説明

ベンゾイルピラゾール系化合物、それらの製造方法及びそれらを含有する除草剤

【課題】農耕地、非農耕地などの適用範囲及び土壌処理、茎葉処理などの適用方法が多岐にわたり、優れた除草効果を示す新規な除草剤を提供する。
【解決手段】本発明は、式(I):
【化1】


(式中、Rはアルキルであり、Rは水素原子、アルキル、シクロアルキルなどであり、Rは水素原子、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいベンジルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルスルホニルなどであり、Rはアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロなどであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rは水素原子、アルキル、アルケニルなどである)で表されるベンゾイルピラゾール系化合物又はその塩に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草剤の有効成分として有用な新規ベンゾイルピラゾール系化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜5には、各々ベンゾイルピラゾール系化合物が開示されている。しかしながら、それらは下記式(I)で表されるベンゾイルピラゾール系化合物とは化学構造が異なる。
【0003】
【特許文献1】国際公開公報 WO 2004/024687
【特許文献2】国際公開公報 WO 98/45273
【特許文献3】国際公開公報 WO 98/29392
【特許文献4】特開平11−236376 公報
【特許文献5】特開平11−240872 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、より優れた除草剤を見出すべくベンゾイルピラゾール系化合物につき、種々検討した結果、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち本発明は、式(I);
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、Rはアルキルであり、Rは水素原子、アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ハロアルキル又はアルコキシであり、Rは水素原子、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいベンジルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルスルホニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロで置換されてもよいフェニルアルキル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェナシル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェノキシカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルアミノカルボニル、ピリジル部分がハロゲンで置換されてもよいピリジルアルキル、アルキルアミノカルボニル、(アルキルチオ)カルボニル、アルコキシチオカルボニル、アルキルスルホニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシカルボニルメチル、カルボキシメチル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキルカルボニル、(フェニルチオ)カルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノスルホニル、1,3-チアゾール-4-イルアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキルカルボニル、2-フリルカルボニル又はハロアルキルで置換されてもよいピリジルであり、Rはアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、メチルスルホニル、アルコキシ又はビニルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rは水素原子、アルキル、アルケニル又はアルキニルであり、前記Rのアルキルはハロゲン、シクロアルキル、アルコキシカルボニル又はアルコキシで置換されてもよく、同Rのアルケニルはハロゲンで置換されてよい)で表されるベンゾイルピラゾール系化合物又はその塩、それらの製造方法、それらを有効成分として含有する除草剤、それらの除草有効量を望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、除草剤の有効成分として有用な新規ベンゾイルピラゾール系化合物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
、R、R、R、R又はRのアルキル又はアルキル部分は、直鎖又は分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルのようなC1−6のものが挙げられる。
【0010】
又はRのアルケニルは、直鎖又は分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、ビニル、1-プロペニル、アリル、i-プロペニル、1-ブテニル、1,3-ブタジエニル、1-ヘキセニルのようなC2−6のものが挙げられる。
【0011】
又はRのアルキニルとしては、直鎖又は分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-メチル-2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、1-メチル-2-ペンチニルのようなC2−6のものが挙げられる。
【0012】
、R、R又はRにおいて、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、フェニルアルキル、アルキルアミノカルボニル、アルキルスルホニル、アルコキシチオカルボニル、(アルキルチオ)カルボニル(ここで、(アルキルチオ)カルボニルは「アルキルチオールカルボニル」ともいう)、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルメチル、アルキルカルボニル、ピリジルアルキル、アルコキシアルキルカルボニル、アルキルアミノスルホニル、1,3-チアゾール-4-イルアルキル又はアルキルチオアルキルに含まれるアルキル部分としては、直鎖又は分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルのようなC1−6のものが挙げられる。
【0013】
、R又はRのシクロアルキル又はシクロアルキル部分としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルのようなC3−6のものが挙げられる。
【0014】
、R、R又はRのハロゲン又は置換基としてのハロゲン部分としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の各原子が挙げられる。
【0015】
又はRのハロアルキルに含まれるハロゲン部分による置換数は、1又は2以上であってよく、2以上の場合、それらは同一でも相異なってもよい。又、各置換基の置換位置はいずれの位置でもよい。
【0016】
のフェニルアルキルにおけるアルキル部分に対するフェニルの置換数、フェニルアミノカルボニルにおけるアミノカルボニル部分に対するフェニルの置換数、ピリジルアルキルにおけるアルキル部分に対するピリジルの置換数、アルキルアミノカルボニルにおけるアミノカルボニル部分に対するアルキルの置換数、アルコキシカルボニルメチルにおけるメチル部分に対するアルコキシカルボニルの置換数、カルボキシメチルにおけるメチル部分に対するカルボキシの置換数、アルコキシアルキルカルボニルにおけるアルキルカルボニル部分に対するアルコキシの置換数、アルキルアミノスルホニルにおけるアミノスルホニル部分に対するアルキルの置換数、1,3-チアゾール-4-イルアルキルにおけるアルキル部分に対する1,3-チアゾールの置換数、アルキルチオアルキルにおけるアルキル部分に対するアルキルチオの置換数は、各々1又は2以上であってよく、2以上の場合、それらは同一でも相異なってもよい。又、各置換基の置換位置はいずれの位置でもよい。
【0017】
のベンジルカルボニル、フェニルスルホニル、フェニルアルキル、フェニルカルボニル、フェナシル、フェノキシカルボニル、フェニルアミノカルボニルのフェニル部分をアルキル、アルコキシ又はハロゲンが置換する場合、それらの置換基数は、1又は2以上であってよく、2以上の場合、それらは同一でも相異なってもよい。又、各置換基の置換位置はいずれの位置でもよい。
【0018】
のフェニルアルキルのフェニル部分をアルコキシカルボニル、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロが置換する場合、それらの置換基数は、1又は2以上であってよく、2以上の場合、それらは同一でも相異なってもよい。又、各置換基の置換位置はいずれの位置でもよい。
【0019】
のフェニルアルキルをハロアルキル又はハロアルコキシが置換する場合の当該ハロアルキル又はハロアルコキシに含まれるハロゲンの置換数は、各々1又は2以上であってよく、2以上の場合、それらは同一でも相異なってもよい。又、各置換基の置換位置はいずれの位置でもよい。
【0020】
のアルキルの置換基であるハロゲン、シクロアルキル、アルコキシカルボニル又はアルコキシの置換数は、1又は2以上であってよく、2以上の場合、それらは同一でも相異なってもよい。又、各置換基の置換位置はいずれの位置でもよい。
【0021】
のアルケニルの置換基であるハロゲンの置換数は、1又は2以上であってよく、2以上の場合、それらは同一でも相異なってもよい。又、各置換基の置換位置はいずれの位置でもよい。
【0022】
本願明細書の化学式において、結合
【0023】
【化2】

【0024】
は、E体、Z体、syn形、anti形またはそれらの混合物であることを示す。
上記式(I)で表されるベンゾイルピラゾール系化合物の塩としては、農業上許容されるものであればあらゆるものが含まれるが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;ジメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩のようなアンモニウム塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。
【0025】
上記式(I)で表されるベンゾイルピラゾール系化合物には、幾何異性体、光学異性体、又は互変異性体が存在する場合がある。
又、異性体の種類によっては、前記式(I)とは異なる化学構造となる場合があるが、当業者であればそれらが異性体の関係にあることが十分認識できる為、本発明の範囲内であることは明らかである。
【0026】
上記式(I)で表されるベンゾイルピラゾール系化合物には、オキシム部分の二重結合に起因するシン−アンチ幾何異性体が存在する。本発明においては、これら各異性体及びこれらの異性体の混合物を全て包含する。このことは、式(I)において、オキシム部分における窒素原子と酸素原子の間に示された波線によって表される。その他の式においても同様である。
【0027】
上記式(I)で表されるベンゾイルピラゾール系化合物又はその塩(以下、本発明化合物と略す)は、以下の反応[A]から[AX]及び通常の塩の製造方法に従って製造することができる。
【0028】
上記式(I)で表される本発明化合物のうち、Rがフェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいベンジルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルスルホニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロで置換されてもよいフェニルアルキル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェナシル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェノキシカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルアミノカルボニル、ピリジル部分がハロゲンで置換されてよいピリジルアルキル、アルキルアミノカルボニル、(アルキルチオ)カルボニル、アルコキシチオカルボニル、アルキルスルホニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシカルボニルメチル、カルボキシメチル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキルカルボニル、(フェニルチオ)カルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノスルホニル、1,3-チアゾール-4-イルアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキルカルボニル、2-フリルカルボニル又はハロアルキルで置換されてよいピリジルである化合物(I-a)は、下記反応[A]にて製造することができる。
【0029】
【化3】

【0030】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りであり、R3−aはフェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいベンジルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルスルホニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロで置換されてもよいフェニルアルキル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェナシル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェノキシカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルアミノカルボニル、ピリジル部分がハロゲンで置換されてよいピリジルアルキル、アルキルアミノカルボニル、(アルキルチオ)カルボニル、アルコキシチオカルボニル、アルキルスルホニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシカルボニルメチル、カルボキシメチル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキルカルボニル、(フェニルチオ)カルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノスルホニル、1,3-チアゾール-4-イルアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキルカルボニル、2-フリルカルボニル又はハロアルキルで置換されてよいピリジルであり、Zはハロゲンなどの脱離基である。)
即ち、上記式(I-a)で表される本発明化合物は、Rが水素原子である式(I-b)で表される本発明化合物と、上記式(II)で表される化合物とを反応させる方法にて製造することができる。
【0031】
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;水などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0032】
上記反応は、必要に応じて、塩基の存在下で行なうことができる。塩基は無機塩基又は有機塩基のいずれでもよい。無機塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類;ピリジンなどが挙げられる。塩基としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0033】
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜200 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記反応は、第4級アンモニウム塩などの相関移動触媒の存在下、水と上記溶媒中で水に不溶の溶媒との二相系で反応させることもできる。
【0034】
また、上記式(I-a)で表される本発明化合物は、下記反応[B]に従って製造することもできる。
【0035】
【化4】

【0036】
(式中、R、R、R3−a、R、R及びRは前述の通りである。)
即ち、上記式(I-a)で表される本発明化合物は、上記式(III)で表される化合物と上記式(IV)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。
【0037】
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;水;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0038】
上記反応で用いる式(III)で表される化合物は、同化合物の塩酸塩であるH2N-O-R6・HClと酢酸ナトリウムなどの塩基とを反応させることによって得ることができる。この塩基としては、無機塩基又は有機塩基のいずれでもよい。無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類;4-ジメチルアミノピリジン、ピリジンのようなピリジン系化合物などが挙げられる。塩基としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0039】
上記式(I-b)で表される本発明化合物は、次に示される下記反応[C]に従って製造することができる。
【0040】
【化5】

【0041】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りであり、Lは保護基である。)
即ち、式(I-b)で表される化合物は、式(V)で表される化合物から保護基Lを脱離させる反応させる方法により製造することができる。
【0042】
上記反応において、保護基Lは、有機化学分野において、通常用いられるものが選択され、例えば、アルキル、ベンジル、アセチルなどが挙げられる。
上記反応は、通常有機合成化学において用いられる方法で行なうことができる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;水などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応は、必要に応じて、塩基又は酸の存在下、行なうことができる。塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;アンモニア水などが挙げられる。酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸のような無機酸;酢酸、プロピオン酸のような有機酸などが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜100 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0043】
また、上記式(I-b)で表される化合物は、下記反応[D]に従って製造することができる。
【0044】
【化6】

【0045】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである。)
即ち、上記式(I-b)で表される化合物は、上記式(III)で表される化合物と上記式(VII)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この反応は、先に述べた反応[B]と同様に行なうことができる。
【0046】
又、上記式(I-b)で表される化合物は、下記反応[E]に従って製造することができる。
【0047】
【化7】

【0048】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである。)
即ち、上記式(I-b)で表される本発明化合物は、式(VI)で表される化合物を転位反応(Fries転位)させる反応を用いた方法により製造することができる。
【0049】
上記反応は、必要に応じ、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0050】
上記反応は、必要に応じ、塩基の存在下で行なうことができる。塩基は無機塩基又は有機塩基のいずれでもよい。無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類;4-ジメチルアミノピリジン、ピリジンのようなピリジン系化合物などが挙げられる。塩基としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応は、必要に応じ、シアノ化合物の存在下で行なうことができる。シアノ化合物としては、例えば、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、アセトンシアンヒドリン、シアン化水素、シアン化カリウムを保持したポリマーなどが挙げられる。シアノ化合物としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応は、クラウンエーテルなどの触媒の存在下で行なうことができる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜100 ℃、好ましくは10 ℃〜40 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間、好ましくは1時間〜24時間で行なうことができる。
【0051】
上記式(IV)で表される化合物は、下記反応[F]に従って製造することができる。
【0052】
【化8】

【0053】
(式中、R、R、R3−a、R、R及び脱離基Zは前述の通りである。)
即ち、上記式(IV)で表される化合物は、上記式(II)で表される化合物と、上記式(VII)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。
【0054】
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0055】
上記反応は、必要に応じて、塩基の存在下で行なうことができる。塩基は無機塩基又は有機塩基のいずれでもよい。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類;ピリジンなどが挙げられる。塩基としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜+150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記反応は、第4級アンモニウム塩などの相関移動触媒の存在下、水と上記溶媒中で水に不溶の溶媒との二相系で反応させることもできる。
【0056】
又、上記式(IV)で表される化合物は、下記反応[G]に従って製造することができる。
【0057】
【化9】

【0058】
(式中、R、R、R3−a、R及びRは前述の通りであり、Aはアルキル基であるか又は2つのAがお互いに結合しアルキレン鎖を形成してもよい。)
即ち、上記式(IV)で表される化合物は、式(VIII)で表される化合物を酸の存在下加水分解反応させる方法により製造することができる。
【0059】
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、ジメチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;水;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。これらのうち、ケトン類は、反応を促進する役割を果たすので、好ましい。
上記反応に用いる酸としては、塩酸、希硫酸、希硝酸などの無機酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸などが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜100 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0060】
上記式(V)で表される化合物は、下記反応[H]に従って製造することができる。
【0061】
【化10】

【0062】
(式中、R、R、R、R、R及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、上記式(V)で表される化合物は、上記式(III)で表される化合物と上記式(IX)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[B]と同様に行なうことができる。
【0063】
上記式(VI)で表される化合物は、下記反応[I]に従って製造することができる。
【0064】
【化11】

【0065】
(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである。)
即ち、上記式(VI)で表される化合物は、式(X)で表される化合物と式(XI)で表される化合物とを溶媒の存在下、脱水反応させることにより製造することができる。
【0066】
上記反応で用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応は、脱水縮合剤の存在下で行なうことができる。脱水縮合剤としては、例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常- 10 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0067】
上記式(VII)で表される化合物は、下記反応[J]に従って製造することができる。
【0068】
【化12】

【0069】
(式中、R、R、R、R及びAは前述の通りである。)
即ち、上記式(VII)で表される化合物は、式(XII)で表される化合物と、酸の存在下、加水分解反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[G]と同様に行なうことができる。
【0070】
上記式(VIII)で表される化合物は、下記反応[K]に従って製造することができる。
【0071】
【化13】

【0072】
(式中、R、R、R3−a、R、R、A及び脱離基Zは前述の通りである。)
即ち、上記式(VIII)で表される化合物は、上記式(II)で表される化合物と式(XII)で表される化合物とを反応させる方法にて製造することができる。この方法は、先に述べた反応[A]と同様に行なうことができる。
【0073】
上記式(IX)で表される化合物は、下記反応[L]に従って製造することができる。
【0074】
【化14】

【0075】
(式中、R、R、R、R、脱離基Z及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、上記式(IX)で表される化合物は、上記式(XIV)で表される化合物と式(VII)で表される化合物とを反応させる方法にて製造することができる。
【0076】
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0077】
上記反応は、必要に応じて、酸又は塩基の存在下で行なうことができる。
酸としては、塩酸などの無機酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸類が挙げられる。
塩基としては、無機塩基又は有機塩基のいずれでもよい。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類;ピリジンなどが挙げられる。塩基としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記反応は、第4級アンモニウム塩などの相関移動触媒の存在下、水と上記溶媒中で水に不溶の溶媒との二相系で反応させることもできる。
【0078】
上記式(IX)で表される化合物は、下記反応[M]に従って製造することができる。
【0079】
【化15】

【0080】
(式中、R、R、R、R、A及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、上記式(IX)で表される化合物は、式(XIII)で表される化合物を、酸の存在下、加水分解反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[G]と同様に行なうことができる。
【0081】
上記式(XIII)で表される化合物は、下記反応[N]に従って製造することができる。
【0082】
【化16】

【0083】
(式中、R、R、R、R、A、保護基L及び脱離基Zは前述の通りである。)
即ち、上記式(XIII)で表される化合物は、上記式(XIV)で表される化合物と上記式(XII)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[L]と同様に行なうことができる。
【0084】
上記式(XI)で表される化合物は、下記反応[O−1]に従って製造することができる。
【0085】
【化17】

【0086】
(式中、R、R及びRは前述の通りであり、Lはメトキシメチル、メチルチオメチル、フェナシル、アルキル、フェニル、ベンジル、トリフェニルメチル、ジフェニルメチル、p-ニトロベンジル、p-メトキシベンジル、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリルなどの保護基である。)
即ち、上記式(XI)で表される化合物は、上記式(XV)で表される化合物から保護基Lを脱離させる方法により、製造することができる。この方法は先に述べた反応[C]と同様に行なうことができる。
【0087】
また、上記式(XV)で表される化合物のうち、Rがビニル基である化合物は、下記反応[O−2]に従って製造することができる。
【0088】
【化18】

【0089】
(式中、R4−eはビニル基であり、R、R及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XV−f)で表される化合物は、式(XV−e)である化合物とトリブチルビニルスズを溶媒及び触媒の存在下、不活性気体中で反応させることができる。
上記反応において使用する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、N-メチル-2-ピロリドン, N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類等が挙げられる。
上記反応において使用する触媒としては、ニ塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)のようなパラジウム触媒が挙げられる。
上記反応における反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃であり、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0090】
上記式(XII)で表される化合物は、下記反応[P]に従って製造することができる。
【0091】
【化19】

【0092】
(式中、R、R、R、R及びAは前述の通りである。)
即ち、上記式(XII)で表される化合物は、式(XVI)で表される化合物を転位反応(Fries転位)させる反応を用いた方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[E]と同様に行なうことができる。
【0093】
上記式(XV)で表される化合物は、下記反応[Q]に従って製造することができる。
【0094】
【化20】

【0095】
(式中、R、R、R及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、上記式(XV)で表される化合物は、上記式(III)で表される化合物と上記式(XIX)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[B]と同様に行なうことができる。
【0096】
上記式(XIX)で表される化合物のうち、置換基Rがアルキルである式(XIX-a)で表される化合物は、次に示される下記反応[R−1]に従って製造することができる。
【0097】
【化21】

【0098】
(式中、R及び保護基Lは前述の通りであり、R5-a1はアルキルであり、R5-a2はR5-a1より炭素数が1つ少ないアルキルである。)
即ち、上記式(XIX-a)で表される化合物は、式(XX)で表される化合物と式(XXI)で表される化合物を反応させることにより製造することができる。
【0099】
上記反応は、溶媒及び遷移金属触媒の存在下に行なわれる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応に使用する遷移金属触媒としては、例えば、二塩化トリフェニルホスフィンパラジウムPdCl2(P(Ph)3)2などを使用することができる。
上記反応は、必要に応じて窒素気流下において行なわれる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜200 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記反応[R−1]の反応に記載された式(XXI)で表される化合物のうちRがアルキル又はハロゲンである化合物は、特開平11−236376号公報第17頁、又は特開平11-240872号公報第9頁などに記載された公知の化合物であり、当該公報に記載された方法、又はそれに類似する方法で製造することができる。
【0100】
又、上記式(XIX)で表される化合物のうち、Rが水素原子である式(XVIII)で表される化合物は、下記反応[R−2]に従って製造することができる。
【0101】
【化22】

【0102】
(式中、R及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、上記式(XVIII)で表される化合物は、式(XXI)で表される化合物を、パラジウム触媒の存在下で一酸化炭素と水素供与体とを反応させる方法により製造することができる。
【0103】
上記反応は、溶媒の存在下に行なわれる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応において、水素供与体としては、水素化トリアルキルスズ、水素ガスなどが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜300 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0104】
上記式(XIX)で表される化合物は、下記反応[S]に従って製造することができる。
【0105】
【化23】

【0106】
(式中、A、保護基L、R及びRは前述の通りである。)
即ち、上記式(XIX)で表される化合物は、式(XXII)で表される化合物と、酸の存在下加水分解反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[G]と同様に行なうことができる。
【0107】
上記式(XXII)で表される化合物は、下記反応[T]に従って製造することができる。
【0108】
【化24】

【0109】
(式中、A、保護基L、R及びRは前述の通りである。)
即ち、上記式(XXII)で表される化合物は、酸の存在下、式(XXIII)で表される化合物と、一価アルコール(A-OH)或いは二価アルコール(HO-A-OH)とを反応させる方法により製造することができる。
【0110】
上記反応において、酸としては、塩酸や硫酸のような無機酸;酢酸、プロピオン酸のような有機酸などが挙げられる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;水;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0111】
また、上記式(XIX)で表される化合物は、下記反応[U]に従って製造することもできる。
【0112】
【化25】

【0113】
(式中、R、R及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、上記式(XIX)で表される化合物は、式(XXIII)で表される化合物を、酸の存在下、加水分解反応させる方法により製造することができる。この方法は先に述べた反応[G]と同様に行なうことができる。
【0114】
上記式(XVI)で表される化合物は、下記反応[V]に従って製造することができる。
【0115】
【化26】

【0116】
(式中、R、R、R、R及びAは前述の通りである。)
即ち、上記式(XVI)で表される化合物は、式(X)で表される化合物と式(XVII)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[I]と同様に行なうことができる。
【0117】
上記式(XVII)で表される化合物は、下記反応[W]に従って製造することができる。
【0118】
【化27】

【0119】
(式中、A、R、R及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XVII)で表される化合物は、式(XXII)で表される化合物から保護基Lを脱離させる反応により、製造することができる。この方法は、先に述べた反応[C]と同様に行なうことができる。
【0120】
上記式(XXIII)で表される化合物は、下記反応[X]に従って製造することができる。
【0121】
【化28】

【0122】
(式中、R、R及び保護基Lは前述の通りであり、Phはフェニル基であり、Xはハロゲンである。)
即ち、上記式(XXIII)で表される化合物は、式(XXVII)で表されるアルキルリチウム、フェニルリチウム或いはリチウムジイソプロピルアミド(LDA)、式(XXVIII)で表される化合物及び式(XXVI)で表される化合物を窒素気流下において反応させる方法により製造することができる。
上記反応において、アルキルリチウムとしては、n-ブチルリチウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウムなどが挙げられる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類、アセトニトリルなどが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常-80 ℃〜+50 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0123】
上記反応[X]に記載された式(XXVI)で表される化合物のうちRがアルキル又はハロゲンである化合物の式(XXI)で表される化合物からの合成方法は特開平11−236376号公報第17頁、又は特開平11-240872号公報第9頁などに記載されている。これらの化合物は当該公報にて公知の化合物である。又、それらは当該公報に記載された方法、又はそれに類似する方法で製造することができる。
【0124】
上記式(XXVI)で表される化合物のうち、置換基Rがアルコキシである、式(XXVI-a)は、下記反応[Y]に従って製造することができる。
【0125】
【化29】

【0126】
(式中、R4−aはアルコキシであり、保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXVI-a)で表される化合物は、式(XXIX)で表される化合物と式(XXX-a1)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。又、式(XXIX)で表される化合物に代えて、2-ニトロプロパンとナトリウムメトキシド(NaOCH3)を使用して反応を行なうことができる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜+100 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0127】
又、式(XXVI-a)は、下記反応[Z]に従って製造することができる。
【0128】
【化30】

【0129】
(式中、R4−a及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXVI-a)で表される化合物は、式(XXIX)で表される化合物と式(XXX-a2)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。
この方法は、先に述べた反応[Y]と同様に行なうことができる。
【0130】
上記式(XXX-a1)で表される化合物は、下記反応[AB]に従って製造することができる。
【0131】
【化31】

【0132】
(式中、R4−a及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXX-a1)で表される化合物は、式(XXXI-a)で表される化合物、N-ブロモスクシンイミド(NBS)及びラジカル反応開始剤(過酸化ジベンゾイル(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)など)を反応させる方法により製造することができる。又、ラジカル反応開始剤に代えて光を照射して反応させることもできる。
【0133】
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0134】
上記式(XXX-a2)で表される化合物は、下記反応[AC]に従って製造することができる。
【0135】
【化32】

【0136】
(式中、R4−a及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXX-a2)で表される化合物は、式(XXXI-a)で表される化合物、N-クロロスクシンイミド(NCS)及びラジカル反応開始剤(過酸化ジベンゾイル(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)など)を反応させる方法により製造することができる。又、ラジカル反応開始剤に代えて光を照射して反応させることもできる。
上記方法における反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0137】
上記式(XXXI-a)で表される化合物は、下記反応[AD]に従って製造することができる。
【0138】
【化33】

【0139】
(式中、R4−a、保護基L及び脱離基Zは前述の通りである。)
即ち、式(XXXI-a)で表される化合物は、式(XXXII)で表される化合物と式(XXXIII)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、前述の反応[A]と同様の方法で製造することができる。
【0140】
反応[AD]の他、式(XXXI-a)で表される化合物は、下記反応[AE]に従って製造することもできる。
【0141】
【化34】

【0142】
(式中、R4−a、保護基L及び脱離基Zは前述の通りである。)
即ち式(XXXI-a)で表される化合物は、式(XXXII)で表される化合物と式(XXXIII)で表される化合物とを、塩酸や硫酸などの無機酸と共に反応させる方法により製造することができる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
また、上記反応は、式(XXXII)で表される化合物の代わりに、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類を用いて、塩酸や硫酸などの無機酸と共に反応させることもできる。この場合、反応に使用するアルコールを溶媒として使用することもできる。
【0143】
また、式(XXXI-a)で表される化合物は、下記反応[AE−2]に従って製造することができる。
【0144】
【化35】

【0145】
(式中、R4−a及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXXI-a)で表される化合物は、溶媒の存在下、式(XXXI-a-2)で表される化合物と酸化剤とを反応させる方法により製造することができる。
上記反応における酸化剤としては、過酸化水素(H2O2)、過酢酸(CH3C(=O)OOH)、m-クロロ過安息香酸、酸化オスミウム、酸化ルテニウム、硝酸、ペルオキソ硫酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、四酸化二窒素、過マンガン酸カリウムやメタ過ヨウ素酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜+150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記反応における溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;酢酸やプロピオン酸のような有機酸類;アセトニトリル、HMPA、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;などが挙げられる。
上記反応は、必要に応じて、触媒を用いて行なうことができる。触媒としてタングステン酸ナトリウム(Na2WO4.2H2O)などを使用できる。
【0146】
上記式(XXXI-a)で表される化合物は、下記反応[AE−3]に従って製造することができる。
【0147】
【化36】

【0148】
(式中、R4−a及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXXI-a-2)で表される化合物は、溶媒の存在下、式(XXXI-a-4)で表される化合物とメチルメルカプタン塩とを反応させることにより製造することができ、又、式(XXXI-a-3)で表される化合物が得られた場合は、さらにL−OH及び硫酸と反応させることにより、製造することができる。
上記反応に使用する溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトン、ジメチルケトンなどのケトン類;アセトニトリル、HMPA、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;水;メタノール、エタノールのようなアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類などが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常-20 ℃〜+200 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
なお、上記反応はヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミドなどの相間移動触媒を用いて反応させることもできる。
上記反応で用いるメチルメルカプタン塩は、メチルメルカプタンと水素化ナトリウムや水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;水素化カルシウムのようなアルカリ土類金属水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類などの塩基を反応させ、対応するメチルメルカプタン塩を反応させることができる。
上記反応[AE−3]に記載された式(XXXI-a-4)で表される化合物の合成方法は、国際公開公報 WO 97/4116の24頁などに記載されている。これらの化合物は当該公報にて公知の化合物である。又、それらは当該公報に記載された方法、又はそれに類似する方法で製造することができる。
【0149】
上記式(XXXIII)で表される化合物は、下記反応[AF]に従って製造することができる。
【0150】
【化37】

【0151】
(式中、R4−aは前述の通りである。)
即ち、式(XXXIII)で表される化合物は、式(XXXIV)で表される化合物とアルキルリチウムと二酸化炭素とを反応させる方法により製造することができる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常-80 ℃〜+50 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0152】
上記反応[AF]の反応に記載された式(XXXIV)で表される化合物は、Synthesis, 1982, (6), 475-8などに記載された公知の化合物であり、当該公報に記載された方法、又はそれに類似する方法で製造することができる。
【0153】
又、上記式(XXVI)で表される化合物のうち、Rがハロアルキルである式(XXVI-b)で表される化合物は、下記反応[AG−1]に従って製造することができる。
【0154】
【化38】

【0155】
(式中、置換基R4−bはハロアルキルであり、保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXVI-b)で表される化合物は、式(XXIX)で表される化合物と式(XXX-b1)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[Y]と同様に行なうことができる。
【0156】
反応[AG−1]の他、式(XXVI-b)は、下記反応[AG−2]に従って製造することができる。
【0157】
【化39】

【0158】
(式中、置換基R4−b及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXVI-b)で表される化合物は、式(XXIX)で表される化合物と式(XXX-b2)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[Y]と同様に行なうことができる。
【0159】
上記式(XXX-b1)で表される化合物は、下記反応[AH−1]に従って製造することができる。
【0160】
【化40】

【0161】
(式中、R4−b及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXX-b1)で表される化合物は、式(XXXI-b)で表される化合物、N-ブロモスクシンイミド(NBS)及びラジカル反応開始剤(過酸化ジベンゾイル(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)など)を反応させる方法により製造することができる。又、ラジカル反応開始剤に代えて光を照射して反応させることもできる。
この方法は、前述の反応[AB]と同様の方法で製造することができる。
【0162】
上記式(XXX-b2)で表される化合物は、下記反応[AH−2]に従って製造することができる。
【0163】
【化41】

【0164】
(式中、R4−b及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXX-b2)で表される化合物は、式(XXXI-b)で表される化合物、N-クロロスクシンイミド(NCS)及びラジカル反応開始剤(過酸化ジベンゾイル(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)など)を反応させる方法により製造することができる。又、ラジカル反応開始剤に代えて光を照射して反応させることもできる。
この方法は、前述の反応[AC]と同様の方法で製造することができる。
【0165】
上記式(XXXI-b)で表される化合物は、下記反応[AI−1]に従って製造することができる。
【0166】
【化42】

【0167】
(式中、R4−b及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXXI-b)で表される化合物は、式(XXXV)で表される化合物と、酸化剤とを反応させる方法により製造することができる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類;水;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;酢酸などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0168】
上記反応における酸化剤としては、過酸化水素(H2O2)、過酢酸(CH3C(=O)OOH)、m-クロロ過安息香酸などが挙げられる。又、過マンガン酸カリウムやメタ過ヨウ素酸ナトリウムを使用することもできる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜+100 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0169】
また、式(XXXI-b)で表される化合物は、下記反応[AI−2]に従って製造することができる。
【0170】
【化43】

【0171】
(式中、R4−b及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXXI-b)で表される化合物は、触媒の存在下、式(XXXI-b-2)で表される化合物、アルコール(L−OH)及び一酸化炭素を反応させることにより製造することができる。
【0172】
触媒としては、ニ塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)やテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)のようなものが挙げられる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒を用いることができる。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、HMPA、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;アセトン、エチルメチルケトン、ジメチルケトンなどのケトン類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;水などが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常50〜250℃であり、反応時間は通常1〜48時間で行なうことができる。
また、上記反応は、塩基の存在下に行なうことができる。塩基としては、酢酸ナトリウムやトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩などが挙げられる。
【0173】
上記式(XXXI-b-2)で表される化合物は、下記反応[AI−3]に従って製造することができる。
【0174】
【化44】

【0175】
(式中、R4−bは前述の通りである。)
即ち、式(XXXI-b-2)で表される化合物は、溶媒の存在下、式(XXXI-b-3)で表される化合物と酸化剤とを溶媒の存在化に反応させる方法により製造することができる。
上記反応における酸化剤としては、過酸化水素(H2O2)、過酢酸(CH3C(=O)OOH)、m-クロロ過安息香酸、酸化オスミウム、酸化ルテニウム、硝酸、ペルオキソ硫酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、四酸化二窒素、過マンガン酸カリウムやメタ過ヨウ素酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記反応で使用する溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;水;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;酢酸やプロピオン酸のような有機酸類;アセトニトリル、HMPA、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
上記反応は、必要に応じて、触媒としてタングステン酸ナトリウム(Na2WO4.2H2O)などを使用できる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜+150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0176】
上記式(XXXI-b-3)で表される化合物は、下記反応[AI−4]に従って製造することができる。
【0177】
【化45】

【0178】
(式中、R4−bは前述の通りである。)
即ち、式(XXXI-b-3)で表される化合物は、式(XXXI-b-4)で表される化合物と亜硝酸アルキル、ジメチルジスルフィドとを、触媒の存在下、反応させる方法により製造することができる。
上記反応において、亜硝酸アルキルとしては、例えば、亜硝酸t-ブチル(t-BuONO)等などが挙げられる。
上記反応において、触媒としては銅などが挙げられる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトン、エチルメチルケトン、ジメチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;ジメチルジスルフィドなどが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0179】
また上記反応は、酸性条件下、式(XXXI-b-4)で表される化合物を亜硝酸ナトリウムと反応させてジアゾニウム塩にし、ナトリウムメチルメルカプチドと反応させた後、式(XXXI-b-4)で表される化合物と反応させることができる。その場合、溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、水;メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類等が挙げられる。その反応温度は、通常-20 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0180】
上記式(XXXI-b-4)で表される化合物は、下記反応[AI−5]に従って製造することができる。
【0181】
【化46】

【0182】
(式中、R4−bは前述の通りである。)
即ち、式(XXXI-b-4)で表される化合物は、極性溶媒の存在下、式(XXXI-b-5)で表される化合物と、N-ブロモスクシイミド(NBS)或いは臭素とを反応させることにより製造することができる。
上記反応における溶媒としては、アセトニトリル、HMPA、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒を使用することができる。
上記反応においては、必要に応じて、塩基を使用することができる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類を使用することができる。
上記反応における反応温度は、通常0〜100℃であり、反応時間は通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記反応[AI−5]の反応に記載された式(XXXI-b-5)で表される化合物は、一般に試薬として入手可能であり、例えば、CASNo.[54396-44-0]などとして知られている化合物である。
【0183】
上記式(XXXV)で表される化合物は、下記反応[AJ]に従って製造することができる。
【0184】
【化47】

【0185】
(式中、R4−b、脱離基Z及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXXV)で表される化合物は、式(XXXII)で表される化合物と式(XXXVI)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、前述の反応[A]若しくは[AE−1]と同様の方法で製造することができる。
【0186】
上記式(XXXVI)で表される化合物は、下記反応[AK−1]又は[AK−2]に従って製造することができる。
【0187】
【化48】

【0188】
(式中、R4−bは前述の通りである。)
即ち、式(XXXVI)で表される化合物は、式(XXXVII)で表される化合物とアルキルリチウムと二酸化炭素(CO2)とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、前述の反応[AF]と同様の方法で行なうことができる。
【0189】
【化49】

【0190】
(式中、R4−bは前述の通りである。)
式(XXXVI)で表される化合物は、式(XXXVII)で表される化合物と触媒及び一酸化炭素とをアルカリ水溶液中で反応させる方法により製造することができる。
上記反応におけるアルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、トリエチルアミンなどの水溶液が挙げられる。
上記反応における反応温度は、通常、0〜200 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
触媒としては、ニ塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)やテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)のようなものが挙げられる。
【0191】
上記式(XXXVII)で表される化合物は、下記反応[AL]に従って製造することができる。
【0192】
【化50】

【0193】
(式中、R4−bは前述の通りである。)
即ち、式(XXXVII)で表される化合物は、極性溶媒の存在下、式(XXXVIII)で表される化合物とN-ブロモスクシンイミド(NBS)或いは臭素(Br2)とを反応させる方法により製造することができる。
この方法は、前述の反応[AI−5]と同様の方法で行なうことができる。
【0194】
上記式(XXXVIII)で表される化合物は、下記反応[AM−1]又は[AM−2]に従って製造することができる。
【0195】
【化51】

【0196】
(式中、R4−bは前述の通りである。)
即ち、式(XXXVIII)で表される化合物は、式(XXXIX)で表される化合物とナトリウム メチルメルカプチド(NaSCH3)とを反応させる方法により製造することができる。
【0197】
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類;水;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜+150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0198】
【化52】

【0199】
(式中、R4−bは前述の通りである。)
即ち、式(XXXVIII)で表される化合物は、式(XXXIX)で表される化合物、水硫化ナトリウム(NaSH)及びヨウ化メチル(CH3I)を反応させる方法により製造することができる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類;水;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、N,N'-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜+150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0200】
上記反応[AM−1]及び[AM−2]の反応に記載された式(XXXIX)で表される化合物は、特開昭59-172426公報第7頁などに記載された公知の化合物であり、当該公報に記載された方法、又はそれに類似する方法で製造することができる。
【0201】
又、上記式(XXVI)で表される化合物のうち、Rがニトロである、式(XXVI-c)で表される化合物は、下記反応[AN−1]に従って製造することができる。
【0202】
【化53】

【0203】
(式中、R4−cはニトロであり、保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXVI-c)で表される化合物は、式(XXIX)で表される化合物と式(XXX-c1)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[Y]と同様に行なうことができる。
【0204】
反応[AN−1]の他、上記式(XXVI-c)は、下記反応[AN−2]に従って製造することができる。
【0205】
【化54】

【0206】
(式中、R4−c及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXVI-c)で表される化合物は、式(XXIX)で表される化合物と式(XXX-c2)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、先に述べた反応[Y]と同様に行なうことができる。
【0207】
上記式(XXX-c1)で表される化合物は、下記反応[AO−1]に従って製造することができる。
【0208】
【化55】

【0209】
(式中、R4−c及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXX-c1)で表される化合物は、式(XXXI-c)で表される化合物、N-ブロモスクシンイミド(NBS)及びラジカル反応開始剤(過酸化ジベンゾイル(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)など)を反応させる方法により製造することができる。又、ラジカル反応開始剤に代えて光を照射して反応させることもできる。
この方法は、先に述べた反応[AB]と同様に行なうことができる。
【0210】
上記式(XXX-c2)で表される化合物は、下記反応[AO−2]に従って製造することができる。
【0211】
【化56】

【0212】
(式中、R4−c及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXX-c2)で表される化合物は、式(XXXI-c)で表される化合物、N-クロロスクシンイミド(NCS)及びラジカル反応開始剤(過酸化ジベンゾイル(BPO)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)など)を反応させる方法により製造することができる。又、ラジカル反応開始剤に代えて光を照射して反応させることもできる。この方法は、前述の反応[AC]と同様に行なうことができる。
【0213】
上記式(XXXI-c)で表される化合物は、下記反応[AP]に従って製造することができる。
【0214】
【化57】

【0215】
(式中、R4−c及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXXI-c)で表される化合物は、式(XXXII)で表される化合物と式(XXXIII-c)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、前述の反応[A]若しくは[AE−1]と同様に行なうことができる。
【0216】
上記式(XXXIII-c)で表される化合物は、下記反応[AQ−1]に従って製造することができる。
【0217】
【化58】

【0218】
(式中、R4−cは前述の通りである。)
即ち、式(XXXIII-c)で表される化合物は、酸又は塩基の存在下、式(XXXIII-c-2)で表される化合物を加水分解することにより製造することができる。
酸の存在下で反応させる場合には、希塩酸、希硫酸などと加熱することにより行なうことができる。また、ギ酸、酢酸等を反応溶媒として使用することもできる。
上記反応の反応温度は、通常50 ℃〜200 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0219】
塩基の存在下で反応させる場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなどを使用することができる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;水;エチレングリコール、およびそのエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール類等が挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常50 ℃〜200 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0220】
また、上記式(XXXIII-c)で表される化合物は、下記反応[AQ−2]に従って製造することができる。
【0221】
【化59】

【0222】
(式中、R4−cは前述の通りである。)
即ち、式(XXXIII-c)で表される化合物は、式(XXXIII-c-3)で表される化合物に酸化剤を反応させることにより製造することができる。
上記反応に用いる酸化剤としては、酸化クロム、過マンガン酸カリウム、酸素、酸化銀、有機過酸化物などが挙げられる。
上記反応では、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、酢酸やプロピオン酸のような有機酸類;アセトン、エチルメチルケトン、ジメチルケトンなどのケトン類;水;HMPAのような極性溶媒;メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類等が挙げられる。
上記反応では、必要に応じて、塩基を使用することもできる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩などが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜100 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0223】
上記式(XXXIII-c-3)で表される化合物は、下記反応[AQ−3]に従って製造することができる。
【0224】
【化60】

【0225】
(式中、R4−cは前述の通りである。)
即ち、式(XXXIII-c-3)で表される化合物は、式(XXXIII-c-2)で表される化合物を、亜リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO3)の存在下、酢酸水溶液またはギ酸水溶液中、ラネーニッケルで還元することにより製造することができる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜100 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0226】
また、式(XXXIII-c-2)で表される化合物のエーテル溶液に、塩酸を飽和した塩化スズ(II)のエーテル溶液を加え反応させて得たイミドクロリドを加水分解して、式(XXXIII-c-3)で表される化合物を得ることにより製造することもできる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類を使用することができる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜100 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0227】
上記式(XXXIII-c-2)の化合物は、下記反応[AQ−4]に従って製造することができる。
【0228】
【化61】

【0229】
(式中、R4−cは前述の通りである。)
即ち、式(XXXIII-c-2)で表される化合物は、式(XXXX)で表される化合物と酸化剤とを反応させることにより製造することができる。
上記反応における酸化剤としては、過酸化水素(H2O2)、過酢酸(CH3C(=O)OOH)、m-クロロ過安息香酸、酸化オスミウム、酸化ルテニウム、硝酸、ペルオキソ硫酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、四酸化二窒素、過マンガン酸カリウムやメタ過ヨウ素酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記反応では、触媒を使用することができる。触媒としては、タングステン酸ナトリウム(Na2WO4・2H2O)などを使用できる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類、メタノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール類;水;酢酸やプロピオン酸のような有機酸類;アセトニトリル、HMPA、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類などが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜+150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0230】
上記式(XXXX)で表される化合物は、下記反応[AR]に従って製造することができる。
【0231】
【化62】

【0232】
(式中、R4−cは前述の通りである。)
即ち、式(XXXX)で表される化合物は、式(XXXXI)で表される化合物とシアン化化合物とを反応させることにより製造することができる。
上記反応で使用するシアン化化合物としては、例えばシアン化銅、シアン化カリウム、シアン化ナトリウムなどが挙げられる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、HMPA、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;エチレングリコール、およびそのエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール類;ピリジンやキノリンなどの芳香族アミン;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類などが挙げられる。
上記反応における反応温度は、通常50 ℃〜300 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記反応では、触媒を使用することができる。触媒としては、例えば、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロマイドのような相間移動触媒や18-クラウン-6のようなクラウンエーテル、ヨウ化銅(CuI)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)Pd(0)、KIやNaIのようなアルカリ金属のヨウ化物などが挙げられる。
【0233】
上記式(XXXXI)で表される化合物は、下記反応[AS]に従って製造することができる。
【0234】
【化63】

【0235】
(式中、R4−cは前述の通りである。)
即ち、式(XXXXI)で表される化合物は、触媒の存在下、式(XXXXII)で表される化合物と亜硝酸t-ブチル(t-BuONO)とジメチルジスルフィド((CH3S-)2)とを反応させる方法により製造することができる。
上記反応は、必要に応じて、溶媒中で行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;ジメチルジスルフィドなどが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応において、触媒としては銅などが挙げられる。
上記反応の反応温度は、通常-50 ℃〜150 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0236】
上記反応[AS]の反応に記載された式(XXXXII)で表される化合物は、国際公開公報WO 2002/032876の第16頁などに記載された公知の化合物であり、当該公報に記載された方法、又はそれに類似する方法で製造することができる。
【0237】
又、上記(XXVI)で表される化合物のうち、Rがメチルスルホニルである、式(XXVI-d)で表される化合物は、下記反応[AT]に従って製造することができる。
【0238】
【化64】

【0239】
(式中、R4−dはメチルスルホニルであり、保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXVI-d)で表される化合物は、溶媒及びラネーニッケル触媒の存在下、式(XXXXIII)で表される化合物を、ギ酸又はホスフィン酸ナトリウムと反応させる方法により製造することができる。
上記反応に使用する溶媒としては、ギ酸、酢酸、ピリジン等の他、メタノール、エタノールなどのアルコール類などが挙げられる。溶媒としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択することができる。
上記反応の反応温度は、通常0 ℃〜200 ℃、反応時間は、通常1分〜48時間で行なうことができる。
【0240】
上記式(XXXXIII)で表される化合物は、下記反応[AU]に従って製造することができる。
【0241】
【化65】

【0242】
(式中、R4−d及び保護基Lは前述の通りである。)
即ち、式(XXXXIII)で表される化合物は、式(XXXXIV)で表される化合物と酸化剤とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、前述の反応[AI−1]と同様に行なうことができる。
【0243】
上記式(XXXXIV)で表される化合物は、下記反応[AV]に従って製造することができる。
【0244】
【化66】

【0245】
(式中、保護基L及び脱離基Zは前述の通りである。)
即ち、式(XXXXIV)で表される化合物は、式(XXXXV)で表される化合物と式(XXXII)で表される化合物とを反応させる方法により製造することができる。この方法は、前述の反応[A]若しくは[AE−1]と同様に行なうことができる。
【0246】
式(XXXXV)で表される化合物は、下記反応[AW]に従って製造することができる。
【0247】
【化67】

【0248】
即ち、式(XXXXV)で表される化合物は、式(XXXXVI)で表される化合物と一酸化炭素とパラジウムとを反応させる方法により製造することができる。この方法は、前述の反応[AK−2]と同様の方法で製造することができる。
【0249】
上記式(XXXXVI)で表される化合物は、下記反応[AX]に従って製造することができる。
【0250】
【化68】

【0251】
即ち、式(XXXXVI)で表される化合物は、式(XXXXVII)で表される化合物とN-ブロモスクシイミド(NBS)或いは臭素を、極性溶媒の存在下に反応させることにより製造することができる。
上記反応において使用される溶媒としては、アセトニトリル、HMPA、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,2-ジメトキシエタンのような非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。
上記反応における反応温度は、通常0〜100℃、反応時間は通常1分〜48時間で行なうことができる。
上記反応は、必要に応じて塩基の存在下に反応させることにより行なうことができる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸カルシウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような第三級アミン類などが挙げられる。
【0252】
上記反応[AX]の反応に記載された式(XXXXVII)で表される化合物は、J. Org. Chem.(1974), 39(13), 1839-41などに記載された公知の化合物であり、当該文献に記載された方法、又はそれに類似する方法で製造することができる。
【0253】
本発明化合物は、除草剤の有効成分として使用した場合に優れた除草効果を示す。その適用範囲は、水田、畑地、果樹園、桑園などの農耕地、山林、農道、グランド、工場敷地などの非農耕地と多岐にわたり、適用方法も土壌処理、茎葉処理、湛水処理等を適宜選択できる。
【0254】
本発明化合物は、例えばイヌビエ、メヒシバ、エノコログサ、アキノエノコログサ、オヒシバ、カラスムギ、セイバンモロコシ、シバムギ、ビロードキビ、パラグラス、アゼガヤ、イトアゼガヤ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウなどのイネ科雑草、コゴメガヤツリ、ハマスゲ、キハマスゲ、ホタルイ、ミズガヤツリ、タマガヤツリ、マツバイ、クログワイなどのカヤツリグサ科雑草、ウリカワ、オモダカ、ヘラオモダカなどのオモダカ科雑草、コナギ、ミズアオイなどのミズアオイ科雑草、アゼナ、アブノメなどのゴマノハグサ科雑草、キカシグサ、ヒメミソハギなどのミソハギ科雑草の他、イチビ、マルバアサガオ、シロザ、アメリカキンゴジカ、スベリヒユ、アオビユ、アオゲイトウ、エビスグサ、イヌホウズキ、サナエタデ、ハコベ、オナモミ、タネツケバナ、ホトケノザ、ブタクサ、ヤエムグラ、セイヨウヒルガオ、シロバナチョウセンアサガオ、エゾノキツネアザミ、エノキグサなどの広葉雑草など、有害雑草を防除することができる為、有用作物、例えばトウモロコシ、ダイズ、ワタ、コムギ、イネ、オオムギ、エンバク、ソルガム、アブラナ、ヒマワリ、テンサイ、サトウキビ、芝、ピーナッツ、アマ、タバコ、コーヒーなどの栽培において選択的に有害雑草を防除する場合或は非選択的に有害雑草を防除する場合において有効に使用される。特に本発明化合物は、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、コムギ、イネ、アブラナ、ヒマワリ、テンサイ、サトウキビ、芝、ピーナッツ、アマ、タバコ、コーヒーなどの栽培、その中でもトウモロコシやコムギなどの栽培において選択的に有害雑草を防除する場合において有効に使用される。
【0255】
本発明化合物は通常各種農業上の補助剤と混合して粉剤、粒剤、顆粒水和剤、水和剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、水溶剤、乳剤、錠剤、カプセル剤などの形態に製剤し、除草剤として使用されるが、本発明の目的に適合するかぎり、通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態にすることができる。製剤に使用する補助剤としては、珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、カオリン、ベントナイト、カオリナイト及びセリサイトの混合物、クレー、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝、ゼオライト、澱粉などの固型担体;水、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジオキサン、アセトン、イソホロン、メチルイソブチルケトン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アルコールなどの溶剤;脂肪酸塩、安息香酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩のような陰イオン系の界面活性剤や展着剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤や展着剤;オリーブ油、カポック油、ひまし油、シュロ油、椿油、ヤシ油、ごま油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、きり油、液状パラフィンなどの植物油や鉱物油などが挙げられる。これら補助剤は本発明の目的から逸脱しないかぎり、当該分野で知られたものの中から選んで用いることができる。また、増量剤、増粘剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤など通常使用される各種補助剤も使用することができる。本発明化合物と各種補助剤との配合割合は重量比で0.1:99.9〜95:5、望ましくは0.2:99.8〜85:15である。
【0256】
本発明化合物を含有する除草剤の施用量は、気象条件、土壌条件、製剤形態、対象雑草の種類、施用時期などの相違により一概に規定できないが、一般に1ヘクタール当り本発明化合物が0.5〜5,000g、望ましくは1〜1,000g、更に望ましくは10〜500gとなるように施用する。本発明には、このような除草剤の施用による有害雑草の防除方法も含まれる。
【0257】
また、本発明化合物を含有する除草剤は、他の農薬、肥料、薬害軽減剤などと混用或は併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。他の農薬としては、除草剤、殺菌剤、抗生物質、植物ホルモン、殺虫剤などが挙げられる。特に、本発明化合物と他の除草剤の有効成分化合物の1種又は2種以上とを混用或は併用した混合除草性組成物は、適用草種の範囲、薬剤処理の時期、除草活性等を好ましい方向へ改良することが可能である。尚、本発明化合物と他の除草剤の有効成分化合物は各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤して使用してもよい。本発明には、前記した混合除草性組成物も含まれる。
【0258】
本発明化合物と他の除草剤の有効成分との混合比は、気象条件、土壌条件、薬剤の製剤形態、施用時期、施用方法などの相違により一概に規定できないが、本発明化合物1重量部に対し、他の除草剤は有効成分を1種あたり0.001〜10,000重量部、望ましくは0.01〜1,000重量部配合する。また、施用適量は1ヘクタール当りの総有効成分化合物量として0.1〜10,000g、望ましくは0.2〜5,000g、更に望ましくは10〜3,000gである。本発明には、このような混合除草組成物の施用による有害雑草の防除方法も含まれる。
【0259】
他の除草剤の有効成分としては、下記するもの(一般名;一部ISO申請中を含む)が例示できるが、特に記載がない場合であってもこれら化合物に塩、アルキルエステル等が存在する場合は、当然それらも含まれる。
【0260】
(1)2,4−D、2,4−DB、2,4-DP、MCPA、MCPB、MCPP、ナプロアニリド(naproanilide)のようなフェノキシ系、2,3,6−TBA、ジカンバ(dicamba)、ジクロベニル(dichlobenil)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、クロピラリド(clopyralid)、アミノピラリド(aminopyralid)のような芳香族カルボン酸系、その他ナプタラム(naptalam)、ベナゾリン(benazolin)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、ダイフルフェンゾピル(diflufenzopyr)などのように植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの。
【0261】
(2)クロロトルロン(chlorotoluron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、リニュロン(linuron)、イソプロチュロン(isoproturon)、メトベンズロン(metobenzuron)、テブチウロン(tebuthiuron)のような尿素系、シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、アトラトン(atratone)、シメトリン(simetryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ヘキサジノン(hexazinone)、メトリブジン(metribuzin)、テルブチラジン(terbuthylazine)、シアナジン(cyanazine)、アメトリン(ametryn)、シブトリン(cybutryne)、トリアジフラム(triaziflam)、プロパジン(propazine)のようなトリアジン系、ブロマシル(bromacil)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)のようなウラシル系、プロパニル(propanil)、シプロミッド(cypromid)のようなアニリド系、スエップ(swep)、デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)のようなカーバメート系、ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロモキシニル・オクタノエート(bromoxynil-octanoate)、アイオキシニル(ioxynil)のようなヒドロキシベンゾニトリル系、その他、ピリデート(pyridate)、ベンタゾン(bentazon)、アミカルバゾン(amicarbazone)、メタゾール(methazole)などのように植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0262】
(3)それ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているパラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)のような4級アンモニウム塩系。
【0263】
(4)ニトロフェン(nitrofen)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、ビフェノックス(bifenox)、アシフルオルフェンナトリウム塩(acifluorfen-sodium)、ホメサフェン(fomesafen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl)のようなジフェニルエーテル系、クロルフタリム(chlorphthalim)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)のような環状イミド系、その他オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、チジアジミン(thidiazimin)、ペントキサゾン(pentoxazone)、アザフェニジン(azafenidin)、イソプロパゾール(isopropazole)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)、メトベンズロン(metobenzuron)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、フルポキサム(flupoxam)、フルアゾレート(fluazolate)、プロフルアゾール(profluazol)、ピラクロニル(pyrachlonil)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、ベンカルバゾン(bencarbazone)などのように植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの。
【0264】
(5)ノルフルラゾン(norflurazon)、クロリダゾン(chloridazon)、メトフルラゾン(metflurazon)のようなピリダジノン系、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、トプラメゾン(topramezone、BAS-670H)、ピラスルフォト−ル(pyrasulfotole)のようなピラゾール系、その他アミトロール(amitrol)、フルリドン(fluridone)、フルルタモン(flurtamone)、ジフルフェニカン(diflufenican)、メトキシフェノン(methoxyphenone)、クロマゾン(clomazone)、スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)、AVH−301、イソキサフルトール(isoxaflutole)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、イソキサクロロトール(isoxachlortole)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ピコリナフェン(picolinafen)、ビフルブタミド(beflubutamid)、テンボトリオン(tembotrione)などのようにカロチノイドなどの植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの。
【0265】
(6)ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フラムプロップエムメチル(flamprop-M-methyl)、ピリフェノップナトリウム塩(pyriphenop-sodium)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、メタミホッププロピル(metamifop-propyl)のようなアリールオキシフェノキシプロピオン酸系、アロキシジムナトリウム塩(alloxydim-sodium)、クレソジム(clethodim)、セトキシジム(sethoxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、カロキシジム(caloxydim)、クレフォキシジム(clefoxydim)、プロホキシジム(profoxydim)のようなシクロヘキサンジオン系などのようにイネ科植物に特異的に除草効力が強く認められるもの。
【0266】
(7)クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、シノスルフロン(cinosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、トリスルフロンメチル(trisulfuron-methyl)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、イオドスルフロン(iodosulfuron)、スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、フォーラムスルフロン(foramsulfuron)、トリフルオキシスルフロン(trifloxysulfuron)、イソスルフロンメチル(isosulfuron-methyl)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)のようなスルホニルウレア系、フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ジクロスラム(diclosulam)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、フロラスラム(florasulam)、メトスルファム(metosulfam)、ペノクススラム(penoxsulam)のようなトリアゾロピリミジンスルホンアミド系、イマザピル(imazapyr)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマザモックス(imazamox)、イマザメス(imazameth)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザピック(imazapic)のようなイミダゾリノン系、ピリチオバックナトリウム塩(pyrithiobac-sodium)、ビスピリバックナトリウム塩(bispyribac-sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミスルファン(pyrimisulfan、KUH-021)のようなピリミジニルサリチル酸系、フルカーバゾン(flucarbazone)、プロカーバゾンソディウム(procarbazone-sodium)、チエンカーバゾン(thiencarbozone)のようなスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系、その他、グリホサート(glyphosate)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-isopropylamine)、スルホサート(sulfosate)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム塩(glufosinate-ammonium)、ビラナホス(bilanafos)などのように植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0267】
(8)トリフルラリン(trifluralin)、オリザリン(oryzalin)、ニトラリン(nitralin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、ベンフルラリン(benfluralin)、プロジアミン(prodiamine)のようなジニトロアニリン系、ベンスリド(bensulide)、ナプロナミド(napronamide)、プロナミド(pronamide)のようなアミド系、アミプロホスメチル(amiprofos-methyl)、ブタミホス(butamifos)、アニロホス(anilofos)、ピペロホス(piperophos)のような有機リン系、プロファム(propham)、クロルプロファム(chlorpropham)、バーバン(barban)のようなフェニルカーバメート系、ダイムロン(daimuron)、クミルロン(cumyluron)、ブロモブチド(bromobutide)のようなクミルアミン系、その他アシュラム(asulam)、ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)などのように植物の細胞有糸分裂を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0268】
(9)アラクロール(alachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、メトラクロール(metolachlor)、S−メトラクロール(S-metolachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ペトキサマイド(pethoxamid)、アセトクロール(acetochlor)、プロパクロール(propachlor)、プロピソクロール(propisochlor)のようなクロロアセトアミド系、その他エトベンザニド(etobenzanid)、メフェナセット(mefenacet)、フルフェナセット(flufenacet)、トリディファン(tridiphane)、カフェンストロール(cafenstrole)、フェントラザミド(fentrazamide)、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、インダノファン(indanofan)、ジメテナミド(dimethenamid)などのように植物のタンパク質生合成あるいは脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0269】
(10)EPTC、ブチレート(butylate)、ベルノレート(vernolate)、モリネート(molinate)、ペブレート(pebulate)、シクロエート(cycloate)、ジメピペレート(dimepiperate)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、エスプロカルブ(esprocarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ジアレート(diallate)、トリアレート(triallate)のようなチオカーバメート系、その他MSMA、DSMA、エンドタール(endothall)、エトフメセート(ethofumesate)、ソディウムクロレート(sodium chlorate)、ペラルゴン酸(pelargonic acid)、ホスアミン(fosamine)、ピノキサデン(pinoxaden)、HOK−201など。
【0270】
(11)Xanthomonas campestrisEpicoccosurus nematosurusExserohilum monoserasDrechsrela monocerasなどのように植物に寄生することで除草効力を示すとされているもの。
【0271】
次に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、本発明化合物の合成例を記載する。
【0272】
合成例1
5-ヒドロキシ-1-メチルピラゾール-4-イル 3-(2-(メトキシイミノ)エチル)-2-メチル-4-メチルスルホニルフェニル ケトン(後記化合物No.1)及び5-ベンジルオキシ-1-メチルピラゾール-4-イル 3-(2-(メトキシイミノ)エチル)-2-メチル-4-メチルスルホニルフェニル ケトン(後記化合物No.5)の合成
【0273】
(1)3-(ブロモメチル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(292 mg、0.910 mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)Pd(0)(56 mg)を乾燥テトラヒドロフラン(30 mL)に溶かし、一酸化炭素雰囲気下、50-60 ℃で15分間加熱した。その溶液に、乾燥テトラヒドロフラン(10 mL)に溶かした水素化トリブチルスズ(IV)(337 mg、1.16 mmol)を1時間の間にゆっくり滴下すると、溶液は赤くなった。反応混合物を冷却後、冷水を加え、酢酸エチルにて抽出した。その抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製すると、白色結晶である2-メチル-4-メチルスルホニル-3-(2-オキソエチル)安息香酸 メチルエステル(37 mg、融点92〜95 ℃)を得た(収率15 %)。
【0274】
(2)窒素気流下、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム クロライド(642 mg、1.87 mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(10 mL)に懸濁させ、−70 ℃に冷却した。フェニルリチウム(0.98 mol/L、シクロヘキサン・ジエチルエーテル混合溶液)(2 mL、1.96 mmol)を−60 ℃以下で滴下した。ゆっくりと+4 ℃まで上げ、この温度で1時間攪拌後再び−70 ℃に冷却した。そこへ、乾燥テトラヒドロフランに溶かした3-ホルミル-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(200 mg、0.781 mmol)を−60 ℃以下で滴下した。さらに−70 ℃で2時間反応させた後、室温で一晩攪拌した。その後、反応混合物へ氷を投入し、その混合物を酢酸エチルにて抽出した。その抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去すると、茶色液体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=3:7)で精製すると、白色結晶の3-(2-メトキシビニル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(130 mg)を得た(収率58 %)。
【0275】
(3)含水メタノール(水1 mLとメタノール10 mL)に3-(2-メトキシビニル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(130 mg、0.417 mmol)を溶かした。そこへ濃塩酸(729 mg)を加えて3時間還流下反応させた。反応混合物を冷却後、水を加え、その混合物を酢酸エチルにて抽出した。その抽出液を食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去すると、白色結晶である3-(2,2-ジメトキシエチル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(135 mg)を得た(収率94%)。
【0276】
(4)3-(2,2-ジメトキシエチル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(135 mg、0.411 mmol)をアセトン(15 mL)に溶かし、希塩酸2 mL(濃塩酸1 mL/水4 mL)を加えた。その混合物を室温で一晩攪拌後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。その混合物を酢酸エチルで抽出し、その抽出液を食塩水で洗浄した。さらにその抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去すると、定量的に茶色液体として2-メチル-4-メチルスルホニル-3-(2-オキソエチル)安息香酸 メチルエステルを得た。
【0277】
(5)2-メチル-4-メチルスルホニル-3-(2-オキソエチル)安息香酸 メチルエステル(37 mg、0.137 mmol)、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(28 mg、0.328 mmol)及び酢酸ナトリウム(31 mg、0.378 mmol)をメタノール(10 mL)に溶かし、還流下2時間加熱した。反応混合物を冷却後、そこへ水を加え、酢酸エチルにて抽出した。その抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製すると、白色結晶である3-(2-(メトキシイミノ)エチル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(28 mg)を得た(収率68%)。
【0278】
(6)3-(2-(メトキシイミノ)エチル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(28 mg、0.0936 mmol)をメタノール(8 mL)に溶かした。水酸化ナトリウム(21mg、0.525 mmol)の水溶液(2 mL)を加え、室温にて一晩攪拌した。そこへ水を加え、さらにその混合物を塩酸で酸性にした後、酢酸エチルにて抽出した。その抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去すると、白色結晶の3-(2-(メトキシイミノ)エチル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸(25.5 mg)を得た(収率95 %)。
【0279】
(7)3-(2-(メトキシイミノ)エチル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸(25.5 mg、0.0895 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(29 mg、0.151mmol)、5-ヒドロキシ-1-メチルピラゾール(16 mg、0.163 mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(11 mg)を、メタノールを留去した乾燥塩化メチレン(40 mL)に溶かし、室温にて一晩攪拌した。反応混合物を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去すると褐色の液体を得た。これを乾燥アセトニトリル(15 mL)に溶解後、トリエチルアミン(38 mg、0.376 mmol)とアセトンシアノヒドリン(23 mg)を加え、一晩室温にて攪拌した。溶液を減圧濃縮後、塩化メチレンに溶かし、炭酸カリウム水溶液(炭酸カリウム1 g/水40 mL)で抽出した。得られた水層を塩化メチレンで洗浄後、塩酸で酸性にした。その水層を塩化メチレンで抽出し、抽出液を水洗した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去すると、褐色液体の5-ヒドロキシ-1-メチルピラゾール-4-イル 3-(2-(メトキシイミノ)エチル)-2-メチル-4-メチルスルホニルフェニル ケトン(16 mg、後記化合物No.1)を得た(収率53 %)。
【0280】
(8)5-ヒドロキシ-1-メチルピラゾール-4-イル 3-(2-(メトキシイミノ)エチル)-2-メチル-4-メチルスルホニルフェニル ケトン(102 mg、0.279 mmol、後記化合物No.1)、ベンジルブロマイド(267mg、1.56 mmol)及び炭酸カリウム(326 mg、2.36 mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(20 mL)に溶かし、還流下10時間反応させた。その後、反応混合物を冷却し、不溶物をろ過で取り除き、そのろ液を濃縮すると、褐色液体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=7:3)精製すると、透明な液体である5-ベンジルオキシ-1-メチルピラゾール-4-イル 3-(2-(メトキシイミノ)エチル)-2-メチル-4-メチルスルホニルフェニル ケトン(56 mg、後記化合物No.5)を得た(収率44%)。
【0281】
合成例2
5-ヒドロキシ-1-メチルピラゾール-4-イル 3-(2-(メトキシイミノ)プロピル)-2-メチル-4-メチルスルホニルフェニル ケトン(後記化合物No.3)の合成
【0282】
(1)3-(ブロモメチル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(245 mg、0.763 mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(44 mg、0.0627 mmol)、トリブチル(1-エトキシビニル)スズ(IV)(302 mg、0.839 mmol)及び乾燥トルエン(20 mL)を窒素気流下2時間還流した。さらにトリブチル(1-エトキシビニル)スズ(IV)(302mg、0.839 mmol)を加え、4時間加熱還流した。反応混合物を冷却後、セライトろ過し、そのろ液に5 %塩酸水溶液(35 mL)を加え、室温にて激しく攪拌した。その後、撹拌した混合物を酢酸エチルで抽出し、その抽出液を食塩水で洗浄した。さらにその抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去すると、黄色液体として2-メチル-4-メチルスルホニル-3-(2-オキソプロピル)安息香酸 メチルエステル(81 mg)を得た(収率37%)。
【0283】
(2)2-メチル-4-メチルスルホニル-3-(2-オキソプロピル)安息香酸 メチルエステル(81mg、0.285 mmol)、O-メチルヒドロキシアミン塩酸塩(160mg、1.87mmol)、酢酸ナトリウム(161 mg、1.96 mmol)及び酢酸(148 mg、2.47 mmol)をメタノール(10 mL)に溶かし、還流下7時間加熱した。反応混合物を冷却後、水を加えて、その混合物を酢酸エチルにて抽出した。その抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去すると透明な液体を得た。得られたものをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=3:7)で精製すると、白色結晶である3-(2-(メトキシイミノ)プロピル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(54 mg)を得た(収率60 %)。
【0284】
(3)3-(2-(メトキシイミノ)プロピル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸 メチルエステル(54 mg、0.173 mmol)をメタノール(10 mL)に溶かした。そこへ、水酸化ナトリウム(38.2 mg、0.935 mmol)を水(3 mL)に溶かした水溶液を加え、室温にて7時間攪拌した。その後、その反応混合物に水を加え塩酸で酸性にした後、その混合物を酢酸エチルで抽出した。その抽出液を食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去すると、定量的に、透明な油状の3-(2-(メトキシイミノ)プロピル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸(51 mg)を得た。
【0285】
(4)3-(2-(メトキシイミノ)プロピル)-2-メチル-4-メチルスルホニル安息香酸(54 mg、0.181 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(56 mg、0.292 mmol)、5-ヒドロキシ-1-メチルピラゾール(27 mg、0.276 mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(16 mg)を、メタノールを留去した乾燥塩化メチレン(30 mL)に溶かし、室温にて一晩攪拌した。その後、反応混合物を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去すると褐色の液体を得た。これを乾燥アセトニトリル(15 mL)に溶解後、トリエチルアミン(51 mg、0.505 mmol)とアセトンシアノヒドリン(22 mg)を加え、一晩室温にて攪拌した。その溶液を減圧濃縮後、塩化メチレンに溶かし、さらにその溶液を炭酸カリウム水溶液(炭酸カリウム1 g/水40 mL)で抽出した。得られた水層を塩化メチレンで洗浄後、塩酸で酸性にした。水層を塩化メチレンで抽出し、その抽出液を水洗した。その抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去すると、うす茶色の液体として5-ヒドロキシ-1-メチルピラゾール-4-イル 3-(2-(メトキシイミノ)プロピル)-2-メチル-4-メチルスルホニルフェニル ケトン(32 mg、後記化合物No.3)を得た(収率49 %)。
【0286】
次に、前記式(I)で表される本発明化合物の代表例を第1表に挙げ、それらのNMRスペクトルデータを第2表に挙げる。これらの化合物は、前記合成例或いは前記した本発明化合物の種々の製造方法に基づいて合成することができる。尚、第1表及び第2表中、No.は化合物No.を示す。又、第1表中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、n-Prはn-プロピル基を、i-Prはイソプロピル基を、c-Prはシクロプロピル基を、c-Hexはシクロヘキシル基を、n-Buはn-ブチル基を、i-Buはイソブチル基を、s-Buはsec-ブチル基を、t-Buはtert-ブチル基を、Phはフェニル基、PhOはフェノキシ基を各々示す。また、第1表中、3-Cl-4,5-(Me)2-Phとあるのは、3位に塩素原子が置換し、4位と5位双方にメチル基が置換しているフェニル基を示し、CO(4-MePhO)とあるのは、4位がメチル基で置換されたフェノキシ基により置換されたカルボニル基を表し、他の同様の記載もこれに準じる。
【0287】
【表1】

【0288】
【表2】

【0289】
【表3】

【0290】
【表4】

【0291】
【表5】

【0292】
【表6】

【0293】
【表7】

【0294】
【表8】

【0295】
【表9】

【0296】
【表10】

【0297】
【表11】

【0298】
【表12】

【0299】
【表13】

【0300】
【表14】

【0301】
【表15】

【0302】
【表16】

【0303】
【表17】

【0304】
【表18】

【0305】
【表19】

【0306】
【表20】

【0307】
【表21】

【0308】
【表22】

【0309】
【表23】

【0310】
【表24】

【0311】
【表25】

【0312】
【表26】

【0313】
【表27】

【0314】
【表28】

【0315】
【表29】

【0316】
【表30】

【0317】
【表31】

【0318】
【表32】

【0319】
【表33】

【0320】
【表34】

【0321】
【表35】

【0322】
【表36】

【0323】
次に試験例を記載する。
試験例1
1/170,000ヘクタールポットに畑作土壌をつめ、各種植物の種子を播種した。その後、植物が一定の葉令((1)ノビエ;1.5〜3葉期、(2)メヒシバ;1〜3葉期、(3)エノコログサ;1〜3葉期、(4)アオゲイトウ;0.1〜2.1葉期、(5)アメリカキンゴジカ;子葉〜1.3葉期、(6)イチビ;0.3〜1.6葉期、(7)イネ;1.3〜3葉期、(8)コムギ;2〜3.4葉期、(9)トウモロコシ;2.4〜3.5葉期、(10)ダイズ;子葉〜0.5葉期)に達したとき、本発明化合物を通常の製剤方法に準じて調製した水和剤又は乳剤を所定有効成分量となるように秤量し、1ヘクタール当り500リットルの水に希釈した。更にその希釈液に対して農業用展着剤を0.1容量%加え、小型スプレーで茎葉処理した。
薬剤処理後19〜25日目に各種植物の生育状態を肉眼観察し、0(無処理区と同等)〜100(完全枯殺)の抑草率(%)で除草効果を評価し、第3表の結果を得た。
【0324】
【表37】

【0325】
【表38】

【0326】
【表39】

【0327】
試験例2
1 / 1,000,000ヘクタールポットに水田土壌を詰め、ノビエ及びホタルイの種子を播種し、その上に軽く覆土した。その後湛水深0.5〜1cmの状態で温室内に静置し、翌日又は2日後にウリカワの塊茎を植え込んだ。その後湛水深を3〜4cmに保ち、ノビエ及びホタルイが0.5葉期、ウリカワが初生葉期に達した時点で、本発明化合物を通常の製剤方法に準じて調製した水和剤又は乳剤の水希釈液を、所定有効成分量になるようにピペットで均一に滴下処理した。また、1 / 1,000,000ヘクタールポットに水田土壌を詰め、代かきを行い、湛水深を3〜4cmとし、翌日に2葉期のイネ(品種:日本晴)を移植深3cmに移植した。移植後4日目に本発明化合物を前述と同様に処理した。
薬剤処理後14日目にノビエ、ホタルイ及びウリカワの生育状態を、薬剤処理後21日目にイネの生育状態を各々肉眼観察し、0(無処理区と同等)〜100(完全枯殺)の抑草率(%)で評価し、第4表の結果を得た。
【0328】
【表40】





















【0329】
【表41】

【0330】
【表42】

【0331】
次に、本発明の製剤例を記載する。
【0332】
製剤例1
(1)本発明化合物 75 重量部
(2)ゲロポンT−77(商品名;ローヌ・プーラン社製) 14.5 重量部
(3)NaCl 10 重量部
(4)デキストリン 0.5 重量部
以上の各成分を高速混合細粒機に入れ、さらにそこへ20%の水を加え造粒、乾燥して顆粒水和剤が得られる。
【0333】
製剤例2
(1)カオリン 78 重量部
(2)ラベリンFAN(商品名;第一工業製薬(株)製) 2 重量部
(3)ソルポール5039(商品名;東邦化学工業(株)製) 5 重量部
(4)カープレックス(商品名;塩野義製薬(株)製) 15 重量部
以上、(1)〜(4)の成分の混合物と本発明化合物とを9:1の重量割合で混合して水和剤が得られる。
【0334】
製剤例3
(1)ハイフィラーNo.10(商品名;松村産業(株)製) 33 重量部
(2)ソルポール5050(商品名;東邦化学工業(株)製) 3 重量部
(3)ソルポール5073(商品名;東邦化学工業(株)製) 4 重量部
(4)本発明化合物 60 重量部
以上の(1)〜(4)の各成分を混合して水和剤が得られる。
【0335】
製剤例4
(1)本発明化合物 4 重量部
(2)ベントナイト 30 重量部
(3)炭酸カルシウム 61.5重量部
(4)トキサノンGR−31A(商品名;三洋化成工業(株)製) 3 重量部
(5)リグニンスルホン酸カルシウム塩 1.5 重量部
予め粉砕した(1)と、(2)及び(3)とを混合し、そこへ(4)、(5)及び水を加
えて混合し、押出し造粒する。その後、乾燥、整粒して粒剤が得られる。
【0336】
製剤例5
(1)本発明化合物 30 重量部
(2)ジークライト(商品名;ジークライト(株)製) 60 重量部
(3)ニューカルゲン WG−1(商品名;竹本油脂(株)製) 5 重量部
(4)ニューカルゲン FS−7(商品名;竹本油脂(株)製) 5 重量部
(1)、(2)及び(3)を混合し、粉砕機を通した後、(4)を加えて混練後、押出し造粒する。その後、乾燥、整粒して顆粒水和剤が得られる。
【0337】
製剤例6
(1)本発明化合物 28 重量部
(2)ソプロポールFL(商品名;ローヌ・プーラン社製) 2 重量部
(3)ソルポール355 (商品名;東邦化学工業(株)製) 1 重量部
(4)IPソルベント1620(商品名;出光石油化学(株)製) 32 重量部
(5)エチレングリコール 6 重量部
(6)水 31 重量部
以上の(1)〜(6)の成分を混合し、湿式粉砕機(ダイノ−ミル)を用いて粉砕して水性懸濁剤が得られる。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I);
【化1】

(式中、Rはアルキルであり、Rは水素原子、アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ハロアルキル又はアルコキシであり、Rは水素原子、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいベンジルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルスルホニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロで置換されてもよいフェニルアルキル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェナシル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェノキシカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルアミノカルボニル、ピリジル部分がハロゲンで置換されてもよいピリジルアルキル、アルキルアミノカルボニル、(アルキルチオ)カルボニル、アルコキシチオカルボニル、アルキルスルホニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシカルボニルメチル、カルボキシメチル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキルカルボニル、(フェニルチオ)カルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノスルホニル、1,3-チアゾール-4-イルアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキルカルボニル、2-フリルカルボニル又はハロアルキルで置換されてもよいピリジルであり、Rはアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、メチルスルホニル、アルコキシ又はビニルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rは水素原子、アルキル、アルケニル又はアルキニルであり、前記Rのアルキルはハロゲン、シクロアルキル、アルコキシカルボニル又はアルコキシで置換されてもよく、同Rのアルケニルはハロゲンで置換されてよい)で表されるベンゾイルピラゾール系化合物又はその塩。
【請求項2】
はアルキルであり、Rは水素原子、アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ハロアルキル又はアルコキシであり、Rは水素原子、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいベンジルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルスルホニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルアルキル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェナシル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェノキシカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルキルチオールカルボニル、アルキニル、アルコキシカルボニルメチル、カルボキシメチル又はアルキルカルボニルであり、Rはアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、メチルスルホニル又はアルコキシであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rは水素原子、アルキル、アルケニル又はアルキニルであり、前記Rのアルキルはハロゲン、シクロアルキル、アルコキシカルボニル又はアルコキシで置換されてもよい、請求項1のベンゾイルピラゾール系化合物又はその塩。
【請求項3】
式(XVIII);
【化2】

(式中、Rはアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、メチルスルホニル、アルコキシ又はビニルであり、Lは保護基である)で表される化合物又はその塩。
【請求項4】
保護基Lが、メトキシメチル、メチルチオメチル、フェナシル、アルキル、フェニル、ベンジル、トリフェニルメチル、ジフェニルメチル、p-ニトロベンジル、p-メトキシベンジル、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリルである、請求項3の化合物又はその塩。
【請求項5】
式(XI);
【化3】

(式中、Rはアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、メチルスルホニル、アルコキシ又はビニルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rは水素原子、(ハロゲン、シクロアルキル、アルコキシカルボニル又はアルコキシで置換されてもよい)アルキル、アルケニル又はアルキニルである)で表される化合物又はその塩。
【請求項6】
式(I);
【化4】

(式中、Rはアルキルであり、Rは水素原子、アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ハロアルキル又はアルコキシであり、Rは水素原子、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいベンジルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルスルホニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロで置換されてもよいフェニルアルキル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェナシル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェノキシカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルアミノカルボニル、ピリジル部分がハロゲンで置換されてもよいピリジルアルキル、アルキルアミノカルボニル、(アルキルチオ)カルボニル、アルコキシチオカルボニル、アルキルスルホニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシカルボニルメチル、カルボキシメチル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキルカルボニル、(フェニルチオ)カルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノスルホニル、1,3-チアゾール-4-イルアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキルカルボニル、2-フリルカルボニル又はハロアルキルで置換されてもよいピリジルであり、Rはアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ニトロ、メチルスルホニル、アルコキシ又はビニルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rは水素原子、アルキル、アルケニル又はアルキニルであり、前記Rのアルキルはハロゲン、シクロアルキル、アルコキシカルボニル又はアルコキシで置換されてもよく、同Rのアルケニルはハロゲンで置換されてよい)で表されるベンゾイルピラゾール系化合物又はその塩を製造する方法であって、
(1)式(I-b);
【化5】

(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである)
で表される化合物と、式(II);Z−R3−a
(Zは脱離基であり、R3−aは、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいベンジルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルスルホニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ又はニトロで置換されてもよいフェニルアルキル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェナシル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェノキシカルボニル、フェニル部分がアルキル、アルコキシ又はハロゲンで置換されてもよいフェニルアミノカルボニル、ピリジル部分がハロゲンで置換されてもよいピリジルアルキル、アルキルアミノカルボニル、(アルキルチオ)カルボニル、アルコキシチオカルボニル、アルキルスルホニル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシカルボニルメチル、カルボキシメチル、アルキルカルボニル、アルコキシアルキルカルボニル、(フェニルチオ)カルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノスルホニル、1,3-チアゾール-4-イルアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキルカルボニル、2-フリルカルボニル又はハロアルキルで置換されてもよいピリジルである。)
で表される化合物とを反応させるか、或いは、
(2)式(III);HN−O−R
(式中、Rは前述の通りである)
で表される化合物と、式(IV);
【化6】

(式中、R、R、R3−a、R及びRは前述の通りである)
で表される化合物とを反応させるか、或いは、
(3)式(V);
【化7】

(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りであり、Lは保護基である)
で表される化合物から保護基Lを脱離させるか、或いは、
(4)式(III);式(III);HN−O−R
(式中、Rは前述の通りである。)
と、式(VII);
【化8】

(式中、R、R、R及びRは前述の通りである)
で表される化合物とを反応させるか、或いは、
(5)式(VI);
【化9】

(式中、R、R、R、R及びRは前述の通りである)
で表される化合物を転位反応させることを特徴とする方法。
【請求項7】
前記請求項1のベンゾイルピラゾール系化合物又はその塩を有効成分として含有する除草剤。
【請求項8】
前記請求項1のベンゾイルピラゾール系化合物又はその塩の除草有効量を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用して、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。




【公開番号】特開2007−39432(P2007−39432A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93027(P2006−93027)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】