説明

ベンゼン化合物の製造のための中間体およびその製造方法

【課題】
本発明は、LXR調節作用を有する化合物の製造のための新規な合成中間体、および、その製造方法を提供する。
【解決手段】
式(9)[式中、R1:メチル、エチル、2−プロピル、2−メチル−2−プロピル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、メトキシ、フルオロ、クロロ;R7:(C1−C6アルコキシ)メチル、ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)メチル、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルコキシ)メチル、(C1−C6アルコキシ)エチル、(C1−C6アルキルチオ)メチル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル;R8:置換可エチレン、置換可トリメチレン等]を有する化合物等。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LXR調節作用を有する下記式(I)を有する化合物[本発明において、化合物(I)ともいう。他の式の化合物も同様とする。]の製造のための新規な合成中間体、その製造方法、および、その合成中間体を経由する化合物(I)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
式(Ia)
【化1】


[式中、R1a、R2a、R3a、R4a、R5a、R6a、R7a、R a、X1a、Y1a、および、Y2aは、それぞれWO2006/046593で定義されたR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、X1、Y1、および、Y2を示す]を有する化合物、または、その薬理上許容される塩もしくはエステルは、優れたLXR調節作用を有し、医薬として有用であることが知られている(特許文献1参照)。
化合物(Ia)に包含される式(I)
【0003】
【化2】


[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
2、および、R3は、同一または異なり、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
4、および、R5は、同一または異なり、水素原子、C1−C4アルキル基、ハロゲノC1−C4アルキル基、C3−C6シクロアルキル基、ヒドロキシル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルスルホニル基、アミノ基、C1−C4アルキルアミノ基、ジ(C1−C4アルキル)アミノ基、ホルミル基、(C1−C4アルキル)カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
6は、水素原子、または、メチル基を示し、式−CH(R6)COOHを有する基は、3または4位に置換する]を有する化合物の製造においては、ベンゼン環上に多数の置換基を有する合成中間体を効率的に製造することが重要となる。ベンゼン環上に隣接する4個の置換基を有する化合物(I)の合成中間体[化合物(Z−5)]の製造方法として、Z法が開示されている(特許文献1の実施例6−3から6−6参照)。Z法において、DMFは、ジメチルホルムアミドを示し、MOMは、メトキシメチル基を示し、THPは、テトラヒドロピラニル基を示し、TMEDAは、テトラメチルエチレンジアミンを示す。
【0004】
【化3】


工業的規模での高純度の化合物(I)の製造という観点からは、高純度の合成中間体を経由することが望ましい。しかしながら、Z法における化合物(Z−2)から化合物(Z−5)は、いずれも結晶として得られないため、それらの精製は、工業的規模ではきわめて非効率的で環境負荷の大きいシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって行わなければならない。したがって、効率的な精製が可能な結晶として得られる合成中間体が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/046593号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、化合物(I)の合成中間体の製造方法について鋭意研究を行い、本発明の新規な合成中間体、その製造方法、および、その合成中間体を経由する化合物(I)の製造方法は、公知の合成中間体および製造方法に比較して工業的観点から優れることを見出した。本発明は、上記知見に基づいて完成された。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、化合物(I)の製造のための合成中間体、その製造方法、および、その合成中間体を経由する化合物(I)の製造方法を提供する。
本発明は、下記A法およびB法に示される。
【0008】
【化4】

【0009】
【化5】

【0010】
上記A法またはB法に示された化合物において、各置換基は下記のとおり定義される。
1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、好適には、トリフルオロメチル基である。
2、および、R3は、同一または異なり、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、好適には、水素原子、メチル基、フルオロ基、または、クロロ基であり、最も好適には、水素原子である。
4、および、R5は、同一または異なり、水素原子、C1−C4アルキル基、ハロゲノC1−C4アルキル基、C3−C6シクロアルキル基、ヒドロキシル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルスルホニル基、アミノ基、C1−C4アルキルアミノ基、ジ(C1−C4アルキル)アミノ基、ホルミル基、(C1−C4アルキル)カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、好適には、水素原子、メチル基、エチル基、2−プロピル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、メトキシ基、メタンスルホニル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、または、クロロ基であり、より好適には、水素原子、メチル基、エチル基、2−プロピル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、フルオロ基、または、クロロ基である。
6は、水素原子、または、メチル基を示し、好適には、水素原子である。
7は、(C1−C6アルコキシ)メチル基、ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)エチル基、(C1−C6アルキルチオ)メチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、テトラヒドロピラニル基、または、テトラヒドロチオピラニル基を示し、好適には、(C1−C4アルコキシ)メチル基、(C1−C4アルコキシ)−(C1−C4アルコキシ)メチル基、(C1−C2アルコキシ)エチル基、(C1−C2アルキルチオ)メチル基、テトラヒドロフラニル基、または、テトラヒドロピラニル基であり、より好適には、(C1−C2アルコキシ)メチル基、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C2アルコキシ)メチル基、または、テトラヒドロピラニル基であり、さらに好適には、(C1−C2アルコキシ)メチル基であり、最も好適には、メトキシメチル基である。
8は、エチレン基(-CH2CH2-)、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、トリメチレン基(-CH2CH2CH2-)、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、または、式
【0011】
【化6】


を有する基を示し、好適には、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)であり、より好適には、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C2アルキル基を示す)であり、最も好適には、2,2−ジメチルトリメチレン基[-CH2C(CH3)2CH2-]である。
7bは、(C1−C6アルコキシ)メチル基、ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)エチル基、または、(C1−C6アルキルチオ)メチル基を示し、好適には、(C1−C4アルコキシ)メチル基、(C1−C4アルコキシ)−(C1−C4アルコキシ)メチル基、(C1−C2アルコキシ)エチル基、または、(C1−C2アルキルチオ)メチル基であり、より好適には、(C1−C2アルコキシ)メチル基、または、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C2アルコキシ)メチル基であり、さらに好適には、(C1−C2アルコキシ)メチル基であり、最も好適には、メトキシメチル基である。
bは、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、または、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示し、好適には、クロロ基、または、ブロモ基であり、最も好適には、クロロ基である。
bは、C1−C6アルキル基を示し、好適には、メチル基、または、エチル基であり、最も好適には、メチル基である。
【0012】
本発明は、一つの側面からは、以下の[1]から[14]を提供する。
[1]式(9)
【0013】
【化7】


[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
7は、(C1−C6アルコキシ)メチル基、ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)エチル基、(C1−C6アルキルチオ)メチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、テトラヒドロピラニル基、または、テトラヒドロチオピラニル基を示し、
8は、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、トリメチレン基、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、または、式
【0014】
【化8】


を有する基を示す]を有する化合物。
[2]R1が、トリフルオロメチル基であり、
7が、(C1−C2アルコキシ)メチル基、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C2アルコキシ)メチル基、または、テトラヒドロピラニル基であり、
8が、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)である[1]に記載された化合物。
[3]R1が、トリフルオロメチル基であり、
7が、メトキシメチル基であり、
8が、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C2アルキル基を示す)である[1]に記載された化合物。
[4] 式(9a)
【0015】
【化9】


を有する[1]に記載された化合物。
[5]式(6)
【0016】
【化10】


[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
8は、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、トリメチレン基、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、または、式
【0017】
【化11】


を有する基を示す]を有する化合物。
[6]R1が、トリフルオロメチル基であり、
8が、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)である[5]に記載された化合物。
[7]R1が、トリフルオロメチル基であり、
8が、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C2アルキル基を示す)である[5]に記載された化合物。
[8] 式(6a)
【0018】
【化12】


を有する[5]に記載された化合物。
[9](i)式(6)
【0019】
【化13】


[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
8は、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、トリメチレン基、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、または、式
【0020】
【化14】


を有する基を示す]を有する化合物を、式R7bb[式中、R7bは、(C1−C6アルコキシ)メチル基、ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)エチル基、または、(C1−C6アルキルチオ)メチル基を示し、Xbは、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、または、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す]を有する化合物、または、ジヒドロフラン、ジヒドロチオフラン、ジヒドロピランもしくはジヒドロチオピランと反応させる工程;
(ii)上記(i)で得られた化合物にホルミル基を導入する工程;および、
(iii)上記(ii)で得られた化合物を還元する工程
を含む、
式(9)
【0021】
【化15】


[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
7は、(C1−C6アルコキシ)メチル基、ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)エチル基、(C1−C6アルキルチオ)メチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、テトラヒドロピラニル基、または、テトラヒドロチオピラニル基を示し、
8は、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、トリメチレン基、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、または、式
【0022】
【化16】


を有する基を示す]を有する化合物の製造方法。
[10]R1が、トリフルオロメチル基であり、
7が、(C1−C2アルコキシ)メチル基、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C2アルコキシ)メチル基、または、テトラヒドロピラニル基であり、
8が、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)であり、
工程(i)において式(6)を有する化合物と反応する化合物が、式R7cc[式中、R7cは、(C1−C2アルコキシ)メチル基、または、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C2アルコキシ)メチル基を示し、Xcは、クロロ基、または、ブロモ基を示す]を有する化合物、または、ジヒドロピランである[9]に記載された製造方法。
[11]R1が、トリフルオロメチル基であり、
7が、メトキシメチル基であり、
8が、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C2アルキル基を示す)であり、
工程(i)において式(6)を有する化合物と反応する化合物が、クロロメチルメチルエーテルである[9]に記載された製造方法。
[12]式(6)を有する化合物が、化合物(6a)
【0023】
【化17】


であり、式(9)を有する化合物が、化合物(9a)
【0024】
【化18】


であり、
工程(i)において式(6)を有する化合物と反応する化合物が、クロロメチルメチルエーテルである[9]に記載された製造方法。
[13]式(I)
【0025】
【化19】



[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
2、および、R3は、同一または異なり、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
4、および、R5は、同一または異なり、水素原子、C1−C4アルキル基、ハロゲノC1−C4アルキル基、C3−C6シクロアルキル基、ヒドロキシル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルスルホニル基、アミノ基、C1−C4アルキルアミノ基、ジ(C1−C4アルキル)アミノ基、ホルミル基、(C1−C4アルキル)カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
6は、水素原子、または、メチル基を示し、式−CH(R6)COOHを有する基は、3または4位に置換する]を有する化合物を製造するための合成中間体として使用される[1]乃至[8]のいずれかに記載された化合物。
[14]R1が、トリフルオロメチル基であり、
2、および、R3が、同一または異なり、水素原子、メチル基、フルオロ基、または、クロロ基であり、
4、および、R5が、同一または異なり、水素原子、メチル基、エチル基、2−プロピル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、メトキシ基、メタンスルホニル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、または、クロロ基であり、
6が、水素原子である、[13]に記載された、式(I)を有する化合物を製造するための合成中間体として使用される化合物。
【0026】
本発明において各基は以下の意味を示す。
「C1−C4アルキル基」は、1乃至4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチル−1−プロピル基、または、2−メチル−2−プロピル基であり得、好適には、C1−C3アルキル基であり、より好適には、メチル基、または、エチル基であり、最も好適には、メチル基である。
「ハロゲノC1−C4アルキル基」は、1乃至5個の下記ハロゲノ基で置換された上記C1−C4アルキル基を示し、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、2−フルオロエチル基、2−ブロモエチル基、2−クロロエチル基、2−ヨードエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、または、4,4,4−トリフルオロブチル基であり得、好適には、ハロゲノC1−C3アルキル基であり、より好適には、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、または、ペンタフルオロエチル基であり、最も好適には、トリフルオロメチル基である。
「ハロゲノ基」は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、または、ヨード基であり得、好適には、フルオロ基、クロロ基、または、ブロモ基であり、より好適には、フルオロ基、または、クロロ基であり、最も好適には、フルオロ基である。
「C3−C6シクロアルキル基」は、3乃至6個の炭素原子を有する環状アルキル基を示し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、または、シクロヘキシル基であり得、好適には、C3−C4シクロアルキル基であり、最も好適には、シクロプロピル基である。
「C1−C4アルコキシ基」は、1個の上記C1−C4アルキル基で置換されたヒドロキシル基を示し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、2−プロポキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、または、2−メチル−2−プロポキシ基であり得、好適には、C1−C3アルコキシ基であり、より好適には、メトキシ基、または、エトキシ基であり、最も好適には、メトキシ基である。
「C1−C4アルキルスルホニル基」は、1個の上記C1−C4アルキル基で置換されたスルホニル基(−SO2−)を示し、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、1−プロパンスルホニル基、2−プロパンスルホニル基、1−ブタンスルホニル基、2−ブタンスルホニル基、2−メチル−1−プロパンスルホニル基、または、2−メチル−2−プロパンスルホニル基であり得、好適には、C1−C3アルキルスルホニル基であり、より好適には、メタンスルホニル基、または、エタンスルホニル基であり、最も好適には、メタンスルホニル基である。
「C1−C4アルキルアミノ基」は、1個の上記C1−C4アルキル基で置換されたアミノ基を示し、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、1−プロピルアミノ基、2−プロピルアミノ基、1−ブチルアミノ基、2−ブチルアミノ基、2−メチル−1−プロピルアミノ基、または、2−メチル−2−プロピルアミノ基であり得、好適には、C1−C3アルキルアミノ基であり、より好適には、メチルアミノ基、または、エチルアミノ基であり、最も好適には、メチルアミノ基である。
「ジ(C1−C4アルキル)アミノ基」は、同一または異なる2個の上記C1−C4アルキル基で置換されたアミノ基を示し、例えば、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルプロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、または、ジ(2−メチル−1−プロピル)アミノ基であり得、好適には、ジ(C1−C3アルキル)アミノ基であり、より好適には、ジメチルアミノ基、または、ジエチルアミノ基であり、最も好適には、ジメチルアミノ基である。
【0027】
「(C1−C4アルキル)カルボニル基」は、1個の上記C1−C4アルキル基で置換されたカルボニル基(−CO−)を示し、例えば、メチルカルボニル基(アセチル基)、エチルカルボニル基、(1−プロピル)カルボニル基、(2−プロピル)カルボニル基、(1−ブチル)カルボニル基、(2−ブチル)カルボニル基、(2−メチル−1−プロピル)カルボニル基、または、(2−メチル−2−プロピル)カルボニル基であり得、好適には、(C1−C3アルキル)カルボニル基であり、より好適には、メチルカルボニル基、または、エチルカルボニル基であり、最も好適には、メチルカルボニル基である。
「(C1−C6アルコキシ)メチル基」は、1個の下記C1−C6アルコキシ基で置換されたメチル基を示し、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−プロポキシメチル基、2−プロポキシメチル基、1−ブトキシメチル基、2−ブトキシメチル基、(2−メチル−1−プロポキシ)メチル基、(2−メチル−2−プロポキシ)メチル基、(1−ペンチルオキシ)メチル基、(2−ペンチルオキシ)メチル基、(3−ペンチルオキシ)メチル基、(2−メチル−2−ブトキシ)メチル基、(3−メチル−2−ブトキシ)メチル基、(1−ヘキシルオキシ)メチル基、(2−ヘキシルオキシ)メチル基、(3−ヘキシルオキシ)メチル基、(2−メチル−1−ペンチルオキシ)メチル基、(3−メチル−1−ペンチルオキシ)メチル基、(2−エチル−1−ブトキシ)メチル基、(2,2−ジメチル−1−ブトキシ)メチル基、または、(2,3−ジメチル−1−ブトキシ)メチル基であり得、好適には、(C1−C4アルコキシ)メチル基であり、より好適には、メトキシメチル基、または、エトキシメチル基であり、最も好適には、メトキシメチル基である。
「C1−C6アルコキシ基」は、1個の下記C1−C6アルキル基で置換されたヒドロキシル基を示し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロポキシ基、2−プロポキシ基、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、2−メチル−1−プロポキシ基、2−メチル−2−プロポキシ基、1−ペンチルオキシ基、2−ペンチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、2−メチル−2−ブトキシ基、3−メチル−2−ブトキシ基、1−ヘキシルオキシ基、2−ヘキシルオキシ基、3−ヘキシルオキシ基、2−メチル−1−ペンチルオキシ基、3−メチル−1−ペンチルオキシ基、2−エチル−1−ブトキシ基、2,2−ジメチル−1−ブトキシ基、または、2,3−ジメチル−1−ブトキシ基であり得、好適には、C1−C4アルコキシ基であり、より好適には、メトキシ基、または、エトキシ基であり、最も好適には、メトキシ基である。
「ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)メチル基」は、1乃至5個の上記ハロゲノ基で置換された上記(C1−C6アルコキシ)メチル基を示し、例えば、フルオロメトキシメチル基、トリフルオロメトキシメチル基、クロロメトキシメチル基、トリクロロメトキシメチル基、エトキシメチル基、フルオロエトキシメチル基、トリフルオロエトキシメチル基、クロロエトキシメチル基(特に、2−クロロエトキシメチル基)、トリクロロエトキシメチル基(特に、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基)、フルオロプロポキシメチル基、クロロプロポキシメチル基、クロロブトキシメチル基、クロロペントキシメチル基、または、クロロヘキシルオキシメチル基であり得、好適には、ハロゲノ(C1−C4アルコキシ)メチル基であり、より好適には、ハロゲノ(C1−C2アルコキシ)メチル基であり、さらに好適には、2−クロロエトキシメチル基、または、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基である。
「(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルコキシ)メチル基」は、1個の上記C1−C6アルコキシ基で置換された上記(C1−C6アルコキシ)メチル基を示し、例えば、メトキシメトキシメチル基、エトキシメトキシメチル基、プロポキシメトキシメチル基、ブトキシメトキシメチル基、ペンチルオキシメトキシメチル基、ヘキシルオキシメトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基(特に、2−メトキシエトキシメチル基)、エトキシエトキシメチル基、プロポキシエトキシメチル基、ブトキシエトキシメチル基、ペンチルオキシエトキシメチル基、ヘキシルオキシエトキシメチル基、メトキシプロポキシメチル基、エトキシプロポキシメチル基、メトキシブトキシメチル基、または、エトキシブトキシメチル基であり得、好適には、(C1−C4アルコキシ)−(C1−C4アルコキシ)メチル基であり、より好適には、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C2アルコキシ)メチル基であり、最も好適には、2−メトキシエトキシメチル基である。
【0028】
「(C1−C6アルコキシ)エチル基」は、1個の上記C1−C6アルコキシ基で置換されたエチル基を示し、例えば、メトキシエチル基、エトキシエチル基(特に、1−エトキシエチル基)、1−プロポキシエチル基、2−プロポキシエチル基、1−ブトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、(2−メチル−1−プロポキシ)エチル基、(2−メチル−2−プロポキシ)エチル基、(1−ペンチルオキシ)エチル基、(2−ペンチルオキシ)エチル基、(3−ペンチルオキシ)エチル基、(2−メチル−2−ブトキシ)エチル基、(3−メチル−2−ブトキシ)エチル基、(1−ヘキシルオキシ)エチル基、(2−ヘキシルオキシ)エチル基、(3−ヘキシルオキシ)エチル基、(2−メチル−1−ペンチルオキシ)エチル基、(3−メチル−1−ペンチルオキシ)エチル基、(2−エチル−1−ブトキシ)エチル基、(2,2−ジメチル−1−ブトキシ)エチル基、または、(2,3−ジメチル−1−ブトキシ)エチル基であり得、好適には、(C1−C4アルコキシ)エチル基であり、より好適には、(C1−C2アルコキシ)エチル基である。
「(C1−C6アルキルチオ)メチル基」は、1個の下記C1−C6アルキルチオ基で置換されたメチル基を示し、例えば、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、プロピルチオメチル基、ブチルチオメチル基、ペンチルチオメチル基、または、ヘキシルチオメチル基であり得、好適には、(C1−C4アルキルチオ)メチル基であり、より好適には、(C1−C2アルキルチオ)メチル基であり、最も好適には、メチルチオメチル基である。
「C1−C6アルキルチオ基」は、1個の下記C1−C6アルキル基で置換されたメルカプト基を示し、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、または、ヘキシルチオ基であり得、好適には、C1−C4アルキルチオ基であり、より好適には、メチルチオ基、または、エチルチオ基であり、最も好適には、メチルチオ基である。
「C1−C6アルキル基」は、1乃至6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチル−1−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−2−ブチル基、3−メチル−2−ブチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−メチル−1−ペンチル基、3−メチル−1−ペンチル基、2−エチル−1−ブチル基、2,2−ジメチル−1−ブチル基、または、2,3−ジメチル−1−ブチル基であり得、好適には、C1−C4アルキル基であり、より好適には、メチル基、または、エチル基であり、最も好適には、メチル基である。
【0029】
化合物(I)において、以下の組合せは好適である。
(i)R4、R5、および、式−CH(R6)COOHを有する基の置換位置が、それぞれ、2、3、および、4位である;
(ii)R4、および、式−CH(R6)COOHを有する基の置換位置が、それぞれ、2、および、3位であり、R5が水素原子である。
本発明に示された化合物は、大気中に放置すること、または、水もしくは有機溶媒と混和すること等により、水和物、または、溶媒和物を形成し得る。これらの水和物、または、溶媒和物は、本発明に示された化合物に包含される。
本発明に示された化合物が分子内に不斉炭素を有する場合には、立体異性体(エナンチオマー、および、ジアステレオマーを含む)が存在する。これらの立体異性体、および、それらの任意の割合の混合物(ラセミ体を含む)は、本発明に示された化合物に包含される。
本発明の合成中間体、その製造方法、および、その合成中間体を経由する化合物(I)の製造方法は、公知の合成中間体および製造方法に比較して、例えば、以下の優れた点を有する。
(i)非環状アセタール構造を有する化合物(Z−1)から(Z−5)は、いずれも結晶として得られないのに対して、環状アセタール構造を有する化合物(6)から化合物(9)は、いずれも結晶として得られるため、非効率的で環境負荷の大きいシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いることなく、再結晶、再沈殿、不溶性溶媒による晶析等の方法による精製が可能である。
(ii)2回のホルミル基導入反応に由来する不純物(位置異性体、二置換体等)の除去は、工業的規模でのシリカゲルカラムクロマトグラフィーでは一定の困難を伴うが、化合物(6)、および、化合物(9)を結晶として得ることによりそれらの不純物を効率よく容易に除去することができる。
(iii)公知のZ法より化合物(9)の純度が優れる(実施例、および、比較例参照)。
(iv)上記(i)から(iii)により、高純度の化合物(I)を収率よく提供する点において、化合物(6)から化合物(9)[特に、化合物(6)、または、化合物(9)]を合成中間体として使用することは有用である。
【0030】
本発明の製造方法の各工程を以下に説明する。
A法、または、B法の各工程の反応において、使用される酸は、反応を阻害しないものであれば限定はなく、例えば、下記酸群より選択される。酸群は、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸のような有機酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸のような有機スルホン酸;および、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、塩化水素、臭化水素、沃化水素、リン酸、硫酸、硝酸のような無機酸からなる。
使用される塩基は、反応を阻害しないものであれば限定はなく、例えば、下記塩基群より選択される。塩基群は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;リン酸ナトリウム、リン酸カリウムのようなアルカリ金属リン酸塩;リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウムのようなアルカリ金属リン酸水素塩;リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムのようなアルカリ金属リン酸二水素塩;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミドのようなアルカリ金属アミド;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;リチウムジイソプロピルアミドのようなリチウムアルキルアミド;リチウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミドのようなリチウムシリルアミド;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウムのようなアルキルリチウム;メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミドのようなアルキルマグネシウムハライド;および、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ピリジン、ピコリン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)のような有機アミンからなる。
使用される溶媒は、反応を阻害せず出発原料をある程度溶解するものであれば限定はなく、例えば、下記溶媒群より選択される。溶媒群は、ヘキサン、ペンタン、石油エーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルのようなエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールのようなアルコール類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホロアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;スルホランのようなスルホン類;および、これらの混合物からなる。
【0031】
A法、または、B法の各工程の反応において、反応温度は、溶媒、出発原料、試薬等により異なり、適宜選択される。また、反応時間は、溶媒、出発原料、試薬、反応温度等により異なり、適宜選択される。
A法、または、B法の各工程の反応において、反応終了後、各工程の目的化合物は、常法にしたがって反応混合物から単離され得る。目的化合物は、例えば、(i)必要に応じて触媒等の不溶物を濾去し、(ii)反応混合物に水、および、水と混和しない溶媒(例えば、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、(iii)有機層を水洗して、必要に応じて無水硫酸マグネシウムのような乾燥剤を用いて乾燥させ、(iv)溶媒を留去することによって得られる。得られた目的化合物は、必要に応じて、公知の方法(例えば、再結晶、再沈澱、不溶性溶媒による晶析、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等、好適には、再結晶、または、不溶性溶媒による晶析)により、さらに精製することができる。また、各工程の目的化合物は精製することなく次の反応に使用することもできる。
【0032】
(A法)
A法は、化合物(9)を製造する方法である。
(A−1工程)
A−1工程は、化合物(1)を塩基の存在下にて化合物(2)と反応させて、化合物(3)を製造する工程である。化合物(1)、および、化合物(2)は、公知であるか、または、公知の化合物から容易に得られる。化合物(3)におけるR7が、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、テトラヒドロピラニル基、または、テトラヒドロチオピラニル基である場合は、A−1工程は、化合物(1)をジヒドロフラン、ジヒドロチオフラン、ジヒドロピラン、または、ジヒドロチオピランとそれぞれ反応させることによって行われる(例えば、T. W. Greene, P. G. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis. Third Edition, 1999年, John Wiley & Sons, Inc.)。
使用される塩基は、ヒドロキシル基の保護反応に使用されるものであれば限定はなく、好適には、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水素化物、リチウムアルキルアミド、リチウムシリルアミド、アルキルリチウム、アルキルマグネシウムハライド、または、有機アミンであり、より好適には、アルカリ金属炭酸塩、または、アルカリ金属水素化物であり、さらに好適には、炭酸カリウム、または、水素化ナトリウムである。
使用される溶媒は、好適には、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、または、これらの混合物であり、より好適には、芳香族炭化水素類およびエーテル類の混合物、または、ケトン類であり、さらに好適には、トルエンおよびジメトキシエタンの混合物、または、アセトンである。
反応温度は、好適には、−20乃至80℃であり、より好適には、0乃至30℃である。
反応時間は、好適には、10分間乃至12時間であり、より好適には、30分間乃至6時間である。
得られた化合物は、精製することなく次の反応に使用することができる。また、塩基としてアルカリ金属水素化物、リチウムアルキルアミド、リチウムシリルアミド、または、アルキルマグネシウムハライドを、溶媒として芳香族炭化水素類、エーテル類、または、これらの混合物を使用した場合は、後処理することなく続けて次の反応を行うことができる。
【0033】
(A−2工程)
A−2工程は、化合物(3)を塩基の存在下にてホルミル化試薬と反応させて、化合物(4)を製造する工程である。
使用されるホルミル化試薬は、ホルミル化反応に使用されるものであれば限定はなく、例えば、ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、または、4−ホルミルモルホリンであり得、好適には、ジメチルホルムアミドである。
使用される塩基は、ホルミル化反応に使用されるものであれば限定はなく、例えば、アルキルリチウムであり得、好適には、n−ブチルリチウムである。
A−2工程において、必要に応じて添加剤を使用することができる。使用される添加剤は、アルキルリチウムと組合せて使用されるものであれば限定はなく、例えば、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル、テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDTA)であり得、好適には、ジエチレングリコールジメチルエーテルである。
使用される溶媒は、好適には、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、または、これらの混合物であり、より好適には、エーテル類、または、芳香族炭化水素類およびエーテル類の混合物であり、さらに好適には、ジメトキシエタン、または、トルエンおよびジメトキシエタンの混合物である。
反応温度は、好適には、−80乃至30℃であり、より好適には、−70乃至−30℃である。
反応時間は、好適には、30分間乃至12時間であり、より好適には、1乃至6時間である。
得られた化合物は、精製することなく次の反応に使用することができる。
【0034】
(A−3工程)
A−3工程は、化合物(4)を酸の存在下にて化合物(5)と反応させて、化合物(6)を製造する工程である。化合物(5)は、公知であるか、または、公知の化合物から容易に得られる。
使用される酸は、ホルミル基のアセタール化反応に使用されるものであれば限定はなく、好適には、有機スルホン酸、または、無機酸であり、より好適には、メタンスルホン酸、または、p−トルエンスルホン酸(特に、p−トルエンスルホン酸 一水和物)である。
A−3工程において、必要に応じて添加剤を使用することができ、添加剤を使用することが好ましい。使用される添加剤は、ホルミル基のアセタール化反応の進行に伴い生成する水を補足し得るものであれば限定はなく、例えば、オルソギ酸トリ(C1−C6アルキル)のようなオルソエステル類、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムのようなアルカリ金属硫酸塩、モレキュラーシーブ、吸水ポリマーであり得、好適には、オルソギ酸トリ(C1−C6アルキル)であり、より好適には、オルソギ酸トリメチル、または、オルソギ酸トリエチルであり、最も好適には、オルソギ酸トリメチルである。また、添加剤としてオルソギ酸トリ(C1−C6アルキル)を使用する場合、反応の進行にともなって生成するC1−C6アルコールを、例えば、減圧下における留去などの方法により反応中に除去することが好ましい。
使用される溶媒は、好適には、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、または、ハロゲン化炭化水素類であり、より好適には、芳香族炭化水素類であり、最も好適には、トルエンである。
反応温度は、好適には、0乃至80℃であり、より好適には、20乃至60℃である。
反応時間は、好適には、30分間乃至12時間であり、より好適には、1乃至6時間である。
得られた化合物は、晶析により精製することができる。晶析に使用される溶媒は、好適には、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、または、エーテル類であり、より好適には、脂肪族炭化水素類であり、さらに好適には、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンのような環状脂肪族炭化水素類であり、最も好適には、エチルシクロヘキサンである。晶析温度は、好適には、−30乃至30℃であり、より好適には、−20乃至0℃である。
【0035】
(A−4工程)
A−4工程は、化合物(6)を塩基の存在下にて化合物(2)と反応させて、化合物(7)を製造する工程である。
A−4工程は、A−1工程と同様の方法にしたがって行うことができる。A−1工程、および、A−4工程で用いられる化合物(2)は、同一、または、異なり、好適には、同一である。
得られた化合物は、再結晶により精製することができる。再結晶に使用される溶媒は、好適には、アルコール類、および、水の混合物であり、より好適には、メタノール、および、水の混合物である。また、得られた化合物は、精製することなく次の反応に使用することができる。さらに、塩基としてアルカリ金属水素化物、リチウムアルキルアミド、リチウムシリルアミド、または、アルキルマグネシウムハライドを、溶媒として芳香族炭化水素類、または、エーテル類を使用した場合は、後処理することなく続けて次の反応を行うことができる。
【0036】
(A−5工程)
A−5工程は、化合物(7)を塩基の存在下にてホルミル化試薬と反応させて、化合物(8)を製造する工程である。
A−5工程は、A−2工程と同様の方法にしたがって行うことができる。
A−5工程においては、添加剤を使用しなくてもよい。
A−5工程における反応温度は、好適には、−80乃至30℃であり、より好適には、−70乃至−10℃である。
得られた化合物は、再結晶、スラリー精製、または、それらの組合せにより精製することができる。再結晶に使用される溶媒は、好適には、エステル類、アルコール類および水の混合物、または、脂肪族炭化水素類およびエステル類の混合物であり、より好適には、酢酸エチル、メタノールおよび水の混合物、または、メチルシクロヘキサンおよび酢酸エチルの混合物である。スラリー精製に使用される溶媒は、好適には、環状脂肪族炭化水素類であり、メチルシクロヘキサンである。また、得られた化合物は、精製することなく次の反応に使用することができる。
【0037】
(A−6工程)
A−6工程は、化合物(8)を還元して化合物(9)を製造する工程である。
使用される還元剤は、ホルミル基の還元に使用されるものであれば限定はなく、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウムのような水素化ホウ素アルカリ金属、水素化アルミニウムリチウム、水素化リチウムトリエトキシドアルミニウムのような水素化アルミニウム化合物、または、ジ(イソブチル)アルミニウムヒドリド、ジ(メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムジヒドリドのような水素化有機アルミニウム化合物であり得、好適には、水素化ホウ素アルカリ金属であり、最も好適には、水素化ホウ素ナトリウムである。
使用される溶媒は、好適には、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル類、アルコール類、または、これらの混合物であり、より好適には、芳香族炭化水素類、エーテル類、アルコール類、または、これらの混合物であり、さらに好適には、トルエンおよびメタノールの混合物、または、テトラヒドロフランである。
反応温度は、好適には、0乃至80℃であり、より好適には、10乃至30℃である。
反応時間は、好適には、30分間乃至12時間であり、より好適には、1乃至6時間である。
得られた化合物は、晶析により精製することができる。晶析に使用される溶媒は、好適には、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、または、エーテル類であり、より好適には、環状脂肪族炭化水素類であり、さらに好適には、メチルシクロヘキサン、または、エチルシクロヘキサンである。晶析温度は、好適には、−30乃至30℃であり、より好適には、−20乃至0℃である。
【0038】
(B法)
B法は、化合物(I)を製造する方法である。
B法は、WO2006/046593に記載された方法、または、それらに準じた方法にしたがって行うことができる。例えば、B−1工程、B−2工程、および、B−3工程は、それぞれWO2006/046593のE法におけるE−4工程、E−5工程、および、E−6工程に準じた方法にしたがって行うことができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の新規な合成中間体を経由する化合物(I)の製造方法は、公知の製造方法に比較して工業的観点から優れる。また、本発明の製造方法により高純度の化合物(I)が高収率で得られる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0041】
(実施例1)
[2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−3−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(化合物9a)(製法1)
(1−1)A−1工程
2−(トリフルオロメチル)フェノール(25.0g、154.2mmol)のアセトン(250mL)溶液に、炭酸カリウム(51.2g、370.0mmol)を加え、室温において1時間攪拌した。反応懸濁液にクロロメチルメチルエーテル(14.1mL、185.0mmol)を加え、室温において1時間攪拌した。反応懸濁液に水(250mL)およびメチルシクロヘキサン(250mL)を加え、分液し、有機層を水(250mL)で洗浄し、更に20%食塩水(250mL)で洗浄した。有機層を減圧下125mLまで濃縮し、ジメトキシエタン(250mL)を加え、更に減圧下125mLまで濃縮して、1−(メトキシメトキシ)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼンの粗生成物[30.7g、収率97%(HPLC定量値)]を得た。また、粗生成物を減圧蒸留(6mmHg,60℃)することにより、純粋な化合物(収率72%)を得ることも可能であった。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 3.50 (3H, s), 5.26 (2H, s), 7.05 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.23 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.46 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.58 (1H, d, J = 7.5 Hz).
MS (FAB) (m/z): 206 (M+).
(1−2)A−2工程
実施例(1−1)で得られた1−(メトキシメトキシ)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼンの粗生成物(net30.7g、148.9mmol)、および、ジエチレングリコールジメチルエーテル(26.5mL、185.0mmol)のジメトキシエタン(150mL)溶液を、−45℃に冷却し、n−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液(1.58mol/L、117.1mL、185.0mmol)を滴下した。滴下ロートをジメトキシエタン(25mL)で洗いこみ、その後、−45℃で1時間攪拌した。反応液にN,N−ジメチルホルムアミド(23.9mL、308.4mmol)を加え、−45℃で1時間攪拌した。反応液に10%塩化アンモニウム水溶液(300mL)およびトルエン(300mL)を加え、室温まで昇温し、分液した。有機層を水(300mL)で3回洗浄し、更に20%食塩水(150mL)で洗浄した。有機層を減圧下100mLまで濃縮して、2−(メトキシメトキシ)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの粗生成物[32.9g、収率96%(HPLC定量値)]トルエン溶液を得た。また、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)にて精製することにより、純粋な化合物(収率79%)を得ることも可能であった。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 3.61 (3H, t, J = 11.7 Hz), 5.13 (2H, s), 7.38 (1H, t, J= 7.8 Hz), 7.88 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.06 (1H, d, J = 7.8 Hz), 10.31 (1H, s).
MS (FAB) (m/z): 233 ([M-H]+).
(1−3)A−3工程
実施例(1−2)で得られた2−(メトキシメトキシ)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの粗生成物(net31.3g、133.7mmol)のトルエン溶液に、オルトギ酸トリエチル(26.52mL、159.5mmol)、ネオペンチルグリコール(17.4g、167.1mmol)、および、p−トルエンスルホン酸・1水和物(2.76g、14.5mmol)を加え、55℃に加温し、1.5時間攪拌した。反応液にトルエン(330mL)を加え、室温まで冷却した後、トリエチルアミン(3.02g、29.8mmol)を加え、20分間攪拌した。その反応液に水(330mL)を加え、分液し、更に有機層を水(330mL)で洗浄した。有機層を減圧下濃縮し、エチルシクロヘキサン(330mL)を加え、更に減圧下濃縮した。その懸濁液を−15℃まで冷却し、1時間攪拌後、析出した結晶を濾過し、濾別した結晶を冷エチルシクロヘキサン(70mL)で洗浄した。得られた結晶を減圧下40℃で乾燥して、無色結晶の2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェノール[化合物(6a),31.6g,収率82%]を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 0.83 (3H, s), 1.30 (3H, s), 3.69 (2H, d, J = 11.0 Hz), 3.84 (2H, d, J = 11.4 Hz), 5.59 (1H, s), 6.93 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.37 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.53 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.75 (1H, s).
MS (FAB) (m/z): 277 ([M+H]+).
(1−4)A−4工程
実施例(1−3)で得られた2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェノール(20.0g、72.4mmol)のアセトン(200mL)溶液に、炭酸カリウム(24.0g、173.6mmol)を加え、室温において1時間攪拌した。反応懸濁液にクロロメチルメチルエーテル(6.6mL、86.9mmol)を加え、室温において1時間攪拌した。反応懸濁液に水(200mL)およびメチルシクロヘキサン(200mL)を加え、分液し、有機層を水(200mL)で洗浄し、更に20%食塩水(200mL)で洗浄した。有機層を減圧下60mLまで濃縮し、ジメトキシエタン(200mL)を加え、更に減圧下60mLまで濃縮して、2−[2−(メトキシメトキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサンの粗生成物[21.9g、収率95%(HPLC定量値)]を得た。また、粗生成物を濃縮乾固し、メタノール−水より再結晶することにより、純粋な化合物を(収率63%)を得ることも可能であった。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 0.80 (3H, s), 1.46 (3H, d, J = 125.5 Hz), 3.65-3.77 (7H, m), 5.06 (2H, s), 5.79 (1H, s), 7.28 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.61 (1H, d, J= 7.5 Hz), 7.94 (1H, d, J = 7.5 Hz).
MS (FAB) (m/z): 321 ([M+H]+).
(1−5)A−5工程
実施例(1−4)で得られた2−[2−(メトキシメトキシ)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5,5−ジメチル−1,3−ジオキサンの粗生成物(net20.4g、63.7mmol)のジメトキシエタン(218mL)溶液を、−30℃に冷却し、n−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液(1.58mol/L、83.3mL、131.6mmol)を滴下し、−25℃で1時間攪拌した。反応液を−40℃に冷却後、N,N−ジメチルホルムアミド(11.7mL、151.1mmol)を加え、−40℃で1.5時間攪拌した。反応液に2mol/L塩酸水溶液(182mL)および酢酸エチル(273mL)を加え、室温まで昇温し、分液した。有機層を7%炭酸水素ナトリウム水溶液(273mL)で洗浄し、更に20%食塩水(182mL)で洗浄した。有機層を減圧下55mLまで濃縮し、テトラヒドロフラン(182mL)を加え、更に減圧下55mLまで濃縮して、2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−3−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの粗生成物[18.5g、収率83%(HPLC定量値)]を得た。また、粗生成物を酢酸エチル−メタノール−水から再結晶し、得られた結晶をメチルシクロヘキサンでスラリー精製し、更に酢酸エチル−メチルシクロヘキサンから再結晶することにより、純粋な化合物(収率52%)を得ることも可能であった。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 0.84 (3H, s), 1.35 (3H, s), 3.68-3.86 (7H, m), 5.08 (2H, s), 6.04 (1H, s), 7.73 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.81 (1H, d, J = 7.8 Hz), 11.01 (1H, s).
MS (FAB) (m/z): 347 ([M-H]+).
(1−6)A−6工程
実施例(1−5)で得られた2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−3−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの粗生成物(net15.1g、43.2mmol)のテトラヒドロフラン(105mL)溶液に、水素化ほう素ナトリウム(616.2mg、16.3mmol)を加え、室温下において3.5時間攪拌した。反応液を氷冷し、10%塩化アンモニウム水溶液(150mL)を加え、室温まで昇温した後、酢酸エチル(150mL)を加え分液し、有機層を20%食塩水(150mL)で洗浄した。有機層を減圧下濃縮し、メチルシクロヘキサン(330mL)を加え、更に減圧下濃縮した。その懸濁液を−15℃まで冷却し、1時間攪拌後、析出した結晶を濾過し、濾別した結晶を冷メチルシクロヘキサン(38mL)で洗浄した。得られた結晶を減圧下40℃で乾燥して、淡黄色結晶の[2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−3−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール[化合物(9a),14.5g,収率96%]を得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 0.83 (3H, s), 1.39 (3H, s), 3.55 (1H, t, J = 7.1 Hz), 3.66-3.84 (7H, m), 4.95-5.02 (4H, m), 6.05 (1H, s), 7.31 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.61 (1H, d, J = 7.8 Hz).
MS (FAB) (m/z): 349 ([M-H]+).
【0042】
(実施例2)
[2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−3−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(化合物9a)(製法2)
(2−1)A−1およびA−2工程
水素化ナトリウム(55%、6.34g、160.4mmol)の1,2−ジメトキシエタン(40mL)懸濁液に、氷冷下2−(トリフルオロメチル)フェノール(20.0g、123.4mmol)のトルエン(40mL)溶液を滴下した。滴下ロートをトルエン(20mL)で洗いこみ、その後氷冷下にて30分間攪拌した。反応懸濁液にクロロメチルメチルエーテル(11.2mL、148.0mmol)を氷冷下滴下し、更に1時間30分攪拌した。反応懸濁液を−60℃に冷却し、n−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液(1.63mol/L、90.8mL、148.0mmol)を滴下し、1時間攪拌した。反応懸濁液にN,N−ジメチルホルムアミド(12.4mL、160.4mmol)を滴下し、−60℃で1時間攪拌した。反応懸濁液に酢酸(17.7mL、308.5mmol)および水(100mL)を加え、室温まで昇温し分液した。有機層を水(100mL)で洗浄し、有機層を減圧下100mLまで濃縮することにより、2−(メトキシメトキシ)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの粗生成物のトルエン溶液を得た。この粗生成物溶液を単離、精製することなく次の工程に用いた。
(2−2)A−3工程
実施例(2−1)で得られた2−(メトキシメトキシ)−3−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの粗生成物のトルエン溶液全量に、ネオペンチルグリコール(16.1g、154.3mmol)、オルトギ酸トリメチル(13.8g、129.6mmol)、トルエン(100mL)、および、メタンスルホン酸 (0.801mL、12.34mmol)を加えた。35℃下、28kPaに減圧し、副生成するメタノールなどを留去しながら2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、トリエチルアミン(2.6mL、18.51mmol)を加えた。その反応液に水(100mL)を加え分液した。有機層を減圧下100mLまで濃縮し、エチルシクロヘキサン(200mL)を加え、更に減圧下100mLまで濃縮した。その懸濁液を−15℃まで冷却し、1時間攪拌後、析出した結晶を濾過し、濾別した結晶を冷エチルシクロヘキサン(40mL)で洗浄した。得られた結晶を減圧下40℃で乾燥して、無色結晶の2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェノール[化合物(6a),27.9g,2−(トリフルオロメチル)フェノールからの通算収率82%]を得た。
(2−3)A−4およびA−5工程
水素化ナトリウム(55%、4.11g、94.1mmol)の1,2−ジメトキシエタン(30mL)およびトルエン(10mL)懸濁液に、氷冷下、実施例(2−2)で得られた2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェノール(20.0g、72.4mmol)のトルエン(40mL)溶液を滴下した。滴下ロートをトルエン(20mL)で洗いこみ、その後氷冷下にて30分間攪拌した。反応懸濁液にクロロメチルメチルエーテル(6.6mL、86.9mmol)を氷冷下滴下し、室温に昇温し更に1時間30分攪拌した。反応懸濁液を−60℃に冷却し、n−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液(1.63mol/L、88.8mL、144.8mmol)を滴下し、その後−25℃に昇温して1時間攪拌した。反応懸濁液を−60℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド(11.8mL、152.0mmol)を滴下し、−60℃で1時間攪拌した。反応懸濁液に酢酸(17.0mL、296.8mmol)と水(100mL)を加え、室温まで昇温し分液した。有機層を5%炭酸水素ナトリウム水(100mL)で洗浄し、有機層を減圧下100mLまで濃縮することにより、2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−3−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの粗生成物のトルエン溶液を得た。この粗生成物溶液を単離、精製することなく次の工程に用いた。
(2−4)A−6工程
実施例(2−3)で得られた2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−3−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの粗生成物のトルエン溶液全量に、トルエン(100mL)およびメタノール(20mL)を加え、その溶液に水素化ほう素ナトリウム(1.096g、28.96mmol)を4分割し30分毎に加えた。室温下において1時間攪拌した後、水(100mL)および酢酸(2.07mL、36.2mmol)を加え分液した。有機層を減圧下100mLまで濃縮し、エチルシクロヘキサン(200mL)を加え、更に減圧下100mLまで濃縮した。その懸濁液を−15℃まで冷却し、1時間攪拌後、析出した結晶を濾過し、濾別した結晶を冷エチルシクロヘキサン(40mL)で洗浄した。得られた結晶を減圧下40℃で乾燥して、無色結晶の[2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−3−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール[化合物(9a),21.2g,2−(5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェノールからの通算収率84%]を得た。
実施例(2−4)の反応終了後の反応液、および、晶析により得られた結晶について、
目的化合物である化合物(9a)、
【0043】
【化20】


並びに、実施例(2−1)から(2−4)を通じて生成した不純物である化合物(13)、(14)、および、(15)
【0044】
【化21】


の含有率を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。HPLCの測定条件は下記に示される。
カラム:YMC J’sphere ODS-H80 S-4 m (4.6φ×250mm)
移動層:A液:10mM 酢酸アンモニウム水溶液
B液:アセトニトリル
グラジエント:

【0045】
溶解液:アセトニトリル
検出波長:220nm
温度:25℃
流量:1.0mL/min
分析時間:40分(積分は3から32分まで行った)
反応液および結晶中の各化合物の含有率[HPLCピーク面積比率(%)]を表1に示す。
[表1]
__________________________________
化合物 保持時間(分) 反応液 結晶
__________________________________
9a 9.4 90.8 99.7 a
13 5.9 2.8 0.21
14 8.1 1.7 0.04
15 19.0 0.22 0.06
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
a: 内部標準法による含有率は98%以上

目的化合物である化合物(9a)の含有率は、晶析により90.8%から99.7%へ向上した。また、二置換体である化合物(13)の含有率は2.8%から0.21%へ、位置異性体である化合物(14)の含有率は1.7%から0.04%へ、化合物(15)の含有率は0.22%から0.06%へ、それぞれ減少した。得られた化合物(9a)は、その純度が99.7%であり、主要な不純物の含有率が低いことから、工業的規模で次の工程に使用される反応原料として、また化合物(I)の製造のための合成中間体として非常に有用である。
【0046】
(比較例1)
比較例1では、公知のZ法に準じた方法で、シリカゲルクロマトグラフィーによる精製を行うことなく、化合物(1a)より非環状アセタール構造を有する化合物(Z−5)を製造した。下記式において、MOMは、メトキシメチル基を示す。
【0047】
【化22】



各工程は、それぞれ以下の方法にしたがって行った。
化合物(1a)から化合物(4a):実施例(2−1);
化合物(4a)から化合物(Z−3):WO2006/046593の実施例(6−4)に準じた方法;
化合物(Z−3)から化合物(Z−4):WO2006/046593の実施例(6−5);
化合物(Z−4)から化合物(Z−5):WO2006/046593の実施例(6−6)。
得られた化合物(Z−5)の含有率[上記と同様の測定条件におけるHPLCピーク面積比率(%)]は、86.0%であった。また、内部標準法によりNMRで測定した化合物(Z−5)の含有率は約60%であり、HPLCでは検出されない(UV吸収のない)不純物の存在が確認された。化合物(3a)から化合物(Z−5)はいずれも結晶として得られないため、いずれの工程においてもシリカゲルクロマトグラフィーによる精製操作を行わない場合には、十分高い純度(含有率)を有する化合物(Z−5)が得られないことが示された。純度が不十分な化合物を用いて工業的規模で次の工程の反応を行った場合、不純物により反応の進行が妨げられる、次工程反応後に分離困難な不純物が生成する、又は、次工程で得られた目的化合物の含有量が低いために結晶化による取得が困難となる等の不都合を生ずる可能性がある。比較例1で得られた化合物(Z−5)は、純度が不十分であるため、工業的規模で次の工程に使用される反応原料として適しているとは言えない。
一方、実施例2で得られた化合物(9a)は、その純度が99.7%であり、主要な不純物の含有率が低いことから、工業的規模で次の工程に使用される反応原料として、また化合物(I)の製造のための合成中間体として非常に有用である。以上のことから、本発明の環状アセタール構造を有する化合物(6)から化合物(9)[特に、化合物(9)]は、晶析による精製、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによらない不純物(例えば、位置異性体、二置換体等)の除去、総収率、高純度の化合物(I)の提供などの点において、合成中間体として有用である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の新規な合成中間体を経由する化合物(I)の製造方法は、公知の製造方法に比較して工業的観点から優れる。また、本発明の製造方法により高純度の化合物(I)が高収率で得られる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(9)
【化1】


[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
7は、(C1−C6アルコキシ)メチル基、ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)エチル基、(C1−C6アルキルチオ)メチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、テトラヒドロピラニル基、または、テトラヒドロチオピラニル基を示し、
8は、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、トリメチレン基、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、または、式
【化2】


を有する基を示す]を有する化合物。

【請求項2】
1が、トリフルオロメチル基であり、
7が、(C1−C2アルコキシ)メチル基、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C2アルコキシ)メチル基、または、テトラヒドロピラニル基であり、
8が、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)である請求項1に記載された化合物。

【請求項3】
1が、トリフルオロメチル基であり、
7が、メトキシメチル基であり、
8が、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C2アルキル基を示す)である請求項1に記載された化合物。

【請求項4】
式(9a)
【化3】


を有する請求項1に記載された化合物。

【請求項5】
式(6)
【化4】


[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
8は、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、トリメチレン基、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、または、式
【化5】


を有する基を示す]を有する化合物。

【請求項6】
1が、トリフルオロメチル基であり、
8が、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)である請求項5に記載された化合物。

【請求項7】
1が、トリフルオロメチル基であり、
8が、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C2アルキル基を示す)である請求項5に記載された化合物。

【請求項8】
式(6a)
【化6】


を有する請求項5に記載された化合物。

【請求項9】
(i)式(6)
【化7】


[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
8は、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、トリメチレン基、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、または、式
【化8】


を有する基を示す]を有する化合物を、式R7bb[式中、R7bは、(C1−C6アルコキシ)メチル基、ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)エチル基、または、(C1−C6アルキルチオ)メチル基を示し、Xbは、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、または、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基を示す]を有する化合物、または、ジヒドロフラン、ジヒドロチオフラン、ジヒドロピランもしくはジヒドロチオピランと反応させる工程;
(ii)上記(i)で得られた化合物にホルミル基を導入する工程;および、
(iii)上記(ii)で得られた化合物を還元する工程
を含む、
式(9)
【化9】


[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
7は、(C1−C6アルコキシ)メチル基、ハロゲノ(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)−(C1−C6アルコキシ)メチル基、(C1−C6アルコキシ)エチル基、(C1−C6アルキルチオ)メチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、テトラヒドロピラニル基、または、テトラヒドロチオピラニル基を示し、
8は、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、トリメチレン基、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C6アルキル基を示す)、または、式
【化10】


を有する基を示す]を有する化合物の製造方法。

【請求項10】
1が、トリフルオロメチル基であり、
7が、(C1−C2アルコキシ)メチル基、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C2アルコキシ)メチル基、または、テトラヒドロピラニル基であり、
8が、エチレン基、置換されたエチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C4アルキル基を示す)であり、
工程(i)において式(6)を有する化合物と反応する化合物が、式R7cc[式中、R7cは、(C1−C2アルコキシ)メチル基、または、(C1−C2アルコキシ)−(C1−C2アルコキシ)メチル基を示し、Xcは、クロロ基、または、ブロモ基を示す]を有する化合物、または、ジヒドロピランである請求項9に記載された製造方法。

【請求項11】
1が、トリフルオロメチル基であり、
7が、メトキシメチル基であり、
8が、トリメチレン基、または、置換されたトリメチレン基(当該置換基は、同一または異なり、1乃至4個のC1−C2アルキル基を示す)であり、
工程(i)において式(6)を有する化合物と反応する化合物が、クロロメチルメチルエーテルである請求項9に記載された製造方法。

【請求項12】
式(6)を有する化合物が、化合物(6a)
【化11】


であり、式(9)を有する化合物が、化合物(9a)
【化12】


であり、
工程(i)において式(6)を有する化合物と反応する化合物が、クロロメチルメチルエーテルである請求項9に記載された製造方法。

【請求項13】
式(I)
【化13】



[式中、R1は、メチル基、エチル基、2−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
2、および、R3は、同一または異なり、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
4、および、R5は、同一または異なり、水素原子、C1−C4アルキル基、ハロゲノC1−C4アルキル基、C3−C6シクロアルキル基、ヒドロキシル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルスルホニル基、アミノ基、C1−C4アルキルアミノ基、ジ(C1−C4アルキル)アミノ基、ホルミル基、(C1−C4アルキル)カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、または、クロロ基を示し、
6は、水素原子、または、メチル基を示し、式−CH(R6)COOHを有する基は、3または4位に置換する]を有する化合物を製造するための合成中間体として使用される請求項1乃至8のいずれかに記載された化合物。

【請求項14】
1が、トリフルオロメチル基であり、
2、および、R3が、同一または異なり、水素原子、メチル基、フルオロ基、または、クロロ基であり、
4、および、R5が、同一または異なり、水素原子、メチル基、エチル基、2−プロピル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、メトキシ基、メタンスルホニル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、フルオロ基、または、クロロ基であり、
6が、水素原子である、請求項13に記載された、式(I)を有する化合物を製造するための合成中間体として使用される化合物。