ペン針補給装置
【課題】注入器具のためのペン針を格納するとともに補給するための装置を提供する。
【解決手段】柔軟な外側カバー104を含む包装アセンブリー100を含み、この外側カバーは、ハブ部108と、このハブ部の基端にて配された針部112と、ハブ部の末端に配されたフランジ132とを有し、ハブ部は、ペン針10のハブに係合するための内側に突出するスプラインまたは他の構造体を有する。ハブ部は、ハブ部の把持部を押圧する使用者にとって充分に柔軟であり、スプラインの間のハブ部の対応する内側部分がペン針のハブに接触し、外側カバーとそのペン針との間の接触表面積を増大するようになっている。
【解決手段】柔軟な外側カバー104を含む包装アセンブリー100を含み、この外側カバーは、ハブ部108と、このハブ部の基端にて配された針部112と、ハブ部の末端に配されたフランジ132とを有し、ハブ部は、ペン針10のハブに係合するための内側に突出するスプラインまたは他の構造体を有する。ハブ部は、ハブ部の把持部を押圧する使用者にとって充分に柔軟であり、スプラインの間のハブ部の対応する内側部分がペン針のハブに接触し、外側カバーとそのペン針との間の接触表面積を増大するようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
この出願は、2010年8月16日に提出した米国仮特許出願第61/344,541号からの35USC第119条(e)による優先権を請求し、その開示がその全体を参照することによってこの明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、ペン注入器具用針、より詳細にはペン注入器具用針を補給および収容するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
薬剤送出ペンは、正確に計測された投与量の薬を自己注射するために用いられる。ペンは、例えばインシュリンを自己注射する糖尿病患者によって広く用いられる。典型的な薬剤送出ペンは、数回の投与のために充分な量の液体薬剤が入ったカートリッジを含む。ペン器具に装着されたペン針を用い、投与量が筋肉組織層や、皮下組織層または皮内組織層の如き組織領域へと注入される。
【0004】
典型的なペン注入器具のアセンブリーおよび操作は、同一出願人による特許文献1に記述されており、その全体を参照することによってこの明細書に組み入れられる。
【0005】
図1および図2に示すような典型的なペン注射器50の如き、ペン注入器具は、投与取手/ボタン24と、外側スリーブ13と、キャップ21とを一般的に具えている。投与取手/ボタン24は、注入される薬の投与量を使用者が設定することを可能にする。外側スリーブ13は、薬剤を注射する際に使用者により把持される。キャップ21は、ペン注射器50をシャツのポケットや、財布または他の適当な場所で確実に保持するため、使用者によって用いられる。
【0006】
図2は、図1に示した典型的な薬剤送出ペン50の分解図である。投与取手/ボタン24は2つの目的を有し、注入される薬剤の投与量を設定するためと、送りねじ7およびストッパー15を介して薬剤カートリッジ12から投薬される薬剤を注入するためとの両方で用いられ、薬剤送出ペンに下部ハウジング17を介して装着される。薬剤カートリッジ12は、一端の隔壁16と他端のストッパー15とでシールされたガラス管であることが一般的である。標準薬剤送出ペンにおいて、投与および送出の機構は、外側スリーブ13内にすべて存在することが見いだされる。これらの機構は、これらが当業者らによって理解されているので、ここでより詳細に記述されない。
【0007】
ペン針アセンブリー10は、ハブ20と、ペン針アセンブリーの患者端から延在する患者針11と、その非患者側のハブ20内に配される隔壁穿通針カニューレ18とを含む。隔壁穿通針カニューレ18は、患者針11と流体連通状態にある。ハブ20は下部ハウジング17に好ましくはねじ止めされるけれども、薬剤カートリッジ12に直接装着する如き他の装着手段を用いることができる。下部ハウジング17または薬剤カートリッジ12へのハブ20の装着において、隔壁穿通カニューレ18は隔壁16を穿刺するが、隔壁16は薬剤カートリッジ12に関して移動しない。しかしながら、ストッパー15は薬物カートリッジ12内で軸線方向に変位可能であって、流体密封シールを維持する。(送りねじ7の前進のため)薬剤カートリッジ12内でのプランジャーまたはストッパー15の末端側への移動は、薬剤がハブ20の患者針11へと押し込まれることをもたらす。
【0008】
使用者またはペン注射器50を取り扱うあらゆる人を保護するため、ハブ20に装着される硬質の外側シールド29がハブ20を覆う。この外側シールド29はまた、ハブ20をペン注射器50にねじ込んだり、取り外したりする取手または握りとして用いることもできる。一般的に、外側シールド29の上部フランジ30に装着され、かつ(図8に最も良く示される)取手のためのタブ34を有する涙滴形カバー、すなわちラベル32は、外側シールド29の内容物のための無菌バリヤーをもたらす。内側シールド、すなわち針カバー28は、外側シールド29内の患者針11を覆う。締まり嵌めまたはスナップ嵌合の如きあらゆる適切な手段によって内側シールド28をハブ20に固定し、患者針11を覆うことができる。外側シールド29および内側シールド28は、使用前に取り外される。キャップ21は、外側のスリーブ13に対してぴったりと嵌合し、使用者がペン注入器具50を安全に運ぶことを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7645264号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ペン針アセンブリーは、通常販売される個々に包装された無菌バリヤーをもたらすため、カバーの開口を覆うラベルと共に(外側シールド29の如き)プラスチック製のカバー内側にある。これら個々に包装されたペン針アセンブリーは、箱の如き容器に大ざっぱに詰めてしばしば販売されている。種々の大きさの箱が種々の量の個々に包装されたペン針アセンブリー(例えば50個入り箱または100個入り箱)のために用いられている(例えば50個入り箱または100個入り箱)。
【0011】
(発明の目的)
ペン針を格納するための装置を提供することが本発明の一形態である。より詳細には、ペン針をその使用後と同様にその使用前に格納するための装置を提供することが本発明の一形態である。さらに、ペン注入器具と共に用いるペン針を補給する装置を提供することが本発明の一形態である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の前述および/または他の形態は、注入器具用のペン針を格納および補給するための装置を提供することによって達成され、この装置は、滅菌バリヤーを外側カバーに対し接着させる加熱活性化接着剤を有する滅菌バリヤーと共にペン針アセンブリーを収容するための柔軟な外側カバーを含む。外側カバーは充分に柔軟であり、使用者が外側カバーを押圧してペン注入器具に対するペン針アセンブリーの装着中に、その中に収容されるペン針アセンブリーを把持して保持することができる。
【0013】
本発明の前述および/または他の形態はまた、注入器具用のペン針を格納および補給するための装置を提供することによっても達成され、この装置は、パッケージアセンブリーを含み、このパッケージアセンブリーは、ハブ部を有する柔軟な外側カバーと、ハブ部の末端に配された針部と、ハブ部の基端に配されたフランジとを含み、ハブ部は、内側に突出してペン針のハブに係合する構造体を有する。ハブ部は充分な柔軟性があり、使用者がハブ部の把持部を押圧し、スプラインの間のハブ部の対応する内側部分がペン針のハブに接触し、外側カバーとその中のペン針との間の接触表面積を増大させるようになっている。
【0014】
本発明の前述および/または他の形態はまた、注入器具用のペン針を格納および補給するための方法を提供することによっても達成され、この方法は、ハブ部の内側部分がペン針のハブに接触してペン針と外側カバーとの間の接触表面積を増大するように、そこにペン針を有する柔軟な外側カバーのハブ部の把持部を押圧するステップを含む。この方法はまた、注入器具をハブに装着すると共に把持部を押圧し、ペン針を外側カバーから取り外すステップをも含む。
【0015】
本発明の前述および/または他の形態はまた、注入器具用の複数のペン針を包装する方法を提供することによっても達成され、この方法は、針部と、ハブ部と、端縁を分離可能に一列に接合したフランジとを有する複数の外側カバーを用意するステップを含み、外側カバーはそこに配された複数の対応するペン針を有する。
【0016】
本発明の追加および/または他の形態は、以下の説明で部分的に述べられ、この説明から部分的に明白となるか、または発明の実施により習得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】典型的な薬剤送出ペンの立体投影図である。
【図2】図1の典型的な薬剤送出ペンの分解図である。
【図3】本発明の一実施形態によるペン針アセンブリーの立体投影図である。
【図4】本発明の一実施形態によるペン針アセンブリーの立体投影図である。
【図5】本発明の一実施形態による包装アセンブリーの立体投影図である。
【図6】図5の包装アセンブリーの部分平面図である。
【図7】図5の包装アセンブリーの図5中の7−7線に沿った断面での立体投影図である。
【図8】図3のペン針アセンブリー用の典型的な外側シールドの立体投影図である。
【図9】図5の包装アセンブリーの立体投影図である。
【図10】図5の包装アセンブリー用の他の無菌バリヤー形状の部分立体投影図である。
【図11】図5の包装アセンブリー用の他の別な無菌バリヤー形状の部分立体投影図である。
【図12】図5の複数の包装アセンブリーの包装列の立体投影図である。
【図13】図12の複数の列の重ね合わせを例示する側面図である。
【図14】図12の複数の列の重ね合わせを例示する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例の上述および/または他の形態ならびに利点は、添付図面と併せて記述された以下の詳細な説明から明白となり、さらに容易に認識されよう。
【0019】
さて、参照が本発明の実施形態に対して詳細になされ、添付図面に示した例示の全体に亙って同様な参照符号が同様な要素に対して与えられている。ここに記述した実施形態は、図面を参照することによって本発明を限定ではなく、例示する。当業者によって理解されるように、上方,下方,底および上端の如き用語は相対的であって、例示を助けるために用いられているが、これらに限定されない。
【0020】
図3および図4は、本発明の一実施形態によるペン針アセンブリー10の立体投影図である。簡潔さのため、語句「ペン針10」が以下、「ペン針アセンブリー10」の代わりに用いられよう。図3に示すように、ペン針10は、その非患者端に配されたハブ20を含む。このハブ20は、以下により詳細に記述される回り止め/保持構造体に対して係合するための複数のリブ64を有する。加えて、突起68がハブ20の患者端から延在し、患者針11がこの突起68から延在する。ハブ20の非患者端内に配された(図4に最も良く示す)隔壁穿通針カニューレ18は、患者針11と流体連通する。さらに、図4に示すように、ハブ20の非患者端の内部は、ペン注射器50の如き注入器具を連結するためのねじ72を含む。簡潔さのため、ペン注射器50は、典型的な注入器具として以下に用いられよう。しかしながら、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、他の注入器具を使用可能であることを認識しよう。
【0021】
図5は、本発明の一実施形態による包装アセンブリー100の立体投影図である。図5に示すように、包装アセンブリー100は、その中にペン針10を収容するための柔軟なブリスター包装、すなわち外側カバー104を含む。この外側カバー104は、ハブ部108と針部112とを含む。一実施形態によると、柔軟な外側カバー104のための材料は、例えばおよそ0.025から0.035インチ(0.635mmから0.890mm)の範囲、好ましくはおよそ0.030インチ(0.760mm)の厚みを有する標準医療用品位のPETGコポリエステルの如き柔軟な透明プラスチック材料であってよい。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく他の材料を用いることができることを理解しよう。一実施形態によると、図5に示すような内側シールド28は、患者針11を外側カバー104内に覆う。
【0022】
包装アセンブリー100はまた、 ペン針10にアクセスするために少なくとも部分的に取り外し可能である無菌バリヤー116を含む。一実施形態によると、無菌バリヤー116のための材料は、例えばおよそ0.005インチから0.020インチ(0.125mmから0.508mm)の範囲、好ましくは0.013インチ(0.330mm)の厚みを有する外科用品位のクラフト紙であってよい。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、他の材料を用いることができることを理解しよう。
【0023】
図6は、包装アセンブリー100の部分平面図である。図7は、図5中の7−7線に沿って作られた包装アセンブリー100の断面の立体投影図である。図6に示すように、ペン針アセンブリー10のハブ20を保持するためのパッケージアセンブリー100のハブ部108は、ハブ20を保持すると共にペン針10が外側カバー104内を自由に動くのを阻止するための複数のスプライン120を好ましくは含む。これらのスプラインは、成形か、熱成形か、または他の方法によって形成することができる。図6および図7に例示された実施形態において、針部112はほぼ円錐台状であり、ハブ部108はほぼ円筒状であり、肩部110は針部112とハブ部108との間に配されてペン針10の挿入深さを制限する。
【0024】
さらに図6に示すように、ハブ部108は、スプライン120に隣接する複数の把持部124を含む。図6および図7に示すように、また以下にさらに詳細に記述されるように、把持部124はハブ20と離れて空間をあけられ、隙間128が把持部124とハブ20との間に存在するようになっている。
【0025】
例えば糖尿病の患者は、病気の進行につれて強まる可能性がある末梢神経傷害として知られた指の触知能力の減退を身をもって示す可能性がある。これは、患者がペン針10をペン注射器50の如き注入器具に容易に連結することができないという結果を生ずる可能性がある。同様に、末梢神経障害は患者がペン針10をペン注射器50から容易に取り外すことができる能力を抑制する可能性がある。
【0026】
典型的な硬質の外側シールド29のための材料は、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)を含む。ペン針10をペン注射器50に連結しようとした場合、患者は、硬質であって通常は不透明な外側シールド29にのみ一般的に触れ、患者にとって滑りやすく感じる可能性がある。
【0027】
外側シールド29に対し、外側カバー104は実質的により柔軟であってよいので、この外側カバー104は使用者のためにより大きな触知のフィードバックを与えることができ、患者がペン針をペン注射器50に連結する際にペン針10のより大きな制御量を可能にする。例えば、ハブ部108を強くつまんでこれを回した場合、径方向のトルクが少なくともスプライン120によりハブ20に対して直接伝達される。ハブ部108の柔軟性のため、ペン針10をペン注射器50に連結する際に、患者は、ハブ部108を強くつまんでペン針10の回転を阻止するために必要とされる力をより容易に見極めることができる。
【0028】
さらに、スプライン120および隙間128のため、患者がハブ部108の把持部124をつまんで握り込む際に、スプライン120はより大きな力でハブ20に接触し、スプライン120の間の柔軟なハブ部108の内側部分がハブ20に対してつぶれ、ハブ部108とハブ20との間の接触表面積を増大する。この接触表面積の増大は、外側カバー104とペン針10との間のより大きな摩擦抵抗を結果としてもたらし、それによってペン針10をペン注射器50に固定しようとした場合、外側カバー104に対するペン針10の回転運動を阻止するために必要とされる圧力量を患者がより容易に判断することを可能にする。
【0029】
また、患者が内側シールド28を外側カバー104内に保持することを希望する場合、針部112の柔軟性は、外側シールド29を覆う他の利点を提供する。ペン針をペン注射器50に固定した後、患者は針部112を介して内側シールド28を把持し、ペン針10を取り外すと共に内側シールドを外側カバー内に保持することができる。これに対し、典型的な外側シールド29の剛性は、このような有用性を可能にしない。
【0030】
患者はまた、ペン針10をペン注射器50から取り外す際にも利点を経験する。典型的な外側シールド29を用いてペン針10とペン注射器50とを連結する場合も同様に、外側シールド29の壁は、あらゆる有意の範囲を強くつまむには余りにも硬質であって、隔壁穿通針カニューレ18を薬剤カートリッジ12の隔壁から引っ張るために必要とされる必要な引張り力をもたらすため、ハブ20と硬質外側シールド29の内側面との間の嵌合にのみ患者が頼ることを結果として生ずる。加えて、ラベルシールのために用いられる外側シールド29の小さい上端フランジ30は、外側シールド29に対する付加的剛性をもたらす。
【0031】
これに対し、柔軟な外側カバー104は、患者の指先の間を容易に強くつまむことができ、外側カバー104の内側からハブ20まで直接動かす力は、隔壁から隔壁穿通針カニューレ18のより容易な引き出しを可能にする。換言すれば、患者がハブ部108の把持部124を強くつまんで把持した場合、スプライン120はより大きい力でハブ20と接触し、柔軟なハブ部108がハブ20に対してつぶれ、ハブ部108とハブ20との間の接触表面積を増大すると共に、患者の指からの力のより効率的な伝達をもたらす。
【0032】
スプライン120は、把持と共に空間作用、すなわち隙間128を画定するためにも役立つ個々の突出構造体である。当業者は、このスプライン120が同じ作用をする他の特徴や構成および構造体などで置き換えることができることを認識しよう。
【0033】
図8は典型的な外側シールド29の立体投影図であり、図9は本発明の一実施形態による包装アセンブリー100の立体投影図である。図8および図9に示すように、外側シールド29の上端フランジ30と比較すると、外側カバー104の上端フランジ132は、さらに充分大きいことが好ましい。加えて、さらにより詳細に以下に記述するように、外側カバー104の針部112は、外側シールド29の針部36よりも、さらにより広いことが好ましい。
【0034】
触知能力が低下した患者はまた、無菌バリヤー(例えば「涙滴形」ラベル32)を硬質外側シールド29から取り外す場合の困難をしばしば経験する可能性がある。硬質外側シールド29のための無菌バリヤーとして用いられる典型的な涙滴形ラベル32は、このラベル32の下面に薄いポリエチレンまたはポリプロピレンの層を有する。強烈な熱(例えば400〜440°F(204〜227°C))により、ラベルの下面にあるこの肉薄の層は、外側シールド29のフランジ30に溶融する。このプラスチックとプラスチックとの結合は、フランジ30に対するラベル32の非常にしっかりした把持を与える。
【0035】
これらのラベル32は、側面タブ34に対する最初の引っ張りにより開かれ、次いでタブ34を引き上げる。この方法において、患者は、一方の手でタブ34のみを保持すると共に他方でしばしば滑りやすいPEまたはPP製外側シールド29を保持し、特に大きなラベル発生力をフランジ30の前端にて克服しなければならない。ラベル32がフランジ30から直角に引き出され続け、外側シールド29の直径の中央に接近すると、必要とされる取り外し力は実質的に低下する。次に、ラベル32がフランジ30の後縁に接近すると、必要とされる取り外し力の突然の増加がある。これは、過度に引っ張ることを一部の患者にもたらす可能性があり、外側シールド29が患者の把持を滑り抜けてペン針10の無菌の喪失を結果として生ずることをもたらす可能性がある。
【0036】
対照的に、無菌バリヤー116の如きブリスター包装ラベルは、加熱活性化または感圧接着剤に対するそれらの依存のため、それら自体に容易な除去をもたらす傾向がある。特に把持および操作の容易性を目的として、寸法形状が設計された任意の数の利用可能なラベルを組み合わせる場合、これらの接着剤は、その注射のために準備をする計画能力の減少した患者に対して素晴らしい利益の可能性がある。
【0037】
加えて、例えば、図6,図7および図9に示すように、外側カバー104の四角形のフランジ132は、外側シールド29のフランジ30よりもシールのためのさらに大きな表面積を与えることができる。フランジ132はまた、ラベル除去および操作中に、ペン注射器50に対するペン針10の装着および取り外しと同様に、包装アセンブリー100を保持するための追加の領域を患者に与える。さらに、フランジ132は、偶然の針刺しに対して増大した患者の保護および信頼性をもたらす。
【0038】
本発明の実施形態において、無菌バリヤー116を外側カバー104のフランジ132に対して結合するため、加熱活性化または感圧接着剤を用いることができる。このような接着剤の一例は、あらゆる医療用品位の加熱活性化エポキシ積層体について、ダウケミカル社のVCARやVAGHまたはVMCH類の溶液ビニル樹脂系列を含む多くの配合物を利用可能である。
【0039】
糖尿病および注射を必要とする他の状況の患者は、損なわれた視覚および続いて起こる手/目の協調結果からしばしば苦労する。一実施形態によると、外側カバー104は高い透視度をもたらす材料から作られる。従って、患者は外側カバー104の壁を通してペン注射器50に対するペン針10の装着をより明瞭に見ることができる。これは、患者がハブ20(換言すれば、隔壁穿通針カニューレ18)の中心軸線がペン注射器50の中心軸線に対して適切に位置調整されるように保つのを助ける。この透明性は、ペン注射器50に対するハブ20のより容易な目標設定を与えるのみならず、ペン針10との接続中に、ペン注射器50の先端縁にハブ20の端縁が引っ掛からないようにするのを助ける。
【0040】
さらに、ペン針10をペン注射器50から取り外す場合、外側シールド29の不透明度は、露出した患者針11に外側シールド29の針部36を介して偶然の貫通をもたらす可能性がしばしばあり、従って偶然の針刺しを引き起こす可能性がある。対照的に、外側カバー104の透明性は、外側カバー104の針部112の中央への露出した患者針11の方向付けにおいて有益であり、それによって患者針11が外側カバー104を介して貫通する可能性を減らす。
【0041】
加えて、患者がペン針10を外側カバーから取り外す際に内側シールド28を外側カバー104内に保持する場合、外側カバーの透明性は、患者が針11を内側シールド28へと取り付けるのを助ける。同様に、針部112の柔軟性は、患者を手助けすることが可能である。使用者は、針11をその中に差し込む際に内側シールド28の安定性を維持するため、針部のより大きな表面積の末端を把持し、これによって内側シールド28の末端を握ることができる。内側シールドの末端を把持することにより、患者は内側シールド28への針11の挿入中での針刺しの危険性を減らす。
【0042】
さらに、図8および図9に示すように、外側カバー104の針部112は、アウタシールド29の針部36の狭い輪郭よりも幅広である。従って、針部36に関し、針部112の壁は、針からさらに外側に動かされる。これはまた、外側カバー104を介した患者針の偶然の突き通しを阻止するのに役立ち、これによって患者の指を偶然の針刺しから保護するのに役立つ。
【0043】
さらにフランジ30に関し、フランジ132の増加した寸法およびフランジ132の四角形状は、ペン注射器50からペン針10の取り外し中に患者の指が針部112からさらに遠くに離れることを可能にし、従って偶然の針刺しの可能性をさらに減らす。換言すれば、フランジ132の増加した寸法および形状のため、外側カバー104へのペン針10の最初の挿入中に、患者は外側カバー104を長方形フランジ132の両端縁か、またはフランジ132の(例えばその隅部の)両端面にて把持することができる。その後、ペン注射器50からのペン針10の除去のため、使用者はハブ部108の把持部124を把持してハブ部108とハブ20との間の接触表面積を増大させることができる。
【0044】
これは、それぞれの患者の健康および安全にとって重要であり、ペン針10を受け入れる彼または彼女が不完全な無菌バリヤーの如き致命的欠陥から開放される。涙滴形ラベル32を外側シールド29のフランジ30に熱融着するための上述した処理は、密封処理窓を有し、弱いまたは不完全なラベルシールをしばしば供給する。これが発生する可能性は、製造中に行われる工程内品質保証試験の総数のために低いけれども、依然として不完全な無菌バリヤーの危険性は存在する。
【0045】
対照的に、弱いか、欠陥があるか、または不完全なシールのための致命的欠陥を排除するブリスター包装の能力は、長年に亙り順調に製造および販売されているブリスター包装済み注射器および他の医療器具の数により立証されるように、医療器具製造業者らに長い間に亙り知られている。例えば一実施形態によると、無菌バリヤー116による外側カバー104のシールは、140°F(60°C)程度に活性化される加熱活性化接着剤を用いて達成される。従って、外側カバー104の滅菌シールのための適切な条件を確保することは、外側シールド29の滅菌シールのために必要とされる条件ほど要求が厳しくない。さらに、患者に対する追加の利益として、無菌バリヤー116と外側カバー104のフランジ132との間の接着剤のシールを破壊するため、涙滴形ラベル32と外側シールド29のフランジ30との間の樹脂接合に対して樹脂を破壊するために必要とされるよりも少ない力が必要とされる。
【0046】
図5に戻ってこれを参照すると、例示した無菌バリヤー116の実施形態は、端縁剥離形状である。換言すれば、図5に示した無菌バリヤー116を除去するため、患者は外側カバー104のフランジ132に対して無菌バリヤー116の一端を持ち上げる。その後、無菌バリヤー116を後方に剥がして非患者端のペン針10を露出させる。図10および図11は、代わりの無菌バリヤー形態の一部の立体投影図である。図5と比較すると、図10は、患者が無菌バリヤー116の隅部を最初に持ち上げる隅剥離形状を示す。図11は、持ち上げ引張り形状を示す。より詳細には、患者はフラップ136を最初に持ち上げ、次にフラップ136を把持し、フランジ132に対して無菌バリヤー116を引き剥がし、ペン針10の非患者端を露出させる。
【0047】
図12は、複数の包装アセンブリー100の包装アレイ140の立体投影図である。図12に示すように、包装アレイ140は、28個の包装アセンブリー100をつなげた4×7の配列である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく種々の寸法の配列を作ることができることを認識しよう。図12において、個々の滅菌バリヤー116は、例示目的のために除去されている。一実施形態によると、個々の包装アセンブリー100間の連結部分には、隣接の包装アセンブリー100から単一の包装アセンブリー100か、または部分的配列の包装アセンブリー100を容易に除去するため、ミシン目が形成されている。例示した実施形態のフランジ132は矩形の平行四辺形であるけれども、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく他の形状を用いることができることを認識しよう。例えば、フランジは菱形や、三角形,四角形,五角形,六角形,七角形,八角形などであってよい。好ましくは、フランジの端縁が廃棄物を最小にすると共に包装密度を増大してつながれることができるように、フランジは正方形か、長方形,六角形または八角形である。換言すれば、フランジは体積あたりの最大の包装アセンブリーの数をもたらすように、好ましくは形成される。
【0048】
図12に示した包装アレイ140において、患者に対する付加的利便性のため、ペン針10はブリスター容器か、または典型的な処方箋不要の薬剤にそっくりな結合区画に包装される。図示した実施形態によると、28個までのペン針がそれぞれ「カード」または「シート」または包装アレイ140に対して利用可能であってよい。それとして、ペン針の供給源は、患者がばらけた外側シールド29の棚箱を運ぶ代わりに、容易かつ安全に患者によって持ち運ぶことができる。
【0049】
次に、多数の包装アレイ140を棚箱へと積み込むことができる。重ね合わせに対する包装アレイ140の能力のため(図13および図14に示すように、一対の包装アレイ140の一方を反転して包装アセンブリー100の個々の針部112を相互に隣接させることにより)、与えられた空間の使用がより効率的である。例えば、4つの入れ子状態にある包装アレイ140内の112個の包装アセンブリー100を収容する箱は、100個のバラ充填外側シールド29を収容した箱よりもおよそ1/3小さい寸法で作ることができる。当業者は、カートンの他の変更が患者の付加的利便性のために可能であることを認識しよう。付加的な製造利点として、包装アレイ140の形状は、包装アレイ140が組み立てライン上で直接包装されることを可能にする。これは、早まってシールが破壊されることの主因の1つであって、製造中に組み立てラインからシールされたペン針10を運ぶ必要性を排除する。
【0050】
涙滴形ラベル32を外側シールド29に対してシールするための方法の密封操作窓のため、製造中に失敗が起こることが知られている。通常、このような失敗は捕捉されて検証されるけれども、この方法それ自体および必要とされる破壊試験は、製造中に増加する廃棄物および低下した効率を引き起こす元凶となる。本発明の実施形態の1つの利点は、製造経費の削減である。この経費削減は、フランジ30に対するラベル32の適切なシールを確実にするため、あらかじめ必要とされる工程内試験の減少に由来する。外側シールド29の製造において、試料の寸法は大きく、工程内試験はしばしば行われる。この試験の破壊的な性質のため、大量の良好な製品が破壊されると共に関連する費用が回復しない。より容易に達成される製造条件のため、上述した本発明の実施形態は、同様な成功率を達成するために試料の大きさの削減および/または試験頻度の減少が可能である。
【0051】
本発明の実施形態の追加の利点は、無菌バリヤーのための材料の使用において、増大する効率のための追加の製造節約である。外側シールド29の製造において、涙滴形ラベル32が同じ材料のウェブに保持され、この実際のラベル32はウェブ材料のロールのおよそ25〜30%のみである。これは、購入したラベル32の材料の70-75%が涙滴形ラベル32をウェブから取り外した後に廃物として処分されることを意味する。本発明の実施形態における無菌バリヤー116の正方形状は、より効率的にロール材料から製造することができる。無菌バリヤー116の設計は、単なる費用効果のみに止まらず、環境に対してより配慮したものである。
【0052】
さらに、涙滴形ラベル32を外側シールド29にシールする処理の間、製造を停止しなければならず、シールのために必要とされる高温加熱ヘッドは、それぞれの製造切換中に多数回掃除しなれなければならない。加えて、高温加熱モジュールを規則的に交換しなければならない。さらに、圧力追従モジュールもまた、高度な維持を必要とする。本発明の実施形態の別な利点は、涙滴形ラベル32を外側シールド29に対してシールする方法に関連した高価な設備維持経費が排除されることである。
【0053】
本発明の2,3の実施形態のみを図示すると共に記述したけれども、本発明はこの記述した実施形態に限定されない。代わりに、本発明の原理および精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対し、添付された特許請求の範囲およびその均等概念に規定されるような変更を行うことができることを当業者らによって認識されよう。
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
この出願は、2010年8月16日に提出した米国仮特許出願第61/344,541号からの35USC第119条(e)による優先権を請求し、その開示がその全体を参照することによってこの明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、ペン注入器具用針、より詳細にはペン注入器具用針を補給および収容するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
薬剤送出ペンは、正確に計測された投与量の薬を自己注射するために用いられる。ペンは、例えばインシュリンを自己注射する糖尿病患者によって広く用いられる。典型的な薬剤送出ペンは、数回の投与のために充分な量の液体薬剤が入ったカートリッジを含む。ペン器具に装着されたペン針を用い、投与量が筋肉組織層や、皮下組織層または皮内組織層の如き組織領域へと注入される。
【0004】
典型的なペン注入器具のアセンブリーおよび操作は、同一出願人による特許文献1に記述されており、その全体を参照することによってこの明細書に組み入れられる。
【0005】
図1および図2に示すような典型的なペン注射器50の如き、ペン注入器具は、投与取手/ボタン24と、外側スリーブ13と、キャップ21とを一般的に具えている。投与取手/ボタン24は、注入される薬の投与量を使用者が設定することを可能にする。外側スリーブ13は、薬剤を注射する際に使用者により把持される。キャップ21は、ペン注射器50をシャツのポケットや、財布または他の適当な場所で確実に保持するため、使用者によって用いられる。
【0006】
図2は、図1に示した典型的な薬剤送出ペン50の分解図である。投与取手/ボタン24は2つの目的を有し、注入される薬剤の投与量を設定するためと、送りねじ7およびストッパー15を介して薬剤カートリッジ12から投薬される薬剤を注入するためとの両方で用いられ、薬剤送出ペンに下部ハウジング17を介して装着される。薬剤カートリッジ12は、一端の隔壁16と他端のストッパー15とでシールされたガラス管であることが一般的である。標準薬剤送出ペンにおいて、投与および送出の機構は、外側スリーブ13内にすべて存在することが見いだされる。これらの機構は、これらが当業者らによって理解されているので、ここでより詳細に記述されない。
【0007】
ペン針アセンブリー10は、ハブ20と、ペン針アセンブリーの患者端から延在する患者針11と、その非患者側のハブ20内に配される隔壁穿通針カニューレ18とを含む。隔壁穿通針カニューレ18は、患者針11と流体連通状態にある。ハブ20は下部ハウジング17に好ましくはねじ止めされるけれども、薬剤カートリッジ12に直接装着する如き他の装着手段を用いることができる。下部ハウジング17または薬剤カートリッジ12へのハブ20の装着において、隔壁穿通カニューレ18は隔壁16を穿刺するが、隔壁16は薬剤カートリッジ12に関して移動しない。しかしながら、ストッパー15は薬物カートリッジ12内で軸線方向に変位可能であって、流体密封シールを維持する。(送りねじ7の前進のため)薬剤カートリッジ12内でのプランジャーまたはストッパー15の末端側への移動は、薬剤がハブ20の患者針11へと押し込まれることをもたらす。
【0008】
使用者またはペン注射器50を取り扱うあらゆる人を保護するため、ハブ20に装着される硬質の外側シールド29がハブ20を覆う。この外側シールド29はまた、ハブ20をペン注射器50にねじ込んだり、取り外したりする取手または握りとして用いることもできる。一般的に、外側シールド29の上部フランジ30に装着され、かつ(図8に最も良く示される)取手のためのタブ34を有する涙滴形カバー、すなわちラベル32は、外側シールド29の内容物のための無菌バリヤーをもたらす。内側シールド、すなわち針カバー28は、外側シールド29内の患者針11を覆う。締まり嵌めまたはスナップ嵌合の如きあらゆる適切な手段によって内側シールド28をハブ20に固定し、患者針11を覆うことができる。外側シールド29および内側シールド28は、使用前に取り外される。キャップ21は、外側のスリーブ13に対してぴったりと嵌合し、使用者がペン注入器具50を安全に運ぶことを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7645264号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ペン針アセンブリーは、通常販売される個々に包装された無菌バリヤーをもたらすため、カバーの開口を覆うラベルと共に(外側シールド29の如き)プラスチック製のカバー内側にある。これら個々に包装されたペン針アセンブリーは、箱の如き容器に大ざっぱに詰めてしばしば販売されている。種々の大きさの箱が種々の量の個々に包装されたペン針アセンブリー(例えば50個入り箱または100個入り箱)のために用いられている(例えば50個入り箱または100個入り箱)。
【0011】
(発明の目的)
ペン針を格納するための装置を提供することが本発明の一形態である。より詳細には、ペン針をその使用後と同様にその使用前に格納するための装置を提供することが本発明の一形態である。さらに、ペン注入器具と共に用いるペン針を補給する装置を提供することが本発明の一形態である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の前述および/または他の形態は、注入器具用のペン針を格納および補給するための装置を提供することによって達成され、この装置は、滅菌バリヤーを外側カバーに対し接着させる加熱活性化接着剤を有する滅菌バリヤーと共にペン針アセンブリーを収容するための柔軟な外側カバーを含む。外側カバーは充分に柔軟であり、使用者が外側カバーを押圧してペン注入器具に対するペン針アセンブリーの装着中に、その中に収容されるペン針アセンブリーを把持して保持することができる。
【0013】
本発明の前述および/または他の形態はまた、注入器具用のペン針を格納および補給するための装置を提供することによっても達成され、この装置は、パッケージアセンブリーを含み、このパッケージアセンブリーは、ハブ部を有する柔軟な外側カバーと、ハブ部の末端に配された針部と、ハブ部の基端に配されたフランジとを含み、ハブ部は、内側に突出してペン針のハブに係合する構造体を有する。ハブ部は充分な柔軟性があり、使用者がハブ部の把持部を押圧し、スプラインの間のハブ部の対応する内側部分がペン針のハブに接触し、外側カバーとその中のペン針との間の接触表面積を増大させるようになっている。
【0014】
本発明の前述および/または他の形態はまた、注入器具用のペン針を格納および補給するための方法を提供することによっても達成され、この方法は、ハブ部の内側部分がペン針のハブに接触してペン針と外側カバーとの間の接触表面積を増大するように、そこにペン針を有する柔軟な外側カバーのハブ部の把持部を押圧するステップを含む。この方法はまた、注入器具をハブに装着すると共に把持部を押圧し、ペン針を外側カバーから取り外すステップをも含む。
【0015】
本発明の前述および/または他の形態はまた、注入器具用の複数のペン針を包装する方法を提供することによっても達成され、この方法は、針部と、ハブ部と、端縁を分離可能に一列に接合したフランジとを有する複数の外側カバーを用意するステップを含み、外側カバーはそこに配された複数の対応するペン針を有する。
【0016】
本発明の追加および/または他の形態は、以下の説明で部分的に述べられ、この説明から部分的に明白となるか、または発明の実施により習得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】典型的な薬剤送出ペンの立体投影図である。
【図2】図1の典型的な薬剤送出ペンの分解図である。
【図3】本発明の一実施形態によるペン針アセンブリーの立体投影図である。
【図4】本発明の一実施形態によるペン針アセンブリーの立体投影図である。
【図5】本発明の一実施形態による包装アセンブリーの立体投影図である。
【図6】図5の包装アセンブリーの部分平面図である。
【図7】図5の包装アセンブリーの図5中の7−7線に沿った断面での立体投影図である。
【図8】図3のペン針アセンブリー用の典型的な外側シールドの立体投影図である。
【図9】図5の包装アセンブリーの立体投影図である。
【図10】図5の包装アセンブリー用の他の無菌バリヤー形状の部分立体投影図である。
【図11】図5の包装アセンブリー用の他の別な無菌バリヤー形状の部分立体投影図である。
【図12】図5の複数の包装アセンブリーの包装列の立体投影図である。
【図13】図12の複数の列の重ね合わせを例示する側面図である。
【図14】図12の複数の列の重ね合わせを例示する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例の上述および/または他の形態ならびに利点は、添付図面と併せて記述された以下の詳細な説明から明白となり、さらに容易に認識されよう。
【0019】
さて、参照が本発明の実施形態に対して詳細になされ、添付図面に示した例示の全体に亙って同様な参照符号が同様な要素に対して与えられている。ここに記述した実施形態は、図面を参照することによって本発明を限定ではなく、例示する。当業者によって理解されるように、上方,下方,底および上端の如き用語は相対的であって、例示を助けるために用いられているが、これらに限定されない。
【0020】
図3および図4は、本発明の一実施形態によるペン針アセンブリー10の立体投影図である。簡潔さのため、語句「ペン針10」が以下、「ペン針アセンブリー10」の代わりに用いられよう。図3に示すように、ペン針10は、その非患者端に配されたハブ20を含む。このハブ20は、以下により詳細に記述される回り止め/保持構造体に対して係合するための複数のリブ64を有する。加えて、突起68がハブ20の患者端から延在し、患者針11がこの突起68から延在する。ハブ20の非患者端内に配された(図4に最も良く示す)隔壁穿通針カニューレ18は、患者針11と流体連通する。さらに、図4に示すように、ハブ20の非患者端の内部は、ペン注射器50の如き注入器具を連結するためのねじ72を含む。簡潔さのため、ペン注射器50は、典型的な注入器具として以下に用いられよう。しかしながら、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、他の注入器具を使用可能であることを認識しよう。
【0021】
図5は、本発明の一実施形態による包装アセンブリー100の立体投影図である。図5に示すように、包装アセンブリー100は、その中にペン針10を収容するための柔軟なブリスター包装、すなわち外側カバー104を含む。この外側カバー104は、ハブ部108と針部112とを含む。一実施形態によると、柔軟な外側カバー104のための材料は、例えばおよそ0.025から0.035インチ(0.635mmから0.890mm)の範囲、好ましくはおよそ0.030インチ(0.760mm)の厚みを有する標準医療用品位のPETGコポリエステルの如き柔軟な透明プラスチック材料であってよい。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく他の材料を用いることができることを理解しよう。一実施形態によると、図5に示すような内側シールド28は、患者針11を外側カバー104内に覆う。
【0022】
包装アセンブリー100はまた、 ペン針10にアクセスするために少なくとも部分的に取り外し可能である無菌バリヤー116を含む。一実施形態によると、無菌バリヤー116のための材料は、例えばおよそ0.005インチから0.020インチ(0.125mmから0.508mm)の範囲、好ましくは0.013インチ(0.330mm)の厚みを有する外科用品位のクラフト紙であってよい。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、他の材料を用いることができることを理解しよう。
【0023】
図6は、包装アセンブリー100の部分平面図である。図7は、図5中の7−7線に沿って作られた包装アセンブリー100の断面の立体投影図である。図6に示すように、ペン針アセンブリー10のハブ20を保持するためのパッケージアセンブリー100のハブ部108は、ハブ20を保持すると共にペン針10が外側カバー104内を自由に動くのを阻止するための複数のスプライン120を好ましくは含む。これらのスプラインは、成形か、熱成形か、または他の方法によって形成することができる。図6および図7に例示された実施形態において、針部112はほぼ円錐台状であり、ハブ部108はほぼ円筒状であり、肩部110は針部112とハブ部108との間に配されてペン針10の挿入深さを制限する。
【0024】
さらに図6に示すように、ハブ部108は、スプライン120に隣接する複数の把持部124を含む。図6および図7に示すように、また以下にさらに詳細に記述されるように、把持部124はハブ20と離れて空間をあけられ、隙間128が把持部124とハブ20との間に存在するようになっている。
【0025】
例えば糖尿病の患者は、病気の進行につれて強まる可能性がある末梢神経傷害として知られた指の触知能力の減退を身をもって示す可能性がある。これは、患者がペン針10をペン注射器50の如き注入器具に容易に連結することができないという結果を生ずる可能性がある。同様に、末梢神経障害は患者がペン針10をペン注射器50から容易に取り外すことができる能力を抑制する可能性がある。
【0026】
典型的な硬質の外側シールド29のための材料は、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)を含む。ペン針10をペン注射器50に連結しようとした場合、患者は、硬質であって通常は不透明な外側シールド29にのみ一般的に触れ、患者にとって滑りやすく感じる可能性がある。
【0027】
外側シールド29に対し、外側カバー104は実質的により柔軟であってよいので、この外側カバー104は使用者のためにより大きな触知のフィードバックを与えることができ、患者がペン針をペン注射器50に連結する際にペン針10のより大きな制御量を可能にする。例えば、ハブ部108を強くつまんでこれを回した場合、径方向のトルクが少なくともスプライン120によりハブ20に対して直接伝達される。ハブ部108の柔軟性のため、ペン針10をペン注射器50に連結する際に、患者は、ハブ部108を強くつまんでペン針10の回転を阻止するために必要とされる力をより容易に見極めることができる。
【0028】
さらに、スプライン120および隙間128のため、患者がハブ部108の把持部124をつまんで握り込む際に、スプライン120はより大きな力でハブ20に接触し、スプライン120の間の柔軟なハブ部108の内側部分がハブ20に対してつぶれ、ハブ部108とハブ20との間の接触表面積を増大する。この接触表面積の増大は、外側カバー104とペン針10との間のより大きな摩擦抵抗を結果としてもたらし、それによってペン針10をペン注射器50に固定しようとした場合、外側カバー104に対するペン針10の回転運動を阻止するために必要とされる圧力量を患者がより容易に判断することを可能にする。
【0029】
また、患者が内側シールド28を外側カバー104内に保持することを希望する場合、針部112の柔軟性は、外側シールド29を覆う他の利点を提供する。ペン針をペン注射器50に固定した後、患者は針部112を介して内側シールド28を把持し、ペン針10を取り外すと共に内側シールドを外側カバー内に保持することができる。これに対し、典型的な外側シールド29の剛性は、このような有用性を可能にしない。
【0030】
患者はまた、ペン針10をペン注射器50から取り外す際にも利点を経験する。典型的な外側シールド29を用いてペン針10とペン注射器50とを連結する場合も同様に、外側シールド29の壁は、あらゆる有意の範囲を強くつまむには余りにも硬質であって、隔壁穿通針カニューレ18を薬剤カートリッジ12の隔壁から引っ張るために必要とされる必要な引張り力をもたらすため、ハブ20と硬質外側シールド29の内側面との間の嵌合にのみ患者が頼ることを結果として生ずる。加えて、ラベルシールのために用いられる外側シールド29の小さい上端フランジ30は、外側シールド29に対する付加的剛性をもたらす。
【0031】
これに対し、柔軟な外側カバー104は、患者の指先の間を容易に強くつまむことができ、外側カバー104の内側からハブ20まで直接動かす力は、隔壁から隔壁穿通針カニューレ18のより容易な引き出しを可能にする。換言すれば、患者がハブ部108の把持部124を強くつまんで把持した場合、スプライン120はより大きい力でハブ20と接触し、柔軟なハブ部108がハブ20に対してつぶれ、ハブ部108とハブ20との間の接触表面積を増大すると共に、患者の指からの力のより効率的な伝達をもたらす。
【0032】
スプライン120は、把持と共に空間作用、すなわち隙間128を画定するためにも役立つ個々の突出構造体である。当業者は、このスプライン120が同じ作用をする他の特徴や構成および構造体などで置き換えることができることを認識しよう。
【0033】
図8は典型的な外側シールド29の立体投影図であり、図9は本発明の一実施形態による包装アセンブリー100の立体投影図である。図8および図9に示すように、外側シールド29の上端フランジ30と比較すると、外側カバー104の上端フランジ132は、さらに充分大きいことが好ましい。加えて、さらにより詳細に以下に記述するように、外側カバー104の針部112は、外側シールド29の針部36よりも、さらにより広いことが好ましい。
【0034】
触知能力が低下した患者はまた、無菌バリヤー(例えば「涙滴形」ラベル32)を硬質外側シールド29から取り外す場合の困難をしばしば経験する可能性がある。硬質外側シールド29のための無菌バリヤーとして用いられる典型的な涙滴形ラベル32は、このラベル32の下面に薄いポリエチレンまたはポリプロピレンの層を有する。強烈な熱(例えば400〜440°F(204〜227°C))により、ラベルの下面にあるこの肉薄の層は、外側シールド29のフランジ30に溶融する。このプラスチックとプラスチックとの結合は、フランジ30に対するラベル32の非常にしっかりした把持を与える。
【0035】
これらのラベル32は、側面タブ34に対する最初の引っ張りにより開かれ、次いでタブ34を引き上げる。この方法において、患者は、一方の手でタブ34のみを保持すると共に他方でしばしば滑りやすいPEまたはPP製外側シールド29を保持し、特に大きなラベル発生力をフランジ30の前端にて克服しなければならない。ラベル32がフランジ30から直角に引き出され続け、外側シールド29の直径の中央に接近すると、必要とされる取り外し力は実質的に低下する。次に、ラベル32がフランジ30の後縁に接近すると、必要とされる取り外し力の突然の増加がある。これは、過度に引っ張ることを一部の患者にもたらす可能性があり、外側シールド29が患者の把持を滑り抜けてペン針10の無菌の喪失を結果として生ずることをもたらす可能性がある。
【0036】
対照的に、無菌バリヤー116の如きブリスター包装ラベルは、加熱活性化または感圧接着剤に対するそれらの依存のため、それら自体に容易な除去をもたらす傾向がある。特に把持および操作の容易性を目的として、寸法形状が設計された任意の数の利用可能なラベルを組み合わせる場合、これらの接着剤は、その注射のために準備をする計画能力の減少した患者に対して素晴らしい利益の可能性がある。
【0037】
加えて、例えば、図6,図7および図9に示すように、外側カバー104の四角形のフランジ132は、外側シールド29のフランジ30よりもシールのためのさらに大きな表面積を与えることができる。フランジ132はまた、ラベル除去および操作中に、ペン注射器50に対するペン針10の装着および取り外しと同様に、包装アセンブリー100を保持するための追加の領域を患者に与える。さらに、フランジ132は、偶然の針刺しに対して増大した患者の保護および信頼性をもたらす。
【0038】
本発明の実施形態において、無菌バリヤー116を外側カバー104のフランジ132に対して結合するため、加熱活性化または感圧接着剤を用いることができる。このような接着剤の一例は、あらゆる医療用品位の加熱活性化エポキシ積層体について、ダウケミカル社のVCARやVAGHまたはVMCH類の溶液ビニル樹脂系列を含む多くの配合物を利用可能である。
【0039】
糖尿病および注射を必要とする他の状況の患者は、損なわれた視覚および続いて起こる手/目の協調結果からしばしば苦労する。一実施形態によると、外側カバー104は高い透視度をもたらす材料から作られる。従って、患者は外側カバー104の壁を通してペン注射器50に対するペン針10の装着をより明瞭に見ることができる。これは、患者がハブ20(換言すれば、隔壁穿通針カニューレ18)の中心軸線がペン注射器50の中心軸線に対して適切に位置調整されるように保つのを助ける。この透明性は、ペン注射器50に対するハブ20のより容易な目標設定を与えるのみならず、ペン針10との接続中に、ペン注射器50の先端縁にハブ20の端縁が引っ掛からないようにするのを助ける。
【0040】
さらに、ペン針10をペン注射器50から取り外す場合、外側シールド29の不透明度は、露出した患者針11に外側シールド29の針部36を介して偶然の貫通をもたらす可能性がしばしばあり、従って偶然の針刺しを引き起こす可能性がある。対照的に、外側カバー104の透明性は、外側カバー104の針部112の中央への露出した患者針11の方向付けにおいて有益であり、それによって患者針11が外側カバー104を介して貫通する可能性を減らす。
【0041】
加えて、患者がペン針10を外側カバーから取り外す際に内側シールド28を外側カバー104内に保持する場合、外側カバーの透明性は、患者が針11を内側シールド28へと取り付けるのを助ける。同様に、針部112の柔軟性は、患者を手助けすることが可能である。使用者は、針11をその中に差し込む際に内側シールド28の安定性を維持するため、針部のより大きな表面積の末端を把持し、これによって内側シールド28の末端を握ることができる。内側シールドの末端を把持することにより、患者は内側シールド28への針11の挿入中での針刺しの危険性を減らす。
【0042】
さらに、図8および図9に示すように、外側カバー104の針部112は、アウタシールド29の針部36の狭い輪郭よりも幅広である。従って、針部36に関し、針部112の壁は、針からさらに外側に動かされる。これはまた、外側カバー104を介した患者針の偶然の突き通しを阻止するのに役立ち、これによって患者の指を偶然の針刺しから保護するのに役立つ。
【0043】
さらにフランジ30に関し、フランジ132の増加した寸法およびフランジ132の四角形状は、ペン注射器50からペン針10の取り外し中に患者の指が針部112からさらに遠くに離れることを可能にし、従って偶然の針刺しの可能性をさらに減らす。換言すれば、フランジ132の増加した寸法および形状のため、外側カバー104へのペン針10の最初の挿入中に、患者は外側カバー104を長方形フランジ132の両端縁か、またはフランジ132の(例えばその隅部の)両端面にて把持することができる。その後、ペン注射器50からのペン針10の除去のため、使用者はハブ部108の把持部124を把持してハブ部108とハブ20との間の接触表面積を増大させることができる。
【0044】
これは、それぞれの患者の健康および安全にとって重要であり、ペン針10を受け入れる彼または彼女が不完全な無菌バリヤーの如き致命的欠陥から開放される。涙滴形ラベル32を外側シールド29のフランジ30に熱融着するための上述した処理は、密封処理窓を有し、弱いまたは不完全なラベルシールをしばしば供給する。これが発生する可能性は、製造中に行われる工程内品質保証試験の総数のために低いけれども、依然として不完全な無菌バリヤーの危険性は存在する。
【0045】
対照的に、弱いか、欠陥があるか、または不完全なシールのための致命的欠陥を排除するブリスター包装の能力は、長年に亙り順調に製造および販売されているブリスター包装済み注射器および他の医療器具の数により立証されるように、医療器具製造業者らに長い間に亙り知られている。例えば一実施形態によると、無菌バリヤー116による外側カバー104のシールは、140°F(60°C)程度に活性化される加熱活性化接着剤を用いて達成される。従って、外側カバー104の滅菌シールのための適切な条件を確保することは、外側シールド29の滅菌シールのために必要とされる条件ほど要求が厳しくない。さらに、患者に対する追加の利益として、無菌バリヤー116と外側カバー104のフランジ132との間の接着剤のシールを破壊するため、涙滴形ラベル32と外側シールド29のフランジ30との間の樹脂接合に対して樹脂を破壊するために必要とされるよりも少ない力が必要とされる。
【0046】
図5に戻ってこれを参照すると、例示した無菌バリヤー116の実施形態は、端縁剥離形状である。換言すれば、図5に示した無菌バリヤー116を除去するため、患者は外側カバー104のフランジ132に対して無菌バリヤー116の一端を持ち上げる。その後、無菌バリヤー116を後方に剥がして非患者端のペン針10を露出させる。図10および図11は、代わりの無菌バリヤー形態の一部の立体投影図である。図5と比較すると、図10は、患者が無菌バリヤー116の隅部を最初に持ち上げる隅剥離形状を示す。図11は、持ち上げ引張り形状を示す。より詳細には、患者はフラップ136を最初に持ち上げ、次にフラップ136を把持し、フランジ132に対して無菌バリヤー116を引き剥がし、ペン針10の非患者端を露出させる。
【0047】
図12は、複数の包装アセンブリー100の包装アレイ140の立体投影図である。図12に示すように、包装アレイ140は、28個の包装アセンブリー100をつなげた4×7の配列である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく種々の寸法の配列を作ることができることを認識しよう。図12において、個々の滅菌バリヤー116は、例示目的のために除去されている。一実施形態によると、個々の包装アセンブリー100間の連結部分には、隣接の包装アセンブリー100から単一の包装アセンブリー100か、または部分的配列の包装アセンブリー100を容易に除去するため、ミシン目が形成されている。例示した実施形態のフランジ132は矩形の平行四辺形であるけれども、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく他の形状を用いることができることを認識しよう。例えば、フランジは菱形や、三角形,四角形,五角形,六角形,七角形,八角形などであってよい。好ましくは、フランジの端縁が廃棄物を最小にすると共に包装密度を増大してつながれることができるように、フランジは正方形か、長方形,六角形または八角形である。換言すれば、フランジは体積あたりの最大の包装アセンブリーの数をもたらすように、好ましくは形成される。
【0048】
図12に示した包装アレイ140において、患者に対する付加的利便性のため、ペン針10はブリスター容器か、または典型的な処方箋不要の薬剤にそっくりな結合区画に包装される。図示した実施形態によると、28個までのペン針がそれぞれ「カード」または「シート」または包装アレイ140に対して利用可能であってよい。それとして、ペン針の供給源は、患者がばらけた外側シールド29の棚箱を運ぶ代わりに、容易かつ安全に患者によって持ち運ぶことができる。
【0049】
次に、多数の包装アレイ140を棚箱へと積み込むことができる。重ね合わせに対する包装アレイ140の能力のため(図13および図14に示すように、一対の包装アレイ140の一方を反転して包装アセンブリー100の個々の針部112を相互に隣接させることにより)、与えられた空間の使用がより効率的である。例えば、4つの入れ子状態にある包装アレイ140内の112個の包装アセンブリー100を収容する箱は、100個のバラ充填外側シールド29を収容した箱よりもおよそ1/3小さい寸法で作ることができる。当業者は、カートンの他の変更が患者の付加的利便性のために可能であることを認識しよう。付加的な製造利点として、包装アレイ140の形状は、包装アレイ140が組み立てライン上で直接包装されることを可能にする。これは、早まってシールが破壊されることの主因の1つであって、製造中に組み立てラインからシールされたペン針10を運ぶ必要性を排除する。
【0050】
涙滴形ラベル32を外側シールド29に対してシールするための方法の密封操作窓のため、製造中に失敗が起こることが知られている。通常、このような失敗は捕捉されて検証されるけれども、この方法それ自体および必要とされる破壊試験は、製造中に増加する廃棄物および低下した効率を引き起こす元凶となる。本発明の実施形態の1つの利点は、製造経費の削減である。この経費削減は、フランジ30に対するラベル32の適切なシールを確実にするため、あらかじめ必要とされる工程内試験の減少に由来する。外側シールド29の製造において、試料の寸法は大きく、工程内試験はしばしば行われる。この試験の破壊的な性質のため、大量の良好な製品が破壊されると共に関連する費用が回復しない。より容易に達成される製造条件のため、上述した本発明の実施形態は、同様な成功率を達成するために試料の大きさの削減および/または試験頻度の減少が可能である。
【0051】
本発明の実施形態の追加の利点は、無菌バリヤーのための材料の使用において、増大する効率のための追加の製造節約である。外側シールド29の製造において、涙滴形ラベル32が同じ材料のウェブに保持され、この実際のラベル32はウェブ材料のロールのおよそ25〜30%のみである。これは、購入したラベル32の材料の70-75%が涙滴形ラベル32をウェブから取り外した後に廃物として処分されることを意味する。本発明の実施形態における無菌バリヤー116の正方形状は、より効率的にロール材料から製造することができる。無菌バリヤー116の設計は、単なる費用効果のみに止まらず、環境に対してより配慮したものである。
【0052】
さらに、涙滴形ラベル32を外側シールド29にシールする処理の間、製造を停止しなければならず、シールのために必要とされる高温加熱ヘッドは、それぞれの製造切換中に多数回掃除しなれなければならない。加えて、高温加熱モジュールを規則的に交換しなければならない。さらに、圧力追従モジュールもまた、高度な維持を必要とする。本発明の実施形態の別な利点は、涙滴形ラベル32を外側シールド29に対してシールする方法に関連した高価な設備維持経費が排除されることである。
【0053】
本発明の2,3の実施形態のみを図示すると共に記述したけれども、本発明はこの記述した実施形態に限定されない。代わりに、本発明の原理および精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対し、添付された特許請求の範囲およびその均等概念に規定されるような変更を行うことができることを当業者らによって認識されよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入器具用ペン針を格納および補給するための装置であって、
柔軟な外側カバーを含む包装アセンブリーを具え、この外側カバーはハブ部と、このハブ部の末端に配された針部と、前記ハブ部の基端に配されたフランジとを有し、前記ハブ部がペン針のハブに係合するための内側に突出する構造体を有し、
前記ハブ部は、前記ハブ部の把持部を押圧する使用者のために充分に柔軟であり、前記スプラインの間の前記ハブ部の対応する内側部分が前記ペン針のハブと接触し、前記外側カバーとそのペン針との間の接触表面積を増大するようになっていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記包装アセンブリーは、前記フランジに係合する無菌バリヤーをさらに具え、前記外側カバー内の滅菌環境を選択的に維持するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記フランジがほぼ多角形であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フランジがほぼ長方形であることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記アセンブリーが前記フランジの端縁に沿って分離可能に結合されていることを特徴とする請求項3に記載の包装アセンブリーのアレイ。
【請求項6】
前記フランジは、その対向端縁および対向面に使用者把持可能領域をもたらすような寸法に作られていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記突出する構造体が隙間によって分離したスプラインを具えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ハブ部と前記針部との間に配された内側に突出する肩部をさらに具え、前記外側カバーへの前記ペン針の装入深さを制限するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記針部がほぼ円錐台状であって前記ハブ部がほぼ円筒状であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ハブ部の把持部分を押圧することは、前記ペン針にある前記突出する構造体の把持力を増大することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ペン針を前記外側カバーから引き出す場合、前記外側カバーの針部を使用者が押圧し、前記針カバーに接触してこの針カバーを前記外側カバー内に維持するように、前記針部が充分に柔軟であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
注入器具用ペン針を収容および補給する方法であって、
そこにペン針を有する柔軟な外側カバーのハブ部の把持部を押圧し、前記ハブ部の内側部分が前記ペン針のハブと接触して前記ペン針と前記外側カバーとの間の接触表面積を増大させるようにするステップと、
注入器具を前記ハブに装着すると共に前記把持部を押圧するステップと、
前記ペン針を前記外側カバーから取り外すステップと
を具えたことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記注入器具を装着するステップが前記ペン針のハブを前記注入器具に螺合するステップを具え、この方法は、
前記ペン針を前記外側カバーに挿入するステップと、
前記内歯スプラインの間の前記ハブ部の内側部分が前記ペン針のハブと接触し、前記ペン針と前記外側カバーとの間の接触表面積を増大するように、前記注入器具を前記ハブから螺合解除すると共に前記把持部を押圧するステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
内歯スプラインの間の前記ハブ部の内側部分が前記ペン針のハブと接触すると共に前記ペン針の非患者針部を前記注入器具の隔壁から取り外すように、前記把持部を押圧するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ペン針を前記外側カバーから取り外す場合、前記外側カバーの針部を押圧して針カバーを前記外側カバー内に維持させるステップをさらに具えたことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ペン針のハブに接触する前記ハブ部内側部分が内歯スプラインの間に配されていることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
注入器具のための複数のペン針を包装する方法であって、
針部と、ハブ部と、分離可能に一列に接合される端縁を持つフランジとを有する複数の外側カバーを用意するステップを具え、前記外側カバーは、そこに配される複数の対応するペン針を有することを特徴とする方法。
【請求項18】
無菌バリヤー材料のシートを前記アレイにあてがうステップをさらに具えたことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
外側カバーの第1のアレイを第1の方向に方向付けるステップと、
外側カバーの第2のアレイを前記第1の方向と逆の第2の方向に方向付けるステップと、
前記第1のアレイの前記外側カバーの少なくとも1つの前記針部が前記第2のアレイの前記外側カバーの複数の針部の間に配されるように、前記第1および第2のアレイを重ね合わせるステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
外側カバーの第1のアレイを第1の方向に方向付けるステップと、
外側カバーの第2のアレイを前記第1の方向と逆の第2の方向に方向付けるステップと、
外側カバーの個々のアレイの個々の針部が相互と隣接するように、前記第1および第2のアレイを重ね合わせるステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
注入器具用ペン針を格納すると共に補給するための装置であって、
ペン針を収容するための柔軟な外側カバーを具え、この外側カバーは、加熱活性化接着剤にて当該外側カバーを結合した無菌バリヤーを有し、
前記外側カバーは充分に柔軟であって、前記ペン注入器具に対する前記ペン針の装着中に、中に収容される前記ペン針を把持すると共に保持するため、使用者が前記外側カバーを圧縮することができることを特徴とする装置。
【請求項1】
注入器具用ペン針を格納および補給するための装置であって、
柔軟な外側カバーを含む包装アセンブリーを具え、この外側カバーはハブ部と、このハブ部の末端に配された針部と、前記ハブ部の基端に配されたフランジとを有し、前記ハブ部がペン針のハブに係合するための内側に突出する構造体を有し、
前記ハブ部は、前記ハブ部の把持部を押圧する使用者のために充分に柔軟であり、前記スプラインの間の前記ハブ部の対応する内側部分が前記ペン針のハブと接触し、前記外側カバーとそのペン針との間の接触表面積を増大するようになっていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記包装アセンブリーは、前記フランジに係合する無菌バリヤーをさらに具え、前記外側カバー内の滅菌環境を選択的に維持するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記フランジがほぼ多角形であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フランジがほぼ長方形であることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記アセンブリーが前記フランジの端縁に沿って分離可能に結合されていることを特徴とする請求項3に記載の包装アセンブリーのアレイ。
【請求項6】
前記フランジは、その対向端縁および対向面に使用者把持可能領域をもたらすような寸法に作られていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記突出する構造体が隙間によって分離したスプラインを具えていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ハブ部と前記針部との間に配された内側に突出する肩部をさらに具え、前記外側カバーへの前記ペン針の装入深さを制限するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記針部がほぼ円錐台状であって前記ハブ部がほぼ円筒状であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ハブ部の把持部分を押圧することは、前記ペン針にある前記突出する構造体の把持力を増大することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ペン針を前記外側カバーから引き出す場合、前記外側カバーの針部を使用者が押圧し、前記針カバーに接触してこの針カバーを前記外側カバー内に維持するように、前記針部が充分に柔軟であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
注入器具用ペン針を収容および補給する方法であって、
そこにペン針を有する柔軟な外側カバーのハブ部の把持部を押圧し、前記ハブ部の内側部分が前記ペン針のハブと接触して前記ペン針と前記外側カバーとの間の接触表面積を増大させるようにするステップと、
注入器具を前記ハブに装着すると共に前記把持部を押圧するステップと、
前記ペン針を前記外側カバーから取り外すステップと
を具えたことを特徴とする装置。
【請求項13】
前記注入器具を装着するステップが前記ペン針のハブを前記注入器具に螺合するステップを具え、この方法は、
前記ペン針を前記外側カバーに挿入するステップと、
前記内歯スプラインの間の前記ハブ部の内側部分が前記ペン針のハブと接触し、前記ペン針と前記外側カバーとの間の接触表面積を増大するように、前記注入器具を前記ハブから螺合解除すると共に前記把持部を押圧するステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
内歯スプラインの間の前記ハブ部の内側部分が前記ペン針のハブと接触すると共に前記ペン針の非患者針部を前記注入器具の隔壁から取り外すように、前記把持部を押圧するステップをさらに具えたことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ペン針を前記外側カバーから取り外す場合、前記外側カバーの針部を押圧して針カバーを前記外側カバー内に維持させるステップをさらに具えたことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ペン針のハブに接触する前記ハブ部内側部分が内歯スプラインの間に配されていることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
注入器具のための複数のペン針を包装する方法であって、
針部と、ハブ部と、分離可能に一列に接合される端縁を持つフランジとを有する複数の外側カバーを用意するステップを具え、前記外側カバーは、そこに配される複数の対応するペン針を有することを特徴とする方法。
【請求項18】
無菌バリヤー材料のシートを前記アレイにあてがうステップをさらに具えたことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
外側カバーの第1のアレイを第1の方向に方向付けるステップと、
外側カバーの第2のアレイを前記第1の方向と逆の第2の方向に方向付けるステップと、
前記第1のアレイの前記外側カバーの少なくとも1つの前記針部が前記第2のアレイの前記外側カバーの複数の針部の間に配されるように、前記第1および第2のアレイを重ね合わせるステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
外側カバーの第1のアレイを第1の方向に方向付けるステップと、
外側カバーの第2のアレイを前記第1の方向と逆の第2の方向に方向付けるステップと、
外側カバーの個々のアレイの個々の針部が相互と隣接するように、前記第1および第2のアレイを重ね合わせるステップと
をさらに具えたことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
注入器具用ペン針を格納すると共に補給するための装置であって、
ペン針を収容するための柔軟な外側カバーを具え、この外側カバーは、加熱活性化接着剤にて当該外側カバーを結合した無菌バリヤーを有し、
前記外側カバーは充分に柔軟であって、前記ペン注入器具に対する前記ペン針の装着中に、中に収容される前記ペン針を把持すると共に保持するため、使用者が前記外側カバーを圧縮することができることを特徴とする装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−40386(P2012−40386A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−177535(P2011−177535)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177535(P2011−177535)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】
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