィルム片22は表側のフィルム片21よりも上方に延設されて長く、該裏側のフィルム片22の上方延設部分から前記延設片13が構成され、該延設片13は表側のフィルム片21の外面に接着層14を介して剥離可能に接着されている。
【0016】
かかる袋本体1の内面には、ヘッダー2を袋本体1の内面側に吊り下げ保持するための保持片30(ヘッダー保持部)が取り付けられている。該保持片30は、フィルムから袋部11と同幅の矩形に形成されて、表裏一対のフィルム片21,22間に位置している。即ち、保持片30の両側部30cは、表裏一対のフィルム片21,22の両側部間に挟まれるようにして溶着により固着されており、保持片30の上端部30aと下端部30bは袋本体1の内面即ち表裏一対のフィルム片21,22の内面には固着されずに離れている。従って、保持片30と表裏一対のフィルム片21,22との間には、上下に貫通した貫通孔がそれぞれ形成されている。
【0017】
また、保持片30の上端部30aは、袋部11の開口縁部である表側のフィルム片21の上端部21aよりも上方に位置し、保持片30の下端部30bは、袋部11内に位置している。詳細には、保持片30の下端部30bは、表側のフィルム片21の上端部21aよりも下方であって、且つ、袋部11の底部よりも上方に位置しており、本実施形態では底部にガセット部10を有しているので、ガセット部10の上部折り返し部10aよりも上方に位置している。尚、保持片30の下端部30bは、表側のフィルム片21の上端部21aから袋部11の上下方向中央部までの間に位置することが好ましく、保持片30の上端部30aは、表側のフィルム片21の上端部21aよりも少なくとも10mm程度上方に位置することが好ましい。
【0018】
ここで、袋本体1を構成するフィルムとしては、包装袋に使用されうる各種のプラスチックフィルムが適用可能であって、特に透明のものが、内部の被包装物の視認性に優れているため好ましい。プラスチックフィルムとしては、例えばポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂のフィルムなどがあり、単層のものの他、ガスバリア性のフィルムを積層した多層のものも使用できる。また、保持片30を構成するフィルムも同様に各種のプラスチックフィルムを使用でき、製造上、袋本体1と熱融着可能なプラスチックフィルムが好ましく、保持片30を構成するフィルムと同一のフィルムを使用することもできる。
【0019】
また、前記ヘッダー2は、袋本体1を構成するフィルムよりも厚肉のシートから構成され、その上端部2aが折り返し部となるように山折り状の二つ折りとされている。該二つ折りのヘッダー2は、その表側のシート片41の長さと裏側のシート片42の長さが略同一とされていて、両シート片41,42の間に前記保持片30が位置するようにして、保持片30の上端部30aに引っかけられて吊り下げ保持されている。即ち、本実施形態においては一方のシート片が保持片30に引っかけるためのフック部として構成されている。そして、ヘッダー2の下端部2b(表裏両シート片41,42の下端部41b,42b)は、袋部11内に位置し、より詳細には、保持片30の下端部30bよりも下方に位置する。また、ヘッダー2の上端部2aは保持片30の上端部30aと略同じ位置であるので、ヘッダー2の上端部2aも袋部11の開口部よりも上方に位置している。そして、該ヘッダー2の折り返し部である上端部2aを上方から覆うように、ヘッダー2の上端部2aを折り返し点として延設片13が裏側から表側に向かって下方に折り返されている。尚、ヘッダー2の幅は袋本体1の幅よりも若干狭く、また、ヘッダー2の下端部2bの左右両隅部は円弧状に面取りされていて袋部11への挿入を容易にしている。
【0020】
かかるヘッダー2を構成するシートには、袋本体1を構成するフィルムよりも剛性のあるものが使用され、例えば、ボール紙や合成紙、厚紙等の板紙や、厚手のプラスチックシート等が使用でき、また、それらを適宜に積層したものも使用できる。そして、その外面には被包装物の説明文等の各種の表示が印刷により施される。
【0021】
また、このヘッダー付き包装袋の上部には、該包装袋を陳列棒(図示省略)に吊り下げるための吊り下げ孔15が形成されている。従って、折り返された状態の延設片13において対向する二カ所と、二つ折りのヘッダー2において対向する二カ所と、保持片30の一カ所には、それぞれ丸形の吊り下げ孔15が形成されている。
【0022】
以上のように構成されるヘッダー付き包装袋は、袋本体1をヘッダー2とは別に製造する。具体的には、図5のように、底部にガセット部を形成するように下側で折り曲げた長尺状の本体用フィルム50の内面側に長尺状の保持片用フィルム51を介在させ、両フィルム50,51を長手方向に送りながら両フィルム50,51を横断するように溶断することによって、保持片30が溶着された袋本体1を連続的に製造していく。尚、長尺状の本体用フィルム50において延設片13となる箇所の内面には、予め長手方向に沿って所定幅の接着層53を帯状に形成しておくと共にそれを覆うようにしてそれよりも幅広の長尺状の剥離フィルム52を貼り付けておく。また、本体用フィルム50と保持片用フィルム51の所定箇所には、例えば溶断工程の前にその溶断のタイミングと連動して、長手方向に一定間隔毎に吊り下げ孔15を形成する。このように袋本体1の吊り下げ孔15と保持片30の吊り下げ孔15をまとめて形成することで、袋本体1の吊り下げ孔15と保持片30の吊り下げ孔15の位置とを高精度に位置合わせできる。
【0023】
次に、このようにして製造した袋本体1にヘッダー2を装着していくのであるが、ヘッダー2は図3のように予め二つ折りに形成しておくと共に吊り下げ孔15も形成しておく。このヘッダー2の袋本体1への装着工程は、袋本体1に被包装物を収容した後において行うことも可能であるが、袋本体1に被包装物を収容する前に行うことが好ましい。即ち、図3のように、裏側のフィルム片22が上下方向に伸びて延設片13を折り曲げない状態とし、その袋本体1に上方から二つ折り状態のヘッダー2を差し込む。その際、図4のように、保持片30の上端部30aが表側のフィルム片21の上端部21aよりも上方に位置しているので、保持片30の上端部30aが袋部11内に位置する場合に比して、保持片30にヘッダー2を容易に吊り下げ保持させることができる。しかも、保持片30の上端部30aが表側のフィルム片21の上端部21aよりも上方に位置すると共に保持片30の下端部30bが袋部11内に位置するので、ヘッダー2の表側のシート片41を袋部11内に差し込む際に保持片30がガイドとなって、表側のフィルム片21と保持片30との間に容易にヘッダー2の表側のシート片41を差し込むことができる。
【0024】
そして、引き続いて袋部11に被包装物を挿入するのであるが、ヘッダー2の上端部30aが表側のフィルム片21の上端部21aよりも上方に位置し且つヘッダー2の下端部2bが袋部11内に位置しているので、被包装物を袋部11に挿入する際においてヘッダー2が被包装物のガイドとなってスムーズに被包装物を挿入できる。特に、ヘッダー2によって袋部11の開口部周辺の剛性が大きくなっているので、袋部11の開口部を容易に且つ確実に開口させることができる。しかも、保持片30の下端部30bが袋本体1の内面に固着されていないので、ヘッダー2の表側のみならず裏側から被包装物を袋部11に挿入することができ、効率よく収容できる。
【0025】
そして、被包装物を袋部11に収容した後、延設片13を表側に折り返すのであるが、ヘッダー2の上端部2aを折り返し点として折り返すことができるので、延設片13の折り返し位置が上下にばらつくことがなく、且つ、折り返し作業を簡単に行うことができる。そして、剥離フィルム16を剥がして接着層14により延設片13の先端領域を表側のフィルム片21の外面に接着させる。
【0026】
このようにしてヘッダ付き包装袋及び被包装物を収容したヘッダー付き包装体が製造されるのであるが、ヘッダー2が袋本体1とは別体に設けられているので、ヘッダー2の表示を被包装物毎に異なるものにすれば、共通した袋本体1にヘッダー2を装着することで多品種小ロット生産に容易に対応することができる。しかも、ヘッダー2を保持片30に吊り下げ保持させるという構成であるので、ヘッダー2を袋本体1に溶着したり接着したりする必要がなく、また、ステープラで取り付ける必要もなく、簡単な作業でヘッダー2を袋本体1に装着することができる。
【0027】
更に、延設片13が袋部11の開口部を上方から覆っているので、袋本体1の内面側に吊り下げ保持されたヘッダー2が袋部11の開口部から上方に外れるということも防止される。特に、延設片13がヘッダー2の上端部2aを折り返し点として折り返されているので、袋本体1に対するヘッダー2の上下動が抑制されてその吊り下げ状態がしっかりと維持される。また延設片13によってヘッダー2の上下動が抑制されることにより、延設片13及び保持片30の吊り下げ孔15とヘッダー2の吊り下げ孔15とが位置ずれしにくくなり、陳列棒に包装袋を容易に吊り下げることができる。尚、陳列時において、ヘッダー2が上部に位置しその下側に被包装物が位置するので、購入者が被包装物を視認しつつヘッダー2に記載された説明文等を読み取るということができる。また、万一、輸送中や陳列時等において延設片13の接着が剥がれたとしても、ヘッダー2は袋本体1に吊り下げ保持されているので、ヘッダー2で袋本体1の開口部を封止する構成のようにヘッダー2と袋本体1が分離して被包装物が散乱等するというようなことも生じない。
【0028】
また、ヘッダー2は袋本体1に吊り下げ保持されているのみであって袋本体1に固着されてはいないので、開封後において袋本体1からヘッダー2を容易に分離することができる。従って、ヘッダー2を袋本体1とは分離して廃棄する必要がある場合において特に有効である。
【0029】
尚、図6のように、保持片30の上端部30aをフィルムを下方に折り返した折り返し部として構成すると、保持片30の上端部30aが二重になってその剛性が大きくなると共に滑りも良くなるので、ヘッダー2を保持片30の上端部30aに吊り下げる作業をスムーズに行うことができ、しかも、ヘッダー2の下端部2bが保持片30の上端部30aを押して保持片30の上端部30aに皺が入るということも抑制される。特に、ヘッダー2には吊り下げ孔15が形成されているので、ヘッダー2を保持片30の上端部30aに吊り下げる際に、ヘッダー2の吊り下げ孔15の縁部が保持片30の上端部30aに引っかかりにくくなる。尚、ヘッダー2に吊り下げ孔15以外の孔や切欠等を設けている場合にも特に有効である。尚、保持片の30の上端部30aを下方に折り返す場合には、図6のように裏側に折り返すことが視覚的に好ましいが、表側に折り返すようにしてもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、保持片30の下端部30bが袋部11内に位置する場合について説明したが、図7のように保持片30の下端部30bが袋部11の開口縁部である表側のフィルム片21の上端部21aよりも上方に位置する構成、即ち、保持片30全体が袋部11の開口縁部よりも上方に位置する構成としてもよい。
【0031】
更に、ヘッダー2の上下方向の長さについても任意であって、図7に示すように、表側のシート片41の長さと裏側のシート片42の長さが互いに異なるようにしてもよい。正面からの視認性に関しては、表側のシート片41の長さを裏側のそれよりも長くすることが好ましい。また、図7では表側のシート片41であるが、表側のシート片41と裏側のシート片42のうち、一方のシート片の下端部のみを袋部11内に位置するようにしてもよく、その場合であってもヘッダー2の下端部2bが袋部11内に位置することから、被包装物を袋部11に挿入する際にヘッダー2をガイドとして使用することができる。
【0032】
また、図8のように、保持片30全体が袋部11内に位置する構成としてもよい。この場合には包装袋の上下方向の寸法を短くすることができる。尚、図8のように、延設片13の折り返し点が保持片30の上端部30aよりも上方に位置してもよい。また、保持片30の上端部30aが表側のフィルム片21の上端部21aと略面一の高さになるようにしてもよい。
【0033】
更に、図9のように、ヘッダー2の下端部2bを袋部11の開口縁部よりも上方に位置させる構成、即ち、ヘッダー2全体が袋部11よりも上方に位置する構成としてもよく、この場合にはヘッダー2をコンパクトにすることができ、被包装物の収容スペースを確保しやすい利点もある。また、保持片30及びヘッダー2を袋部11の開口縁部よりも上方に位置させる構成とする場合において、図9のように保持片30に吊り下げ孔15を形成するものの他、図10のようにヘッダー2の一方のシート片(図10では表側のシート片41)を下方に伸ばして、保持片30の下端部30bと袋部11の開口縁部との間の位置に吊り下げ孔15を形成するようにしてもよい。尚、図11に示すように、表側のシート片41と裏側のシート片42の双方を下方に伸ばしてそれぞれに吊り下げ孔15を形成するようにしてもよい。
【0034】
また、保持片30の袋本体1への固着態様についても種々の態様が可能であって、上述したように保持片30の上端部30aと下端部30bの双方を袋本体1に固着しない構成とする他、図12のように保持片30の下端部30bを袋本体1の内面に固着しその上端部30aについては固着しない構成とすることもでき、保持片30の少なくとも左右両側部30cが固着されていればその上端部30aに吊り下げ保持できる。
【0035】
また更に、ヘッダー2を吊り下げ保持するために保持片30を袋本体1の内面に固着する構成について説明したが、保持片30を設けない構成としてもよい。例えば、図13のように、袋部11の開口縁部である表側のフィルム片21の上端部21aをヘッダー保持部として、該上端部21aにヘッダー2を吊り下げ保持するようにしてもよい。図13の場合、ヘッダー2の表側のシート片41をフック部として表側のフィルム片21の上端部21aに引っかけ、ヘッダー2の裏側のシート片42は表側のシート片41よりも長く形成して袋部11内に垂れがるようにする。このように、保持片30を設けずに袋部11の開口縁部である表側のフィルム片21の上端部21aをヘッダー保持部とする場合には、その製造も容易であるうえに、低コストにもなる。
【0036】
尚、袋部11の構成についても底部にガセット部10を有する構成の他、図13のようにガセット部を有しない平袋のタイプとしてもよい。また、矩形以外の形状であってもよい。
【0037】
また、ヘッダー2の構成についても種々の構成を採用可能であり、上端部2aを折り返し部とする構成の他、上下方向の中途部を折り返し部としてヘッダー2の一部を下方に折り返す構成としてもよい。例えば、図14のように、ヘッダー2の上下方向中央部にコの字状の切り込み線46を形成してそれで囲まれた部分を下方に折り返してフック部43とし、該フック部43を保持片30の上端部30aに引っかけるようにしてもよい。また、図14のように、ヘッダー2の全幅を下方に折り返してフック部44を形成したうえで更に上方に折り返して、ヘッダー2を三つ折り状としてもよい。尚、図14及び図15では、裏側に折り返されてフック部43,44が形成されているが表側に折り返すようにしてもよい。
【0038】
また更に、ヘッダー2の一部を下方に折り返してフック部を形成する構成には限定されず、ヘッダー2に別途のシート片を固着してフック部を形成してもよい。例えば、図16のように、ヘッダー2の裏面にフック部用シート片45の上端部45aを取り付けて下方に伸びるフック部を形成してもよい。この場合も同様にヘッダー2の表面側にフック部用シート片45を取り付けてフック部を形成してもよい。
【0039】
尚、図14乃至図16のように、ヘッダー2の上端部2aに折り返し部を形成しない構成についても、ヘッダー2の上端部2aを折り返し点として延設片13を折り返すことが好ましい。
【0040】
また、図17及び図18のように、ヘッダー2の表側のシート片41が袋本体1の表側のフィルム片21の外側に位置するようにすると共にその表側のシート片41を延長片13で覆うようにし、更に、その表側のシート片41の両側縁部に後方に折れ曲がるサイドフラップ47をそれぞれ設けるようにしてもよい。
【0041】
尚、保持片30を設ける構成において、上記実施形態では、保持片30の両側部30cを袋本体1の両側部に固着する構成について説明したが、保持片30の両側部30cを袋本体1の両側部から内側に所定距離離間した位置に固着するようにしてもよい。
【0042】
また、保持片30を帯状や糸状としたり、フィルムよりも剛性の大きいシートから構成したりしてもよい。
【0043】
尚、保持片30の上端部30aに引っかける構成とする他、保持片30に切り込み線を形成してそこにフック部を差し込むようにして引っかけてもよい。同様に、保持片30を設けずに袋本体1の一部をヘッダー保持部としてそこにフック部を引っかけるようにする場合においても、袋本体1に切り込み線を形成してそこにフック部を内面側から外面側に向けて差し込んで引っかけるようにしてもよい。但し、袋本体1に切り込み線を形成する場合には、ヘッダー2の一部が袋本体1から外側に露出することになる。従って、ヘッダー2の一部が袋本体1から外側に露出しないように、ヘッダー2の全体が袋本体1の内面側に位置させる、即ち、ヘッダー2の全体が袋本体1を構成するフィルムでカバーされるようにすることが好ましい。
【0044】
また、吊り下げ孔15に代えて別途の吊り下げ具を装着して吊り下げ陳列できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 袋本体
2 ヘッダー
2a 上端部
2b 下端部
10 ガセット部
10a 上部折り返し部
11 袋部
13 延設片
14 接着層
15 吊り下げ孔
16 剥離フィルム(剥離紙)
21 表側のフィルム片
21a 上端部
22 裏側のフィルム片
30 保持片
30a 上端部
30b 下端部
30c 側部
41 表側のシート片
41b 下端部
42 裏側のシート片
42b 下端部
43 フック部
44 フック部
45 フック部用シート片
45a 上端部
46 切り込み線
47 サイドフラップ
50 本体用フィルム
51 保持片用フィルム
52 剥離フィルム
53 接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する袋部と該袋部から上方に延設されると共に袋部の開口部を上方から覆うように下方に折り返されて袋部の外面に接着される延設片とを有する袋本体と、該袋本体とは別体に形成されたヘッダーとを備えたヘッダー付き包装袋において、
ヘッダーにはフック部が形成され、袋本体には、前記フック部を引っかけることによってヘッダーを袋本体の内面側に吊り下げ保持するヘッダー保持部が設けられていることを特徴とするヘッダー付き包装袋。
【請求項2】
ヘッダーの上端部を折り返し点として延設片が下方に折り返されている請求項1記載のヘッダー付き包装袋。
【請求項3】
上側に折り返し部が形成されるようにヘッダーの一部を下方に折り返すことにより前記フック部が形成されている請求項1記載のヘッダー付き包装袋。
【請求項4】
袋本体の内面に少なくとも両側部が固着されて上端部にフック部を引っかけるように構成された保持片がヘッダー保持部として設けられ、該保持片の上端部は袋部の開口部よりも上方に位置し、ヘッダーの下端部は袋部内に位置する請求項1記載のヘッダー付き包装袋。
【請求項5】
保持片の下端部は袋部内に位置する請求項4記載のヘッダー付き包装袋。
【請求項6】
袋本体の内面に少なくとも両側部が固着されて上端部にフック部を引っかけるようにフィルムから構成された保持片がヘッダー保持部として設けられ、保持片の上端部はフィルムを下方に折り返した折り返し部となっている請求項1記載のヘッダー付き包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−25966(P2011−25966A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174257(P2009−174257)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000131588)株式会社ショーエイコーポレーション (5)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】