説明

ボトム下着

【課題】 臀裂部までをカバーして臀裂部の湿気を効率的に除去することができるボトム下着とする。
【解決手段】 1つの腰部帯体110と、腰部帯体110に連なった2つのサポート体120R、120Lと、腰部帯体110に連なり、2つのサポート体120R、120Lを内側に納めたショーツ状のボトム体130とを備え、サポート体120R、120Lは、腰部帯体110に連なり、一方の臀部B200R、B200L及び鼠径部B100R、B100Lをカバーする上側サポート部121R、121Lと、上側サポート部121R、121Lと連なり、他方の大腿部B300L、B300Rが入る大腿用貫通孔123R、123Lを有する大腿サポート部122R、122Lとを有し、上側サポート部121R、121Lの後側縁部124R、124Lが臀裂部B400に入り込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトム下着に関する。
【背景技術】
【0002】
下半身に履くボトム下着は、腰回りを覆う筒状の腰部カバー部と、この腰部の下方に連なる2つの筒状の太股カバー部とが一体となったものである(特開2006−52475号公報)。
人間の下半身の後ろ側には、2つの盛り上がった臀部と、この臀部の間に肛門に向かって切れ込む臀裂部とがある。
一般的なボトム下着では、腰部カバー部が2つの臀部をカバーするが、2つの臀部の間の臀裂部まではカバーしない。
臀裂部までカバーするのは、腰部カバー部が筒状ではなく紐状になったいわゆるTバック状のものに限られる。
【0003】
【特許文献1】特開2006−52475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、臀裂部の皮膚疾患や痔疾は、臀裂部は汗が流れ込みやすい溝状になっていることも1つの原因となっている。このため、臀裂部の湿気を除去することはこれらの疾患の予防策として重要であるが、従来の下着は、臀裂部までをカバーして臀裂部の湿気を除去することまでは考慮されていない。いわゆるTバック状のものは臀裂部までカバーするが、湿気の除去という機能はまったくもっていない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたもので、臀裂部までをカバーして臀裂部の湿気を効率的に除去することができるボトム下着を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るボトム下着は、1つの腰部帯体と、この腰部帯体に連なった2つのサポート体とを備えており、前記サポート体は、腰部帯体に連なり、少なくとも一方の臀部をカバーする上側サポート部と、この上側サポート部と連なり、他方の大腿部が入る大腿用貫通孔を有する大腿サポート部とを有しており、前記上側サポート部の後側縁部が臀裂部に入り込むようになっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るボトム下着は、2つのサポート体の臀部をカバーする上部サポート部の後側縁部が臀裂部に入り込むようになっているので、臀裂部までをカバーすることができ、その結果、臀裂部の湿気を除去することができる。このため、このボトム下着であると、臀裂部の皮膚疾患や痔疾の治癒を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るボトム下着の右側サポート体を示す概略的斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るボトム下着の左側サポート体を示す概略的斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るボトム下着からボトム体を除いた状態を示す概略的斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るボトム下着の概略的斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るボトム下着の効果を示す概略的断面図である。
【図6】人体の下半身の各部の名称及び位置関係を示す図面であって、同図(A)は概略的正面図、同図(B)は概略的背面図、同図(C)は概略的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係るボトム下着100は、1つの腰部帯体110と、この腰部帯体110に連なった2つのサポート体120R、120Lと、前記腰部帯体110に連なり、前記2つのサポート体120R、120Lを内側に納めたショーツ状のボトム体130とを備えており、前記サポート体120R、120Lは、腰部帯体110に連なり、一方の臀部B200R、B200L及び鼠径部B100R、B100Lをカバーする上側サポート部121R、121Lと、この上側サポート部121R、121Lと連なり、他方の大腿部B300L、B300Rが入る大腿用貫通孔123R、123Lを有する大腿サポート部122R、122Lとを有しており、前記上側サポート部121R、121Lの後側縁部124R、124Lが臀裂部B400に入り込むようになっている。
【0010】
まず、本発明の実施の形態に係るボトム下着100の説明の前に、図6を参照して人体の各部について説明する。
人体の側腹部B550R、B550L、クロッチ部B450、腰部B500、鼠径部B100R、B100L、仙骨部B560及び臀部B200R、B200Lの位置は、図6に示す通りである。
下腹部の前中心は恥骨部、その下方の外性器部及び背面側の肛門部はクロッチ部B450、その背面側の上方は仙骨部B560と称される。クロッチ部B450の体前面側(外性器部)と恥骨部との境界は恥丘の近辺であり、クロッチ部B450の体後面側(肛門部)と仙骨部との境界は、尾骨の近辺である。
臀裂部B400は、2つの臀部B200R、B200Lの間の溝であり、仙骨部B560からクロッチ部B450の体後面側にかけて形作られている。
【0011】
前記腰部帯体110は、腰部B500を一周するバンドであって、伸縮性のあるゴム等からなる帯状に形成されている。
【0012】
前記サポート体には、右側サポート体120Rと左側サポート体120Lとがある。この右側サポート体120Rと左側サポート体120Lとは、左右対称になっている。
前記右側サポート体120Rは、右側の臀部B200R及び右側の鼠径部B100Rをカバーする右側上部サポート部121Rと、左足の大腿部B300Lが入る左側大腿用貫通孔123Rを有する左側大腿サポート部122Rとが一体に形成されたものである。
【0013】
前記右側上部サポート部120Rは、腰部帯体110の右側半分に連なっている。この右側上部サポート部121Rは、右側の臀部B200Rをカバーする部分が臀部B200Rの形状に対応したドーム状になっており、その後側縁部124Rは臀裂部B400に入り込むようになっている。また、右側上部サポート部121Rの鼠径部B100Rをカバーする部分は、外性器部までを右側からカバーするようになっている。
従って、この右側上部サポート部121Rは、着用する人体の正面側からみると、外性器部、右側側腹部B550R、右側の臀部B200Rまでをカバーし、後側縁部124Rが仙骨部からクロッチ部に掛けて臀裂部B400の内側に入り込むようになっているのである(図5参照)。
【0014】
一方、前記左側大腿サポート部123Rは、左足の大腿部B300Lに対応するような筒状に形成されている。この左側大腿サポート部123Rの上縁部の内側縁部126Rは、前記右側上部サポート部121Rの前側縁部125R及び後側縁部124Rと連なっている。この左側大腿サポート部122Rの内側の全体が左側大腿用貫通孔123Rになっているのである。
【0015】
従って、例えば、腰部帯体110に右側サポート体120Rのみが連なっていると仮定した場合(図1に示すような状態)、左足は腰部帯体110及び左側大腿サポート部122Rを通過して、左側大腿サポート部122Rによって左足の大腿部B300Lがカバーされる。また、同時に右足は腰部帯体110及び右側上部サポート部121Rを通過して、右側上部サポート部121Rによって右側の臀部B200R及び右側の鼠径部B100Rがカバーされる。
【0016】
前記左側サポート体120Lは、前記右側サポート体120Rの左右を反転させたものであるから、左側の臀部B200L及び左側の鼠径部B100Lをカバーする左側上部サポート部121Lと、右足の大腿部B300Rが入る右側大腿用貫通孔123Lを有する右側大腿サポート部122Lとが一体に形成されたものである。
すなわち、この左側サポート体120Lは、前記右側サポート体120Rによってカバーされていない左側の臀部B200L及び左側の鼠径部B100Lと、右足の大腿部B300Rとをそれぞれカバーするものになる。
【0017】
前記ボトム体130は、一般のショーツ状のものである。すなわち、1つの入り口と2つの出口とを有する筒体状になっている。かかるボトム体130は、上縁部が腰部帯体110に連なっており、前記2つのサポート体、すなわち右側サポート体120Rと左側サポート体120Lとを内側に納めているのである。
従って、このボトム下着100を外側からみると、図4に示すように、一般的なショーツと同等に見えることになる。
【0018】
このボトム下着100を男性用のものとする場合には、ボトム体130の前立て部に開口部(図示省略)を形成しておけば、小用の際に2つのサポート体120R、120Lの上側サポート部121R、121Lの隙間を介して陰茎を取り出すことができる。
また、この女性用のボトム下着とする場合には、ボトム体130にはこのような開口部は不要となる。
【0019】
なお、上述した右側サポート体120R、左側サポート体120L及びボトム体130はある程度の伸縮性を有する布地から構成されることが望ましい。
【0020】
このように構成されたボトム下着100であると、2つのサポート体120R、120Lはボトム体130の内側に位置しているため、身につける際に足が入れにくい、或いは身につける際にサポート体120R、120Lが捲れてしまうといった問題は生じない。しかも、臀裂部B400に対しては右側からは右側上部サーポト体121Rの後側縁部124Rが、左側からは左側上部サポート体121Lの後側縁部124Lがそれぞれ入り込むので、臀裂部B400の内側まで確実にカバーされることになる。
【0021】
上述した実施の形態では、サポート体120R、120Lの大腿サポート部122R、122Lは、筒状であるとしたため、このボトム下着100は全体としてトランクス状或いはボクサーショーツ状に形成されることになったが、例えば、リング状のようにそれほど深くしなければ、ブリーフ状に形成することも可能である。
【0022】
また、上述した実施の形態では、2つのサポート体120R、120Lをボトム体130の内側に納めることとしたが、このボトム体130を完全に用いないことも可能である。その場合には、特に男性用の場合には外性器がはみ出さないように、2つのサポート体120R、120Lの上側サポート部121R、121Lの前側縁部125R、125Lが重なるようにしておくことも可能である。
【符号の説明】
【0023】
100 ボトム下着
110 腰部帯体
120R 右側サポート体
120L 左側サポート体
121R 右側上部サポート部
121L 左側上部サポート部
122R 左側大腿サポート部
122L 右側大腿サポート部
123R 左側大腿用サポート孔
123L 右側大腿用サポート孔
130 ボトム体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの腰部帯体と、この腰部帯体に連なった2つのサポート体とを具備しており、前記サポート体は、腰部帯体に連なり、少なくとも一方の臀部をカバーする上側サポート部と、この上側サポート部と連なり、他方の大腿部が入る大腿用貫通孔を有する大腿サポート部とを有しており、前記上側サポート部の後側縁部が臀裂部に入り込むことを特徴とするボトム下着。
【請求項2】
前記サポート体の上部サポート体は、臀部の他に鼠径部をカバーすることを特徴とする請求項1記載のボトム下着。
【請求項3】
前記1つの腰部帯体に連なり、前記2つのサポート体を内側に納めたショーツ状のボトム体を具備したことを特徴とする請求項1又は2記載のボトム下着。
【請求項4】
前記大腿サポート部は、筒状に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のボトム下着。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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