説明

ヘッドの評価方法、磁気記憶装置及びプログラム

【課題】本発明は、ヘッドの評価方法、磁気記憶装置及びプログラムに関し、測定結果から転送速度のみに依存するヘッドの特性変化の要因を評価することを目的とする。
【解決手段】磁気ディスクを第1の回転数で回転させて磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を第1の回転数の時と同じに保って第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求める手順と、磁気ディスクを第2の回転数で回転させて磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を第2の回転数の時と同じに保って第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める手順と、磁気ヘッドの評価を求められた第1及び第2の測定結果に基づいて行い、転送速度のみに依存する磁気ヘッドの特性変化の要因を評価する手順を含むように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドの評価方法、磁気記憶装置及びプログラムに関し、特に転送速度に依存する磁気ヘッドの特性変化の要因を評価するヘッドの評価方法、磁気記憶装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気ディスク(ハードディスク)の高密度化及び高転送化が進んでいる。特にハイエンドサーバ等の情報処理装置で用いられる磁気ディスク装置では、磁気ディスクを高速回転させることで磁気ディスクに記録(即ち、ライト)されるデータ及び磁気ディスクから再生(即ち、リード)されるデータの転送速度をより高く設定することが求められている。
【0003】
転送速度が高いと、転送速度が低い場合と比べると磁気ヘッドのリード/ライト特性が劣化する傾向がある。このため、高転送化による磁気ヘッドのリード/ライト特性の劣化の影響を評価する必要がある。従来より、磁気ディスク上のトラック方向(又は、磁気ヘッドの主走査方向)に沿った記録密度であるBPI(Bit Per Inch)を固定にし、磁気ディスク上の異なる半径位置でデータのリードとライトを行うことで、例えばリードデータのライトデータに対するエラーレートからリード/ライト特性を評価する方法がある。磁気ディスク上の異なる半径位置でデータのリードとライトを行うのは、磁気ディスクの周速度が半径位置に応じて異なるからである。しかし、この方法は、磁気ディスク上の異なる半径位置で測定を行うので、測定結果は磁気ディスクの表面に存在する微細な凹凸等により生じる特性の面内ばらつきの影響や、磁気ヘッドが回動するアームの先端に設けられているために磁気ヘッドの磁気ディスクに対するヨー角が変化することや周速度の違いにより磁気ヘッドと磁気ディスクとの間の距離が変化することによる影響を受けてしまう。このため、測定結果から転送速度のみに依存する磁気ヘッドの特性変化の要因を評価することは非常に難しい。又、測定結果からライト系の影響やリード系の影響を切り分けることも難しい。
【0004】
エラーチェック時に、磁気ディスクを通常より低速回転させながら通常の書き込み電流で書き込んだ情報を読み出してエラーチェックする磁気ディスクの試験方法が特許文献1にて提案されている。又、目的に合わせて光ディスクの回転速度を変えて節電する情報再生方法が特許文献2にて提案されている。磁気ヘッドに設けられたヒータを制御することで磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を制御する方法が特許文献3にて提案されている。
【特許文献1】特開平1−100482号公報
【特許文献2】特開2006−147119号公報
【特許文献3】特開平5−20635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来は、測定結果から転送速度のみに依存する磁気ヘッドの特性変化の要因を評価することは非常に難しいという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、測定結果から転送速度のみに依存する磁気ヘッドの特性変化の要因を評価することのできるヘッドの評価方法、磁気記憶装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、磁気ディスクを第1の回転数で回転させて磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を該第1の回転数の時と同じに保って該第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求める手順と、該磁気ディスクを該第2の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該第2の回転数の時と同じに保って該第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める手順と、該磁気ヘッドの評価を求められた該第1及び第2の測定結果に基づいて行い、転送速度のみに依存する該磁気ヘッドの特性変化の要因を評価する手順を含むことを特徴とするヘッドの評価方法によって達成できる。
【0008】
上記の課題は、ヒータを有する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドの磁気ディスク上の半径位置を制御する位置制御部と、該磁気ディスクの回転数を制御する回転制御回路と、予め測定されている該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量と磁気ディスクの回転数との関係を格納する記憶部と、該磁気ディスクを第1の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を該第1の回転数の時と同じに保って該第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求めると共に、該磁気ディスクを該第2の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該第2の回転数の時と同じに保って該第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める制御処理部と、該磁気ヘッドの評価を求められた該第1及び第2の測定結果に基づいて行い、転送速度のみに依存する該磁気ヘッドの特性変化の要因を評価する評価処理部とを備え、該制御処理部は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を、該記憶部に格納された該関係に基づいて該ヒータへ供給する駆動電流により制御することを特徴とする磁気記憶装置によって達成できる。
【0009】
上記の課題は、コンピュータにヘッドの評価を行わせるプログラムであって、磁気ディスクを第1の回転数で回転させて磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を該第1の回転数の時と同じに保って該第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求める手順と、該磁気ディスクを該第2の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該第2の回転数の時と同じに保って該第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める手順と、該磁気ヘッドの評価を求められた該第1及び第2の測定結果に基づいて行い、転送速度のみに依存する該磁気ヘッドの特性変化の要因を評価する手順を該コンピュータにより実行させることを特徴とするプログラムによって達成できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、測定結果から転送速度のみに依存する磁気ヘッドの特性変化の要因を評価することのできるヘッドの評価方法、磁気記憶装置及びプログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明では、磁気ディスクを第1の回転数で回転させて磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を第1の回転数の時と同じに保って第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求める。又、磁気ディスクを第2の回転数で回転させて磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を第2の回転数の時と同じに保って第2の回転数より低い第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める。磁気ヘッドの評価は、求められた第1及び第2の測定結果に基づいて行う。このようにして、第1及び第2の測定結果から転送速度のみに依存する磁気ヘッドの特性変化の要因を評価することが可能となる。
【0012】
磁気ヘッドの主走査方向(又は、磁気ディスクの円周方向)に沿った記録密度(BPI)が低い状態で求められる第1の測定結果と、磁気ヘッドの主走査方向に沿った記録密度(BPI)が高い状態で求められる第1の測定結果を比較すると共に、磁気ヘッドの主走査方向に沿った記録密度(BPI)が高い状態で求められる第2の測定結果と、磁気ヘッドの主走査方向に沿った記録密度(BPI)が低い状態で求められる第2の測定結果を比較することで、転送速度による影響が少なくなる記録密度(BPI)を更に求めることができる。この場合、転送速度による影響が少なくなる記録密度(BPI)を用いることで、測定結果からライト系の影響やリード系の影響を切り分けることができる。
【0013】
以下に、本発明のヘッドの評価方法、磁気記憶装置及びプログラムの各実施例を、図面と共に説明する。
【実施例】
【0014】
本発明の一実施例における磁気記憶装置を、図1乃至図3と共に説明する。本実施例では、本発明がDFH(Dynamic
Flying Height)型の磁気ヘッドを備えた磁気ディスク装置に適用されている。図1は、磁気ディスク装置の一部を示すブロック図であり、図2は、図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。図3は、磁気ディスクと磁気ヘッドとの関係を示す図である。
【0015】
磁気ディスク装置1は、図1に示す如く接続された制御部11、記憶部12、ヘッド位置及び回転制御回路13、位置制御部14、磁気ヘッド15、スピンドルモータ16、プリアンプ17及び磁気ディスク21を有する。尚、説明の便宜上、磁気ヘッド15と磁気ディスク21の数は図1では夫々1つであるが、いずれも2以上設けられていても良い。磁気ヘッド15にはヒータ151が設けられており、ヒータ151の発熱量を制御することにより磁気ヘッド15の磁気ディスク21の表面に対する浮上量(又は、スペーシング)を制御する、即ち、所謂DFH制御を行うことができる。磁気ヘッド15は、ライトヘッドとリードヘッドを含む周知の構成を有する。
【0016】
制御部11は、インタフェースを介してホスト装置(図示せず)と接続される。制御部11は、例えばMPUやCPU等のプロセッサにより構成可能である。記憶部12は、本実施例ではRAMやROM等のメモリを含み、制御部11がプロセッサで構成されている場合には、プロセッサが実行するプログラムを格納する領域、プロセッサが実行する演算で用いるデータや演算の中間データ等を格納する領域、後述する解析結果や評価結果を格納する領域等を提供する。又、記憶部12は、ホスト装置からのライトデータやホスト装置へのリードデータを一旦格納するバッファ領域を提供する。
【0017】
制御部11は、図2に示すように、ライト系処理部111、リード系処理部112、解析処理部113及び制御処理部114を含む。これらの処理部111〜114は、ソフトウェアにより構成可能であるが、ライト系処理部111及びリード系処理部112をハードウェア処理部により構成しても良いことは言うまでもない。ライト系処理部111は、ホスト装置から入力されるライトデータに所定の信号処理を施し、プリアンプ17を介して磁気ヘッド15に供給することで、ライトデータを磁気ディスク21上にライトする。リード系処理部112は、磁気ヘッド15が磁気ディスク21上からリードしてプリアンプ17を介して入力されたリードデータに所定の信号処理を施し、ホスト装置へ出力する。
【0018】
制御処理部114は、ホスト装置からのコマンドに応じてヒータ制御、ヘッド位置制御、及びディスク回転制御を行う。ヒータ制御は、プリアンプ17を介して駆動電流をヒータ151に供給することでヒータ151の発熱量を制御して、磁気ヘッド15の磁気ディスク21に対する浮上量を制御する。ヘッド位置制御は、ヘッド位置及び回転制御回路13を介して例えばボイスコイルモータを含む位置制御部14を制御することで、磁気ヘッド15の磁気ディスク21上の半径位置を制御する。このヘッド位置制御により、磁気ヘッド15の磁気ディスク21上の半径位置(半径位置の固定を含む)と、磁気ヘッド15の副走査方向(又は、磁気ディスク21の半径方向)に沿った記録密度(TPI(Track Per Inch))を制御することができる。ディスク回転制御は、ヘッド位置及び回転制御回路13を介してスピンドルモータ16を制御することで磁気ディスク21の回転数を制御する。このディスク回転制御により、磁気ディスク21の回転数(又は、回転速度)と、磁気ヘッド15の主走査方向(又は、磁気ディスク21の円周方向)に沿った記録密度(BPI)を制御することができる。
【0019】
解析処理部113は、磁気ディスク21を第1の回転数で回転させて磁気ヘッド15によりデータのライトとリードを行い、その後磁気ヘッド15の磁気ディスク21に対する浮上量を第1の回転数の時と同じに保って第1の回転数より低い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求める。又、解析処理部113は、磁気ディスク21を第2の回転数で回転させて磁気ヘッド15によりデータのライトとリードを行い、その後磁気ヘッド15の磁気ディスク21に対する浮上量を第2の回転数の時と同じに保って第2の回転数より高い第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める。第1及び第2の測定結果は、記憶部12に格納され、必要に応じてホスト装置へ出力される。磁気ヘッド15の評価は、求められた第1及び第2の測定結果に基づいて行うことができ、解析制御部113により自動的に行っても、ユーザが手動で行っても、ユーザが解析制御部113とインターアクティブに半自動で行っても良い。磁気ヘッド15の評価結果は、記憶部12に格納されると共に、ホスト装置へ出力される。
【0020】
図3中、(a)は磁気ヘッド15の磁気ディスク21上の半径位置を示す側面図であり、(b)は平面図である。図3(b)に示すように、磁気ヘッド15はアーム19の先端に設けられており、位置制御部14の制御によりアーム19がその支点を中心に回動することにより磁気ヘッド15の磁気ディスク21上の半径位置及びヨー角が決定される。
【0021】
尚、磁気ディスク装置1の基本的な構成は、図1に示す構成に限定されるものではなく、種々の周知の構成を採用可能である。要は、磁気ディスク装置1は、上記の如きヒータ制御、ヘッド位置制御、及びディスク回転制御を行える構成であれば良い。
【0022】
次に、本実施例におけるヘッドの評価方法を、図4乃至図12と共に説明する。
【0023】
図4は、ヘッドの評価方法を説明するフローチャートである。図4に示す処理は、例えばホスト装置からのコマンドに応答して任意のタイミングで開始される。
【0024】
図4において、ステップS1は、ヘッド位置及び回転数制御回路13を介して位置制御部14を制御し、磁気ヘッド15の磁気ディスク21上の半径位置Rを固定する。例えば、半径位置Rは直径2.5インチの磁気ディスク21の中心から25.68mmの位置に固定され、ヨー角又はスキューも一定値である0.37度に固定される。ヨー角又はスキューとは、磁気ヘッド15のギャップが延在するヘッド幅方向と垂直な方向の、磁気ディスク21上に形成されるトラックの延在する方向(即ち、磁気ヘッド15の主走査方向)に対するずれを言う。尚、ライト時及びリード時の安定した特性測定を考慮すると、半径位置Rは磁気ディスク21上のデータが記録されるデータゾーンの中央部分、且つ、ヨー角又はスキューが略0度となる部分であることが望ましい。
【0025】
ステップS2は、ヘッド位置及び回転数制御回路13を介してスピンドルモータ16を制御し、周速度を例えば32.27(m/s)に設定して各磁気ヘッドH1,H2の浮上量(nm)を測定して記憶部12に格納する。浮上量は、直接測定しても、例えばプリアンプ17を介してヒータ151を制御して磁気ヘッド15を磁気ディスク21と接触させることで間接的に測定しても良い。ヒータ151に供給する駆動電流と対応する磁気ヘッド15の磁気ディスク21への突出量との関係は予め求めておくことができるので、磁気ヘッド15が磁気ディスク21と接触した時の駆動電流から磁気ヘッド15の突出量、即ち、磁気ヘッド15の浮上量を求めることができる。磁気ヘッド15の磁気ディスク21との接触は、サーマルアスペリティ等から検出可能である。同様にして、ステップS3は、ヘッド位置及び回転数制御回路13を介してスピンドルモータ16を制御し、周速度をステップS2の場合より増加させた一又は複数の周速度で各磁気ヘッドH1,H2の浮上量(nm)を測定して記憶部12に格納する。ステップS3では、周速度が例えば36.30(m/s)と40.34(m/s)に設定して各磁気ヘッドH1,H2の浮上量(nm)を測定して記憶部12に格納する。このようにして、磁気ディスク装置1内に複数の磁気ヘッド21が設けられている場合であっても、各磁気ヘッド21の特性を測定して記憶部12に格納しておくことができる。言うまでもなく、各磁気ヘッド21の特性を測定する周速度の種類を増やせば、その分正確な特性を求めることができる。
【0026】
例えば、BPI=400kに固定した場合の2つの磁気ヘッドH1,H2の特性は、上記条件下では表1のようになる。この例では、3種類の周速度で磁気ヘッドH1,H2の特性が測定されている。

【0027】
【表1】

図5は、磁気ヘッドH1,H2の浮上量と磁気ディスク21の回転数の関係を示す図である。図5中、縦軸はヘッド浮上量(nm)を示し、横軸は磁気ディスク21の回転数(rpm)を示す。又、菱形印は磁気ヘッドH1の特性、四角印はヘッドH2の特性を示す。図5に示す如き関係をステップS2,S3で測定された特性を補間することで求めて記憶部12に格納しておくことで、後述するように磁気ヘッド15の浮上量を一定に維持するための制御を行う際に利用できる。
【0028】
図4の説明に戻るに、ステップS4は、ヘッド位置及び回転数制御回路13を介してスピンドルモータ16を制御し、周速度を比較的低い値(例えば13757(rpm)の回転速度)に設定した上で、磁気ヘッド15によりライトデータを磁気ディスク21にライトし、このデータを磁気ヘッド15によりリードして、リードデータを記憶部12に格納する。又、ステップS5は、ヘッド位置及び回転数制御回路13を介してスピンドルモータ16を制御し、周速度を比較的高い値(例えば15438(rpm)の回転速度)に設定した上で、ステップS4でライトされたデータを磁気ヘッド15によりリードして、リードデータを記憶部12に格納する。尚、ステップS4及びS5は、ヘッド位置及び回転制御回路13を介して位置制御部14を制御することで、磁気ヘッド15の磁気ディスク21上の半径位置R及びヨー角又はスキューを夫々固定する。半径位置R及びヨー角又はスキューの固定値は、ステップS1で用いた固定値と同じである。更に、ステップS5は、周速度(回転速度)を増加させた分磁気ヘッド15の浮上量が増加するのを防ぐため、記憶部12に格納された例えば磁気ヘッドH2についての図5に示す如き関係を用いて浮上量がステップS4の時と同じになるように、プリアンプ17を介してヒータ151に適切な駆動電流を供給して浮上量を周速度を増加させる前と同じに維持する。
【0029】
図6は、磁気ヘッド15の浮上量の制御を説明する図である。図6中、(a)はステップS4における磁気ヘッド15の浮上量を示し、(b)はステップS5において磁気ヘッド15の浮上量を制御しない場合の浮上量を示し、(c)はステップS5において磁気ヘッド15の浮上量を制御した場合の浮上量を示す。図6において、152は磁気ヘッド15のスライダ、153は磁気ヘッド15のリードヘッド、Fは磁気ヘッド15の浮上量を示す。
【0030】
ステップS6は、ヘッド位置及び回転数制御回路13を介してスピンドルモータ16を制御し、周速度を比較的高い値(例えば15438(rpm)の回転速度)に設定した上で、磁気ヘッド15によりライトデータを磁気ディスク21にライトし、このデータを磁気ヘッド15によりリードして、リードデータを記憶部12に格納する。又、ステップS7は、ヘッド位置及び回転数制御回路13を介してスピンドルモータ16を制御し、周速度を比較的低い値(例えば13757(rpm)の回転速度)に設定した上で、ステップS6でライトされたデータを磁気ヘッド15によりリードして、リードデータを記憶部12に格納する。尚、ステップS6及びS7は、ヘッド位置及び回転制御回路13を介して位置制御部14を制御することで、磁気ヘッド15の磁気ディスク21上の半径位置R及びヨー角又はスキューを夫々固定する。半径位置R及びヨー角又はスキューの固定値は、ステップS1で用いた固定値と同じである。更に、ステップS7は、周速度(回転速度)を減少させた分磁気ヘッド15の浮上量が減少するのを防ぐため、記憶部12に格納された図5に示す如き関係を用いて浮上量がステップS6の時と同じになるように、プリアンプ17を介してヒータ151に適切な駆動電流を供給して浮上量を周速度を減少させる前と同じに維持する。
【0031】
図7は、磁気ヘッド15の浮上量の制御を説明する図である。図7中、(a)はステップS6における磁気ヘッド15の浮上量を示し、(b)はステップS7において磁気ヘッド15の浮上量を制御しない場合の浮上量を示し、(c)はステップS7において磁気ヘッド15の浮上量を制御した場合の浮上量を示す。図7において、152は磁気ヘッド15のスライダ、153は磁気ヘッド15のリードヘッド、Fは磁気ヘッド15の浮上量を示す。
【0032】
尚、ステップS6,S7をステップS4,S5の前に行うようにしても良い。
【0033】
ステップS8は、ステップS4,S5で得られた測定結果から低い周速度(回転速度)でリードした場合と高い周速度(回転速度)でリードした場合の違い、ステップS6,S7で得られた測定結果から高い周速度(回転速度)でリードした場合と低い周速度(回転速度)でリードした場合の違い、及びステップS4〜S7で得られた測定結果から低いBPIでライトした場合と高いBPIでライトした場合の違い等に基づいて、転送速度のみに依存する磁気ヘッド15の特性変化の要因を評価し、処理は終了する。このような評価は、解析制御部113により自動的に行えるが、ユーザが手動で行っても、ユーザが解析制御部113とインターアクティブに半自動で行っても良い。これにより、高転送化に伴う磁気ヘッド15の特性劣化を正しく評価することができる。具体的には、ステップS4,S5で得られたBPIが低い状態と高い状態とで求められる測定結果を比較すると共に、ステップS6,S7で得られたBPI高い状態と低い状態とで求められる測定結果を比較することで、転送速度による影響が少なくなるBPIを求めることができ、磁気ヘッド15に最適なBPIを求めることができる。この場合、転送速度による影響が少なくなるBPIを用いることで、以下に説明するように測定結果からライト系処理部111を含むライト系の影響やリード系処理部112を含むリード系の影響を切り分けることができる。
【0034】
図8は、BPIが100kであり、周速度が40.3(m/s)でステップS4のライト及びリードが行われ、周速度が45.3(m/s)でステップS5のリードが行われた場合の磁気ヘッド15のリード時の出力(μV)を示す図である。又、図9は、BPIが400kであり、周速度が40.3(m/s)でステップS4のライト及びリードが行われ、周速度が45.3(m/s)でステップS5のリードが行われた場合の磁気ヘッド15の出力(μV)を示す図である。図8及び図9において、縦軸は磁気ヘッド15のリード時の出力(μV)を示し、横軸はリード時の周速度(m/s)を示す。
【0035】
図10は、BPIが100kであり、周速度が45.3(m/s)でステップS6のライト及びリードが行われ、周速度が40.3(m/s)でステップS7のリードが行われた場合の磁気ヘッド15のリード時の出力(μV)を示す図である。又、図11は、BPIが400kであり、周速度が45.3(m/s)でステップS6のライト及びリードが行われ、周速度が40.3(m/s)でステップS7のリードが行われた場合の磁気ヘッド15の出力(μV)を示す図である。図10及び図11において、縦軸は磁気ヘッド15のリード時の出力(μV)を示し、横軸はリード時の周速度(m/s)を示す。
【0036】
又、図12は、図8乃至図11の測定結果をまとめて示す図であり、四角印が図8及び図9の測定結果、菱形印が図10及び図11の測定結果を夫々まとめてしめす。図12中、縦軸は磁気ヘッド15の出力変化(%)を示し、横軸はBPI(k)を示す。
【0037】
図8乃至図12の場合、転送速度の違いによる影響はBPI=100kでは見られない。BPIを増加させていくと出力変化が大きくなり、転送速度の影響が見えてくる。転送速度が異なる条件下でライトしたデータてリードしても、磁気ヘッド15のリード時の出力は同じであることから、この例ではライト系の影響ではなくリード系による出力低下であることがステップS8において判断できる。このような判断は、解析制御部113により自動的に行えるが、ユーザが手動で行っても、ユーザが解析制御部113とインターアクティブに半自動で行っても良い。
【0038】
コンピュータに上記の如き磁気ディスク装置1のヘッド評価に関する機能、或いは、上記の如きヘッドの評価方法の各手順を実現させるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されていても良い。この場合、図1に示す記憶部12自体がコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であっても、別のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されているプログラムが記憶部12にインストールされても良い。又、コンピュータは、汎用のコンピュータにより構成可能であり、例えば図1に示す制御部11を構成するプロセッサにより構成可能である。
【0039】
上記実施例において、磁気ディスク装置は、磁気ヘッドを評価するための専用装置であっても良い。この場合、各種磁気ヘッドを評価することで、転送速度の依存性が低い磁気ヘッドの開発に寄与することができる。又、各磁気ヘッドに最適なBPIを求めることができるので、磁気ヘッドを磁気ディスク装置に搭載する際に、磁気ディスク装置にこの最適なBPIを設定することができる。
【0040】
一方、磁気ディスク装置は、ユーザ側で使用される出荷後の装置であっても良い。この場合、磁気ディスク装置には各磁気ヘッドに最適なBPIを任意の時点で設定することができるので、例えば経時変化等で磁気ヘッドの特性が変化しても、常に磁気ヘッドの状態に最適なBPIを設定することができる。又、転送速度に大きく依存する磁気ヘッドは磁気ディスク上のデータゾーン以外のゾーンのみで高記録密度用として使用し、データゾーンでは低記録密度用として使用することもできる。
【0041】
尚、本発明は、以下に付記する発明をも包含するものである。
(付記1)
磁気ディスクを第1の回転数で回転させて磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を該第1の回転数の時と同じに保って該第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求める手順と、
該磁気ディスクを該第2の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該第2の回転数の時と同じに保って該第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める手順と、
該磁気ヘッドの評価を求められた該第1及び第2の測定結果に基づいて行い、転送速度のみに依存する該磁気ヘッドの特性変化の要因を評価する手順
を含むことを特徴とする、ヘッドの評価方法。
(付記2)
該評価する手順は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクの円周方向に沿った記録密度が低い状態で求められる第1の測定結果と、該磁気ヘッドの該円周方向に沿った記録密度が高い状態で求められる第1の測定結果を比較すると共に、該磁気ヘッドの該円周方向に沿った記録密度が高い状態で求められる第2の測定結果と、該磁気ヘッドの円周方向に沿った記録密度が低い状態で求められる第2の測定結果を比較することで、転送速度による影響が少なくなる記録密度を求めることを特徴とする、付記1記載のヘッドの評価方法。
(付記3)
該評価する手順は、転送速度による影響が少なくなる記録密度を用いることで、該第1及び第2の測定結果から磁気ヘッドが搭載される磁気ディスク装置のライト系の影響又はリード系の影響を切り分けることを特徴とする、付記1又は2記載のヘッドの評価方法。
(付記4)
該第1及び第2の測定結果を求める手順は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該磁気ヘッドのヒータへ供給する駆動電流により制御することを特徴とする、付記1乃至3のいずれか1項記載のヘッドの評価方法。
(付記5)
該第1及び第2の測定結果を求める手順は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を、予め測定されている該磁気ヘッドの浮上量と該磁気ディスクの回転数との関係に基づいて該ヒータへ供給する駆動電流により制御することを特徴とする、付記4記載のヘッドの評価方法。
(付記6)
ヒータを有する磁気ヘッドと、
該磁気ヘッドの磁気ディスク上の半径位置を制御する位置制御部と、
該磁気ディスクの回転数を制御する回転制御回路と、
予め測定されている該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量と磁気ディスクの回転数との関係を格納する記憶部と、
該磁気ディスクを第1の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を該第1の回転数の時と同じに保って該第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求めると共に、該磁気ディスクを該第2の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該第2の回転数の時と同じに保って該第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める制御処理部と、
該磁気ヘッドの評価を求められた該第1及び第2の測定結果に基づいて行い、転送速度のみに依存する該磁気ヘッドの特性変化の要因を評価する評価処理部とを備え、
該制御処理部は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を、該記憶部に格納された該関係に基づいて該ヒータへ供給する駆動電流により制御することを特徴とする、磁気記憶装置。
(付記7)
該評価処理部は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクの円周方向に沿った記録密度が低い状態で求められる第1の測定結果と、該磁気ヘッドの該円周方向に沿った記録密度が高い状態で求められる第1の測定結果を比較すると共に、該磁気ヘッドの該円周方向に沿った記録密度が高い状態で求められる第2の測定結果と、該磁気ヘッドの円周方向に沿った記録密度が低い状態で求められる第2の測定結果を比較することで、転送速度による影響が少なくなる記録密度を求めることを特徴とする、付記6記載の磁気記憶装置。
(付記8)
該磁気ヘッドでライトするデータを処理するライト系処理部と、
該磁気ヘッドでリードするデータを処理するリード系処理部とを更に備え、
該評価処理部は、転送速度による影響が少なくなる記録密度を用いることで、該第1及び第2の測定結果から該ライト系処理部の影響又は該リード系処理部の影響を切り分けることを特徴とする、付記6又は7記載の磁気記憶装置。
(付記9)
コンピュータにヘッドの評価を行わせるプログラムであって、
磁気ディスクを第1の回転数で回転させて磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を該第1の回転数の時と同じに保って該第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求める手順と、
該磁気ディスクを該第2の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該第2の回転数の時と同じに保って該第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める手順と、
該磁気ヘッドの評価を求められた該第1及び第2の測定結果に基づいて行い、転送速度のみに依存する該磁気ヘッドの特性変化の要因を評価する手順
を該コンピュータにより実行させることを特徴とする、プログラム。
(付記10)
該評価する手順は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクの円周方向に沿った記録密度が低い状態で求められる第1の測定結果と、該磁気ヘッドの該円周方向に沿った記録密度が高い状態で求められる第1の測定結果を比較すると共に、該磁気ヘッドの該円周方向に沿った記録密度が高い状態で求められる第2の測定結果と、該磁気ヘッドの円周方向に沿った記録密度が低い状態で求められる第2の測定結果を比較することで、転送速度による影響が少なくなる記録密度を求めることを特徴とする、付記9記載のプログラム。
(付記11)
該評価する手順は、転送速度による影響が少なくなる記録密度を用いることで、該第1及び第2の測定結果から磁気ヘッドが搭載される磁気ディスク装置のライト系の影響又はリード系の影響を切り分けることを特徴とする、付記9又は10記載のプログラム。
(付記12)
該第1及び第2の測定結果を求める手順は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該磁気ヘッドのヒータへ供給する駆動電流により制御することを特徴とする、付記9乃至11のいずれか1項記載のプログラム。
(付記13)
該第1及び第2の測定結果を求める手順は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を、予め測定されている該磁気ヘッドの浮上量と該磁気ディスクの回転数との関係に基づいて該ヒータへ供給する駆動電流により制御することを特徴とする、付記12記載のプログラム。
【0042】
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】磁気ディスク装置の一部を示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】磁気ディスクと磁気ヘッドとの関係を示す図である。
【図4】ヘッドの評価方法を説明するフローチャートである。
【図5】磁気ヘッドの浮上量と磁気ディスクの回転数の関係を示す図である。
【図6】磁気ヘッドの浮上量の制御を説明する図である。
【図7】磁気ヘッドの浮上量の制御を説明する図である。
【図8】BPIが100kでステップS4,S5が行われた場合の磁気ヘッドのリード時の出力(μV)を示す図である。
【図9】BPIが400kでステップS4,S5が行われた場合の磁気ヘッドのリード時の出力(μV)を示す図である。
【図10】BPIが100kでステップS6,S7が行われた場合の磁気ヘッドのリード時の出力(μV)を示す図である。
【図11】BPIが400kでステップS6,S7が行われた場合の磁気ヘッドのリード時の出力(μV)を示す図である。
【図12】図8乃至図11の測定結果をまとめて示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 磁気ディスク装置
11 制御部
12 記憶部
13 ヘッド位置及び回転制御回路
14 位置制御部
15 磁気ヘッド
16 スピンドルモータ
17 プリアンプ
19 アーム
21 磁気ディスク
111 ライト系処理部
112 リード系処理部
113 解析処理部
114 制御処理部
151 ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ディスクを第1の回転数で回転させて磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を該第1の回転数の時と同じに保って該第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求める手順と、
該磁気ディスクを該第2の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該第2の回転数の時と同じに保って該第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める手順と、
該磁気ヘッドの評価を求められた該第1及び第2の測定結果に基づいて行い、転送速度のみに依存する該磁気ヘッドの特性変化の要因を評価する手順
を含むことを特徴とする、ヘッドの評価方法。
【請求項2】
該評価する手順は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクの円周方向に沿った記録密度が低い状態で求められる第1の測定結果と、該磁気ヘッドの該円周方向に沿った記録密度が高い状態で求められる第1の測定結果を比較すると共に、該磁気ヘッドの該円周方向に沿った記録密度が高い状態で求められる第2の測定結果と、該磁気ヘッドの円周方向に沿った記録密度が低い状態で求められる第2の測定結果を比較することで、転送速度による影響が少なくなる記録密度を求めることを特徴とする、請求項1記載のヘッドの評価方法。
【請求項3】
該第1及び第2の測定結果を求める手順は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該磁気ヘッドのヒータへ供給する駆動電流により制御することを特徴とする、請求項1又は2項記載のヘッドの評価方法。
【請求項4】
ヒータを有する磁気ヘッドと、
該磁気ヘッドの磁気ディスク上の半径位置を制御する位置制御部と、
該磁気ディスクの回転数を制御する回転制御回路と、
予め測定されている該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量と磁気ディスクの回転数との関係を格納する記憶部と、
該磁気ディスクを第1の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を該第1の回転数の時と同じに保って該第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求めると共に、該磁気ディスクを該第2の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該第2の回転数の時と同じに保って該第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める制御処理部と、
該磁気ヘッドの評価を求められた該第1及び第2の測定結果に基づいて行い、転送速度のみに依存する該磁気ヘッドの特性変化の要因を評価する評価処理部とを備え、
該制御処理部は、該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を、該記憶部に格納された該関係に基づいて該ヒータへ供給する駆動電流により制御することを特徴とする、磁気記憶装置。
【請求項5】
コンピュータにヘッドの評価を行わせるプログラムであって、
磁気ディスクを第1の回転数で回転させて磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの磁気ディスクに対する浮上量を該第1の回転数の時と同じに保って該第1の回転数より高い第2の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第1の測定結果を求める手順と、
該磁気ディスクを該第2の回転数で回転させて該磁気ヘッドによりデータのライトとリードを行い、その後該磁気ヘッドの該磁気ディスクに対する浮上量を該第2の回転数の時と同じに保って該第1の回転数でデータのリードを行って、リードされたデータの変化を示す第2の測定結果を求める手順と、
該磁気ヘッドの評価を求められた該第1及び第2の測定結果に基づいて行い、転送速度のみに依存する該磁気ヘッドの特性変化の要因を評価する手順
を該コンピュータにより実行させることを特徴とする、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−181626(P2009−181626A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19315(P2008−19315)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】