説明

ベンズアルデヒド化合物の製造方法

【課題】置換されていてもよいフェノキシアルキル基をそのオルト位に有するベンズアルデヒド化合物の工業的に有利な製造方法を提供すること。
【解決手段】式(3)


(式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、QおよびQはそれぞれ同一または相異なって水素原子、置換されていてもよいアルキル基等を表す。nは1または2である。)で示されるハロベンゼン化合物と金属マグネシウムとを反応させ、次いで、得られる化合物とホルミル化剤とを反応させることによる、対応するベンズアルデヒド化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンズアルデヒド化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
置換されていてもよいフェノキシアルキル基をそのオルト位に有するベンズアルデヒド化合物の製造方法としては、例えば、ブロモメチルベンゾニトリルとフェノール化合物とを反応させ、得られた化合物を還元する方法が知られている(特許文献1参照。)。しかしながら、かかる製造方法は、原料の入手性、および収率の点で工業的に満足できるものではなかった。
【特許文献1】特開平3−17052号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような状況のもと、本発明者らは、置換されていてもよいフェノキシアルキル基をそのオルト位に有するベンズアルデヒド化合物の製造方法について鋭意検討したところ、ハロアルキル基をそのオルト位に有するハロベンゼン化合物を出発原料として用いて、目的とするベンズアルデヒド化合物を収率よく製造できる方法を見出し、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち本発明は、下記〔1〕項〜〔11〕項に記載の発明を提供するものである。
〔1〕式(3)

(式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、QおよびQはそれぞれ同一または相異なって水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルカンカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、置換されていてもよいアルカンスルホニルオキシ基、置換されていてもよいベンゼンスルホニルオキシ基、トリアルキルシリルオキシ基または置換されていてもよいアリールオキシ基を表す。nは1または2である。)
で示されるハロベンゼン化合物と金属マグネシウムとを反応させ、次いで、得られる化合物とホルミル化剤とを反応させる式(4)

(式中、Q、Q、Arおよびnはそれぞれ上記と同一の意味を表す。)
で示されるベンズアルデヒド化合物の製造方法。
〔2〕式(3)で示されるハロベンゼン化合物と金属マグネシウムの反応により得られる化合物とホルミル化剤の反応が、式(3)で示されるハロベンゼン化合物と金属マグネシウムの反応により得られる化合物にホルミル化剤を加えることにより実施される〔1〕項に記載の製造方法。
〔3〕ホルミル化剤が、N,N−ジアルキルホルムアミド、ギ酸エステルおよびトリアルコキシメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種のホルミル化剤である〔1〕項または〔2〕項に記載の製造方法。
〔4〕ホルミル化剤が、N,N−ジアルキルホルムアミドである〔1〕項または〔2〕項に記載の製造方法。
〔5〕N,N−ジアルキルホルムアミドが、N,N−ジメチルホルムアミドである〔4〕項に記載の製造方法。
〔6〕nが1である〔1〕項〜〔5〕項のいずれかに記載の製造方法。
〔7〕Arが2,5−ジメチルフェニル基である〔1〕項〜〔6〕項のいずれかに記載の製造方法。
〔8〕式(3)で示されるハロベンゼン化合物が、式(1)

(式中、X、Q、Qおよびnはそれぞれ上記と同一の意味を表し、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示されるハロベンゼン化合物と式(2)

(式中、Arは上記と同一の意味を表す。)
で示されるフェノール化合物とを塩基の存在下で反応させて得られる〔1〕項〜〔7〕項のいずれかに記載の製造方法。
〔9〕式(1)で示されるハロベンゼン化合物と式(2)で示されるフェノール化合物の反応が、式(2)で示されるフェノール化合物と塩基とを混合して得られる混合物に、式(1)で示されるハロベンゼン化合物を加える方法により実施される〔8〕項に記載の製造方法。
〔10〕式(1)で示されるハロベンゼン化合物と式(2)で示されるフェノール化合物との反応が、さらに相間移動触媒の存在下に実施される〔8〕項または〔9〕項に記載の製造方法。
〔11〕相間移動触媒が、四級アンモニウム塩である〔10〕項に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、医農薬中間体等として有用な置換されていてもよいフェノキシアルキル基をそのオルト位に有するベンズアルデヒド化合物を収率よく製造できるため、工業的に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0007】
上記式(3)において、QおよびQで示される基のうち、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。かかるアルキル基上に置換されていてもよい基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等の炭素数1〜4のアルキルチオ基;フェニルチオ基;メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等のフッ素原子で置換されていてもよいアルカンスルホニル基;ベンゼンスルホニル基、パラトルエンスルホニル基、オルトニトロベンゼンスルホニル基等のアルキル基またはニトロ基で置換されていてもよいベンゼンスルホニル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ベンジルメチルアミノ基、ジベンジルアミノ基等のフェニル基で置換されていてもよいジアルキルアミノ基;等が例示される。これらの基で置換されたアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基、メタンスルホニルメチル基、トリフルオロメタンスルホニルメチル基、4−ベンゼンスルホニルメチル基、4−ニトロベンゼンスルホニルメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジイソプロピルアミノメチル基、ジベンジルアミノメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−メチルチオエチル基、2−フェニルチオエチル基、2−メタンスルホニルエチル基、2−トリフルオロメタンスルホニルエチル基、2−ベンゼンスルホニルエチル基、2−(4−ニトロベンゼンスルホニルエチル)基、2−ジメチルアミノエチル基、2−ジエチルアミノエチル基、2−ジイソプロピルアミノエチル基、2−ジベンジルアミノエチル基等が挙げられる。
【0008】
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。かかるアルコキシ基上に置換されていてもよい基としては、フッ素原子が挙げられ、かかる基で置換されたアルコキシ基の具体例としては、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等が挙げられる。
【0009】
アルカンカルボニルオキシ基としては、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ネオペンタンカルボニルオキシ基等の炭素数2〜6のアルカンカルボニルオキシ基が挙げられる。かかるアルカンカルボニルオキシ基上に置換されていてもよい基としては、フェニル基、ナフチル基等が例示される。これらの基で置換されたアルカンカルボニルオキシ基の具体例としては、フェニルアセトキシ基、ナフチルアセトキシ基等が挙げられる。
【0010】
アルカンスルホニルオキシ基としては、例えばメタンスルホニルオキシ基等の炭素数1〜4のアルカンスルホニルオキシ基が挙げられる。かかるアルカンスルホニルオキシ基上に置換されていてもよい基としては、フッ素原子が例示され、かかる基で置換されたアルカンスルホニルオキシ基の具体例としては、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
【0011】
ベンゼンスルホニルオキシ基上に置換されていてもよい基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基やニトロ基等が例示される。これらの基で置換されたベンゼンスルホニルオキシ基の具体例としては、パラトルエンスルホニルオキシ基、オルトニトロベンゼンスルホニルオキシ基、パラニトロベンゼンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
【0012】
トリアルキルシリルオキシ基としては、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリプロピルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基等の炭素数1〜4のトリアルキルシリルオキシ基が挙げられる。
【0013】
アリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜10のアリールオキシ基が挙げられる。かかるアリールオキシ基上に置換されてもよい基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;フッ素原子;等が例示される。これらの基で置換されたアリールオキシ基の具体例としては、4−メチルフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−エトキシフェノキシ基、2−フルオロフェノキシ基、4−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基等が挙げられる。
【0014】
上記式(3)において、Arで示されるフェニル基上に置換されていてもよい基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基およびフッ素原子が例示される。これらの基で置換されたフェニル基としては、例えば2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、5−メチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、5−エチルフェニル基、2,5−ジエチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,4,6−トリエチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、5−プロピルフェニル基、2,5−ジプロピルフェニル基、2,4−ジプロピルフェニル基、2,6−ジプロピルフェニル基、2,4,6−トリプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、5−イソプロピルフェニル基、2,5−イソプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、5−ブチルフェニル基、2,5−ジブチルフェニル基、2,4−ジブチルフェニル基、2,6−ジブチルフェニル基、2,4,6−トリブチルフェニル基、2−イソブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、5−イソブチルフェニル基、2,5−ジイソブチルフェニル基、2,4−ジイソブチルフェニル基、2,6−ジイソブチルフェニル基、2,4,6−トリイソブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、5−tert−ブチルフェニル基、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。なかでも、2,5−ジメチルフェニル基が好ましい。
【0015】
上記式(3)で示されるハロベンゼン化合物(以下、ハロベンゼン化合物(3)と略記する。)としては、例えば2−フェノキシメチルブロモベンゼン、2−(2−メチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(4−メチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(5−メチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4,6−トリメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2−エチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(4−エチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(5−エチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,5−ジエチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4−ジエチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジエチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4,6−トリエチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2−プロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(4−プロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(5−プロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,5−ジプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4−ジプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼンル、2−(2,6−ジプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4,6−トリプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2−イソプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(4−イソプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼンル、2−(5−イソプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,5−イソプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4−ジイソプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジイソプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4,6−トリイソプロピルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2−ブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(4−ブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(5−ブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,5−ジブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4−ジブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4,6−トリブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2−イソブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(4−イソブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(5−イソブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,5−ジイソブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4−ジイソブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジイソブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4,6−トリイソブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2−tert−ブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(4−tert−ブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(5−tert−ブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,5−ジ−tert−ブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2−フルオロフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(4−フルオロフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4−ジフルオロフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−ペンタフルオロフェノキシメチルブロモベンゼン、2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシエチル)]ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−tert−ブチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,6−ジメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,6−ジ−tert−ブチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メトキシメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−エトキシメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メチルチオメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−フェニルチオメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メタンスルホニルメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリフルオロメタンスルホニルメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−パラトルエンスルホニルメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ジメチルアミノメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ジエチルアミノメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ジイソプロピルアミノメチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メトキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−エトキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリフルオロメトキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ペンタフルオロエトキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロポキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジメトキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−アセトキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ベンゾイルオキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−フェニルアセトキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジアセトキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジベンゾイルオキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4、5−ジ(フェニルアセトキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メタンスルホニルオキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジメタンスルホニルオキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−パラトルエンスルホニルオキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−パラニトロベンゼンスルホニルオキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(パラトルエンスルホニルオキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(パラニトロベンゼンスルホニルオキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリメチルシリルオキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリエチルシリルオキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(トリメチルシリルオキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(トリエチルシリルオキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−フェノキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−フェノキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(2−メチルフェノキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(2,4-ジメチルフェノキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(4−メトキシフェノキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(2−フルオロフェノキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(4−フルオロフェノキシ)ブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ペンタフルオロフェノキシブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メチル−6−エチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メトキシ−6−メチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ジメチルアミノメチル−6−メチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−アセトキシ−6−メチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メタンスルホニルオキシ−6−メチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−パラトルエンスルホニルオキシ−6−メチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリメチルシリルオキシ−6−メチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メトキシメチル−6−tert−ブチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−アセトキシ−6−tert−ブチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メタンスルホニルオキシ−6−tert−ブチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−パラトルエンスルホニルオキシ−6−tert−ブチルブロモベンゼン、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリメチルシリルオキシ−6−tert−ブチルブロモベンゼン等が挙げられる。
【0016】
金属マグネシウムは、通常、市販のものをそのまま用いる。その使用量は、ハロベンゼン化合物(3)に対し、通常0.9モル倍以上であればよく、その上限は特にないが、好ましくは1〜3モル倍の範囲である。
【0017】
ハロベンゼン化合物(3)と金属マグネシウムの反応をスムーズに進行させるために、添加剤の存在下で本反応を行ってもよい。かかる添加剤としては、例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジヨードエタン等の炭素数1または2のハロゲン化アルキル化合物;臭化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、ヨウ化エチルマグネシウム、臭化プロピルマグネシウム、ヨウ化プロピルマグネシウム等の炭素数1〜3のハロゲン化アルキルマグネシウム化合物;臭化フェニルマグネシウム、ヨウ化フェニルマグネシウム等の炭素数6〜10のハロゲン化アリールマグネシウム化合物;ヨウ素;等が挙げられる。これら添加剤は、通常、市販のものをそのまま用いてもよいし、炭素数1〜3のハロゲン化アルキルマグネシウム化合物や炭素数6〜10のハロゲン化アリールマグネシウム化合物を用いる場合は、金属マグネシウムと、対応するハロゲン化アルキル化合物またはハロゲン化アリール化合物とを反応させる方法(例えば、日本化学会編「新実験化学講座12有機金属化学」丸善株式会社(1976年)の第4章参照。)等の公知の方法に従って製造したものを用いてもよい。添加剤の使用量は、ハロベンゼン化合物(3)に対し、通常0.01モル倍以上であり、その上限は特にない。好ましくは0.03〜0.5モル倍の範囲である。
【0018】
ハロベンゼン化合物(3)と金属マグネシウムの反応は、通常、溶媒の存在下で実施される。かかる溶媒としては、例えば、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル溶媒;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。また、溶媒は前記ハロベンゼン化合物(1)とフェノール化合物(2)の反応またはその後処理に用いた溶媒であってもよい。エーテル溶媒と芳香族溶媒とを同時に用いることが好ましく、テトラヒドロフランとトルエンとを同時に用いることがより好ましい。溶媒の使用量は特に限定されないが、経済性の観点から、ハロベンゼン化合物(3)に対して、通常100重量倍以下である。
【0019】
ハロベンゼン化合物(3)と金属マグネシウムの反応温度は、通常−40℃以上、溶媒の沸点以下の範囲であり、好ましくは10〜50℃の範囲である。常圧下で本反応を行ってもよいし、加圧下で本反応を行ってもよい。ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により、反応の進行を確認することができる。
【0020】
本反応は、ハロベンゼン化合物(3)と金属マグネシウムとを混合することにより実施され、それらの混合順序は、特に限定されない。例えば、ハロベンゼン化合物(3)と金属マグネシウムとを混合した後に、混合物を所定の反応温度に調整する方法;所定の反応温度条件下でハロベンゼン化合物(3)と金属マグネシウムとを同時に混合する方法;所定の反応温度条件下でハロベンゼン化合物(3)に金属マグネシウムを加える方法;所定の反応温度条件下で金属マグネシウムにハロベンゼン化合物(3)を加える方法;等が挙げられる。なかでも、所定の反応温度条件下で金属マグネシウムにハロベンゼン化合物(3)を加える方法が好ましい。
【0021】
かくして得られる反応混合物には、通常、式(5)

(式中、X、Q、Q、Arおよびnはそれぞれ上記と同一の意味を表す。)
で示されるグリニヤー化合物(以下、グリニヤー化合物(5)と略記する。)が含まれている。次のホルミル化剤との反応には、通常、該反応混合物をそのまま供するが、上記本反応の溶媒で希釈した後に供してもよいし、濃縮処理した後に供してもよい。
【0022】
ホルミル化剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のN,N−ジアルキルホルムアミド;メチルギ酸エステル、エチルギ酸エステル、フェニルギ酸エステル等のギ酸エステル;オルトギ酸メチル等のトリアルコキシメタン;等が挙げられる。N,N−ジアルキルホルムアミド、ギ酸エステルおよびトリアルコキシメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種のホルミル化剤を用いることが好ましく、N,N−ジアルキルホルムアミドがより好ましく、N,N−ジメチルホルムアミドがさらに好ましい。ホルミル化剤の使用量は、グリニヤー化合物(5)に対して、通常0.9モル倍以上であればよく、その上限は特にないが、好ましくは1〜3モル倍の範囲である。
【0023】
グリニヤー化合物(5)とホルミル化剤の反応は、通常、溶媒の存在下で実施される。かかる溶媒としては、ハロベンゼン化合物(3)と金属マグネシウムの反応における溶媒として例示したと同じ溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は特に限定されないが、経済性の観点から、グリニヤー化合物(5)に対して、通常100重量倍以下である。
【0024】
グリニヤー化合物(5)とホルミル化剤の反応温度は、通常−40℃以上、溶媒の沸点以下の範囲であり、好ましくは10〜50℃の範囲である。常圧下で本反応を行ってもよいし、加圧下で本反応を行ってもよい。ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により、反応の進行を確認することができる。
【0025】
本反応は、グリニヤー化合物(5)とホルミル化剤とを混合することにより実施され、それらの混合順序は、特に限定されない。例えば、グリニヤー化合物(5)とホルミル化剤とを混合した後に、混合物を所定の反応温度に調整する方法;所定の反応温度条件下でグリニヤー化合物(5)とホルミル化剤とを同時に混合する方法;所定の反応温度条件下でグリニヤー化合物(5)にホルミル化剤を加える方法;所定の反応温度条件下でホルミル化剤にグリニヤー化合物(5)を加える方法;等が挙げられる。なかでも、所定の反応温度条件下でグリニヤー化合物(5)にホルミル化剤を加える方法が好ましい。
【0026】
かくして得られる反応混合物には、通常、上記式(4)で示されるベンズアルデヒド化合物(以下、ベンズアルデヒド化合物(4)と略記する。)が主生成物として含まれる。該反応混合物に、必要により酸洗浄や水洗浄等の後処理を施した後、得られる混合物に、例えば濃縮、晶析、ろ過等の通常の単離操作を施すことによりベンズアルデヒド化合物(4)を単離することができる。また、単離されたベンズアルデヒド化合物(4)を、さらに再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段により、精製することもできる。
【0027】
得られるベンズアルデヒド化合物(4)としては、例えば2−(4−メチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−フェノキシメチルベンズアルデヒド、2−(2−メチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(4−メチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン、2−(5−メチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4−ジメチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4,6−トリメチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2−エチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(4−エチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(5−エチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,5−ジエチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4−ジエチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジエチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4,6−トリエチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2−プロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(4−プロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(5−プロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,5−ジプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4−ジプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4,6−トリプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2−イソプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(4−イソプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(5−イソプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,5−イソプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4−ジイソプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジイソプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4,6−トリイソプロピルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2−ブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(4−ブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(5−ブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,5−ジブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4−ジブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4,6−トリブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2−イソブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(4−イソブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(5−イソブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,5−ジイソブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4−ジイソブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジイソブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4,6−トリイソブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2−tert−ブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(4−tert−ブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(5−tert−ブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,5−ジ−tert−ブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2−フルオロフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(4−フルオロフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4−ジフルオロフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−(2,4,6−トリフルオロフェノキシメチル)ベンズアルデヒド、2−ペンタフルオロフェノキシメチルベンズアルデヒド、2−[2−(2,5−ジメチルフェノキシエチル)]ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−tert−ブチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,6−ジメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,6−ジ−tert−ブチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メトキシメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−エトキシメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メチルチオメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−フェニルチオメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メタンスルホニルメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリフルオロメタンスルホニルメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−パラトルエンスルホニルメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ジメチルアミノメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ジエチルアミノメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ジイソプロピルアミノメチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メトキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−エトキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリフルオロメトキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ペンタフルオロエトキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロポキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジメトキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−アセトキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ベンゾイルオキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−フェニルアセトキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジアセトキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジベンゾイルオキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(フェニルアセトキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メタンスルホニルオキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジメタンスルホニルオキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−パラトルエンスルホニルオキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−パラニトロベンゼンスルホニルオキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(パラトルエンスルホニルオキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(パラニトロベンゼンスルホニルオキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリメチルシリルオキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリエチルシリルオキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−tert−ブチルジメチルシリルオキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(トリメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(トリエチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4,5−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−フェノキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−フェノキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(2−メチルフェノキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(2,4−ジメチルフェノキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(4−メトキシフェノキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(2−フルオロフェノキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−(4−フルオロフェノキシ)ベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ペンタフルオロフェノキシベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メチル−6−エチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メトキシ−6−メチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−ジメチルアミノメチル−6−メチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−アセトキシ−6−メチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メタンスルホニルオキシ−6−メチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−パラトルエンスルホニルオキシ−6−メチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリメチルシリルオキシ−6−メチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メトキシメチル−6−tert−ブチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−アセトキシ−6−tert−ブチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−メタンスルホニルオキシ−6−tert−ブチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−パラトルエンスルホニルオキシ−6−tert−ブチルベンズアルデヒド、2−(2,6−ジメチルフェノキシメチル)−4−トリメチルシリルオキシ−6−tert−ブチルベンズアルデヒド等が挙げられる。
【0028】
本発明に用いるハロベンゼン化合物(3)は、上記式(1)で示されるハロベンゼン化合物(以下、ハロベンゼン化合物(1)と略記する。)と上記式(2)で示されるフェノール化合物(以下、フェノール化合物(2)と略記する。)とを塩基の存在下で反応させることにより、製造することができる。
【0029】
ハロベンゼン化合物(1)としては、例えば2−フルオロメチルクロロベンゼン、2−フルオロメチルブロモベンゼン、2−フルオロメチルヨードベンゼン、2−クロロメチルクロロベンゼン、2−クロロメチルブロモベンゼン、2−クロロメチルヨードベンゼン、2−ブロモメチルクロロベンゼン、2−ブロモメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチルヨードベンゼン、2−ヨードメチルクロロベンゼン、2−ヨードメチルブロモベンゼン、2−ヨードメチルヨードベンゼン、2−(2−クロロエチル)クロロベンゼン、2−(2−ブロモエチル)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−イソプロピルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−tert−ブチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,6−ジメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,6−ジ−tert−ブチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メトキシメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−エトキシメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メチルチオメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−フェニルチオメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メタンスルホニルメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−トリフルオロメタンスルホニルメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−パラトルエンスルホニルメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−ジメチルアミノメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−ジエチルアミノメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−ジイソプロピルアミノメチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メトキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−エトキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−トリフルオロメトキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−ペンタフルオロエトキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−(2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロポキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジメトキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−アセトキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−ベンゾイルオキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−フェニルアセトキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジアセトキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジベンゾイルオキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジ(フェニルアセトキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メタンスルホニルオキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジメタンスルホニルオキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジ(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−パラトルエンスルホニルオキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−パラニトロベンゼンスルホニルオキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジ(パラトルエンスルホニルオキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジ(パラニトロベンゼンスルホニルオキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−トリメチルシリルオキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−トリエチルシリルオキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−tert−ブチルジメチルシリルオキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジ(トリメチルシリルオキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジ(トリエチルシリルオキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4,5−ジ(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−フェノキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−フェノキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−(2−メチルフェノキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−(2,4−ジメチルフェノキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−(4−メトキシフェノキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−(2−フルオロフェノキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−(4−フルオロフェノキシ)ブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−ペンタフルオロフェノキシブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メチル−6−エチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メトキシ−6−メチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−ジメチルアミノメチル−6−メチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−アセトキシ−6−メチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メタンスルホニルオキシ−6−メチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−パラトルエンスルホニルオキシ−6−メチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−トリメチルシリルオキシ−6−メチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メトキシメチル−6−tert−ブチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−アセトキシ−6−tert−ブチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−メタンスルホニルオキシ−6−tert−ブチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−パラトルエンスルホニルオキシ−6−tert−ブチルブロモベンゼン、2−ブロモメチル−4−トリメチルシリルオキシ−6−tert−ブチルブロモベンゼン等が挙げられる。ハロベンゼン化合物(1)は、市販のものを用いてもよいし、例えば、Synlett,18,2837(2005)やSyn.Comm.,11,669(1981)等に記載の公知の方法により製造して用いてもよい。
【0030】
フェノール化合物(2)としては、例えば2−メチルフェノール、4−メチルフェノール、5−メチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、4−エチルフェノール、5−エチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、2,4−ジエチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2,4,6−トリエチルフェノール、2−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、5−プロピルフェノール、2,5−ジプロピルフェノール、2,4−ジプロピルフェノール、2,6−ジプロピルフェノール、2,4,6−トリプロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、5−イソプロピルフェノール、2,5−イソプロピルフェノール、2,4−ジイソプロピルフェノール、2,6−ジイソプロピルフェノール、2,4,6−トリイソプロピルフェノール、2−ブチルフェノール、4−ブチルフェノール、5−ブチルフェノール、2,5−ジブチルフェノール、2,4−ジブチルフェノール、2,6−ジブチルフェノール、2,4,6−トリブチルフェノール、2−イソブチルフェノール、4−イソブチルフェノール、5−イソブチルフェノール、2,5−ジイソブチルフェノール、2,4−ジイソブチルフェノール、2,6−ジイソブチルフェノール、2,4,6−トリイソブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、5−tert−ブチルフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール等が挙げられる。なかでも、2,5−ジメチルフェノールが好ましい。フェノール化合物(2)は、市販のものを用いてもよいし、例えば、J.Am.Chem.Soc.,128,10694(2006)、Tetrahedron Letters,30,5215(1989)、特開2002−3426号公報等に記載の公知の方法により製造して用いてもよい。
【0031】
ハロベンゼン化合物(1)とフェノール化合物(2)の使用量は特に限定されず、いずれか一方を、他方に対して10モル倍以上用いてもよいが、通常、ハロベンゼン化合物(1)に対して、フェノール化合物(2)を0.1〜10モル倍、好ましくは1〜3モル倍の範囲で用いる。
【0032】
塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の三級アミン;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等の水素化アルカリ金属化合物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸アルカリ金属化合物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等の炭酸水素アルカリ金属化合物等が挙げられる。その使用量は、ハロベンゼン化合物(1)およびフェノール化合物(2)のうち、使用モル量が少ない方に対して、通常1モル倍以上用いればよく、その上限は特にないが、好ましくは1〜3モル倍の範囲である。
【0033】
ハロベンゼン化合物(1)とフェノール化合物(2)の反応は、通常、溶媒の存在下で実施される。かかる溶媒としては、例えば、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル溶媒;水;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。水と芳香族溶とを同時に用いることが好ましく、水とトルエンとを同時に用いることがより好ましい。溶媒の使用量は特に限定されないが、経済性の観点から、ハロベンゼン化合物(1)に対して、通常100重量倍以下である。
【0034】
ハロベンゼン化合物(1)とフェノール化合物(2)の反応は、相間移動触媒の存在下に実施されることが好ましい。かかる相間移動触媒としては、例えば、臭化テトラn−ブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、硫酸水素テトラn−ブチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩;臭化トリフェニルホスフィン等のホスホニウム塩;18−クラウン−6、ポリエチレングリコール等のポリエーテル化合物;等が挙げられる。なかでも、四級アンモニウム塩が好ましく、臭化テトラn−ブチルアンモニウムがより好ましい。相間移動触媒の使用量は、ハロベンゼン化合物(1)およびフェノール化合物(2)のうち、使用モル量が少ない方に対し、通常0.01モル倍以上であればよい。好ましくは0.05〜1モル倍の範囲である。
【0035】
ハロベンゼン化合物(1)とフェノール化合物(2)の反応をスムーズに進行させるために、ヨウ素化合物の存在下で本反応を行ってもよい。かかるヨウ素化合物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム等のアルカリ金属ヨウ化物や、ヨウ素等が挙げられる。ヨウ素化合物は、通常、市販のものをそのまま用いる。ヨウ素化合物の使用量は、ハロベンゼン化合物(1)およびフェノール化合物(2)のうち、使用モル量が少ない方に対し、通常0.01モル倍以上であり、その上限は特にない。好ましくは0.05〜1モル倍の範囲である。
【0036】
反応温度は、通常−5℃以上、溶媒の沸点以下の範囲であり、好ましくは10〜100℃の範囲である。常圧下で本反応を行ってもよいし、加圧下で本反応を行ってもよい。ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により、反応の進行を確認することができる。
【0037】
本反応は、ハロベンゼン化合物(1)とフェノール化合物(2)と塩基とを混合することにより実施され、それらの混合順序は、特に限定されない。例えば、ハロベンゼン化合物(1)、フェノール化合物(2)および塩基を混合した後に、混合物を所定の反応温度に調整する方法;所定の反応温度条件下でハロベンゼン化合物(1)、フェノール化合物(2)および塩基を同時に混合する方法;所定の反応温度に調整したハロベンゼン化合物(1)とフェノール化合物(2)とを含む混合物中に、塩基を加える方法;所定の反応温度に調整したハロベンゼン化合物(1)と塩基とを含む混合物中に、フェノール化合物(2)を加える方法;所定の反応温度に調整したフェノール化合物(2)と塩基とを含む混合物中に、ハロベンゼン化合物(1)を加える方法;等が挙げられる。なかでも、所定の反応温度に調整したフェノール化合物(2)と塩基とを含む混合物中に、ハロベンゼン化合物(1)を加える方法が好ましい。
【0038】
かくして得られる反応混合物には、通常、ハロベンゼン化合物(3)が主生成物として含まれる。該反応混合物を、そのまま上述の金属マグネシウムとの反応に供してもよいが、通常、後処理した後に供する。かかる後処理としては、例えば、中和処理、分液処理等が挙げられる。後処理により得られた混合物を、そのまま上述の金属マグネシウムとの反応に供してもよいし、濃縮、晶析、ろ過等の通常の手段によりハロベンゼン化合物(3)を単離してから供してもよい。また、単離されたハロベンゼン化合物(3)をさらに再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の通常の手段により精製してから供してもよい。
【実施例】
【0039】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
1000ml容の丸底フラスコに、2,5−ジメチルフェノール25.7g(210mmol)とトルエン200mlを仕込み、得られた溶液に、臭化テトラn−ブチルアンモニウム3.2g(10mmol)を加え、室温にて40重量%水酸化ナトリウム水溶液22.0g(220mmol)を滴下した。滴下終了後、得られた混合物を90℃まで昇温し、2時間攪拌した。得られた混合物を60℃まで冷却し、内温60℃を保ちながら、そこに、2−ブロモメチルブロモベンゼン50.0g(200mmol)とトルエン50mlの混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を同温度で3時間攪拌した。
得られた反応混合物を室温まで冷却し、そこに、15重量%水酸化ナトリウム水溶液125.0gを加えて混合し、得られた混合物を分液処理した。得られた有機層を10重量%水酸化ナトリウム水溶液125.0gで2回洗浄処理し、次いで、水75.0gで洗浄処理した。得られた有機層から、トルエンの一部と水を減圧留去することにより、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼンを含む溶液131.0gを得た。該溶液を高速液体クロマトグラフィー内部標準法にて分析したところ、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼンの含量は40.0重量%であった。
収率:90.0% (2−ブロモメチルブロモベンゼン基準)
【0040】
実施例2
500ml容の丸底フラスコに、金属マグネシウム5.0g(206mmol)とテトラヒドロフラン15.7mlを仕込み、得られた混合物を35℃に調整し、そこに、実施例1で得た2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼンを含む溶液のうち13.1g(18.0mmol)を15分間かけて滴下したところ、内温が40℃まで上昇した。前記発熱を確認した後、内温40℃を保ちながら、さらに、実施例1で得た2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼンを含む溶液117.9g(162.0mmol)とテトラヒドロフラン36.7gとの混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて3時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、そこに、N,N−ジメチルホルムアミドのトルエン溶液52.5g(含量:50.1重量%、360mmol)を1時間かけて滴下した後、室温で1時間攪拌し、反応混合物を得た。
500ml容の丸底フラスコに、20重量%硫酸水溶液132.4gを仕込み、内温を25℃に保ちながら、そこに、上記の反応混合物を1時間かけて滴下した後、そこに、20重量%硫酸水溶液を10.0g加えることにより、得られた混合物中の水層のpHを5.0に調整した。該混合物を分液処理し、得られた有機層を水104.8gで洗浄処理し、次いで、5重量%水酸化ナトリウム水溶液104.8gで洗浄処理した。得られた有機層から、トルエンの一部と水を減圧留去することにより、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒドを含む溶液159.4gを得た。該溶液を高速液体クロマトグラフィー内部標準法にて分析したところ、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒドの含量は24.8重量%であった。
収率:91.4% (2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン基準)
【0041】
実施例3
300ml容の丸底フラスコに、2,5−ジメチルフェノール13.5g(110mmol)とトルエン120mlを仕込み、得られた溶液に、臭化テトラn−ブチルアンモニウム1.62g(5.00mmol)を加え、室温にて40重量%水酸化ナトリウム水溶液10.5g(105mmol)を滴下した。滴下終了後、得られた混合物を90℃まで昇温し、2時間攪拌した。得られた混合物を60℃まで冷却し、内温60℃を保ちながら、そこに、2−ブロモメチルブロモベンゼン25.1g(100mmol)とトルエン30mlの混合溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を同温度で3時間攪拌した。
得られた反応混合物を室温まで冷却し、そこに、15重量%水酸化ナトリウム水溶液37.6gを加えて混合し、得られた混合物を分液処理した。得られた有機層を10重量%水酸化ナトリウム水溶液50.0gで2回洗浄処理し、次いで、水37.6gで洗浄処理した。得られた有機層から、トルエンの一部と水を減圧留去することにより、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼンを含む溶液85.1gを得た。該溶液を高速液体クロマトグラフィー内部標準法にて分析したところ、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼンの含量は31.7重量%であった。
収率:92.5% (2−ブロモメチルブロモベンゼン基準)
【0042】
実施例4
100ml容の丸底フラスコに、金属マグネシウム1.2g(49mmol)とテトラヒドロフラン5.0mlを仕込み、得られた混合物を35℃に調整し、そこに、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼンのトルエン溶液4.0g(含量:29.1重量%、4.0mmol)を15分間かけて滴下したところ、内温が40℃まで上昇した。前記発熱を確認した後、内温40℃を保ちながら、さらに、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼンのトルエン溶液36.0g(含量:30.6重量%、37.8mmol)とテトラヒドロフラン8.6gとの混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて3時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、そこに、N,N−ジメチルホルムアミドのトルエン溶液12.2g(含量:50.1重量%、84.0mmol)を1時間かけて滴下した後、室温で1時間攪拌し、反応混合物を得た。
200ml容の丸底フラスコに、20重量%硫酸水溶液30.9gを仕込み、内温を25℃に保ちながら、そこに、上記の反応混合物を1時間かけて滴下した後、そこに、20重量%硫酸水溶液を3.0g加えることにより、得られた混合物中の水層のpHを4.8に調整した。該混合物を分液処理し、得られた有機層を水24.5gで洗浄処理し、次いで、5重量%水酸化ナトリウム水溶液24.5gで洗浄処理した。得られた有機層から、トルエンの一部と水を減圧留去することにより、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒドを含む溶液39.5gを得た。該溶液を高速液体クロマトグラフィー内部標準法にて分析したところ、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒドの含量は25.0重量%であった。
収率:92.0% (2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン基準)
【0043】
実施例5
30ml容の丸底フラスコに、金属マグネシウム180mg(7.4mmol)とテトラヒドロフラン0.5mLとを仕込んだ。得られた混合物を35℃に調整し、そこに、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼンのトルエン溶液0.6g(含量:32.7重量%、0.7mmol)を15分間かけて滴下したところ、内温が40℃まで上昇した。前記発熱を確認した後、内温40℃を保ちながら、さらに、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼンのトルエン溶液5.4g(含量:32.7重量%、6.1mmol)とテトラヒドロフラン1.0gとの混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度にて3時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、0℃に調整したN,N−ジメチルホルムアミドのトルエン溶液2.0g(含量:50.1重量%、13.7mmol)に1時間かけて滴下した。得られた混合物を、室温で1時間攪拌し、反応混合物を得た。
30ml容の丸底フラスコに、10重量%硫酸水溶液10.8gを仕込み、内温を25℃に保ちながら、そこに、上記の反応混合物を1時間かけて滴下した後、そこに、20重量%硫酸水溶液0.3gを加えることにより、得られた混合物中の水層のpHを4.8に調整した。該混合物を分液処理し、得られた有機層を水10.8gで洗浄処理した。得られた有機層から、トルエンの一部と水を減圧留去することにより、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒドを含む溶液1.72gを得た。該溶液を高速液体クロマトグラフィー内部標準法にて分析したところ、2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ベンズアルデヒドの含量は78.5重量%であった。
収率:83.3% (2−(2,5−ジメチルフェノキシメチル)ブロモベンゼン基準)
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明により得られる置換されていてもよいフェノキシアルキル基をそのオルト位に有するベンズアルデヒド化合物は、例えば農業用殺菌剤の製造中間体として利用可能である(例えば、特開平3−17052号公報参照。)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(3)

(式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、QおよびQはそれぞれ同一または相異なって水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルカンカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、置換されていてもよいアルカンスルホニルオキシ基、置換されていてもよいベンゼンスルホニルオキシ基、トリアルキルシリルオキシ基または置換されていてもよいアリールオキシ基を表す。nは1または2である。)
で示されるハロベンゼン化合物と金属マグネシウムとを反応させ、次いで、得られる化合物とホルミル化剤とを反応させる式(4)

(式中、Q、Q、Arおよびnはそれぞれ上記と同一の意味を表す。)
で示されるベンズアルデヒド化合物の製造方法。
【請求項2】
式(3)で示されるハロベンゼン化合物と金属マグネシウムの反応により得られる化合物とホルミル化剤の反応が、式(3)で示されるハロベンゼン化合物と金属マグネシウムの反応により得られる化合物にホルミル化剤を加えることにより実施される請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ホルミル化剤が、N,N−ジアルキルホルムアミド、ギ酸エステルおよびトリアルコキシメタンからなる群から選ばれる少なくとも1種のホルミル化剤である請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
ホルミル化剤が、N,N−ジアルキルホルムアミドである請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項5】
N,N−ジアルキルホルムアミドが、N,N−ジメチルホルムアミドである請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
nが1である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
Arが2,5−ジメチルフェニル基である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
式(3)で示されるハロベンゼン化合物が、式(1)

(式中、X、Q、Qおよびnはそれぞれ上記と同一の意味を表し、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示されるハロベンゼン化合物と式(2)

(式中、Arは上記と同一の意味を表す。)
で示されるフェノール化合物とを塩基の存在下で反応させて得られる請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
式(1)で示されるハロベンゼン化合物と式(2)で示されるフェノール化合物の反応が、式(2)で示されるフェノール化合物と塩基とを混合して得られる混合物に、式(1)で示されるハロベンゼン化合物を加える方法により実施される請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
式(1)で示されるハロベンゼン化合物と式(2)で示されるフェノール化合物との反応が、さらに相間移動触媒の存在下に実施される請求項8または9に記載の製造方法。
【請求項11】
相間移動触媒が、四級アンモニウム塩である請求項10に記載の製造方法。

【公開番号】特開2009−1554(P2009−1554A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130404(P2008−130404)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】