説明

ベータ−ガンマエンカルボニル誘導体の製造方法

本発明はβ−γ エン カルボキシルあるいはケトン誘導体の製造方法に関連し、炭素二重結合の配置において特定の要求条件があるものとする。本手法は、少なくとも1つのカルボン酸と少なくとも1つのアルカリ、アルカリ土類金属、またはランタノイドハライドまたはカルボン酸塩の存在下で、α−β不飽和マロネートあるいはアセチルアセトン誘導体の熱処理を必要とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機化学分野に関連し、さらに詳細には、炭素二重結合の配置において特定の要求条件を有することがあるβ−γ エン カルボニル誘導体の製造に関連する。
【0002】
先行技術
α−β不飽和ジェミナルジカルボニル誘導体のアシルまたはカルボン酸エステルでの脱離による、三置換または四置換されたβ−γ不飽和エステルまたはケトン誘導体の製造は、1つの参考文献にしか報告されていない(V.Venkateswaran et al. in Tetrahedron Letters,1979,553を参照
本文献において、著者らは下記の図式による反応について報告している:
【化1】

しかしながら、この方法論によって、著者らは2つのケースにおいて、本発明に対して、主な異性体がα−β不飽和誘導体である生成物を得ており、1つのケースで主な異性体がβ−γ不飽和誘導体である生成物を得ているが、選択性が悪い。
【0003】
K.SchulteらのHelv.Chem−Acta,1992,759において、DMSO、水、LiClの存在中で対応するアルキリデンアセトアセテートのデメトキシカルボニル化による5,6ジメチルヘプト−4−エン−2−1(β−γ/α−β比が約13で、β−γ E/Z比が約2.2)の合成が開示されている。この手法で得られる選択性は上記に報告されたものよりも高いにもかかわらず、それらは未だ改善の余地と必要がある。
【0004】
実際に、β−γ不飽和ケトンまたはエステルは、重要な化学物質製造において有用な中間体であり、良好な選択性とそれゆえに収率の向上した工程が可能になる新規あるいは既存の代替となる方法が必要とされる。さらには、二重結合の配置において良好な選択性を有する所望のβ−γ不飽和ケトンまたはエステルを製造することも重要である。なぜならば、(E)−β−γ異性体を多く含む生成物を得ることが望まれる場合があるためである。
【0005】
発明の記述
前述の問題を克服するために、本発明は式(I)
【化2】

[式中、
点線は前記の化合物が相応のβ−γあるいはα−β不飽和誘導体の混合体の形態であることを示し、β−γ/α−βのモル比が少なくとも3であり、
Yは、互いに独立に、OR4あるいはR4基を表し、R4は酸素、硫黄および窒素から成る群から選択された1から3つのへテロ原子を随意に含むC1−C8炭化水素基を表し、
1は酸素、硫黄および窒素から成る群から選択された1から3つのへテロ原子を随意に含むC1−C15炭化水素基を表し、
2は酸素、硫黄および窒素から成る群から選択された1から3つのへテロ原子を随意に含むC1−C5炭化水素基を表し、
3は水素原子あるいはC1−C5炭化水素基を表し、且つ、
随意に前記のR1とR2および/またはR1とR3は一緒になって、酸素、硫黄および窒素から成る群から選択された1から3つのへテロ原子を随意に含むC4−C12炭化水素基を形成してもよい]
の化合物の製造方法において、100℃から230℃の間を含む温度で、式
【化3】

[式中、
Y、R1、R2およびR3は、式(I)で定義された通りである]
の化合物と
i) 式MX2、M"X3あるいはM’X
[式中、
Mはアルカリ土類金属の陽イオンであり、M’はアルカリ金属の陽イオンあるいはC0−C12アンモニウムの陽イオンであり、M"はランタノイドの陽イオンであり、Xはハライドあるいは0から6の間を含むpKaを有するHX酸の陰イオンである]の塩;
ii) 式R5COOH
[式中、
5は1つまたは2つの酸素原子を随意に含むC1−C18炭化水素基を表す]
のカルボン酸
からそれぞれ成る群i)の少なくとも1つの化合物、および群ii)の少なくとも1つの化合物とを、随意に100℃より高い沸点を有する極性非プロトン性の溶剤の存在下で反応させる段階を含む製造方法に関する。
【0006】
本発明の実施態様によれば、本方法は化合物(I)であって、
点線は前記の化合物が相応のβ−γあるいはα−β不飽和誘導体の混合体の形態であることを示し、β−γ/α−βのモル比が少なくとも3であり、
Yは、互いに独立に、OR4あるいはR4基を表し、R4はC1−C6アルキル基、フェニル基またはベンジル基を表し、
1は酸素、硫黄および窒素から成る群から選択される1から3つのへテロ原子官能基を随意に含むC2−C12炭化水素原子を表し、
2はC1−C3アルキル原子を表し、
3は水素原子またはC1−C3アルキル基を表し、且つ
随意に前記のR1とR2、および/またはR1とR3は一緒になって、酸素、硫黄および窒素から成る群から選択された1から3つのへテロ原子を随意に含むC5−C12炭化水素原子を形成してもよい化合物を、相応の化合物(II)から出発して製造することに関する。
【0007】
本発明の他の実施態様によれば、式(I)の化合物は、式
【化4】

[式中、
点線は前記の化合物が相応のβ−γあるいはα−β不飽和誘導体の混合体の形態であることを示し、β−γ/α−βのモル比が少なくとも3であり、
Yは、互いに独立に、OR4あるいはR4基を表し、R4は1から3つの酸素あるいは窒素を随意に含むC1−C6アルキル基あるいはC6−C10フェニル又はベンジル基を表し、
1は1から3つの酸素あるいは窒素官能基を随意に含むC2−C12炭化水素原子を表し、
2はC1−C3アルキル基を表し、
前記のR1とR2が一緒になって1から3つの酸素あるいは窒素原子を随意に含むC4−C11炭化水素基を形成してもよい]
の化合物である。
【0008】
式(III)の前記の化合物は、本発明による方法で、前記条件下で
【化5】

[式中、
Y、R1、R2およびR4は式(III)での定義と同様である。]
の化合物の反応によって得ることができる。
【0009】
本発明の上記の任意の実施態様によれば、本発明の方法は、特に少なくとも1つのYがOR4基であるか、あるいは2つのYがOR4基でさえもある化合物(II)を用いたときに特に有用なことがある。
【0010】
本発明の上記の任意の実施態様によれば、前記の炭化水素基は、アルキル、アルケニル、アルカンジエニル、アリール基またはそれらの混合物の形態であり、前記の炭化水素基は直鎖、分岐型、環状基またはそれらの混合型(例えば、直鎖アルキル、(ポリ)環状アルケニルとアリール成分を含む)である。
【0011】
さらには、本発明の上記の任意の実施態様によれば、前記の化合物(I)は、相応のβ−γまたはα−β不飽和誘導体の混合物の形態で得られ、ここでβ−γ誘導体とα−β誘導体のモル比(すなわちβ−γ/α−β)は、少なくとも4、あるいは少なくとも6でもある。特に関心があるのは、前記の比が8より上、あるいは15より上でもある方法である。
【0012】
上述のβ−γ/α−βの選択性と同時あるいは二者択一的に、本発明の上記の任意の実施態様によれば、前記の化合物(I)は、上に記載された相応のβ−γまたはα−β不飽和誘導体の混合物の形態で得られ、ここでβ−γ不飽和誘導体の異性体EとZのモル比((E)−β−γ)/((Z)β−γ)は1より上、あるいは2より上でもある。さらには、式(I)のβ−γ不飽和誘導体の前記の(E)/(Z)比は、3より上あるいは4でもあってよく、いくつかの場合において、5より上になるように増加され得る。
【0013】
特に、式(I)の化合物が相応のβ−γまたはα−β不飽和誘導体の混合物の形態で得られる実施態様が挙げられ、ここでβ−γ/α−βは少なくとも5.5あるいは15でもあり、異性体の比((E)−β−γ)/(Z)β−γ)は3.5より上である。
【0014】
式(I)の化合物の限定されない例は、式
【化6】

[式中、
6はメチルまたはエチル基あるいはOMeまたはOEt基を表し、且つ、
7
例えば、C10-12炭化水素基2−(2,6,6−トリメチル−シクロヘキシ−1−エニル)−エチル基を表し、
1または2つのC1−C3アルコキシまたはアミノ基で随意に置換されたフェニル基、あるいは
3−C6アルキルまたはアルケニル基を表す]
の化合物である。
【0015】
式(I)の化合物の他の例は、
【化7】

[式中、
6は式(V)の定義と同様であり、R8は一緒になってC4−C11炭化水素基、例えば
nが2、3、4又は9を表すCH2(CH2nCH2
不飽和C5−C9炭化水素基
を形成する]
である。
【0016】
本発明の選択的な実施態様によると、前記方法は、エステルまたは選択的にケトンである式(I)の化合物に対して特に有用である。
【0017】
前記の式(V)または(VI)の実施態様によれば、本発明の方法は
少なくとも1つのR6がOMeまたはOEt基、あるいは2つのR6が両者ともOMeまたはOEt基である、相応の式(II)の化合物を出発材料として使用する場合に、特に有用である。
【0018】
上述されたように、本発明の方法は、
i) 式MX2、M"X3あるいはM’X
[式中、
Mはアルカリ土類金属の陽イオンであり、M’はアルカリ金属の陽イオンあるいはC0−C12アンモニウムの陽イオンであり、M"はランタノイドの陽イオンであり、Xはハライドあるいは0から6の間を含むpKaを有する酸HXの陰イオンである]の塩;
ii) 式R5COOH
[式中、
5は1つまたは2つの酸素原子を随意に含むC1−C18炭化水素基を表す]のカルボン酸
からそれぞれ成る群i)からの少なくとも1つの化合物、および群ii)から少なくとも1つの化合物の存在下で、且つ、随意に100℃より高い沸点を有する極性非プロトン性の溶剤の存在下で行われる。
【0019】
本発明の実施態様によれば、前記の反応は、
i) 式MX2、あるいはM"X3
[式中、
Mはアルカリ土類金属の陽イオンであり、M’はアルカリ金属の陽イオンあるいはC0−C12アンモニウムの陽イオンであり、M"はランタノイドの陽イオンであり、Xはハライドあるいは0から6の間を含むpKaを有する酸HXの陰イオンである]の塩;
ii) R5COOH
[式中、
5は1つあるいは2つの酸素原子を随意に含むC1−C18炭化水素基を表す]
のカルボン酸
からそれぞれ成る群i)から少なくとも1つの化合物、および群ii)から少なくとも1つの化合物の存在下で行われる。
【0020】
本発明の他の実施態様によれば、群i)の化合物が、マグネシウム、カルシウム、セリウム、リチウム、ナトリウムまたはカリウム塩の塩化物、フッ化物、ヨウ化物、または式R9COO-で表されるカルボン酸塩であり、R9は1または2つの酸素原子を随意に含むC1−C18炭化水素基を表す。
【0021】
特に、塩化物とカルボン酸塩が挙げられる。
【0022】
そのような塩の限定されない例は、NaCl、NaF、NaI、Mg(R9COO)2、R9COONa、R9COOK、KF、CeCl3、Ce(R9COO)3、CaCl2およびCaF2である。この塩は、使用前に金属酸化物または水酸化物を所要量のHX酸と一緒に反応させることによって、その場で得ることができる。
【0023】
本発明の特定の実施態様によれば、R9はC2−C9アルキル、アルケニル、フェニルまたはベンジル基である。特に、ペント−2−yl、ヘプト−3−yl、プロピル、イソプロピル、イソブチル、ターブチル、イソペンチル、シクロヘキシル、ベンジルまたは(Me)2(CH23C(Me)=CH基のなどの基を挙げることができる。
【0024】
式(I)の化合物がエステルの場合、それに対応するカルボン酸もまた使用され得る。
【0025】
本発明の実施態様によれば、群ii)の化合物はR9COOHカルボン酸であることができ、ここでR9は上述の定義と同様である。
【0026】
本発明の実施態様によれば、極性非プロトン性溶剤は、120℃以上の沸点を有する溶媒であってもよい。さらには、前記溶剤はC2−C6ジアルキルスルホキシド、C2−C6ジアルキルスルホン、C3−C7アミドまたはラクタム、C3−C8ウレアまたはピリミドン誘導体、C6−C12ホスホラミドまたはホスフィノアミノ誘導体、C3−C8ニトリル、C4−C8モノまたはジエチレングリコールジエーテル、トリエタノールアミンから成る基から選択され得る。
【0027】
特に、次のものが挙げられる:DMSO、NMP(N−メチルピロリドン)、DMF、HMPA、DMPUまたはジグライム。
【0028】
群i)からiii)の様々な化合物が、広範囲の濃度中で反応媒体に添加され得る。限定されない例として、化合物(II)のモル量に対して、0.5%から200%の群i)の濃度が挙げられる。好ましくは、群i)の濃度には、1%から30%の間が含まれる。
【0029】
限定されない例として、化合物(II)のモル量に関して、0.0%から300%にわたる群ii)の濃度が挙げられる。好ましくは、群ii)の濃度には、60%から220%の間が含まれる。
【0030】
限定されない例として、化合物(II)の質量に対して、0.0%から500%にわたる群iii)の濃度が挙げられる。好ましくは、群iii)の濃度には、0.0%から300%の間が含まれる。
【0031】
前記の様々な列記されたそれぞれの化合物に最適な濃度は、それらの化合物および化合物(II)の性質に依存することは言うまでもない。
【0032】
水素化が行われ得る温度は、100℃から230℃を含み、より好ましくは、120℃から190℃の範囲内である。当然、当業者は、出発および最終生成物の融点および沸点、および所望の反応速度の関数として、好ましい温度を選択することもできる。
【0033】
前記の出発化合物(II)は、当業者間で知られ、実施例の中でも記載される標準的な方法によって製造することができる。実施例の中でも記載されたように、それらはその場で製造することもできる。
【0034】
以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、ここで温度は摂氏度であり、その省略形は当該技術分野での通常の意味を有する。
【0035】
実施例
以降に記載されるすべての工程は、特に述べられない限り不活性雰囲気中で行われている。すべての基質および溶媒は、Ar中で適切な乾燥で留去した。
【0036】
実施例1
A) 一般的な工程
出発化合物(II)(文献によって得られた)(0.24モル)(表4参照)を160℃で10−9時間、Mg(2−エチルヘキサネート)(0.045モル)と2−エチルヘキサン酸(0.24モル)の存在中で熱処理した。50℃に冷却した後、前記の混合物を20%のH2SO4、10gを用いて洗浄し、真空中で蒸留することで、不飽和エステルが得られた。表4は、収率と、化合物(I)の様々な異性体を示す。
【0037】
【表1】

【0038】
B) 一般的な工程
上述と同じ実験工程であり、出発化合物としてジメチル[2−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキサン−1−yl)ブチリデン]マロネートを用い、触媒を変更した。結果を表5に示す。
【0039】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
点線は前記の化合物が相応のβ−γあるいはα−β不飽和誘導体の混合体の形態であることを示し、β−γ/α−βのモル比が少なくとも3であり、
Yは、互いに独立に、OR4あるいはR4基を表し、R4は酸素、硫黄および窒素から成る群から選択された1から3つのへテロ原子を随意に含むC1−C8炭化水素基を表し、
1は、酸素、硫黄および窒素から成る群から選択された1から3つのへテロ原子を随意に含むC1−C15炭化水素基を表し、
2は、酸素、硫黄および窒素から成る群から選択された1から3つのへテロ原子を随意に含むC1−C5炭化水素基を表し、
3は、水素原子あるいはC1−C5炭化水素基を表し、且つ、
随意に前記のR1とR2および/またはR1とR3は一緒になって、酸素、硫黄および窒素から成る群から選択された1から3つのへテロ原子を随意に含むC4−C12炭化水素基を形成しうる]
の化合物の製造方法において、
100℃から230℃の間を含む温度で、式
【化2】

[式中、
Y、R1、R2およびR3は、式(I)での定義と同様である]
の化合物と、
i) 式MX2、M"X3あるいはM’X
[式中、
Mはアルカリ土類金属の陽イオンであり、M’はアルカリ金属の陽イオンあるいはC0−C12アンモニウムの陽イオンであり、M"はランタノイドの陽イオンであり、Xはハライドあるいは0から6の間を含むpKaを有する酸HXの陰イオンである]の塩;
ii)式 R5COOH
[式中、
5は1つまたは2つの酸素原子を随意に含むC1−C18炭化水素基を表す]のカルボン酸
からそれぞれ成る群i)の少なくとも1つの化合物、および群ii)の少なくとも1つの化合物とを、随意に100℃より高い沸点を有する極性非プロトン性の溶剤の存在下で反応させる段階を含む方法。
【請求項2】
式(I)の化合物が、式
【化3】

[式中、
点線は前記の化合物が相応のβ−γあるいはα−β不飽和誘導体の混合体の形態であることを示し、β−γ/α−βのモル比が少なくとも3であり、
Yは、互いに独立に、OR4あるいはR4基を表し、R4は1から3つの酸素あるいは窒素原子を随意に含むC1−C6アルキル基あるいはC6−C10フェニルまたはベンジル基を表し、
1は1から3つの酸素あるいは窒素官能基を随意に含むC2−C12炭化水素原子を表し、
2はC1−C3アルキル基を表す]
の化合物であり、
前記のR1とR2が一緒になって1から3つの酸素あるいは窒素原子を随意に含むC4−C11炭化水素基を形成しうることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
化合物(I)が、相応のβ−γあるいはα−β不飽和誘導体の混合物の形態で得られ、β−γ/α−βの比が少なくとも6、および/またはβ−γ不飽和誘導体の異性体EおよびZのモル比、(E)−β−γ)/((Z)−β−γが3より上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
式(I)の化合物が式
【化4】

[式中、
6はメチルまたはエチル基あるいはOMeまたはOEt基であり、且つ
7
10-12炭化水素基を表し、
1または2つのC1−C3アルコキシまたはアミノ基で随意に置換されたフェニル基、あるいは
3−C6アルキルまたはアルケニル基を表す]
の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式(II)の化合物を、
i) 式MX2、M"X3あるいはM’X
[式中、
Mはアルカリ土類金属の陽イオンであり、M’はアルカリ金属の陽イオンあるいはC0−C12アンモニウムの陽イオンであり、M"はランタノイドの陽イオンであり、Xはハライドあるいは0から6の間を含むpKaを有する酸HXの陰イオンである]の塩、[特にMX2またはM"X3の塩]
ii)式 R5COOH
[式中、
ここでR5は1つまたは2つの酸素原子を随意に含むC1−C18炭化水素基を表す]の酸である群i)の少なくとも1つの化合物、および群ii)の少なくとも1つの化合物と反応させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
群i)の化合物が式MX2またはM"X3
[式中、
M、M"とXは請求項5の定義と同様である]
の塩であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
群i)の化合物が、マグネシウム、カルシウム、セリウム、リチウム、ナトリウムまたはカリウム塩の塩化物、フッ化物、ヨウ化物、または式R9COO-
[式中、R9は1または2つの酸素原子を随意に含むC1−C18炭化水素基を表す]
で表されるカルボン酸塩であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
塩がNaCl、NaF、NaI、Mg(R9COO)2、R9COONa、R9COOK、KF、CeCl3、Ce(R9COO)3、CaCl2あるいはCaF2
[式中、
9は請求項7の定義と同様である]
であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
群ii)の化合物がR9COOH
[式中、
9はC2−C9アルキル、アルケニル、フェニルあるいはベンジル基である]
のカルボン酸であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
9がペント−2−yl、ヘプト−3yl、プロピル、イソプロピル、イソブチル、ターブチル、イソペンチル、シクロヘキシル、ベンジルあるいは(Me)2(CH23C(Me)=CH基を表すことを特徴とする、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2009−527545(P2009−527545A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555905(P2008−555905)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050341
【国際公開番号】WO2007/096791
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1,route des Jeunes, CH−1211 Geneve 8, Switzerland
【Fターム(参考)】