説明

ベルト搬送装置及び画像記録装置

【課題】解除動作の簡略化とヒューマンエラーの防止とを図り得るベルト搬送装置及びこれを備えた画像記録装置の提供。
【解決手段】記録媒体を載置して搬入を開始する搬入端と該記録媒体を上面から剥離して排出する排出端との間で該記録媒体を密着させて搬送するための無端ベルト1と、無端ベルト1表面を洗浄液を用いて洗浄するための洗浄部材と、無端ベルト1表面に付着した洗浄液を吸収して除去するための洗浄液除去部材4と、記録媒体を無端ベルト1表面に圧接するための押圧部材2と、押圧部材2を無端ベルト1表面から離反した解除位置に移動させるための押圧部材解除機構6と、洗浄液除去部材を無端ベルト1表面から離反した解除位置に移動させるための連動機構7と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト搬送装置及び画像記録装置に関し、詳しくは、無端ベルト表面に対して当接及び離反する2つの部材の離反動作を一つの操作で行えるようにしたベルト搬送装置及び画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、微細なインクを吐出する記録ヘッドを使用して、種々の記録媒体に対して高精細な画像を記録する画像記録装置が広く普及している。特に、記録媒体として布帛を使用することにより、様々な画像を記録するインクジェット記録装置(捺染装置)では、布帛を無端ベルトの表面に密着させて搬送するベルト搬送装置によって搬送するものが知られている。
【0003】
このようなベルト搬送装置を使用して記録媒体、特に布帛を搬送する場合、ミスフィード時、縁なし画像の記録時、インクの裏抜け時等にベルト表面にインクが付着する場合がある。ベルト表面に付着したインクは、新たに供給されてくる布帛に転移して該布帛を汚染してしまい、画像欠陥を発生させる問題がある。
【0004】
このため特許文献1では、布帛が剥離した後のベルト表面に洗浄液を吸収する洗浄ローラを圧接させて清掃と洗浄液の吸収とを行うクリーニング装置を設けている。
【0005】
また、特許文献2では、布帛が剥離した後のベルト表面を洗浄液によって清掃するブラシローラと、該ブラシローラよりもベルト搬送方向下流側に、ベルト表面の洗浄液を吸収するスポンジローラとを設けている。
【0006】
特許文献1のように、1本の洗浄ローラによって洗浄液を用いた清掃と同時に洗浄液の吸収(拭き取り)を行う構成では、清掃と拭き取りのバランス調整が難しく、拭き取りきれない水分がベルト表面に残ってしまうことがある。
【0007】
このため本発明者は、洗浄液を用いて洗浄された後のベルト表面に洗浄液を吸収して除去するための洗浄液除去部材を配置し、この洗浄液除去部材をベルト表面に当接させることにより、洗浄液によって洗浄された後のベルト表面の最終的な拭き取り仕上げを行うベルト搬送装置を備えた画像記録装置を提案した。
【0008】
このような構成を有するベルト搬送装置及び画像記録装置を図9に示す。
【0009】
図中、100はベルト搬送装置、200はベルト搬送装置100を備えた画像記録装置である。
【0010】
ベルト搬送装置100において、1は無端ベルトであり、ここでは所定間隔をおいて平行に配置された2本のローラ11、12間に架け渡されている。図中左側のローラ11は不図示の駆動源と接続されて回転駆動する駆動ローラ、図中右側のローラ12は従動ローラであり、駆動ローラ11が図中反時計方向に回転駆動することにより、無端ベルト1を矢印で示すように反時計方向に回転移動させるようになっている。
【0011】
これら駆動ローラ11と従動ローラ12とに架け渡されている無端ベルト1の上面は記録媒体Pを載置して搬送する面であり、新たな記録媒体Pが無端ベルト1の上面に供給されて載置されることにより搬入を開始する搬入端Paと記録媒体Pを上面から剥離して排出する排出端Pbとの間で記録媒体Pを密着させ、無端ベルト1の回転移動によって搬送を行う。
【0012】
なお、ここでは記録媒体Pとして長尺ウェブ状の布帛を使用した例を示している。
【0013】
2は搬入端Paに設けられた錘ローラ(押圧部材)であり、無端ベルト1の移動に従動して回転しながら、無端ベルト1上に新たに供給されて載置される記録媒体Pを、その上から自重によって無端ベルト1の表面に向けて圧接して密着させる。
【0014】
3は排出端Pbよりも無端ベルト1の移動方向下流側に設けられ、無端ベルト1の表面を洗浄液を用いて洗浄するための洗浄部材であり、上流側から順に、無端ベルト1の幅方向に亘って洗浄液を散水するための散水パイプ31と、無端ベルト1の表面を摺擦して付着したインク汚れや糸くず等のゴミを除去するためのブラシローラ32と、洗浄槽34内の洗浄液に浸漬され、無端ベルト1の表面に当接して清掃と拭き取りとを行うためのスポンジローラ33とを有している。
【0015】
4は無端ベルト1を挟んで従動ローラ22と反対側に設けられた拭き取りローラ(洗浄液除去部材)であり、洗浄部材3よりも無端ベルト1の移動方向下流側であって搬入端Paよりも無端ベルト1の移動方向上流側に設けられ、無端ベルト1の表面に当接することにより、洗浄部材3によって洗浄された後の無端ベルト1の表面に残留する水分を吸収し、最後の拭き取り仕上げを行う。ここでは、ローラ表面に不織布を巻き付けた不織布ローラからなり、無端ベルト1に当接することで、従動して回転しながら拭き取りを行うようになっている。
【0016】
画像記録装置200は、かかるベルト搬送装置100における無端ベルト1の上方に所定間隔をおいて記録ヘッド5が配置されており、無端ベルト1の上面に載置されて搬送される記録媒体Pの表面に向けてインクを吐出することにより所定の画像を記録する。
【0017】
このようなベルト搬送装置100及び画像記録装置200は、新たな記録媒体Pが載置される直前に、最後の拭き取り仕上げを行うための拭き取りローラ4を有することにより、主たる洗浄は記録媒体Pが剥離した直後に洗浄部材3によって行い、最終的な拭き取りは新たな記録媒体Pが載置される直前に拭き取りローラ4によって行うというように、各機能をそれぞれ分離できるので、洗浄部材3を通過後の無端ベルト1の表面に残留する水分があっても、拭き取りローラ4によって拭き取り除去することができるようになる。
【0018】
このため、洗浄部材3において清掃と拭き取りとのバランス調整を行うという煩雑な調整作業の必要がなくなり、清掃効果を更に高めることができる利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2005−212266号公報
【特許文献2】特開2005−280942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、無端ベルトの表面は、記録媒体を皺のないように密着させて搬送するため粘着性を有している。このため、装置の稼働停止後は、無端ベルトへの粘着を防止してベルト表面を保護するため、無端ベルトに接触している部材をベルト表面から退避させる解除動作を行う必要がある。例えば、図9の例では、錘ローラ2、ブラシローラ32、スポンジローラ33、拭き取りローラ4が無端ベルト1に接触しているため、稼働停止後はこれらを無端ベルト1の表面から退避させる必要がある。
【0021】
このとき、ブラシローラ32とスポンジローラ33は、オペレータのアクセスが容易な記録媒体Pの排出端Pb側に互いに近接して配置されており、また、錘ローラ2は、オペレータのアクセスが比較的容易な無端ベルト1の上面側に配置されているため、装置の稼働停止後に部材の解除動作を行う際、これらブラシローラ32、スポンジローラ33及び錘ローラ2はオペレータによって確実に解除され得るのに対し、拭き取りローラ4は、オペレータが確認しづらい記録媒体Pの搬入側の無端ベルト1の下方に位置しているため、同じく無端ベルト1の搬入側に配置される錘ローラ2の解除動作を行うことで搬入側の解除動作は終了したと勘違いされ易く、拭き取りローラ4の解除は見過ごされがちになって解除のし忘れ(ヒューマンエラー)が発生し易い。
【0022】
特に、拭き取りローラ4の表面が不織布等の吸液性の高い部材によって構成される場合、解除のし忘れによって無端ベルト1の表面に当接したままになると、無端ベルト1の粘着性によって密着して絡み付いてしまい、再稼働時に無端ベルト1が回転移動した際、無端ベルト1や拭き取りローラ4の表面を傷めてしまうおそれがあった。
【0023】
このようなヒューマンエラーは、全ての部材の解除動作を自動化することによって確実に防止することができるが、各部材を無端ベルトから離反させるための駆動源を個別に設ける必要があり、ベルト周辺の構造が複雑化すると共にコストアップを招いてしまう問題がある。
【0024】
そこで、本発明は、無端ベルト表面に当接する一つの部材を該無端ベルト表面から離反させる解除動作を行うことで、ヒューマンエラーを招き易い洗浄液除去部材の解除動作も同時に行われるようにすることにより、解除動作の簡略化とヒューマンエラーの防止とを図り得るベルト搬送装置及びこれを備えた画像記録装置を提供することを課題とする。
【0025】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0027】
請求項1記載の発明は、回転移動することにより、記録媒体を載置して搬入を開始する搬入端と該記録媒体を上面から剥離して排出する排出端との間で該記録媒体を密着させて搬送するための無端ベルトと、
前記排出端よりも前記無端ベルトの移動方向下流側に設けられ、前記無端ベルト表面を洗浄液を用いて洗浄するための洗浄部材と、
前記洗浄部材よりも前記無端ベルトの移動方向下流側であって前記搬入端よりも移動方向上流側の前記無端ベルト表面の幅方向に亘って当接及び離反可能に設けられ、前記無端ベルト表面に当接することにより該無端ベルト表面に付着した洗浄液を吸収して除去するための洗浄液除去部材と、
前記無端ベルトの前記搬入端に対して当接及び離反可能に設けられ、前記記録媒体を前記無端ベルト表面に圧接するための押圧部材と、
前記押圧部材を前記無端ベルト表面から離反した解除位置に移動させるための押圧部材解除機構と、
前記押圧部材解除機構による前記押圧部材の離反動作に連動し、前記洗浄液除去部材を前記無端ベルト表面から離反した解除位置に移動させるための連動機構と、を備えることを特徴とするベルト搬送装置である。
【0028】
請求項2記載の発明は、前記無端ベルトは、少なくとも前記搬入端側と前記排出端側にそれぞれ配置された2本のローラ間に架け渡されており、
前記洗浄液除去部材は、前記搬入端側の前記ローラに架け渡された部位の前記無端ベルト表面に対して当接及び離反可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載のベルト搬送装置である。
【0029】
請求項3記載の発明は、前記洗浄液除去部材は、前記無端ベルトの幅方向に亘って設けられた支持部材によって下方から支持され、前記無端ベルト表面に対して、前記支持部材を支点として、自重のみによって傾倒して当接していることを特徴とする請求項1又は2記載のベルト搬送装置である。
【0030】
請求項4記載の発明は、前記連動機構は、先端に行くに従って先窄まりとなるテーパー状のガイド縁を有すると共に該ガイド縁が前記洗浄液除去部材の前記無端ベルト側に接離可能に設けられたくさび状部材と、前記押圧部材解除機構と前記くさび状部材とに亘って設けられ、前記押圧部材解除機構の解除動作を前記くさび状部材の前記洗浄液除去部材に対する接離動作に変換するリンク部材とを有し、
前記押圧部材解除機構の解除動作時に、前記リンク部材を介して、前記くさび状部材の前記ガイド縁を前記洗浄液除去部材に対して前記無端ベルト側から当接させつつ移動させることにより、前記洗浄液除去部材を前記ガイド縁によって案内し、前記支持部材を支点として、前記無端ベルト表面から離反する方向に移動させることを特徴とする請求項3記載のベルト搬送装置である。
【0031】
請求項5記載の発明は、前記連動機構は、先端に行くに従って先窄まりとなるテーパー状のガイド縁を有すると共に該先端が前記洗浄液除去部材よりも前記無端ベルト側に接離可能に設けられたくさび状部材と、前記押圧部材解除機構に設けられ、該押圧部材解除機構の解除動作時に前記くさび状部材の端部に当接して該くさび状部材を前記ガイド縁が前記洗浄液除去部材に対して当接する方向に移動させる作動部材とを有し、
前記押圧部材解除機構の解除動作時に、前記作動部材が前記くさび状部材を移動させ、前記くさび状部材の前記ガイド縁を前記洗浄液除去部材に対して前記無端ベルト側から当接させつつ移動させることにより、前記洗浄液除去部材を前記ガイド縁によって案内し、前記支持部材を支点として、前記無端ベルト表面から離反する方向に移動させることを特徴とする請求項3記載のベルト搬送装置である。
【0032】
請求項6記載の発明は、前記洗浄液除去部材は、洗浄液を吸収して除去するための不織布を表面に有すると共に、前記無端ベルトの回転移動に従動して回転する不織布ローラであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のベルト搬送装置である。
【0033】
請求項7記載の発明は、前記押圧部材は、前記無端ベルトの回転移動に従動して回転すると共に、前記記録媒体を前記無端ベルト表面に対して自重によって押圧する錘ローラであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のベルト搬送装置である。
【0034】
請求項8記載の発明は、前記無端ベルトの上面に載置されて搬送される前記記録媒体に向けてインクを吐出することにより画像を記録する記録ヘッドと、
請求項1〜7のいずれかに記載のベルト搬送装置と、を備えることを特徴とする画像記録装置である。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、無端ベルト表面に当接する一つの部材を該無端ベルト表面から離反させる解除動作を行うことで、駆動源を設けることなく、ヒューマンエラーを招き易い洗浄液除去部材の解除動作を同時に行うことができるようになり、解除動作の簡略化とヒューマンエラーの防止とを図り得るベルト搬送装置及びこれを備えた画像記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るベルト搬送装置の搬入側の要部を示す斜視図
【図2】本発明に係るベルト搬送装置の搬入側の要部を示す側面図
【図3】連動機構の作用(解除を開始した状態)を説明する図
【図4】連動機構の作用(解除が完了した状態)を説明する図
【図5】解除が完了した拭き取りローラとくさび状部材との位置関係を示す説明図
【図6】連動機構の別の態様を示し、解除前の状態を示す説明図
【図7】連動機構の別の態様を示し、解除が完了した状態を示す説明図
【図8】拭き取りローラの別の態様を示す説明図
【図9】ベルト搬送装置を備えた画像記録装置の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0038】
本発明に係るベルト搬送装置及び画像記録装置は、図9において説明したベルト搬送装置100、画像記録装置200と各構成部材の配置態様が同一であるため、ここでは本発明において特徴とする部位のみについて説明し、他の部位は図9における説明を援用する。
【0039】
図1は、本発明に係るベルト搬送装置の搬入側の要部を示す斜視図、図2は、その側面図である。図9と同一符号の部位は同一構成の部位を示している。
【0040】
無端ベルト1は、駆動ローラ11(図1では示されていない。)と従動ローラ12とに亘って架け渡され、駆動ローラ11の回転駆動によって回転移動することで、搬入端Paから無端ベルト1の上面に載置された記録媒体(図示せず)を図1中のA方向に向けて搬送するようになっている。
【0041】
本発明における押圧部材である錘ローラ2は、無端ベルト1の幅方向に亘る長さを有しており、その両端の軸部2aが、無端ベルト1を間に挟むよう立設された一対の軸受け板21にそれぞれ支持されている。軸受け板21は、従動ローラ12のローラ軸両端を回転可能に軸支する従動ローラ受け基板13にそれぞれ固定されており、上方に開放する縦長U字状の軸受け溝21aを有している。そして、錘ローラ2の軸部2aが軸受け板21の上端側からこの軸受け溝21a内にそれぞれ挿入されることによって錘ローラ2を回転可能に支持している。
【0042】
錘ローラ2は、自重によって軸部2aが軸受け溝21aの下端又は下端近傍に達した状態で、無端ベルト1の表面に当接するようになっており、この状態のとき、搬入端Paに供給された不図示の記録媒体を無端ベルト1に向けて圧接して密着させ、無端ベルト1の回転移動によって記録媒体が搬送されるのに従動して回転するようになっている。記録媒体の搬送に従動して回転するので、錘ローラ2が記録媒体の搬送や無端ベルト1の回転移動に対してほとんど抵抗となることはない。
【0043】
本発明における洗浄液除去部材である拭き取りローラ4は、外周面に不織布が巻回された不織布ローラであり、無端ベルト1の幅方向に亘る長さを有し、従動ローラ受け基板13にそれぞれ固定されて搬入側に向けて突出するように設けられた一対の規制板14の間に配置されている。
【0044】
これら一対の規制板14の対向する内面側には、拭き取りローラ4の両端部41をそれぞれ支持する支持ローラ15が、無端ベルト1の表面から所定の間隔をおいて設けられている。各規制板14には、拭き取りローラ4の軸方向と平行な軸15aが突設されており、支持ローラ15は、この軸15aを中心にしてそれぞれ回転可能に設けられている。
【0045】
拭き取りローラ4は、その両端部41がそれぞれ支持ローラ15上に載置されることで下方から支持されており、この支持ローラ15との当接部位を支点として、無端ベルト1側に自重のみによってもたれ掛かるように傾倒することで、無端ベルト1の表面に当接している。
【0046】
従って、拭き取りローラ4は、このように無端ベルト1の表面に当接した状態で、無端ベルト1の回転移動に従動して支持ローラ15との間で回転する。無端ベルト1の回転移動に従動して回転するので、拭き取りローラ4が無端ベルト1の回転移動に対してほとんど抵抗となることはない。
【0047】
また、拭き取りローラ4の回転軸はどこにも支持されておらず、無端ベルト1の幅方向の移動のみが一対の規制板14によって規制されるようになっている。これにより、拭き取りローラ4の設置及び交換作業等のための取り出しを極めて容易に行うことができ、また、拭き取りローラ4の配置のための構造も極めて簡素化することができる。
【0048】
なお、図2では、従動ローラ受け基板13、規制板14、軸受け板21は図示省略している。
【0049】
図1、図2において、6は錘ローラ2を無端ベルト1の表面から離反した解除位置に移動させるための解除機構である。この解除機構6は、一対の軸受け板21にそれぞれ回動可能に軸着された回動板61と、この回動板61にそれぞれ回動可能に軸着されたフック部62と、両回転板61間に亘って設けられた操作レバー63とを有している。
【0050】
回動板61は、無端ベルト1の回転移動方向側及び上方側にそれぞれ突出する第1の操作杆部611、612を有するL字状に形成され、両第1の操作杆部611、612の交差部に設けられた回動軸61aが、一対の軸受け板21のそれぞれ内面側において、軸受け溝21aよりも無端ベルト1の回転移動方向のやや上流側に回動可能に軸支されている。第1の操作杆部611には、回動軸61aよりもやや先端側にガイドピン61bがそれぞれ外側に向けて突設されており、対応する軸受け板21に形成された回動軸61aを中心とする円弧状のガイド孔21bと係合している。
【0051】
フック部62は、J字状に形成されており、その上端において各回動板61の第1の操作杆部611の先端部に回動軸62aによって回動可能に吊り下げられており、錘ローラ2の各軸部2aに対してそれぞれ下方から引っ掛けて係合することができるように配置されている。但し、錘ローラ2が記録媒体を無端ベルト1の表面に押圧している状態では、各フック部62は、錘ローラ2の各軸部2aよりもやや下方に位置して係合しておらず、錘ローラ2の従動回転を阻害しないようになっている。
【0052】
操作レバー63は、各回動板61の第2の操作杆部612の先端同士に亘って設けられており、錘ローラ2を無端ベルト1の表面から離反した解除位置まで移動させる際に、オペレータによって把持される把持部となる。解除機構6は、この操作レバー63を有することにより、オペレータによる解除動作を容易にし、後述する錘ローラ2の離反動作に連動する拭き取りローラ4の解除位置までの移動のための操作を容易にしている。
【0053】
錘ローラ2の解除は、この操作レバー63を搬入側に傾倒させて回動板61を回動軸61aを中心にして回動させることによって行われる。この回動板61の回動により、第1の操作杆部611側が上方に移動し、これに吊り下げられているフック部62も上方に移動する。このフック部62が上方へ移動すると、錘ローラ2の軸部2aに対して下から係合し、これによって錘ローラ2の軸部2aは軸受け溝21aに沿って上方に持ち上げられる。これによって錘ローラ2は無端ベルト1の表面から離反する(図3参照)。
【0054】
図1、図2において、7は解除機構6による錘ローラ2の離反動作に連動し、拭き取りローラ4を無端ベルト1の表面から離反した解除位置に移動させるための連動機構である。この連動機構7は、一対の規制板14の内面側にそれぞれ設けられたくさび状部材71と、回動板61とこのくさび状部材71との間に亘って設けられたリンク部材72とを有している。
【0055】
くさび状部材71は、上下方向に長い板状部材であり、その先端が拭き取りローラ4よりも無端ベルト1側に配置されるように、規制板14の内面側にそれぞれ取り付けられている。くさび状部材71には、上下に間隔をおいて2本のガイドピン71a、71bが突設されており、これらガイドピン71a、71bが規制板14の対応する位置に形成された上下方向に長いガイド孔14a、14bにそれぞれ係合することによって、該規制板14に対して上下方向に移動可能とされている。
【0056】
くさび状部材71の先端側(図中の下端側)の一側縁には、先端に行くに従って先窄まりとなるテーパー状のガイド縁71cを有している。くさび状部材71は、このガイド縁71cが形成されている側縁が、拭き取りローラ4の両端部41に対向するように配置されている。
【0057】
図2は拭き取りローラ4が自重によって無端ベルト1の表面に当接している状態を示しているが、このとき、くさび状部材71は拭き取りローラ4の両端部41と接触しておらず、ガイド縁71cが拭き取りローラ4よりも無端ベルト1側のやや上方に位置するように待機している。
【0058】
リンク部材72は、一端が回動板61の第2の操作杆部612側に回動軸72aによって回動可能に軸支され、くさび状部材71側に延びる他端側が幅広状に形成された板状部材である。その幅広部分には、くさび状部材71の上側のガイドピン71aと係合する横長状のガイド孔72bが形成されていると共に、このガイド孔72bより下方に、規制板14から突設されたガイドピン14cと係合する横長状のガイド孔72cが形成されている。これらガイド孔72bとガイド孔72cは、回動板61側から遠くなるに従って次第に共に下方に傾斜し、且つ、互いが離反するように形成されている。
【0059】
次に、この連動機構7の作用について図3〜図5を用いて説明する。図3は解除を開始した状態、図4は解除が完了した状態、図5は解除が完了した拭き取りローラ4とくさび状部材71との位置関係を示している。
【0060】
ベルト搬送装置(画像記録装置)の稼働停止の後、図3に示すように、オペレータが解除機構6の操作レバー63を搬入側に傾倒させ、錘ローラ2を無端ベルト1の表面から離反した解除位置に向けて移動させると、回動軸61aを中心とした回動板61の回動に伴って、回動板61に軸支されたリンク部材72の他端側が、規制板14のガイドピン14cにガイド孔72cが案内されつつ下方向に移動し、くさび状部材71のガイドピン71aをガイド孔72bによって案内しながら、該くさび状部材71を徐々に下方向に移動させる。くさび状部材71は、下側のガイドピン71bが規制板14のガイド孔14bによって案内されることで、この規制板14に沿って徐々に下動する。
【0061】
このくさび状部材71の下動に伴い、その先端のガイド縁71cが拭き取りローラ4の両端部41に対し無端ベルト1側から当接し、そのテーパーに沿って拭き取りローラ4を徐々に無端ベルト1から離反させる方向に移動させる。拭き取りローラ4は、その両端部41が支持ローラ15によって支持されるのみであるため、この支持ローラ15との当接部位を中心として無端ベルト1から離反する方向に徐々に回転するように移動する。
【0062】
錘ローラ2が無端ベルト1から完全に離反した解除位置となるまで操作レバー63を傾倒させると、図4に示すように、リンク部材72の他端は下限まで移動し、くさび状部材71を下限位置まで移動させる。これにより、拭き取りローラ4は、くさび状部材71のガイド縁71cによって最も無端ベルト1から離反した解除位置まで移動する。
【0063】
なお、図示していないが、操作レバー63又は回動板61を解除位置の状態に保持するためのストッパー部材を設けており、錘ローラ2及び拭き取りローラ4を解除位置まで移動させた後は、このストッパー部材によって錘ローラ2及び拭き取りローラ4の解除状態が保持される。
【0064】
拭き取りローラ4が解除位置まで移動した状態では、図5に示すように、拭き取りローラ4と支持ローラ15との当接点4aの位置は、拭き取りローラ4の回転中心Oから鉛直方向に下ろした線が外周と接する点4bよりも角度θだけくさび状部材71から遠く離れた位置にある。このため、拭き取りローラ4は、この解除位置まで移動した状態であっても、くさび状部材71のガイド縁71cに、支持ローラ15との当接点4aを支点として、依然として自重によってもたれ掛かるように傾倒したままとなっている。従って、オペレータによって操作レバー63が元に戻され、錘ローラ2が自重によって無端ベルト1に対して当接する位置まで復帰することによって、リンク部材72を介してくさび状部材71が上動すると、拭き取りローラ4は無端ベルト1の表面に当接する元の当接位置まで復帰する。
【0065】
以上のように、錘ローラ2の解除機構6の離反動作に連動する連動機構7によって、拭き取りローラ4を無端ベルト1の表面から離反した解除位置まで移動させることができるので、オペレータによる解除機構6の操作だけで、同時に拭き取りローラ4の解除を行うことができ、拭き取りローラ4のみを解除し忘れてしまうヒューマンエラーが生じることはなくなる。連動機構7は、くさび状部材71とリンク部材72とを設けるだけの簡素な構成だけで済むため、駆動源を別途設ける場合のようなベルト周辺の構造の複雑化やコストアップを招くようなことはない。
【0066】
しかも、拭き取りローラ4は、錘ローラ2が配置される従動ローラ12に架け渡された部位の無端ベルト1の表面に対して当接及び離反可能に設けられており、同じく従動ローラ12の近傍に配置されて互いに近接している錘ローラ2の解除動作と連動するようにしたので、連動機構7による連動距離が短くて済み、連動機構7の構造も簡素化できる。
【0067】
図6、図7は、連動機構の別の態様を示している。図6は解除前の状態、図7は解除が完了した状態を示している。図1〜図5と同一符号の部位は同一構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0068】
この連動機構8は、解除機構6の回動板61とくさび状部材71とに亘って設けられるリンク部材72を有しておらず、解除機構6とくさび状部材71とは分離されている。
【0069】
この連動機構8では、解除機構6の回動板61に作動部材として機能する第3の操作杆部613が設けられており、解除機構6によって錘ローラ2の解除が行われると、初めてこの第3の操作杆部613がくさび状部材71の上端に当接し、下方向に向けて移動させるようになっている。
【0070】
第3の操作杆部613は、回動板61の回動軸61aを挟んで第1の操作杆部611と反対方向に突出するように設けられることで、回動板61が逆T字状となるように形成されており、図6に示すように、錘ローラ2が当接位置にあるとき、その先端はくさび状部材71とは接触していない。
【0071】
くさび状部材71は、規制板14のガイド孔14a、14bにそれぞれガイドピン71a、71bが係合することによって上下移動可能に取り付けられていると共に、規制板14から突設する突部14dとの間に設けられた付勢バネ71dによって、常時上方向、すなわち先端が拭き取りローラ4から離反する方向に付勢されている。
【0072】
このため、オペレータによって錘ローラ2が無端ベルト1から完全に離反した解除位置となるまで操作レバー63を傾倒させると、図7に示すように、回動板61の第3の操作杆部613がくさび状部材71の上端に当接して該くさび状部材71を付勢バネ71dに抗して押し下げ、これにより、ガイド縁71cを拭き取りローラ4に対して無端ベルト1側から当接させつつくさび状部材71を下動させる。
【0073】
このくさび状部材71の下動に伴い、その先端のガイド縁71cが拭き取りローラ4の両端部41に対し無端ベルト1側から当接し、そのテーパーに沿って拭き取りローラ4を徐々に無端ベルト1から離反させる方向に移動させる。拭き取りローラ4は、その両端部41が支持ローラ15によって支持されるのみであるため、この支持ローラ15との当接部位を中心として無端ベルト1から離反する方向に徐々に回転するように移動する。
【0074】
錘ローラ2が無端ベルト1から完全に離反した解除位置となるまで操作レバー63を傾倒させると、くさび状部材71は下限位置まで移動し、これにより、拭き取りローラ4は、くさび状部材71のガイド縁71cによって最も無端ベルト1から離反した解除位置まで移動する。
【0075】
このとき、図示していないが、操作レバー63又は回動板61を解除位置の状態に保持するためのストッパー部材によって錘ローラ2及び拭き取りローラ4の解除状態が保持される。
【0076】
また、操作レバー63を元の当接位置まで戻すと、回動板61の第3の操作杆部613とくさび状部材71との当接状態は解除されるので、くさび状部材71は付勢バネ71dの付勢力によって上動し、これによって拭き取りローラ4は、自重によって無端ベルト1の表面に向けてもたれ掛かるように再び傾倒して当接する。
【0077】
このような連動機構8によっても、上述した連動機構7と同様の効果を発揮することができる。
【0078】
以上の各態様では、拭き取りローラ4は、その回転軸が何ら支持されることのない構成としたが、図8に示すように、拭き取りローラ4の回転軸4aを、例えば一端が規制板14に対して回動軸9aによって回転可能に設けられた支持腕9の他端に回動可能に取り付ける構成としてもよい。
【0079】
この構成においても、拭き取りローラ4は、支持腕9の回動軸9aを中心として、その自重によって無端ベルト1の表面に対してもたれ掛かるように傾倒することによって当接させることができ、その解除も、上述したように、くさび状部材71によって同様に行うことができる。
【0080】
また、以上の態様では、押圧部材として錘ローラ2を用い、記録媒体の搬送に従動して回転する構成としたが特に限定されず、この押圧部材は、例えば記録媒体との当接面が曲面状に形成され、無端ベルト1の幅方向に亘って架け渡される板状体や、無回転に架け渡された棒状体等であってもよい。
【0081】
更に、以上の態様では、洗浄液除去部材として不織布ローラからなる拭き取りローラ4を用い、無端ベルト1の回転移動に従動して回転する構成としたが特に限定されず、この洗浄液除去部材は、無端ベルト1の表面に対して当接及び離反可能なブレード状等に形成されたスポンジ等の吸液部材によって構成してもよい。
【符号の説明】
【0082】
100:ベルト搬送装置
200:画像記録装置
P:記録媒体
Pa:搬入端
Pb:排出端
1:無端ベルト
11:駆動ローラ
12:従動ローラ
13:従動ローラ受け基板
14:規制板
14a、14b:ガイド孔
14d:突部
15:支持ローラ
15a:軸
2:錘ローラ(押圧部材)
2a:軸部
21:軸受け板
21a:軸受け溝
21b:ガイド孔
3:洗浄部材
31:散水パイプ
32:ブラシローラ
33:スポンジローラ
34:洗浄槽
4:拭き取りローラ(洗浄液除去部材)
41:両端部
5:記録ヘッド
6:解除機構
61:回動板
61a:回動軸
611:第1の操作杆部
612:第2の操作杆部
613:第3の操作杆部(作動部材)
62:フック部
62a:回動軸
63:操作レバー
7、8:連動機構
71:くさび状部材
71a、71b:ガイドピン
71c:ガイド縁
71d:付勢バネ
72:リンク部材
72a:回動軸
72b、72c:ガイド孔
9:支持腕
9a:回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転移動することにより、記録媒体を載置して搬入を開始する搬入端と該記録媒体を上面から剥離して排出する排出端との間で該記録媒体を密着させて搬送するための無端ベルトと、
前記排出端よりも前記無端ベルトの移動方向下流側に設けられ、前記無端ベルト表面を洗浄液を用いて洗浄するための洗浄部材と、
前記洗浄部材よりも前記無端ベルトの移動方向下流側であって前記搬入端よりも移動方向上流側の前記無端ベルト表面の幅方向に亘って当接及び離反可能に設けられ、前記無端ベルト表面に当接することにより該無端ベルト表面に付着した洗浄液を吸収して除去するための洗浄液除去部材と、
前記無端ベルトの前記搬入端に対して当接及び離反可能に設けられ、前記記録媒体を前記無端ベルト表面に圧接するための押圧部材と、
前記押圧部材を前記無端ベルト表面から離反した解除位置に移動させるための押圧部材解除機構と、
前記押圧部材解除機構による前記押圧部材の離反動作に連動し、前記洗浄液除去部材を前記無端ベルト表面から離反した解除位置に移動させるための連動機構と、を備えることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項2】
前記無端ベルトは、少なくとも前記搬入端側と前記排出端側にそれぞれ配置された2本のローラ間に架け渡されており、
前記洗浄液除去部材は、前記搬入端側の前記ローラに架け渡された部位の前記無端ベルト表面に対して当接及び離反可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載のベルト搬送装置。
【請求項3】
前記洗浄液除去部材は、前記無端ベルトの幅方向に亘って設けられた支持部材によって下方から支持され、前記無端ベルト表面に対して、前記支持部材を支点として、自重のみによって傾倒して当接していることを特徴とする請求項1又は2記載のベルト搬送装置。
【請求項4】
前記連動機構は、先端に行くに従って先窄まりとなるテーパー状のガイド縁を有すると共に該ガイド縁が前記洗浄液除去部材の前記無端ベルト側に接離可能に設けられたくさび状部材と、前記押圧部材解除機構と前記くさび状部材とに亘って設けられ、前記押圧部材解除機構の解除動作を前記くさび状部材の前記洗浄液除去部材に対する接離動作に変換するリンク部材とを有し、
前記押圧部材解除機構の解除動作時に、前記リンク部材を介して、前記くさび状部材の前記ガイド縁を前記洗浄液除去部材に対して前記無端ベルト側から当接させつつ移動させることにより、前記洗浄液除去部材を前記ガイド縁によって案内し、前記支持部材を支点として、前記無端ベルト表面から離反する方向に移動させることを特徴とする請求項3記載のベルト搬送装置。
【請求項5】
前記連動機構は、先端に行くに従って先窄まりとなるテーパー状のガイド縁を有すると共に該先端が前記洗浄液除去部材よりも前記無端ベルト側に接離可能に設けられたくさび状部材と、前記押圧部材解除機構に設けられ、該押圧部材解除機構の解除動作時に前記くさび状部材の端部に当接して該くさび状部材を前記ガイド縁が前記洗浄液除去部材に対して当接する方向に移動させる作動部材とを有し、
前記押圧部材解除機構の解除動作時に、前記作動部材が前記くさび状部材を移動させ、前記くさび状部材の前記ガイド縁を前記洗浄液除去部材に対して前記無端ベルト側から当接させつつ移動させることにより、前記洗浄液除去部材を前記ガイド縁によって案内し、前記支持部材を支点として、前記無端ベルト表面から離反する方向に移動させることを特徴とする請求項3記載のベルト搬送装置。
【請求項6】
前記洗浄液除去部材は、洗浄液を吸収して除去するための不織布を表面に有すると共に、前記無端ベルトの回転移動に従動して回転する不織布ローラであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のベルト搬送装置。
【請求項7】
前記押圧部材は、前記無端ベルトの回転移動に従動して回転すると共に、前記記録媒体を前記無端ベルト表面に対して自重によって押圧する錘ローラであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のベルト搬送装置。
【請求項8】
前記無端ベルトの上面に載置されて搬送される前記記録媒体に向けてインクを吐出することにより画像を記録する記録ヘッドと、
請求項1〜7のいずれかに記載のベルト搬送装置と、を備えることを特徴とする画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−116620(P2012−116620A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267872(P2010−267872)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(305002394)コニカミノルタIJ株式会社 (317)
【Fターム(参考)】