説明

ベンゾアゾール化合物の製造方法

【課題】工業的に有利なベンゾアゾール化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】トリアリールカルベニウムカチオンと1価のアニオンとからなるトリアリールカルベニウム化合物の存在下に、脂肪族炭素数1〜20を示す(置換基を有していても良い)カルボン酸化合物にオルソ位に酸素原子、硫黄原子、又はイミノ基(置換されていても良い)を有する芳香族アミン化合物とを反応させるベンゾジアゾール化合物(置換されていても良い)の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゾアゾール化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベンゾアゾール化合物の製造方法としては、カルボン酸化合物と芳香族アミン化合物(ベンゼン環を構成する隣接炭素原子上に、アミノ基、ヒドロキシ基またはメルカプト基と、アミノ基とが、それぞれ結合している)とを反応させる方法が知られている。例えば、リン化合物の存在下で、それらを反応させる方法(例えば、非特許文献1および2参照。)が知られているが、かかる方法は、基質に対してリン化合物を1モル倍以上用いるため、環境負荷の観点から、工業的に満足できる方法とはいえなかった。
【0003】
また、マイクロ波を照射することによってそれらを反応させる方法(例えば、非特許文献3参照。)や、高温高圧の条件下でそれらを反応させる方法(例えば、非特許文献4参照。)も知られているが、これらの方法は、特殊な反応装置を用いる必要があるため、工業的に実施することは容易ではなかった。
【非特許文献1】J.Org.Chem.,43,2296(1978)
【非特許文献2】J.Org.Chem.,54,1144(1989)
【非特許文献3】Synlett,1401(2005)
【非特許文献4】Green Chemistry,5,187(2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明者は、工業的により有利なベンゾアゾール化合物の製造方法を開発すべく、鋭意検討したところ、トリアリールカルベニウム化合物の存在下に、カルボン化合物と上記芳香族アミン化合物との反応を実施することにより、ベンゾアゾール化合物が得られることを見出し、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明は、トリアリールカルベニウムカチオンと1価のアニオンとからなるトリアリールカルベニウム化合物の存在下に、式(1)
【化1】

(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。nは1〜4の整数を表す。)
で示されるカルボン酸化合物と式(2)
【化2】

(式中、R〜Rは、それぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアルキルカルボニル基、置換されていてもよいアリールカルボニル基、シアノ基またはニトロ基を表す。また、RとR、RとR、またはRとRが一緒になって、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。Zは、酸素原子、硫黄原子または置換されていてもよいイミノ基を表す。)
で示される芳香族アミン化合物とを反応させる式(3)
【化3】

(式中、R〜R、Zおよびnは、それぞれ上記と同一の意味を表し、mは1以上n以下の整数を表す。)
で示されるベンゾアゾール化合物の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、工業的に容易にベンゾアゾール化合物を製造できる。また、トリアリールカルベニウム化合物は、その使用量が基質に対して1モル倍未満の触媒量であっても、上記の反応を工業的に満足できる収率で進行させることができる。これらの点において、本発明は工業的に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0008】
トリアリールカルベニウム化合物としては、トリアリールカルベニウムカチオンと1価のアニオンとからなる化合物であれば、特に限定されず、例えば式(4)
【化4】

(式中、Arは置換されていてもよいアリール基を表し、Yはハロゲン化物イオン、置換されていてもよいアルキルスルホン酸イオン、置換されていてもよいアリールスルホン酸イオン、硫酸水素イオン、置換されていてもよいアルキルカルボン酸イオン、置換されていてもよいアリールカルボン酸イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、四ハロゲン化ホウ酸イオン、六ハロゲン化リン酸イオン、六ハロゲン化アンチモン酸イオン、五ハロゲン化スズ酸イオンまたは置換されていてもよいテトラアリールボレートを表す。)
で示されるトリアリールカルベニウム化合物が挙げられる。
【0009】
式中、Arで示されるアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。これらのアリール基上に有していてもよい置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等の置換されていてもよいアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の置換されていてもよいアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;等が挙げられる。かかる置換基で置換されたアリール基の具体例としては、2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基等が挙げられる。
【0010】
式中、Yで表されるハロゲン化物イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンが挙げられる。置換されていてもよいアルキルスルホン酸イオンとしては、例えばメタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸イオン等が挙げられる。置換されていてもよいアリールスルホン酸イオンとしては、例えばp−トルエンスルホン酸イオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸イオン等が挙げられる。置換されていてもよいアルキルカルボン酸イオンとしては、例えば酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン等が挙げられる。置換されていてもよいアリールカルボン酸イオンとしては、例えば安息香酸イオン等が挙げられる。四ハロゲン化ホウ酸イオンとしては、例えば四フッ化ホウ酸イオン、四塩化ホウ酸イオン等が挙げられる。六ハロゲン化リン酸イオンとしては、例えば六フッ化リン酸イオン等が挙げられる。六ハロゲン化アンチモン酸イオンとしては、例えば六フッ化アンチモン酸イオン、六塩化アンチモン酸イオン等が挙げられる。五ハロゲン化スズ酸イオンとしては、例えば五フッ化スズ酸イオン、五塩化スズ酸イオン等が挙げられる。
【0011】
置換されていてもよいテトラアリールボレートとしては、例えば、テトラフェニルボレート;テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のフッ素原子で置換されたテトラアリールボレート;テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等のトリフルオロメチル基で置換されたテトラアリールボレート;等が挙げられる。Yとして好ましくは、フッ素原子で置換されたテトラアリールボレートまたはトリフルオロメチル基で置換されたテトラアリールボレートであり、より好ましくはフッ素原子で置換されたテトラアリールボレートである。
【0012】
トリアリールカルベニウム化合物としては、例えば、トリフェニルカルベニウムクロライド、トリフェニルカルベニウムブロマイド、トリフェニルカルベニウムヨーダイド、トリフェニルカルベニウムバイスルフェート、トリフェニルカルベニウムメタンスルフォネート、トリフェニルカルベニウムトリフルオロメタンスルフォネート、トリフェニルカルベニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルカルベニウムナイトレート、トリフェニルカルベニウムパークロレート、トリフェニルカルベニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルカルベニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリフェニルカルベニウムヘキサクロロアンチモネート、トリフェニルカルベニウムペンタクロロスタネート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(4−クロロフェニル)カルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウム テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリ(4−メトキシフェニル)カルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(4−メチルフェニル)カルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。好ましくは、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0013】
かかるトリアリールカルベニウム化合物は、市販のものをであってもよいし、例えば特開平9−295984等に記載の公知の方法により製造したものであってもよい。
【0014】
次に、トリアリールカルベニウム化合物の存在下における、上記式(1)で示されるカルボン化合物(以下、カルボン酸(1)と略記する。)と上記式(2)で示される芳香族アミン化合物(以下、芳香族アミン(2)と略記する。)との反応について説明する。
【0015】
上記式(1)において、Rで示される炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基とは、直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜20のアルカン、直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜20のアルケン、炭素数3〜20のシクロアルカン、炭素数5〜20のシクロアルケンから選ばれる化合物からn個の水素原子を除いたn価の基を表す。かかる炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基上に有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等のアリールオキシ基;等が挙げられる。
【0016】
置換基を有していてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、3−オキソブチル基、メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、ベンジル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロピル基、3,3−ジメチル−2−(1−プロペニル)シクロプロピル基、ビニル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−フルオロ−1−プロペニル基、3−メトキシ−1−プロペニル基、3−フェノキシ−1−ブテニル基、スチリル基、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等が挙げられる。
【0017】
上記式(1)において、Rで示される炭素数6〜20の芳香族炭化水素基とは、炭素数6〜20の芳香族化合物からn個の水素原子を除いたn価の基を表す。かかる炭素数6〜20の芳香族炭化水素基上に有していてもよい置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、3−オキソブチル基、メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、ベンジル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロピル基、3,3−ジメチル−2−(1−プロペニル)シクロプロピル基等の置換されていてもよいアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−フルオロ−1−プロペニル基、3−メトキシ−1−プロペニル基、3−フェノキシ−1−ブテニル基、スチリル基等の置換されていてもよいアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;シアノ基;ニトロ基;等が挙げられる。
【0018】
置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−アセチルフェニル基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、1,3,5−ベンゼントリイル基、1,2,4,5−ベンゼンテトライル基、1,5−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、4,4’−ビフェニリレン基等が挙げられる。
【0019】
カルボン酸(1)としては、例えば酢酸、プロピオン酸、n−ブタン酸、n−ペンタン酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、ピバル酸、tert−ブチル酢酸、アクリル酸、ピルビン酸、桂皮酸、フェニル酢酸、安息香酸、2−フルオロ安息香酸、2−クロロ安息香酸、2−ブロモ安息香酸、3−フルオロ安息香酸、3−クロロ安息香酸、3−ブロモ安息香酸、4−フルオロ安息香酸、4−クロロ安息香酸、4−ブロモ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸、2,4−ジクロロ安息香酸、3,5−ジフルオロ安息香酸、3−フェノキシ安息香酸、4−メチル安息香酸、3−トリフルオロメチル安息香酸、2−メトキシ安息香酸、1−ナフトエ酸、4−ビフェニルカルボン酸、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸、3,3−ジメチル−2−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。これらカルボン酸(1)は、市販のものであってもよいし、任意の公知方法により製造したものであってもよい。
【0020】
上記式(2)において、R〜Rで示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0021】
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。これらのアルキル基上に置換していてもよい基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等のアリールオキシ基;ビニル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基等のアルケニル基;等が挙げられる。かかる基で置換されたアルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、3−オキソブチル基、メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、ベンジル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロピル基、3,3−ジメチル−2−(1−プロペニル)シクロプロピル基等が挙げられる。
【0022】
アルケニル基としては、例えばビニル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数2〜12のアルケニル基が挙げられる。これらのアルケニル基上に置換していてもよい基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等のアリールオキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;等が挙げられる。かかる基で置換されたアルケニル基の具体例としては、3−フルオロ−1−プロペニル基、3−メトキシ−1−プロペニル基、3−フェノキシ−1−ブテニル基、スチリル基等が挙げられる。
【0023】
アリール基としては、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。これらのアリール基上に置換していてもよい基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、3−オキソブチル基、メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、ベンジル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロピル基、3,3−ジメチル−2−(1−プロペニル)シクロプロピル基等の置換されていてもよいアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−フルオロ−1−プロペニル基、3−メトキシ−1−プロペニル基、3−フェノキシ−1−ブテニル基、スチリル基等の置換されていてもよいアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;シアノ基;ニトロ基;等が挙げられる。かかる基で置換されたアリール基の具体例としては、2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−アセチルフェニル基等が挙げられる。
【0024】
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メンチルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられる。これらのアルコキシ基上に置換していてもよい基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メンチルオキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、3−フェノキシフェノキシ基等の置換されていてもよいアリールオキシ基;アセチル基、プロピオニル基、フェニルアセチル基等の置換されていてもよいアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の置換されていてもよいアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、(4−クロロフェノキシ)カルボニル基等の置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基;等が挙げられる。かかる基で置換されたアルコキシ基としては、例えばクロロメトキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。
【0025】
アリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等の炭素数6〜10のアリールオキシ基が挙げられる。これらのアリールオキシ基上に置換していてもよい基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、3−オキソブチル基、メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、ベンジル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロピル基、3,3−ジメチル−2−(1−プロペニル)シクロプロピル基等の置換されていてもよいアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−フルオロ−1−プロペニル基、3−メトキシ−1−プロペニル基、3−フェノキシ−1−ブテニル基、スチリル基等の置換されていてもよいアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;シアノ基;ニトロ基;等が挙げられる。かかる基で置換されたアリールオキシ基としては、例えば2−メチルフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、3−フェノキシフェノキシ基等が挙げられる。
【0026】
アルキルカルボニル基としては、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基、デカノイル基、ラウロイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロヘキサンカルボニル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数2〜20のアルキルカルボニル基が挙げられる。これらのアルキルカルボニル基上に置換していてもよい基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等のアリールオキシ基;ビニル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基等のアルケニル基;等が挙げられる。かかる基で置換されたアルキルカルボニル基の具体例としては、例えばフェニルアセチル基、トリフルオロアセチル基等が挙げられる。
【0027】
アリールカルボニル基としては、例えばベンゾイル基、ナフトイル基等の炭素数7〜11のアリールカルボニル基が挙げられる。これらのアリールカルボニル基上に置換していてもよい基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、3−オキソブチル基、メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、ベンジル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロピル基、3,3−ジメチル−2−(1−プロペニル)シクロプロピル基等の置換されていてもよいアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−フルオロ−1−プロペニル基、3−メトキシ−1−プロペニル基、3−フェノキシ−1−ブテニル基、スチリル基等の置換されていてもよいアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセチル基、プロピオニル基等のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;シアノ基;ニトロ基;等が挙げられる。かかる基で置換されたアリールカルボニル基の具体例としては、4−メトキシベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基等が挙げられる。
【0028】
とR、RとR、またはRとRが一緒になって、それぞれが結合する炭素原子とともに形成してなる式(5)
【化5】

で示される環構造の具体例としては、2,3−ジヒドロインデン環、テトラリン環、ナフタレン環等が挙げられる。
【0029】
Zで示されるイミノ基上に置換していてもよい基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基;等が挙げられる。
【0030】
かかる芳香族アミン(2)としては、例えばオルトフェニレンジアミン、4−クロロ−オルトフェニレンジアミン、4−ブロモ−オルトフェニレンジアミン、3−クロロ−オルトフェニレンジアミン、3−ブロモ−オルトフェニレンジアミン、4−メチル−オルトフェニレンジアミン、3,4−ジクロロ−オルトフェニレンジアミン、3−フルオロ−オルトフェニレンジアミン、4−フルオロ−オルトフェニレンジアミン、3−シアノ−オルトフェニレンジアミン、4−メトキシ−オルトフェニレンジアミン、4−アセチル−オルトフェニレンジアミン、1,2−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、4−フェノキシ−オルトフェニレンジアミン、4−トリフルオロメチル−オルトフェニレンジアミン、2−メルカプトアニリン、4−クロロ−2−メルカプトアニリン、4−ブロモ−2−メルカプトアニリン、3−クロロ−2−メルカプトアニリン、2−ブロモ−2−メルカプトアニリン、4−メチル−2−メルカプトアニリン、3,4−ジクロロ−2−メルカプトアニリン、3−フルオロ−2−メルカプトアニリン、4−フルオロ−2−メルカプトアニリン、3−シアノ−2−メルカプトアニリン、4−メトキシ−2−メルカプトアニリン、4−アセチル−2−メルカプトアニリン、2−ヒドロキシアニリン、4−クロロ−2−ヒドロキシアニリン、4−ブロモ−2−ヒドロキシアニリン、3−クロロ−2−ヒドロキシアニリン、3−ブロモ−2−ヒドロキシアニリン、4−メチル−2−ヒドロキシアニリン、3、4−ジクロロ−2−ヒドロキシアニリン、3−フルオロ−2−ヒドロキシアニリン、4−フルオロ−2−ヒドロキシアニリン、3−シアノ−2−ヒドロキシアニリン、4−メトキシ−2−ヒドロキシアニリン、4−アセチル−2−ヒドロキシアニリン等が挙げられる。これら芳香族アミン(2)は、市販のものであってもよいし、任意の公知方法により製造したものであってもよい。
【0031】
カルボン酸(1)と芳香族アミン(2)の使用量は特に限定されず、いずれか一方を、他方に対して10モル倍以上用いてもよいが、通常、カルボン酸(1)の反応を所望するカルボキシ基に対して、芳香族アミン(2)を0.1〜10モル倍、好ましくは0.5〜3モル倍の範囲で用いる。mがnより小さいとき、芳香族アミン(2)の使用量は、カルボン酸(1)に対してm×0.9モル倍以上、m×2モル倍以下であることが、より好ましい。
【0032】
本反応は、通常、有機溶媒の存在下に実施する。有機溶媒としては、例えば、メチル tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;等が挙げられる。水と共沸する有機溶媒の存在下、副生物である水を共沸により連続的に除去しながら、本反応を実施することが好ましい。上記有機溶媒のうち、水と共沸する有機溶媒としては、エーテル溶媒、芳香族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒が挙げられ、なかでも、メチルtert−ブチルエーテル、トルエン、キシレンまたはシクロヘキサンがより好ましい。
【0033】
有機溶媒の使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、実用的には、カルボン酸(1)に対して、通常100重量倍以下である。反応温度は、通常−20〜200℃の範囲であり、好ましくは50〜180℃である。
【0034】
トリアリールカルベニウム化合物の使用量は、カルボン酸(1)および芳香族アミン(2)のうち、使用するモル数が少ない化合物に対して0.0001倍以上であれば、本発明の目的を達することができ、その上限は特にないが、通常0.001〜0.05モル倍の範囲である。
【0035】
反応試剤の混合順序は特に制限されず、通常、カルボン酸(1)、芳香族アミン(2)、トリアリールカルベニウム化合物および必要により有機溶媒を任意の順序で混合すればよい。所望の反応温度条件下で混合する場合は、カルボン酸(1)、トリアリールカルベニウム化合物および必要により有機溶媒を任意の順序で混合し、該混合物中に芳香族アミン(2)を加えていくことが好ましい。
【0036】
本反応は、通常、常圧条件下で実施される。また、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、NMR、IR等の通常の分析手段により、反応の進行を確認することができる。
【0037】
反応終了後の混合物を、例えば、晶析や蒸留等の手段により処理したり、必要に応じて水および/または水に不溶の有機溶媒と混合して抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理したりすることにより、上記式(3)で示されるベンゾアゾール化合物(以下、ベンゾアゾール(3)と略記する。)を単離することができる。得られたベンゾアゾール(3)は、例えば、精留、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段によりさらに精製されてもよい。
【0038】
ここで、水に不溶の有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;等が挙げられる。
【0039】
本反応により得られるベンゾアゾール(3)としては、例えば2−フェニルベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、2−ベンジルベンゾイミダゾール、2−(3−フェニルプロピル)ベンゾイミダゾール、5−クロロ−2−フェニルベンゾイミダゾール、5−ブロモ−2−フェニルベンゾイミダゾール、4−クロロ−2−メチルベンゾイミダゾール、4−ブロモ−2−メチルベンゾイミダゾール、2−(4−ビフェニリル)ベンゾイミダゾール、5−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール、4,5−ジクロロ−2−フェニルベンゾイミダゾール、5−フルオロ−2−(4−クロロフェニル)ベンゾイミダゾール、4−フルオロ−2−フェニルベンゾイミダゾール、4−シアノ−2−エチルベンゾイミダゾール、4−メトキシ−2−ベンジルベンゾイミダゾール、4−アセチル−2−フェニルベンゾイミダゾール、2−フェニル−ナフト[2,3−d]イミダゾール、4−フェノキシ−2−ベンジルベンゾイミダゾール、4−フェノキシ−2−ベンジルベンゾイミダゾール、4−トリフルオロメチル−2−フェニルベンゾイミダゾール、2−フェニルベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−ベンジルベンゾチアゾール、2−(3−フェニルプロピル)ベンゾチアゾール、5−クロロ−2−フェニルベンゾチアゾール、5−ブロモ−2−フェニルベンゾチアゾール、4−クロロ−2−メチルベンゾチアゾール、5−ブロモ−2−ベンジルベンゾチアゾール、4−メチル−2−フェニルベンゾチアゾール、4,5−ジクロロ−2−メチルベンゾチアゾール、4−フルオロ−2−フェニルベンゾチアゾール、4−フルオロ−2−フェニルベンゾチアゾール、5−シアノ−2−(4−フルオロフェニル)ベンゾチアゾール、4−メトキシ−2−フェニルベンゾチアゾール、4−アセチル−2−エチルベンゾチアゾール、4−トリフルオロメチル−2−フェニルベンゾチアゾール、2−フェニルベンゾオキサゾール、2−メチルベンゾオキサゾール、2−ベンジルベンゾオキサゾール、2−(3−フェニルプロピル)ベンゾオキサゾール、5−クロロ−2−フェニルベンゾオキサゾール、5−ブロモ−2−フェニルベンゾオキサゾール、4−クロロ−2−メチルベンゾオキサゾール、5−ブロモ−2−ベンジルベンゾオキサゾール、4−メチル−2−フェニルベンゾオキサゾール、2,3−ジクロロ−2−メチルベンゾオキサゾール、4−フルオロ−2−フェニルベンゾオキサゾール、4−フルオロ−2−フェニルベンゾオキサゾール、4−シアノ−2−(4−フルオロフェニル)ベンゾオキサゾール、4−メトキシ−2−フェニルベンゾオキサゾール、4−アセチル−2−エチルベンゾオキサゾール、4−トリフルオロメチル−2−フェニルベンゾオキサゾール、2,2’−メチレンビスベンズイミダゾール、2,2’−エチリデンビスベンズイミダゾール、2,2’−ジメチレンビスベンズイミダゾール、2,2’−トリメチレンビスベンズイミダゾール、2,2’−テトラメチレンビスベンズイミダゾール、1H−ベンズイミダゾール−2−ペンタン酸、2,2’’−p−フェニレンビスベンズイミダゾール、2,2’’−m−フェニレンビスベンズイミダゾール、2,2’’−o−フェニレンビスベンズイミダゾール、2,2’,2’’’−(1,3,5−ベンゼントリル)トリスベンズイミダゾール、2,2’,2’’,2’’’−(1,2,4,5−ベンゼンテトラリル)テトラキスベンズイミダゾール、2,2’−(1,5−ナフチレン)ビスベンズイミダゾール、2,2’−(2,7−ナフチレン)ビスベンズイミダゾール、2,2’−(2,6−ナフチレン)ビスベンズイミダゾール、2,2’−(1,8−ナフチレン)ビスベンズイミダゾール、2,2’−(4,4’−ビフェニリレン)ビスベンズイミダゾール等が挙げられる。
【実施例】
【0040】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0041】
実施例1
ディーンスターク水分離管および還流冷却管を付した50mLフラスコに、安息香酸 1.22g、オルトフェニレンジアミン540mg、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート42mgおよびトルエン3gを仕込み、得られた混合物を、油浴温度90〜95℃で加熱し、共沸脱水させながら24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、2−フェニルベンゾイミダゾールの収率は、75%(オルトフェニレンジアミン基準)であった。
【0042】
実施例2
ディーンスターク水分離管および還流冷却管を付した50mLフラスコに、4−フェニルブタン酸900mg、オルトフェニレンジアミン540mg、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート42mgおよびトルエン3gを仕込み、得られた混合物を、油浴温度90〜95℃で加熱し、共沸脱水させながら24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、2−(3−フェニルプロピル)ベンゾイミダゾールの収率は、81%(オルトフェニレンジアミン基準)であった。
【0043】
実施例3
ディーンスターク水分離管および還流冷却管を付した50mLフラスコに、安息香酸 1.22g、2−ヒドロキシアニリン1.09g、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート45mgおよびキシレン5gを仕込み、得られた混合物を、油浴温度120〜125℃で加熱し、共沸脱水させながら24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、2−フェニルベンゾオキサゾールの収率は、65%(2−ヒドロキシアニリン基準)であった。
【0044】
実施例4
ディーンスターク水分離管および還流冷却管を付した50mLフラスコに、アジピン酸0.81g、オルトフェニレンジアミン1.19g、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート42mgおよびトルエン5gを仕込み、得られた混合物を、油浴温度90〜95℃で加熱し、共沸脱水させながら24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、水洗後、有機層を濃縮して赤紫色結晶を790mg得た。ガスクロマトグラフィー(面積百分率法)にて分析したところ、2,2’−テトラメチレンビスベンズイミダゾールの含量は51重量%、1H−ベンズイミダゾール−2−ペンタン酸の含量は49%であった。
2,2’−テトラメチレンビスベンズイミダゾールの収率25%(アジピン酸基準)
1H−ベンズイミダゾール−2−ペンタン酸の収率32%(アジピン酸基準)
【0045】
実施例5
ディーンスターク水分離管および還流冷却管を付した50mLフラスコに、テレフタル酸0.92g、オルトフェニレンジアミン1.19g、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート42mgおよびトルエン5gを仕込み、得られた混合物を、油浴温度90〜95℃で加熱し、共沸脱水させながら24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、水洗後、有機層を濃縮して赤紫色結晶を1.10g得た。液体クロマトグラフィー(面積百分率法)にて分析したところ、2,2’−p−フェニレンビスベンズイミダゾールの含量は95重量%であった。
収率61%(テレフタル酸基準)
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明により製造されるベンゾアゾール化合物は、医農薬原体、電子材料等の各種化学製品や、それらの合成中間体として利用できる。(例えば、特開2005−247848号公報参照。)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリアリールカルベニウムカチオンと1価のアニオンとからなるトリアリールカルベニウム化合物の存在下に、式(1)
【化1】

(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表す。nは1〜4の整数を表す。)
で示されるカルボン酸化合物と式(2)
【化2】

(式中、R〜Rは、それぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアルキルカルボニル基、置換されていてもよいアリールカルボニル基、シアノ基またはニトロ基を表す。また、RとR、RとR、またはRとRが一緒になって、それぞれが結合する炭素原子とともに、環構造を形成していてもよい。Zは、酸素原子、硫黄原子または置換されていてもよいイミノ基を表す。)
で示される芳香族アミン化合物とを反応させる式(3)
【化3】

(式中、R〜R、Zおよびnは、それぞれ上記と同一の意味を表し、mは1以上n以下の整数を表す。)
で示されるベンゾアゾール化合物の製造方法。
【請求項2】
トリアリールカルベニウム化合物が、式(4)
【化4】

(式中、Arは置換されていてもよいアリール基を表し、Yはハロゲン化物イオン、置換されていてもよいアルキルスルホン酸イオン、置換されていてもよいアリールスルホン酸イオン、硫酸水素イオン、置換されていてもよいアルキルカルボン酸イオン、置換されていてもよいアリールカルボン酸イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、四ハロゲン化ホウ酸イオン、六ハロゲン化リン酸イオン、六ハロゲン化アンチモン酸イオン、五ハロゲン化スズ酸イオンまたは置換されていてもよいテトラアリールボレートを表す。)
で示されるトリアリールカルベニウム化合物である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
式(4)におけるYが、フッ素原子で置換されたテトラアリールボレートまたはトリフルオロメチル基で置換されたテトラアリールボレートである請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
トリアリールカルベニウム化合物が、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
トリアリールカルベニウム化合物の使用量が、式(1)で示されるカルボン酸化合物および式(2)で示される芳香族アミン化合物のうち、使用するモル数が少ない化合物に対して、0.001〜0.05モル倍である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。

【公開番号】特開2008−266292(P2008−266292A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2991(P2008−2991)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】