説明

ホログラフィックセンサー

【課題】ホログラフィックセンサーの提供。
【解決手段】媒体を含み、上記媒体全体にホログラムが配置されたセンサーであって、媒体の物性が変化することによってホログラムの光学特性が変化し、また、ホログラムは非平面ミラー状に形成されていることを特徴とするセンサー(8)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホログラフィックセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はホログラフィックセンサーについて開示している。このセンサーはホログラフィック支持媒体を含み、上記媒体全体にホログラムが配置されたものである。支持媒体と検体とが相互作用することにより媒体の物性が変化する。この変化によって、ホログラフィック素子の光学特性(分極性、反射率、屈折率又は吸光度等)の変化が引き起こされる。(例えば広帯域入射光である非電離電磁放射線を使用した)ホログラムの再生中に何か変化が生じると、光学検波器の使用により例えば色の変化が観察される可能性がある。光学検波器は分光計であってもよいし、単に人間の目であってもよい。
【0003】
特許文献2中には、ホログラフィックセンサーを作成する別の方法について記載される。まずポリマーフィルムを作成してから感光性ハロゲン化銀粒子を添加するという連続的な処理法が用いられている。可溶性の塩を分散させてこの粒子をポリマーマトリックス中に導入して反応させることによって、感光性で不溶性の沈殿物が形成される。その後、ホログラフィック画像を記録する。
【0004】
上記のホログラフィックセンサーは、適切な液槽中で平面ミラーを使用してホログラムを記録することにより作製される。また、センサーの支持媒体は平面状である。例えば皮下等の、分散光が多量にあるような環境でセンサーが使用される場合、この配置は必ずしも有効であるとは限らない。また、反射光を検出するためには、上記光学検波器をセンサーに対して特定の位置に配置しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】PCT特許WO−A−95/26499
【特許文献2】PCT特許WO−A−99/63408
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、非平面ミラー状のホログラムを形成すれば上記の問題に対処可能であるということに基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記は様々な方法で、例えば非平面ミラー及び非平面支持媒体を使用してホログラムを記録することによって達成可能である。
【0008】
従って、本発明の第一の態様は、媒体を含み、上記媒体全体にホログラムが配置されたセンサーであって、媒体の物性が変化することによってホログラムの光学特性が変化し、また、ホログラムは非平面ミラー状に形成されていることを特徴とするセンサーである。
【0009】
本発明の第二の態様は、媒体中に非平面ミラー状のホログラムを形成することを含む、本発明のセンサーの作製方法である。
【0010】
本発明の別の態様は、検体を検出する方法であって、本発明のセンサーのホログラフィック素子に遠隔から光で応答指令信号を送ること、及び、センサーの光学特性の任意の変化を検出することを含むことを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、予定どおりに正確に入射光を反射できるホログラフィックセンサーの設計が可能となる。また、本発明によれば、センサーは光学検波器としての必要条件を要求されないであろう。実際に、本発明は、様々な角度及び距離からの応答指令信号を受信できるセンサーを提供する。本発明のセンサーは、皮下インプラントとして、又は、例えば認証タグとして安全に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】凹面ミラー又はコーナーキューブプリズムをそれぞれ使用した本発明のセンサーの作製を示す概略図である。
【図2】凹面ミラー又はコーナーキューブプリズムをそれぞれ使用した本発明のセンサーの作製を示す概略図である。
【図3】本発明のセンサーに応答指令信号を送るのに適切な探針の側面図である。
【図4】応答指令信号を受信している図1のセンサーを示す概略図である。
【図5】図4と同様の図であるが、センサーが皮下にあることを示す。
【図6】凹面ミラーを使用して形成された本発明の環状センサーの平面図である。
【図7】応答指令信号を受信している図6のセンサーを示す概略図である。
【図8】本発明の異なる実施形態の平面図であり、センサーは多数の検体の同時検出に適切である。
【図9】本発明の異なる実施形態の平面図であり、センサーは多数の検体の同時検出に適切である。
【図10】凹面ミラー状に形成されたホログラムの射線を示す概略図である。
【図11】本発明のセンサーの形成を示す概略図である。
【図12】本発明のセンサーについて角度の許容収差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
非平面ミラー状のホログラムを形成可能な方法は多数ある。このようなホログラムを形成するにあたっては、本明細書中に記載される様々な方法を単独で又は組み合わせて使用することが好ましいであろう。
【0014】
本発明の好ましい実施形態は、非平面ミラーを使用したホログラムの記録を含む。ミラーの種類は、そのミラーを使用して形成されるホログラムが入射光に対して有することが期待される効果によって選択できる。例えば凹面ミラー及び凸面ミラー(例えば半円筒状ミラー)並びに反射ビーズ等、様々な種類の非平面ミラーが公知である。また、ミラーは、例えばコーナーキューブプリズム、直角プリズム、ポッロプリズム、アミチプリズム、ドーブプリズム、ペンタプリズム、菱形プリズム又はレマンスプリンガーブリズム(Lernan−Springer prism)等のプリズムであってもよい。
【0015】
好ましい実施形態においては、ミラーは凹面ミラーである。凹面ミラーを使用することによって、入射光に対して焦点調節効果を有するセンサーを形成できる。このようなセンサーは、例えば光ファイバー束の使用により応答指令信号を適切に受信できる小型の皮下インプラントとして等、広い用途に使用可能である。また、光分散という大きな障害を克服するために、再生波長の範囲を近赤外線領域内に良好に調節することもできる。凹面ミラーの使用に伴う別の利点は、ホログラムは望ましくない白色反射光を通常焦点調節しないという点である。また、反対側から観察される場合には、凹面ホログラムは入射光に対して凸面ミラー効果を有する可能性があり、またその逆のこともいえる。
【0016】
別の好ましい実施形態は、焦点距離が長くて入射光の平行化が可能なホログラムを形成するための凸面ミラーの使用を含む。焦点距離が長いということは、例えば燃料タンク中の検体の検出等のように遠隔からの検出が必要とされる場合において特に望ましい。
【0017】
非平面ミラーは、コーナーキューブプリズム等、逆反射の可能なミラーであってよい。コーナーキューブプリズムは一般的に、あらゆる位置に配置されたプリズムについて、プリズムの後側から入って光源へ向かう任意の光をある角度(の許容収差)まで反射する。従って、コーナーキューブプリズムを使用して記録されたホログラムは、入射光を逆反射できる可能性がある。このようなセンサーは、光学検波器をセンサーに対して特定の位置に配置する必要がないため、有利である。また、コーナーキューブプリズムを使用すると、センサーの任意の反応を従来のセンサーよりも広い角度から観察できるという別の利点もある(すなわち角度の許容収差が大きい)。
【0018】
逆反射ホログラフィックセンサーを使用することによって、大気を有する惑星の大気の状態(例えば湿度、温度、二酸化炭素や他の化学活性ガスの濃度)の変化を検出できる。検出は、平行光線又は他の遠隔光源でセンサーに応答指令信号を送ることによって実施できる。このようなセンサーは、水面下の環境変化を検出するためにも使用できる。例えば、pH又はイオン濃度の変化の検出が可能であろう。
【0019】
また、非平面ミラーは一つ以上の反射ビーズから構成されていてもよい。反射ビーズを使用することによって反射光の強度を増大させることができ、また、反射ビーズは逆反射が可能である。
【0020】
誘電体は反射率が高いという理由から、ミラーは誘電体であることが好ましい。また、色収差及び球面収差の影響を最小限にするために放物面ミラーを使用してもよい。
【0021】
ホログラムは非平面支持媒体の中で記録してよい。この場合、ホログラムの形状は支持媒体の形状によって決まるため、ミラーは必ずしも非平面である必要はない。
【0022】
ホログラムの記録は、記録中にホログラフィー記録材料の前にレンズ及び開口部/障害物を配置して実施してもよい。ホログラムを記録する際、放射線はまずレンズ及び開口部/障害物を通過し、その後記録材料を通過してミラーに到達するであろう。これによって、形成されたホログラムは特定の回折パターンを有するであろう。この効果は、再生光のパターンを十分に定義された特異的なものにできる可能性があるために望ましい。また、レンズを使用することによって、物体の大きさを変化させたり、光を平行化したり、環状光を生じさせることもできる。
【0023】
本発明において使用されるホログラフィックセンサーは一般的にホログラフィック支持媒体を含み、上記媒体全体にホログラムが配置されている。支持媒体と検体とが相互作用することにより、媒体の物性が変化する。この変化によって、ホログラフィック素子の光学特性(分極性、反射率、屈折率又は吸光度等)の変化が引き起こされる。広帯域入射光である非電離電磁放射線を使用したホログラムの再生中に何か変化が生じると、例えば色又は強度の変化が観察される可能性がある。
【0024】
物性を変化させることにより光学特性を変化させる基本的な方法は多数ある。変化させる物性はホログラフィック素子の大きさであることが好ましい。ホログラフィック素子の大きさの変化は、特定の基を支持マトリックス中に組み込み、検体との相互作用によりこれらの基の立体配座を変化させて、支持媒体を拡大又は縮小させることにより実施できる。このような基としては、検体種と特異的に結合する共役基であることが好ましい。物性を変化させる他の方法としては、支持媒体中の反応性水分の含有量を変化させる方法も挙げられるであろう。
【0025】
ホログラフィックセンサーは、支持体の組成を変えるだけで様々な検体の感知に使用することができる。媒体はポリマーマトリックスを含むことが好ましく、その組成は、高品質のフィルム(すなわち、ホログラフィック縞を形成できる均一なマトリックスを有するフィルム)を得るのに適していなければならない。マトリックスは、例えば(メタ)アクリルアミド及び/又は(メタ)アクリレート由来のモノマーの共重合により形成されていてよく、また架橋されていてよい。特にHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)モノマーは、容易に重合及び架橋できる。HEMAポリマーは、膨張可能かつ親水性で生体適合性が広いため、支持体材料として広く用いられる。
【0026】
上記以外のホログラフィック支持媒体としては、ゼラチン、K−カラギーナン、寒天、アガロース、ポリビニルアルコール(PVA)、(粗分類による)ゾル−ゲル、(粗分類による)ヒドロゲル及びアクリレートがある。上記以外の材料としては、多糖類、タンパク質及びタンパク質性材料、オリゴヌクレオチド、RNA、DNA、セルロース、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリイミド並びにポリアクリルアミドが挙げられる。ゼラチンは、ハロゲン化銀粒等の感光性物質を支持できる標準的なマトリックス材料である。また、ゼラチンは、ゲルの鎖構造中のカルボキシル基同志がクロム(III)イオンによって光学的に架橋されたものであってもよい。
【0027】
センサーは、PCT特許WO−A−95/26499及びWO−A−99/63408中に開示される方法によって作製してもよい。この目的において適切な配置は、添付の図面の図1中に示される。別の方法としては、PCT特許GB04/00976中に記載されるように、銀を使用しない複合重合(double polymerisation)による方法が挙げられる。上記明細書の内容を本明細書中に参照する。
【0028】
本発明を、付随の図面を参照することにより、単に例として以下に記載する。
【0029】
図1は、凹面ミラー状に形成されていてよいホログラムを示す。ホログラフィックプレート1及び凹面ミラー2は露光浴3中に配置される。ホログラフィック画像は広いレーザ光線4を使用して記録される。本明細書中において、「凹面」という用語は広義では、焦点調節効果を有する任意の配置を記載する際に使用される。ミラーは例えば球面状又は非球面状(例えば放物線状)であってよく、ミラー中央の水平部分と端の部分の間には角度がついていてよい。このようなミラーが上記の銀を使用しない複合重合法によって作成される場合、図1における露光浴中に通常液体は存在しない。
【0030】
図2は図1と同様の図であるが、凹面ミラーの代わりにコーナーキューブプリズム5が使用されている。
【0031】
上述のように、本発明のセンサーは、ホログラムに向かって又はホログラムから光が通過できるような、例えば光ファイバー等の装置と連結して使用するのに特に適切である。図3中には、探針の先端における適切なファイバー束が示される。特定の実施形態において、探針は直径が約5mmであり、直径1mmの円形ファイバー6本でできた環が内部にあって、この環が中央のファイバーを囲んでいる。
【0032】
図3中に示される特定の実施形態において、中央のファイバー6は分光計読み出し装置(図示せず)に連結していて、また、環状ファイバー7は白色照明光源(図示せず)に接続される。別の配置には、標準的な分光計スリットに加えて又はこれの代わりに、上下一列に並んだ光ファイバーが分光計の端に含まれる。
【0033】
コーナーキューブ状の装置においては、入射光が発散している場合には逆反射光も発散したままであるため、シグナルが恐らく不十分となる可能性がある。従って、入射光を確実に平行化又は集中させることが望ましい可能性がある。図3の光ファイバーの配置においては、上記のことは、ファイバー束の前に小さな凸面レンズ(図示せず)を配置することにより達成できるであろう。
【0034】
本発明の有用性について、具体的に図4及び5を参照することにより以下に記載する。
【0035】
図4中に、凹面ミラー(例えば図1を参照)を使用して形成されたセンサー8が、障害物のない非散乱環境で探針として光ファイバー束9を使用して応答指令信号を受信する様子を示す。この図中のホログラムは、凹面ミラーに反射されたかのように入射光10を反射する。しかし、特殊なレーザ波長で作成されたものである場合には、事実上これは単色の凹面ミラーとなる。また、機能性ポリマーの中に作成されたものであれば、反射光11の色は環境に応じて変化するであろう。逆に、一種以上の十分に分かれたレーザ波長で作られたものである場合には、その環境中の異なる要素を感知することが可能である。例えば、波長が重なって曖昧になる程には広くないが緑又は赤等の領域の色を発するセンサーとして働く場合に生じるであろう波長シフトよりも波長間が大きく離れた、緑、赤又は青の凹面ミラーの役割も同時に果たすと考えられるであろう。各層が異なる材料を含むような層構造を有するセンサーを使用すれば、二種以上の検体に対して十分に識別できる反応が得られる可能性がある。また、センサーは、奥行き方向全体に異なる材料が互いに同軸上に隣接した状態に構成されていてもよい。
【0036】
ホログラフィーの凹面ミラー画像は、中央のファイバー上に有色光を集中させる。(回折光が鏡面反射とほぼ同じ角度で反射するような従来の技術とは異なり、)軸を有するという特徴は、回折波長が変化しても回折光が中央に集中するという点で重要である。
【0037】
図5は図4と同様の配置を示すが、拡散環境12におけるものである。これは、皮下インプラントに代表される。
【0038】
使用時には、反射光の強度変化の追跡が意図されるとは限らない。散乱によって99%もの多量の光がロスする場合には、回折度の非常に大きな機能性ホログラムインプラントからの残り1%の光における小さな波長シフトが追跡できれば十分であろう。散乱光の影響を軽減するために、軸外に凹面ミラーを有するホログラムの形成が有用な場合があるであろう。
【0039】
センサーをインプラントとして使用するためには、拒絶反応を軽減できる材料でセンサーが覆われていなければならない可能性がある。この材料は、グルコース又はイオン等の体内における検体の検出に影響を及ぼすものであってはならない。
【0040】
本発明の特定の実施形態において、凹面ミラーセンサーは、中央部分が除去又は被覆されて環状になっていてもよい。これは図6及び7中に例証され、後者においては、センサー13は基板14の上で応答指令信号を受信している。この実施形態において、探針16の発する光15が環の中央に集中し(すなわち完全な凹面ミラーが存在するかのようになり)、広がってその領域を覆う場合には、ホログラムによって疑似の単色光17が中心に集中した状態が保たれ、あたかも完全な凹面ミラー画像であるかのような状態になるであろう。本発明の他の実施形態を図8中に概略的に示すが、この実施形態において、同軸上にある環18、19、20は、様々な検体を検出するための配置の例を示す。
【0041】
図9は、コーナーキューブプリズムを使用して形成されたホログラムをそれぞれが含む二つの区画21及び22を有するホログラフィックセンサーを示す。区画21及び22があることによって、様々な異なる検体の検出が可能である。この区画はいずれも入射光を光源(例えば本明細書中に例証する光学ファイバー束)に対して反射するため、このセンサーを使用すれば二つの検体を同時に検出することができる。
【0042】
図10は、凸面ミラーを使用して記録されたホログラムの射線を示す概略図である。緩やかに湾曲した凸面ミラーを使用することによって、焦点距離Fが長くて入射光を平行化できるセンサーの作製が可能である。
【0043】
図11は、ホログラムの記録後に支持媒体を変形させることにより作製された本発明のセンサーを示す。図11中において、平面状センサー23が湾曲面24の中に成形されることによって、支持媒体の湾曲した反射焦点を有するセンサー25が形成されている(図示のように、センサーは湾曲面に接している)。この方法は、平面又は非平面ミラーを使用して記録されるホログラムを有するセンサーについて使用することができる。後者の場合には、焦点は中心とほぼ同一であろう。
【0044】
次の実施例により本発明を説明する。
【0045】
アクリルアミド60モル%、メタクリルアミド30モル%、メチレンビスアクリルアミド4.9モル%及び2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸5.1モル%の混合物を重合することにより、支持媒体を形成した。DMSO中に溶解したDMPA(433ml)を乾燥分0.1961gに対して使用した。スライドグラス一枚について混合物100μlを使用し、20.7℃で30分間重合させた。
【0046】
その後、AgNO(0.25M、400ml)をポリマー中に2分間浸漬し、過剰分を拭き取った後、温風を5分間あててスライドグラスを乾燥させた。続いて、4%(v/v)KBrを含有するメタノールと水の混合物(1:1)中に溶解した4%(v/v)QBS染料を使用してスライドグラスを1分間震盪した後、スライドグラスを蒸留水で洗浄して、表面に残留する過剰な臭化物イオン及び全ての臭化銀を除去した。二つの凹面ミラーが隣り合って入っていて、かつ、60%(v/v)エタノールと水とからなる溶液の入った皿の中にポリマー側を下にしてスライドグラスを置き、5分間静置した。その後、二つのミラーのホログラフィック画像をレーザを使用して記録した。
【0047】
画像の現像は、Saxby A:Saxby Bの比が4:1の現像液を使用して、脱イオン水中で洗浄し、停止液(5%(v/v)酢酸)中に入れて、最後に脱イオン水で洗浄することによって実施した。その後、スライドグラスをチオ硫酸ナトリウム中で5分間震盪し、過剰な銀及びQBS染料を除去した。続いてメタノール中でスライドグラスを約20分間静置して、残留する染料を完全に除去した。
【0048】
光学ファイバー束と12.5mm焦点レンズとを組み合わせた探針を使用して、ホログラムを観察した。ファイバー束とレンズの間隔は、レンズとセンサーの間隔と同じ25mmとした。目視角度を調節する装置を探針から一定距離離して使用することによって、観察を実施した。ピークとバックグラウンドノイズとが区別できなくなるまで、角度を変えてピーク回折波長を記録した。
【0049】
結果を図12中に示す。記録過程で凹面ミラーを使用することによって、従来のセンサーより広い範囲の角度でセンサーの反応が観察された。
【符号の説明】
【0050】
1、ホログラフィックプレート
2、凹面ミラー
3、露光浴
4、レーザ光線
5、コーナーキューブプリズム
6、中央のファイバー
7、環状ファイバー
8、凹面ミラーを使用して形成されたセンサー
9、光ファイバー束
10、入射光
11、反射光
12、拡散環境
13、センサー
14、基板
15、光
16、探針
17、疑似の単色光
18、環
19、環
20、環
21、区画
22、区画
23、平面状センサー
24、湾曲面
25、支持媒体の湾曲した反射焦点を有するセンサー
F、焦点距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を含み、前記媒体にホログラムが配置されたセンサーであって、
媒体の物性が変化することによってホログラムの光学特性が変化し、また、ホログラムは非平面ミラー状に形成されている
ことを特徴とするセンサー。
【請求項2】
ホログラムは凹面ミラー状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
【請求項3】
ホログラムは凸面ミラー状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
【請求項4】
ホログラムはコーナーキューブプリズム状に形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサー。
【請求項5】
媒体中に非平面ミラー状のホログラムを形成することを含む
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサーの作製方法。
【請求項6】
非平面媒体中でホログラムを記録する
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
平面ミラーを使用してホログラムを記録する
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
非平面ミラーを使用してホログラムを記録する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項9】
凹面ミラーを使用してホログラムを記録する
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
逆反射可能なミラーを使用してホログラムを記録する
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
コーナーキューブプリズムを使用してホログラムを記録する
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
一種以上の反射ビーズを使用してホログラムを記録する
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
レンズ、開口部、スリット若しくは障害物又はこれらの組み合わせを光源と媒体の間に配置してホログラムを記録する
ことを特徴とする請求項5〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
検体を検出する方法であって、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサーのホログラフィック素子に遠隔から光で応答指令信号を送ること、及び、センサーの光学特性の任意の変化を検出することを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
光は平行化されている
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−207646(P2010−207646A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150886(P2010−150886)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【分割の表示】特願2006−520894(P2006−520894)の分割
【原出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(501023524)ケンブリッジ エンタープライズ リミテッド (17)
【出願人】(504370977)スマート ホログラムズ リミテッド (12)
【Fターム(参考)】