説明

ホットプレス設備の熱媒油温度制御システム

【目的】 発電設備の発電需要量や汽力設備の蒸気需要量の変動に拘わらず、ホットプレス設備において循環使用する熱媒油を、発電設備や汽力設備からの排熱を利用して効率よく加熱して一定温度に保つ、ホットプレス設備の熱媒油温度制御システムを提供する。
【構成】 ボイラまたはガスタービンから排出される排ガスを加熱源とする熱交換器5と、熱交換器5により加熱された熱媒油が循環する閉鎖循環流路6と、閉鎖循環流路6を循環する熱媒油の熱を利用するホットプレス設備9と、閉鎖循環流路6から分岐して再び閉鎖循環流路に合流する分岐流路6aと、分岐流路6aに設けられて熱媒油を放熱する放熱器10と、熱媒油の温度を検出する温度検出部11と、温度検出部11の検出値に応じて、分岐流路6aを通って放熱された熱媒油と分岐流路6aを通らない熱媒油とが合流する際の各熱媒油の混合比を制御する制御弁13と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンコジェネレーションプラント、発電用ボイラ設備、あるいは、蒸気供給を主目的とした汽力設備において発生する排ガスの熱(排熱)を利用して、木材合板工場等のプレス工程におけるホットプレス設備で循環使用される熱媒油を加熱し、該熱媒油の温度を制御するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電設備や汽力設備を備えるコジェネレーションプラントでは、燃料を使用してガスタービンや蒸気タービン等で発電し、あるいは、蒸気利用のための蒸気を蒸気ボイラで発生させる一方、その排熱を利用して給湯・暖房の熱需要をまかなうようなエネルギーの効率的な運用がなされている。
【0003】
プラントに投入する燃料熱入力は、発電負荷あるいは蒸気負荷によって変化するため、ボイラやガスタービンから排出される排ガスの温度や量は、発電負荷あるいは蒸気負荷によって変化する。そのため、排熱を利用する給湯や暖房は、必要な電力量に応じて運転するように設計される。すなわち、消費される電力量によって供給される熱源に過不足が生じるため、蒸気放出設備や別途ボイラ設備を組み込み設計される。
【0004】
木材合板工場等では、プレス工程において熱媒油を循環利用するホットプレス設備が使用される。ホットプレス設備の熱媒油をボイラやガスタービンの排熱から得ようとした場合、排ガスの煙道に配置した熱媒油加熱用熱交換器によって排熱回収を行うプラントにおいて、プレス工程に必要な熱媒油負荷は発電負荷あるいは蒸気負荷とは直接関係しないため、プレス工程に供給する熱媒油の温度を一定に制御するためには、発電出力あるいは蒸気出力を熱媒負荷に応じて変化させることが必要になる。これでは主目的の発電負荷制御あるいは蒸気負荷制御が成り立たなくなるため、ホットプレス設備に利用する熱媒油は、別に熱媒油加熱ボイラを設置して加熱していた。
【0005】
例えば、ガスタービン発電機を用いたエネルギープラントでは、図3に示すように、ガスタービン発電機1で電力Eを発電する。発電量の制御は、発電出力制御装置3が指令に応じて燃料供給装置2の燃料調節弁2aを調節することにより、行われる。発電の際に発生した排ガスG1を利用して蒸気ボイラ等の排熱回収装置4により蒸気Vを発生させ、蒸気を乾燥設備や加熱設備等の蒸気利用設備に利用する。排熱回収装置4を経た排ガスG2は、煙突8から排出される。ホットプレス設備9に用いられる熱媒油は、閉鎖循環流路36内を循環ポンプPの作動によって循環する途中で、熱媒油加熱ボイラ30によって加熱される。熱媒油加熱ボイラ30は、燃料供給装置31から燃料が供給されている。ホットプレス設備9では、熱媒油の温度にバラツキがあると、被プレス品である合板の品質に影響を与える。そのため、温度センサ32でホットプレス設備9へ供給される熱媒油温度を監視し、制御装置33により燃料供給バルブ34を制御することにより、ホットプレス設備9に供給される熱媒油の温度を設定温度の一定範囲内(例えば±5℃程度)に保っている。
【0006】
同様に、例えば、発電用ボイラを用いたエネルギープラントにおいても、図4に示すように、蒸気ボイラ21で発生させた蒸気で蒸気タービン23を回して発電機24にて発電する。発電量の制御は、発電出力制御装置3が指令に応じて燃料供給装置2の燃料調節弁2aまたは蒸気流量制御弁26を調節することにより、行われる。蒸気ボイラ21から排出された排ガスG11をエコノマイザー等の排熱回収装置7によって排熱回収する。排熱回収装置7を経た排ガスG13は、煙突8から排出される。ホットプレス設備9に熱利用される熱媒油は、閉鎖循環流路36内を循環ポンプPで循環する途中で、熱媒油加熱ボイラ30によって加熱される。熱媒油加熱ボイラ30は、燃料供給装置31から燃料が供給される。温度センサ32でホットプレス設備9へ供給される熱媒油温度を監視し、制御装置33により燃料供給バルブ34を制御することにより、ホットプレス設備9に供給される熱媒油の温度を設定温度の一定範囲内(例えば±5℃程度)に保っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、発電設備の発電需要量や汽力設備の蒸気需要量が変動しても、それらの変動に拘わらず、ホットプレス設備において循環使用する熱媒油を、発電設備や汽力設備からの排熱を利用して効率よく加熱し、ほぼ一定温度に保つことのできる、ホットプレス設備の熱媒油温度制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るホットプレス設備の熱媒油温度制御システムは、ボイラまたはガスタービンから排出される排ガスを加熱源とする熱交換器と、前記熱交換器により加熱された熱媒油が循環する閉鎖循環流路と、前記閉鎖循環流路を循環する熱媒油の熱を利用するホットプレス設備と、前記閉鎖循環流路から分岐して再び閉鎖循環流路に合流する分岐流路と、前記分岐流路に設けられて該分岐流路を流れる熱媒油を放熱する放熱器と、前記ホットプレス設備に供給される前記熱媒油の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部の検出値に応じて、前記分岐流路を通って放熱器により放熱された熱媒油と前記分岐流路を通らない熱媒油とが合流する際の各熱媒油の混合比を制御する制御弁と、を有することを特徴とする。
【0009】
前記熱交換器は、前記熱媒油との熱交換によって、加熱源の排ガスを350〜400℃に冷却する熱交換器であり、前記熱交換器によって冷却された排ガスを脱硝触媒によって脱硝するための脱硝装置を煙道中に介在させることもできる。
【0010】
前記分岐流路及び放熱器は、前記閉鎖循環流路において、該閉鎖循環流路を流れる熱媒油が前記ホットプレス設備において熱を奪われて前記熱交換器において加熱される前の熱媒油を放熱させる位置に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホットプレス設備に用いる熱媒油の閉鎖循環流路に、燃焼ボイラやガスタービンからの排熱を加熱源とする熱交換器を設け、ホットプレス設備入口の熱媒油温度を計測し、閉鎖循環流路の分岐流路に設けた放熱器の放熱負荷を制御することによって、ホットプレス設備に供給される熱媒油の温度を自動制御することができる。よって、発電目的あるいは蒸気供給目的のエネルギープラントから経済的且つ効率的に余熱を回収するシステムにおいて、発電量あるいは蒸気発生量に拘わらず、ホットプレス設備の需要負荷に応じて、熱媒油の供給温度を制御することができる。
【0012】
また、本発明においては、放熱器を分岐流路に設け、温度検出部の検出値に応じて、前記分岐流路を通って放熱器により放熱された熱媒油と前記分岐流路を通らない熱媒油とが合流する際の各熱媒油の混合比を制御弁によって制御する。閉鎖循環流路は、熱媒油の流出及び補給がなく、閉鎖循環流路内を流れる熱媒油の総流量が変動しないため安定しており、制御弁によって放熱器を通る熱媒油と通らない熱媒油の混合比を流量制御することにより、放熱器へ流す熱媒油の流量を正確に制御でき、循環する熱媒油の温度制御性に優れる。
【0013】
また、排ガスを脱硝するのに使用される脱硝装置を備える場合、脱硝装置の脱硝触媒により排ガス中の窒素酸化物を除去するのに適した温度域は、350〜400℃である。従って、熱交換器によって熱媒油と熱交換した排ガスの温度が350〜400℃に冷却されると、脱硝装置における排ガスの脱硝効率が高まる。ホットプレス設備では熱媒油を加熱するのに必要な排ガス温度も同様の温度域(350〜400℃程度)であるため、脱硝設備のために別個の冷却設備を備えなくても済む。
【0014】
さらに、熱媒油は、境膜温度を超えると熱分解により劣化するため、境膜温度(例えば370℃)を超えないように運転する必要がある。ホットプレス設備の負荷が小さいと、熱交換器で加熱された直後の熱媒油の温度が境膜温度上限に達する恐れがあるが、ホットプレス設備において熱を奪われた熱媒油を、熱交換器において加熱される前に放熱器で放熱させることにより、熱交換器において境膜温度の上限に達しないように制御することが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係るホットプレス設備の熱媒油温度制御システムについて、以下に図1及び図2を参照して説明する。
【0016】
図1は、ガスタービン発電機のコジェネレーションプラントを示すブロック図であり、そこに、本発明に係るホットプレス設備の熱媒油温度制御システムの実施形態が組み込まれている。
【0017】
ガスタービン発電機1は、燃料供給装置2から供給される燃料を燃焼させて、高温高圧のガスによりガスタービン1aを回転させ、その回転力により発電機1bから電力Eを発生させる。発電電力は、発電出力制御装置3によって制御される。発電出力制御装置3は、発電出力の増加または減少に関する指令を受けると、その指令に応じて燃料供給装置2の燃料調節弁2aの開度を調節し、ガスタービン1aに供給する燃料の量を調節する。
【0018】
ガスタービン発電機1から排出される燃焼排ガスG1は、蒸気ボイラ等の第1の排熱回収装置4において蒸気Vを発生させ、発生した蒸気は、乾燥設備や加熱設備等の蒸気利用設備(図示せず。)において利用され、排熱回収される。排熱回収装置4において生じる排ガスG2は、熱交換器5によってさらに余熱を回収される。熱交換器5は、閉鎖循環流路6内を流れる熱媒油と排ガスG2とを熱交換させ、該熱媒油を加熱する。閉鎖循環流路6内の熱媒油は、循環ポンプPの作動により循環する。熱交換器5において熱交換に利用されて排出される排ガスG3は、エコノマイザー等の第2の排熱回収装置7によってさらに余熱を回収され得る。第2の排熱回収装置7から排出される排ガスG4は、煙突8から放出される。
【0019】
閉鎖循環流路6には、熱媒油の熱を利用する公知のホットプレス設備9が組み込まれている。ホットプレス設備9は、木材合板製造工場のプレス工程において広く使用される設備である。ホットプレス設備9は、熱プレス板(図示せず。)を熱媒油で加熱し、木材合板を熱プレスするための装置である。熱媒油は、閉鎖循環流路6を循環し、熱交換器5において加熱され、熱プレス板に必要な熱量を与える。ホットプレス設備9に供給される熱媒油は、300〜320℃の範囲内の所望温度に設定される。ホットプレス設備9に供給される熱媒油は、設定温度に対して、望ましくは±5℃の範囲で制御される。
【0020】
閉鎖循環流路6から分岐して再び閉鎖循環流路6に合流する分岐流路6aが設けられている。分岐流路6aには、分岐流路6aを流れる熱媒油から熱量Qを放熱するための放熱器10が接続されている。放熱器10は、空冷式あるいは水冷式とすることができる。
【0021】
ホットプレス設備9の熱媒油供給口には、熱媒油の温度を検出するための温度検出部11が設けられている。温度検出部11の検出値に応じて、温度検出部11と電気的に接続された温度制御装置12が制御弁13を制御する。
【0022】
制御弁13は、図示例のように、分岐流路6aの合流位置に接続された電空式の三方弁とすることが好ましいが、これに限らず、例えば、図示しないが、分岐流路6aの分岐位置に接続された三方弁、あるいは、分岐流路6aに設けられて分岐流路6aを流れる熱媒油のみを流量制御する電空式開閉弁、または、分岐流路6aから分岐せずに分岐点と合流点との間の閉鎖循環流路6を流れる熱媒油の流量を制御する電空式開閉弁であってもよい。
【0023】
制御弁13は、分岐流路6aを通って放熱器10により放熱された熱媒油と分岐流路6aを通らない熱媒油とが合流する際の各熱媒油の混合比を、温度制御装置12の制御指令に基づいて制御する。温度制御装置12は、温度検出部11からの検出値に基づいて、制御弁13をPID制御する。温度制御装置12は、ホットプレス設備9に供給される熱媒油の温度を上げる場合は、制御弁13である三方弁を、分岐流路6a側の開度を減じて放熱器10からの放熱量を減らし、逆に、温度を下げる場合は、分岐流路6a側の開度を開いて放熱器10からの放熱量を増やす。このように制御弁13を制御することにより、ホットプレス設備9に供給される熱媒油の温度をほぼ一定に保つように制御する。
【0024】
分岐流路6a及び放熱器10は、閉鎖循環流路6において、図1に示すように、好ましくは、閉鎖循環流路6を流れる熱媒油がホットプレス設備9において熱を奪われて熱交換器5において加熱される前の熱媒油を放熱させる位置に設けられている。分岐流路6a及び放熱器10を斯かる位置に接続することにより、ホットプレス設備9を出た熱媒油が、熱交換器5で加熱される前に放熱器10において放熱されるので、熱交換器5において熱媒油の温度が境膜温度の上限に近付くことを防止することができる。なお、境膜温度とは、液層循環使用可能な温度のことである。図示例では、最高境膜温度370℃の高沸点高温度用熱媒体油を使用している。
【0025】
仮に、分岐流路及び放熱器が、循環する熱媒油が熱交換器で加熱されてホットプレス設備9に供給される前の位置(図1の矢印Xの位置)に接続されていると、たとえば、ホットプレス設備9での熱利用を急激にストップした際に、熱交換器で加熱された熱媒油が、放熱器に達するまでの間で、場合によってはオーバーシュートして境膜温度の上限に達する恐れがあり、熱媒油の温度制御が容易でない。
【0026】
熱交換器5から排出される排ガスを煙突8に導く煙道には、脱硝装置14が介在され得る。脱硝装置14は、熱交換器5によって冷却された排ガスを脱硝触媒によって脱硝する。脱硝装置14は、300〜400℃の適度なガス温度の排ガス中にアンモニア(NH)を添加して脱硝触媒層を通すことにより、排ガス中の窒素酸化物(NO)を無害な窒素(N)と水蒸気(HO)に変換する。熱交換器5は、熱媒油との熱交換によって、加熱源の排ガスを350〜400℃に冷却するが、この温度領域は、脱硝触媒の触媒反応が活発になる温度領域であるため、脱硝装置14との相性が良い。脱硝装置14は、選択的還元法(SCR法)を採用した装置を使用することができる。脱硝装置14は、脱硝効果が高くなる排ガス温度域に設置することが好ましく、図示例のように熱交換器5と第2の排熱回収装置7との間の煙道が当該温度域であるならばその場所に設けてもよいし、第2の排熱回収装置7と煙突8との間の煙道が前記温度域であるならばその場所に設けてもよい。
【0027】
上記説明から分かるように、上記構成の熱媒油温度制御システムによれば、発電電力の変動によってガスタービン1aに供給される燃料が変化し、ガスタービン1aから排出される排ガスG1の温度・流量が変化しても、温度制御装置12によって制御弁13を制御することにより、循環する熱媒油の一部を放熱器10から放熱させるので、ホットプレス設備9に供給される熱媒油の温度をほぼ一定温度に保つことが可能となる。
【0028】
また、閉鎖循環流路6を循環する熱媒油は、給湯設備のように循環供給路から流出することがなく、閉鎖循環流路6内を流れる熱媒油の総流量が変動しないため、制御弁13によって放熱器10を通る熱媒油と放熱器10を通らない熱媒油の混合比を流量制御することにより、放熱器10へ流す熱媒油の流量を正確に制御でき、循環する熱媒油の温度制御性に優れる。
【0029】
さらに、熱媒油は、境膜温度を超えると熱分解により劣化するため、境膜温度(例えば370℃)を超えないように運転する必要があるが、ホットプレス設備9において熱を奪われた熱媒油を、熱交換器5において加熱される前に放熱器10で放熱させることにより、熱交換器5において境膜温度の上限に達しないように制御することが容易となる。
【0030】
次に、本発明に係るホットプレス設備の熱媒油温度制御システムをボイラータービン発電機のコジェネレーションプラントに組み込んだ例を、図2を参照して説明する。
【0031】
なお、図2に示された例は、本発明に係るホットプレス設備の熱媒油温度制御システムをボイラータービン発電機のコジェネレーションプラントに組み込んだ点が図1に示した形態と異なり、その他の構成及び作用効果は同様であるので、同様一の構成部分には同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0032】
蒸気ボイラ21は、燃料供給装置22から供給される燃料を燃焼させて、高温高圧の蒸気により蒸気タービン23を回転させ、その回転力により発電機24から電力Eを発生させる。発電電力は、発電出力制御装置25によって制御される。発電出力制御装置25は、発電出力の増加または減少に関する指令を受けると、その指令に応じて燃料供給装置22の燃料調節弁22a及び/又は蒸気流量制御弁26の開度を調節し、蒸気ボイラ21に供給する燃料の量及び/又は蒸気タービン23に供給する蒸気の量を調節する。
【0033】
蒸気タービン23から排出される蒸気は、乾燥設備や加熱設備等の蒸気利用設備(図示せず。)において利用され、排熱回収される。
【0034】
蒸気ボイラ21から排出された燃焼排ガスG11は、熱交換器5によってさらに余熱を回収される。熱交換器5は、閉鎖循環流路6内を流れる熱媒油と排ガスG11とを熱交換させ、該熱媒油を加熱する。閉鎖循環流路6内の熱媒油は、循環ポンプPの作動により循環する。熱交換器5において熱交換に利用されて排出される排ガスG12は、エコノマイザー等の排熱回収装置7によってさらに余熱を回収され得る。排熱回収装置7から排出される排ガスは、煙突8から放出される。熱交換器5の下流の煙道には、脱硝装置14が設けられ得る。
【0035】
図1に示した例と同様、熱交換器5によって加熱された熱媒油は、循環ポンプPの作用により、閉鎖循環流路6内を循環し、ホットプレス設備9に供給される。ホットプレス設備9の熱媒油供給口において、温度検出部11がホットプレス設備9に供給される熱媒油の温度を検出し、その検出値に基づいて、温度制御装置12が制御弁13を制御し、熱媒油の放熱量を制御することにより、ホットプレス設備9に供給される熱媒油の温度を所望の温度に制御する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るホットプレス設備の温度制御システムを組み込んだガスタービンコジェネレーションプラントを示すブロック図である。
【図2】本発明に係るホットプレス設備の温度制御システムを組み込んだ他のコジェネレーションプラントを示すブロック図である。
【図3】従来のガスタービン発電機を用いたエネルギープラントを示すブロック図である。
【図4】従来の発電用ボイラを用いたエネルギープラントを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0037】
5 熱交換器
6 閉鎖循環流路
9 ホットプレス設備
6a 分岐流路
10 放熱器
11 温度検出部
13 制御弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラまたはガスタービンから排出される排ガスを加熱源とする熱交換器と、
前記熱交換器により加熱された熱媒油が循環する閉鎖循環流路と、
前記閉鎖循環流路を循環する熱媒油の熱を利用するホットプレス設備と、
前記閉鎖循環流路から分岐して再び閉鎖循環流路に合流する分岐流路と、
前記分岐流路に設けられて該分岐流路を流れる熱媒油を放熱する放熱器と、
前記ホットプレス設備に供給される前記熱媒油の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部の検出値に応じて、前記分岐流路を通って放熱器により放熱された熱媒油と前記分岐流路を通らない熱媒油とが合流する際の各熱媒油の混合比を制御する制御弁と、
を有することを特徴とする、ホットプレス設備の熱媒油温度制御システム。
【請求項2】
前記熱交換器が、前記熱媒油との熱交換によって加熱源の排ガスを350〜400℃に冷却する熱交換器であり、
前記熱交換器によって冷却された排ガスを脱硝触媒によって脱硝するための脱硝装置がさらに備えられていることを特徴とする請求項1に記載の熱媒油温度制御システム。
【請求項3】
前記分岐流路及び放熱器は、前記閉鎖循環流路において、該閉鎖循環流路を流れる熱媒油が前記ホットプレス設備において熱を奪われて前記熱交換器において加熱される前の熱媒油を放熱させる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱媒油温度制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−214132(P2009−214132A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59768(P2008−59768)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000133032)株式会社タクマ (308)
【Fターム(参考)】