説明

ホットメルト接着剤及び液体接着剤のための接着剤センサ

【課題】
基材上に塗布した後のホットメルト接着剤及び比較的低温の水性液体接着剤を単一のセンサで検出することができる装置を提供する。
【解決手段】
本装置は、異なる波長の赤外線放射を感知するフォトダイオードを有する接着剤センサを備える。該接着剤センサは、十分に熱い接着剤から熱的に放出される赤外線放射を感知することができる。代替的に、接着剤センサは、容易に検出可能な強度で赤外線放射を放出するには不十分な温度の接着剤から異なる強度で反射される、第1の近赤外線ダイオード及び第2の近赤外線ダイオードから異なる波長で放出される赤外線放射を感知することができる。接着剤センサを標的合わせ及び焦点合わせするために可視光光源を設けてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材に塗布された液体接着剤及びホットメルト接着剤を、同じ近赤外線検出器を使用してオンラインで検出及び測定するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基材上に塗布した後のホットメルト接着剤及び比較的低温の水性液体接着剤を検出するための従来のオンラインでの検出及び測定システムでは、別個のセンサが必要とされる。ホットメルト接着剤を検出するための従来のセンサは、検出に時間がかかる傾向があり、それによって、塗布された接着剤のより少ない量の検出能力を制限する場合がある。したがって、当該技術分野において、ホットメルト接着剤及び液体接着剤の双方を、従来のセンサよりも高速な検出速度で検出することが可能な単一のセンサが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
一実施の形態では、第1の接着剤を検出するための装置が提供される。本装置は、基材上の或る量の第1の接着剤に、第1の波長の近赤外線放射を向けるように構成される第1の放射源と、第2の波長の近赤外線放射を向けるように構成される第2の放射源とを備える。本装置は、第1の波長の近赤外線放射及び第2の波長の近赤外線放射を感知するように構成される接着剤センサをさらに備える。該接着剤センサは、基材上の上記量の第1の接着剤から反射される近赤外線放射の部分を集光して、それぞれ第1の信号及び第2の信号を生成するようにさらに構成される。
【0004】
一実施の形態では、接着剤センサは、第1の放射源及び第2の放射源を使用することなく、基材上の第2の接着剤から熱的に放出される近赤外線放射を検出するように構成されるフォトダイオードを備えることができる。別の実施の形態では、第1の放射源及び第2の放射源は、電磁スペクトルの近赤外線帯において放射を放出するように構成される近赤外線フォトダイオードとすることができる。さらに別の実施形態では、本装置は接着剤センサを標的合わせ及び焦点合わせするときに使用するために構成される可視光光源も備えることができる。
【0005】
特定の実施の形態では、第1の波長は約1260nmとすることができ、第2の波長は約1440nmとすることができる。別の特定の実施の形態では、第1の波長及び第2の波長は、第1の接着剤が、該第1の波長及び該第2の波長において異なる反射率を有するように、電磁スペクトルの近赤外線帯内で選択される。
【0006】
一実施の形態では、第1の放射源及び第2の放射源は、電磁スペクトルの近赤外線帯において放射を放出するように構成される近赤外線フォトダイオードであり、装置は、マイクロプロセッサをさらに備え、マイクロプロセッサは、接着剤センサからの信号を受信して、第1の近赤外線フォトダイオード及び第2の近赤外線フォトダイオードを駆動するように構成される。マイクロプロセッサは、接着剤センサによって集光される第1の波長の近赤外線放射の部分と、接着剤センサによって集光される第2の波長の近赤外線放射の部分との比較に基づいて、基材上に接着剤が存在するか否かを判断するようにさらに構成されることができる。接着剤センサは、第1の波長の近赤外線放射及び第2の波長の近赤外線放射を検出するように構成されるフォトダイオードを備えることができ、装置は、マイクロプロセッサを検証システムと電気的に接続する信号出力と、フォトダイオードに電気的に接続される増幅器と、増幅器をマイクロプロセッサと電気的に接続するアナログ−デジタル変換器とをさらに備えることができる。増幅器は、第1の波長の近赤外線放射の第1の部分及び第2の波長の近赤外線放射の第2の部分の集光及び感知に応答してフォトダーオードによって生成された信号を増幅するように構成され、アナログ−デジタル変換器は、フォトダイオードからの増幅された信号を、マイクロプロセッサに供給されるデジタル信号に変換するように構成される。別の実施の形態では、接着剤センサは、光ファイバ素子を使用することなく、第1の波長の近赤外線放射及び第2の波長の近赤外線放射を集光及び感知するように構成される。
【0007】
一実施の形態では、基材に塗布された第1の接着剤及び第2の接着剤を感知するための方法が提供される。本方法は、第1の接着剤から熱的に放出される近赤外線放射を感知すること、及び第2の接着剤から反射される第1の波長の近赤外線放射を感知することを含む。
【0008】
一実施の形態では、第2の接着剤から反射される第1の波長の近赤外線放射は、第1の波長の近赤外線放射を用いて第2の接着剤を照射して第2の接着剤から反射される第1の波長の近赤外線放射の一部分を集光することによって、感知することができる。本方法は、第2の接着剤から反射される第2の波長の近赤外線放射の一部分を集光すること、及び基材上に第2の接着剤が存在するか否かを判断するために第1の波長の近赤外線放射の部分と第2の波長の近赤外線放射の部分とを比較することをさらに含むことができる。基材上に第2の接着剤が存在するか否かを検証システムに通信するようにしてもよい。接着剤は、第1の波長の近赤外線放射及び第2の波長の近赤外線放射を用いて順次照明されてもよい。特定の実施の形態では、第1の波長を約1260nmとし、第2の波長を約1440nmとしてもよいし、又は、第1の波長及び第2の波長は、第1の接着剤が該第1の波長及び該第2の波長において異なる反射率を有するように、電磁スペクトルの近赤外線帯内で選択されてもよい。
【0009】
別の実施の形態では、第1の接着剤及び第2の接着剤は、異なる温度で基材に塗布され、第1の接着剤は、塗布時に、第2の接着剤よりも高温である。
【0010】
さらに別の実施の形態では、近赤外線放射は、接着剤センサのフォトダイオードによって感知され、本方法は、接着剤センサを可視光光源から発生する可視光を用いて標的合わせ及び焦点合わせすることをさらに含む。
【0011】
別の実施形態では、本方法を実施するために、近赤外線放射は、光ファイバ素子を使用することなく集光及び感知される。
【0012】
本明細書に組み込まれ、その一部分を成す添付の図面は、上記で与える本発明の概要説明、及び下記で与える詳細な説明と共に本発明の実施形態を例示し、本発明を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に従う接着剤センサの概略図である。
【図2】ホットメルト接着剤を検出する図1の接着性センサの概略図である。
【図3】図2においてホットメルト接着剤を検出するための工程のフローチャートである。
【図4】水性液体接着剤を検出する図1の接着性センサの概略図である。
【図5】図4において水性液体接着剤を検出するための工程のフローチャートである。
【図6】使用のために位置決めされている接着剤センサの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、本発明の基本原理を示す様々な特徴を、幾らか簡略化した表現を提示することを理解されたい。たとえば、説明される様々な構成要素の特定の寸法、向き、位置、及び形状を含む、本明細書において開示される一連の動作の具体的な設計特徴は、特定の意図される用途及び使用環境によって部分的に決まる。説明される実施形態の或る特定の特徴は、視覚化及び明確な理解を容易にするために、他の特徴に対して拡大されるか又は変形されている。特に、薄い特徴は、たとえば明確にするため又は説明のために厚くされている場合がある。
【0015】
包括的には、異なる波長の赤外線放射を感知する単一の近赤外線検出器は、接着剤センサにおいて、ホットメルト接着剤及び液体接着剤の双方を検出するために使用されてもよい。接着剤センサは、ホットメルト接着剤から熱的に放射される赤外線放射を感知するようにしてもよい。代替的に、接着剤センサは、容易に検出可能な強度で赤外線放射を放出するには不十分な温度の接着剤から異なる強度で反射される、第1の近赤外線ダイオード及び第2の近赤外線ダイオードから異なる波長で放出される赤外線放射を感知するようにしてもよい。ホットメルト接着剤及び液体接着剤の双方を検出可能であることに加えて、下記で詳述される検出方法は、センサの検出速度の増加(従来型のセンサにおける数十ミリ秒から、本発明の実施形態の場合の数百マイクロ秒へ)をもたらすこともできる。応答時間が増大することによって、より小さな目標(ドット又はビード内の破断)を、非常に高速で検査することが可能になり得る。さらに、塗布された材料に標的合わせするために、可視照明を追加してもよい。
【0016】
図1の接着剤センサ10の概略図に示されているように、近赤外線(NIR)検出器12のような単一のフォトダイオードを使用して、ホットメルト接着剤の放射源から発生するか若しくは放出される熱エネルギー若しくは赤外線エネルギー14、又は基材若しくは該基材上の液体接着剤から反射される赤外線エネルギー14を検出することができる。赤外線エネルギー14を検出するために、入射する赤外線エネルギー14は集光素子を介して検出器12上に集束される。集光素子は、入射する近赤外線放射を検出器12上に集光及び集束するように構成されるレンズ組立体から構成することができる。検出器12は、赤外線放射に含まれる熱エネルギーを、赤外線放射源の温度に比例する大きさを有する電流に変換する。検出器12における変換工程は、当業者によって理解される。
【0017】
一実施形態において、検出器12は、0.7μm〜2.6μmの近赤外線スペクトル範囲で作動するように構成されるヒ化ガリウムインジウム(lnGaAs)フォトダイオードである。当業者は理解するように、lnGaAsフォトダイオードは、検出器12を通じた光子軌道に沿って電子正孔対を生成することによってNIR放射に反応する組成及び構造を有する、インジウム、ガリウム、及びヒ素から成る活性半導体層を含む。
【0018】
検出されたエネルギーは、次に増幅器16によって増幅され、A/D変換器18によってデジタルに変換され、マイクロプロセッサ20の形で表される制御装置へ供給される。増幅器16は、フォトダイオードに電気的に接続され、検出器12によって生成された信号を増幅する。A/D変換器18は、増幅器16に電気的に接続され、増幅された信号をデジタル信号に変換する。マイクロプロセッサ20は、検出器12から測定された値を表すデジタル信号を受信して、適切なアルゴリズムを使用して基材上に分注された接着剤の存在を判断するように構成される。感知される接着剤の種類に依拠して、マイクロプロセッサ20は検出されたエネルギーを操作し、その値を閾値と比較する。検出された赤外線エネルギー14が閾値を超えている場合、接着剤の存在を示す信号が、マイクロプロセッサ20に電気的に接続されているトランジスタ22を通じて、さらなる処理のために検証システム25に送信される。検証システム25は基材上の接着剤の配置を監視し、該接着剤の配置が不適切である場合、警報のような動作を起こすか、警告信号を生成するか、又は警告を表示する。検出されたエネルギーが閾値未満である場合、信号は送信されない。当業者であれば、デジタル論理構成要素等の他の電気部品を使用して接着剤信号の指示を送信することもできることを認識するであろう。
【0019】
一実施形態では、検証システム25は、任意選択で接着剤の存否の指示を分注システム27に通信することができる。これによって、接着剤センサ10から出力される測定値を監視している検証システム25からのフィードバックと連携しながら、分注システム27により閉ループで接着剤を塗布することが可能になる。検証システム25及び分注システム27は、統合パターン制御及び検証システム内に統合されてもよい。
【0020】
水性液体接着剤を検出する場合、マイクロプロセッサ20は、発光ダイオード(LED)のような近赤外線(「NIR」)放射源を選択的に照明する。NIR放射源はそれぞれ、電磁スペクトルのIR波長帯内の異なる離散した周波数又は波長のエネルギーを有する光子を生成する。たとえば、マイクロプロセッサ20は、基材にも接着剤にも吸収されない波長(たとえば約1260nm)の赤外線エネルギー14を放出すなわち送出するように設定することができる第1のNIR放射源24を照明することができる。さらに、マイクロプロセッサ20は、接着剤材料によって少なくとも部分的に吸収及び反射される波長(たとえば約1440nm)の赤外線エネルギー14を放出すなわち送出するように設定することができる第2のNIR放射源26を照明することができる。マイクロプロセッサ20は、接着剤を検出する必要がある場合、第1のNIR放射源24及び第2のNIR放射源26を駆動する。
【0021】
接着剤センサ10は、可視光LEDのようなさらなる光源28を使用し、それによって、接着剤センサ10を接着剤塗布に標的合わせ及び焦点合わせすることもできる。光源28は、NIR放射源24、26から放出されるNIRよりも短い波長を有する電磁スペクトルの可視波長帯内の光を放出する。人間の目の反応範囲内にある、光源28からの可視光を使用して、接着剤センサ10と目標接着剤軌道との位置合わせ、並びに最適な検出及び速度のための検出器12の高さの調整の双方を行うことができる。
【0022】
接着剤センサ10は、ノードソンコーポレーション(オハイオ州ウェストレイク)から市販のGD200系の装置のうちの任意のものに組み込み、それによって液体接着剤を検出することに加えてホットメルト接着剤を検出する二重の能力を提供することができる。水性である場合がある液体接着剤は通常、室温と同じか室温に近く、いずれの場合も、ホットメルト接着剤よりも放出する赤外線放射が大幅に少ない。その液体接着剤は、接着剤センサ10を補助的な赤外線照明を提供するNIR放射源24、26と組み合わせて使用して検出することができる。
【0023】
図2を参照して、ホットメルト接着剤の検出のさらなる詳細を提供すると、分注器30は、ホットメルト接着剤32のドット又はビードを基材34上に分注することができる。接着剤センサ10は、基材34上に分注されるホットメルト接着剤32が、接着剤センサ10の視野内にあるように位置決め及び配向される。ホットメルト接着剤32から放出熱エネルギーとして発生する赤外線放射36は、基材34が分注器30及び接着剤センサ10の傍らを通るときに、接着剤センサ10の検出器12によって検出することができる。検出器12と基材34との離隔は、検出器12の検出範囲内になるように選択される。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態に従う検出工程を詳述するフローチャート40である。測定のための基準を確定するために、検出器12によって、背景及び基材34に関連付けられる熱エネルギーを検出する(ブロック42)。基準が確定され、接着剤の塗布が始まると、検出器12は、ホットメルト接着剤32の塗布の結果生じる熱エネルギーを検出する(ブロック44)。マイクロプロセッサ20は、基準熱エネルギーと、接着剤の塗布の間に検出される熱エネルギーとを使用して、温度変化を求める(ブロック46)。この温度変化が閾値未満である場合(ブロック48の「いいえ」分岐)、ホットメルト接着剤32は検出されず(ブロック50)、ブロック44において接着剤の塗布から新たな赤外線エネルギー14を検出することによって工程が継続する。一方、温度変化が閾値より大きい場合、(ブロック48における「はい」分岐)、ホットメルト材料の存在を示す信号を送信する(ブロック52)。信号の送信後、ブロック44において工程が継続する。検出器12を使用してホットメルト接着剤32の存在を検出することによって、従来型の熱電対列に起因して生じる応答時間が減少し、上述したような、ホットメルト接着剤32のより小さなドット及びビードの検出、並びにより高速な処理速度が可能になる。
【0025】
液体接着剤を検出する工程は、1998年12月17日に出願され、2001年8月28日に発行された、ガオンに与えられた同一の発明者が所有する米国特許第6,281,500号明細書に開示された工程に類似している。この米国特許は、この参照によりその内容全体が本明細書に援用される。接着剤センサ10の実施形態は、従来のセンサ構造に共通の光ファイバ伝送システムを排除して、NIR LEDを利用すること、及び1つの検出器、すなわち検出器12の使用しか必要としないことが可能であることによって、この方法を改善する。
【0026】
図4に示すように、上記のホットメルト接着剤の分注と同様に、分注器60は、液体接着剤62のドット又はビードを基材64上に付着させることができる。次に、接着剤センサ10は、2つのNIR LED24、26から交互に赤外線エネルギー66を送り、検出器12を用いて各波長における反射されたエネルギー68を測定して、液体接着剤62が存在するか否かを判断することができる。
【0027】
図5は、本発明の一実施形態による液体接着剤62を検出する工程を詳述するフローチャート70である。マイクロプロセッサ20は、背景又は接着剤のいずれによってもあまり吸収されない近赤外波長のNIR放射源24からの赤外線放射すなわち赤外線エネルギー14を用いて目標領域を照明する(ブロック72)。反射されたエネルギーは、集光され、基準信号すなわち基準値として検出され(ブロック74)、以後の処理のために記憶される。次に、ブロック76において、マイクロプロセッサ20は、塗布された材料(すなわち或る量の液体接着剤62)によって少なくとも部分的に吸収される近赤外波長のNIR放射源26からの赤外線放射すなわち赤外線エネルギー14を用いて目標領域を照明させる。このエネルギーの一部も、少なくとも部分的に反射されてセンサ10に向かって戻され、該エネルギーの該一部を目標信号すなわち目標値として集光し検出する(ブロック78)。
【0028】
マイクロプロセッサ20が、適切なアルゴリズムを使用して、基準信号及び目標信号の双方を確定すると、2つの異なる波長における反射度の比較のために、第1の参照信号(基準)と第2の参照信号(目標信号)と比を計算する(ブロック80)。比が閾値を超えない場合(判断ブロック82の「いいえ」分岐)、液体接着剤62は検出されておらず(ブロック84)、ブロック72において工程が継続する。比が閾値を超える場合、上記で参照により援用された米国特許第6,281,500号明細書と同様に、それに応答して、液体接着剤62が検出されたことを示す信号を生成する(ブロック86)。そして、ブロック72において工程が継続する。
【0029】
図4及び図5において利用される、図1におけるセンサ構成は、単一の検出器を有する、ファイバのないセンサを提供し、その結果、製造者のコストを下げるという解決策をもたらすことによって、従来型の液体接着剤センサを上回る改善を提供する。2つの異なる近赤外波長における反射の違いによって、液体接着剤62が存在するか否かを判断することができる比較が可能になる。
【0030】
接着剤センサ10の可視光光源28(図1)は、レーザ、又は集束及び/若しくは集光されることができる可視光LEDを含むことができる。光源28を使用して、接着剤センサ10のヘッド90を標的合わせ及び焦点合わせする。接着剤センサ10は、基材92に向かって無限遠に位置決めされるため、可視の円形領域94が結像される。所望のレンズの焦点距離96(たとえば約25mm)において、円形領域94は、鮮明に結像された可視の円形として照明される。焦点をより遠く又はより近くに動かすことによって、領域94はぼやける。この助けを使用して、接着剤センサ10を塗布された材料に位置合わせし、センサヘッド90を、標的及び基材92の上の適切な高さに固定することができる。当業者であれば、適切な高さを求めるための他の方法が存在することを理解するであろう。適切な高さを求めるために、他の光源又は出力光パターンを使用してもよい。たとえば、2つのレーザを利用してもよく、複数のレーザ出力の収束によって適切な高さを示してもよい。円形ではない線パターンの出力も使用することができる。線パターンが収束するときに適切な高さを示すことができる。
【0031】
本発明を、本発明の1つ又は複数の実施形態の記述によって説明し、これらの実施形態を非常に細かく記述したが、これらは添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限することも、いかなる形において限定することも意図していない。たとえば、接着剤センサ10は、ホットメルト接着剤のみ又は液体接着剤のみを含む実施形態において説明されたが、本発明の他の実施形態は、ホットメルト及び液体接着剤の双方を塗布する接着剤ラインを含んでもよく、接着剤センサ10は、ホットメルト接着剤、液体接着剤のいずれか、又は双方を検出することができ、分注器内に複数のセンサを有する必要性を排除する。当業者には、さらなる利点及び変更形態が容易に明らかになるであろう。したがって、本発明は、そのより広い態様において、特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに図示及び説明された例示的な実施例に限定されない。したがって、本発明の基本概念の範囲から逸脱することなく、そのような詳細からの発展を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接着剤を検出するための装置であって、
第1の波長の近赤外線放射を、基材上の或る量の前記第1の接着剤へ向ける第1の放射源と、
第2の波長の近赤外線放射を、前記基材上の前記量の前記第1の接着剤へ向ける第2の放射源と、
前記第1の波長の前記近赤外線放射及び前記第2の波長の前記近赤外線放射を感知する接着剤センサと
を備え、
前記接着剤センサは、前記基材上の前記量の前記第1の接着剤から反射される前記近赤外線放射の部分を集光して第1の信号を生成するようにさらに構成され、且つ、前記接着剤センサは、前記基材上の前記量の前記第1の接着剤から反射される前記第2の波長の前記近赤外線放射の部分を集光するようにさらに構成されている装置。
【請求項2】
前記接着剤センサは、前記第1の放射源及び前記第2の放射源を使用することなく、前記基材上の第2の接着剤から熱的に放出される近赤外線放射を検出するフォトダイオードを備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の放射源及び前記第2の放射源は、電磁スペクトルの近赤外線帯において放射を放出する近赤外線フォトダイオードである請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の波長は、約1260nmであり、前記第2の波長は、約1440nmである請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の波長及び前記第2の波長は、前記第1の接着剤が前記第1の波長及び前記第2の波長において異なる反射率を有するように、電磁スペクトルの近赤外線帯内で選択される請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の放射源及び前記第2の放射源は、電磁スペクトルの前記近赤外線帯において放射を放出する近赤外線フォトダイオードであり、
前記装置は、マイクロプロセッサをさらに備え、前記マイクロプロセッサは、前記接着剤センサからの信号を受信して、前記第1の近赤外線フォトダイオード及び前記第2の近赤外線フォトダイオードを駆動する請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記マイクロプロセッサは、前記接着剤センサによって集光される前記第1の波長の前記近赤外線放射の前記部分と、前記接着剤センサによって集光される前記第2の波長の前記近赤外線放射の前記部分との比較に基づいて、前記基材上に前記接着剤が存在するか否かを判断するようにさらに構成されている請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記接着剤センサは、前記第1の波長の近赤外線放射及び前記第2の波長の近赤外線放射を検出するフォトダイオードを備え、
前記装置は、
前記マイクロプロセッサを検証システムと電気的に接続する信号出力と、
前記フォトダイオードに電気的に接続され、前記第1の波長の前記近赤外線放射の前記部分及び前記第2の波長の前記近赤外線放射の前記部分の集光及び感知に応答して前記フォトダーオードによって生成された信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器を前記マイクロプロセッサと電気的に接続し、前記フォトダイオードからの前記増幅された信号を、前記マイクロプロセッサに供給されるデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と
をさらに備える請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記接着剤センサは、光ファイバ素子を使用することなく、前記第1の波長の前記近赤外線放射及び前記第2の波長の前記近赤外線放射を集光及び感知する請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記接着剤センサを標的合わせ及び焦点合わせするときに使用するための可視光光源をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項11】
基材に塗布された第1の接着剤及び第2の接着剤を感知する方法であって、
前記第1の接着剤から熱的に放出される近赤外線放射を感知すること、及び
前記第2の接着剤から反射される第1の波長の近赤外線放射を感知すること
を含む方法。
【請求項12】
前記第2の接着剤から反射される前記第1の波長の前記近赤外線放射を感知することは、
前記第1の波長の前記近赤外線放射を用いて前記第2の接着剤を照射すること、及び
前記第2の接着剤から反射される前記第1の波長の前記近赤外線放射の部分を集光すること
を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の接着剤から反射される第2の波長の近赤外線放射の部分を集光すること、及び
前記基材上に前記第2の接着剤が存在するか否かを判断するために、前記第1の波長の前記近赤外線放射の前記部分と、前記第2の波長の前記近赤外線放射の前記部分とを比較すること
をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の波長は、約1260nmであり、前記第2の波長は、約1440nmである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の波長及び前記第2の波長は、前記第1の接着剤が前記第1の波長及び前記第2の波長において異なる反射率を有するように、前記電磁スペクトルの前記近赤外線帯内で選択される請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記接着剤は、前記第1の波長の前記近赤外線放射及び前記第2の波長の前記近赤外線放射を用いて順次照明される請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記基材上に前記第2の接着剤が存在するか否かを検証システムに通信することをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の接着剤及び前記第2の接着剤は、異なる温度で前記基材に塗布され、前記第1の接着剤は、塗布時に、前記第2の接着剤よりも高温である請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記近赤外線放射は、接着剤センサのフォトダイオードによって感知され、
前記方法は、前記接着剤センサを可視光光源から発生する可視光を用いて標的合わせ及び焦点合わせすることをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記近赤外線放射は、光ファイバ素子を使用することなく集光及び感知される請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−7790(P2011−7790A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−142428(P2010−142428)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】