説明

ホーム基地局−ゲートウェイ内UEリロケーションアクセス制御

ホーム基地局に関連付けられたクローズド加入者グループのメンバーである移動電話が、コアネットワークにかかる負荷を低減するようにして、近傍のホーム基地局間でハンドオーバすることができる通信システムが記述される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動電気通信ネットワーク、特に、排他的(専用)ではないが、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)標準規格又はその等価物若しくは派生物に従って動作するネットワークに関する。本発明は、特に、排他的(専用)ではないが、移動ユーザーデバイスの移動性に、より具体的には、ホーム基地局間の移動デバイスの移動性に関連している。
【0002】
本出願は、2009年8月12日に出願された英国特許出願第0914103.7号に基づくと共に該特許出願からの優先権の利益を主張する。該特許出願の開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
3GPP標準規格の下で、NodeB(又はLTEにおいてはeNB)は、移動デバイスがコアネットワークに接続する際に経由する基地局である。最近では、3GPP標準化団体は、公式のアーキテクチャを採用し、ホーム基地局(HNB)のための新たな標準規格に対する取り組みを始めた。ホーム基地局がLTE(ロングタームエボリューション)標準規格に従って動作している場合、HNBはHeNBと呼ばれることがある。同様のアーキテクチャがWiMAXネットワークにも適用される。この場合、ホーム基地局は一般にフェムトセルと呼ばれる。単純にするために、本出願ではHNBという用語を用いて任意のそのようなホーム基地局を指し、NodeBという用語を総称的に用いて他の基地局(HNBが動作するマクロセルの基地局等)を指す。1つ又は複数のHNBは自宅内の無線カバレッジ(例えば3G/4G/WiMAX)を提供し、1つ又は複数の適切な公衆ネットワークを介して(例えばインターネットへのADSLリンクを介して)コアネットワークへ接続し、3GPP標準規格の場合は、1つ又は複数のHNBからのトラフィックを集約するHNBゲートウェイ(HNB−GW)を介してコアネットワークへ接続する。
【0004】
HNBは複数のアクセスモード、すなわち、HNBがクローズド加入者グループ(CSG)セルとして動作する「クローズド」アクセスモード、HNBがCSGセルとして動作するが、同時に非メンバーもアクセスを許される「ハイブリッド」アクセスモード、及びHNBが通常の(非CSG)セルとして動作する「オープン」アクセスモードのうちの1つを用いて動作するように構成することができる。
【0005】
複数のCSGのメンバーである移動デバイスが、アクセス制御に成功した後に、第1のCSGのメンバーである第1のホーム基地局から、第2の異なるCSGのメンバーである第2のホーム基地局にリロケートすることができる。
【0006】
現在のところ、移動デバイスがHNB間でハンドオーバする際の移動デバイスのためのアクセス制御は、状況に応じて、HNB−GWによって実行されることもあれば、コアネットワークによって実行されることもある。HNBに関連付けられたセルのサイズが小さいとき、HNB間リロケーションが頻繁に生じることになるので、本発明者らは、コアネットワークにおいてアクセス制御を実行することがそのリソースを消耗する原因になること、それゆえ、アクセス制御が、コアネットワークではなく、HNB−GWにおいて実行されれば好都合であることを理解している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
当業者が効率的に理解するために、本発明は3Gシステムとの関連で詳細に説明されることになるが、本発明の原理は、システムの対応する要素を必要に応じて変更して、移動デバイス又はユーザー装置(UE)がいくつかの基地局のうちの1つと通信する他のシステム(WiMAX等)にも適用することができる。
【0008】
したがって、本発明の好ましい実施の形態は、上記の問題を克服するか、又は少なくとも緩和する方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、ゲートウェイデバイスが、ソースホーム基地局から、移動通信デバイスをソースホーム基地局からターゲットホーム基地局にリロケートするための要求を受信する。ゲートウェイデバイスは、その要求に基づいて、移動通信デバイスのための一時識別子を決定し、一時識別子を含む要求メッセージをネットワークデバイスに送信する。ゲートウェイデバイスは、ネットワークデバイスから、移動通信デバイスの永久識別子を特定するメッセージを受信すると、その永久識別子に基づいて、移動通信デバイスをターゲットホーム基地局にリロケートするためのアクセス制御を開始する。
【0010】
アクセス制御がコアネットワークにおいて実行されないので、これは、都合の良いことに、HNB間ハンドオーバに対するコアネットワーク関与を低減する。更に都合の良いことに、これにより、CSG使用可能及び非CSG使用可能移動電話の両方のためのアクセス制御を同じデバイスによって実行することができるようになり、それにより、アクセス制御の取り扱いの均一性を高め、かつ処理の複雑さを低減することができる。
【0011】
ゲートウェイデバイスは、移動通信デバイスの永久識別子がターゲットホーム基地局のためのアクセス制御リスト上にあるか否かを調べ、リスト上にある場合には、ターゲットホーム基地局にリロケーションメッセージを送信することができる。
【0012】
ゲートウェイデバイスは、ターゲットホーム基地局がアクセス制御を実行することができるように、ターゲットホーム基地局にリロケーションメッセージを送信することができる。
【0013】
ゲートウェイデバイスは、コネクション型(connection oriented)プロトコルを用いて要求メッセージを送信することができ、かつ/又はコネクション型プロトコルを用いて永久識別子を特定するメッセージを受信することができる。
【0014】
ソースホーム基地局及び/又はターゲットホーム基地局は、HeNB若しくはフェムトセルとすることができ、かつ/又はクローズド加入者グループ能力を有することができる。
【0015】
永久識別子は、国際移動加入者識別番号とすることができる。一時識別子は、ゲートウェイデバイスによってサービングされる他のデバイスから、その移動通信デバイスを識別することができる。
【0016】
ゲートウェイデバイスは、ソースホーム基地局及びターゲットホーム基地局が同じクローズド加入者グループに属するか、異なるクローズド加入者グループに属するかを調べることができる。
【0017】
ここで、本発明の実施形態を、例として、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態が適用可能であるタイプの移動電気通信システムを示す概略図である。
【図2】図1に示されるシステムの一部を形成する移動電話のブロック図である。
【図3】図1に示されるシステムの一部を形成するホーム基地局のブロック図である。
【図4】図1に示されるシステムの一部を形成するホーム基地局ゲートウェイのブロック図である。
【図5】図1のシステムの動作を例示するシグナリングフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
概説
図1は、移動(セルラー)電気通信システム1を概略的に示しており、そのシステムでは、移動電話(MT)3のユーザーが、「ホーム」基地局(HNB)に基づくセル9−1から離れているときに、3G無線アクセスネットワーク(RAN)基地局5のマクロセル、無線ネットワークコントローラー(RNC)7及びコアネットワーク(CN)8を介して、他のユーザー(図示せず)と通信することができる。電気通信システム1において、ユーザーは、HNBに基づくセル9−1内にいるときに、HNB11−1のセル9−1、公衆データネットワーク(この場合、インターネット13)、ホーム基地局ゲートウェイ(HNB−GW)15及びコア電話網8を介して、他のユーザー(図示せず)と通信することもできる。HNB11−1は通常、ADSL又はケーブル接続のような適切なインターネット接続を介してそれぞれのHNB−GW15に接続し、それぞれのHNB−GW15を介して全てのアップリンク通信が送信されるように、HNB−GW15のIPアドレスをプログラミングされる。
【0020】
自らのセル9−2を有する第2のHNB11−2が示されており、移動電話3は、どのHNBが最も良い接続を提供するかによって、HNB11間でハンドオーバすることができる。
【0021】
この実施形態では、HNB11−1及び11−2はいずれも「クローズド」モードにおいて動作するように構成され、そのモードでは、HNB11に関連付けられたそれぞれのクローズド加入者グループ(CSG)のメンバーだけがアクセスを許される。
【0022】
以下で更に詳細に説明されるように、この実施形態では、HNB−GW15は、移動電話3がHNB11間でハンドオーバするときにアクセス制御を実行し、識別情報がまだ入手されていない場合には、入手するために、コアネットワーク8から移動電話3のための識別情報を要求する。
【0023】
移動電話
図2は、図1に示す移動電話3の主要構成要素を概略的に示している。図示されるように、移動電話3は、1つ又は複数のアンテナ25を介してRAN基地局5又はHNB11に対し信号を送受信するように動作可能な送受信機回路部23を備える。図示されるように、移動電話3は、該移動電話3の動作を制御するコントローラー27も備え、該コントローラー27は、送受信機回路23、並びにラウドスピーカー29、マイクロフォン31、ディスプレイ33、及びキーパッド35に接続される。コントローラー27はメモリ37内に記憶されているソフトウェア命令に従って動作する。図示されるように、これらのソフトウェア命令には、中でも、オペレーティングシステム39、電話登録モジュール41、測定モジュール42、及びCSG管理モジュール43が含まれる。
【0024】
この実施形態では、電話登録モジュール41は、移動電話3がそのHNB11の範囲内にいるときに、ホーム基地局11を選択することができるようにする。測定モジュール42は、移動電話3が、該移動電話3の付近にあるセル9に対する測定を実行することができるようにする。CSG管理モジュール43は、移動電話3がメンバーであるCSGの詳細を含む少なくとも1つのCSGリスト45を保持する(例えば、運用者によって管理される「許可CSGリスト」及び/又はユーザーによって管理される「ユーザーCSGリスト」)。
【0025】
ホーム基地局11の選択は自動的に制御することもでき、ユーザーによって手動で制御することもできること、及びCSGリスト45は、移動電話3のメモリ37に、かつ/又は汎用加入者識別モジュール(USIM)(図示せず)に格納することもできることは理解されよう。
【0026】
ホーム基地局
図3は、図1に示すホーム基地局(HNB)11のそれぞれの主要構成要素を示すブロック図である。図示されるように、各HNB11は、1つ又は複数のアンテナ53を介して移動電話3に対し信号を送受信するように動作可能であり、かつHNB−GWインターフェース55を介してHNB−GW15に対し信号を送受信するように動作可能な送受信機回路部51を備える。送受信機回路部51の動作は、メモリ59内に記憶されているソフトウェアに従ってコントローラー57によって制御される。このソフトウェアには、中でも、オペレーティングシステム61、基地局登録モジュール63、移動電話登録モジュール65、接続管理モジュール67、システム情報モジュール68、及びCSG管理モジュール69が含まれる。
【0027】
基地局登録モジュール63は、HMB11をHNB−GW15に登録するように動作可能であり、移動電話登録モジュール65は、移動電話3をHNB11及びHNB−GW15に登録するように動作可能である。接続管理モジュール67は、HNB11のセル9にキャンプオンする移動電話3の接続を管理するように動作可能である。HNB11のCSG管理モジュール69は、アクセスモードのうちの1つ(「クローズド」、「ハイブリッド」又は「オープン」)の下で動作するようにHNB11を構成するように、かつ(ハイブリッドCSGアクセスモード又はクローズドCSGアクセスモードが構成される場合)HNB11に関連付けられたCSGを設定するように動作可能である。システム情報モジュール68は、HNB11のCSGアクセスモードを識別する情報を含むセル9に関連するシステム情報を、付近の移動電話3にブロードキャストするように動作可能である。
【0028】
ホーム基地局ゲートウェイ
図4は、図1に示されるホーム基地局ゲートウェイ(HNB−GW)15の主要構成要素を示すブロック図である。図に示されるように、HNB−GW15は、送受信機回路部70を備えており、送受信機回路部は、HNBインターフェース72を介して、HNB11に対し信号を送受信するように動作可能であり、かつ、CNインターフェース74を介して、CN8に対し信号を送受信するように動作可能である。送受信機回路部70の動作は、メモリ78内に記憶されているソフトウェアに従ってコントローラー76によって制御される。このソフトウェアは、中でも、オペレーティングシステム80、基地局登録モジュール82、移動電話登録モジュール84及びアクセス制御モジュール86を含む。
【0029】
基地局登録モジュール82は、HNB11をHNB−GW15に登録するように動作可能であり、電話登録モジュール65は、移動電話3をHNB−GW15に登録するように動作可能である。アクセス制御モジュール86は、HMB−GW15によってサービングされるHNB11間を移動する移動電話3のためのアクセス制御を実行するように動作可能である。アクセス制御モジュール86は、HMB−GW15によってサービングされるCSG使用可能HNB11毎に1つ又は複数のアクセス制御リスト(ACL)88を保持する。各ACL88は、それぞれのHNBのCSGのメンバーである移動電話3の詳細を含む。
【0030】
上記の説明において、移動電話3、ホーム基地局11及びホーム基地局ゲートウェイ15は、理解しやすくするために、複数の別々のモジュール(基地局登録モジュール、電話登録モジュール、アクセス制御モジュール等)を有するものとして説明される。或る特定の応用例、例えば、本発明を実施するために既存のシステムが変更された場合には、これらのモジュールはこのようにして設けられてもよいが、他の応用例、例えば、最初から本発明の機構を念頭において設計されるシステムでは、これらのモジュールはオペレーティングシステム又はコード全体の中に組み込むことができるので、これらのモジュールは別々の実体として区別可能でない場合もある。
【0031】
例示的な実施態様−概説
ここで、1つの例示的な実施態様が説明され、第1の(ソース)HNB11−1のセル9にキャンプオンしている移動電話3が、アクティブ状態/モードで開始し、その後に、HNB11−1のセル9−1から、第2の(ターゲット)HNB11−2のセル9−2にリロケートする。
【0032】
CSG使用可能移動電話3がアクティブモードにあり、例えば、ユーザーが電話をかけているか、又はインターネットにアクセスしているとき、そのユーザーは移動電話3を移動させることができ、移動電話3が現在キャンプオンしているHNB11−1(ソースHNB11−1)のセル9−1がもはや、移動電話3にとって最も適したセル9−1でなくなり、例えば、移動電話3は、ソースHNB11−1の信号強度が近傍のターゲットHNB11−2の信号強度よりも弱くなるように移動している場合がある。この場合、移動電話は、ターゲットHNB11−2によってサービングされるように移動することが好ましい可能性がある。
【0033】
移動電話3がセル9から移動すべきであるか否かを判断するために、移動電話3は、キャンプオンしているセル9−1及び付近にある他のセル9−2(例えば、近傍/近隣のセル)の両方のための測定(例えば、周波数内、周波数間及びRAT間移動性、品質、UE内部、位置決め測定等)を実行する。
【0034】
その測定は、近傍セルのHNB11によって送信される信号に対して実行される。近傍セルのHNB11−2も、セル9−2がクローズドセルであるか否かを、そしてクローズドセルである場合にはCSG識別子を特定する信号を送信する。測定を実行するとき、CSGをサポートする移動電話3は、任意の受信されたCSG識別子情報と、自らのCSGリスト45とを比較し、その移動電話3がCSG識別子を送信したHNB11−2に接続する権利があるか否かを判断することによって、アクセス制御を実行する。移動電話3が、所与のHNB11に接続する権利がないと判断する場合には、そのHNB11−2のための測定結果は無視される。
【0035】
その後、移動電話3は、測定報告において、その調査結果を、移動電話3のための識別子と共にソースHNB11−1に報告する。移動電話3が測定報告に含む識別子は一時識別子であり、これは、移動電話3がHNB−GW15に登録されるときに生成され、HNB−GW15に登録された他のデバイスから移動電話3を一意に区別する。
【0036】
ソースHNB11−1は、測定報告の受信時に、移動電話3が他のHNB11−2にリロケートするべきであるか否かを判断する。移動電話3が他のHMB11−2にリロケートすべきであると判断される場合には、ソースHNB11は、移動電話3のための一時識別子を含む要求をHNB−GW15に送信し、ターゲットHNB11−2へのリロケーションを開始する。
【0037】
HNB−GW15は、その要求を処理して、移動電話3、ソースHNB11−1、及び移動電話3がリロケートすべきであるターゲットHNB11−2を識別し、そのアクセス制御リスト88を用いてリロケーションのためのアクセス制御を開始する。ACLは、国際移動加入者識別番号(IMSI)のような永久識別子を用いて、移動電話3を識別するので、HNB−GW15は、コアネットワーク8から、移動電話3の永久識別子を入手しなければならない。HNB−GW15は、コアネットワーク8に、移動電話3の一時識別子を含む要求を送信することによって、これを果たす。
【0038】
HNB−GW15は、CN8から移動電話の永久識別子を受信すると、その永久識別子がターゲットHNBのACL88上にあるか否かを調べることによって、移動電話3のためのアクセス制御を実行する。永久識別子がターゲットHNBのACL88上にない場合には、アクセス制御は失敗し、HNB−GW15はソースHNB11に通知する。永久識別子がターゲットHNBのACL88上にある場合には、アクセス制御は成功し、HNB−GW15はターゲットHNB11にメッセージを送信し、ハンドオーバを開始する。
【0039】
例示的な実施態様−詳細
HNB測定
移動電話3の測定モジュール42は、移動電話3が接続モード/状態にあるときに、サービングしているセル9−1及び付近にある他の(近傍)セル9−2の両方における測定(例えば、周波数内、周波数間及びRAT内移動性、品質、UE内部、位置決め測定等)を実行するように動作可能である。その測定は自動的に行なうこともできるし、ソースHNB11−1によって若しくはソースHNB11−1を介して、明示的に要求されることもでき、例えば、ソースHNB11は、移動電話3がキャンプオンしているセルに対して、移動電話3に測定を実行するように要求することができる。そのような要求は、移動電話3が測定値を比較するための、信号強度測定値のような所定の判定基準を含むことができる。測定モジュール42は、それらの測定が、移動電話3が別のセル9にリロケートするのが好ましいか否かを判断するために、移動電話3が近傍セル9に対して実行すべきであるような測定であるか否かを判断するように動作可能である。
【0040】
測定モジュール42は、測定中に、HNB11−2からCSG情報を受信すると、CSG識別番号IE(情報要素)を抽出し、それをCSG管理モジュール43に与えるように動作可能であり、CSG管理モジュール43は、CSG識別番号IEを、移動電話3がメンバーであるCSGの詳細を含むリスト45と比較するように動作可能である。CSG識別番号IEが移動電話のリスト45上にある場合には、そのHNB11−2からの測定値は、ソースHNB11−1に返送される報告内に含まれることになる。その報告は、測定されたセル毎の信号強度測定値に加えて、RNC−Id(無線ネットワークコントローラー識別番号)及びターゲットセル識別番号情報のような、セルを識別するデータも含む。
【0041】
別のHNBへのリロケーションの決定
ソースHNB11によって測定報告が受信されると、HNBは、移動電話3(UE)を別の(ターゲット)HNB11−2にリロケートするか否かを判断する(図5のステップ2)。
【0042】
その際、ソースHNB11−1は、HNB−GW15に、移動電話3のための現在のセッションのためのUEコンテキスト識別子、CNドメイン識別子のようなドメイン情報、並びにターゲットRNC−Id及びターゲットセル識別番号情報を含むリロケーション必須メッセージを含むメッセージを送信することによって、移動電話の通信セッションのターゲットHNB11−2へのリロケーションを開始する(図5のステップ3)。
【0043】
HNB−GWにおけるアクセス制御
HNB−GW15においてリロケーション必須メッセージを受信すると、HNB−GW15はターゲットRNC−Idを抽出し(図5のステップ4a)、それを自らのRNC−Idと比較する。ターゲットRNC−Id及びHNB−GWのRNC−Idの両方が同じである場合には、HNB−GW15は、そのリロケーション要求がHNB間リロケーション要求であることを判断する。また、HNB−GW15は、受信されたターゲットセル識別番号情報から、ターゲットHNB11−2がHNB−GW15に登録されていること確認し、それにより、そのリロケーション要求がHNB−GW内移動のための要求であると判断する。
【0044】
HNB−GW15が、非CSG使用可能移動電話のための(又は、非CSG使用可能HNB11に現在接続されているCSG使用可能移動電話のための)リロケーション要求を受信する場合には、移動電話3とソースHNB11−1との接続中にHNB−GW15に永久識別子が与えられることに起因して、HNB−GW15は移動電話3のためのこの識別子を既に有することになる。その際、HNB−GW15は、移動電話の永久識別子がターゲットHNBのACL88上にあるか否かを調べることによって、移動電話3のためのアクセス制御を実行することができる。移動電話の永久識別子がターゲットHNBのACL88上にある場合には、アクセス制御は成功し、HNB−GW15はHNBハンドオーバを開始し、そうでない場合には、アクセス制御は失敗し、HNB−GW15は、ソースHNB11−1にリロケーション準備失敗メッセージを送信する。
【0045】
HNB−GW15がリロケーション要求を受信し、かつ移動電話3並びにターゲットHNB11及びソースHNB11がいずれもCSG使用可能である場合には、HNB−GW15は、セル識別番号情報を用いて、両方のHNB11が同じACL88を利用するか否かを調べる。同じである場合には、移動電話3はソースHNB11に既に接続されているので、ターゲットHNB11に接続するのも許されるべきであり、したがって、HNB−GW15は、アクセス制御を再び実行するのを避けることができ、代わりに、HNBハンドオーバをそのまま開始する。
【0046】
ソースHNB11及びターゲットHNB11が同じCSGを利用しない場合には、HNB−GW15によってアクセス制御が実行される必要がある(図5のステップ4b)。しかしながら、ACLは永久識別子を使用するので、アクセス制御は、HNB−GW15が入手可能である一時移動電話識別子のみに基づいて実行することはできない。それゆえ、HNB−GW15は、UEコンテキストに関連付けられたPLMN(公衆陸上移動網)識別番号、LAC(ロケーションエリアコード)及び/又はRAC(ルーティングエリアコード)のような、コアネットワークが移動電話3を一意に識別するのを助ける他の情報と共に、移動電話の一時識別子を含む情報交換要求をCN8に送信することによって、CN8から移動電話の永久識別子を要求する(図5のステップ5a)。
【0047】
HNB−GW15において、CN8から、移動電話3の永久識別子を含む情報交換応答を受信すると(図5のステップ5b)、HNB−GW15は、移動電話の永久識別子がターゲットHNBのACL88上にあるか否かを調べることによって、移動電話3のためのアクセス制御を実行する。移動電話の永久識別子がターゲットHNBのACL88上にある場合には、アクセス制御は成功し、HNB−GW15はHNBハンドオーバを開始し、そうでない場合には、アクセス制御は失敗し、HNB−GW15はソースHNB111−1にリロケーション準備失敗メッセージを送信する。
【0048】
HNBハンドオーバ
HNBハンドオーバを開始すると、HNG−GW15はターゲットHNB11−2に、
UEコンテキストについての情報及びCNドメイン情報と共にリロケーション要求を送信する(図5のステップ6)。その後、ターゲットHNB11−2は移動電話3を登録し、リロケートされる移動電話3のためのリソース割当てを実行し(図5のステップ7)、その後、HNB−GW15にリロケーション要求肯定応答メッセージを送信する(図5のステップ8)。
【0049】
その後、HNB−GW15は、ソースHNB11−1にリロケーション指令メッセージを送信し(図5のステップ9)、図5のステップ10〜15に示されるように、HNBハンドオーバが従来通りに継続する。
【0050】
変更形態及び代替形態
上記で詳細な実施形態が説明された。当業者であれば理解するように、上記の実施形態に対し、該実施形態において具現化される本発明から依然として利益を受けながら、複数の変更及び代替を行うことができる。
【0051】
上記の実施形態では、移動電話ベースの電気通信システムが説明された。当業者であれば理解するように、本出願において記載されるシグナリング技法を他の通信システムに用いることができる。他の通信ノード又は通信デバイスは、例えば、個人用携帯情報端末、ラップトップコンピューター、ウェブブラウザー等のようなユーザーデバイスを含むことができる。
【0052】
上述した実施形態において、移動電話及びHNBはそれぞれ送受信機回路部を備える。通常、この回路部は、専用ハードウェア回路によって形成される。しかしながら、いくつかの実施形態では、送受信機回路部の一部を、対応するコントローラーによって実行されるソフトウェアとして実装することができる。
【0053】
上記の実施形態では、複数のソフトウェアモジュールが説明された。当業者であれば理解するように、それらのソフトウェアモジュールは、コンパイルされた形式でもコンパイルされていない形式でも提供することができ、コンピューターネットワークを介した信号として又は記録媒体上で、HNB又は移動電話に供給することができる。さらに、このソフトウェアの一部又は全てによって実行される機能は、1つ又は複数の専用ハードウェア回路を用いて実行することができる。しかしながら、ソフトウェアモジュールの使用によって、基地局、ゲートウェイ及び移動電話の機能を更新するために該基地局、ゲートウェイ、及び該移動電話を更新するのが容易になるため、ソフトウェアモジュールの使用が好ましい。
【0054】
明細書において、具体的な通信ノード(例えば、HNB、基地局、NodeB、RNC)が説明されてきたが、その説明を、類似の機能を有する他のノードにも同じく当てはめることができることは理解されよう。詳細には、用語HNBは、任意のタイプのネットワーク(例えば、LTE、WiMAX等)のホーム基地局を指すのに包括的に用いられること、並びに類似の機能を基地局(NodeB)及び/又はRNCによって提供することができることは理解されよう。
【0055】
1つの可能性として、HNB−GWがアクセス制御を実行する代わりに、HNB−GWがコアネットワークから汎用識別子情報を受信すると、HNB−GWはこの情報をターゲットHNBに転送し、その際、ターゲットHNBが自らアクセス制御を実行する。
【0056】
1つの可能性として、測定報告に基づいて、ソースHNBが移動電話をリロケートするのを決定する代わりに、ソースHNBは、ソースHNBにおける1つ又は複数の実施態様特有の理由に基づいて、リロケートをするのを決定することができる。
【0057】
上記の実施形態では、HNB−GWは、コアネットワークから、移動電話3の永久識別子を要求する。HNB−GWは、RANAPコネクションレス型アップリンク情報手順のような、コネクションレス型プロトコル(2つのデバイス間の通信において、予め順序を踏むことなく、一方のデバイスから他方のデバイスにメッセージが送信される手順)を用いて、この情報を要求することができる。別の可能性として、3GPP TS25.413において記述されるコネクション型モードのような、コネクション型プロトコル(例えば、通信前に終端間で通信セッションが確立されるプロトコル)を用いて、HNB−GWによってCNに情報交換要求を送信することができる。
【0058】
上記の実施形態では、HNB−GWが、リロケーション要求を受信し、かつソースHNB及びターゲットHNBの両方が同じACLを利用すると判断するとき、HNB−GWはアクセス制御を実行せず、代わりに、HNBハンドオーバを開始する。別の可能性として、HNB−GWは、ソースHNB及びターゲットHNBが同じACLを利用するか否かにかかわらず、(上記のように)アクセス制御を開始することができ、そのような場合には、HNB−GWは、ソースHNB及びターゲットHNBが同じACLを利用するか否かを調べる必要はない。ソースHNB及びターゲットHNBが同じACLを利用するか否かにかかわらずアクセス制御を実行することによって、移動電話がソースHNBに登録する時刻とHNB−GWがリロケーション要求を受信する時刻との間の期間において、ターゲットのACLが移動電話の永久識別子を除去するように変更された場合に、移動電話がターゲットHNBに接続するのを許されるべきであるか否かを正確に判断することができるようになる。さらに、ソースHNB及びターゲットHNBが同じACLを利用するか否かにかかわらずアクセス制御を実行することによって、例えば、スプーフィングされたリロケーション要求を阻止することにより、セキュリティを高めることもできる。
【0059】
種々の他の変更は当業者には明らかであり、ここでは、これ以上詳しくは説明しない。
【0060】
以下は、現在提案されている3GPP標準規格において本発明を実施することができる方法の詳細な説明である。種々の機構が不可欠であるか、又は必要であるように記述されるが、これは、例えば、その標準規格によって課せられる他の要件に起因して、提案された3GPP標準規格の場合のみ当てはまる場合がある。それゆえ、ここで述べられることは、本発明を多少なりとも制限するものと解釈されるべきではない。
【0061】
1. 序論
R9WI「Support of Home NB and Home eNB enhancements RAN3 aspects」[1]は、WIの目的の1つである、HNB間移動性のサポートを含む。これまでのRAN#3ミーティング中に、移動中のアクティブモードにおけるアクセス制御機構に関して、数多くの検討が行なわれた。多数のオプションが検討されたが、まだ決定されていない。この寄稿は、アクティブモードにおいてHNB−GW内移動中にアクセス制御を実行する種々の機構を分析する。
【0062】
2. 検討
現在の作業仮説は、以下の通りである。
・初期アクセス制御は、UEにおいて実行されるべきである(RAN2からの実現可能性による)。
・UEアクセス制御にかかわらず、ネットワークはいつでも第2のアクセス制御を実行する。
【0063】
マクロアクセスネットワークとは異なるHNBアクセスネットワークのための基本概念を考える必要がある。HNBセルは非常に小さなサイズのセルであり、マクロシナリオに比べて、ハンドオーバの数がはるかに多く、頻繁である。例えば、アクセス制御を決定する際に、
・許可されないUEの場合に早期に拒否するために、
・CNの関与を最小限に抑えるために、
・シグナリングを最小限に抑えるために、
・必要とは限らない場合に変更を回避するために、
・情報を検証することに関するセキュリティ及び一貫性を遵守するために、
いくつかの基本概念が考慮される必要がある。
【0064】
H(e)NBアクセス制御のためのアクセス制御機構を決定するときに、CSG UE及び非CSG UEに対して適用可能なアクセス制御のための共通の手法を見つけることが望ましい。また、UTRAN及びE−UTRANの場合に同じ機構、又はできる限り近い機構を有することが好ましい。しかしながら、レガシーUEをサポートするための要件があるので、必ずしも共通の手法を実際に採用することが可能であるとは限らない。アクセス制御が、非CSG UEの場合にHNB−GWにおいて実行され、一方、CSG UEの場合にCNにおいて実行されるときに、同様の問題がリリース8においても経験される。それゆえ、完全なアーキテクチャを定義するために、確かにいくつかの例外が必要とされるものの、全ての使用事例を個別に検討し、その後、できる限り近い解決策を発展させる必要がある。アクセス制御の場所は現在検討中である。また、UEが初期アクセス制御を実行するにしても、その後に行なわれるアクセス制御の場所も検討された。
【0065】
アクセス制御の場所だけが検討中であることに留意されたい。リリース8において既に確立されているアクセス制御機構の変更はないはずである。そうは言っても、他のWGによって提起された問題を遵守する必要があり、例えば、CT1 LS[3]の場合に、RANノードが、「アクセス制御のためにではなく」、ページングを最適化するためにのみ許可CSGリストを使用する場合には、CT1はページングメッセージ内に許可CSGリストを含むことについての問題を検討しない。さらに、早期の検討中に[4]、HNB GWにおけるアクセス制御のためのUE IMSIリストは、オペレータ側にある中央IMSIリストデータベースからダウンロードされるべきであるということで合意したので、それに従うべきである。この同じIMSIリストが、HNB−GWにおけるアクセス制御の場合にも用いられるべきである。HNB−GWは自らアクセス制御を実行すべきであるか、又はその要求をターゲットに転送することができる。
【0066】
この場合、ソースHNB及びターゲットHNBは同じHNB−GWに接続され、移動はIuシグナリング接続を変更することなく実行される。フェムトセルは小さなセルであり、非常に数が多いので、このタイプの移動は非常に頻繁である。大抵の場合に、2つのHNBが同じHNB−GWに接続されると一般的に仮定される。
【0067】
非CSG UE:リリース8では、非CSG UEのためのアクセス制御はHNB−GWにおいて実行される。ソースHNB及びターゲットHNBは同じHNB−GWに接続される。したがって、HNB−GWは、移動中にターゲットHNBのためのアクセス制御を実行すべきである。
【0068】
CSG UE:リリース8では、UE及びHNBがいずれもCSG可能である場合、CSG UEのためのアクセス制御はCNにおいて実行される。しかしながら、1つの特定のシナリオ、すなわち、CSG UE及び非CSG HNBの場合、HNB−GWが、CSG UEのためのアクセス制御も実行する。それゆえ、HNB−GW内シナリオの場合、HNB−GWは、CSG UEのためのアクセス制御も実行すべきである。
【0069】
提案1:HNB−GW内中に、CSG UE及び非CSG UEいずれのためのアクセス制御もHNB−GWにおいて実行されるべきである。
【0070】
提案2:提案1を完全にするために、CSG UEのIMSIが存在しない場合には、HNB−GWは、RANAPアップリンクシグナリング情報要求手順を用いて、CNから、登録されたCSG UEのためのIMSI値を要求することができるべきである。このRANAP手順は、そのような機能を取り扱うように更新されるべきである。
【0071】
3. 結論
上記の検討から、以下のことが提案される。
【0072】
提案1:HNB−GW内中に、CSG UE及び非CSG UEいずれのためのアクセス制御もHNB−GWにおいて実行されるべきである。
【0073】
提案2:提案1を完全にするために、CSG UEのIMSIが存在しない場合には、HNB−GWは、RANAPアップリンクシグナリング情報要求手順を用いて、CNから、登録されたCSG UEのためのIMSI値を要求することができるべきである。このRANAP手順は、そのような機能を取り扱うように更新されるべきである。
【0074】
4. 引例
[1] RP-090349 Support of Home NB and Home eNB enhancements RAN3 aspects
[2] TS 25.413 RANAP Specification
[3] LS Reply from CT1 [R3-090492] Paging Optimization
[4] R3-083149
【0075】
図5
図5のステップを参照する。
【0076】
1.ソースHNB及びHNB−GWを介して、UEが、CNとのアクティブCS/PS(回路切替/パケット切替)セッションを確立している。
【0077】
2.或る時点で、ソースHNBが、UEセッションをリロケートすることを決定する(例えば、UEからの測定報告に基づくか、又はソースHNBにおける任意の他の実施態様特有の理由に基づく)。
【0078】
3.ソースHNBが、RUA直接転送メッセージ内にカプセル化されるRANAPリロケーション必須メッセージを送信することによって、UEセッションのリロケーションをトリガーする。ソースHNBによって、リロケーション情報と共に、ターゲットRNC−Id及びターゲットセル識別番号情報がRANAPリロケーション必須メッセージに含まれる。
【0079】
4.ターゲットRNC−IdがHNB−GWのRNC−Idであるので、HNB−GWは、これがHNB間リロケーション要求であると判断する。その際、HNB−GWは、ターゲットHNB(ターゲットセル識別番号に基づく)もHNB−GW内に登録されていることも確認する。また、HNB−GWは、その特定のUEのためのアクセス制御も実行する。そのアクセス制御は、以下の論理に基づくことができる。
UEが非CSG可能である:
◎UEがCSG可能でない場合には(例えば、プレリリース8UE)、HNB−GWはいずれにしても強制的なアクセス制御を実行するための情報を有する。
UEがCSG可能である:
◎UE及びHNBがCSG可能である場合には、HNB−GWは、ソースHNB及びターゲットHNBのCSG識別番号を調べる。
☆ ソースHNB及びターゲットHNBの両方が同じを有するなら(CSG内)、その場合には、アクセス制御がスキップされる。
☆ ソースHNB及びターゲットHNBの両方が異なるCSGを有する場合には(CSG間)、HNB−GWは、ターゲットCSGのためにUEのためのアクセス制御を実行すべきである。UEは、ソースHNBでの登録中に一時UE識別番号で登録されているので、HNB−GWは、アクセス制御を実行するために、UE永久識別番号(IMSI)を入手する必要がある(問題定義)。
注記:HNB−GWにおけるアクセス制御は、HNB−GWにおいてHNB毎に保持される、「アクセス制御リスト(ACL)」と呼ばれる「許可IMSIリスト」に対してUE永久識別番号(IMSI)を調べることによって実行される。
【0080】
5.(解決策)HNBはCNにUE IMSIを尋ねるであろう。2つの方法がある。
選択肢1:既存のRANAPコネクションレス型アップリンク情報交換手順を使用し、必要な変更を加えて、提案2を実現する。この選択肢の場合に、更に2つの可能性がある。
1a.TS25.413において現在規定されているようなコネクションレス型モードにおいて既存の手順を使用する。
1b.TS25.413において手順をコネクションレス型モードからコネクション型モードに変更しながら既存の手順を使用する。
選択肢2:上記の目的のために、新たなRANAP手順RANAP UE情報要求を定義する。
選択肢2a:コネクションレス型モードにおける新たな手順。
選択肢2b:コネクション型モードにおける新たな手順。
【0081】
6.アクセス制御が成功した場合には、HNB−GWは適切なRANAPリロケーション要求メッセージを構成し、RUA直接転送メッセージ内にカプセル化されたRANAPメッセージをターゲットHNBにルーティングする。アクセス制御が失敗した場合には、HNB−GWは、リロケーション手順を拒否し、RUA直接転送メッセージ内にカプセル化されたリロケーション準備失敗を送信すべきである。
【0082】
7.ターゲットHNBが、入ってくるUEセッションのための暗黙の登録を実行し(ネットワークによってトリガーされるUE登録に関する詳細及び可能な機構については[3]を参照)、リロケーションを扱うのに適したリソースも割り当てる。
【0083】
8.ターゲットHNBが、HNB−GWへのRUA直接転送メッセージ内にカプセル化された適切に構成されたRANAPリロケーション要求Ackメッセージを介して、リソース割当てに成功したことをHNB−GWに知らせる。
【0084】
9.HNB−GWが、適切なRANAPリロケーション指令メッセージを構成し、RUA直接転送メッセージ内にカプセル化されたRANAPメッセージをソースHNBにルーティングする。
【0085】
10−14.リロケーション手順の残りは、上記の図の対応するステップにおいて示されるように継続する。
【0086】
15.HNB−GWは、UEがターゲットHNBにリロケートするのに成功したという指示を得ると、ソースHNBからUEの登録を解除する。ソースHNBは、UEに割り当てられたリソースを解放し、UEに関連付けられた全ての格納されたコンテキスト情報を削除する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク内で接続を行なうためのゲートウェイデバイスであって、
該ゲートウェイデバイスによってサービングされる第1のホーム基地局から、移動通信デバイスを該ゲートウェイデバイスによってサービングされる第2のホーム基地局に登録するためのリロケーション必須メッセージを受信する手段と、
前記受信されたリロケーション要求メッセージから、前記移動通信デバイスのための一時識別子を決定する手段と、
前記通信ネットワークのコアネットワークデバイスに、前記移動通信デバイスの永久識別子を要求するための情報要求メッセージを送信する手段であって、該情報要求メッセージは前記一時識別子を含む、送信する手段と、
前記通信ネットワークのコアネットワークデバイスから情報応答メッセージを受信する手段であって、該情報応答メッセージは前記移動通信デバイスの永久識別子を含む、受信する手段と、
前記受信された永久識別子に基づいて、前記第2のホーム基地局に対する前記移動通信デバイスのためのアクセス制御を開始する手段とを備える、ゲートウェイデバイス。
【請求項2】
前記受信された永久識別子が前記第2のホーム基地局のためのアクセス制御リスト上にあるか否かを判断する手段を更に備え、
前記受信された永久識別子が前記アクセス制御リスト上にあると判断すると、前記第2のホーム基地局に、前記移動通信デバイスのためのリロケーション要求メッセージを送信する手段を更に備える、請求項1に記載のゲートウェイデバイス。
【請求項3】
前記第2のホーム基地局に、前記移動通信デバイスのためのリロケーション要求メッセージを送信する手段を更に備え、該リロケーション要求メッセージは、前記第2のホーム基地局がアクセス制御を実行するための前記受信された永久識別子を含む、請求項1に記載のゲートウェイデバイス。
【請求項4】
情報要求メッセージを送信するための前記手段は、コネクション型通信プロトコルを用いて該情報要求メッセージを送信するように動作可能である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲートウェイデバイス。
【請求項5】
情報応答メッセージを受信するための前記手段は、コネクション型通信プロトコルに従って前記情報要求メッセージを受信するように動作可能である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲートウェイデバイス。
【請求項6】
前記第1のホーム基地局及び前記第2のホーム基地局はHeNB又はフェムトセルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲートウェイデバイス。
【請求項7】
前記永久識別子は国際移動加入者識別番号である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲートウェイデバイス。
【請求項8】
前記一時識別子は、前記ゲートウェイデバイスに登録されたホーム基地局によってサービングされる他のデバイスから、前記移動通信デバイスを一意に識別する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゲートウェイデバイス。
【請求項9】
前記第1のホーム基地局及び前記第2のホーム基地局並びに前記移動通信デバイスは、クローズド加入者グループ動作のために構成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゲートウェイデバイス。
【請求項10】
前記第1のホーム基地局のための第1のクローズド加入者グループを決定する手段と、
前記第2のホーム基地局のための第2のクローズド加入者グループを決定する手段と、
前記第1のクローズド加入者グループ及び前記第2のクローズド加入者グループが同じであるか又は異なるかを判断する手段とを更に備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載のゲートウェイデバイス。
【請求項11】
通信システムであって、
通信ネットワーク内で接続を行なうためのゲートウェイデバイスと、
前記ゲートウェイデバイスによってサービングされる第1のホーム基地局と、
前記ゲートウェイデバイスによってサービングされる第2のホーム基地局と、
前記第1のホーム基地局及び前記第2のホーム基地局に接続を行なうための移動通信デバイスとを備え、
前記移動通信デバイスは、
前記第1のホーム基地局及び/又は前記第2のホーム基地局から受信される信号に対して測定を実行する手段と、
前記実行された測定に基づいて、前記第1のホーム基地局に測定報告を送信する手段とを備え、
前記第1のホーム基地局は、
前記移動通信デバイスから測定報告を受信する手段と、
前記受信された測定報告から、前記移動通信デバイスが前記第1のホーム基地局から前記第2のホーム基地局にリロケートすべきであると判断する手段と、
前記ゲートウェイデバイスに、前記移動通信デバイスを前記第2のホーム基地局に登録するためのリロケーション必須メッセージを送信する手段とを備え、
前記ゲートウェイデバイスは、
前記第1のホーム基地局から、前記移動通信デバイスを前記第2のホーム基地局に登録するためのリロケーション必須メッセージを受信する手段と、
前記受信されたリロケーション要求メッセージから、前記移動通信デバイスのための一時識別子を決定する手段と、
前記通信ネットワークのコアネットワークデバイスに、前記移動通信デバイスの永久識別子を要求するための情報要求メッセージを送信する手段であって、該情報要求メッセージは前記一時識別子を含む、送信する手段と、
前記通信ネットワークのコアネットワークデバイスから、前記移動通信デバイスの永久識別子を含む情報応答メッセージを受信する手段と、
前記受信された永久識別子に基づいて、前記第2のホーム基地局に対する前記移動通信デバイスのためのアクセス制御を開始する手段と、
前記移動通信デバイスのためのリロケーション要求メッセージを前記第2のホーム基地局に送信する手段とを備え、
前記第2のホーム基地局は、
前記移動通信デバイスによって測定するための信号を送信する手段と、
前記移動通信デバイスのためのリロケーション要求メッセージを受信する手段とを備える、通信システム。
【請求項12】
通信ネットワークのゲートウェイデバイスによって実行される方法であって、
前記ゲートウェイデバイスによってサービングされる第1のホーム基地局から、移動通信デバイスを前記ゲートウェイデバイスによってサービングされる第2のホーム基地局に登録するためのリロケーション必須メッセージを受信すること、
前記受信されたリロケーション要求メッセージから、前記移動通信デバイスのための一時識別子を決定すること、
前記通信ネットワークのコアネットワークデバイスに、前記移動通信デバイスの永久識別子を要求するための情報要求メッセージを送信することであって、該情報要求メッセージは前記一時識別子を含む、送信すること、
前記通信ネットワークのコアネットワークデバイスから情報応答メッセージを受信することであって、該情報応答メッセージは前記移動通信デバイスの永久識別子を含む、受信すること、及び
前記受信された永久識別子に基づいて、前記第2のホーム基地局に対する前記移動通信デバイスのためのアクセス制御を開始することを含む、方法。
【請求項13】
前記受信された永久識別子が前記第2のホーム基地局のためのアクセス制御リスト上にあるか否かを判断することを更に含み、
前記受信された永久識別子が前記アクセス制御リスト上にあると判断すると、前記第2のホーム基地局に、前記移動通信デバイスのためのリロケーション要求メッセージを送信することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のホーム基地局に、前記移動通信デバイスのためのリロケーション要求メッセージを送信することを更に含み、該リロケーション要求メッセージは、前記第2のホーム基地局がアクセス制御を実行するための前記受信された永久識別子を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記情報要求メッセージ及び前記情報応答メッセージのうちの一方又は両方が、コネクション型通信プロトコルを用いて通信される、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のホーム基地局及び前記第2のホーム基地局はHeNB又はフェムトセルである、請求項12〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記永久識別子は国際移動加入者識別番号である、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記一時識別子は、前記ゲートウェイデバイスに登録されたホーム基地局によってサービングされる他のデバイスから、前記移動通信デバイスを一意に識別する、請求項12〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のホーム基地局及び前記第2のホーム基地局並びに前記移動通信デバイスは、クローズド加入者グループ動作のために構成される、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のホーム基地局のための第1のクローズド加入者グループを決定すること、
前記第2のホーム基地局のための第2のクローズド加入者グループを決定すること、並びに
前記第1のクローズド加入者グループ及び前記第2のクローズド加入者グループが異なると判断することを更に含む、請求項12〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
通信ネットワークの第1の通信デバイスによって実行される方法であって、
移動通信デバイスを前記ネットワークの第2の通信デバイスに登録するための要求を受信すること、
前記第1の通信デバイスが前記移動通信デバイスためのアクセス制御情報を有するか否かを判断すること、
前記第1の通信デバイスが前記移動通信デバイスためのアクセス制御情報を有しないと判断すると、アクセス制御情報要求を送信すること、
アクセス制御情報を受信すること、及び
前記受信されたアクセス制御情報に基づいて前記移動通信デバイスのためのアクセス制御を開始すること含む、方法。
【請求項22】
プログラマブルコンピューターデバイスが請求項1〜10のいずれか一項に記載のゲートウェイデバイスとして構成されるようになるためのコンピューター実施可能命令を含むコンピュータープログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−502087(P2013−502087A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506261(P2012−506261)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【国際出願番号】PCT/JP2010/063796
【国際公開番号】WO2011/019085
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】